1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 11 | 1 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 2 | 7 | 0 | 0 |
勝利投手:大竹 耕太郎(9勝7敗0S) (セーブ:ゲラ(0勝3敗12S)) 敗戦投手:大野 雄大(2勝6敗0S) |
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◆阪神は3回裏、森下の適時打で先制に成功する。なおも続く好機で佐藤輝が犠飛を放ち、リードを広げた。投げては、先発・大竹が5回1失点8奪三振。その後は4人の継投でリードを守り抜き、大竹は今季9勝目を挙げた。敗れた中日は相手を上回る11安打を放つも、1得点とつながりを欠いた。
◆中日大野雄大が甲子園球場で先発。同球場では通算5勝7敗。白星は20年9月30日が最後で、同年10月29日から4連敗中だ。近年の大野はマツダスタジアムで7連敗中、神宮球場で3連敗中と屋外球場を苦手としており、屋外球場の登板は現在10連敗中。プロ入りの11年から15年まで17勝9敗と得意としていたが、16年以降は4勝23敗と大きく負け越している。
◆阪神岡田彰布監督(66)が、坂本誠志郎捕手(30)と梅野隆太郎捕手(33)に直接メッセージを送った。試合前練習の際に会話するシーンが見られたが、岡田監督は「そんなん言われへんよ」と内容は明かさなかった。坂本は前日4日の中日戦でスタメン出場。先発村上頌樹投手(26)が初回に2点を失うと、ベンチからカーブをしっかりと使うように指示が飛んだ。岡田監督は試合後「だから去年と同じ感覚でいったらアカンって、坂本にもな。去年やったら抑えられたリードでも今年は違うって。そんなん受けとったら分かるやろ。初回、カーブ投げたか? 何で投げへんの。それからカーブでいくつアウトにできた? 1球でアウト取れるのに、何で使えへんのかな、もう。だからおんなじことばっか言ってるわ、ベンチで。やれへんもんな」と指摘していた。一夜明け、直接対話であらためて確認したとみられる。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)が今季100安打に到達した。2回1死から中前打を放った。入団以来、4年連続の3桁安打となった。今季の阪神は佐藤輝のほか、近本光司外野手(29)、森下翔太外野手(24)、大山悠輔内野手(29)とドラフト1位入団の選手がそろって100安打を達成。同一シーズンに「ドラ1」4人が100安打をマークするのは球団初だ。今季はほかに中野拓夢内野手(28)も100安打を突破している。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)が思わずお手上げポーズをとった。3回、1点を先制してなお1死満塁の大チャンス。甘い直球をとらえた打球は右翼にいい角度で上がり、大歓声が上がったが、この日は右から左への「浜風」が強く吹いていた。風に押し戻されてグランドスラムならず。もちろん、貴重な犠飛にはなった。手応え十分に走り出していた背番号8は、一塁ベースの手前で両手を上げて天を仰ぐようなポーズ。ベンチの岡田彰布監督(66)も苦笑いした。
◆打点王を見据える阪神森下翔太外野手(24)がまた数字を上積みした。3回1死一、二塁から先制の左前打で1打点。62打点目となった。試合前の段階で、森下はトップの巨人岡本和真内野手(28)ヤクルト村上宗隆内野手(24)と4打点差だった。
◆阪神森下翔太外野手(24)が2年目で初めてシーズン規定打席に到達した。5回にこの日3打席目を完了し、試合も成立。443打席以上が確定した。昨季は離脱期間も長く、377打席にとどまっていた。
◆阪神が今季5度目の同一カード3連勝を決めた。今季の甲子園での中日戦は10勝1分けの無敗でフィニッシュ。同一球団に甲子園でシーズン無敗は52年のフランチャイズ制導入以降、3度目となった。過去2度は54年洋松戦、55年広島戦で、69年ぶりの快挙だ。前夜は初回先頭から6連打で6得点。この日も主導権を握ったのは阪神だった。0-0の3回。1死一、二塁で森下翔太外野手(24)が先制の左前適時打。さらに1死満塁で佐藤輝明内野手(25)が右犠飛を放ち、2点目を挙げた。先発大竹耕太郎投手(29)は5回1失点で9勝目。6回からは桐敷拓馬投手(25)、石井大智投手(27)、岩崎優投手(33)、ハビー・ゲラ投手(28)のリレーで勝利を呼び込んだ。広島、巨人の上位2チームに離されることなく、6日からはヤクルト3連戦(神宮)に臨む。
◆中日は29年ぶりの相手本拠地シーズン未勝利(10敗1分け)で今季の甲子園最終戦を終えた。また、1リーグ時代の1939年に13連敗して以来、85年ぶりの甲子園10連敗で借金15。立浪和義監督(55)は「11安打で1点しか取れていない。これは自分の責任でもある。何より甲子園でひとつも勝てなかったことで、見に来てくれているファンの方に本当に申し訳ない。その気持ちでいっぱいです」とざんげした。自身も甲子園4連敗中と相性の悪い先発大野が3回、2点の先制を許す。4回1死満塁の好機は村松、大野が凡退。5回、福永の適時二塁打で1点を返したが、6回まで10安打10残塁であと1本が出なかった。今季6敗目を喫した大野は甲子園5連敗、屋外球場11連敗となった。過去の敵地未勝利は76年後楽園(対巨人12敗1分け)、80年広島(対広島10敗2分け)、95年横浜(対横浜9敗)で、甲子園は球団初の屈辱となった。
