ソフトバンク(★5対8☆)日本ハム =リーグ戦21回戦(2024.09.04)・みずほPayPayドーム福岡=
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日本ハム
2000000068912
ソフトバンク
3020000005803
勝利投手:山本 拓実(5勝0敗0S)
(セーブ:田中 正義(3勝3敗18S))
敗戦投手:大山 凌(1勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】レイエス(18号・1回表2ラン),清宮 幸太郎(11号・9回表2ラン)
【ソフトバンク】今宮 健太(5号・1回裏ソロ),栗原 陵矢(16号・1回裏ソロ),山川 穂高(30号・3回裏ソロ)

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◆日本ハムが逆転勝利。日本ハムは初回、レイエスの2ランで先制する。その後3点ビハインドで迎えた9回表には、水谷の適時打と清宮の2ランなどで一挙6点を奪い、試合をひっくり返した。投げては、5番手・山本拓が今季5勝目。敗れたソフトバンクは救援陣が精彩を欠き、痛い敗戦を喫した。

◆日本ハム山崎福也は今季ホームのエスコンフィールドでは11試合で5勝4敗、防御率3・72だが、ビジター9試合では4勝0敗の負けなし、防御率1・48の好成績。ビジターで5連勝すると、オリックス時代の昨年5~7月に記録して以来で、自己最長に並ぶ。2年続けてビジターで5連勝は今季の東(DeNA)も記録しているが、パ・リーグの投手では17、18年菊池(西武)以来。ビジターでの連勝を伸ばしてシーズン10勝に乗せるか。

◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が、第1打席で球団新記録をマークした。「4番DH」でスタメン出場すると、1回2死一塁で2ボールからソフトバンク大関のツーシームを、弾丸ライナーで左翼へ突き刺す18号2ラン。「打者有利のカウントでいいゾーンに来たので、思い切って振り抜きました。低い弾道でしたが、コンタクトが良かったので、打った瞬間入ると思いました」とコメントした。これで25試合連続安打となり、51年の大下弘、07年の森本稀哲(現外野守備走塁コーチ)が記録した24試合連続安打を更新。「森本コーチからも、ぜひモーレ(レイエス)に塗り替えてほしいと言われていたので、すごくうれしいです」と喜んだ。レイエスが8月2日ソフトバンク戦から25試合連続安打。連続試合安打は79年高橋(広島)の33試合が最長だが、日本ハムでは51年大下、07年森本の各24試合を抜く球団新記録となった。25試合以上は史上30人目になるが、現12球団では日本ハムと楽天だけ25試合続けた選手が出ていなかった。また、外国人選手で25試合連続安打は83年バース(阪神)に並ぶ6位タイ。

◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)の球団新記録に、SNS上でも祝福の声が相次いだ。レイエスは1回2死一塁の第1打席で、ソフトバンク大関から左翼席へ先制の18号2ラン。これで25試合連続安打となり、51年の大下弘、07年の森本稀哲(現外野守備走塁コーチ)が記録した24試合連続安打を更新した。「X」でも「球団新記録」がトレンド入り。「おめでとう!」「神助っ人」「今すぐ10年契約を」などの投稿が相次いだ。

◆ソフトバンク山川穂高内野手(32)が両リーグ最速で30号に到達した。3-2の3回先頭、日本ハム山崎のカーブを左翼ホームランテラスに運んだ。チームとしても12球団最速で100本塁打到達となった。球団で30本塁打到達は19年のデスパイネ(36本)と松田宣浩(30本)以来5年ぶり。FA加入1年目で4番に座る主砲が貫禄を見せた。山川が両リーグ30号一番乗り。ソフトバンクで両リーグ最速30号は05年松中以来19年ぶりだが、山川にとっては西武時代の18、19年に次いで5年ぶり3度目。両リーグ30号一番乗りの回数は王貞治(巨人)の9度が最多で、パ・リーグの選手で3度は中西太(西鉄)野村克也(南海)ローズ(近鉄)中村剛也(西武)の4人に並ぶ最多回数となった。また、2球団で両リーグ最速の30号は、96年中日、07年楽天で記録した山崎武司に次ぎ2人目。

◆日本ハム郡司裕也捕手(26)が、大卒5年目で初めて規定打席に到達した。「2番三塁」でスタメン出場。第1打席は三ゴロに倒れ、3回2死での第2打席は中前に痛烈な打球を放ったが、中堅手周東の好守に阻まれた。これで規定打席の443打席に到達。昨年11月の契約更改後には「来季は規定打席に立ちたい。ポジションの問題もあるかと思いますが、そのためにはずっと試合で使ってもらえるような活躍をしないと。そこにに向けてオフもしっかり過ごしていきたい」と話していた。昨オフ途中に中日からトレードで加入。本職の捕手の他に人生初の二塁を経験するなど、出場機会増に努めてきた。今季から三塁にも挑戦している。

