1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 7 | 1 | 0 |
広島 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | X | 5 | 7 | 1 | 1 |
勝利投手:玉村 昇悟(4勝4敗0S) (セーブ:栗林 良吏(0勝4敗36S)) 敗戦投手:高梨 裕稔(0勝2敗0S) 本塁打 |
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◆広島は3回裏、2死二三塁から小園が適時打を放ち、2点を先制する。そのまま迎えた6回には、矢野のランニングホームランで3点を加え、リードを広げた。投げては、先発・玉村が9回途中1失点の快投で今季4勝目。敗れたヤクルトは最終回に1点を返すも、反撃が遅かった。
◆広島矢野雅哉内野手(25)がランニング本塁打で2試合連続本塁打を記録した。2点リードの6回2死二、三塁からヤクルト・ロドリゲスの真っすぐを捉えると、前進守備の中堅を襲った。ヤクルト増田が背走から後方にダイビングキャッチを試みるも届かず、白球が転々とする間に、矢野は二塁を蹴って、さらに三塁も蹴って、最後は本塁に頭から滑り込んだ。矢野の快打と激走に、ベンチで迎え入れた新井監督も満面の笑みだった。
◆ヤクルトが、またもマツダで勝てなかった。これで今季開幕からマツダスタジアムで9戦9敗。広島先発・玉村の前に8回まで散発4安打に封じられた。9回先頭から連打と四球で満塁の好機を演出したが、4番村上は空振り三振。オスナの左前適時打で1点を奪うのが精いっぱいだった。高津臣吾監督(55)は「マツダで打てないですね。もちろん向こうのピッチャーいいです。いいですけど、ここまで打てないかなって」と顔をしかめた。昨季は同球場で1勝11敗1分。昨年9月24日を最後に、ここで勝てていない。2年間でまだ1勝。高津監督は「僕はバッターじゃないからよくわかんないですけども。ランナーがサードまで行ったのが18イニングで1回だけですからね。何か原因があるというか。ちょっとよくわからないっていうのが正直なとこですね。相手はあれだけつながるわけなので。ちょっとよくわからないっていうところですね。ピッチャーの兼ね合いもあるでしょうけど」と渋い表情だった。「点を取れてないのは確かですね。それはもう間違いないと思います。そこに直結するかどうかはちょっと別として、点は取れてないのは確かですね」と繰り返した。
◆広島玉村昇悟投手(23)が8回までヤクルト打線を無得点に抑える好投で自己最多タイ4勝目を手にした。序盤からテンポ良く、ストライクを先行させた。9回は先頭からの連打と四球で無死満塁とピンチを広げ、栗林の救援を仰いだ。同じくプロ初完封目前だった7月30日DeNA戦は9回に3失点して完投勝利だったが、この日は8回0/3で降板。「投げ切りたいところでしたけど、栗林さんには感謝しています」。完封は次回以降に持ち越しとなった。▽広島小園(3回の先制2点打が決勝打に)「タマ(先発玉村)も頑張っていたので、いい一打を打てたかなと思います。一打一球が大事になってくるので、本当に良かった」▽広島栗林(5点リードの9回無死満塁から登板してリーグトップ36セーブ)「何とかゼロで帰ってあげたいなという気持ちが一番。(1失点に)申し訳なさしかないですね。何とかしてあげたかった」
