阪神(☆4対1★)中日 =リーグ戦22回戦(2024.09.03)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:髙橋 遥人(3勝0敗0S)
敗戦投手:髙橋 宏斗(11勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神は2回裏、木浪の適時打で2点を先制する。その後7回に近本の適時打で1点を加えると、8回には木浪の押し出し四球でリードを広げた。投げては、先発・高橋が7回3安打無失点の好投で今季3勝目。敗れた中日は先発・高橋宏が力投を見せるも、打線が沈黙した。

◆阪神高橋遥人は中日戦通算10試合で6勝1敗、防御率0・99。離脱前に対戦した21年には3戦3勝で24回無失点に抑えるなど、最も得意の対戦相手。このカードではバンテリンドームで1勝1敗、防御率2・04も、甲子園では5勝0敗、同0・59。自身3年ぶりの本拠地登板となるが、相性の良い「甲子園の中日戦」で白星となるか。

◆両チームの先発投手は阪神高橋遥人(28)、中日は高橋宏斗(22)の高橋対決だ。阪神の歴史上、先発経験のある「高橋」姓の投手は遥人のみ。勝利を挙げたのはほかに、中日からFAで加わった聡文が16、17年に救援で計9勝しただけだ。阪神生え抜きの勝利投手・高橋も遥人しかいない。高橋遥人が先発で「高橋」投手と対決するのは今回が3度目。19年8月30日巨人戦で高橋優貴と投げ合ったが、7回2失点で負け投手に。21年9月9日ヤクルト戦では高橋奎二と顔を合わせたが、4回6失点とKOされ、また黒星がついた。遥人が「高橋」対決を制すれば、球団初となる。高橋姓はプロ野球において、投手の「名家」として知られる。この名字の投手の勝利数合計は、3日現在実に1142勝にのぼる。NPBでの勝利数の歴代最多は高橋直樹(日本ハムほか)169勝で、ほかに高橋一三(巨人ほか)167勝、高橋重行(大洋ほか)121勝、メジャーでもプレーした高橋尚成(巨人ほか)79勝、高橋里志(広島ほか)61勝らがいる。現役では高橋光成(西武)が、今季0勝ながら通算65勝をマーク。今季はほかに、高橋奎二(ヤクルト)が5勝、高橋礼(巨人)が2勝。阪神の遥人2勝、中日の宏斗11と合わせ、今季「高橋」投手は計20勝を挙げている。

◆パリ五輪のレスリング女子76キロ級で金メダルを獲得した鏡優翔(22=サントリー)が、ファーストピッチセレモニーに登場した。虎党の鏡は金メダルを首にかけ「オリンピック前からずっと『1番』を意識してきたので」と背番号111のタテジマユニホームでマウンドへ。ファンと公言する木浪聖也内野手(30)がサプライズで打席に入り、坂本誠志郎捕手(30)が捕手役を務め、鏡は飛び跳ねて興奮した。「サプライズすぎてせっかく練習してたのに緊張が上がってきちゃって、ドキドキしちゃった」と言いながらも、パワフルなフォームからやや外寄り高めのノーバウンド投球をみせた。人生初の始球式を終え「もうちょっと真っすぐを投げたかったんですけど、届いたのでよかったです」と胸をなで下ろした。木浪、坂本と同じメンタルコーチの筒井正浩氏に師事しているという共通点があった。もともと木浪ファンで、木浪を指導していた筒井氏のインスタグラムをフォローしたことをきっかけに、指導を受けることになったという。木浪の笑顔と人柄に引かれてるという鏡は「木浪選手らしく、自分らしく戦っていただけたら。熱い視線を送ります」とエールを送った。今後については「本当に金メダルって夢がある。最初終わった瞬間はもう(レスリングを)やらないと思ったんですけど、ちょっと夢があるから、また目指そうかなって思い始めてます」と明かした。

◆阪神木浪聖也内野手(30)が「満塁男」ぶりを発揮し、2点適時打を放った。2回、先頭の佐藤輝明内野手(25)が中前打、6番前川右京外野手(21)が四球を選び、無死一、二塁。7番梅野隆太郎捕手(33)は3球目でバスターに切り替え、一塁手の頭上を越える右前打。無死満塁の好機をつくった。木浪は中日先発、高橋宏斗投手(22)の初球、156キロを左前へはじき返し、2点を先制。これで今季満塁時は13打数7安打、13打点で打率5割超え。「満塁男」は健在だった。この日は自身のファンを公言している、パリ五輪のレスリング女子76キロ級で金メダルを獲得した鏡優翔(22=サントリー)が、ファーストピッチセレモニーに登場した。木浪もサプライズで打席に入り、鏡は大はしゃぎ。「サプライズすぎてせっかく練習してたのに緊張が上がった。木浪選手らしく、自分らしく戦っていただけたら」というエールに応えた。

◆阪神前川右京外野手(21)がまたも死球を受け、場内は騒然となった。6回、2死からの第3打席。中日高橋宏斗投手(22)の4球目、144キロのカットボールが右足の甲付近に直撃。苦悶の表情を浮かべるも、自力で一塁へと向かった。高橋宏もすぐさま手を挙げ、謝罪。前川も何度もうなずき、プレーを続行した。前川は8月24日の広島戦(マツダスタジアム)で右足のすね付近に死球を受け、31日にスタメン復帰したばかりだった。これで今季9つ目の死球となった。

◆阪神高橋遥人投手(28)が、1032日ぶりの甲子園での1軍戦登板で今季最長の7回3安打無失点と快投した。立ち上がりから両サイド低めを丁寧に突く投球で3回までパーフェクト発進。4回先頭の岡林に左前打を許すも、後続を断って無失点。7回は1死一、二塁のピンチを招くも石川昂を遊ゴロ、村松を外角146キロ直球で空振り三振に斬って窮地を脱した。この日は21アウトのうち15個が内野ゴロで奪ったもの。打たせて取る投球で中日打線を手玉に取った。左肘のトミー・ジョン手術などを経て21年11月6日のCSファーストステージ巨人戦以来の聖地に帰還した左腕が、今季3戦3勝の権利を持って降板した。