◆日本ハム斎藤友貴哉投手(29)が無死満塁を無失点で切り抜け、「ゆきや劇場」を披露した。2-5の5回に登板。三失と連続四球で無死満塁のピンチを背負うも、石塚を空振り三振、海野を遊飛、牧原大を二ゴロで無失点に封じた。牧原大を打ち取ると雄たけびをあげた。斎藤は8月27日の楽天戦(エスコンフィールド)での延長11回、自らの失策などで招いた無死満塁の大ピンチを同じく無失点で切り抜けていた。その際には両腕を突き上げガッツポーズ。優勝したかのように堂々とマウンドを降りた。同日深夜には新庄剛志監督(52)が自身のインスタグラムで泣き笑いの絵文字などとともに「明日から登録名を さいこう ゆきや に変更させてもらいます」と投稿していた。

◆日本ハム山崎福也投手(31)が移籍後最短となる3回6安打5失点でKOされた。初回に2点の援護を受けてマウンドに上がるも、今宮、栗原に2者連続アーチを許すなど一挙3失点。3回には山川にも1発を浴びた。「ゲームを作れず申し訳ないです」。前回登板の8月28日楽天戦でも3本塁打を浴びており、2戦連続3被弾は20年以来4年ぶりとなった。

◆日本ハムがソフトバンクに大逆転勝利を収めた。2-5の9回、先頭松本剛が四球を選ぶと、ソフトバンクの守護神松本裕が緊急降板。代わった大山から1死二、三塁として8番田宮の適時内野安打、石井の右前適時打で1点差。1死一、三塁から万波の遊ゴロの間に同点に追いついた。勢いは止まらず、2死二塁で岩井から水谷が勝ち越しの左前適時打。さらに清宮が右翼席への11号2ランで突き放した。大逆転劇の最後は田中正が試合を締めた。

◆/フォークをすくい上げた\3?点ビハインドの9回に一挙6得点#清宮幸太郎 第11号2ランホームラン?プロ野球(2024/9/4)??ソフトバンク×日本ハム??見逃し配信中#DAZNプロ野球 #lovefighters pic.twitter.com/d9Pf3OtvQK

◆/どこまで伸びるのか\球団記録となる25試合連続安打達成#レイエス 第18号2ランホームラン?プロ野球(2024/9/4)??ソフトバンク×日本ハム??見逃し配信中#DAZNプロ野球 #lovefighters pic.twitter.com/DTaU3cyTxE

◆ソフトバンクが痛恨の逆転負けを喫した。5-2の9回に6失点。松本裕が先頭に四球を与え、救援したドラフト6位大山、同2位の岩井も日本ハム打線の勢いを止められなかった。大山はプロ初黒星。試合後の小久保裕紀監督(52)の一問一答は以下の通り。-9回は思わぬ展開だった小久保監督 まぁそうね、ちょっと...思わぬ展開というか、ちょっと戦い方を変えないかんかな、というところですね。-松本裕は先頭の松本剛に四球を与え、即交代させた。あの継投は小久保監督 継投というか、ちょっとブルペンであまり良くなかったので。詳しくはまだ聞いてないですけど。ルーキーたちには全然責任はないので。幸いにもここまで貯金があった中で、これが切羽詰まっていたら浮足立つ敗戦にはなるでしょうけどね。もう1回、戦い方を変えるというところじゃないですかね。-ルーキーたちも勝ちパターンとして試せる段階にきている小久保監督 いや、それはまたこれから考えますけど。-松本裕はアクシデントではない小久保監督 後で聞いてください。僕も試合中だったからあまり分からない。-山川が両リーグ最速30号小久保監督 そうね。まぁまぁ、でも今日は全部、最後の最終回だけじゃないですか。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、9回の大逆転劇に興奮を隠しきれなかった。8回までソフトバンク投手陣の前に3安打2得点。2-5の9回に打線がつながり、5安打1四球で一気に6得点。首位を独走するソフトバンクに大逆転勝利を収めた。新庄監督は「どうですかこの感動を与えるチーム。最後まで諦めない。かっこよかったね今日。いやあ、びっくりした」と声を弾ませた。これで首位ソフトバンクとのゲーム差は9となり「1パーセントの可能性があればね、不可能はない。で、残りの99パーセントはね、楽しんでやっていけば。その1パーセントはつかむと思うけど。もうここまできたらね、一生懸命やってるのは、もうみんな一生懸命やってるんで。いかに力を抜いて野球を楽しむかっていうところが、プレーの柔らかさも出てくるし、固まっていいことはないんでねひとつも。楽しませる努力はしていこうとはずっとですけど、さらにやってきます」と話した。

