阪神(★1対3☆)巨人 =リーグ戦23回戦(2024.09.01)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:菅野 智之(13勝2敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(6勝5敗0S)
  DAZN
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◆巨人が降雨コールド勝ち。巨人は1点を追う4回表、大城卓の適時打で同点とする。そのまま迎えた7回には、門脇の適時打などで2点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、先発・菅野が7回1失点の好投で今季13勝目。敗れた阪神は、打線がつながりを欠いた。

◆巨人打線が苦手の阪神西勇を攻略できるか。今季は3試合対戦して74打数11安打、打率1割4分9厘で、打点は4月18日に小林が記録した1打点しかない。特に、岡本和と坂本が苦戦。岡本和は今季9打数0安打で、通算67打数13安打の打率1割9分4厘。坂本は今季6打数0安打で、オリックス時代を含め通算が78打数14安打の打率1割7分9厘。岡本和は昨年から12打席、坂本は22年から15打席無安打が続いている。

◆前日8月31日は腰痛でベンチ外だった巨人坂本勇人内野手(35)がベンチ入りした。試合前練習ではフルメニューを消化し、ベンチスタートで試合に備える。同31日は試合前のティー打撃途中で練習を切り上げており、阿部監督は「ちょっと腰が痛いみたい。様子を見てですね」と話していた。

◆甲子園がフェス会場と化した。レゲエグループ「湘南乃風」メンバー若旦那こと新羅慎二(48)がイニング間イベントなどで球場を盛り上げた。5回終了後のイベント「ムチャぶりアクション王決定戦」に登場。「湘南乃風のようにタオルを振りながら踊る」とお題が出されると、代表曲「睡蓮花」とともに球場中がタオルを回して一体となった。 大の阪神ファンで、今季もビジターでの試合を中心に何度も観戦したという。「(観戦に)行きすぎて体を壊して風邪をひいてしまいましたけど(笑い)」と熱烈具合を明かした。大山や森下ら、阪神には自身の楽曲を登場曲に使用する選手も多い。「何よりも1番うれしい。自分も歌を作るときに、そういう想定をしている部分もあったりするので。自分に負けそうになった時、このフレーズが流れた時にスイッチを入れられるようにみたいな」と思いを明かした。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)がバントで集中攻撃を受けた。同点の7回無死一塁。6番吉川がセーフティー気味に犠打を狙い、三塁ライン際に転がした。三塁から佐藤輝は猛チャージ。素手でボールをつかんで一塁へ送球したが、悪送球となった。一塁走者は三塁まで進塁し、記録は内野安打と失策となった。その後、門脇に勝ち越し打を許してなおも無死一、三塁。8番小林が初球から仕掛けたスクイズはまたも三塁ライン際に転がった。三塁から再びチャージをかけ、ホームにグラブトス。しかし、間一髪のタイミングで走者は生還。記録は犠打野選となった。

◆甲子園の場内アナウンスで、観客への写真撮影について注意喚起が行われた。1-3で阪神が2点ビハインドの7回1死一、二塁で阪神桐敷拓馬投手(25)、巨人丸佳浩外野手(35)の対戦中、カウント1-2から一部の観客席からフラッシュを使用した撮影が行われた模様。場内アナウンス係から「お客さまにお願いいたします。カメラのご使用はフラッシュ機能をオフにしてご使用ください」と説明があり、場内は一時騒然となった。また、7回表終了時には「ペンライトなど光を放つものの使用は禁止しておりますので、ご了承ください」と再びアナウンスがあった。

◆7回裏の阪神の攻撃終了後、降雨のため試合が中断した。3-1で巨人がリードしている。試合中盤から雨が次第に強くなり、7回の巨人の攻撃中にグラウンドに水が浮き始めた。この回、巨人は2点を勝ち越した。その裏の阪神の攻撃前にマウンドに土を入れるなど対処。攻撃が終わると審判団が協議して、試合の中断を決めた。

◆阪神が降雨による7回裏雨天コールドで、巨人相手に接戦に敗れて連勝とはならなかった。2位巨人とのゲーム差が5に、首位広島とは今季最大の5・5差に再び開いた。初回1死一、二塁で、4番大山悠輔内野手(29)が、巨人菅野から右前適時打を放ち先制。しかし、4回1死二塁で巨人大城に左前適時打を許し同点に追いつかれた。その後はともに追加点を許さず。雨脚の強くなる中迎えた7回、先頭大城が左前打で出塁。犠打を試みた吉川尚の打球を、佐藤輝がつかむも一塁へ悪送球。無死一、三塁とピンチを広げると、門脇の中前適時打で勝ち越しを許した。さらに小林の三塁犠打野選で追加点を許し、2点のリードを広げられた。雨は次第に強くなり、7回裏の阪神の攻撃を終えて一時中断。そのまま試合終了となった。阪神先発の西勇輝投手(33)は7回途中6安打3失点の粘投も5敗目。19年まで4年連続でハワイ自主トレをともにした「師匠」巨人菅野との投げ合いは、通算6度目。今季は5月4日以来3度目の投げ合いとなったが、この日も白星とはならなかった。

◆巨人が「阿部野球」で勝ち越し点をもぎ取った。4者連続バント攻撃のサインを絡め、2点を奪った。雨脚が強くなった同点の6回。先頭の大城卓が三塁内野安打を放ち、この試合初めて先頭打者が出塁した。代走増田大を起用し、勝負に出て、ここから犠打攻めを仕掛けた。吉川はセーフティー気味のバントを三塁方向に転がした。打球の勢いを殺し、三塁手・佐藤輝の悪送球も絡んで無死一、三塁と好機を拡大させた。続く門脇には1ボールからセーフティースクイズを仕掛けた。ファウル後、今度はスクイズに切り替えた。ともに2球連続だったフェアゾーンには転がせなかったが、阪神に圧をかけた。続く4球目、中前適時打で勝ち越し点を奪った。さらに無死一、三塁から小林は初球で決めた。三塁側にセーフティースクイズを決め、追加点を奪った。犠打、進塁打とチームプレーを大切にする阿部野球。続く菅野もサインは犠打で4人連続。結果は失敗だったが、6回に貴重な2点を奪った。

