ロッテ(☆3対1★)楽天 =リーグ戦17回戦(2024.09.05)・ZOZOマリンスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
楽天
0010000001600
ロッテ
01200000X3911
勝利投手:カイケル(1勝1敗0S)
(セーブ:益田 直也(1勝4敗21S))
敗戦投手:藤井 聖(8勝5敗0S)

本塁打
【ロッテ】ソト(15号・3回裏2ラン)

  DAZN
チケットぴあ ロッテ戦チケット予約 楽天戦チケット予約
◆ロッテは2回裏、友杉の適時打で先制する。同点とされて迎えた3回には、ソトの2ランで再びリードを奪った。投げては、先発・カイケルが5回1失点。その後は4投手の継投でリードを守り、カイケルは来日初勝利を挙げた。敗れた楽天は先発・藤井が試合をつくるも、打線が振るわなかった。

◆4年目の楽天藤井聖が5日のロッテ戦で、プロ初の中5日での先発登板を任される。2・5ゲーム差に迫る3位ロッテとの4連戦のカード頭に登板。「大事な試合の1戦目を任せていただいている。意気に感じて、投げたいなと思います」と気合を入れた。前回対戦は4月14日、4回9安打6失点と打ち込まれ敗戦投手となった。「春先やられている相手なので、全力で倒しにいくという思いです」。プロ初出場の地、ZOZOマリンで9勝目を目指す。

◆ロッテ打線に本塁打は出るか。ここまで61本塁打のロッテだが、8月の本塁打9本は両リーグでワースト。8月23日オリックス戦から9試合続けて本塁打が出ていない。ロッテの連続試合本塁打なしの最長記録は11年8月20日~9月1日の11試合で、10試合は52年6月15日~25日、53年7月15日~29日、15年9月9日~21日の3度。今日も1発が出なければワースト2位に並んでしまう。

◆ロッテは珍しいリクエストが発生した。3-1でリードの6回。先頭の高部瑛斗外野手(26)は楽天藤井のカウント2-2からインコースのボールが右肘に当たったと判断し、一塁に歩き出したが、ボール判定に。死球か否かを求めて、リクエストを要求した。リプレー検証の結果、球審はホームベースを指さし判定は覆らず。吉井監督は苦笑いで、高部も首をかしげながら打席に再び入った。死球に対するリクエストに、X上では「デッドボールってリクエストできるんだ」「珍しいな」などの声が上がった。ストライク、ボールなどの投球判定についてはリクエストできないが、死球か否かの判定を求める場合は可能となっている。

◆ロッテの国吉佑樹投手(32)が、球団新記録となる22試合連続無失点記録を達成した。2点リードの7回に3番手でマウンドに上がった。打者3人を投飛、遊飛、三飛に危なげなく抑え、5月29日のヤクルト戦から22試合連続無失点の記録達成となった。8月31日のソフトバンク戦で球団タイ記録となった際には「言われるまで知りませんでした(笑)。そんなことは気にせずまた次の登板でしっかり抑えられるようコンディションを整えたいと思います」と話していた。吉井理人監督(59)は「コンディションの作り方とかもしっかりしていて、若手の見本にもなる良いリリーバー」と評価していた。ロッテ国吉が5月29日ヤクルト戦から22試合連続無失点。連続試合無失点の球団新記録をマークした。これまでの球団最長は17年松永、23年西村が記録した21試合。プロ野球記録(パ・リーグ記録)は21年平良(西武)の39試合。

◆楽天は2・5ゲーム差で追う3位ロッテとの4連戦初戦を落とした。藤井聖投手(27)はプロ初の中5日で登板。同点に追いついた直後の3回、ソトに勝ち越し2ランを浴びたが、6回3失点で踏ん張った。敵地では1軍デビューした2年目から無傷の8連勝中だったが、その記録は途絶えた。藤井は「追いついてもらった後の本塁打は一番やっちゃいけない」と反省。今江監督も「同点に追いついた次の回にまたすぐ取られると、チームとして流れになかなか乗っていけない」と指摘した。チームは再び借金1に後退した。

◆ロッテのネフタリ・ソト内野手(35)が7月31日以来の本塁打を放った。1点リードの3回1死一塁から貴重な追加点となる左翼への15号2ランを放った。猛打賞の活躍で、久しぶりのお立ち台では「調子が悪かったけど裏方の方たちが練習に付き合ってくれて感謝しています。チームの勝ちに貢献出来るように頑張っていきたい」と話した。チームとして11試合連続ノーアーチの球団ワースト記録が迫っていたが、10試合ぶりの本塁打となった。

◆ロッテの国吉佑樹投手(32)が球団新記録となる22試合連続無失点を達成した。2点リードの7回に3番手でマウンドに上がった。「抑えようっていう気持ちが一番ですけど、その中にちょっと邪魔するような感じで記録がちらついていた」と本音を吐露。打者3人を投飛、遊飛、三飛と危なげなく抑えた。「記録が伸びるにこしたことはないですけど、変に意識しなくてもいいかなと思います」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