◆阪神が今季5度目の同一カード3連勝を決めた。今季の甲子園での中日戦は10勝1分けの無敗でフィニッシュ。同一球団に甲子園でシーズン無敗は52年のフランチャイズ制導入以降、3度目となった。過去2度は54年洋松戦、55年広島戦で、69年ぶりの快挙だ。岡田監督の一問一答は以下の通り。-接戦を制した「どっかで追加点が取れるともっと楽だったんですけどね、うん。まあね、1点差でも勝ったことが価値あると思います」-近本、中野が出ると点が入る「森下とかクリーンアップにいいところで回ってきますからね」-中野がセーフティーバント「初めてでしょ。セーフティーで内野安打になったのはね」-4回以降はなかなか1点が遠かった「いやいや。それはね、取れたら楽な展開になってたんですけどね。まあ、そういうときもありますよ」-先発の大竹は「5回でね、100球、98ですか。もう、あそこ4回がね、打順回ってきたんですけど、とにかく5回までというんで。これはもう5回でいっぱいかなって。なかなか空振り取れなくてねファウルで粘られて球数が増えていたので、ここはリードしたら勝ちパターンでつながないといけないので」-桐敷は危ないところがあった「危ないというか、別に点を取られなかったらいいんだから、別に危ないとは思ってないです」-中日に3連勝「いやいや、1試合1試合やっているだけなので」-目の前の一戦必勝というところか「全部勝てるわけじゃないですけど、まあ勝てるチャンスがあれば逃さないで勝っていくことでしょうね」-ヤクルト戦に向けて「いやいや、一緒です、一緒です。明日移動日ないんでね、でも、流れ的にはつながりというか、そういう意味ではすごくいいので。今日の反省会言うと、誰かがどっかで1本ね、打ってたらもっと楽な展開になってたというのもね、明日からそういうことがないようにね、やっていきたいですね」
◆阪神が今季5度目の同一カード3連勝を決めた。今季の甲子園での中日戦は10勝1分けの無敗でフィニッシュ。同一球団に甲子園でシーズン無敗は52年のフランチャイズ制導入以降、3度目となった。過去2度は54年洋松戦、55年広島戦で、69年ぶりの快挙だ。岡田監督の一問一答は以下の通り。-中日も必死だった「1勝せなあかんから」-佐藤輝の犠飛は浜風に押された「そら、しゃあないやん、そんなん言うても。分かってることやんか」-勝たないといけない試合に勝ち切れた「そら、どっかでね、1点でも追加点あればな、もうちょっと楽でな、ブルペン4人も投げられたと思うけど。まあでも、1点でも勝ってるわけやからさ、それを0点に抑えていくのがブルペン陣やからさ。久しぶりじゃないか、1点差でブルペンに任したのは」-あの4人に尽きるという試合だった「うん、まあそうや、そういうことやな、おーん」-桐敷は最後真っすぐで押し切った「うん、いやいや、それはアウト取ったらええやん。そら最高なんが三振なんやから三振取ったんやから。それでええんちゃう? カウントなんか関係ないよ。3球三振も粘られての三振も一緒やから」-ゲラは久々「こないだ中8日なんよ。おととい。最初ボール走ってないもんな、今日は中1日やから最初からボール走ってたもんな。速かったよ、見てても速かった」-岩崎、ゲラの順番は「そんなんは決めてない。ある程度準備があるからな、前もってな。それは勝ってる時は連絡しとくから」-石井も詰めた方が「石井もなあ、あんまり空けたらあかんかもな。1日空くぐらいがちょうどええんちゃうかな、それで連投して1日空いてとかな、それぐらいの間隔の方がええかもなあ」-リリーフ全体の頑張りはどう見てるか「いやいや、だって、そら抑えると思って出してるんやから。あ、やっぱり抑えよったと思ってるだけよ。それはそんなん、打たれると思って出してないねんから」-今季は中日に甲子園で負けなかった「まあ、そんなん、そやったかなと思ってるだけよ、計算してない。負けたのは倉敷やってんな、そういうことやろ。まあまあ」
◆阪神近本光司外野手(29)が今季2度目の3四球でチームに貢献した。3回には1死から四球で出塁し、先制のホームを踏んだ。この第2打席から今季初の3打席連続四球を選んだ。「塁にしっかり出て、(ホームに)かえって来たので、良かった」。2打数無安打で、8月13日の巨人戦(東京ドーム)から継続していた連続安打は、17試合で途切れた。「仕方ないことなので、別に何も気にしていない」と冷静に語った。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)が両手を上げて天を仰いだ。3回、1点を先制しなおも1死満塁。中日大野の132キロツーシームを捉えると、良い角度で打球が上がった。いったか...と思わせる当たりだった。ただ、この日は右から左へ左打者泣かせの強烈な「浜風」が吹いていた。打球は押し戻されグランドスラムはならず。それでも貴重な犠飛。「いい流れでしたし、最低限ですがランナーをかえすことができてよかったです」。一塁ベース手前で「お手上げポーズ」をとったものの、2点目が入った。結果的には1点差ゲーム。これが大きかった。2回には今季100安打目となる中前打を放っていた。近本、森下、大山がすでに到達しており、同一シーズンに「ドラ1」4人が達成するのは球団史上初の快挙。