◆阪神が「タカハシ対決」を制し、カード初戦を白星で飾った。トミー・ジョン手術など、長いリハビリ期間を乗り越えた高橋遥人投手(28)は、1032日ぶりの甲子園で白星を手にし、先月の復帰から3戦3勝。11勝を挙げている相手先発の中日高橋宏斗投手(22)との同姓対決に投げ勝った。高橋は、初回すべて内野ゴロに打ち取り3者凡退でスタートすると、3回まで完全投球。4回先頭の岡林にこの日初安打となる左前打を許したが、福永、カリステを内野ゴロに打ち取り、最後は4番細川を見逃し三振。5回も再び3者凡退に抑えるなど、終始危なげない投球を見せた。打線も左腕を強力援護。2回先頭の佐藤輝が右前打を放ち、前川がストレートの四球を選ぶと、梅野がバスターを決め右前打で無死満塁。ここで打席に入った木浪聖也内野手(30)が、初球の156キロ直球を捉えて2点先制の左前適時打を放った。これで今季満塁時は13打数7安打、13打点で打率5割超え。「満塁男」ぶりで、亜大の後輩左腕を白星へ近づけた。さらに、高橋が2死二、三塁のピンチを空振り三振で切り抜けた直後の7回裏。先頭の木浪が再び初球を捉えて右翼フェンス直撃の二塁打。代打熊谷の犠打で1死三塁とすると、近本光司外野手(29)が右前適時打を放ち、大きな追加点となった。阪神は今季の甲子園の中日戦で、9試合負けなしの8勝1分け。これで5年連続となる今季の中日戦勝ち越しが決まった。

◆阪神が「タカハシ対決」を制し、カード初戦を白星で飾った。トミー・ジョン手術など長いリハビリ期間を乗り越えた高橋遥人投手(28)は、1032日ぶりの甲子園で白星を手にし、先月の復帰から3戦3勝。11勝を挙げている相手先発の中日高橋宏斗投手(22)との同姓対決に投げ勝った。高橋の亜大の1学年先輩に当たる木浪聖也内野手(30)が2回の決勝打を含む2安打3打点の活躍で後輩を援護した。高橋と木浪のヒーローインタビューは以下の通り。【高橋】-復帰後3戦3勝。今の気持ちは高橋 えー、うれしいです。-高橋宏との投げ合い高橋 そんなにバッターと集中してたのであまり意識してなかったですけど、打席だって今までで一番速かったです。-今日の調子は高橋 あまり良くなかったですね。梅野さんがリードしてくれたのと、木浪さんが取ってくれたので、良かったです。-木浪とのお立ち台。特別な感情もあるんじゃないですか高橋 ちょっと付き合い長いので、まあうれしいです(笑い)-亜大の1学年先輩とのお立ち台高橋 一緒に立ちたいと思ってた? 思ってたので、立ててうれしいです。-木浪のいいところは高橋 本当にめちゃくちゃ優しくて、後輩になめられはしてないと思うんですけど、まあそれぐらい優しいです。-7回のピンチを脱した場面は高橋 えー、いや、頑張って抑えようというのと、梅野さん思い切ってこいと梅野さんが「思い切ってこい」と言ってくれたので。それだけです。-大きな手応えは高橋 長いイニング、7回投げられて良かったなと思います。-甲子園1032日ぶりのゲームで勝った高橋 本当にここに立つというのを目標にずっと頑張ってきたので、こうしてたくさんの人の前で投げられて、また勝つことができて、うれしいです。-次回以降に向けて高橋 試合つくって、チームが勝つ確率を少しでも高められるようなピッチングをしたいです。【木浪】-ずっと夢だったと高橋が話していたが、お立ち台の言葉は木浪 いやー、モゾモゾしてかわいいなと思いました(笑い)-高橋の変わらないところは木浪 本当に今のままというか、マウンドに立ったら人が変わるような感じになりますし、それ以外はノホホーンとした感じ。そこはあまり変わってないです。-7回ゴロをさばいた木浪 自分的にも守備から入っていきたいと思っていたので、ハルトが打たしてくれて、それがいい流れになって、2回のタイムリーになったと思います。-2回は梅野のバスターをネクストで見て木浪 よっしゃー、満塁で回ってきたと思いました。-高橋宏相手にイメージはつくっていた?木浪 みんなつないでくれたので、なんとかここでハルトにも楽に投げさせようと思って、何とか点数取りたかったので、初球いくって、自分で割り切っていくことができました。-内野手の間を抜けた瞬間は木浪 本当にホッとした気分です。-満塁で13打数7安打、打率5割3分8厘、14打点。この勝負強さの秘訣(ひけつ)は木浪 満塁になるまでみんながつないでくれるというのが、一番強いですかね。-試合前にもパリ五輪の金メダリスト、レスリング鏡がファーストピッチ。何か気持ちを受け取ったんじゃないですか木浪 そうですね。今日という日がいい思い出になればいいなと思います。-明日以降に向けて木浪 いつも変わらず、1戦1戦勝つだけなので、自分の仕事をしっかりやって、明日も勝ちたいと思います。-ファンに一言高橋 明日もでっかい声出して応援お願いします。ありがとうございました。

