ソフトバンク(★3対6☆)日本ハム =リーグ戦20回戦(2024.09.03)・みずほPayPayドーム福岡=
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日本ハム
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ソフトバンク
0030000003600
勝利投手:伊藤 大海(11勝4敗0S)
(セーブ:田中 正義(3勝3敗17S))
敗戦投手:モイネロ(10勝5敗0S)

本塁打
【日本ハム】万波 中正(17号・1回表ソロ),マルティネス(12号・3回表ソロ)

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◆日本ハムは初回に万波の先頭打者本塁打、レイエスと伏見の適時打で一挙5点を先制する。その後3回表には、マルティネスのソロで追加点を挙げた。投げては、先発・伊藤が7回3失点7奪三振の力投で今季11勝目。敗れたソフトバンクは、先発・モイネロが乱調だった。

◆日本ハム・レイエスが連続試合安打の球団記録に挑戦する。現在23試合連続ヒット中で、球団では51年大下、07年森本がマークした24試合まであと1。ソフトバンク戦は50打数17安打の打率3割4分と、カード別では最も高いだけに期待がかかる。また、来日1年目の外国人選手の連続試合安打記録は93年ブラッグス(横浜)の29試合が最長で、24試合以上は97年クラーク(近鉄)まで過去5人。得意のソフトバンク戦でさらに記録を伸ばせるか。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)がメンバー表交換時に、いつものハイタッチではなく、ソフトバンク小久保監督、審判団と円陣を組み、手を合わせてから、みんなで上に挙げた。8月25日のソフトバンク戦で、新庄監督は小久保監督、審判団と"グータッチ"。シーズン終盤の首位と2位の大事な直接対決を前に、また趣向を変えたコミュニケーション方法で、健闘を誓い合っていた。

◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が第1打席で安打を放ち、24試合連続安打で球団記録に並んだ。万波の先頭打者アーチで先制した直後、1回無死二、三塁でフルカウントからソフトバンク先発モイネロの150キロ直球を右翼線へ運ぶ2点適時打とした。これで24試合連続安打で、大下弘が51年、森本稀哲(現外野守備走塁コーチ)が07年に達成した球団記録に並んだ。レイエスは「いい粘りで自分が打つボールを待てたと思います。強いボールのピッチャーなので、振り負けない意識で打ちました。しっかりと打ち返すことができてよかったです」とコメントした。また、来日1年目の外国人選手の連続試合安打記録は93年ブラッグス(横浜)の29試合が最長で、24試合以上は97年クラーク(近鉄)まで過去5人となっている。日本ハム・レイエスが8月2日ソフトバンク戦から24連続試合安打。51年大下弘、07年森本稀哲(現外野守備走塁コーチ)がマークした連続試合安打の球団記録に並んだ。プロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33試合。パ・リーグ記録は71年長池徳二(阪急)の32試合。外国人選手の最長は11年マートン(阪神)の30試合で、24試合は外国人の7位タイ。

◆日本ハム万波中正外野手(24)が首位攻防戦で今季17号ソロとなる先頭打者アーチを放った。ソフトバンク先発モイネロに対し、カウント2-1から151キロの直球を豪快に左翼席へ運んだ。3球目まではカーブとチェンジアップで攻められたが、この試合初見の直球を捉えた。「入りは変化球が多かったですが、最後は真っすぐを仕留められました。良い集中力で打てたと思います」とコメントした。万波の8月8日以来のアーチに勢いづいた打線はモイネロの乱調につけ込み、レイエス、伏見らの適時打など4安打3四死球で5点を先制した。

◆日本ハム打線が首位ソフトバンク先発モイネロから、いきなり打者一巡で5点を奪った。1番に起用された万波の8月8日楽天戦(楽天モバイル)以来の17号ソロで先制。浅間と清宮が四死球で出塁すると、4番レイエスが球団記録に並ぶ24試合連続安打となる右翼線への2点適時打で追加点。勢いは止まらず1死満塁となり、8番伏見の2点適時打で5点目を奪った。今季10勝をマークしているモイネロに打者10人を送り込む猛攻だった。「X」では「打者一巡」がトレンド入り。先発の伊藤を援護する5得点に「モイネロからまじか」「気を緩めず!」「初回からえぐい」など盛り上がりを見せた。