名前の頭文字をとって「近森大佐」カルテットが球団史に名前を刻んだ。新人から4年連続100安打&2桁本塁打も球団初の記録。「しっかり振りにいけた」とうなずいた。後半戦は踏み出すスタンスの幅を狭くした。重心が捕手側に残り「ボールとの距離を取れるというのはある」とメリットを感じる。時には「軽打」も意識する。ずっと課題にしてきた確実性が備わりつつあり「ちゃんと当たれば長打にはなると思うので」。岡田監督も「角度がつけばホームランになる」と言い続けてきた。着実にミートすることにも重きを置き、安打を積み重ねる。同一カード3連勝で6日からはヤクルト3連戦。敵地神宮では今季3本塁打と球場別最多タイだ。「本当に最後までどうなるか分からないですし、しっかり目の前の試合を勝って、積み重ねていければなと思います」。好相性の舞台で上位猛追の一撃を狙う。【中野椋】佐藤輝が2回の中前打で今季100安打に到達した。阪神のドラフト1位入団選手としては今季、近本、森下、大山に続き4人目(ほかに中野)。ドラフト最上位入団の4選手が同一年に3桁安打を記録したのは、球団初となった。これで佐藤輝と中野の21年同期入団コンビは、新人年からそろって4年連続3桁安打。この2人は昨年、プロ野球初の「同一球団でプロ1年目からそろって3年連続100安打以上」という快挙を成し遂げており、記録を4年に伸ばした。
◆3位阪神は中日に同一カード3連戦3連勝し、首位巨人まで3差、2位広島に2・5差とした。3、4日と2夜連続で上位3チームの中で阪神が"独り勝ち"だったが、この日は阪神と巨人が勝利。広島は延長戦にもつれ込んだ末にサヨナラ負けで首位が巨人に入れ替わった。阪神は3連勝で残り19試合となり、首位巨人に3差、2位広島に2・5差とゲーム差を縮めた。
◆アレンパへの望みつないだ! 阪神が今季5度目の同一カード3連勝を決めた。3番森下翔太外野手(24)が3回に先制の左前適時打を放つなど持ち前の勝負強さを発揮した。2年目で初のシーズン規定打席にも到達した。今季の甲子園での中日戦は10勝1分けの無敗でフィニッシュ。首位巨人とのゲーム差は3差、2位広島とは2・5差。上位2チームに離されることなく、6日からはヤクルト3連戦(神宮)に臨む。驚速のグラウンダーが、一瞬で三遊間を突き抜けた。3回1死一、二塁の先制機。阪神森下はやや甘く入った外寄りのカットボールを見逃さない。チャンスで特別な力を宿すバットで、ガツンとつかまえた。「自分が走者をかえすんだという強い気持ちで、ゾーンに来た球を積極的にいけば自信を持って振り出せると思っていました。(前が)つないでくれるので自分はもうかえすだけ」佐藤輝も犠飛で続いて2点ゲット。このリードを最後まで守り切った。わずかに残る"アレンパ"の望みへ、食らいついた。昨季王者はただでは転ばない。けん引するのが森下だ。この試合で、2年目で初のシーズン規定打席に到達。押しも押されもしない主力となった。今季62打点。3ランを放った巨人岡本和とは6差だが、初のタイトルも視界に入れる。「試合であたふたしないように、練習で突き詰めています」とお立ち台から解説した。7月下旬に岡田監督から打撃フォーム修正を命じられ、戸惑った日々は過去のもの。8月から体をまっすぐに起こした構えに変更し、ハマった。シーズン中でも理想の形を模索し、実りの9月を迎えている。中大2年時。左足を上げるフォームから、今のようなすり足に変更した。長年のもやもや感と初めて向き合った。初の挑戦だけにメジャーの一流打者から日本のアマまで、あらゆる打者の映像をむさぼるように見て、1つの答えを得た。「よく打つ人は、足を上げても上げている自覚はないんじゃないかと。見た目は違うんだけど。タイミングをとると自然と足が上がったりする」。無意識にタイミングを取り、勝負に集中できるようになった。息詰まるしのぎ合いを制し、5度目の同一カード3連勝。中日には今季の甲子園で10勝1分けの無敗で終えた。岡田監督は「1点差で勝ったことが価値あると思いますね」と喜んだ。今日6日からは神宮でヤクルト戦。「3連勝して、いい勢いのまま、また甲子園に戻ってきたいと思います」。森下の目がまたギラギラとしてきた。【柏原誠】阪神桐敷(2番手で2安打浴びるも1回無失点)「粘れて0でいけたので良かった。チームが勝てて良かったですね。次も粘り強く0でいけたら」阪神石井(1点リードの7回に登板。主軸3人を7球で3者凡退)「3人で、こういう展開で球数少なく終われると思っていなかった。7球で終われて、結果的には良かったです」○...阪神は本拠地甲子園での今季中日戦を、10勝1分けと無敗で終えた。52年のフランチャイズ制導入以降、阪神が甲子園で10試合以上を行った球団に黒星なしは初となった。
◆阪神の石井大智投手(27)がプロ4年目でキャリアハイとなる45試合目の登板で0に抑えた。2-1の7回から3番手で登板した。福永、細川、カリステのクリーンアップを3者凡退。わずか7球で仕事を終え、軽やかにバトンをつないだ。「本当に結果的に3人で球数少なく終われると思ってなかったんですけど。結果的に7球で終われて、良かったのかな」と充実だった。石井は佐藤輝や伊藤将、村上らと同じ20年ドラフトの8位で入団。1、2年目で18試合ずつに登板し、プロ3年目の昨季は44試合と一気に登板数が増えて防御率も1・35でプロ初勝利もマークするなど飛躍の年となった。今季は勝ちパターンの仲間入りを果たし、ここまで45試合で26ホールド、防御率1・88と結果を残し続けている。