◆阪神が「タカハシ対決」を制し、カード初戦を白星で飾った。トミー・ジョン手術など、長いリハビリ期間を乗り越えた高橋遥人投手(28)は、1032日ぶりの甲子園で白星を手にし、先月の復帰から3戦3勝。11勝を挙げている相手先発の中日高橋宏斗投手(22)との同姓対決に投げ勝った。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-高橋は格が違うと言っていた違うやんか、ウソ言えへんよ。-投げ抹消かいや、抹消せえへんよ。今回はな。計算したら分かるやないか、投げ抹消とか言わんでも。そういう計算しとけて、言う前に。-高橋は1戦ずつ頼もしさがうん、まあ、そら直ればある程度やるとは思ってたけど、リハビリ明けでね、ファームでは中8で行く予定やったらしいけどな。やっぱりファームで投げるのと、疲労の残り方がやっぱり違うみたいやから。中10って1回抹消、抹消したけどな。もうやっぱりね、そら1回目よりも2回目、今回、明日からでもだいぶやっぱり感覚が違うみたいやわ。疲れの残り方の感覚がな、初戦に投げた時よりもね、2戦目投げた時の方がやっぱりだいぶ楽になってるから。明日ね、状態見て。だいぶ、今日も90くらいか、91か、ちょうど球数もいい頃だしね。だいぶ慣れてきたんじゃないかな、そういう感覚が上がってくるね。-バスターはベンチの指示うん? なに? そら分からん。そらお前、明日もあるから。-初球ストライクからバット引いていたうん? 今日は審判おかしかったやろ、なあ。どうなってんや、あれなあ。高橋だいぶストライクあるやろ? 見とってもなあ、なんか。誰や、ピッチャーの高橋のフォアボールか。あんなん、ど真ん中ちゃうの。ええ?何かおかしかったよな。-打者の中日高橋が驚いてたそらびっくりするわ、ど真ん中ボール言われたら。ー木浪はストレート強いいやいや、強いというか今日はストレート狙いやんか。試合前ベンチでも言うてたけど、そら半分ストレートくるわけやからな、やっぱそれを。そらいろんな球、カットとかフォークとかスライダーとかあるけど、まっすぐと変化球にしたら、まっすぐ狙いが50パーセント、半分でええわけやから。そんなん駆け引きするピッチャーちゃうよ。向こうも力勝負でくるんやから。-広島は負けた何対何や?今日はDeNA東やろ。-巨人が追いついたええ? 9回に? すごいなあ。

◆阪神が「タカハシ対決」を制し、カード初戦を白星で飾った。トミー・ジョン手術など、長いリハビリ期間を乗り越えた高橋遥人投手(28)は、1032日ぶりの甲子園で白星を手にし、先月の復帰から3戦3勝。11勝を挙げている相手先発の中日高橋宏斗投手(22)との同姓対決に投げ勝った。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-高橋の投球はいやいや、もうね、3試合とも完璧な投球じゃないですかね。-ゴロアウトが多かったやっぱり低めにいってたと思いますけどね。結構いい当たりもあったけどね。ゴロでやっぱり正面にいくというのはね。-前回は7回で途中降板。今回は投げ切ったあーね。ちょっと最後ピンチだったけど。まあ、あそこ(7回)までと思ってましたけどね。最後、二塁、三塁からよくね。まあ、三振、欲しいときに三振がとれるので、それが強みですね。-今シーズンここまで復帰後3戦3勝。どんな存在いやいや、まあね。そんなもうね。今年はある程度リハビリ明けなので、そこまでね、頭数に入れてなかったけど、ここに来て、やっぱり投げれば勝つというか。そういう意味ではすごく助かってますね。-打線は無死一、二塁で梅野がバスターうまくやりましたね。-直後に木浪が初球を2点打木浪が1人ね、ピッチャーを期待せずにね、普通なら満塁にならずに二、三塁の場面でね、そこで木浪1人にかけたんですよね。-押し出し四球を含めて木浪は満塁で結果を残すああそうですね。あそこでチャンスが回ってきて点を取るのは7番、8番になるので、下位で点を取れるのはすごく大きいですね。-7回の追加点は代打熊谷が見事な送りバント。きつい場面ですけどね、タッチプレーなので。そこは当然、役割というかね、ちゃんとやってくれましたね。-そういったつなぎが良い形で得点につながったのでは?9本かな? そこまで、相手の高橋からけっこうヒットを打った方と思うし、今年もずっと抑えられていたんで、そういうチャンスでね、先制点取れてのがやっぱり大きかったと思いますね。-高橋攻略は明日以降にいい流れを作れそうか。いやいや、もう好投手というか、出てくるピッチャー打たないといけないんで、相手ピッチャー、誰が来ようと。でもやっぱり初戦とったのは大きいですね。-明日に向けて。いい流れで初戦を取れたので同じような形でね、つないで点を取って、先制点やっぱり大きいですね。そういう意味では明日も先制点ほしいですね。

◆阪神近本光司外野手(29)が貴重な追加点をたたき出した。2-0の7回1死三塁。木浪が先頭で二塁打、好投した高橋への代打で打席に立った熊谷が犠打を決めて作り出した好機だった。中日高橋宏の155キロを引っ張り込んで前進守備の一、二塁間を破った。2回に奪った2点以降、スコアが動かなかった中での追加点。「クマ(熊谷)がしっかりバントを決めてくれたので」。お膳立てした後輩を立てながら、自らの役割をきっちりと果たした。8月は自己最多の月間39安打と打ちまくったが、9月も変わらず好調をキープ。初回には甘く入った変化球を逃さず中前に運び、16試合連続安打とした。連続試合安打中も負けが先行していたが、勝利につながる一打。「勝ったので良かったかなと思います」と納得の表情を浮かべた。好調維持のリードオフマンがチームを引っ張る。【林亮佑】