◆日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(28)が、7試合ぶりのスタメン出場で12号ソロを放った。「5番一塁」で、8月24日ソフトバンク戦(エスコンフィールド)以来となるスタメン出場。5-0の3回無死、カウント1-2からソフトバンク先発モイネロの外角133キロのチェンジアップを右翼席へ運んだ。「力任せではなくしっかりとコンタクトできたと思います。良いスイングでボールに力を伝えることができました」とコメントした。マルティネスは開幕当初4番を任されていたが、不調や清宮、レイエスらの台頭によって代打起用などが増えていた。本塁打は8月1日オリックス戦(エスコンフィールド)以来となった。

◆日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(28)のさっぱりスタイルがSNS上で話題となった。マルティネスはトレードマークでもあるあごひげをさっぱり剃り、「5番一塁」でスタメン出場。5-0の3回無死、カウント1-2からソフトバンク先発モイネロの外角133キロのチェンジアップを右翼席へ運んだ。本塁打は8月1日オリックス戦(エスコンフィールド)以来。「力任せではなくしっかりとコンタクトできたと思います」とコメントした。開幕当初4番を任されていたが、不調や清宮、レイエスらの台頭によって代打起用などが増えていた。日本ハムファンにとって新たな風貌でのアーチに、Xでは「マルティネス」がトレンド入り。「めっちゃイケメン」「ひげなしマルティネス」「良い笑顔」など喜びの声があがった。

◆ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(28)が初回からまさかの5失点の大乱調。今季最短の3回6安打6失点でKOされた。先頭の万波に左翼越えソロを献上。浅間に四球、清宮に死球を与え、レイエスには右翼線2点打。1死後には郡司に死球、上川畑と伏見に左前打を浴びた。2回は3者凡退に抑えたが、3回はマルティネスに12号ソロを献上。2被弾は来日ワーストタイだった。モイネロは試合前まで防御率1・64はリーグ1位で、勝率7割1分4厘もトップタイ。10勝(4敗)は2位タイで、1位有原の11勝を追い、投手3冠も射程圏だった。先発転向1年目で奮闘してきたが、この日は立ち上がりから苦しんだ。

◆日本ハムが序盤の大量得点を守り切り、首位ソフトバンクを振り切った。今季10勝のソフトバンク先発モイネロに対し、初回に1番万波の先頭打者アーチで先制。さらに四死球で好機をつくると、4番レイエスが球団記録に並ぶ24試合連続安打となる2点適時打。さらに1死満塁から伏見にも2点適時打が飛び出して5点を奪った。守っては先発の伊藤が7回を3失点にまとめる好投。8回は宮西がつなぎ、9回は田中正が8月4日以来の1軍マウンドで17セーブ目をマークした。伊藤は自己最多の11勝となった。

◆ソフトバンクは序盤の失点が響き、カード初戦を落とした。先発のリバン・モイネロ投手(28)が今季最短の3回6安打6失点でKO。優勝マジックは15のまま足踏みとなった。試合後の小久保裕紀監督(52)の一問一答は以下の通り。-モイネロが珍しく乱調小久保監督 まぁ、今年初めてじゃないですかね。そら年に1回ぐらいはありますよ。もう続いてほしくないですけど。-リリーフ陣は無失点リレー小久保監督 うん。(木村)光もプロ初登板でしっかり0に抑えましたし、岩井も良かった。藤井が抜けている中、勝ちパターンというか僅差のゲームで投げられるピッチャーを作っていかないといけない。そういう点では、そういうところは良かったですね。-木村光の良さはどこに小久保監督 僕が2軍で見ていた時よりもコントロールが良くなってます。もうちょっとコントロールが悪かったんですけど、変化球でもストライクがとれていたので。それが去年よりはすごく良くなってるなという印象でした。-打線は3点差まで追い上げたが小久保監督 まぁまぁでも、初回の5点はなかなかね...。-モイネロへの信頼は変わらない小久保監督 もちろん、もちろん。はい。信頼というか、CS含めて一番大事なところでいくピッチャーのひとりなんで。やっぱり初めての先発でちょっとへばってるかもしれない。自分の思うように体が動いてないかもしれないですけど、まぁでも、ここまでよくやってると思いますよ。