◆阪神大竹耕太郎投手(29)が粘投で2年連続の2桁勝利に王手をかけた。立ち上がりからピンチの連続だった。初回は2死一、三塁からカリステを遊ゴロ。4回には1死満塁をしのいで無失点に抑えた。2-0の5回には1死二塁から福永に左翼フェンス直撃の二塁打で1点を失ったが、2死一、三塁から高橋周には自己最多となるこの日8個目の三振を奪ってほえた。同点阻止に「今年だと追いつかれたり追い越されたりするのが5回6回7回で結構あって、トラウマじゃないですけどそこで三振を取れたのは今後に向けても大きい」と収穫を得た。球数を要したが丁寧に投げ込み5回8安打1失点。「フォアボールを出してもいいからどこで勝負するのかをうまくできた」と冷静に粘り抜いた。救援陣が無失点でつないで9勝目。「感謝をして次は自分が助けるピッチングができるように練習していくしかない」と恩返しを誓った。【林亮佑】阪神ゲラ(1点リードの9回を3者凡退で無失点。今季12セーブ目)「大事な試合が続くけど、こうしてブルペン陣で締まった試合ができるのは本当に素晴らしいことだと思うよ」
◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神ドラ1の近本光司、森下翔太、大山悠輔、佐藤輝明の4人が100安打達成し中日戦に3連勝。頼もしいメンバーの活躍で、アレンパへの夢はまだまだ続きます。
◆自慢のリリーフ陣が虎の望みをつないだ。阪神が今季5度目の同一カード3連勝を決めた。岡田彰布監督(66)は1点リードの6回からブルペン勝負を選択。強力な中継ぎ陣が期待通りにゼロのバトンをつないだ。今季の甲子園での中日戦は10勝1分けの無敗でフィニッシュだ。首位巨人から4位DeNAまで4チームが4・5差にひしめく大混セ状態でシーズン終盤になだれ込む。残り19試合。虎のブルペンの底力も試される。屈強なリリーバーたちが執念でバトンをつないだ。ゲラが最後を締めると、ハイタッチでねぎらい合った。鉄壁ブルペンが4イニング無失点リレーで1点リードを守った。岡田監督はベンチで安心して見ていた。「抑えると思って出してるんやから。『あっ、やっぱり抑えよった』と思ってるだけよ。打たれると思って出してないねんから」2-1の6回から継投に入った。先陣を切った桐敷は2死二、三塁のピンチ。「点を取られなかったらいいんだから、別に危ないとは思ってない」。指揮官の言葉通り、最後は山本を3ボールから追い込み空振り三振に仕留めた。「そら最高なんが三振なんやから。それでええんちゃう? カウントなんか関係ないよ。3球三振も粘られての三振も一緒やから」とうなずいた。7回の石井はキャリアハイ45試合目の登板を3者凡退。ブルペンリーダー岩崎は8回2死二塁でブライトを空振り三振に仕留め、マウンド上で感情を抑えるように汗をぬぐった。ゲラは7月31日以来、約1カ月ぶりの12セーブ目。4人そろい踏みの登板は今季16試合目でチームは9勝5敗2分け。7月28日中日戦以降は6勝1分けで、後半戦は負けなしだ。「1点でも勝ってるわけやからさ、それを0点に抑えていくのがブルペン陣やからさ」。4人に尽きる。そんな試合だった。試合前には梅野、坂本とグラウンド上で直接対話。「そんなん言われへんよ」と内容は伏せたが、ディフェンスの要を担う2人にメッセージを送り、守り勝ちで5度目の同一カード3連勝。中日には今季の甲子園で10勝1分けの無敗で終え「そやったかなと思ってるだけよ。計算してない」と前だけを見る。首位には8月13日以来となる3ゲーム差に迫り、巨人を追う。2位広島にも2・5差。首位から4位DeNAまで4・5差の「混セ」だ。残り19試合。「全部勝てるわけじゃないですけど、勝てるチャンスがあれば逃さないで勝っていくことでしょうね」とポイントを挙げた。最後まで分からないペナントレース。タフなブルペン陣とともにシビれる試合を制していく。【中野椋】阪神ゲラ(1点リードの9回を3者凡退で無失点。今季12セーブ目)「大事な試合が続くけど、こうしてブルペン陣で締まった試合ができるのは本当に素晴らしいことだと思うよ」阪神は本拠地甲子園での今季中日戦を、10勝1分けと無敗で終えた。52年のフランチャイズ制導入以降、阪神が甲子園で10試合以上を行った球団に黒星なしは初となった。
◆阪神森下翔太外野手(24)の打球は一瞬で三遊間を突き抜けた。3回1死一、二塁の先制機。やや甘い外寄りのカットボールを見逃さずつかまえた。「自分が走者をかえすんだという強い気持ちでした。ゾーンに来た球を積極的にいけば自信を持って振り出せると思っていました」この試合で2年目で初のシーズン規定打席(443打席)に到達。「ファームに落ちた期間もあったけど規定に乗れたのは去年と大きく違うところ」と上を見据えた。今季62打点。3ランを放った巨人岡本和とは6差で、初のタイトルも視界に入れる。8月から体をまっすぐに起こした構えに変更。これがハマり、実りの9月を迎えている。中大2年時。左足を上げるフォームから、今のようなすり足に変更した。長年のもやもや感と初めて向き合った。メジャーの一流打者から日本のアマまで、あらゆる打者の映像をむさぼるように見て、1つの答えを得た。「よく打つ人は、足を上げても上げている自覚はないんじゃないかと。見た目は違うんだけど。タイミングをとると自然と足が上がったりする」。無意識にタイミングを取り、勝負に集中できるようになった。今日6日からは神宮でヤクルト戦。「3連勝して、いい勢いのまま、また甲子園に戻ってきたい」と宣言。森下の目がまたギラギラとしてきた。【柏原誠】