◆広島矢野雅哉内野手(25)が野球人生初のランニング本塁打を記録し、2戦連発で連勝に導いた。2点リードの6回。2死二、三塁からヤクルト・ロドリゲスの真っすぐをコンパクトに振り抜くと、前進守備の中堅頭上を襲った。中堅・増田は背走しながらダイビングキャッチを試みるも届かず「二塁を回ったときにホームへ行けるなと思ったので狙っていました」。白球が転がる間に三塁を狙い、三塁も蹴って、本塁に頭から滑り込んだ。ダイヤモンドを駆け回った躍動感が、チームの勢いを加速させた。レギュラーの重責と、優勝争いする重圧に押しつぶされそうになったが、はい上がった。8月27日中日戦で自身の失策から決勝点を与え、失策直後の打席では見逃し三振。翌28日の試合前練習中、バント失敗の小園とともに新井監督から直接声をかけられた。「失敗してもいい。こっちは気にしてない。失敗しても、切り替えてプレーしよう」。その言葉で前を向けた。前日に続く貴重な打点で勝利に貢献。新井監督も「すごくいい経験をしている。その中で積極的に走攻守すべての面において攻めていってもらいたい」と目を細めた。打の殊勲者が矢野なら、投の殊勲者は8回0/3 1失点で自己最多タイ4勝目の玉村だ。13戦連続4番の末包も含め、新井監督と同じドラフト6位入団からはい上がり、チームの貴重な戦力となっている。開幕前の評論家予想は下位だったが、9月に入っても首位を走る。この日の矢野の1発は球団通算8888本塁打。新井広島は、このまま上昇していく。【前原淳】
◆投打がかみ合った広島が、ヤクルトに連勝した。先発玉村は立ち上がりからテンポのいい投球でゼロ行進。打線は3回に小園の2点適時打で先制すると、6回2死二、三塁からは矢野のランニング本塁打で3点を加えた。玉村は9回、連打と四球で無死満塁として降板。代わった栗林が1失点でしのいだ。玉村は自己最多タイ4勝目。栗林はリーグ単独トップの36セーブ目を手にした。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-玉村は9回にピンチを招き降板も好投新井監督 タマ(玉村)、惜しかったですね。(プロ初完封まで)もうちょっとだったんですけどね。立ち上がりから力みもなく、テンポも良く、ナイスピッチングだったと思います。また、サク(坂倉)もいいリードだったと思います。-9回はプロ初完封目前で交代新井監督 初完封をやらせてあげたかったんですけど、まずは勝たないといけないのでね。セーブシチュエーションになったので、栗林に行ってもらいました。-攻撃は3回、小園が勝負強さを発揮新井監督 だいぶ戻ってきましたね。バッターボックスの中でもバタバタすることなく、落ち着いて、ナイスバッティングだったと思います。-6回の追加点は矢野選手の2試合連発となるランニング本塁打新井監督 2試合連発ですからね。いやー、野間さんのホームラン(数)超えましたね。エンターテイナーだなと。今日もナイスホームランでした。-矢野選手が打つとベンチが盛り上がる新井監督 チームのムードメーカーでもありますし、何か持っていますね、彼は。守備もいいですし、バッティングもいいですし、顔もいいですし。-矢野選手に関して、前日の本塁打後「振りが大きくならないように」と新井監督 本当にコンパクトに(振った)ね。外野が前に来ていたのも分かっていたと思いますし、状況も冷静に頭に入っていたと思う。-早出特打も見ていた新井監督 言葉はかけられなかった。早出見ていたけど、もう昨日のホームランで雰囲気出してバッティングしていたので(笑い)。ちょっと近寄りがたいオーラがあった。-9月戦線がスタート。負けられない試合が続く新井監督 いつも言っているんですけど、自分たちがやるべきことをしっかりやって、いい準備をして、1戦1戦ですね。相手はコントロールできないので、1戦1戦うちらしい全員野球で戦っていきたいと思います。
◆広島は玉村が九回途中6安打1失点で、自己最多に並ぶ4勝目を挙げた。栗林が36セーブ目。打線は三回に小園の2点打で先制。六回は矢野の3点ランニング本塁打で加点した。ヤクルトは零封は免れたものの、5連敗となった。
