巨人(★3対4☆)ヤクルト =リーグ戦20回戦(2024.09.03)・京セラドーム大阪=
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ヤクルト
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巨人
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勝利投手:小澤 怜史(5勝6敗4S)
(セーブ:ロドリゲス(1勝0敗1S))
敗戦投手:大勢(1勝2敗23S)

本塁打
【巨人】モンテス(1号・9回裏3ラン)

  DAZN
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◆ヤクルトは1-0で迎えた7回表、長岡の適時打で加点する。その後3-3となって迎えた延長10回には、並木の適時打で再びリードを奪った。投げては、5番手・ロドリゲスが来日初セーブを記録。敗れた巨人は9回にモンテスの3ランで追いつくも、5番手・大勢が踏ん張れなかった。

◆巨人ココ・モンテス内野手(27)が起死回生の1号3ランを放った。9回2死二、三塁の土壇場で、ヤクルト小沢のど真ん中に入ったフォークをとらえ、左中間へ来日初アーチを描いた。敗色濃厚の状況下、試合を振り出しに戻し、ベンチの阿部監督も両手を振り上げて大喜び。1死から代打秋広が四球を選び、続く丸が右翼線二塁打で拡大したチャンスをモノにして、延長戦へ持ち込んだ。「もう1発を狙っていました。同点ホームランを来日初ホームランという形で飾れたのはよかったんですけど、ただチームが勝てればもっとよかったかなと思います。(記念球が)もし戻ってきたら、アクリルケースに入れて自宅に飾りたいと思います」"ミスター二塁打"から脱却する1発だった。7月26日の初出場から31安打をマーク。その内13本が二塁打だった。1号アーチ含めて長打率4割5分2厘という数字を残し、後半戦以降3番に定着。左手首骨折でヘルナンデスが離脱すると、外野での出場を志願し穴を埋める活躍で、存在感を発揮している。

◆巨人が最終盤の粘りも及ばず最下位ヤクルトに手痛い1敗を喫した。延長10回に大勢が打たれた。2死三塁から並木に中前への決勝打を許した。14試合連続無失点中だった守護神が痛恨の失点で、首位浮上は手中からこぼれ落ちた。助っ人の起死回生の1発も空砲に終わった。3点を追う9回2死二、三塁、モンテスが小沢のカウント1-1からのフォークを捉えた。左中間席への来日1号同点3ランで食らいついた。完封負け寸前の敗色ムードを一掃させたかに見えたが、直後に再び勝ち越しを許した。首位広島が敗れたため、ゲーム差は0・5のまま。接戦を落とした阿部監督は「よく追いついたね。(大勢の失点は)そんな時もある。そこまで持ってこれたっていうのは大きな収穫として明日につないでもらいたい」と前を向いた。▽巨人モンテス(9回2死二、三塁で1号3ラン)「1発を狙っていました。チームが勝てればもっと良かったかなと思います。(記念球が)もし戻ってきたら、アクリルケースに入れて自宅に飾りたいと思います」

◆ヤクルト並木秀尊外野手(25)が今季初安打で延長戦を制した。7回の守備から出場。延長10回2死三塁、巨人大勢の直球を中前にはじき返して勝ち越した。盗塁の際に左肩を脱臼して7月4日に登録を抹消され、8月27日に復帰。9月のシーズン初安打となったが「やっぱり1軍で活躍してなんぼ。打つ方をアピールしていかないとレギュラーは難しい。結果が出てよかった」。チームの連敗を5で止めた。▽ヤクルト長岡(7回の左前適時打で19試合連続安打)「毎日打てればいいですけど、そんな甘くない。いい準備をして、頭の中を整理して打席に入れている」▽ヤクルト高津監督(9回に3点差を追いつかれたが、延長戦を制して連敗ストップ)「あのまま9回で終わるのが理想だったかもしれないけど、何事もこういう経験をして、チームも人も強くなっていくんだろうなと思って見てました」▽ヤクルト・ロドリゲス(延長10回を3者凡退に抑えて来日2年目で初セーブ)「負けていると全然楽しくないので、勝ててよかった。(記念球は)メジャーや日本で初勝利したボールと一緒に飾りたい」