◆阪神・岡田彰布監督(66)が、試合前練習で梅野隆太郎捕手(33)と坂本誠志郎捕手(30)のもとへ歩み寄り、約5分間言葉を交わした。指揮官が選手とグラウンドで話し込むのは稀だが、8月28日のDeNA戦(横浜)の試合前にも、石井&桐敷の中継ぎ陣に訓示するシーンもあった。残り20試合。嶋田1軍バッテリーコーチを交え、捕手陣と今一度、確認事項を徹底したとみられる。
◆阪神・及川雅貴投手(23)が5日、出場選手登録を抹消された。8月31日に中継ぎ要員として1軍再昇格。4日の中日戦(甲子園)では、2回3安打無失点だった。代わって、6日のヤクルト戦(神宮)に先発予定のジェレミー・ビーズリー投手(28)が出場選手登録される見込み。
◆阪神は井上広大外野手(23)が「6番・左翼」で2試合連続先発出場する。4日の同戦では左腕の小笠原から、甲子園プロ初アーチとなる2号2ラン。先発出場では、2試合連続本塁打と結果を残した。相手先発が左腕の試合でスタメン起用を勝ち取った若虎が聖地に再び放物線をかける。
◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が二回1死の第1打席で中前打を放った。大野の144キロ直球をとらえた。佐藤輝はこれが今季の100安打目。新人年から4年連続の100安打は阪神の選手では後藤次男、吉田義男、近本光司、中野拓夢に次いで5人目。今季は11本塁打を放っており、入団1年目から100安打と10本塁打の両方を4年以上達成した選手はプロ野球史上18人目で球団では初となった。また、阪神では今季近本、森下、大山のドラフト1位入団選手が100安打に到達しており、佐藤輝と合わせて4人のドラ1が100安打を達成するのも球団初となった。
◆阪神・森下翔太外野手(23)が先制の左前適時打を放った。0-0の三回。1死から近本が四球で出塁すると、続く中野がセーフティーバント。大野の送球がそれ、内野安打となった。1死一、二塁で、試合前の時点でセ・リーグ2位の得点圏打率・342を誇る森下が打席へ。カウント1-0からの2球目、大野の127キロカットボールを引っ張った。三遊間を抜ける一打で二走・近本が生還。持ち前の勝負強さを発揮して、今季62打点目を挙げた。大山は死球で1死満塁。佐藤輝が放った打球は快音を残して右翼へ。浜風に押し戻され、大砲は悔しそうな表情を浮かべたが飛距離は十分。右犠飛でさらに1点を追加した。上位で作った好機をクリーンアップでかえす。阪神らしい攻撃で試合の主導権を奪った。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)が大ピンチをしのいだ。2点を先行した直後の四回。大竹は先頭の細川、カリステに左前打で無死一、二塁のピンチを背負った。続く高橋周は三振に斬ったが、木下拓の打球は遊撃手・木浪の後方にポトリ。不運な形もあって満塁の大ピンチとなった。それでも、村松を空振り三振に斬ると、大野をニゴロに打ち取って無失点。大ピンチをしのぎ、球場は大歓声に包まれた。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)は5回8安打1失点で降板した。一回から2死一、三塁のピンチを背負うも、カリステを遊ゴロに仕留めて無失点の立ち上がり。三者凡退は二回のみでヒットを浴びながらも、最少失点にとどめた。五回1死二塁から福永に左越えの適時二塁打を浴びるも、カリステ、高橋周を打ち取ってリードを守り切る。毎回の8奪三振はプロ入り後最多。今季9勝目の権利を持って、リリーフ陣に後を託した。六回からマウンドに上がった桐敷は1死一、三塁のピンチを背負うも、岡林を一ゴロ。なおも2死二、三塁から山本を空振り三振に仕留めてリードを守った。■阪神・大竹 「毎回のようにランナーを背負い球数も多くなってしまいました。早いイニングで交代となり中継ぎのみんなに負担をかけてしまい申し訳ないです。2点を先制してもらってピンチでも最少失点で切り抜け、同点、勝ち越しを防げたことはよかったのかなと思います」
◆打球は三遊間を強烈なライナーで抜けた。満員の甲子園は大歓声に包まれる。阪神・森下が先制の適時打で口火をきった。「甘い球は積極的に行こうと思っていた。自分が(走者を)かえすんだという強い気持ちで打つことができた」三回。1死から近本が四球を選び、中野が三塁前に転がしたバントが安打となって一、二塁で迎えた第2打席。大野のカットボールを左前に運んだ。「チームの勝利を導く打点をもっともっと増やしていきたい」と熱く語っていたプロ2年生は、これで62打点。岡本和(巨人)、村上(ヤクルト)といったリーグを代表する強打者とのタイトル争いに食らいつく。さらに大山の死球で1死満塁。二回の打席で新人年から4年連続の100安打となる中前打を放っていた佐藤輝が打席へ。大野のツーシームを完璧に捉えた。打球は「浜風」に押し戻されてスタンドインはならなかったが、犠飛となって貴重な追加点をもたらした。「(森下)翔太がタイムリーを打ってくれて、いい流れでしたし、最低限ですが、ランナーをかえすことができてよかった」この日も含めて残り20試合。岡田監督も本格的にムチを入れ始めた。試合前練習中、捕手の梅野、坂本と約5分話し込んだ。