◆楽天藤井聖投手(27)は1発に泣いた。CS圏内を争う3位ロッテとの4連戦初戦に、プロ初の中5日で登板。6回107球、8安打3失点で早川に並ぶチームトップタイの9勝目を逃した。1軍初登板した2年目から敵地で無傷の8連勝中だったが、その記録も途絶えた。「ただただ実力不足って感じですね」と振り返った。序盤につかまった。2回2死三塁、友杉にフルカウントから低め145キロ直球を左前に運ばれ、先制適時打を許す。同点に追いついた直後の3回1死一塁では、ソトに3球目の高めスライダーを強振され、左翼席に勝ち越し2ランを運ばれた。「ストライクを取りにいってしまった結果、あの1球で試合が決まってしまったので、すごい反省しています」と肩を落とした。クオリティースタート(6回以上、自責3以下)をマークしたが、試合を作った実感はない。「追いついてもらった後のホームランは一番やっちゃいけないところ。6回3失点で試合を作ったって言われますけど、結局その3失点で負けてるので、試合を作ったというよりかは申し訳ないという感じです」と悔しそうに話した。試合前に2・5ゲーム差だった3位ロッテの背中は、3・5差に広がった。

◆サイ・ヤング賞左腕のロッテ、ダラス・カイケル投手(36)がNPB初勝利を挙げた。ポーカーフェースのカイケル流のルーティンで、5回1失点と落ち着いた投球を見せた。試合前まで3度の登板で計17回を投げ4失点。8月17日ソフトバンク戦と本拠地初登板の8月29日西武戦では、いずれも初回に2失点していた。苦手としていた初回をこの日は落ち着いて無失点にすると、ベンチに戻る際に、捕手田村とグラブタッチ。試合中、この時だけは、思わず笑みがこぼれた。普段は優しい表情が、マウンド上では一変する。点を取られても表情を崩さず、ポーカーフェースを貫く。吉井監督も「試合中は話しかけられないぐらいおっかない」と話すほどだ。マウンドを降りると、そのままベンチで休憩する投手が多い中で、カイケルは必ずカメラマン席から一番離れたベンチの入り口からすぐに裏へ姿を消す。「点を取られたときとか、イニング終わったときにカメラで捉えられると、表情に出ちゃう。中に入ってた方がいいんじゃないかなと思ってそうしている」とこだわりを明かした。日本仕様でベンチ前で投球練習をすることもなく、ギリギリまで中で過ごし、マウンドに上がった。試合後に、益田からウイニングボールが手渡されると、白い歯を見せ、再び笑顔に戻った。メジャーで103勝を挙げた助っ人が「今日のこの9月5日は忘れられないと思う」と喜んだ。「勝つことが大好き」と語る左腕がこれからも勝利を届け、自らとファンを笑顔にする。【星夏穂】ダラス・カイケル 1988年1月1日生まれ、米オクラホマ州出身。アーカンソー大から09年ドラフト7巡目でアストロズ入り。15年に20勝を挙げ最多勝、サイ・ヤング賞。17年ワールドシリーズ優勝。19年にブレーブス移籍後は6球団でプレーし、今季はブルワーズで4試合に投げ勝敗なし。大リーグ通算282試合、103勝92敗0セーブ、防御率4・04。ゴールドグラブ賞5度(14~16、18、21年)、球宴出場2度(15、17年)。190センチ、93キロ。左投げ左打ち。ロッテ・カイケルが、来日初勝利。サイ・ヤング賞投手のNPB球団加入は62年のドン・ニューカム(中日=登録名ニューク)、23年のトレバー・バウアー(DeNA)に次いで3人目。ニューカムは主に外野手としてプレーし、登板1試合で勝敗なし。勝利は昨季10勝のバウアーに次いで2人目。

◆ロッテのネフタリ・ソト内野手(35)が1―1の三回に15号2ランを放った。7月31日以来の一発となった。「完璧です。しっかり前でさばくことが出来たし、打つべきところで打てたかな」三回は1死から藤原が中前打で出塁。ソトはカウント1―1から真ん中高めのスライダーを振りぬいて、左翼席へと運んだ。チームにとっても8月23日以来10試合ぶりのアーチとなった。

◆パ・リーグ4位の楽天は2・5ゲーム差の3位・ロッテと4連戦。クライマックスシリーズ進出に向けて重要な直接対決を迎えた。今季は16試合対戦し、6勝9敗と分が悪いが、シーズン残り26試合のうち、この日を含め9度の対戦を控えており、形勢逆転は十分にあり得る。開幕戦以降、下降線だったチームは交流戦優勝を境に勝率5割を上回り、その後は勝率5割前後を推移している。2日のオリックス戦(楽天モバイルパーク)に5―2で勝利し、連敗を3でストップ。今江監督は「一戦一戦戦っていく」と2日間の休養を挟んで、敵地に乗り込んだ。しかし、先発した藤井が苦しい立ち上がりを強いられた。二回は1死から田村に中堅への二塁打を浴びると、2死三塁から友杉に左前適時打を許し、先制。同点とした三回は1死一塁からスライダーが甘く入りソトに左翼席へ15号勝ち越し2ランを被弾。序盤3イニングで6安打を集中されるなどチームに勢いをもたらすことができなかった。