◆遊撃のレギュラーとして全117試合に先発出場しているヤクルト・長岡秀樹内野手(22)が、2安打を放ち、18試合連続安打と、21試合連続出塁をマークした。六回は玉村が投じた外角への変化球に逆らうことなく左前へ。九回はカウント2ー2と追い込まれたが、4球ファウルで粘った後の9球目に食らいつき、バットを折りながら、中前に落とした。136安打はリーグトップ、打率・302はリーグ2位をキープ。背番号7は「難しいですけどね。やっぱり僕もね、一打席一打席が勝負なので、集中力を切らさずいいアプローチができたかなと思います」とうなずいた。連続試合安打の球団記録は、佐藤真一(1999年)、青木宣親(2010年)の25試合。青木はこのオフの自主トレで弟子入りした先輩で、「(あと7試合あり)まだまだですが、そういう記録に近づけているのはすごく光栄。一試合、一試合やった結果、超えられればいいかなと思います。意識はあまりしていないですけど」と目の前の一打席に集中する。
◆ヤクルトは打線がつながりを欠き、九回に1点を挙げるのが精いっぱいだった。昨季1勝11敗1分けだったマツダスタジアムで今季ここまで9戦全敗。このカードの負け越しも決まった。高津監督は「マツダで打てない。ちょっとよく分からない。点を取れていないのは確か」と苦悩の表情だった。低めを突く玉村の術中にはまり、四回は村上が一ゴロ併殺打。七回は中村、八回は内山がいずれも三ゴロ併殺打に倒れた。監督は「向こうの投手はいいけど、ここまで打てないかな」と話した。5連敗で借金は今季ワーストの19となった。(マツダ)
◆前夜に2季ぶりの本塁打を放った広島の矢野がまた打った。2―0の六回2死二、三塁から前進守備の中堅手の頭上を破る。「二塁を回った時にいけると思った」と、快足を飛ばして一気に本塁に生還。ランニング3ランで、2試合〝連発〟となった。練習では「左足にしっかり体重を乗せてぶつけていく」と言う意識で打ち込んでいる。その成果が出ているようで「最後に仕留め切れているというのが大きいと思う」と手応えを口にした。新井監督も「守備もいいし、打撃も良くなっている」と褒めた。
◆リーグ最下位のヤクルトは、7安打1得点と打線がつながらず、5連敗。借金は今季ワーストの19に膨らんだ。マツダスタジアムでは、今季9戦全敗となり〝鬼門〟を攻略できずにいる。高津臣吾監督(55)の主な一問一答は以下の通り。――先発した高梨は三回に、投手の玉村に中前打を浴び、続く秋山に四球。2失点につながった「どっちも痛かったね。(3番の)小園に回る状況をつくってしまったのは、非常に大きいかな。特に秋山へのフォアボールはね。ストライクを投げていたら打たれていたかもしれないけど、あそこにランナーをためて回したくなかったですね」――5回2失点と粘っていたが、早めの交代だった「打線がこういう状況なので、仕掛けていかないとと思って。2失点だったんですけど、代えました。あんまり変化はなかったですけど」――登板間隔が空くことで、勝ちパターンのリリーフである田口、大西、ロドリゲスらを出せないといけない状態になっている「そこは苦しくないんですけど、調整のあれなので。別に苦しくはないんですけどね。また来週いい状態でマウンド上げられるようにね、今日は投げさせたわけですけど」――六回には矢野にランニング本塁打を浴びた。中堅の増田の守備はどう見たか「(外野を)前進させていました。頭は越えないかなと思って。もちろん、あそこの時点で、2失点しているわけで、もうこれ以上、点はやれないっていうところで前進させた。もしかしてどっかでロスがあったかもしれないですし、もしかしたら取れたのかもしれないですけど。こちらから見てる範囲では、全力で追った結果、外野の頭を抜かれたという結果だと思いますけどね」――六回は二塁を守る北村拓の失策で、先頭の小園の出塁を許し、3失点した「そうですね。ここのグラウンドは難しいですから、なかなか言いづらいですけど...。一生懸命やった結果のエラーなのでしようがないとは言わないですけど、先頭ですし、アウトになっていれば状況も変わったのかなと思いますけども、あんまりそこはあれですね」――投打がかみ合わない「マツダで打てないですね。もちろん向こうのピッチャーもいいです。いいですけど、ここまで打てないかなって。僕はバッターじゃないからよくわかんないですけども。ランナーがサードまでいったのが、(2試合計)18イニングで1回だけですからね。何か原因があるというか...。ちょっとよくわからないっていうのが、正直なところですね。相手はあれだけつながるわけなので。ちょっとよくわからないっていうところですね。ピッチャーの兼ね合いもあるでしょうけど」――マツダスタジアムでは今季9戦9敗「点を取れていないのは確かですね。それはもう間違いないと思います。そこに直結するかどうかはちょっと別として、点は取れてないのは確かですね」