◆巨人が雨中の「伝統の一戦」を制した。1-1の7回に阿部慎之助監督(45)が"バント攻め"に徹して2点を呼び込んだ。先発マウンドを託された菅野智之投手(34)が7回7安打1失点(自責0)、110球を投げ抜き、リーグ単独トップの13勝目をマーク。7回終了時点で雨天コールドとなり接戦をもぎ取った。首位を走る広島に0・5ゲーム差のまま追走する。雨でも乱れない。菅野が7回を完投した。5回2死一、二塁、小林のサインに首を振った。腹をくくり、直球を選択。カウント3-1から阪神森下への152キロはど真ん中だったが、右飛に封じた。「変化球をマークしているだろうなと。阪神は異常に得点圏高いバッターが多いから、分かっていても一番打ちづらいボールを選択した」と得点圏打率3割4分5厘の東海大相模の後輩を封じた。1試合ごとに重みが増す終盤戦。「窮屈にならないことが一番。失点覚悟でテンポ良くストライクゾーンに投げていくのも大事」と意識する。経験に裏付けられた心得。丁寧に投げ分けつつ、大胆に攻めることを忘れない。1回2死一、二塁の前川から4回無死一塁の佐藤輝まで9人連続の初球ストライク。2試合連続の無四球だった。ビジターは13試合に先発し、9勝0敗の防御率1・25と無双の結果を続ける。52年フランチャイズ制以降、同一シーズンのビジター9連勝は球団史上初だった。「優勝争いをしている身からすると、ビジターの成績はすごく大事。特に夏場、ビジターが多い中で結果が残っているのは若い時に比べたら成長している部分なのかな」。自身6連勝の13勝目でまだ2敗。貯金は菅野1人で11となった。【上田悠太】菅野が6連勝で今季13勝目。今季の菅野はホームで4勝2敗に対し、ビジターでは13試合登板して9勝0敗。52年のフランチャイズ制以降、シーズンにビジターで9連勝以上は14年岸(西武)以来14人、16度目で、巨人では初めて。今回のように開幕からビジターで無傷の9連勝以上は04年岩隈(近鉄)10連勝、13年田中(楽天)12連勝に次ぎ3人目で、こちらはセ・リーグ史上初めてだ。これで菅野は通算134勝となり、巨人投手の通算勝利数では並んでいた内海を抜いて単独11位。10位江川の135勝へあと1勝に迫った。

◆巨人が降雨コールドで勝利した。勝ち越しに成功した7回終了後、雨天により試合が中断された。そのまま終了が宣告された。同点の7回。門脇の中前適時打と小林のセーフティースクイズで2点を勝ち越した。4人連続で犠打のサインを出し、圧をかけた。7回裏の守備では1死一塁で近本を三ゴロ併殺に封じた。代走で勝ち越しのホームを踏んだ増田大が三遊間の打球を好捕し、そのままランニングスローで二塁へ送球。併殺を完成させた。先発の菅野は7回1失点(自責0)で13勝目(2敗)をマーク。52年以降、球団初となる同一シーズン、ビジター9連勝となった。首位広島を0・5ゲーム差で追う。

◆雨が降りしきる「伝統の一戦」で、巨人菅野智之投手(34)が13勝目(2敗)を挙げた。得意のビジターで集中力を切らさず、ストライク先行で攻め、7回110球を投げ、7安打1失点(自責0)。1回に先制を許しながら、打線は4回に追いつき、同点の7回に2点を勝ち越した。7回終了時点で雨天コールドとなり勝利。首位広島を追う終盤戦、復活した右腕が自らの貯金を「11」として存在感を増している。菅野が6連勝で今季13勝目。今季の菅野はホームで4勝2敗に対し、ビジターでは13試合登板して9勝0敗。52年のフランチャイズ制以降、シーズンにビジターで9連勝以上は14年岸(西武)以来14人、16度目で、巨人では初めて。今回のように開幕からビジターで無傷の9連勝以上は04年岩隈(近鉄)10連勝、13年田中(楽天)12連勝に次ぎ3人目で、こちらはセ・リーグ史上初めてだ。これで菅野は通算134勝となり、巨人投手の通算勝利数では並んでいた内海を抜いて単独11位。10位江川の135勝へあと1勝に迫った。

◆1日に行われた阪神-巨人23回戦(甲子園)は、恒例イベントの「Family with Tigers Day」として実施された。試合前には前川右京外野手(21)が11人の子どもたちと記念撮影やサイン会などで交流。入場者全員に「阪神ファンは一番や~!!」などと書かれた水色ベースで6種類の「気合の応援たすき」がプレゼントされた。試合中は監督、コーチ、選手が水色のユニホームを着用しゲームに臨んだ。

◆月が変わっても頼れる存在だ。阪神近本光司外野手(29)が連続試合安打を「15」に伸ばした。5回2死から一、二塁間への打球を打ち、内野安打。8月に自身の月間最多を更新する39安打を記録した勢いは9月初日も続いた。試合に敗れて当然、笑顔はない。2点を勝ち越された直後の7回。1死一塁から三ゴロ併殺に倒れた。雨脚はすでに強く、この攻撃がラストチャンスの可能性があった。何より「降るのは分かっていたので、その意味で先制点の後に追加点を取れなかったのが...」と2回以降、菅野を攻めあぐねたことを悔やんだ。結局、自分が「最後の打者」になってしまった。残り22試合。ラストスパートの1カ月が始まった。「次の1試合は1試合でしかない。先を見ず(目の前の)1試合をどれだけ勝てるかだと思うので、勝っていきます」と結んだ。バットで道を開いてみせる。