◆中日が高橋宏斗投手(22)に今季0勝の鬼門甲子園初勝利を託したが、7回3失点と阪神打線に攻略された。甲子園では8連敗(1分け挟む)となり、阪神との対戦成績は7勝12敗3分け。5年連続の阪神負け越しが決まった。試合後の立浪和義監督(55)のコメントは以下の通り-高橋宏は2回無死一塁から前川への四球でピンチを広げて失点した「そうですね。それはピッチャーが一番反省してるところだと思う。(無死一、二塁から梅野に)バスターをやられたところとか、そういうことは別として、あの四球でつながれて、ちょっと嫌な感じに(なった)。(高橋宏は)その後はよく粘ったと思うけど。結局、甲子園では先に点を取られて、そのまま追加点を取られて、やられている試合が続いている。明日(4日)は、なんとか先に点を取らないと。なかなかここ(甲子園)で勝てていないのはわかっている。今日はミス(8回の細川の失策)もあったりして、やらなくていい点をやっている。明日はしっかりとやれるように。(先週末のDeNA3連戦中止で)ちょっと試合は空いたけど、それは関係ないので」-阪神の高橋も良く、7回2死二、三塁のチャンスで村松をそのままいかせた(空振り三振)「これからやっていかないといけない選手。あえて代えなかった。ああいうとこで、また違った内容を出してやってくれればいいなと思う」-阪神戦での負け越しが決まった「バンテリンドームではそこそこ戦えてるけど、やっぱりここで勝てないのは、明らかにバンテリンドームより点を取られてしまう。もちろん点が取れてないこともあるけど、こういう苦手な相手であったり、球場を作らないように。(甲子園で)残り2つなんで1つも勝てるようにまた明日から頑張っていきます」

◆中日高橋宏斗投手(22)が四球を悔やんだ。2回、先頭佐藤輝に右前打を許し、続く前川にストレートの四球。無死満塁で、木浪に2点適時打を許した。「先頭打者が安打で出る分にはいいんですけど、四球が一番良くなかった」。7回8安打3失点で3敗目。チームは甲子園で今季9戦8敗1分け。規定投球回をクリアして防御率1・14でリーグトップに躍り出た。「反省するところは反省して、来週に向けてまた頑張ります」。見え始めた初タイトルより、リベンジが先に口をついた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が先制の口火打を含む7試合ぶりのマルチ安打と奮闘した。2回先頭では「食らいついていった」と中日高橋宏のスプリットを右前に運び、木浪の先制打につなげた。6回1死からは中堅方向へ大飛球を放つも惜しくも中飛に。8回1死からは再び右前打を放ち、4点目につながった。「全部点につながったので、すごく良かったです」と胸を張った。

◆阪神ハビー・ゲラ投手(28)が約3カ月ぶりの失点も、リードを守り切り安堵(あんど)した。中8日のマウンドで任されたのは7月31日巨人戦以来のリードした9回。四球と二塁打で二、三塁とピンチを招き、内野ゴロの間に生還を許して6月4日楽天戦以来の失点となった。それでも後続を断ち最少失点。「打たれましたけど、とにかく勝てたことが一番大きいです。勝ててよかった」と胸をなで下ろした。

◆4試合ぶりに8回を託された阪神岩崎優投手(33)が、1回無失点で14ホールド目を挙げた。。それでも代打木下を初球の低めチェンジアップで二ゴロ併殺打に料理し、相手に傾きかけた流れを断った。7回無失点と好投した高橋からバトンを受けた左腕は後輩を「ナイスピッチングでした」とたたえ「また明日も頑張ります」と気を引き締めた。

◆金メダルパワーを授かり、「満塁男」が躍動した。阪神木浪聖也内野手(30)は先制の絶好機に燃えていた。「よっしゃー! 満塁で回ってきた」。2回無死満塁。中日高橋宏の初球、156キロ直球を振り抜いた。痛烈な打球が遊撃手の頭上を越え、左前に弾む。走者2人が一気に生還。一塁上で白い歯がこぼれた。「みんながつないでくれたので、なんとかここで(先発の高橋)遥人に楽に投げさせようと思いました」相手は試合前時点で防御率0点台の超難敵。1打席目の初球を狙い打ちし、先制2点打を決めた。「全部ボールが良いので。しっかり初球から行くと決めて割り切って1球でいけた。いい結果になってよかった」。これで今季の満塁時は13打数7安打。打率5割3分8厘と無類の強さを発揮している。昨季も満塁時の打率が4割超えだった男はこの日も実力を発揮した。強力援軍のパワーが宿った。自身のファンを公言しているパリ五輪レスリング女子76キロ級の金メダリスト、鏡優翔が来場。ファーストピッチセレモニーに登場すると、木浪もサプライズで打席に入った。すると投手役は大はしゃぎし「木浪選手はもう本当にひかれる笑顔をされていて」と推しの理由を熱弁だ。メンタルコーチが同じ縁でオンラインで話したこともあり「人柄に引かれて、大好きになりました」と鏡。木浪も初対面を果たし、「いい思い出になった」とバットでエールに応えた。7回には先頭で右中間フェンス直撃の二塁打。1番近本の右前打で3点目のホームに生還した。8回にも1死満塁で打順が回り、冷静に押し出し四球を選んだ。この日は7度の守備機会でも堅守を披露。「遥人が投げる時はいつも内野ゴロが多いので。守備のことしか今日は考えてなかった。それがいい流れになって打つ方にもいけた」と亜大の1学年後輩に感謝。崖っぷちのチームに笑顔と勢いをもたらした。【村松万里子】