前日4日の試合後、勝利投手となった村上と捕手の坂本の配球への苦言を呈した指揮官。「(内容について)そんなん言われへん」と口を閉ざしたが、これからは一戦必勝-。捕手へのアドバイスであることは確かだ。最大5・5ゲーム差から逆転リーグ制覇へ。夢ではなくなってきた。阪神は前日まで中日に連勝する中、首位広島と2位巨人はまさかの連敗。広島とは3・5ゲーム差と射程圏内まであと一歩のところまできたからだ。岡田監督は「全然関係ない。そんなの。ずっと、一試合一試合勝っていくだけなんで、そんな計算はしてない」と無関心を装うが、打撃陣の状態もここにきて上向いていた。3日は難敵・高橋宏から7回3得点。前日4日は左腕小笠原から一回に6連打で6得点。井上が1軍の試合で甲子園初アーチを放った。この日は左腕・大野から森下が先制打で試合の主導権を握った。この勢いで、6日からは神宮に乗り込み、最下位ヤクルトを一気に飲み込む。(三木建次)
◆阪神が1点差を守り切り、中日を相手に同一カード3連勝を決めた。0-0の三回に1死から近本光司外野手(29)が四球で出塁すると、続く中野拓夢内野手(28)がセーフティーバントを決めて一、二塁。チャンスで、昨夜もチーム最初の打点を記録した森下翔太外野手(24)が左前に運び、先制に成功した。さらに大山悠輔内野手(29)が死球でつなぎ、1死満塁から佐藤輝明内野手(25)の右翼への犠飛で追加点を挙げた。先発の大竹耕太郎投手(29)は5回1失点で9勝目。8安打を浴びるも、自己最多の8三振を奪って要所を締めた。チームは今季7度目の3連勝で、逆転優勝に望みをつなげた。
◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)は残り19試合の現状を踏まえ、中継ぎ陣の腕の見せところだ説いた。大竹の状態を見れば五回までよく踏ん張った。九回を任されたゲラも球が走っており、桐敷、石井、岩崎を含めた4投手が1点差をよく守りきった。岡田監督もリミッターを解禁することを明言しており、中継ぎ陣からすれば腕の見せどころ。疲労は言ってられない。ここで連投できない投手はいないはず。こんなチャンスはないと思って、アグレッシブにどんどん投げてほしい。そんな投手陣を助けるためにも3点目は欲しかった。無死三塁で無得点だった七回はもちろん、四回も気になった。2死三塁から四球で歩いた近本はスタートを切ることは一度もなかった。結果的に中野は遊ゴロで二塁封殺。二、三塁となれば相手への重圧は増し、配球や守備隊形も変わる。中日の投手陣もいいだけに、2点リードの序盤で仕掛けてもよかった。もちろん、同一カード3連勝できたのは大きい。広島や巨人は嫌な気持ちになっているはずだ。次カードのヤクルト戦も3連勝のみ。走攻守で隙を見せない野球をすれば結果はついてくる。
◆阪神が5度目の同一カード3連勝。甲子園の中日戦を11戦10勝1分で終えた。三回1死一、二塁で森下翔太外野手(24)の左前打で先制し、佐藤輝明内野手(25)の右犠飛で2点目を追加した。佐藤輝は二回の中前打で吉田義男(8年)、近本光司(6年)、後藤次男(5年)に次いで、中野拓夢と並ぶ新人から4年連続100安打に到達した。2桁本塁打を合わせた4年連続は球団初。大竹耕太郎投手(29)の降板後の六回から桐敷拓馬(25)、石井大智(27)、岩崎優(33)、ハビー・ゲラ(28)の4投手がゼロを並べた。両軍計22残塁の試合を制したチームは1点差ゲームの連敗を「5」で止め、22勝20敗とした。貯金6は8月13日以来。首位を巨人に明け渡した広島とは3・5差となった。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=62勝56敗6分、観衆=4万2608人)ーー中日も必死だった「1勝せなアカンから」ーー佐藤輝の犠飛は浜風に押された「そら、しゃあないやん、そんなん言うても。分かってることやんか」ーー勝たないといけない試合に勝ち切れた「そら、どっかでね、1点でも追加点あればな、もうちょっと楽でな、ブルペン4人も投げられたと思うけど。まあでも、1点でも勝ってるわけやからさ、それを0点に抑えて行くのがブルペン陣やからさ。久しぶりじゃないか、1点差でブルペンに任したのは」ーーあの4人に尽きるという試合だった「うん、まあそうや、そういうことやな、おーん」ーー桐敷は最後真っすぐで押し切った「うん、いやいや、それはアウト取ったらええやん。そら最高なんが三振なんやから、(六回2死二、三塁で山本から)三振取ったんやから。それでええんちゃう? カウントなんか関係ないよ。三球三振も粘られての三振も一緒やから」ーーゲラは「こないだ中8日なんよ。おととい。最初ボール走ってないもんな、今日は中1日やから最初からボール走ってたもんな。速かったよ、見てても速かった」ーー岩崎、ゲラの順番は「そんなんは決めてない。ある程度準備があるからな、前もってな。それは勝ってる時は連絡しとくから」ーー石井も「石井もなあ、あんまり空けたらアカンかもな。1日空くぐらいがちょうどええんちゃうかな。それで連投して一日空いてとかな、それぐらいの間隔の方がええかもなあ」ーーリリーフ全体の頑張りはどう見てるか「いやいや、だって、そら抑えると思って出してるんやから。あ、やっぱり抑えよったと思ってるだけよ。それはそんなん、打たれると思って出してないねんから」ーー中日に甲子園で全部勝った「まあ、そんなん、そやったかなと思ってるだけよ、計算してない。負けたのは倉敷やってんな、そういうことやろ」