◆「超・強肩」でブレークした〝新星〟が球団通算8888号をかっさらった。広島・矢野は前夜の2シーズンぶりの本塁打に続き、この日は人生初のランニングホームラン。ダメ押しの2号ランニング3ランで、首位に立つチームを2連勝へ導き、お立ち台で「ナイスパワー」と叫んだ。「二塁を回ったときにホームに行けるな、と思った。結構しんどかったです」2─0の六回2死二、三塁。ロドリゲスの152キロを振り抜いた。中堅後方まで運ぶと、前進守備から背走して飛び込んだ中堅手のグラブをはじいてフェンスの方へと転々...。俊足を飛ばした矢野がホームへ頭から滑り込むと、大歓声が沸き起こった。球団では2013年8月2日のヤクルト戦(神宮)での丸佳浩(現巨人)以来のランニングホームラン。現役時代に通算319本塁打を記録した新井監督は「エンターテイナーだね。守備も良いですし、打撃も良いですし、顔も良い」とノリノリで絶賛した。矢野は守備の悔しさをバットで晴らした。8月27日の中日戦(バンテリンドーム)では遊撃で決勝点につながる失策を記録し、チームは1─2で惜敗。試合後は落ち込んだが、菊池から食事に誘ってもらった。「俺も大事な場面で失策をいっぱいしてきたから」。2013年から10年連続ゴールデングラブ賞に輝いた〝師匠〟の言葉に奮い立ち、再びグラウンドに立っている。チームは今季のヤクルト戦の勝ち越しを決め、本拠地の同カードは9戦9勝とした。貯金は今季最多タイの14で、2位巨人とのゲーム差は0・5のまま。6年ぶりのリーグ優勝に向け、走り続ける。(柏村翔)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 |
62 | 48 | 5 | 0.564 (↑0.004) | - (-) |
28 | 347 (+5) | 293 (+1) | 48 (+1) | 50 (-) |
0.238 (↓0.001) | 2.240 (↑0.01) |
2 (-) |
巨人 |
63 | 50 | 6 | 0.558 (↑0.004) | 0.5 (-) |
24 | 365 (+3) | 322 (+1) | 64 (-) | 49 (-) |
0.242 (-) | 2.570 (↑0.02) |
3 (-) |
阪神 |
59 | 56 | 6 | 0.513 (↓0.005) | 5.5 (↓1) |
22 | 391 (+1) | 358 (+3) | 53 (-) | 34 (-) |
0.237 (-) | 2.510 (↓0.01) |
4 (-) |
DeNA |
57 | 57 | 2 | 0.500 (-) | 7 (↓0.5) |
27 | 419 (-) | 408 (-) | 85 (-) | 53 (-) |
0.256 (-) | 3.080 (-) |
5 (-) |
中日 |
50 | 62 | 8 | 0.446 (-) | 13 (↓0.5) |
23 | 311 (-) | 385 (-) | 52 (-) | 35 (-) |
0.239 (-) | 2.830 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
47 | 66 | 4 | 0.416 (↓0.004) | 16.5 (↓1) |
26 | 405 (+1) | 466 (+5) | 79 (-) | 53 (-) |
0.238 (-) | 3.740 (↑0.01) |
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