阪神(☆4対2★)巨人 =リーグ戦22回戦(2024.08.31)・阪神甲子園球場=
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巨人
20000000021010
阪神
00000400X4801
勝利投手:才木 浩人(11勝3敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝4敗21S))
敗戦投手:戸郷 翔征(9勝7敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(11号・6回裏3ラン)

  DAZN
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◆阪神が逆転勝利。阪神は2点を追う6回裏、佐藤輝が3ランを放ち、逆転に成功する。その後2死一二塁の好機で、木浪の適時打が飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・才木が6回2失点の好投で今季11勝目。敗れた巨人は、先発・戸郷が6回に崩れた。

◆阪神甲子園球場は、午後4時過ぎの時点で晴れ間が見えている。前日30日は台風10号の影響で中止。この日も心配されたが、雨は降っていない。阪神園芸が午前中からグラウンド整備を開始。打撃練習は両軍ともに室内で行い、グラウンドには触れなかった。最後はローラーなどで土を固める仕上げを施された。多量の水分を摂取し栄養満点なのか、外野の芝生も青々として美しい。高校野球期間を挟み、1日の巨人戦以来、30日ぶりとなる甲子園での一戦。阪神が逆襲へのスタートを切る。

◆8月1日以来30日ぶりに、阪神ナインが甲子園に帰ってきた。24日の広島戦(マツダスタジアム)で右足のすね付近に死球を受け、3試合連続で欠場していた前川右京外野手(21)が「6番左翼」でスタメン復帰。今季、甲子園の巨人戦では打率4割2分9厘を誇る。右腕戸郷翔征投手(24)の攻略へ若武者が帰ってきた。先発は才木浩人投手(25)。先発予定だった29日DeNA戦(横浜)が雨天中止となり、20日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来の登板。チームは27日、28日とDeNAに連敗している。2試合の雨天中止を挟んで仕切り直しの一戦。チームの連敗を計7度止めた「連敗ストッパー」が、勝利へと腕を振る。

◆巨人浅野翔吾外野手(19)が2番右翼でスタメンに名を連ねた。プロ初の甲子園での試合となる。高松商3年だった22年8月18日の準々決勝・近江戦以来、744日ぶり。高校時代は5試合で打率6割4分7厘、4本塁打と大暴れした。遊撃は泉口で6日広島戦以来、3週間ぶりのスタメン。8番三塁は門脇で、三塁スタメンは1日阪神戦以来、1カ月ぶりとなる。先発マウンドは中8日で戸郷が立つ。

◆巨人浅野翔吾外野手(19)がプロ入り後、甲子園初打席初安打をマークした。「2番右翼」でスタメンに名を連ねた。1回1死、阪神才木の外角高め151キロを右中間への二塁打として出塁。迷わず一塁を蹴って、二塁に足から滑り込んだ。「何とか四球でも、何でも塁に出られたらと思っていた」とチャンスを演出。続くモンテスの中前適時打で本塁にヘッドスライディングで生還した。初回からユニホームを土まみれにし、5連打2得点の先制の口火を切った。高松商3年だった22年8月18日の準々決勝近江戦以来の甲子園での一戦だった。「歓声とかアウェー感があったり、(高校とは)全然違うなと思いました」と右翼守備では虎党の大声援を間近で経験した。プロとなって、戻ってきた744日ぶりの聖地で活躍するも、勝利にはつながらなかった。「チームが負けてしまったので、うれしいとかそういうのはない」と引き締めた。

◆先発の才木浩人投手(25)が初回に今季初めての5連打を浴びた。今季10勝を挙げている勝ち頭が、立ち上がりでまさかの2失点となった。1死から2番浅野翔吾外野手(19)に右中間へ二塁打を浴びると、3番モンテス外野手(27)にも149キロ高めの直球を中前にはじき返され、あっという間に1点を先制された。さらに、4番岡本和真内野手(28)と5番大城卓三捕手(31)に連打を浴び、1死満塁。6番吉川尚輝内野手(29)への5球目、高めのスライダーは才木の足元を抜かれた。二塁手中野拓夢内野手(28)がスライディングで好捕もグラブトスが高く、適時内野安打。初回にまさかの2失点となった。

◆阪神が佐藤輝明内野手(25)の11号3ランで逆転した。0-2の6回。2死から安打と死球で走者をためると、佐藤輝は戸郷翔征投手(24)の150キロをジャストミート。左中間最深部にスタンドインさせた。長期ロードを終えて、30日ぶりの甲子園での試合。5回まで戸郷に1安打と苦しめられてきたが、大砲の一振りで一気に形勢逆転。本拠地の虎党の大歓声が収まらなかった。

◆阪神前川右京外野手(21)が復活を告げる一打を放った。「6番左翼」で試合復帰し、2打席凡退で迎えた6回。2死一、二塁から佐藤輝明(25)が逆転3ランを放った直後、前川は右前打で再びチャンスメーク。そこから打線がつながり、貴重なもう1点を加えた。前川は24日の広島戦(マツダスタジアム)で右すねに死球を受けて交代。以後は出場選手登録したまま、ベンチを外れていた。1週間ぶりの復帰戦だった。

◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます/虎が輝いた\甲子園球場は大熱狂#佐藤輝明 逆転3ランホームラン?プロ野球(2024/8/31)??阪神×巨人??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/NQodokNCdD

◆巨人戸郷翔征投手(24)が6回2死から突如、大きく乱れた。死球を挟む5連打を集中され、4失点で降板した。6回2死まで、わずか1安打の無失点の快投だった。阪神森下に中前打を浴びてから一気に暗転した。大山は死球で2死一、二塁とピンチを背負うと、佐藤輝に低め150キロ直球を左中間に運ばれる逆転3ランを浴びた。カウント1-1からの1球だった。佐藤輝を1、2打席は空振り三振に封じていただけに「ちょっと(勝負を)急いだかなというのもありますし、もっと策はあったかな。もったいなかったのは1球だけだった」と悔やんだ。さらに前川、梅野、木浪に3連打を許し、追加点を献上した。2点のリードを守れず、高梨にマウンドを譲った。2戦連続でチームを勝利に導けず、7敗目を喫し「結果さえよければ、内容はどうでもいい。それがここ2試合できていないので、申し訳ない。次の試合では失投のないようにやっていければ」と反省を口にした。