◆巨人が雨中の「伝統の一戦」を制した。1-1の7回に阿部慎之助監督(45)が"バント攻め"に徹して2点を呼び込んだ。先発マウンドを託された菅野智之投手(34)が7回7安打1失点(自責0)、110球を投げ抜き、リーグ単独トップの13勝目をマーク。7回終了時点で雨天コールドとなり接戦をもぎ取った。首位を走る広島に0・5ゲーム差のまま追走する。本降りになる4時間前だった。阿部監督はバックスクリーンでなびく日の丸と球団旗を見ながら「今日は雨が降るな」と予言した。右翼から左翼方向に吹く浜風とは逆の風向きだった。「左打者にとってはフォローの風。この風向きのときは雨が降るんだよね」と現役時代からの経験則があった。風を読むことが試合を読むことに直結した。試合開始直後から霧雨は降り続いたが、徐々にグラウンドに水が浮いてきた7回に仕掛けた。先頭大城卓が左前打で出塁すると代走に増田大を送った。無死一塁から吉川の三塁線へ絶妙なセーフティーバントと相手の悪送球で一、三塁と好機を拡大させた。強まる雨脚を察知してムチを入れた。続く門脇には初球はスクイズの構え、2球目はセーフティースクイズを試みるもファウル、3球目はスクイズのサインを送るも決めきれずにファウル。追い込まれながら前進守備の二遊間を抜く、中前への勝ち越し適時打で均衡を破った。阿部監督は「ちゃんと決めていれば1点取れた。そこは反省して」と喜びもせずに次の一手を打つ。なお無死一、三塁から小林が初球にセーフティースクイズを決めて追加点を挙げ、ようやく「いいバントを決めてくれた」とした。7回裏を守り切った直後に審判団が集まり、中断を経て、降雨コールド勝ちが決まった。阿部監督は「ああいう作戦は今後、増えていくと思います」と"バント攻め"の継続を予告し「とにかく、目先の1試合を大事に全力でね。みんなで戦っていきたいと思います」。雨ニモマケズ、首位広島を追う。【為田聡史】▽巨人吉川(7回無死一塁から三塁線へセーフティーバントを決め) 何とか走者を進めようと。それだけを考えていた。門脇が粘って打ってくれた。小林さんはさすがです。▽巨人門脇(7回無死一、三塁でスクイズを試みるも決めきれず、カウント1-2から決勝の中前適時打) 2つエラーもして、本当に投手の方に申し訳ない。(適時打は)何とか執念というか気持ちで。何でもいいので1点を取りたいという思いは持っていました。▽巨人小林(7回無死一、三塁から三塁線へセーフティースクイズ) 大山がチャージをかけてましたし、西もフィールディングでいい動きをしてた。逆に、サードはチャージをかけづらいので。(三塁走者の吉川)尚輝を信じてやった。

◆阪神が降雨による7回裏雨天コールドで、巨人相手に接戦に敗れて連勝とはならなかった。2位巨人とのゲーム差が5に、首位広島とは今季最大の5・5差に再び開いた。雨脚の強くなる中で1-1で迎えた7回、先頭大城が左前打で出塁。犠打を試みた吉川尚の打球を、佐藤輝がつかむも一塁へ悪送球。無死一、三塁とピンチを広げると、門脇の中前適時打で勝ち越しを許した。さらに小林の三塁犠打野選で追加点を許し、2点のリードを広げられた。阪神岡田彰布監督(66)は試合後、報道陣の問いかけに「しゃべる気にもならん、しゃべる気にもならんよ。消化試合ちゃうんやから」と、いら立ちを隠さず。「台風の雨やろ? 3試合中止にしてるところもあるのに」と続けて足早に帰路についた。開幕から開催する試合は主催球団の管理だったが、選手権試合アグリーメント第14条により、8月27日からセ・リーグの連盟管理節に入っていた。そのため、試合開催可否の決定は、連盟管理となっていた。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が先制攻撃の突破口を開いた。初回1死から中前打を放ち、大山の適時打につなげた。5回にも中前打で2安打。「相手がいい投手なので先制点がすごく大事だった。何とか塁に出ることを心がけていた。終わったことなので火曜日からの試合に切り替えて、しっかり初戦を取れるようにチームとしてやらないといけない」と3日からの中日戦に目を向けた。

◆天も虎を見放したのか...。阪神が降雨による7回裏雨天コールドで、巨人に接戦に敗れた。7回表に巨人のバント攻めを受けると、佐藤輝明内野手(24)の悪送球も絡んで勝ち越しを許した。甲子園の連勝も「8」でストップ。シーズン残り22試合で2位巨人とのゲーム差が5差、首位広島とは今季最大の5・5差と崖っぷちの状態だ。岡田彰布監督(66)は歯がゆすぎる展開に、さらには試合決行にも怒り心頭。「しゃべる気にもならんよ」とカンカンだ。悪天候が予想された中での7回降雨コールド負けに、岡田監督はいら立ちを隠さなかった。「しゃべる気にもならん、しゃべる気にもならんよ。消化試合ちゃうんやから」。報道陣の問いかけに、そう答えながら足早にクラブハウスを目指すと、自ら続けた。「台風の雨やろ? 3試合中止にしてるところもあるのに、お前」。8月27日からセ・リーグの連盟管理節に入っているため、試合開催可否の決定は連盟の管轄。7回で勝敗が決まってしまっただけに、口調は次第に荒くなった。まるで狙われているようだった。1-1のまま迎えた7回、先頭大城が左前打で出塁。続く吉川が犠打を試み転がした打球は、三塁線へ転がった。前進した佐藤輝がつかんで一塁へ送るも、吉川の足に当たる悪送球。ピンチを一、三塁と広げ、門脇の中前適時打で勝ち越しを許した。さらに、続いて打席に入った小林は初球を三塁線へと転がしセーフティースクイズ。チャージした佐藤輝が、急いで本塁へ投げるも間に合わず。2点のリードを広げられる痛い展開となった。前夜に逆転3ランを放ったヒーローが悲しくも、この日は肩を落とした。許してしまった2人目の走者の生還に、佐藤輝は「しっかり投げたかったですね」と猛省。雨の影響について問われたが「それは言い訳にできないので。しっかり練習します」と責任を背負った。逆転勝ちした前夜の勢いを続けたいところだったが連勝はならず。7月21日広島戦から続いていた甲子園での白星も、8連勝でストップした。セ・リーグ連覇という大目標へ、徳俵に足がかかる。首位広島も勝利したため、ゲーム差は今季最大の5・5に広がり、2位巨人とも5ゲーム差だ。雨にも負けず、前を向いて、勝ち続けるしかない。次は本拠地甲子園のすべてを味方につける。【磯綾乃】▽阪神平田ヘッドコーチ(7回、佐藤輝のバント準備について)「そりゃ、セーフティー(スクイズ)の準備はもちろんしてますよ」阪神と首位広島とのゲーム差は、今季最大の5・5に開いた。阪神は今季残り22試合。プロ野球最大の14・5差逆転の63年西鉄、2位の13差逆転の08年巨人は、ともに残り22試合時点では首位から6ゲーム差。阪神は続くことができるか。