◆ソフトバンク山川穂高内野手(32)が、自身2年ぶりとなる30本塁打に到達した。1点リードの3回、先頭で迎えた打席。日本ハム山崎の球速86キロのスローカーブを狙いすましたように強振すると、倍速近い164キロの打球速度で左翼テラス席に運んだ。両リーグ最速の30号ソロだ。「打ったのはカーブ。うまく拾うことができました。追加点となるホームランになってよかったです」。初球も89キロのカーブだった。仕留めきれずファウルとなったが、2球同じ球を打ち損じることはなかった。初回の今宮、栗原に続く主砲の節目の1発で、チームの通算本塁打数も両リーグ最速100号となった。30発超えは自身4度目。だが、今季は山川にとってひと味もふた味も違う感慨がある。昨オフ、FA権を行使し、西武からソフトバンクに移籍。昨季は不祥事もあって、17試合の出場にとどまった。右の大砲として大きな期待を寄せられる新天地で、大きな重責とも戦った。3・29開幕戦で移籍1号。順調に本塁打数を伸ばしたものの、6月に入ると0本塁打の絶不調。それでも「日課」のスイングは欠かさなかった。「僕の中では365日、休みという感覚はありませんから」。7月から調子が徐々に上向くと、8月は自身最多タイとなる月間11本塁打と打ちまくった。好調のバロメータは納得の打撃に加え、疲れがピークとなる夏場に痩せない体だ。「僕は夏は痩せないんですよ。今も増えていますから」。アーチ量産の8月には公称103キロの体重が110キロ超にまでビルドアップ? していたほどだ。チームは9回に大量6点を失い、痛恨の逆転負け。優勝マジックは「15」のまま足踏みとなったが、頼れる大砲の9月初アーチ。さらにチームを勢いづけてくれるはずだ。【佐竹英治】山川が両リーグ30号一番乗り。ソフトバンクで両リーグ最速30号は05年松中以来19年ぶりだが、山川にとっては西武時代の18、19年に次いで5年ぶり3度目。両リーグ30号一番乗りの回数は王貞治(巨人)の9度が最多で、パ・リーグの選手で3度は中西太(西鉄)野村克也(南海)ローズ(近鉄)中村剛也(西武)の4人に並ぶ最多回数となった。また、2球団で両リーグ最速の30号は、96年中日、07年楽天で記録した山崎武司に次ぎ2人目。▽ソフトバンク今宮(1回1死走者なしで左翼に5号ソロ)「フルカウントだったので、とにかく1球でも多く投げさせることを考えました。うまく反応してホームランと最高の結果になってくれて良かったです」▽ソフトバンク栗原(1回、今宮に続いて右翼に16号ソロ)「(今宮)健太さんのホームランのいい流れに乗って、思いきっていくことができました」▽ソフトバンク大関(6回2安打2失点も自己最多8勝はならず)「初回に先制点を取られてしまいましたが、すぐに逆転していただき、守備でも何度も助けてくれた野手の方には感謝しかありません。次の登板に向けてもっと状態を上げられるように頑張ります」

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が試合を決定付ける11号2ランを放った。9回に3点差を逆転した直後、2死一塁でソフトバンク岩井の136キロフォークを右翼席へ運んだ。小学生時代にラグビー経験のある清宮にとって、ノーサイド直前の大逆転劇に「最高ですね」と声を弾ませた。18年以来自身2度目となるポストシーズンも視野に入れ、「(当時は)執念をすごく感じた。その時のことも思い出しながらできれば」と話した。