◆阪神先発の才木浩人投手(25)が6回8安打2失点でマウンドを降りた。初回に今季初めて5連打を浴び、まさかの2失点。それでも2回以降はゼロを並べ、11勝目の権利を手にした。初回は巨人打線につかまった。1死から2番浅野翔吾外野手(19)に右中間へ二塁打を浴びると、3番モンテス外野手(27)にも149キロ高めの直球を中前にはじき返され、あっという間に1点を先制された。さらに、4番岡本和真内野手(28)と5番大城卓三捕手(31)に連打を浴び、1死満塁。6番吉川尚輝内野手(29)の適時内野安打で2失点となった。2回までに7安打を許した。それでも3回以降は立て直し、1安打投球。巨人戸郷翔征投手(24)との投手戦の中、追加点を与えなかった。6回裏に佐藤輝明内野手(25)の11号3ランで逆転。この回の打席で代打糸原健斗内野手(31)が送られ、強力リリーフ陣に後を託した。

◆阪神が主砲の一撃で首位巨人に逆転勝ちした。負ければ首位とのゲーム差は今季最大の「6」となっていたところを踏ん張った。痛恨の3連敗を阻止。耐えた。8月ラストゲームを劇的な展開で飾った。2点ビハインドの6回2死一、二塁。佐藤輝明内野手(25)が、相手先発戸郷翔征投手(24)から左中間への逆転11号3ランをかっ飛ばした。自身7試合ぶりの1発。2試合連続で4番を外れた男が意地を見せた。先発才木浩人投手(25)は初回5連打を浴び、いきなり2点を献上。そのまま試合が進んでいただけに、才木もチームも助ける希望の一撃となった。才木は6回2失点で11勝目。キャリアハイをさらに更新した。夏の「長期ロード」を終え30日ぶりの甲子園でのゲーム。虎党のため息が、一気に歓喜の声に変わった。勝負の8月は11勝13敗1分けでフィニッシュ。岡田監督がかねて勝負どころと位置づける9月へ。劇的な夏の夜が、リーグ連覇を目指す秋へとつながるはずだ。

◆巨人浅野翔吾外野手(19)が、744日ぶりの甲子園でいきなり躍動した。「2番右翼」でスタメン出場。初回1死から右翼への二塁打で出塁し、続くモンテスの中前適時打で先制の生還。高松商(香川)3年だった22年8月18日以来の甲子園をかみしめるかのように伝統の一戦でもはつらつとしたプレーを見せ。試合は先発戸郷が2点リードの6回に4失点し、逆転負けを喫した。ユニホームにはすぐに、大好きな黒土が全身に染み付いた。西日が差し込む試合開始直後から、浅野が甲子園のダイヤモンドを駆け巡った。初回1死、カウント1-2から阪神才木の外角高め151キロを逆らわずはじき返した。迷わず一塁を蹴って、足から滑り込んで二塁を陥れた。チャンスを演出すると、続くモンテスの中前適時打にヘッドスライディングで生還。初回から甲子園の土にまみれながら突破口を切り開いた。2年前とは違う雰囲気をまとう甲子園だった。直後、右翼守備に駆け足で向かった。背中からは阪神の大応援団の声援が響き渡る。「それも楽しみにしながら。楽しみながらできるぐらいのメンタルでやりたい」とプロ入り後、初となる甲子園の試合に向かった。5回先頭では風にあおられる打球を、うまく処理した。高松商(香川)3年だった22年8月18日の準々決勝近江戦以来だった。中学時代から有名な存在で、他県の強豪に進学する選択肢もあったが、地元愛から高松に残った。夏に2度出場した甲子園は仲間の声援に緊張も吹き飛び、ワクワクしながらプレーしていた場所だった。744日ぶりの聖地で試合で、初回の5連打2得点の口火を切った。4連勝後、2試合中止を挟んだ一戦だった。移動も台風の影響でドタバタ。7月29日新幹線は小田原駅付近で約5時間の足止め後に引き返し、翌日に空路で甲子園に乗り込んだ。敵地での伝統の一戦で先陣を切った。【上田悠太】

◆先発ローテの一角で5連勝中の巨人井上温大投手(23)が3カ月ぶりにリリーフ登板した。2点を追う7回から3番手でマウンドに上がった。5月30日ロッテ戦以来の救援で出番を託された。2安打と暴投、四球で2死満塁のピンチを背負ったが、代打渡辺をフルカウントから三ゴロに抑えた。もともと井上は31日阪神戦に先発する予定で調整を進めていた。30日が台風による中止で、戸郷がスライドとなり、先発の機会が流れた。今季7勝4敗の左腕は中継ぎ待機していた。

◆巨人坂本勇人内野手(35)が腰痛のため、8月31日の阪神22回戦(甲子園)のベンチ入りメンバーから外れた。試合前の練習はティー打撃の途中で切り上げていた。次戦以降について、阿部監督は「様子を見て」と話すにとどめた。

◆巨人が、わずか2日で首位から陥落した。敵地で阪神に痛恨の逆転負け。6回2死まで好投を続けていた戸郷翔征投手(24)が突如としてつかまった。安打と死球で一、二塁とされると、佐藤輝に低めの150キロ直球を左中間席に運ばれた。戸郷は「結果が一番だと思います。結果さえ良ければ内容はどうでもいい。それがここ2試合できてない。申し訳ない」と責任を背負った。2点を先制した初回の攻撃も決定打を欠いた。5連打とつながったが、1死満塁から泉口、門脇が凡退。大量点で一気に畳みかけられる絶好機をふいにした。2回以降は無得点が続き、阪神に反撃の隙を与えてしまった。阿部監督は「全員が野球の怖さを今日、知れたしね。すごい怖いなと。(1回は)あれだけヒットを打っても、結果的に2点しか入らなかった」と話した。首位広島を0・5ゲーム差で再び追う。