◆剛腕攻略へ、阪神岡田彰布監督(66)の策が的中した。0-0のまま迎えた2回無死一、二塁、カウント1-1。バントの構えを見せていた7番梅野が素早くヒッティングに切り替えた。中日高橋宏の152キロ直球を右方向におっつける。打球は一、二塁間を抜け、満塁に好機を拡大した。8番木浪の先制打につながったバスター。梅野は満足そうに汗を拭った。「狙い通りに決められたので。ああやってつないで聖也(木浪)がかえしてくれたという攻撃的なパターンで、最高な形でつなげたので今日は良かった」。指揮官も「うまくやりましたね」とつなぎ役をねぎらった。「ベンチの指示か?」の問いには「うん? なに? そら分からん。そらお前、明日もあるから」とけむに巻いたが、一気にたたみかけて流れを引き寄せた。最速158キロを誇る右腕を前に、攻略法はシンプルだった。「今日はストレート狙いやんか。カットとかフォークとかスライダーとかあるけど、『真っすぐ』と『変化球』にしたら、真っすぐ狙いが50パーセント。半分でええわけやから」。細かい球種に惑わされず、2つに分けたうちの1つの直球狙い。「そんなん駆け引きするピッチャーちゃうよ。向こうも力勝負でくるんやから」。木浪が初球の直球を捉えるなど、思惑通りの攻撃。「チャンスで先制点取れたのがやっぱり大きかった」。試合、そして3連戦の流れを引き寄せる先制劇となった。【磯綾乃】▽阪神熊谷(2点リードの7回無死二塁から代打で登場し、犠打を成功)「準備してました。ああいうのが僕の仕事なので」▽阪神前川(6回2死から右足甲に死球)「大丈夫です。(謝罪した中日高橋宏は)いい方なので」▽阪神井上(志願の2軍戦出場を経て8回1死一塁から代打で登場し、右翼後方への飛球が失策を誘って4点目に貢献)「つなぐ気持ちで打席に入った。点が入ったのはチームにとっても大きなことだと思う」

◆ハルト様様様や! 阪神高橋遥人投手(28)が1032日ぶりの1軍甲子園マウンドで快投し、1048日ぶりの聖地星を手にした。中日打線を7回3安打無失点に封じ、今季3戦3勝。中日高橋宏との「タカハシ対決」に完勝した。チームは今季の甲子園中日戦で8勝1分けと不敗。5年連続で中日戦のシーズン勝ち越しを決めた。この日は上位3チームで「独り勝ち」。首位広島とのゲーム差を4・5、2位巨人とは4に縮め、虎が息を吹き返した。試合開始直前、高橋はじっくりと準備を整えた。まっさらなマウンド上で歩幅や感触を確認。慌てず、1球1球丁寧に投球練習を行った。右翼からは「頑張れ遥人」コールも発生。1032日ぶりの甲子園で、自分のために時間を使った。「ここに立つのを目標にずっと頑張ってきた。たくさんの人の前で投げられて勝つことができて、うれしいです」3回までパーフェクト投球と抜群の安定感。7回に2死二、三塁を背負ったが、村松を外角146キロ直球で空振り三振に仕留めた。7回を3安打無失点。1048日ぶりの甲子園星となる今季3勝目を挙げた。昨年11月に甲子園で行われたファン感謝デー。同郷の先輩岩崎の粋な計らいで、イベント内のミニゲームでマウンドに立った。「ピッチャー、高橋遥人!」。球場からはどよめきと歓声。感じたのはありがたさと少しの恥ずかしさだった。「やばいやばい」と焦りながらネックウオーマーやパーカを慌てて脱ぎ、小走りで右翼からマウンドに向かった。「無我夢中だった。僕の時間を取っちゃダメだと思ったので」軟式球で練習を含めて計6球の登板。それでも聖地の感覚は懐かしかった。「景色とかもすごく久々で。やっぱり投げやすいなって。うれしかったです」甲子園の思い出は1つに絞れない。静岡・常葉学園橘高2年夏に甲子園初出場。初戦敗退だったが「夢のような時間だった」。ルーキーイヤー18年のプロ初登板初勝利も甲子園。今年5月、2軍くふうハヤテ戦の聖地復活登板も心に残る。どれも特別な一戦。だが鮮明には覚えていないという。「良いことってすごく一瞬。記憶が曖昧でもある。あまり覚えていないけど、それくらい夢中になれていたのかなと思います」この日も「いっぱいいっぱい」と無我夢中の91球。岡田監督は「完璧な投球じゃないですかね」と評価した上で、次回について「抹消せえへんよ」と明かした。すでに2勝を挙げる13日の広島2連戦初戦に中9日で向かうことも可能だ。1・5ゲーム差で4位DeNAに迫られる中、首位広島とは4・5差に縮めた。帰ってきた左腕が文字通り「虎の救世主」を地で行っている。【波部俊之介】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】甲子園での阪神戦にパリオリンピック(五輪)金メダリストの鏡優翔がファーストピッチセレモニーに登場! 鏡がファンと公言する阪神木浪聖也がサプライズで打席に入るなか見事な投球。試合では木浪が2安打3打点と活躍!金メダルパワーを授かりました!

◆阪神は先発の高橋遥人投手(28)が2021年11月6日のクライマックスシリーズファーストステージ第1戦の巨人戦以来、実に1032日ぶりに甲子園で登板する。度重なる手術とリハビリを乗り越え、復帰後は2戦2勝。中日・高橋宏との投げ合いを制して自身の3連勝とチームの逆転Vへ望みをつなぐ白星を目指す。

◆阪神・木浪聖也内野手(30)が先制の2点打を放った。0-0で迎えた二回。先頭の佐藤輝が右前打を放つと、前川が四球、梅野がバスター成功の右前打で無死満塁の絶好機を作った。打席には試合前の時点で今季の満塁打率・500(12打数6安打)の木浪。高橋宏の投じた初球だった。156キロ直球をはじき返すと、打球は左前に弾み先制の2点打。殊勲の一打に木浪は塁上で大きく右手を突き上げた。試合前には大の虎党で、木浪のファンを公言しているパリ五輪レスリング女子金メダリストの鏡優翔がファーストピッチセレモニーに登場。「熱い声援を送ります」と話していた鏡も大歓喜の大きな一打を届けた。

◆阪神・木浪聖也内野手(30)が先制の2点打を放った。0-0で迎えた二回無死満塁の絶好機で、高橋宏の投じた初球156キロ直球をはじき返すと、打球は左前に弾み先制の2点打となった。阪神・木浪聖也 「打ったのはストレート。守備からいいリズムで試合に入れていましたし、(高橋)遥人も緊張していたので、先に点を取ってあげたいという気持ちが強かったので、打ててよかったです」