◆ソフトバンク石塚綜一郎捕手(23)が一時勝ち越しとなる適時打を放ち、2打点と気を吐いた。2-2の1回1死満塁で右前適時打。「先輩方がつないで作ったチャンスを絶対に生かそうと打席に入りました」。3回1死三塁の第2打席は三ゴロで走者をホームに生還させた(記録は三塁野選)。2試合ぶりのスタメンで、売り出し中の23歳が存在感を出した。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、試合を決定付けた清宮幸太郎内野手(25)に注文をつけた。清宮は9回に3点差を逆転した直後の2死一塁、ソフトバンク岩井の136キロフォークを高々とすくい上げて右翼席へ11号2ラン。指揮官もウキウキでハイタッチを交わしていたが、「あのクラゲポーズ? イカポーズ? あれをしないかずっと見てた。あれいらないんですよ。イカポーズ」と、清宮が両手を横に広げて上半身を左右に揺する「清宮ダンス」に言及した。清宮に対して常に愛あるイジりを見せる新庄監督は「したら、(ベンチの奥で)ボスがいないとこでちょっとキュキュッと(ポージング)。もうカッコよくね。ホームラン打ってんだから。カッコよく振る舞ってほしいんすよね」と話した。

◆移籍後最短の3回6安打5失点で降板した日本ハム山崎福也投手(31)の2軍再調整が決まった。初回に2点の援護を受けてマウンドに上がるも、2試合連続の3被弾と炎上。「ゲームを作れず申し訳ないです」。新庄監督は「僕が今シーズンやってるメンタル面。1回リフレッシュしてもらって。また大事な時に戻って来てもらう」と説明した。

◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が、球団記録を塗り替える25試合連続安打を記録した。初回2死一塁の第1打席、ソフトバンク大関から左翼へ先制の18号2ラン。51年の大下弘、07年の森本稀哲(現外野守備走塁コーチ)がマークした「24」を抜いた。チームは土壇場9回に3点差を逆転勝ち。首位相手の2連勝でソフトバンクとのゲーム差を9に詰めた。あっさりと記録を塗り替えた。初回の第1打席で先制2ラン。レイエスは「打者有利のカウントでいいゾーンに来たので思い切って振り抜きました。低い弾道でしたがコンタクトが良かったので、打った瞬間入ると思いました」。パワーを生かした強烈な弾道での新記録樹立だった。森本コーチらがつくった24試合連続安打を抜いた。「森本コーチからもぜひモーレ(レイエス)に塗り替えてほしいと言われていたので、すごくうれしい」。来日1年目で球団史に名を刻み、「自分の記録はそんなに意識はしてなかったのですが、何よりホームランで記録を超すことができて。(春季キャンプの)沖縄からやっていきたことを思い返して、感動しました」と振り返った。8月から一気にスイッチが入った。月間成績は77打数31安打、打率4割3厘、8本塁打と急上昇。新庄監督は「右足の股関節にこう(体重を乗せる)トレーニングをさせてるんですけど。向こう(左側)からボールが来るから、慌てて自分から出ていかないようにって」。しっかり自分の間合いに呼び込んで振れば、パワーで確実にスタンドへ運べると踏んだ指揮官の狙いが、がっちりはまった。8月2日、この日と同じ敵地ソフトバンク戦で連続試合安打を開始。同31日の西武戦では22試合連続安打を放ち、まずはセギノールが06年に記録した球団の外国人連続試合安打記録を更新した。レイエスは「先発ピッチャーに関して言えば、間がそんなに開いてなければ、頭の中に入っている」。大関からは3試合連続安打。捉えた記憶をしっかり整理し、記録が始まった球場で、新たなヒストリーをつくった。【永野高輔】レイエスが8月2日ソフトバンク戦から25試合連続安打。連続試合安打は79年高橋(広島)の33試合が最長だが、日本ハムでは51年大下、07年森本の各24試合を抜く球団新記録となった。25試合以上は史上30人目になるが、現12球団では日本ハムと楽天だけ25試合続けた選手が出ていなかった。また、外国人選手で25試合連続安打は83年バース(阪神)に並ぶ6位タイ。

◆古巣のマジック減少を自身のバットで食い止めた。途中出場の日本ハム水谷瞬外野手(23)が、同点の9回2死二塁で左前に勝ち越しの左前打を放ち、逆転勝利につなげた。首位ソフトバンクに2連勝し、ゲーム差を9に縮めた。土壇場で決めた。カウント2-2から岩井の内角直球を振り抜くと、打球は一瞬で三遊間を抜けた。昨季までプレーしたソフトバンク本拠地。4万142人のファンが集結した球場で、成長した姿を披露した。「5年間お世話になった九州。ホークス時代からずっと応援していただいてるファンの方もたくさんおられると思いますし、ホークス時代のタオルも目に入った。何とか九州で1本打てて、こういう形で感謝の気持ちを伝えられるっていうのはうれしい」と喜んだ。水谷は対ソフトバンク戦が打率1割5分9厘と、対パ・リーグで最も相性が悪い。試合前、新庄監督は最後まで水谷の打撃練習を遊撃後方から見守り、何かを感じた。「最後の最後まで水谷くん打ちそうだから、使おうかなと思って。ちょっと水谷くんがソフトバンクに打てないっていうところで、今日は途中から行こうって決めてて」。相性が悪いからこそ、勝負どころで使う"勘ピューター"が、さえた。首位相手の2連勝。残り22戦で追い付く可能性について指揮官は「1%の可能性があれば不可能はない。残りの99%は楽しんでやっていけば、その1%をつかめると思う」。最後までファンも選手も楽しんで、上を目指す。【永野高輔】