◆阪神西勇輝投手(33)が師匠との投げ合いで念願の勝利を手にすることは出来なかった。雨が強まった同点の7回だ。安打や味方の失策で無死一、三塁を迎えた。再三スクイズの構えを見せた7番門脇を1-2と追い込んだが、4球目の139キロ直球をしぶとく中前にはじき返された。直後にも三塁線へセーフティースクイズを決められてさらに失点。「試合を決めたイニングだと思います」と唇をかんだ。7回途中6安打3失点で今季5敗目を喫した。巨人先発は1学年上の菅野。19年まで4年連続でハワイでの自主トレをともにした、1歳上の右腕だ。通算6度目の対決だが、まだ白星を挙げることができていない。先輩は7回7安打1失点(自責点0)で今季13勝目。阪神打線は初回こそ先制点を挙げたが、その後はチャンスであと1本が出なかった。「師匠に勝てないですね。ギアの入れ方だったり配球だったり奥行きだったり。投げていて勉強になるし、横から見て勉強になる。早く1勝したいし、1勝するのが目標なので。今日も素晴らしいピッチングだと思います」。受けた刺激を胸に、次こそは白星を目指す。【波部俊之介】西勇が11年から続けている連続試合先発登板が295となり、三浦大輔(DeNA)を抜いてプロ野球単独3位となった。

◆得点圏の鬼が意地を見せた。セ・リーグ得点圏打率トップの阪神大山悠輔内野手(29)が敗戦の中で気を吐いた。初回、1死から2番中野が7球粘り、中前打で出塁。続く森下の打球は遊撃の正面も、巨人門脇が手につかない。敵失で1死一、二塁の好機を迎えた。「とにかく先制点を取りたいという気持ちを持って打席に立ちました」巨人の先発は難敵の菅野。2ボールからの3球目、148キロ外角低めの直球を振り抜き、痛烈な打球が右前に弾んだ。二塁走者の中野が一気に生還。幸先よく先制点をもぎ取った。「初回からいい流れを作ることができてよかった」とうなずいた。これで得点圏打率3割5分2厘でリーグトップに立った。さらに、1-1の4回には先頭で、147キロツーシームを再び逆方向にはじき返し、マルチ安打。今季この試合まで9打数1安打と苦しめられてきた右腕を攻略した。この日はどうしても打ちたい理由があった。甲子園には湘南乃風の若旦那が来場。大山は同グループの楽曲を登場曲として使用しており、移動中にも聞くなど、力強く男らしい歌声に何度も助けられてきた。5回終了後には代表曲の「睡蓮花」が流れ、球場中がタオルを回して一体になった。先制打を含む2安打は感謝の思いがこもっていた。だが、試合後は悔しさをにじませて球場を後にした。「試合に勝つか負けるかなので、ここまで来たら結果が大事だと思う」。4位DeNAに1・5差に迫られ、チームは土俵際に追い詰められた。「まだまだだと思うので、次の試合に向けてしっかり準備したい」。頼れる4番は最後までチームを背中で引っ張る。【村松万里子】

◆天も虎を見放したのか...。阪神が降雨による7回裏雨天コールドで、巨人に接戦に敗れた。7回表に巨人のバント攻めを受けると、佐藤輝明内野手(24)の悪送球も絡んで勝ち越しを許した。甲子園の連勝も「8」でストップ。シーズン残り22試合で2位巨人とのゲーム差が5差、首位広島とは今季最大の5・5差と崖っぷちの状態だ。岡田彰布監督(66)は歯がゆすぎる展開に、さらには試合決行にも怒り心頭。「しゃべる気にもならんよ」とカンカンだ。阪神と首位広島とのゲーム差は、今季最大の5・5に開いた。阪神は今季残り22試合。プロ野球最大の14・5差逆転の63年西鉄、2位の13差逆転の08年巨人は、ともに残り22試合時点では首位から6ゲーム差。阪神は続くことができるか。

◆阪神森下翔太外野手(24)が勝負どころの凡退を悔やんだ。同点の5回2死一、二塁。先発菅野から得点圏に走者を進めた、初回以来のチャンスだった。カウント3-1からの5球目。何度も首を振った末に投じられた152キロ直球を打ち上げ、右飛に倒れた。「自分の力不足です。打てるボールを打てなかったので」。3打数無安打で8月20日ヤクルト戦から続いた連続安打は「9」でストップした。

◆巨人門脇誠内野手(23)が執念で挽回した。同点の7回無死一、三塁、カウント1-2から阪神西勇の139キロ直球を捉え、決勝の中前適時打を放った。前進守備の間を突破し、均衡を打ち破った1本にも「必死どころじゃないです。もう迷惑をかけているのは分かっているので、なんとか執念というか、気持ち」と喜びはなかった。痛恨のミス続きだった。適時打の打席も、そうだった。初球はセーフティースクイズでボール球にバットを引いた。2球目もサインは変わらず。しかし、ストライクゾーンに来た球を一塁側にファウルにした。3球目はスクイズもフェアゾーンに転がせなかった。作戦を遂行できず、追い込まれた。苦肉の強攻策で生まれた決勝打だった。「結果オーライです。誰が見ても分かっていると思いますし、自分でも分かっています」と言った。遊撃での守備も乱れた。初回は1死一塁から正面のゴロを処理できなかった。併殺でチェンジどころか、1死一、二塁とピンチを拡大させた。自身の失策が絡み、先制点を失った。4回1死一塁でも悪送球と、2失策を犯した。「本当に投手の方に申し訳ない」と猛省だった。ミスを少しでも取り返す1本を放ち、チームが勝てたことが何よりも救いだった。「これで負けたら結構痛い1敗になっていた。勝てたのはみんなのおかげなので。気を引き締めてやっていけたら」。雨中の勝利の中で、気を引き締め直した。

◆巨人増田大輝内野手(31)がいぶし銀で輝いた。7月16日阪神戦以来、1カ月半ぶりの三塁守備に就き、好プレーで試合を締めた。7回1死一塁。阪神近本の三遊間の打球に素早く反応した。強くなる雨で、黒土は水が浮かび上がる中、うまくバウンドを合わせた。ランニングスローで二塁に送球し、併殺を完成させた。「菅野さんも頑張っていましたし、久しぶりに守らせてもらった。何とか必死にアウトを取ろうと思った。滑らないように1歩目を気をつけながらというのは頭に入っていた」と振り返った。直後に試合は中断となり、そのまま降雨コールドとなった。阿部監督からも「大きかったね。すごく貴重なプレーだった。大ファインプレーだと思います」とたたえられた。決勝点のホームも踏んだ。7回先頭で出塁した大城卓の代走からの出場。塁上で圧をかけ、勝ち越しにつなげた。