◆阪神の先発・高橋遥人投手(28)が大ピンチをしのいだ。2点リードで迎えた七回、1死から連打で一、二塁のピンチを背負った。5番・石川昂は遊ゴロで2死二、三塁。村松は146キロ直球で空振り三振に仕留めた。高橋は直後の攻撃で代打を送られて降板。7回3安打無失点と3勝目の権利を持ってマウンドを譲った。

◆阪神は2-0の七回、近本光司外野手(30)の適時打で3点目を加えた。リードを広げる大きな一打を放った。この回先頭の木浪が右翼フェンス直撃の二塁打で出塁し、代打の熊谷が犠打を決めて1死三塁。近本は高橋宏の155キロ直球を捉え、前進守備の一、二塁間にうまく転がした。8月は打率・390と打ちまくった切り込み隊長が9月もチームに貢献する活躍を続けている。

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)は7回無失点で3連勝を飾った阪神・高橋遥人投手(28)を絶賛した。高橋遥人に尽きる試合だ。強い真っすぐで攻めきれる投球は見事。岩崎によく似て球持ちがいい。相手打者は総じて押し込まれていた。七回に先頭打者に安打を浴びたあたりから球が浮き始めたが、ここまで投げてくれれば十分。70球を超えたあたりから「そろそろ交代かな」のシグナルが出る。欲張ってはいけない。分かりやすい。これ以上、望んではいけない。投げる姿を見て「次回登板も大丈夫」と感じた。こんな思いをする投手は珍しい。その理由は、首脳陣が大事に起用しているから。故障明けを配慮して、絶対に無理をさせない。これだけの投球をすれば投げさせたくなるが、岡田監督もよく我慢している。与えられた登板機会で100%好投して、応えている点も評価したい。中日・高橋宏も素晴らしかった。期待に胸膨らむ投手戦だった。負けられない思いも、プラスになった。チームとして厳しい戦いは続くが、この緊張感で戦えることは、各選手の成長につながる。最後まで諦めずに戦ってもらいたい。

◆阪神が快勝。甲子園での中日戦を9戦8勝1分とした。規定投球回未到達ながら、防御率0・96の高橋宏斗投手(22)を攻め、二回に佐藤輝明内野手(25)の右前打から無死満塁とし、木浪聖也内野手(30)の左前打で2点を先取した。七回は二塁打後に犠打進塁の木浪を三塁に置いて、近本光司外野手(29)が右前に適時打を運んだ。八回に押し出し四球を選んだ木浪の満塁機成績は13打数7安打14打点。21年11月6日の巨人とのCSファーストステージ第1戦以来、1032日ぶり甲子園登板の高橋遥人投手(28)は7回3安打無失点で3連勝。チームは中日戦勝ち越しを決めた。2位巨人に4差、首位広島に4・5差とした岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=60勝56敗3分、観衆=4万2618人)。ーー高橋は格が違うと言っていた「違うやんか、ウソ言えへんよ」ーー投げ抹消か「いや、抹消せえへんよ。今回はな。計算したら分かるやないか、投げ抹消とか言わんでも。そういう計算しとけて、言う前に」ーー高橋は一戦ずつ頼もしさが「うん、まあ、そら直れば、ある程度やるとは思ってたけど、リハビリ明けでね、ファームでは中8で行く予定やったらしいけどな。やっぱりファームで投げるのと、疲労の残り方がやっぱり違うみたいやから。中10って一回抹消したけどな。もうやっぱりね、そら1回目よりも2回目、だいぶやっぱり感覚が違うみたいやわ。疲れの残り方の感覚がな、初戦に投げた時よりもね、2戦目投げた時の方がやっぱりだいぶ楽になってるから。明日ね、状態見て。だいぶ、今日も90球くらいか、91球か、ちょうど球数もいい頃だしね。だいぶ慣れてきたんじゃないかな、そういう感覚が上がってくるね」ーー二回無死一、二塁での梅野のバスターはベンチの指示「うん? なに? そら分からん。そらお前、明日もあるから」ーー初球ストライクからバット引いていた「うん? 今日は審判(球審の山村氏)おかしかったやろ、なあ。どうなってんや、アレなあ。高橋だいぶストライクあるやろ? 見とってもなあ。なんか。誰や、ピッチャーの高橋のフォアボールか。あんなん、ど真ん中ちゃうの。ええ? 何かおかしかったよな」ーー打者・高橋が驚いてた「そらびっくりするわ、ど真ん中ボール言われたら」ーー木浪はストレートに強い「いやいや、強いというか、今日はストレート狙いやんか。試合前ベンチでも言うてたけど、そら半分ストレート来るわけやからな、やっぱそれを。いろんな球、カットとかフォークとかスライダーとかあるけど、真っすぐと変化球にしたら、真っすぐ狙いが50パーセント、半分でええわけやから。そんなん駆け引きするピッチャーちゃうよ。向こうも力勝負で来るんやから」ーー広島は負け「何対何や? 今日はDeNA東やろ」ーー巨人が追いついた(延長戦で巨人敗戦)「ええ? 九回に? すごいなあ」

◆阪神・髙橋遥人投手(28)が7回3安打無失点の好投で無傷の3勝目を挙げた。打線は二回、木浪聖也(30)が2点適時打で先制。七回は近本光司外野手(29)の適時打と八回にも1点を加えリードを広げた。ヒーローの高橋は「(調子は)あんまり良くなかったですね。皆さんとがリードしてくれたのと、木浪さんがたくさん取ってくれて、よかったです」と感謝した。