◆巨人・山崎伊織投手(25)が2年連続となる2桁勝利を懸け、先発マウンドに上がる。

◆巨人・浅野翔吾外野手(19)が試合序盤から走攻守で存在感を示した。定位置となりつつある「2番・右翼」で先発した2年目の若武者は、一回の守備、2死一塁でサンタナの右中間へのライナーをダイビングキャッチ。その裏の打席ではヤクルト・ヤフーレから高く跳ねるゴロを二遊間へ放ち、快足を飛ばして内野安打をマーク。その後、4番・岡本和の打席で二盗に成功。捕手も送球をあきらめる完璧なスタートで、プロ初盗塁をマークした。左手首の骨折で離脱したヘルナンデスの代役として8月半ばから1軍昇格し、チームのラッキーボーイ的存在になっているスター候補。勢いはまだまだ衰えなさそうだ。

◆ヤクルト・長岡秀樹内野手(22)が「1番・遊撃」で先発し、19試合連続安打をマークした。1点リードの七回2死三塁で左前適時打を放った。巨人の2番手左腕・高梨のシュートをはじき返し、貴重な2点目を奪った。球団記録の25試合連続安打(1999年の佐藤真一、2010年の青木宣親)まで残り6試合と迫った。

◆巨人・山崎伊織投手(25)が2年連続となる2桁勝利を懸け、今季初の京セラドームの先発マウンドに上がった。一回1死から左前打を浴び、二盗で2死二塁のピンチを招いたが、サンタナを右飛に打ち取って立ち上がりを無失点に抑えた。スライディングキャッチで好守を見せた右翼・浅野をベンチの前で出迎え、声をかけた右腕。グラブでポンとたたいて感謝した。前回8月27日のヤクルト戦(神宮)は5回2失点で白星を挙げた。前々回の20日の広島戦(東京ドーム)では4回を投げて今季自己ワーストの7失点を喫していただけに「あれで負けていたらやっぱり...。その前の試合もありましたし、今週も頑張ろうと」。この日の登板へ向けモチベーションを高く保って練習に励み、「いい調整ができている」と話していた。今季初の京セラドームでの主催試合。「球場が広いので、思い切って勝負できる。どんどんゾーンで勝負していきたい」と長打力のあるヤクルト打線に対し、五回を終えて59球とテンポよくアウトを積み重ねた。しかし、六回にサンタナに先制二塁打を許す。七回には1死二塁のピンチを迎えて降板。2番手の高梨が長岡に適時打を浴びて2点目を献上した。山崎伊は6回?を5安打2失点。10勝目は次回に持ち越しとなった。

◆巨人の新外国人、ココ・モンテス内野手(27)=前ロッキーズ傘下3A=が同点3ランで試合を振り出しに戻し、延長に突入した。0-3の九回2死二、三塁、カウント1-1からヤクルト・小沢のフォークを左中間スタンドへ放り込んだ。シーズン途中加入の助っ人の来日1号アーチに場内は大歓声に包まれた。

◆ヤクルト・並木秀尊外野手(25)が今季初安打となる勝ち越し打を放ち、チームを勝利に導いた。3-3で迎えた延長十回、2死三塁の場面で打席に断つと、大勢の152キロ真っすぐを中前に打ち返した。以下、並木のヒーローインタビュー。--どんな気持ちで打席に立った「今期ヒットを打ってないんですけど、そこは関係なく思い切っていくことだけを考えて打席に入りました」--1ボールからの2球目を捉えた「やっぱり相手ピッチャーは良かったんで、狙いを絞って思い切っていきました。コンパクトに打てたと思います」--九回、一旦は追いつかれたがチームの雰囲気は「同点に追いつかれても負けたわけじゃなかったんで、そこからもう1回勝ち越そうという気持ちだった」-ー残りあと1カ月、どんな活躍を「与えられた役割をしっかり果たして、チームの勝利に少しでも貢献できるようにやっていきたい」