◆巨人小林誠司捕手(35)が1球で最高の仕事をした。勝ち越した直後の7回無死一、三塁、阪神西勇からセーフティースクイズを決めた。初球の136キロスライダーを三塁方向に転がした。打球の勢いもうまく殺した。門脇の勝ち越し打から、わずか1球で貴重な追加点を呼び込んだ。6月30日広島戦以来、2カ月ぶりとなる今季7打点目。一塁手・大山の大胆なチャージ、西勇の守備力を考慮し、三塁方向を狙った。「サードはランナーもいるのでチャージしづらい。どうかなと迷ったのですけど、(三塁走者吉川)尚輝を信じてやりました」と振り返った。

◆2日連続登板の阪神桐敷拓馬投手(25)と石井大智投手(27)が、そろって1人一殺で火消しに導いた。2点ビハインドの7回1死一、二塁から登板した桐敷は「いい形でつなげられた」と丸を外角低めのフォークで二ゴロに料理。なおも2死一、三塁から石井にスイッチし、浅野に外角低め150キロ直球で見逃し三振に封じ、悪い流れを止めた。2試合連続3失点から2試合連続無失点と復調の兆しをみせた右腕は「もう使ってもらえないんじゃないかとかいろいろ考えましたけど、(託された登板を)粋に感じながら、自分の仕事を果たせるように頑張っていきたい」と力を込めた。

◆腰痛で8月31日の阪神戦(甲子園)でベンチ入りメンバーを外れた坂本勇人内野手(35)が、試合前練習に参加した。ウオーミングアップののちフリー打撃を行い、軽めのキャッチボールで汗を流した。守備練習は行わなかった。前日は室内練習場で行われた野手の試合前練習に参加したが、フリー打撃を始める前に途中で切り上げていた。試合後に阿部監督が「ちょっと腰が痛いみたい。(翌日以降は)様子を見てだね」と話していた。

◆阪神が巨人戦を「family with tigers day」として開催。昨年度の「Family with Tigers」ユニフォームオークションの収益金を寄付した「日本財団こどもサポート基金」を通じて、子育て世帯が球場へ招待され、練習後には前川右京外野手(21)との面会を果たした。サプライズで前川が登場すると大歓声。子どもたちから前川に手作りのメッセージブックがプレゼントされ、前川からはユニホームにサインをプレゼントした。前川は「今日の試合も頑張ります。応援よろしくお願いします」と宣言。最後には並んで記念撮影を行い、招待された家族は満面の笑顔だった。

◆阪神は西勇輝投手(33)が先発する。8月30日の同戦で先発予定だったが雨天中止によるスライドを経て登板を迎えた。今季巨人戦は未勝利ながら3試合で防御率は0・41と好相性。7勝目を狙って師と仰ぐ巨人・菅野との今季3度目の投げ合いに挑む。打線は佐藤輝明内野手(25)の3ランなどで逆転勝利を収めた31日と同じ並びで連勝を目指す。

◆阪神が大山悠輔内野手(29)の適時打で先制に成功した。一回、巨人の先発・菅野の立ち上がりを攻める。1死から中野が中前打で出塁すると、森下も敵失で1死一、二塁となって大山。カウント2―0のバッティングカウントからの3球目をとらえた。外角のボールを逆らうことなく右前に弾ませて中野が生還。試合前まで得点圏打率・346の勝負強さを誇る主砲の一打で、両リーグ最多の12勝の菅野から先制点を奪った。「打ったのはストレート。とにかく先制点を取りたいという気持ちを持って打席に立ちました。初回からいい流れを作ることができてよかったです。次の打席もチームに貢献できるように頑張ります」とコメントした。

◆阪神の先発・西勇輝投手(33)が1点を失い、同点を許した。1―0の四回。三回までは二塁を踏ませない投球をしていたが、1死から岡本和に右翼フェンス直撃の二塁打を浴びる。1死二塁となって続く大城に左翼線にポトリと落ちるタイムリーを打たれ、試合は1-1の振り出しに戻った。試合前まで対戦防御率0・41としていたが、4月18日(甲子園)以来3試合、24イニングぶりの巨人戦での自責点になった。

◆巨人・小林誠司捕手(35)が絶妙なセーフティスクイズを決めた。1-1の同点で迎えた七回、阪神・西勇から先頭・大城卓が左前打で出塁。続く吉川が三塁前にバントを転がし、内野安打。一、三塁で門脇もスクイズを試みたが、2度失敗。追い込まれてから勝ち越しの中前適時打を放った。続く小林は、初球のスライダーを三塁線へ。球の勢いを殺した絶妙な打球は、三塁手・佐藤輝が捕球して本塁へグラブトスしたが、三塁走者の吉川がホームイン。小林の打点は6月30日以来約2か月ぶり。さらに阿部監督は9番・菅野にも送りバントのサインを送ったが、失敗して三振に終わった。4者連続でバントを試みる異例の攻撃となった。

◆七回の阪神の守備で異例のアナウンスが流れた。巨人が2点を加えて3-1となり、なおも1死一、二塁で巨人・丸の打席中に二塁審判が球審と話し合い、バックネットの放送室へ。「お客様にお知らせいたします。カメラのフラッシュ機能はオフにしてご使用ください」とアナウンスがされた。強い雨が落ちる中の試合で、バックネット左付近に座った観客のフラッシュがプレーの妨げになったようだった。

◆阪神・岡田彰布監督(66)が執念の継投策で追加点を阻止した。先発の西勇が2点を失って1-3となった七回。なおも1死一、二塁で丸を迎え、桐敷がコールされた。桐敷は丸を二ゴロに打ち取るも併殺を取り切ることはできずに2死一、三塁と走者が残る。ここで浅野を迎え、今度は石井にスイッチ。見事に見逃し三振を奪って追加点を与えなかった。岡田監督は試合が中止になった8月30日に「3連投ぐらい、別にどうってことない」と終盤戦へのリミッター解除を示唆しており、桐敷、石井はともに連投ながらもベンチの期待に応える好投でチームを救った。