◆日本ハム田中正義投手(30)が、約1カ月ぶりの1軍マウンドで17セーブ目をマークした。6-3の9回に登板。近藤と正木を打ち取り、2死から今宮に安打を許したが、甲斐を二飛に仕留めた。1軍登板は8月4日ソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来。同戦で1点リードを守り切れずサヨナラ負けを喫すると、同6日に出場選手登録を抹消されていた。新庄剛志監督(52)は開口一番「田中君、緊張しすぎてジャンプ(のタイミング)合ってなかったね。よかったよかったよかった。0点に抑えてくれて。自信にもなっただろうし。あとは、柳川くんとね、ちょっと勝負してもらって」と安堵(あんど)した。田中正が抹消されている間には、21歳の柳川が9回を任され8セーブを挙げた。田中正が出場選手登録された1日の西武戦(ベルーナドーム)では、柳川が抑えを任されてから初めての黒星。指揮官は「(田中)正義君に(柳川の投球を)目の前で見せて...こういう時に抑えてほしかったね、柳川君が。また(田中正も)燃えてくると思うし。次は正義君を柳川君が見て」と、臨機応変にダブルストッパーで臨むプランも披露していた。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、1回の猛攻に驚きを隠せなかった。ソフトバンク先発モイネロに対し、1番に起用された万波の17号ソロで先制。浅間と清宮が四死球で出塁すると、4番レイエスが球団記録に並ぶ24試合連続安打となる右翼線への2点適時打で追加点。勢いは止まらず1死満塁となり、8番伏見の2点適時打で5点目を奪った。今季10勝をマークしているモイネロに打者10人を送り込む猛攻だった。新庄監督は「最初に5点取ったら、目、こうやって2回こすったもん。ピッチャー誰? モイネロやろ? って」と驚きを隠せなかった。それでも「今日だけですよ。(モイネロの調子が)あんまり良くなかったね。だってもう10勝してるでしょ?」と引き締めた。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、首位を独走するソフトバンク打線の地力に気を引き締めた。ソフトバンク先発モイネロに対して初回に5点を奪い、3回にもマルティネスのソロで6-0と大量リード。だが、先発の伊藤が3回に2安打2四球で3点を失い、不穏な空気が漂った。最終的に伊藤は踏ん張り7回を3失点。救援陣もリードを守った。新庄監督は今季10勝のモイネロからの大量得点に喜びつつ、「でも怖いね。ジワジワジワジワ追いついてくるから。最低でも12点くらいいるんだろうね」と冗談交じりに気を引き締めた。

◆プロ初登板となったソフトバンク木村光投手(24)が2回無失点の好投をみせた。3番手で5回から登板。先頭郡司に右前打を許したが、続く上川畑の投前のバントを素早く処理。二塁でアウトにすると落ち着いた。「できることをしっかりやっていこうと思った。思っていたより緊張はなかった」。さらに内野安打で走者を出したが、水野、万波を連続三振。6回もしっかり無失点で切り抜けた。「(シーズンの)最後まで1軍に残って頑張っていきたい」と納得の表情だった。

◆ソフトバンク山川穂高内野手(32)が意地の2点適時打を放った。3回、栗原の適時二塁打で1点を返し、なおも2死二、三塁。伊藤の初球スライダーを左前にはじき返す2点タイムリー。「チャンスで1本と集中しました。タイムリーと点差を詰めるバッティングができてよかった」。3試合ぶりの安打でリーグトップの86打点とした。

◆ソフトバンクは序盤の大量失点が響き連勝ストップ。優勝マジックは15のまま足踏みとなった。先発のリバン・モイネロ投手(28)が今季最短の3回6安打6失点でKO。万波に先頭打者アーチを浴びるなど初回5失点で、3回はマルティネスに12号ソロを献上した。日本ハムにはカード別ワーストの20被本塁打。さらに制球にも苦しみ3四死球。防御率リーグトップの左腕がまさかの大乱調で「内容も結果も全く良くなかった。なんとか修正して次の登板に向けて頑張ります」と肩を落とした。小久保監督は「(大量失点は)今年初めてじゃないですかね。そら年に1回ぐらいはありますよ」とかばったが「もう続いてほしくないですけど」と語るのも本音。先発転向1年目で10勝5敗、防御率1・97。奮闘しているのは間違いなくとも、この日を含めた直近3試合は14イニングで自責点10、防御率6・43とやや精彩を欠いている。指揮官は「やっぱり初めての先発でちょっとへばってるかもしれない。自分の思うように体が動いてないかもしれないですけど、ここまでよくやってると思いますよ」と話した。エース有原も古巣日本ハムには未勝利で、8月は防御率5・70と不調だった。有原とモイネロは今季の先発陣を引っ張ってきた大黒柱。新庄ハムとはクライマックスシリーズでも対戦する可能性があるだけに、やや不安の残る1敗だった。小久保監督は「CSを含めて一番大事なところでいくピッチャーのひとりなんで」と改めてモイネロの修正力に期待した。【只松憲】