◆巨人は0-3で零封負け寸前の九回2死、3番・モンテスが起死回生の1号同点3ランを放ったが、十回に守護神、大勢がヤクルト・並木に決勝打を浴びた。阿部慎之助監督(45)は「そんな時もある。勝ちパターンをつぎ込んでいるわけですから。そこまで(同点に)持ってこられたのは、大きな収穫として明日に繋げてもらいたい」とかばった。大勢の失点は15試合ぶり、後半戦では初めて。今季23セーブを挙げている右腕は責められない。阿部監督は「よく追いついた」と土壇場で見せた粘りを評価した。

◆ヤクルトは3日、延長戦の末に4-3で巨人に勝利。延長10回、適時打を放ったヤクルト・並木秀尊 =京セラドーム大阪(撮影・渡辺大樹)

◆巨人の新外国人、ココ・モンテス(前ロッキーズ傘下3A)が、0-3の九回2死二、三塁から「一発狙っていた」と左越えへ同点3ランを放った。記念すべき来日1号に「初ホームランが打ててとてもうれしい」と話したものの、その後チームは延長で敗れ「勝てればもっとよかった」と肩を落とした。

◆巨人・浅野翔吾外野手(19)が敗戦の中でも攻守で躍動した。一回2死二塁の右翼守備では前方の飛球をスライディングキャッチ。直後の打席で内野安打を放つと、三回には四球で出塁し、ヤフーレの投球モーションを完全に盗んでプロ初盗塁となる二盗に成功。先発での出場が続く19歳は「走攻守でしっかりアピールしていきたい」と力を込めた。

◆起死回生の同点弾は実らなかった。2位・巨人は今季16度目の延長戦の末に敗戦。首位浮上は逃したが、阿部慎之助監督(45)はナインをねぎらった。「よく追いついた。そこ(同点)まで持ってこられたのは、大きな収穫として明日につなげてもらいたい」。零封負けが目前だった0-3の九回2死二、三塁、3番・モンテスがヤクルト・小沢から左中間席へ来日1号の同点3ラン。阿部監督は試合中では珍しく、笑顔でガッツポーズを繰り返した。しかし、十回を託された大勢が並木に勝ち越し打を許した。2敗目を喫した守護神は「あの流れを保ち切れなかったのが反省点」と悔やんだ。失点が15試合ぶり、後半戦では初めてだっただけに、指揮官は「そんなときもある」と責めなかった。首位・広島も敗れ、ゲーム差は変わらず「0・5」。4年ぶりのリーグVへ、残り試合は23試合。敗れはしても、簡単には終わらない粘りが今のチームにはある。(谷川直之)

◆〝燕のパッキャオ〟が試合を決めた。七回の守備から途中出場したヤクルト・並木秀尊(ひでたか)外野手(25)が、延長十回2死三塁で決勝の中前適時打。今季初安打初打点で、チームの連敗を5で止めた。「狙いを絞って、変化球はまだ見たことがなかったので、真っすぐを思い切っていけた」守護神・大勢が1ボールから投じた152キロの直球を、覚悟を決めて振った。7月3日のDeNA戦(横浜)で左肩を脱臼して以降は2軍でリハビリし、8月27日に再昇格したばかり。「1軍で活躍してナンボ。貪欲にやっていきたい」と汗をぬぐった。愛称は「パッキャオ」。元プロボクサーで世界6階級制覇を果たしたマニー・パッキャオ氏に顔が似ていることから、入団同期で昨オフに西武にトレード移籍した元山に命名された。かつての戦友は1日の日本ハム戦で逆転サヨナラ打。殊勲打の場面もヒーローインタビューもチェックした並木は「変わっていないところに元気をもらえた。負けないように頑張りたい」と力を込めた。世界スーパーバンタム級主要4団体統一王者の井上尚弥が王座を防衛した日に〝燕のパッキャオ〟が勝利に貢献。首位浮上を狙った2位巨人に一矢報いたヒーローは「少ない打席の中で、どうやって結果を残してレギュラーを奪いにいけるか」とさらなる活躍を誓った。(赤尾裕希)