◆アストロズ時代の2015年に米大リーグでサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いたロッテの新外国人、ダラス・カイケル投手(36)=前ブルワーズ=が、5回82球で3安打1失点の力投。4度目の登板にして来日初勝利の権利を持って降板した。140キロ前半のツーシームやチェンジアップ、カットボールを丁寧に低めに集める投球。三回は1死満塁のピンチを背負ったが、失点は辰巳のニゴロの間の1点のみ。計3四球と制球に苦しむ姿もあったが、熟練の投球術で試合を作った。この日は来日初の中6日での登板。これまではメジャー時代と同じ中5日の間隔で登板していたが、今週は月火水と3日間試合がなく日程の問題もあって変更。4位・楽天との直接対決4連戦の大事な初戦を任され、期待に応える投球だった。

◆ロッテ・国吉佑樹投手(32)が3―1の七回に登板し、1回無安打無失点に抑えた。これで球団最長記録を更新する5月29日のヤクルト戦から22試合連続無失点を達成した。七回は先頭の太田を投飛、小郷を遊飛、小深田を三飛で3者凡退に。150キロを超える直球に、カットボール、フォークボールを駆使していつものように仕事を果たした。これまでの球団の最長である21試合連続無失点は、2017年の松永昂大(6月7日の中日戦―8月2日の日本ハム戦)と、23年の西村天裕(4月2日のソフトバンク戦―6月7日のヤクルト戦)の2人がいた。

◆ロッテはカイケルが巧みな投球で5回を3安打1失点で来日4登板目で初白星を挙げた。二回に友杉が先制打の打線は1―1とされた直後の三回にソトの2点本塁打で勝ち越した。藤井が6回3失点だった楽天は打線が振るわなかった。

◆ファンも本人も、待ち望んだ1勝だった。7月末にロッテに加入したダラス・カイケル投手(36)=前ブルワーズ=が、4度目の先発で5回1失点に抑えて来日初勝利。2015年に米大リーグでサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いた実力の片りんを示した。「なかなか勝ちがつかなかったが、辛抱強くやってきた。4試合目で勝ててホッとしている」メジャー通算103勝を挙げ、アストロズでは17年のワールドシリーズ制覇の原動力となった左腕。当時のような150キロ近い速球はないが、打者の手元で動く140キロ前後のツーシームを軸に相手を翻弄。許した安打は単打3本のみ。三回は1死満塁としたものの、辰巳の二ゴロによる1点でしのいだ。過去3度の登板は、いずれも5回以上を2失点以下に抑えながらも勝ち星に恵まれなかった。そんな中、異国の地での挑戦を支えてくれたのが妻のケリー・ナッシュさん(33)。一緒のタイミングで来日し、この日も本拠地のスタンドで「カイケル」と書かれたタオルを掲げて応援。日本行きを後押ししてくれた存在でもあり、「妻がいなければ、日本での今日の姿はない。背中を押してくれたのは彼女。とても大きな存在」と感謝した。クライマックスシリーズ(CS)進出に向けた4位楽天との4連戦の初戦で白星を引き寄せた。試合後は妻に向かって投げキス。九回を抑えた益田からウイニングボールを受け取り「初勝利というのは本当に特別なボール。9月5日は忘れられないと思う」と感慨に浸った。(森祥太郎)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
74433 0.632
(-)
M15
(-)
23508
(-)
340
(-)
100
(-)
80
(-)
0.255
(-)
2.630
(-)
2
(-)
日本ハム
63508 0.558
(-)
9
(-)
22467
(-)
415
(-)
92
(-)
76
(-)
0.249
(-)
2.940
(-)
3
(-)
ロッテ
61556 0.526
(↑0.004)
12.5
(↑0.5)
21423
(+3)
432
(+1)
62
(+1)
55
(+1)
0.250
(↑0.001
3.240
(↑0.02)
4
(-)
楽天
57583 0.496
(↓0.004)
16
(↓0.5)
25411
(+1)
476
(+3)
61
(-)
73
(+1)
0.243
(-)
3.730
(↑0.01)
5
(-)
ORIX
57623 0.479
(-)
18
(-)
21344
(-)
354
(-)
56
(-)
49
(-)
0.238
(-)
2.630
(-)
6
(-)
西武
38812 0.319
(-)
37
(-)
22285
(-)
427
(-)
48
(-)
62
(-)
0.209
(-)
3.210
(-)