◆阪神は長期ロード明け初戦を逆転勝ち。先発才木浩人投手(25)は初回に5連打を浴びて2失点も2回以降は修正して6回2失点でチームトップの11勝目。0-2の6回に佐藤輝明内野手(25)が逆転3ランをバックスクリーン左へ放り込んだ。さらに連打は続き、一、二塁から木浪聖也内野手(30)が4点目となる中前適時打でリードを広げた。才木、木浪、佐藤輝のお立ち台一問一答は以下の通り才木--1カ月ぶりの甲子園球場、おかえりなさい「最高です」--甲子園のファンの声援や空気は「どこの球場よりも一番いいなと思うので、ファンのみなさんのおかげだと思います」--どんな思いでマウンドに上がった「いい流れを持ってこれるようにと思って投げてましたけど、初回マジ止まんなかったので、止まんねえこれと思いながら投げてました(笑い)」--初回5連打。2回以降は修正したがどこを変えた「タイミングをいろいろ変えたりとか、梅野さんがうまく配球してくださったのもありますけど、野手のおかげで何とか粘れました」--カーブも使った。2回以降良くなったと思うところは「まあ、気持ちですかね」--6回2失点にまとめた今日の投球は「今日は本当に横のおふたりのおかげで勝てたので、ありがとうございます!」--11勝目「勝ててるのはいいことだと思いますけど、今日は野手のみなさんのおかげなのでありがとうございます!」--次の登板に向けて「次はもっと長いイニングを投げられるように頑張ります」木浪--才木がありがとうと。どう受け止めますか「自分も止まんねえなあと思っていたので(笑い)。何とか勝ちをつけさせてあげて良かったです」--今日の才木にも声かけたのか「声かけましたね。ちょっと焦っていたので、もっと落ち着いていけよと声をかけました」--遊撃守備として貢献してきたが8月を振り返って「やっぱり勝つことが一番なので、そこに向かって自分たちはやるだけだと思っています」--6回は佐藤輝の逆転3ランの直後。どんな思いだったか「3-2でいくより、もうちょっと点を取った方がこっちに流れが来るなと思ったので、何とか打てて良かったです」--死球の右腕は大丈夫か「全然大丈夫です」-8月は11打点。勝負強さの秘訣(ひけつ)は「気持ちですね」--明日から9月。明日以降の気持ちは「まだまだ勝ちを重ねていって、みなさんに喜んでもらえるように頑張ります」佐藤輝--久しぶりの甲子園の歓声は「やっぱり最高ですね、はい」--6回1点ビハインドでランナー一、二塁で打席。どんな気持ちだった「何とかセカンドランナーをかえす意識で立っていました」--3ランを振り返って「ほんとピッチャーも素晴らしいピッチャーだったので最高の結果になって良かったです」--打球も左中間深いところだったが内容は「内容も最高だったと思います」--明日以降の抱負「今日も才木が粘って投げてくれて、6回も2アウトからつないで取った4点だったので、すごい勢いがつくと思います。明日以降も頑張りますので、応援よろしくお願いします」

◆阪神が主砲の一撃で首位巨人に逆転勝ちした。負ければ首位とのゲーム差は今季最大の「6」となっていたところを踏ん張った。痛恨の3連敗を阻止。30日ぶりの甲子園で耐えた。8月ラストゲームに勝利し、勝負の9月へ向かう。岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-甲子園に帰ってきた初戦で逆転勝利「いやいや、まあ、(才木が)初回ね、どうなるかと思ったですけど。ボールも高いしね。5連打なんか初めてだと思うんですけど、よくあそこ、守りもねよかって、よく2点でおさまったと思いますね」-それ以降はよく抑えた「修正というかね。おーん。2回もヒット打たれたですけど、それ以降は低めに集めてね。まあ、あそこちょうどチャンスで逆転のところだったしね。本人はもう1回いきたかったみたいですけどね」-佐藤輝のホームランが流れを変えた「結構初回からね、(戸郷が)力を入れて飛ばしている感じがあったので、5回まで本当ヒット1本だったんですけど、何とかワンチャンス、6回以降あるかなと思ってたんですけどね。あれも2アウトランナーなしからですからね。本当クリーンアップ3人で取った点なんで。その後の1点も大きかったですね」-やはりその後の木浪のタイムリー「逆転はしたんですけど1点差ですから。そういう意味で4点目は大きかったですね」-継投では石井も無失点「まあ、ね。先頭フォアボール出して嫌な感じでしたけど。あの、7回以降はね、投げるピッチャーはとにかくそのイニング0点で抑えるというかね。それが最終的な仕事と思うんでね。最後もね、岡本だったけどよくアウトにしてくれましたよね」-「甲子園に帰ってきてからが大事」と言っていたその初戦を取った「そうですねえ、やっぱり劣勢の中でね、この逆転勝ちしたいうのはね、すごく大きいと思うし、帰ってきての初戦だったんで、今日の勝ち負けいうのはものすごい大きいと思いますね」-明日から9月。どんな戦いが求められる「いやいやもう、今回は巨人と直接対決ですけど、そういう意味で他のチームに対してもね、1戦1戦ね、勝ちを積み重ねていくしかないと思うんで。今日勝ったいう流れというかね、そういう気持ちはものすごい大きいと思うので、明日またね、いいゲームしたいですね」-明日は西勇と菅野の投げ合い「いやいや、そんなチャンスないと思うんで、1回2回のチャンスをものにできるようにね、そういうゲームになると思うんで、そういうゲームやっていきたいですね」(ペン囲み)-佐藤輝は追い込まれてからうまく打った「まあ最初な、ボール球ばっかり振っとったからな、おーん」-外角低めのストレートを打った「まあだから、強引にいかずにね、あの方向に打ったのが良かったんじゃないか」-得点圏であいいう打撃「ああいうバッティングって、そら一番のバッティングやんか、ホームランやから」-空気を変えられる力「そらホームランって、そういう意味では変わると思うし、うん。そら大きいよ、ホームランっていうのは。なかなかホームランが出るようなピッチャーじゃないわけやから、今日なんか、両方ともね」-9月も甲子園巨人戦ある中、戸郷打ったのは大きい「そらね、ここでノーヒットノーランやられたり、そらいろいろあるけど、その日の対戦なってみないと分からんよ、そんなん。抑えられたりばっかりじゃ、ちょっとしょうがないし、打ち返さなあかんわけやから」-才木には初回の攻撃の後に「それは言われへんよ。あんな連打浴びるねんから、何かあるんやろな、それは言われへんわ。ちょっとな、2回からはある程度抑えられたわけやんか」-2回以降の粘りが打線の気持ちを引き出した「いや、そらもう2点でずっといってたからな、おーん。まあ7回までやな、おーん。7回なったら継投入ると思ったからな、おーん。そういう意味ではツーアウト、1番からの攻撃でツーアウトランナーなしからの攻撃やから、そらもう大きいわな」-森下が2死から安打で空気を変えた「いやいや流れてか空気て、それは後付けやんか。そんな全打席そら打とうと思っとるわけやからさ」-横浜で直接話した石井と桐敷は「いや、そのままやんか。もう0点に抑えたらええ。そんなお前、毎回毎回3人で抑えられへんで、そんなんわ。そんなん酷やんか。だからやっぱり先頭フォアボール出すとちょっと嫌な感じになるというのは、そういうことやんか。でも最終的にゼロで抑えるいうことが仕事やからさ。相手も打ちにきてるのに毎回3人で抑えられへんって」