◆TNCテレビ西日本で放送されている人気番組「ゴリパラ見聞録」のゴリけんとパラシュート部隊の2人がセレモニアルピッチを行った。投手役はパラシュート部隊の斉藤が務め、1度は投げるしぐさを見せながらバックスクリーン方向に向かって持ちネタである「うま杉晋作」と書かれたギャグを披露。捕手役は相方の矢野ぺぺ、打者はゴリけんが務めて球場を沸かせた。

◆日本ハム伊藤大海投手(27)が自己最多の11勝目。3回に制球を乱して3失点すると「仕切り直しという意味で」とブルペン入り。直球とカーブを合わせて約10球を投げ込んだ。4回以降は安定感を取り戻し、7回を5安打3失点と踏ん張った。キャリアハイの数字にも「勝たせてもらっているという印象がかなり強い。最終的にチームが勝っていれば一番」と気を引き締めた。

◆ソフトバンクの3番栗原陵矢内野手(27)が2戦連続で打点を挙げた。6点を追う3回2死一、二塁から伊藤のフォークを流し打った。打球は左翼線に落ち、そのまま三塁側席に飛び込む適時エンタイトル二塁打となった。「いいところに(打球が)落ちてくれました」。チームは敗れたものの、6戦連続安打と感触は悪くない。9月戦線も好打を連発したいところだ。

◆Youはボスと優勝するために日本へ-。日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が24試合連続安打で球団記録に並んだ。1回無死二、三塁でソフトバンク先発モイネロの150キロ直球を捉え、右翼線へ2点適時打。51年の大下弘、07年の森本稀哲(現外野守備走塁コーチ)が達成した球団記録に並び「今は何が来ても打てるっていう、いい状態にある」と手応えを口にした。前日、指揮官は自身のインスタグラムで、3月にテレビ東京系の番組「Youは何しに日本へ?」に取材されたレイエスの動画を投稿。その取材でレイエスは新庄監督について「不思議な人だと聞いているよ。良い関係を築けたらいいね」と話していたが、もう不思議な人ではない。指揮官は「1、2の"の~"を長く。まだちょっと早い。あと、ピッチャーによっては打席に立つ前に『低めはダメよ』、(西武の)平良くんだったら『高めはダメよ』っていう指示はちょいちょいして」。的確な指示と、指揮官との良好な関係が日本野球へのフィットにつながった。大砲の好調っぷりに新庄監督は「ずっと調子いいですもんね。しっかりポイントまで呼び込んでバチンってセンターに打つイメージだったら、どこでも入るから」と期待。レイエス自身も「いい球が来たら打つことを意識している」と、さらに気を引き締めた。首位との直接対決初戦を取るも指揮官は「5点取っても怖いね。じわじわ来るから。最低でも12点はいるかも」。どんなに打っても油断はしない。しぶとく食らいつき、タカを追いかける。【永野高輔】日本ハム・レイエスが8月2日ソフトバンク戦から24連続試合安打。51年大下弘、07年森本稀哲(現外野守備走塁コーチ)がマークした連続試合安打の球団記録に並んだ。プロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33試合。パ・リーグ記録は71年長池徳二(阪急)の32試合。外国人選手の最長は11年マートン(阪神)の30試合で、24試合は外国人の7位タイ。

◆日本ハム万波中正外野手(24)が決勝打となる先頭打者弾を放ち、首位との直接対決初戦白星に貢献した。カウント2-1から、ソフトバンク先発モイネロの151キロの直球を豪快に左翼席へ運んだ。「打った瞬間フェンス越えるかなと思ったんで。無事行ってくれてよかったです」。レイエスに並ぶチームトップの17号ソロに「あいつすごいんで、追いつけ追い越せで頑張ります」とチーム内競争も糧にしていく。

◆日本ハム伏見寅威捕手(34)が攻守で流れを呼び込んだ。初回、3点を奪ってなおも1死満塁。モイネロから左前へ2点適時打を放ち、突き放した。18年の初対戦から13打席目でようやく結果を出し「宿敵モイネロから人生初ヒット」と喜んだ。捕手としても返球のリズムを変えるなどして伊藤を乗せ、7回5安打3失点と踏ん張らせ、リーグトップに並ぶ11勝奪取をサポートした。