◆3つの塁が埋まった序盤の勝負どころで、最も頼もしい男に打席が回った。迷わず初球を振り抜いた阪神・木浪の打球が勢いよく左前で弾む。2人の走者が生還し、喜ぶベンチに向けて右手を突き出した。金メダリストのエールにも応える一打で甲子園を沸かせた。「しっかり初球いくと決めて、割り切って、それがいい結果になってよかった」二回無死満塁の絶好機で、高橋宏の156キロ直球にタイミングを合わせて先制の2点打。この一打で満塁の場面では打率・538(13打数7安打)とまた勝負強さを発揮した。虎の満塁男が、試合前の時点で防御率0・98だった高橋宏の牙城を崩した。岡田監督は「今日はストレート狙いやんか。試合前ベンチでも言うてたけど、そら半分ストレートくるわけやからな」と直球に的を絞るよう指示を送ったことを明かした。それを忠実にこなした木浪は、適時打に続いて七回も先頭で初球の153キロ直球を捉え、右翼フェンス直撃の二塁打。「真っすぐが一番いいボール。しっかり打ちにいくことができたのでよかった」。近本の適時打で3点目のホームを踏むと、八回は1死満塁から押し出し四球を選んだ。

◆月が替わっても、この男の頼もしさは変わらない。鋭く飛び出した白球は一、二塁間を抜けていく。難敵・高橋宏から、阪神・近本が大きな大きな殊勲打だ。「クマ(熊谷)がしっかりバントを決めたので何とか1点になるようにと思っていました」二回の2得点以降、膠着(こうちゃく)状態だった流れを呼び寄せた。七回、先頭の木浪の二塁打から代打・熊谷が犠打を決めて1死三塁。舞台は整った。近本が息を吐いて打席へと向かう。高橋宏の155キロ直球を一閃。試合前の時点で防御率0点台だった右腕からたたき出した3点目。勝利をグッと手繰り寄せた一打にも、虎のリードオフマンはポーカーフェースを崩さなかった。一回先頭では高橋宏の変化球をはじき返し、16試合連続安打となる中前打。得点にこそ結びつかなかったが、難敵攻略の糸口を示したのは近本だった。逆転優勝へ、一つも落とせない試合は続く。だからこそ、岡田監督も「いい流れで初戦を取れた。同じような形でつないで点を取って。先制点やっぱり大きいですね。そういう意味では明日(4日)も先制点ほしいですね」と願う。〝先制パンチ〟の鍵は近本で間違いない。自己最多の月間39安打をマークし、同打率・390と絶好調だった8月。それでも、「チームが勝たなくては意味がない」と、個人成績に全く興味を示さなかった。どれだけ打とうが、勝利に勝るものはない。「勝ったのでよかったかな」試合後、少しだけ勝利の余韻に浸った。これからも立ちはだかるであろう、セ界の難敵。そのすべてを先頭に立って打ち崩していく。(原田遼太郎)

◆阪神は首位広島とのゲーム差を4・5に縮めた。先発の高橋遥人投手(28)が7回無失点の好投で復帰後3戦3勝。甲子園では1048日ぶりの白星を挙げた。奇跡の逆転連覇を目指す戦いは残り21試合。虎はまだ死なない。ヨッシャー! 普段は物静かな高橋がほえた。2-0で迎えた七回2死二、三塁。村松を空振り三振に仕留めると、感情をむき出しにした。7回91球を投げて3安打無失点の快投。左肘の手術などから復帰後3連勝だ。「本当に、ここに立つことを目標にずっと頑張ってきたので。こうしてたくさんの人の前で投げられて、勝つことができてうれしい」甲子園の1軍マウンドは2021年11月6日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦の巨人戦以来1032日ぶり。勝利は同年10月21日の中日戦以来1048日ぶり。喜びがあふれ出た。一回、直球は最速149キロをマークしたが、「あまり(直球は)よくなかった」と、二回以降は変化球主体の投球に切り替えた。ゴロアウトは14。四回先頭の岡林に初出塁となる左前打を許し、2死三塁とされたが、細川を見逃し三振に斬って思わず笑みがこぼれた。注目の〝高橋対決〟-。相手先発は試合前時点で11勝2敗、防御率0・98と抜群の成績を残している高橋宏だった。虎の高橋は「(昨年の)WBCを見てたんで。テレビの中の人と。とんでもないボールやなと思って。打席に入って、生で見られて、すごいうれしかった」と明かす。投げ勝ったことには「(味方打線が)打っていただいたんで。とくにないです」。相手に敬意を払うところに、優しい性格がにじみ出ていた。国指定の難病と闘うチームメートを勇気づけたい。「胸椎黄色靱帯(きょうついおうしょくじんたい)骨化切除術」を受け、8月25日に福島県内の病院を退院した湯浅だ。「真面目で投げやりになるようなタイプではない。トレーナーさん、理学療法士さんが全力で良くしようとしてくださるし、頑張れと言わなくても頑張るやつ」。高橋自身も何度も手術を受けて、はい上がってきた。自分が道しるべになるという思いがある。岡田監督は「リハビリ明けなので、そこまで頭数に入れてなかったけど、投げれば勝つというか。そういう意味ではすごく助かってますね」と復帰後3戦3勝の高橋を絶賛。これまでは登板ごとに一度抹消してきたが「抹消せえへんよ。今回は」と明かした。次回は10日からのDeNA3連戦もしくは13日の広島戦(ともに甲子園)に先発させるプランだ。首位広島、2位巨人がともに敗れたため、ゲーム差はそれぞれ4・5、4と縮まった。残り21試合。逆転連覇が不可能な数字ではない。「僕は(今年は)3試合しか投げていない。目の前の試合を頑張って投げるだけ」高橋が虎に再び火を付けた。帰ってきたエース左腕が奇跡へと導く。(三木建次)

◆遅い、遅い、遅~い!! 開幕から高橋がいてくれたら虎のアレンパ確実やったのに...。ま、終わったことは仕方ないけど、1032日ぶりとなる甲子園のマウンドで7回3安打無失点、復帰後スイスイの3勝目オメデトウ!! てか、チームにここ数年迷惑をかけた分、今季20勝せーへんかったら、誰が何と言おうと俺が許さへんわー!!しかし、野球って何? 優勝戦線から脱落したと思ったら、二回無死一、二塁で梅野がバントの構えからバスターでヒットを放ち、満塁男・木浪の2点打で楽々先制点を奪ったのだ!!しかも、試合前で11勝、防御率0・98の高橋宏を打ったことを考えれば、アレンパの呪縛にガチガチに固まってたってことですかねェ...。状況的にアレンパは99%厳しいのは分かってますよ。だけど、本日のような試合を一つ一つ重ねていったら、広島、巨人も優勝への重圧や足踏みもあるだろうし(あってくれー!!)死んだ虎がゾンビとなり『死に体アレンパ』もあるかも? やっぱそれは嫌だ!! 残り21試合全勝する気で勝つぞー!!