◆阪神の中継ぎ陣がリードをがっちりキープし、痛快な逆転勝ちをアシストした。逆転した直後の7回からまずは石井大智投手(27)が登板。先頭に四球を与えて続く丸の初球もボールとなり梅野がマウンドへ。直後の151キロ直球で捕邪飛に仕留め、2死一、二塁からは4番岡本を中飛に抑え自身3戦ぶりの無失点で切り抜けて「才木に勝ちがついてホッとしています」と表情を緩めた。8回にはリーグ最多57試合目のマウンドに桐敷拓馬投手(25)が上がった。テンポ良く3者凡退で終えてリーグ単独トップに立つ33ホールド目を記録。「野手陣が逆転してくれて、ザキ(岩崎)さんにいい形で渡せたので良かったですし、3人でちゃんといけたのも良かった」と納得の表情だった。前日30日には岡田監督が連投制限解除を示唆。石井はピンチを招いたが、「最終的にゼロで抑えるということが仕事やからさ」と0で抑えたことをたたえた。9月もブルペン陣の支えは欠かせない。【林亮佑】

◆阪神森下翔太外野手(24)が気迫のヒットから空気を変え、メモリアル打も決めた。2点を追う6回2死、走者なしで迎えた第3打席。「次4番、5番と得点圏でも(打率が)高いバッターが続くので、なんとしても(塁に)出なきゃなという思いで打席に立ちました」。巨人戸郷の150キロ低めの直球を強振。中前にはじき返した。ここから打線が着火。死球を挟んで5連打で、一挙4得点。背番号1が逆転劇の口火を切った。1本では終わらない。7回1死二塁。3番手井上の146キロ直球を左前に運んだ。これが今季100安打目。プロ入り2年目までに3桁安打と2桁本塁打をあわせて達成したのは球団では佐藤輝以来、6人目。右打者では岡田監督以来の快挙となった。「1点欲しいところだったので、点入らなかったですけど、やるべきことはできた」とうなずいた。難敵の戸郷に苦しんでいた。5回までチーム1安打。森下も2打席目まで快音は響かなかった。今季これまで5試合の対戦で、13打数1安打の相手。「良いライバル関係でいけたらすごくいいなと思う。同世代ですし、負けたくはないですね」。同じ2000年生まれ。世代の好右腕を意識していた。きっちりと直球を打ち返し、波に乗った。約1カ月ぶりに本拠地甲子園での一戦を勝利で飾った。「甲子園に戻ってきて最初のゲームに勝ったのは良かったと思いますし、こういう勝ち方できたのはよりよかった」。打線に勢いをもたらし、逆転Vへ望みをつないだ。【村松万里子】森下が初の年間100安打に到達した。既に12本塁打を放っており、プロ入り2年目までに3桁安打と2桁本塁打をあわせて達成したのは、新人から2年連続の21、22年佐藤輝以来球団6人目。右打者では現監督の80~81年の岡田彰布までさかのぼる。阪神のドラフト1位選手では今季、近本が既に133安打を放っている。さらに大山と佐藤輝も96安打と、大台が目前。「近森大佐」の3桁安打そろい踏みは確実だ。ドラ1入団4人が同一年に100安打以上なら、球団初となる(今季はほかに中野が103安打)。

◆阪神近本光司外野手(29)が月間自己最多を更新する39安打で8月をフィニッシュした。7回に二塁へしぶとく内野安打を放った。さらに通算906安打は、青木宣親(ヤクルト)を抜き、入団6年目以内の球界歴代2位の記録を樹立。残り23試合で同記録1位の長嶋茂雄(巨人)まで20本。「勝つためにヒットを重ねるだけだと思うので、勝つためのヒットを打ちたい」と冷静に言った。

◆阪神岩崎優投手(33)が9回を0で締めて、今季21セーブ目を挙げた。2点リードの9回に4番手で登板。先頭門脇を左飛に打ち取るも、先頭の代打長野に中前打を浴びて出塁を許す。それでも続く丸を二ゴロ併殺に仕留めて、0で切り抜けた。逆転勝ちの最後を締めくくり、登板3試合連続でセーブを記録。「また明日も頑張ります」と力を込めて球場をあとにした。