◆奏で続けた快音がまた一つの金字塔を打ち立てた。今季灯した100度目の「H」ランプ。佐藤輝が球団史に輝かしい1ページを刻んだ。「しっかり振りにいけたのでよかった。(100安打は)周りに支えてもらいながら、とりあえずよかったと思います」二回1死の第1打席。大野の初球、144キロ直球を振り抜いた。痛烈な打球は二遊間を抜けて中前で弾んだ。これが今季100安打。新人年から4年連続の大台到達は、同期の中野に次いで球団5人目の快挙だった。さらに、今季すでに11本塁打をマークしている男は、球団史上初の〝新人年から100安打&2桁本塁打〟を達成。3年連続だった岡田監督を超えた。プロ野球界を見渡しても、史上18人目の偉業だ。ルーキーイヤーからプロ野球界、そしてタイガースの歴史に何度も何度もその名を刻んできた。ただ、佐藤輝自身は快挙達成に喜びこそ口にしながら、現状に満足することはない。今回の100安打&2桁本塁打もそう。「特に100という数字にはこだわらず。もっともっと打ちたい。それだけです」。常に上を見続ける貪欲な姿勢はルーキー時代から全く変わらない。三回1死満塁の第2打席は浜風に押し戻されながらも右犠飛を放って大きな2点目。それでも1点差で迎えた七回無死三塁の好機は三振に倒れて悔しさをにじませた。「本当に最後までどうなるかわからないですし、しっかり目の前の試合を勝って、積み重ねていければなと思います」まだできる、もっとやれる。サトテルのプロ野球人生はまだまだこれから。より輝かしい偉業を積み重ねていく。(原田遼太郎)
◆阪神・ゲラが九回を完璧に締めた。岡林を三振、山本を遊ゴロに打ち取ると、最後は福永を142キロスライダーで見逃し三振。1点差を守り切り「ブルペン陣で締まった試合ができるのは素晴らしいこと。みんなで刺激し合って、しっかり取り組んで頑張っていきたい」とうなずいた。7月31日の巨人戦(甲子園)以来の12セーブ目で、来日初のお立ち台へ。日本語で「きょうナイスゲーム、ご声援ありがとうございました」と叫び、甲子園の虎党を沸かせた。
◆つなぎ役の阪神・中野がこれ以上ない仕事を果たした。三回、1死一塁でセーフティーバントを決め、チャンス拡大。「送りバントでいいかなという感覚で、しっかりコースは狙えた」と好機に強い中軸につなげた。森下の適時打では左翼の本塁への送球が高くなったのを見て、すかさず三塁を陥れた。「隙のない走塁をチームとして徹底してやっていきたい」。俊足巧打の仕事人が打線の潤滑油となる。
◆阪神の1番・近本が先制の口火を切った。三回1死から四球を選び、森下の適時打でホームを踏んだ。「塁にしっかり出て、得点も入ったのでよかったと思います」。3四球を選んでチームに貢献。連続試合安打は17で止まったが「それは仕方ないことなので、何も気にしていない」と不動のリードオフマンは前を向いた。
◆耐えた。しのいだ。阪神は2-1で中日に競り勝ち、3連勝。三回に森下翔太外野手(24)がベテラン大野から先制適時打を放って連夜のヒーローになり、必勝継投で逃げ切った。再び首位に立った巨人とは3ゲーム差。優勝戦線に食らいつき、リーグ連覇を信じて突き進む。夢をつなぐ一打は、気持ちで振った。打球が三遊間を強烈なライナーで抜けると、満員の甲子園は大歓声に包まれる。チャンスで打つ男、森下が先制の適時打で口火をきり、中日戦3連勝を呼び込んだ。「来た球を積極的にいけば、振り出せる自信があった。気持ちで振りました」三回。近本の四球、中野のセーフティーバントで1死一、二塁となって迎えた第2打席。1ボールからの2球目。大野のカットボールを思い切り振り抜いた。「自分はかえすだけでした」。単なる適時打にはせず、相手の守備のスキをついて二塁へ進む。1死二、三塁とチャンスを拡大させて、佐藤輝の右犠飛をおぜん立て。打つだけでない、走塁でも魅せた。同点2点二塁打を放った前日に続く活躍。これでチームトップの打点は62になった。リーグトップの岡本和(巨人)がこの日3ランを放って、68打点。6差で食らいつき、プロ2年目で堂々とタイトル争いを演じている。この日で444打席に立ち、目標のひとつである規定打席数(443)に到達した。昨季は開幕1軍入りしながら不振で2軍暮らしも長く、377打席に終わっていただけに、成長の証しとなった。「(7月上旬に)ファーム(2軍)に落ちた期間もあったけど、規定(打席)に乗れたというのは去年と大きく違うところ。今後の試合で打点だったり、勝負強さも継続して出していきたい」ルーキーイヤーの昨季は2位広島に11・5ゲーム差をつけるぶっちぎりのリーグ制覇と日本一を経験した。今季は巨人、広島を追いかける立場だ。結果を残せず、岡田監督から叱責されたことや不振で2軍降格も経験したが、緊張感のある中で大好きな野球ができることを堪能している。「本当に楽しいし、楽しめています。最高のレベルのところで毎日真剣勝負できることが喜びなので。そういう気持ちでこれからも臨んでいけたらいいなと」逆転Vを狙うには下位チームに取りこぼしは許されない中、チームは5位中日に3連勝し、今季は甲子園で無敗の10勝1分けと圧倒した。8月13日以来の貯金6として、残り19試合。岡田監督は「勝てるチャンスがあれば、逃さないで勝っていくことでしょうね」と一戦必勝を強調する。広島が敗れ、入れ替わって首位に立った巨人とは3ゲーム差。