◆2024年9月3日時点でなら、12球団最高峰同士の投げ合いだと思う。見ている側も分かっているし、おそらく投げている2人も。だから七回、近本の打球が一、二塁間を抜けて、適時打になった瞬間、ひざから崩れ落ちた高橋宏は、しばらく立ち上がれなかった。その1点の重みを、一番分かっているから。ありがとう、と言いたくなる投手戦だった。試合前にも〝最高峰〟が甲子園に登場した。ピョンピョンと飛び跳ねて、金メダルを誇らしげに掲げ、最高のスマイル。ファーストピッチセレモニーはパリ五輪レスリング女子76キロ級金メダリストの鏡優翔さんだった。世界一だ。打席に立つ大好きな木浪相手にポーンと投げてノーバウンド。さすが超一流アスリートだ。「1」にこだわってきた鏡さんは「1番は森下選手、11番は永久欠番だから...」と誰も付けていない背番号「111」を選んだんだとか。なんて奥ゆかしい。本当の阪神ファンであることが伝わってきた。さらに、トラ番記者が全員、鏡ファンになってしまう〝大事件〟が。「みなさん、どうぞ触ってみてください!」なんと、首からぶら下げていた金メダルを、取材に集まったトラ番記者軍団の前に差し出した。

◆阪神・前川は二回無死一塁で四球を選んで木浪の適時打につなげ、四回は先頭で二塁への内野安打を放った。六回の死球と合わせて高橋宏から3出塁し「よかったです」と振り返った。六回は右足甲付近に死球を受けたが、大事には至らず自力で一塁へと向かった。試合後も「全然、大丈夫です」と語った。

◆阪神・井上が3-0の八回、1死一塁から代打で登場。高々と打ち上げた打球が風に乗り、右翼手・細川の落球を誘った。「結果的に点につながって良かった。思ったより(打球が)伸びた」。昼間は鳴尾浜でのウエスタン・広島戦に出場し、3打数1安打。「打席に入る機会があればと思って志願しました」。8月28日にプロ1号を放った期待の大砲は「明日以降も出番があればしっかり準備して臨みたい」と前を向いた。

◆阪神・佐藤輝が2安打を放ち、8月23日の広島戦(マツダ)以来のマルチ安打で勝利に導いた。0-0の二回先頭で打席に立ち、2球で追い込まれるも「食らいついていきました」と一、二塁間を破る右前打。無死満塁から木浪の適時打で先制のホームを踏んだ。八回にも1死から右前打で出塁し、4点目につなげた。「全部、点につながったので、よかったです」と笑顔を見せた。

◆阪神・梅野が意表を突くバスターで好機を拡大した。0-0の二回、無死一、二塁からバントの構えを見せるも、内野手がチャージをかけたところでヒッティング。「状況を見ながら自分の打撃、とにかくつなごうと思っていきました」。たたきつけた打球は一塁手の頭を越え、木浪の適時打につなげた。「狙い通りというところで決められた。(木浪)聖也がかえしてくれて、最高のパターン」。リードだけでなく、バットでも高橋をサポートした。

◆3番手で九回に登板した阪神・ゲラは1回1失点だった。先頭の岡林に四球を与え、続く福永に二塁打。無死二、三塁からカリステの内野ゴロで失点し、6月26日の中日戦(甲子園)から続いていた20試合連続無失点は途切れたが、リードは守りぬいた。「とにかく勝てたことが一番大きい」。7月31日の巨人戦(甲子園)以来の九回のマウンドにも「自分にとっては、言われたところで投げるだけなので」と力強かった。

◆2番手で八回に登板した阪神・岩崎は1回無失点。打者3人を無安打に抑えた。1死から代打・山本に12球粘られ四球を与えるも、次打者を初球で二ゴロ併殺。8月20日以来の八回のマウンドだったが、冷静に仕事をこなした。先発した同じ静岡出身の後輩・高橋の投球については「ナイスピッチングでした」と笑顔を見せた。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
62495 0.559
(↓0.005)
-
(-)
27348
(+1)
298
(+5)
48
(-)
50
(-)
0.238
(-)
2.270
(↓0.03)
2
(-)
巨人
63516 0.553
(↓0.005)
0.5
(-)
23368
(+3)
326
(+4)
65
(+1)
50
(+1)
0.242
(-)
2.570
(-)
3
(-)
阪神
60566 0.517
(↑0.004)
4.5
(↑1)
21395
(+4)
359
(+1)
53
(-)
34
(-)
0.238
(↑0.001
2.500
(↑0.01)
4
(-)
DeNA
58572 0.504
(↑0.004)
6
(↑1)
26424
(+5)
409
(+1)
86
(+1)
54
(+1)
0.256
(-)
3.060
(↑0.02)
5
(-)
中日
50638 0.442
(↓0.004)
13
(-)
22312
(+1)
389
(+4)
52
(-)
35
(-)
0.238
(↓0.001)
2.840
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
48664 0.421
(↑0.005)
15.5
(↑1)
25409
(+4)
469
(+3)
79
(-)
54
(+1)
0.238
(-)
3.730
(↑0.01)