◆やっぱり甲子園は最高や~。長期ロードを終えてわが家に帰ってきた阪神が主砲の一撃で逆転勝ちだ。2点ビハインドの6回2死一、二塁。佐藤輝明内野手(25)が左中間へ逆転11号3ランをかっ飛ばした。自身7試合ぶりの1発。2試合連続で4番を外れた男が意地を見せた。負ければ首位とのゲーム差は今季最大の「6」となっていた土俵際で踏ん張った。可能性がある限り食らいつけ! 輝よ、9月も頼んだぞ!ため息が歓喜に変わった。みんながバンザイした。6回2死からつくった一、二塁の好機。佐藤輝が逆転3ランを左中間席へぶち込んだ。ダイヤモンド1周は「歓声がすごかった。やっぱり最高ですね」。30日ぶりの甲子園の熱を全身で受け止めた。無理か...。2点ビハインドにそんな空気も漂い始めていた。今季無安打無得点試合をやられている戸郷が相手。1発しかない。その場面で低め150キロ直球を捉えた。2打席連続三振後、起死回生の11号。岡田監督からも「そら大きいよ、ホームランいうのは。一番のバッティングやんか、ホームランやから」と最大級の賛辞を送られた。後半戦に入り右足をあまり上げなくなった。試行錯誤しコンタクトを意識したフォームにたどり着いた。「内容も最高だった」という一撃に手応えを深める。三塁守備では先輩の熊谷に意見を求めた。2試合連続で4番を外れる中、7試合ぶりのアーチで復活。必死さは結果につながる。西宮生まれの少年は幼少期から自転車で甲子園へ通った。近大へ進学するとスタンドから見ることは少なくなった。それでも、ハッキリと覚えている試合がある。「大学4年の時に見に行ったんです。増田さんがピッチャーやった試合でしたね」。20年8月6日の阪神-巨人戦。内野手の増田大輝が緊急登板した試合だ。「たまたま、すごい試合を見ました。ベンチ前でキャッチャーとキャッチボールしてるな...と思ったら、そのままマウンドに行ったので。めっちゃ覚えてます」。野球は何が起こるか分からない。大学生の青年が「伝統の一戦」であらためて感じた。今はプロ野球選手として、とてつもないワクワクを虎党に届ける。3連敗を阻止し、首位広島に4・5ゲーム差でくらいつく。今季、佐藤輝が出場した甲子園の巨人戦は6勝1分けの無敗。勝負の9月へ。昨季9月は打率3割4分4厘、7本塁打と打ちまくった「秋男」についていけば大丈夫だ。指揮官は「逆転勝ちしたいうのはすごく大きい」とうなずき、「勝ちを積み重ねていくしかない」ときっぱり。逆転リーグ連覇への火は消さない。甲子園で、久々の勝利の「六甲おろし」が逆襲の号砲となる。【中野椋】

◆阪神木浪聖也内野手(30)が貴重な追加点を挙げた。6回に佐藤輝の逆転3ランで1点リードした後、2死一、二塁と再びチャンスをつくった。「ここで1点取ったら大きいなと思っていた」と、中前適時打で4点目を奪い戸郷をノックアウトした。8月は11打点を挙げ「気持ちです!」と勝負強さを自己分析。8回の第4打席では右腕に死球を受けたが「全然大丈夫」と強調した。

◆阪神森下翔太外野手(24)がマルチ安打を放ち、初の100安打に到達した。すでに2ケタ本塁打を記録。プロ入り2年目までに3桁安打と2桁本塁打をあわせて達成したのは球団では佐藤輝以来、6人目。右打者では岡田監督以来の快挙となった。森下が初の年間100安打に到達した。既に12本塁打を放っており、プロ入り2年目までに3桁安打と2桁本塁打をあわせて達成したのは、新人から2年連続の21、22年佐藤輝以来球団6人目。右打者では現監督の80~81年の岡田彰布までさかのぼる。阪神のドラフト1位選手では今季、近本が既に133安打を放っている。さらに大山と佐藤輝も96安打と、大台が目前。「近森大佐」の3桁安打そろい踏みは確実だ。ドラ1入団4人が同一年に100安打以上なら、球団初となる(今季はほかに中野が103安打)。

◆死球による右すねの負傷から復活した阪神前川右京外野手(21)が、復帰戦で追加点につながる安打をマークした。佐藤輝に逆転3ランが飛び出した直後の6回2死。右前打で打線に再び火をつけた。木浪の適時打で生還。7回に代打渡辺を送られ退いたが、7試合ぶりのスタメンで結果を残した。「そのまま流れに乗らせてもらおうと思って、初球からいって何とか打てたので良かったです」と語った。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】台風一過の阪神巨人戦はフォトジェニックな空の下での熱戦となりました。2点を追う阪神は、佐藤輝明の11号3ランで逆転勝ち。夏休み最終日を白星で飾りました。

◆阪神才木浩人投手(25)は全員と丁寧に手を合わせた。岡田監督に「おまえ、勝ち投手か?」といじられ「すみません、勝ちです」とペコリ。6回2失点で11勝目。今季8度目の連敗ストッパーとなり「今日はもらった勝ちです。6回しか投げられていないし、今日に関しては僕じゃない。テルとか木浪さんのおかげです」と長身を丸めた。初回、1死から悪夢のような5連打。直球が走らず、甘い変化球を痛打された。戸郷との投げ合いで致命的とも思えた2失点。「止まらねえな...と思っていました。相手に合ってしまっていた」。だが、2回からは梅野がカーブを多めに要求。「デカかった。効きました」と感謝した。2回無死一、二塁から浅野は右飛、モンテスは3球勝負でフォーク空振り、岡本和もフォークで遊ゴロ。次第に波に乗った。3~6回は1安打。無四死球で粘り抜き、佐藤輝の逆転3ランを呼び込んだ。1回終了後に助言を送っていた岡田監督は内容について「言われへん」としたが「初回どうなるかと思ったけど、よく2点でおさまった。それ以降は低めに集めてね」と修正したことを評価。才木も「それ(修正)ができているから防御率も1点台でいけてるし、ある程度イニングを投げられていると思う」と自己分析した。まだまだ発展途上だ。歩む道のりをイメージするのはパドレス・ダルビッシュ。日本時代から計画的に体を作り、能力を最大限引き出している。「筋トレは大切。年齢を重ねれば筋肉量が落ちるのは分かっているから、今のうちからやっています。でも今、そこをいきすぎると感覚がおかしくなる。バランスを取りながらです」。今は焦らず、体に見合った練習に励む。ポテンシャルは青天井だ。逆転Vは、才木の力なしでは果たせない。「こういう投球を目指しているわけじゃない。もっと圧倒できるようにしたい」。早くも次回に目を向けていた。【柏原誠】