◆阪神は1-1の七回に守備のミスも絡み、2点のリードを奪われた。先発の西勇は先頭の大城卓に三遊間への強い打球を放たれると、佐藤輝のグラブをはじく安打で出塁を許す。続く吉川のセーフティー気味の送りバントは三塁線に転がり内野安打。佐藤輝の一塁送球が打者走者の吉川に当たって跳ねる間に無死一、三塁のピンチを迎えた。ここで内野は前進守備を敷くも、門脇の二遊間へのゴロは中前に抜け、勝ち越し点を献上。さらに、続く無死一、三塁では小林にスクイズ(記録は犠打野選)を決められ、3点目を失った。西勇はその後、菅野がスリーバントを失敗したところで交代を告げられ、6回1/3を投げて6安打3失点だった。

◆阪神は雨の中で逆転負けを喫し、甲子園での連勝は8でストップした。打線は一回、1死一、二塁から大山悠輔内野手(29)の適時打で幸先よく先制したが、二回以降は巨人・菅野を攻めきれず。五回2死一、二塁の好機では森下翔太外野手(24)が右飛に倒れた。先発の西勇輝投手(33)は三回まで二塁を踏ませぬ立ち上がりを見せるも、四回に岡本和、大城卓に連打を浴びて同点。七回には大城卓の安打と吉川のバントヒット、佐藤輝の悪送球で無一、三塁となって門脇に勝ち越しの中前適時打を許す。さらに小林にもスクイズを決められて2点を失って1-3となった。七回の阪神の攻撃が無得点に終わったところで降雨中断となり、そのままコールドゲームで敗戦。首位広島も勝利したため、広島とは今季最大を更新する5.5ゲーム差、2位巨人戦とも5ゲーム差に広がってしまった。

◆巨人が競り勝った。0―1の四回に大城卓の適時打で追い付き、七回には門脇の適時打などで2点を勝ち越した。7回1失点の菅野が両リーグトップの13勝目。阪神は七回の守備の乱れが痛かった。

◆七回無死一、三塁、巨人・小林誠司のバントを捕球後、グラブトスをするが犠打野選となる阪神・佐藤輝明 =甲子園球場(撮影・根本成)

◆巨人は同点の七回、門脇の適時打、小林のセーフティスクイズで2点を勝ち越し、勝利した。阿部慎之助監督(45)は7回7安打1失点で両リーグ単独トップの13勝目を挙げた菅野智之投手(34)をたたえた。「グラウンド状況が悪くなってからも素晴らしいピッチングであの回を投げ切ってくれたので、ナイスピッチングでした」雨が降りしきるマウンドで、かつて自主トレをともにした阪神・西勇との投げ合いに臨んだ菅野。一回に大山の適時打で先制を許したが、その後は小林のリードに従い、要所を締めた。同点の七回は、送りバントやセーフティスクイズなど4者連続がバントを試む小技攻撃で勝ち越しに成功した。指揮官は「相手のミスもあったけど、いい形ができた」とし、無死一塁からの吉川のバントについては「すごく絶妙なバントだったし、足が速というのは一つ武器」とたたえた。

◆巨人・阿部慎之助監督(45)が試合後、腰痛で22回戦を欠場し、この日はベンチ入りするも出場がなかった坂本勇人内野手(35)について代打待機で出場はできる状態か、との問いに「そうですね。だからベンチに入れている」と明かした。坂本は試合前練習に参加し、フリー打撃と軽めのキャッチボールを実施。守備練習は行わなかった。8月31日の試合前練習ではフリー打撃を始める前に途中で切り上げ、阿部監督が「ちょっと腰が痛いみたい。(翌日以降は)様子を見てだね」と話していた。

◆阪神が痛恨の逆転負けで、甲子園の連勝は「8」でストップした。同点の七回無死一塁、バントをさばいた佐藤輝明内野手(25)が一塁に悪送球(記録は安打と失策)。無死一、三塁からスクイズを処理した佐藤輝のグラブトスが野選となるなど、2点を失った。一回、大山悠輔内野手(29)の右前打で先制したものの、その後は無得点だった。佐藤輝は攻撃でも無安打2三振だった。チームの菅野智之投手(34)の対する連勝は5で止まった。ヤクルトに快勝した首位広島との5・5差は今季最大。2位巨人とも5差となった。岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り(成績=59勝56敗6分、観衆=観衆4万2600人)。ーー西勇はよく投げていたが「しゃべる気にもならん、しゃべる気にもならんよ。消化試合ちゃうんやから」(自ら)「台風の雨やろ? 3試合中止にしてるところもあるのに、お前」ーー天候が「天候って、台風で中止にしてるやないか。何言うてんねん、お前。この天気やろ、台風」

◆阪神が痛恨の逆転負けで、甲子園の連勝は「8」でストップした。同点の七回無死一塁、バントをさばいた佐藤輝明内野手(25)が一塁に悪送球(記録は安打と失策)。無死一、三塁からスクイズを処理した佐藤輝のグラブトスが野選となるなど、2点を失った。一回、大山悠輔内野手(29)の右前打で先制したものの、その後は無得点だった。佐藤輝は攻撃でも無安打2三振だった。チームの菅野智之投手(34)の対する連勝は5で止まった。ヤクルトに快勝した首位広島とは5・5差。2位巨人とも5差となった。主な選手とコーチのコメントは以下の通り(成績=59勝56敗6分、観衆=観衆4万2600人)。七回の自己最多の21失策目に佐藤輝明 「(悪送球について)しっかり投げたかったです。(雨の影響を問われ)でも、それは言い訳にできないので。またしっかり練習したいです」七回の守備に平田勝男ヘッドコーチ 「そりゃあ、セーフティーの準備は、もちろんしていますよ」痛恨の1敗に中野拓夢 「終わったことなので、火曜日からのゲームに切り替えて、初戦を取れるように」一回、先制打の大山悠輔 「試合に勝つか負けるかなので。ここまで来たら結果が大事だと思うので」登板中に観客にカメラのフラッシュの自粛を要請するアナウンスが流れた桐敷拓馬 「最初は正直何の事かわからなかったんですけど、そのあとにひとり、お客さんが注意をされていたので、そういうことかって」ビハインドでも連投した石井大智 「2試合連続3失点していて、自分でも使ってもらえないんじゃないかとかって、色々考えましたけど、意気に感じながら...」