◆日本ハム伊藤大海投手(27)が101球の力投で、自己最多となるリーグトップタイの11勝目をマークした。今季5度目の対決となる首位ソフトバンク打線に対し、7回5安打3失点にまとめた。6-0の3回に2安打2四球で3点差まで追い上げられたが、異例のブルペン入りで4回以降は快投。エースがキャリアハイの白星でチームの連敗を止めるとともに、ソフトバンクのマジックを15のままとした。異例のブルペン入りでリセットした。3回に2安打2四球で3失点すると、ベンチに戻った伊藤はすぐにブルペンに向かった。「試合前のブルペンと同様に真っすぐとカーブ。もう1回仕切り直そうかなという意図でやりました」とおよそ10球を投げ込んだ。「エスコンだと(ベンチから右翼後方のブルペンまで)遠いですし。ここはすぐ近く(ベンチ裏)にあるので、それができた」と敵地の利を存分に活用した。ブルペン入り後の4回は、1安打を許すも10球で料理した。上々のリスタートで、力みは完全に消えた。4回以降はテンポ良く打たせて取る投球で、一度も3ボールにすることなく投げきった。「(捕手の伏見)寅威さんも送球のリズムを変えてくれたりとか、いろいろ工夫をしてくれて。それに任せる形で進められたかな」と女房役の技術にも助けられた。自己最多の11勝目を手にしたが笑顔はなかった。「もぎ取った、という感じはないです。防御率も防御率ですし。勝たせてもらっているという印象がかなり強い」。大量援護を受けた中での3回の乱調を悔やみ続けた。防御率は3・10。チーム先発陣の山崎や加藤、金村は2点台をキープしているが、エースとしての信頼があるからこそ、強打者が並ぶ宿敵相手に今季5度も送り出されている。ルーキーイヤーから先発ローテを守る右腕は、入団4年目で初のCS争いを味わっている。「その先の戦いを見据えてしっかりやっていかないといけない。こういうゲームを勝ちきれるのは、チームとしてはすごく大きいこと」と、ポストシーズンでの短期決戦にも目を向ける。ピッチングへの反省は尽きないが「最終的にチームが勝っていれば、それが一番」と締めくくった。積み上げた11勝が、勝てる投手としての証となっている。【黒須亮】

◆日本ハム・マルティネスが万波との"まんまる弾"でソフトバンクを撃破した。トレードマークのあごひげをそって登場すると、5-0の3回無死でモイネロの133キロチェンジアップを「しっかりとコンタクトできた」と右翼席への12号ソロとした。先頭打者本塁打の万波と、4月21日ロッテ戦(エスコンフィールド)以来、今季2度目のアベックアーチとなった。

◆ソフトバンクはリバン・モイネロ投手(28)が先発する。リーグ2位の10勝を挙げており、トップの有原を1差で追う。勝率(.714)、防御率(1・64)はリーグトップを快走しており、投手3冠を狙える位置につけている。同じ10勝の日本ハム・伊藤との投げ合いが注目となる。

◆ソフトバンク先発のリバン・モイネロ投手(28)が今季からの先発転向後、自己最短の3回6失点で降板した。一回、万波に先頭打者アーチを浴びて先制される。さらに浅間に四球、清宮には死球、自身の暴投で招いた無死二、三塁でレイエスに右翼線への2点打を許して0-3とされ、1死後に郡司への死球、上川畑の左前打で再び満塁のピンチ。ここで伏見にレフトへの2点打を打たれて0-5。初回から一巡の猛攻に遭い、主導権を握られた。二回は三者凡退に抑えたが、三回には先頭のマルティネスに右越えのソロを浴びて0-6。その裏の攻撃で味方打線が栗原の適時打と山川の2点打で3点を返したが、モイネロはこの回限りで交代。無念の背信マウンドとなった。

◆日本ハムの万波が2023年9月以来、通算3度目の一回先頭打者本塁打を放った。初球から変化球が続いて2ボール1ストライクからの4球目。モイネロの151キロの低め速球に振り負けず、左翼席へ運んだ。「入りは変化球が多かったが、最後は真っすぐを仕留められた。良い集中力で打てた」と自賛した。8月8日を最後に一発が出ていなかったが、持ち前のパワーを発揮しての17号アーチだった。勢いづいた打線はこの回、レイエスの球団記録タイの24試合連続安打となる2点適時打なども出て、一挙5点を先行。リーグトップの防御率1・64を誇っていたモイネロを一気に攻め立てた。