◆阪神・及川雅貴投手(23)が出場選手登録され、試合前の練習で1軍に合流した。今季は7月31日の巨人戦(甲子園)で先発として初勝利を挙げるなど、先発で5試合に登板。今月15日に登録を抹消されていた。中継ぎへ立場を変えての合流に「もう終盤も終盤ですし、1試合1試合が大事になってくる。たとえビハインドでも無失点で帰ってくることが仕事だと思いますし、どこで投げてもそれは一緒だと思うので、いいリズムでかえっていい攻撃をしてもらえるように意識したい」と意気込んだ。

◆阪神は才木浩人投手(26)が中11日で先発する。当初29日のDeNA戦(横浜)で先発予定だった右腕は、雨天中止によるスライドを経てこの日の登板を迎えた。今季7試合で4勝負けなし、防御率1・16と相性抜群の甲子園で11勝目を目指す。打線は前川右京外野手(21)が4試合ぶりにスタメン復帰する。24日の広島戦(マツダ)で右すね付近に死球を受けて途中交代。以降の3試合は出場機会がなかった。

◆巨人・大城卓三捕手(31)が「5番・捕手」で5試合ぶりに先発する。坂本勇人内野手(35)が5試合ぶりに先発を外れ、三塁に門脇、遊撃に泉口が入った。

◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が一回からつかまった。先頭の丸を空振り三振に抑えた右腕だったが、続く高卒2年目・浅野に右中間へ二塁打を浴びると、続くモンテスに追い込んでから高め直球を痛打され、中前適時打であっさり先制点を献上した。さらに岡本和と大城卓にも左前打と4連打で1死満塁とピンチは続いた。吉川尚には二塁内野安打を浴びて5連打で2点目。泉口、門脇を打ち取って何とかしのいだ右腕だが、不安の残る立ち上がりとなった。

◆阪神の木浪聖也内野手(30)がチーム初安打を放った。2点を追う三回。先頭で打席に立つと、追い込まれながらも戸郷の低めの変化球に食らいつく。しぶとく左前に落とす安打でチーム初安打を記録した。1死後近本も四球を選んで一、二塁と好機を広げる。しかし続く中野は空振り三振、森下も果敢(かかん)に初球を狙うも二飛。今季2度の完封勝利を献上している戸郷から、最初のチャンスで得点を奪うことはできなかった。

◆甲子園を沸かせたスターが帰ってきた。5試合連続で「2番・右翼」に入った巨人・浅野翔吾外野手(19)は、2022年に香川・高松商高で8強入りした高校3年の夏以来、約2年ぶりに聖地の土を踏んだ。当時は大会3本塁打を放つなど、思い出の地だ。注目の第1打席。一回1死、カウント1-2から才木が外角に投じた1501キロの直球を逆方向へはじき返し、右中間へ二塁打を放った。続くモンテスの中前打で本塁に生還。ヘッドスライディングで先制のホームインだ。29日の夕方に新幹線で大阪への移動を試みたが、大雨の影響で小田原周辺で運転が取りやめに。午後11時前に東京へ引き返し、一夜明けた30日の朝に飛行機で移動した。カード初戦は台風の影響で中止となり、全体練習。「(甲子園で)ゆっくり練習したことがなかったので、堪能できました。今はお客さんに見てもらう立場。自分と同じ身長の小さい子供たちに夢を与えられるようなプレーをしたい」と話していた。8月中旬に1軍昇格。この日の試合前時点では、12試合で打率・357をマークし、球団の10代では坂本勇人以来の3本塁打と絶好調だ。14日の阪神戦(東京ドーム)ではプロ初の満塁弾で決勝点をたたき出すなど、2年目のシーズン終盤でレギュラーをつかむ勢いの活躍を見せている。

◆巨人・戸郷翔征投手が5回2/3、4失点で降板。10勝目を逃し、自身3年連続となる2桁勝利はお預けとなった。六回2死まではテンポのいい投球で阪神打線をわずか1安打に抑え、三振を9つ奪っていた。森下に中前打、大山に死球を与えて2死一、二塁とし、佐藤輝に左中間への逆転3ランを浴びた。さらに連打を浴び、木浪に中前適時打を打たれてマウンドを降りた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が六回、逆転の3ランを放った。2点を追って六回の攻撃だったが、近本、中野が倒れて簡単に2死とされる。しかしここから虎のドライチクリーンアップがつながった。森下が中前打で出塁すると、大山も死球でつないで2死一、二塁。ここまで2打席連続三振、12打席安打のなかった佐藤輝が3球目を仕留めた。高々と舞い上がった白球は、バックスクリーン左に吸い込まれる逆転の11号3ラン。五回まで1安打と苦しめられていた戸郷から、ひと振りで試合をひっくり返した。佐藤輝は「打ったのはストレート。(才木)浩人が粘ってくれていたので、なんとか援護したい気持ちでした。序盤から抑え込まれていましたし、ワンチャンスで最高の結果を出すことができてよかったです」とコメントした。さらに前川、梅野、木浪の3連打でもう1点を追加。約1カ月ぶりに帰ってきた本拠地の虎党に押されるような集中打で、4-2と逆転に成功した。