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)は七回の阪神・佐藤輝明内野手(25)の守備を準備不足と断言した。痛すぎる1敗だ。8月31日の勝利は、この試合に勝ってこそ意味があった。準備不足。このひと言に尽きる。七回の佐藤輝の守備だ。先頭の大城卓の三遊間をハーフライナーで破った安打も、重心の高い位置でグラブを出すから追いつけない。守備の基本は「下から上」。結局、1年間、それができずに失策を量産してしまった。吉川の三塁線への犠打も「バントしかない」ケース。もっと前に守れたはず。代打を送ってこないのだから小林のスクイズ、セーフティースクイズも見え見えだった。チームとして「9月に入ってから勝負」と位置付けていたのなら、イチかバチかの勝負をかけた前進守備を敷くべきだった。もちろん、佐藤輝自身も、自分で考えて守るべきケースだ。優勝戦線に残るかどうか、瀬戸際の大一番。西勇が好投して、いい形で先制点を奪った。1点勝負の終盤。そこで、これまで同様の普通の守備、普通の守備体形をしてしまった阪神には残念という言葉しか浮かばない。崖っぷちだ。ただ、可能性がゼロになったわけではない。優勝を目指して、最後まで諦めることなく戦うべき。巨人と2試合、広島と3試合。直接対決はすべて勝つしかない。数字の上からは「あくまで上を狙うか」「DeNAの追い上げをかわして3位を死守するか」の方向性を熟慮すべき時期だという意見もあるだろう。でも、3位を守る戦いといっても、隙を見せない堅実な野球に徹することが絶対に必要で、やることは大逆転優勝狙いと一緒なのだ。残る全試合に、準備をしっかり、隙を見せず戦えば強いチームに見えてくるもの。最後の最後、集大成を見たい。

◆七回裏終了降雨コールドゲーム。巨人が競り勝った。0―1の四回に大城卓の適時打で追い付き、七回には門脇の適時打などで2点を勝ち越した。7回1失点の菅野が両リーグトップの13勝目。菅野のデータは以下のとおり。?巨人・菅野が両リーグ最多の今季13勝目(2敗)を挙げて勝率・867はリーグ1位。勝率第1位投手の条件となる13勝以上をクリアし、2020年以来4年ぶり2度目となるタイトル獲得に前進した。?通算134勝は内海哲也の133勝を抜いて巨人歴代単独11位。先発134勝は江川卓と並ぶ同9位となった。?ビジターゲームは開幕から負けなしの9連勝。本拠地制となった1952年以降、ビジター開幕9連勝以上したのは、04年の近鉄・岩隈久志(10連勝)、13年の楽天・田中将大(12連勝)に次いで11年ぶり3人目。セ・リーグでは53年の広島・長谷川良平のビジター12連勝などがあるが、開幕からは菅野が最多連勝。

◆阪神は七回裏終了降雨コールドゲームで巨人に1-3で逆転負け。首位広島との差は今季最大の5・5ゲームに広がった。雨中の七回に失策が絡んで勝ち越しを許したが、岡田彰布監督(66)は勝ちパターンの継投で勝利への執念を燃やした。「消化試合ちゃうんやから」と怒り心頭の虎将の闘志は消えていない!雨脚が激しくなる中、闘争心を全開にしてタクトを振るった。ビハインドの展開でも〝勝利の方程式〟を惜しみなくつぎ込んだ岡田監督の勝利への執念は実らず、20分間の中断の末、降雨コールドゲームで敗戦という無情の結末を迎えた。一戦必勝の戦いを雨雲に〝横やり〟を入れられた黒星に、いらだちをあらわにした。「しゃべる気にもならん、しゃべる気にもならんよ。消化試合ちゃうんやから」囲み取材には応じず、足を止めずにクラブハウスへ直行。報道陣に怒りの炎をまき散らしながら、険しい表情のまま引き揚げた。指揮官はいかなる天候と試合展開でも最善の策を打ち、勝利をつかみとろうとした。幸先よく一回に大山の右前適時打で先制するも、四回に追いつかれ、七回には佐藤輝のエラーも絡んだ無死一、三塁から門脇のタイムリーと小林のスクイズで先発の西勇が2失点とこらえきれず...。

◆リーグ2位の巨人は1日、七回裏終了降雨コールドゲームとなった阪神23回戦(甲子園)に3-1で勝利。1-1で迎えた七回、阿部慎之助監督(45)は立て続けにバントを仕掛け、2点を勝ち越した。菅野智之投手(34)は7回1失点で13勝目(2敗)を挙げ、セ・リーグ記録となる開幕からビジター9連勝を飾った。水が浮かび始めた甲子園球場の土に、勝利の糸口はあった。1-1で迎えた七回。阿部監督が次々とバントのサインを繰り出し、阪神の守備網を打ち破った。七回裏終了降雨コールドゲームで勝った45歳の青年監督は、ニヤリと笑った。「昨日(の敗戦後、バントを)『やれ』と言う人が多いからですね。やってみました。勝てばいいんでしょ。大きな1勝だと思います」前夜の阪神戦は一回に2点を先制し、相手を上回る10安打を放ちながら逆転負けを喫した。阿部監督が外野の声で決めた(!?)バント連発は、もちろんジョーク。試合前まで今季3度の対戦で防御率0・41と好投され、この日も六回まで3安打1得点に封じられた西勇を攻略するための〝阿部野球〟だった。七回は先頭の大城卓が左前打で出ると、吉川が初球に三塁線へセーフティーバントを決めた。一、三塁から門脇はスクイズを2度失敗。サインがヒッティングに変わった後、中前適時打で勝ち越し点を刻んだ。

◆次第に強まった雨が、初戦の白星で勢いづきたい虎を、そして劇的な一発を放った佐藤輝を〝雨宿り〟させてしまったのか―。前夜は全てのスポットライトを浴びたヒーローが、この日は攻守で輝く姿を見せられず。悪送球となった守備を悔やんだ。「しっかり投げたかったです。(雨の影響は)うーん。でも、それは言い訳にできないので」言及したのは1-1で迎えた七回無死一塁のプレーだった。吉川のセーフティーバントが三塁に転がる。チャージしてボールに迫った佐藤輝だったが、すでに送球してもアウトを取れるかは微妙なタイミングだった。素手で捕球し一塁へのスローを試みたが、これが打者走者の足に当たる悪送球に。内野安打に加え、一塁走者が三塁まで進塁する失策でピンチが拡大した。続く門脇に適時打、小林には三塁走者のスタートを遅らせたスクイズを決められ、この回2失点。12球団最多、自身ワーストとなる今季21個目の失策に、佐藤輝は「しっかり練習したい」と反省の弁を口にした。打撃でも菅野の攻略に苦しんだ。大山の適時打で1点を先制した一回はなお1死一、二塁で打席を迎えるも、外角いっぱいに決まる変化球に手を出せず、見逃し三振。四回1死一塁ではフォークに空振り三振を喫するなど、3打数無安打だった。8月31日の同戦では戸郷から逆転3ランを放ち、甲子園の虎党を総立ちにさせたが、連夜の爆発とはいかなかった。