◆巨人・浅野翔吾が8月28日のヤクルト戦(神宮)の三回に先制本塁打をマークするなど、8月に放った計3本塁打はいずれも先制弾でチームの勝利に貢献した。2リーグ制(1950年)以降、巨人の選手が10代のうちに月間3本塁打以上を放ったのは、59、60年の王貞治、67年の堀内恒夫、93、94年の松井秀喜、2008年の坂本勇人に次いで16年ぶり5人目。王、松井、坂本といずれも巨人の中軸選手ばかりだ。昨季と今季を比べると、大きく成長を遂げている。バットに当てるコンタクト率をみると、2軍では昨季が83・7%、今季が84・5%とミート力の高さを示したが、1軍の試合では一線級の投手の球質に戸惑いもあり、昨季は70・7%で、三振率が34・1%(41打席、14三振)だった。今季はここまで打席数は62と少ないが、コンタクト率は86・4%と2軍と同等以上の数値をマークしている。空振り率は昨季の29・3%から今季は13・6%と半減した。三振率は12・9%(8三振)で空振りをしにくい、いやらしさを持ち合わせる。3、4月の1軍での出場時は9打数0安打で結果球をみると、直球が7打数、チェンジアップが2打数と直球を中心に狙っていた傾向があった。8月の再昇格後は打率・320(50打数16安打)で、結果球は直球系(ツーシーム、カットボールを含む)が打率・250(32打数8安打)、1本塁打。変化球(スライダー、フォークボールなど)が打率・444(18打数8安打)、2本塁打。コンタクトするうまさで変化球にも対応してきている(成績はいずれも2日現在)。(記録担当・小川真幸)。

◆自分のスタイル、相手の力量。それより優先されるものは...。巨人・大勢が喫した決勝打には、考えさせられることが多い。十回2死三塁。打席の並木は現状、代走・守備要員で、七回裏から右翼で8番に入っていた。しかも今季11打数ノーヒット。その並木へ、低めに2球続けて真っすぐを投じ、中前へ。速球あっての大勢なので、あれを打たれたら...で済ませてしまえばそれまで。状況に照らして、もっと慎重にいってほしかった。1点も許されないピンチでは、投手が打席に立っていても、主力打者と同じように攻めないといけない。無論、格が下と思える打者でも同じこと。ボールを散らすなり、体を起こすなりして、たとえ四球を出してでも、あと1つのアウトは打者2人をかけて打ち取る。それくらいの根気とていねいさが必要だ。真っすぐをココに投げておけば大丈夫かな-。そんな気持ちがどこかにあるように映った。残念だし、もったいない。九回にモンテスの3ランで追いついただけになおさら、取りこぼしたという感覚が残る。広島を抜けず、引き離せない理由は、こういう試合にあるのではないだろうか。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
62495 0.559
(↓0.005)
-
(-)
27348
(+1)
298
(+5)
48
(-)
50
(-)
0.238
(-)
2.270
(↓0.03)
2
(-)
巨人
63516 0.553
(↓0.005)
0.5
(-)
23368
(+3)
326
(+4)
65
(+1)
50
(+1)
0.242
(-)
2.570
(-)
3
(-)
阪神
60566 0.517
(↑0.004)
4.5
(↑1)
21395
(+4)
359
(+1)
53
(-)
34
(-)
0.238
(↑0.001)
2.500
(↑0.01)
4
(-)
DeNA
58572 0.504
(↑0.004)
6
(↑1)
26424
(+5)
409
(+1)
86
(+1)
54
(+1)
0.256
(-)
3.060
(↑0.02)
5
(-)
中日
50638 0.442
(↓0.004)
13
(-)
22312
(+1)
389
(+4)
52
(-)
35
(-)
0.238
(↓0.001)
2.840
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
48664 0.421
(↑0.005)
15.5
(↑1)
25409
(+4)
469
(+3)
79
(-)
54
(+1)
0.238
(-)
3.730
(↑0.01)