◆阪神・近本光司外野手(29)が七回の第4打席で安打を放ってプロ通算906安打とし、新人から6年間の安打記録で青木宣親(ヤクルト)を抜いて単独2位に浮上した。代わったばかりの3番手・井上の初球をスイングすると、打球は二遊間へ。巨人の二塁・吉川は追いつくも送球することができず、通算906度目のHランプを灯した。1位の長嶋茂雄まで残り20安打。さらに、これで8月の月間安打を39安打とし、自身最多を更新する一打にもなった。

◆8月1日以来となる甲子園でのゲームに臨んだ阪神は、首位巨人を相手に逆転勝利を収め、連敗を2で止めた。中11日の才木浩人投手(25)は一回に5連打を浴びて2点を失うも、粘りの投球をみせる。以降は追加点を与えず、6回92球2失点と試合を作った。才木の力投に攻撃陣も応える。巨人の先発・戸郷にわずか1安打に抑えられて迎えた六回。2死から森下翔太外野手(24)の安打、大山悠輔内野手(29)の死球で走者をためると、佐藤輝明内野手(25)が逆転の11号3ランで試合をひっくり返した。さらに木浪聖也内野手(30)の適時打など3連打でもう1点追加し、一挙4点を奪った。この2点のリードを七回は石井大智投手(27)、八回は桐敷拓馬投手(25)、九回は岩崎優投手(33)が無失点リレーで守り切った。阪神はこれで甲子園での連勝を「8」に伸ばした。

◆巨人・阿部慎之助監督(45)が試合に敗戦後、この日腰痛でベンチ入りメンバーを外れた坂本勇人内野手(35)について「ちょっと腰が。(明日以降は)様子を見てだね」と明かした。坂本はこの日、室内練習場で行われた野手の試合前練習に参加したが、フリー打撃を始める前に途中で切り上げた。8月はスタメン出場を続け、今季の月間別最高打率.265をマークしていた。

◆先制点を許すことはできない-。阪神・才木も自分が置かれた立場は分かっていたがはずだったが、一回にいきなり2点を失った。夏の長期ロードが終わり、開場100周年で盛り上がった8月1日の巨人戦以来となる甲子園での一戦。あのときは0・5ゲーム差だったが、それから1カ月で巨人とは5ゲーム差に開いて迎えたゲームだった。「いい流れを持ってこられるように。あまり気負わず、自分のピッチングをしっかりできるように頑張りたい」前回8月20日のヤクルト戦(京セラで、才木は7回無失点に抑えてプロ初の2桁となる10勝目を挙げた。岡田監督は同30日のゲームが台風10号の影響のため中止となると「こっちはもう才木、西(勇)でいく予定やから」と語り、才木を中心とした先発ローテで今回のG2連戦に臨むことを明言していた。大きな期待を背負った才木だったが、一回1死から高卒2年目の浅野に高めの151キロ直球を右中間にはじき返され、リズムが狂う。続くモンテスの中前適時打で先制を許すと、さらに岡本和、大城卓に連打を浴び、1死満塁から泉口の二塁内野安打で2点目を献上。なんとかここまでで失点を食い止めたが、首を傾げながらベンチへ戻った。先発予定だった8月29日のDeNA戦(横浜)が台風10号の影響で中止となり、慌ただしく新幹線で帰阪したが、才木は「台風なので、そこはもうしようがないが、いわれところで準備をするだけ」とプラス思考にとらえていた。巨人・戸郷との今季初の投げ合いで「勝ち負けは運。相手先発が誰とかは関係ない。巨人打線を抑えて、チームに流れを引き寄せたい」と語気を強めていたが、いきなり2失点。周囲の期待を裏切ってしまったが、佐藤輝が千金弾。六回、戸郷から11号逆転3ランを放った。この回、木浪のタイムリーも出て、追加点。九回は岩崎が締めて、2位巨人に4ゲーム差とした。(三木建次)

◆巨人は一発に泣き、逆転負けで再び2位に後退した。阿部慎之助監督(45)は2点リードの六回、戸郷が相手の佐藤輝に浴びた逆転3ランに「全員が野球の怖さをきょう、知れた。すごい怖いなと思いながら」と唇をかんだ。中8日で先発した戸郷は五回までわずか1安打に封じるも、六回2死から乱調。安打、死球で走者を背負って佐藤輝に低めの直球を中堅左に運ばれた。5月にノーヒットノーランを達成したマウンドでKOされたエースは六回途中6安打4失点で7敗目を喫した。打線は一回に2番・浅野から5連打で2点を先取したが、二回以降は好機で凡退し、追加点を取れなかった。「そこ(二回以降は無得点)が一番(の敗因)だと思う。あれだけヒットを打っても、結果的に2点しか入らなかった」と敗因に挙げた。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は一回の2失点だけで、6回を投げた阪神・才木浩人投手(25)に言及した。立ち上がりの才木を見ると、どうなることかと不安になった。あれだけ高めに球が集まる才木も珍しい。原因としては登板間隔が空いたこと、登板日がずれたこと、この登板日の当初の天気が雨予想で、心の片隅に「中止かも」という隙があったのかもしれない。さらに今季、巨人との対戦が7度目で極端に多い。いくら好投手相手でも、巨人打者も球筋は見極められるようになるものだ。ただ、二回1死一、二塁でモンテスに低めに集めて空振り三振でリズムを取り戻した。付け加えるなら、二回無死一、二塁で相手が送りバントをしてこなかった。結果は浅野が右飛に倒れ、ジワジワ攻めてこなかったことで落ち着けた。三回以降は、低めへ真っすぐが決まり、変化球も低めに制球できていた。こうなると、そう簡単に攻略される投手ではない。三回以降の投球を見れば、次回への不安はない。六回の攻撃では、一気呵成の場面だから代打を送られたが、十分に続投できていた。我慢する、粘ることを覚えた点でも、収穫の登板だった。