◆まさか...。パ・リーグ首位のソフトバンクが3点リードの9回に6失点し、痛恨の逆転負けを喫した。オスナの代役守護神、松本裕が誤算だった。先頭の松本剛に四球。150キロ台後半の直球が鳴りを潜め、140キロ中盤にとどまった。小久保監督は「ちょっとブルペンでもあまり良くなかったので」と交代を決断。ドラフト6位ルーキーの大山を救援に送ったが、3安打3失点で流れを止められない。万波の遊ゴロで同点に追いつかれ、同2位の岩井と交代。だが水谷に勝ち越し打、清宮に11号2ランを浴び、万事休した。監督は「ルーキーたちには全然責任はない」と大山と岩井をかばったが、松本裕は疲労による右肩痛で出場選手登録抹消が決定。最短10日での復帰を目指すことに。「(9回は)思わぬ展開というか、ちょっと戦い方を変えないかんかな、というところですね」と指揮官は声を振り絞った。

◆2週連続で「さいこうゆきや」となった。5回に3番手でマウンドに上がった日本ハム斎藤友貴哉投手(29)が、三失と連続四球で無死満塁としたが、無失点で切り抜けた。8月27日の楽天戦でも自らの失策などで招いた無死満塁を封じ、両手を突き上げるガッツポーズを見せ、新庄監督が「さいこうゆきや」への登録名変更プランをSNSに投稿していた。この日の指揮官も「満塁のピンチで出せる投手にはなりましたね。あ~楽しかった」とご機嫌だった。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)の覚醒に、SNS上が歓喜の渦に包まれた。清宮は9回に3点差を逆転した直後の2死一塁、ソフトバンク岩井の136キロフォークを高々とすくい上げて右翼席へ11号2ラン。試合を決定付けた。今期は故障や不調もあり出遅れたが、6月11日に再昇格。夏場にかけて絶好調をキープし、8月は7本の本塁打を放った。新庄監督の愛あるイジりも相まって、ファンの期待も高まっている。この日も新庄監督は「あのクラゲポーズ? イカポーズ? あれをしないかずっと見てた。あれいらないんですよ。イカポーズ」と清宮のパフォーマンスに注文をつけるなど、いつものイジりも健在。SNSでは「この師弟関係最高」「この時を待っていた」など、歓喜の声が相次いでいた。

◆ソフトバンクは大関友久投手(26)が先発。ここまで7勝(3敗)を挙げており、自己最多の8勝目がかかる。

◆ソフトバンクが一回に今宮健太内野手(33)と栗原陵矢内野手(28)の2者連続本塁打で2-2の同点に追いついた。さらに攻撃の手を緩めず一気に逆転した。2点ビハインドで迎えたこの一回は、1死から今宮がフルカウントから日本ハム先発・山崎の直球を振り抜き打球が左翼ホームランテラス席へ飛び込む5号ソロ、さらに続く栗原が初球のスライダーを豪快に引っ張り右翼席に16号の同点ソロをたたき込んだ。なおも山川穂高内野手(32)の中前打と2四球で満塁とすると、「7番・一塁」で7度目となるスタメン出場の石塚綜一郎捕手(23)が右前適時打を放って3ー2とあっさり逆転した。今宮は「カウントがカウントだったので、とにかく1球でも多く投げさせることを考えました。うまく反応してホームランと最高の結果になってくれてよかったです」と声を弾ませ、栗原は「健太さん(今宮)のホームランのいい流れに乗って思い切っていくことができました」とうなずいた。

◆山川穂高内野手(32)が三回に30号ソロを放った。「うまく拾うことができました。追加点となるホームランとなってよかったです」3-2の1点リード、先頭で立った第2打席。日本ハム山崎が緩いカーブを2球続けてきたのを見逃さなかった。すくい上げた打球は高々と舞い上がってホームランテラス席へ飛び込んだ。4試合ぶりの30号ソロ。41本塁打をマークした2022年以来、2年ぶり、自身4度目の30本塁打の大台に乗せた。