森下も「選手はゲーム差や首位争いのことは、あまり考えていないんじゃないですかね。やることをやる、やるべきことをやっていくだけ」と目の前の敵だけを見据える。優勝争いを楽しみながら勝つ。その終着点には連覇というゴールが待っている。(三木建次)?...巨人と阪神が勝ち、広島が敗れたため、3位阪神は首位返り咲きの巨人と3ゲーム差。当時首位の広島と3ゲーム差だった8月13日以来の接近となった?...阪神は今季の甲子園での中日戦11試合を10勝1分けで終えた。甲子園で同一カード10連勝は、1966年の広島戦10連勝に次いで58年ぶり2度目。同年は11勝1敗だったため、無敗は初めて。バンテリンドームでの中日戦は4勝5敗2分け(残り1試合)で、豊橋と倉敷で各1敗?...阪神は今季、甲子園で32勝18敗2分け(残り10試合)とし、すでに6年連続の勝ち越しを決めている
◆甲子園で顔を合わせるなり、還暦トラ番の三木建次が「もう大丈夫や」と話しかけてきた。岡田阪神のことかと思いきや「ペ・ヨンジュンのことや」と。残暑厳しい中、ワケが分からず、頭がクラクラしてきた。数日前、台風10号の直撃を受けて、三木やトラ番サブキャップの原田遼太郎らが乗った東海道新幹線が途中で止まり、スイッチバックもしないまま東京に戻ったという話は紹介した。ビヤ樽三木は飛行機で帰阪し、そのまま仕事。翌日とんでもない〝事故〟にあった。深夜、自宅に急いでいると、あろうことか何にもないのにつまずいてしまった。そのまま、電柱に頭からズドン。メガネが飛んだ。そのまま起き上がって、またズドン。2度のパンチを食らった三木はKOされた。血まみれになりながらフラフラと帰宅すると、妻のせつさんはビックリ仰天。すぐに病院で精密検査を受けることになった。かなりの腫れはあるものの、頭の中は異常なし。三木よ、もう一度聞く。頭の中は「異常なし!」(キッパリ)。強靭な三木の体はロキソニンを処方されただけで、驚異的な回復を遂げていった。岡田監督からは「電柱の方からぶつかってきたんちゃうか?」と言われて、三木はうれしそう。韓流ドラマ「冬のソナタ」を持ち出し「ユジンを交通事故から救ったときのチュンサン(ペ・ヨンジュン)みたいな感じや」と胸を張っていた。そんなええもんなんか!?
◆来た! 来た! 我が阪神、大逆転の『メークアレンパ』はじまりの中日戦3連勝!! しかもですよ、甲子園の中日戦今季1つも負けなしでっせ!! そーいうのはNPBさんも特別賞で3勝プレゼントとかあってもええよね~?よっしゃア! これで65勝(本当は62勝)! 勝ち星でセ・リーグトップに立ったやんか!! ...てな訳にはやっぱりいかないのね...。三回森下のタイムリーと佐藤輝の犠飛でいい感じで先制したのに、三回以外は再々のチャンスに凡退の山...。ならばベンチワークでどーにかしたってえなあ!!例えば、喉から手が出る程、追加点が欲しい八回1死三塁。打席には伏兵島田。スクイズのサインだしたらええやーん!!そりゃ、岡田さんには岡田さんなりの考えがあるんやろうけど、虎党としてはとにかく1点をもぎ取る勝利への執念を見せてほしいと、必死の思いで願っているんやー!!おー! 首位広島がDeNAにサヨナラ負け!! 猛虎のメークアレンパも絵に描いた餅やなくなったでェ!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
巨人 |
64 | 52 | 6 | 0.552 (↑0.004) | - (↓0.5) |
21 | 371 (+3) | 329 (-) | 66 (+1) | 50 (-) |
0.242 (-) | 2.560 (↑0.02) |
2 (1↓) |
広島 |
62 | 51 | 5 | 0.549 (↓0.005) | 0.5 (↑0.5) |
25 | 352 (+3) | 308 (+4) | 48 (-) | 52 (+2) |
0.237 (-) | 2.310 (↓0.01) |
3 (-) |
阪神 |
62 | 56 | 6 | 0.525 (↑0.004) | 3 (↑0.5) |
19 | 406 (+2) | 364 (+1) | 54 (-) | 34 (-) |
0.239 (-) | 2.480 (↑0.01) |
4 (-) |
DeNA |
60 | 57 | 2 | 0.513 (↑0.004) | 4.5 (↑0.5) |
24 | 434 (+4) | 413 (+3) | 88 (-) | 54 (-) |
0.256 (-) | 3.030 (-) |
5 (-) |
中日 |
50 | 65 | 8 | 0.435 (↓0.004) | 13.5 (↓0.5) |
20 | 317 (+1) | 400 (+2) | 53 (-) | 35 (-) |
0.239 (↑0.001) | 2.880 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
49 | 67 | 4 | 0.422 (↓0.004) | 15 (↓0.5) |
23 | 412 (-) | 472 (+3) | 80 (-) | 55 (-) |
0.237 (↓0.001) | 3.690 (↑0.01) |
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