◆ソフトバンク・木村光投手(24)が五回から3番手としてプロ初登板に臨み、2回を投げて3三振を奪うなど無失点に抑えた。この日プロ初めての1軍昇格を果たしたばかり。五回、先頭の郡司に右前打、伏見に投手強襲の内野安打を許すなどして1死一、二塁のピンチを招いたが、水野と万波から連続三振を奪って脱出。六回は1死から清宮を四球で出したが、後続を断ち、2イニング連続ゼロに封じた。奈良大付3年時に夏の甲子園に出場し、同校の甲子園初勝利を挙げた。佛大から育成で入団した昨年は7月に支配下登録となったが、その直後に胸椎分離症となり、残りのシーズンはリハビリを余儀なくされた。2年目の今季は右足を疲労骨折して出遅れながら、ようやく1軍のマウンドを掴んだ。同期入団の松本晴投手(23)には「初勝利を挙げるなど活躍していたんでうれしい気持ちもあったが、いまはライバルというか、『あいつに負けてらない』という気持ちはもっていた。あいつの結果に負けないようにしっかりやりたい」と刺激を受けてきた。昨季2軍監督だった小久保監督からは「『しっかり頑張ってくれ』と言われた。去年2軍で見ていたただいていたので、しっかり恩返ししたい」と意気込んで臨んだマウンドで結果を出した。

◆「4番・DH」で先発出場の日本ハム・レイエスが1-0の一回無死二、三塁で2点右前打を放った。これで出場24試合連続安打とし、1951年に大下弘、2007年に森本稀哲(現1軍外野守備走塁コーチ)が樹立した球団記録に肩を並べた。「強い球(が持ち味)の投手なので振り負けない意識で打ちました」フルカウントから左腕モイネロの150キロの直球をたたいた。ライナーで右翼線を破り「いい粘りで自分が打つ球を待てた。しっかりと打ち返すことができてよかったです」。球団記録に並ばれた森本外野守備走塁コーチは三塁コーチャーズボックスから拍手を送った。平常芯が好調を支えている。8月は打率・403(77打数31安打)、8本塁打、23打点と驚異的な数字をマーク。それでも助っ人スラッガーは「自分の性格的に高望みをしすぎると空回りしたりする」としっかり自己分析。「誰が相手とか、記録があるとかは気にせず自分のやることに集中してやっていきたい」と冷静に足元を見つめる。日本ハム打線は万波の先頭打者アーチ、レイエスのメモリアル打で活気づき、一回は打者一巡の猛攻で一挙5点を奪った。三回にはマルティネスの12号ソロで加点し、試合前時点で防御率リーグトップ(1・64)のモイネロを攻略。相手のエース左腕を自身今季最短となる3回でマウンドから引きずり下ろした。

◆日本ハム先発の伊藤大海投手は、伸びのある速球を軸に7回3失点で、自己最多、リーグトップに並ぶ11勝目。一回に万波の先頭打者本塁打やレイエスの2点打など、打者一巡で5得点し優位に立った。ソフトバンクは先発のモイネロが乱調だった。

◆ソフトバンクは日本ハムに敗れて3連勝ならず。先発のリバン・モイネロ投手(28)が一回に万波に先頭打者本塁打を浴びるなど5失点と崩れ、3回6失点と誤算だった。打線は三回に栗原陵矢内野手(28)の適時二塁打と山川穂高内野手(32)の2点打で3点を返したが、その後は反撃が途絶えた。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
74423 0.638
(↓0.005)
M15
(-)
24503
(+3)
332
(+6)
97
(-)
79
(-)
0.256
(-)
2.580
(↓0.03)
2
(-)
日本ハム
62508 0.554
(↑0.004)
10
(↑1)
23459
(+6)
410
(+3)
90
(+2)
76
(-)
0.249
(↑0.001
2.920
(-)
3
(-)
ロッテ
60556 0.522
(-)
13.5
(↑0.5)
22420
(-)
431
(-)
61
(-)
54
(-)
0.249
(-)
3.260
(-)
4
(-)
楽天
57573 0.500
(-)
16
(↑0.5)
26410
(-)
473
(-)
61
(-)
72
(-)
0.243
(-)
3.740
(-)
5
(-)
ORIX
56623 0.475
(↑0.005)
19
(↑1)
22340
(+3)
354
(+2)
55
(+1)
49
(-)
0.237
(-)
2.650
(-)
6
(-)
西武
38802 0.322
(↓0.003)
37
(-)
23285
(+2)
423
(+3)
48
(-)
61
(-)
0.209
(↑0.001)
3.200
(-)