◆ソフトバンクは日本ハムに逆転負けし、優勝マジックは15のまま足踏みした。打線は一回に今宮健太内野手(33)と栗原陵矢内野手(28)が2者連続本塁打、三回に山川穂高内野手(32)が30号ソロを放つなど、日本ハム先発の山崎福也投手(31)から5点を奪って攻略した。先発の大関友久投手(26)は一回にレイエスに2ラン本塁打を浴び先制を許したが、その後はピシャリと抑えて6回2安打2失点。七回、八回と救援陣がゼロでつないだ。だが3点リードで迎えた九回に松本裕樹投手(28)、D6位・大山凌投手(22、東日本国際大)が崩れて3点差を追い付かれると、D2位・岩井俊介投手(23、名城大)が途中出場の水谷に左前への勝ち越し打を許し、清宮には右越え2ランを打たれて5ー8と突き放された。

◆日本ハムが終盤に逆転勝ち。2―5の九回に田宮と石井、水谷の適時打、清宮の2ランなどで一挙6点を奪った。5番手の山本拓が5勝目。ソフトバンクは抑えの松本裕が先頭に四球を与えて降板し、代わった大山と岩井が痛打された。

◆ソフトバンク・山川穂高内野手(32)が三回に30号本塁打を放った。?山川が両リーグ最速となる今季30号本塁打。両リーグ30号一番乗りは西武在籍時の2018、19年に次いで5年ぶり3度目。通算3度以上は9度の巨人・王貞治を筆頭に7人目。3度は西鉄・中西太、南海・野村克也、巨人・松井秀喜、近鉄・ローズ、西武・中村剛也と並ぶ2位。?2球団で両リーグ30号一番乗りを達成したのは、山崎武司(1996年中日、07年楽天)に次いで2人目。?ソフトバンク(前身を含む)選手が両リーグ最速の30号をマークしたのは、57、62、63年の野村、88年の門田博光、05年の松中信彦に次いで19年ぶり4人目(6度目)。

◆八回までの好ムードがうそのように、きれいにひっくり返された。ソフトバンクは3点差で迎えた九回に6点を奪われ悔しい逆転負けを食らい、優勝マジックは15のまま足踏みした。「戦い方を変えないかんかな、というところですね」九回の継投が崩れた。抑えの松本裕が制球が定まらず先頭を四球で出すと、即座に交代。D6位・大山が3本の安打を浴びるなどして追いつかれると、2死二塁で今度はD2位・岩井にスイッチ。しかし、途中出場の水谷に左前へ勝ち越し打を許すと、清宮には右越え2ランを浴びて突き放された。「ルーキーたちに責任はない。これが切羽詰まってたら浮足立つ敗戦になるでしょうけど、まあもう一回戦い方を変えるというところ」2点ビハインドの一回には今宮、栗原が2者連続弾を放つなどしていったんは逆転し、三回には山川が30号ソロを放って本拠地を盛り上げたが、物事はいつもうまく運ぶとは限らない。戦い方を変えると強調した指揮官。7月から抑えを担ってきた松本裕に代わる守護神を任命するのか、ラストスパートに入って、思案のしどころを迎えた。(上阪正人)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
74433 0.632
(↓0.006)
M15
(-)
23508
(+5)
340
(+8)
100
(+3)
80
(+1)
0.255
(↓0.001)
2.630
(↓0.05)
2
(-)
日本ハム
63508 0.558
(↑0.004)
9
(↑1)
22467
(+8)
415
(+5)
92
(+2)
76
(-)
0.249
(-)
2.940
(↓0.02)
3
(-)
ロッテ
60556 0.522
(-)
13
(↑0.5)
22420
(-)
431
(-)
61
(-)
54
(-)
0.249
(-)
3.260
(-)
4
(-)
楽天
57573 0.500
(-)
15.5
(↑0.5)
26410
(-)
473
(-)
61
(-)
72
(-)
0.243
(-)
3.740
(-)
5
(-)
ORIX
57623 0.479
(↑0.004)
18
(↑1)
21344
(+4)
354
(-)
56
(+1)
49
(-)
0.238
(↑0.001)
2.630
(↑0.02)
6
(-)
西武
38812 0.319
(↓0.003)
37
(-)
22285
(-)
427
(+4)
48
(-)
62
(+1)
0.209
(-)
3.210
(↓0.01)