◆リーグ2位の巨人は1日、七回裏終了降雨コールドゲームとなった阪神23回戦(甲子園)に3-1で勝利。菅野智之投手(34)は7回1失点で13勝目(2敗)を挙げ、セ・リーグ記録となる開幕からビジター9連勝を飾った。試合が進むにつれて強まる降雨をものともせず、貫禄の投球を披露した。菅野が7回7安打1失点(自責点0)の好投で、セ・リーグ新記録となるビジターで開幕9連勝を記録。「優勝争いをしていると、ビジターでの成績はすごく大事になる。声援とか雰囲気に飲み込まれそうな時もあったけど、もう12年も戦っている。全く動じない」と球団では江川卓に並ぶ先発で通算134勝をマークした。一回、ゴロに打ち取って併殺打と思われた打球を遊撃の門脇が失策。その後適時打で先制こそ許したものの後続を打ち取り、「何とかカバーしてあげたかった。1点で終われたのはすごく大きい」とうなずいた。今季13勝目は両リーグ単独トップで、2位との差を2に広げた。リーグ優勝を達成した2020年以来、4年ぶり4度目となる最多勝のタイトル獲得も現実味を帯びてきた。右腕について阿部監督は「グラウンド状況が悪くなってからも素晴らしいピッチングだった。今年を象徴している」とたたえた。12年目シーズンで復活を果たしたベテラン右腕が、投手陣の大黒柱として残りの試合も投げ抜く。(原田優介)

◆現状の力の差が出たね。この試合を迎えるまで、菅野は19登板、投球回123、防御率1・76。西勇は18登板、投球回111回?、防御率1・70。同じような数字でいて、勝ち星は「12VS6」だった。本人たちとチームの力を如実に物語っていた、ということだ。菅野は七回、雨が降りしきる中、ここを抑えないと勝ち投手になれないという状況でも、落ち着いて投げていた。雨くらいでは焦らない。自分のペースを知っている。また、近本がぽこんと併殺打で終わったところも、いかにも今の阪神打線らしい。打てないときは、どうにも打てないからね。逆に巨人打線は、内野安打にバントとスクイズをからめて勝ち越した。打てなければ打てないで、小技も使えるではないか。大振りや淡泊な打撃は、捨てることだ。ということで、随所に差が出た試合。いつも言っているように、成績はウソをつかない。順位通りの差が、垣間見えたよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆涙雨の敗戦から数時間前のこと。トラ番・須藤佳裕が「先輩、どうぞ!」とお煎餅を手渡してくれた。能天気な話題ですみません。「夏休みで北海道に行ってまして、そのおみやげです!」そんな気を使わなくてもいいのに...と言いながら、もらえるものは積極的にもらうタイプ。遠慮なく受け取った。ふと、とびっきりの野球好きの須藤だから、エスコンフィールドに行ったものと確信して尋ねてみた。--屋根は開いていたか? 水平方向に動いて開く屋根は一見の価値があるよな?「はい、初戦は開いてなくて、2戦目は開いてました」プライベートで北海道へ行って、2試合もエスコン通い。やはり尋常ではない野球ファンだ。この時期、屋根を開けてもジメジメしていないのが北海道のいいところ。虎党のみなさまがことし観戦に行くとしたら、もう日本シリーズでの激突以外にはない。岡田vs新庄。タテジマの先輩後輩同士の、夢のようなシリーズ、見てみたい...。「トラ番たちが台風で大変な思いをしていたので、申し訳ないです。ただ、僕も夕刻の便を昼間に変更して、万が一に備えて帰ってきました」台風の影響は広範囲に及んでいて、甚大だ。休んでいる記者も影響を受け、それでも須藤は昨日からの勤務を予定通りこなしていた。その直後に、甲子園に登場したのは阪神OB会長・川藤幸三氏だった。

◆めちゃくちゃ俺、怒っとるわ!! 確かに前日8月31日は佐藤輝の逆転3ランで勝利の美酒に酔わせてもらいましたわ! だけど、それとこれとは話が別...。それがプロ野球だから。で、ビシッと(将来の阪神のためにも)言うわ!! 『佐藤輝のサードはも~ムリ!!』。1-1の七回、巨人の先頭・大城卓のサード左のライナー(記録はヒット)は捕れるし、吉川のバントに対しての悪送球。てか、それに対して予測していないような動き...。揚げ句に、どー考えてもアウトにできない小林の打球で本塁へ...。それで負け投手の西勇はどーしたらええの? 8月12日もサトテルちゃんの一回に犯したエラーのスミ1で負けとるっちゅーか...。実はまだ規定投球回数に届いたら防御率のタイトルだってひそかにあると、俺は思っていたのに...。西勇、悔しいやろー! その悲しみを俺も今夜はともに抱いて、涙の夜を過ごさせてもらいますわ。こーなったら、負けるのは岡田さん、ええわ!! だけど、佐藤輝をサードに起用する采配は??? 単純に外野でええやん!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
62485 0.564
(↑0.004)
-
(-)
28347
(+5)
293
(+1)
48
(+1)
50
(-)
0.238
(↓0.001)
2.240
(↑0.01)
2
(-)
巨人
63506 0.558
(↑0.004)
0.5
(-)
24365
(+3)
322
(+1)
64
(-)
49
(-)
0.242
(-)
2.570
(↑0.02)
3
(-)
阪神
59566 0.513
(↓0.005)
5.5
(↓1)
22391
(+1)
358
(+3)
53
(-)
34
(-)
0.237
(-)
2.510
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
57572 0.500
(-)
7
(↓0.5)
27419
(-)
408
(-)
85
(-)
53
(-)
0.256
(-)
3.080
(-)
5
(-)
中日
50628 0.446
(-)
13
(↓0.5)
23311
(-)
385
(-)
52
(-)
35
(-)
0.239
(-)
2.830
(-)
6
(-)
ヤクルト
47664 0.416
(↓0.004)
16.5
(↓1)
26405
(+1)
466
(+5)
79
(-)
53
(-)
0.238
(-)
3.740
(↑0.01)