◆阪神が30日ぶりの甲子園で逆転勝ちを収め、連敗を「2」で止めた。5回1安打の戸郷翔征投手(24)を攻め、2点を追う六回2死から森下翔太外野手(24)の中前打と大山悠輔内野手(29)の死球で一、二塁とし、佐藤輝明内野手(25)の13打席ぶり安打が11号3ランとなり逆転。さらに木浪聖也内野手(30)の中前打で加点した。5連打で2点を先制された才木浩人投手(25)は二回以降立ち直って11勝目(3敗)。8度目の連敗時登板でチームは全勝を守り、自身は6勝をマークした。首位に返り咲いた広島とは4・5差で2位巨人に4差。チームは甲子園8連勝。8月を11勝13敗1分で終えた岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=59勝55敗6分、観衆=4万2594人)。ーー佐藤輝はカウント1ー1からうまく打った「まあ最初な、ボール球ばっかり振っとったからな、おーん」ーー外角低めのストレートを打った「まあだから、強引に行かずにね、あの方向に打ったのが良かったんじゃないか」ーー得点圏であいいう打撃「ああいうバッティングって、そら一番のバッティングやんか、ホームランやから」ーー空気を変えられる力「そらホームランって、そういう意味では変わると思うし、うん。そら大きいよ、ホームランっていうのは。なかなかホームランが出るようなピッチャーじゃないわけやから、今日なんか、両方ともね」ーー9月も甲子園で巨人戦がある中、戸郷打ったのは大きい「そらね、ここでノーヒットノーランやられたり、そらいろいろあるけど、その日の対戦なってみないと分からんよ、そんなん。抑えられたりばっかりじゃ、ちょっとしょうがないし、打ち返さなアカンわけやから」ーー才木には一回の攻撃の後に「それは言われへんよ。あんな連打浴びるねんから、何かあるんやろな、それは言われへんわ。ちょっとな、二回からは、ある程度抑えられたわけやんか」ーー二回以降の粘りが打線の気持ちを引き出した「いや、そらもう2点でずっと行ってたからな、おーん。まあ七回までやな、おーん。七回なったら継投入ると思ったからな、おーん。そういう意味では(六回は)1番からの攻撃でツーアウトランナーなしからの攻撃やから、そらもう大きいわな」ーー森下が2死から安打で空気を変えた「いやいや流れとか空気て、それは後付やんか。そんな全打席、そら打とうと思っとるわけやからさ」ーー横浜で直接話した石井と桐敷は「いや、そのままやんか。もう0点に抑えたらええ。そんなお前、毎回毎回3人で抑えられへんで、そんなんわ。そんなん酷やんか。だからやっぱり先頭フォアボール出すとちょっと嫌な感じになるというのは、そういうことやんか。でも最終的にゼロで抑えるいうことが仕事やからさ。相手も打ちにきてるのに毎回3人で抑えられへんって」

◆一回に5連打されただけに素直には喜べない。それでも阪神・才木浩人投手(25)は立ち直った。6回92球を投げて8安打2失点の粘投。絶対に落とせない一戦で、勝ち星を自己最多の「11」に伸ばした。「いい流れを持ってこられるようにと思って投げていましたけど、初回マジ(連打が)止まんなかったんで、『いや止まんねえ、これ』と思いながら投げていました」ヒーローインタビューで才木らしく率直に振り返り、頭をかいた。一回1死から高卒2年目の浅野に151キロ直球を右中間にはじき返され、二塁打。モンテスに先制の中前打を許し岡本和、大城卓にも連打。吉川の二塁内野安打でさらにもう1点失ったが、なおも1死満塁のピンチで踏みとどまった。その後のベンチでは、安藤投手コーチを通じ岡田監督から「巨人打線はタイミングがあってるな」と指摘を受け、緩急をつけることで投球を立て直していった。二回は連打で無死一、二塁とされたが、無失点で切り抜けた。三回以降も巨人打線に的を絞らせず。0-2の六回、佐藤輝の逆転3ランが飛び出すと、ベンチから身を乗り出して喜んだ。「監督からは『お前、勝ち投手か』と言われました」。勝利のハイタッチの最中に岡田流のチクリとくるジョークも受け取ったが、自己最多を更新する11勝目を打線からプレゼントされた。台風10号の影響で、先発予定だった8月29日のDeNA戦(横浜)が中止となった。その前日の28日、岡田監督は外野の一角で、才木らと歓談していた。選手に直接話しかけるのは珍しい姿だったが、シーズンの佳境へ向け激励しているようにも映った。これまで何度もチームを救ってきた右腕が、将の期待通りにまたも2連敗で止めた。これで連敗中に登板した試合でチームは8戦全勝だ。「(連敗が)止まってるのはいいことですけど。きょうはテル(逆転弾の佐藤輝)、木浪さん(4点目の適時打)に勝たせてもらった。あざっす(ありがとうございます)という感じです」初のシーズン規定投球回まで「?」に迫り、飛躍を遂げたプロ8年目。残りは23試合。勝ちと内容にこだわり続けて駆け抜ける。(三木建次)

◆帰った途端に大復活! 阪神が30日ぶりの甲子園で巨人に4-2で逆転勝ちし、連敗を2で止めた。2点を追う六回に佐藤輝明内野手(25)が値千金の11号逆転3ラン。首位広島とは4・5ゲーム差で2位巨人に4差だが、チームは甲子園8連勝で、佐藤輝は甲子園11試合連続安打と勢いはある。甲子園100周年で始まった8月を11勝13敗1分けでフィニッシュ。大逆転の9月へ、甲子園から再加速する!!勝利の放物線は、とどろく大歓声に乗ってバックスクリーン左へと吸い込まれていく。有言実行の一撃が劣勢をはね返し、奇跡への機運を高めた。この男がひと振りで空気を変えた。甲子園に佐藤輝が帰ってきた。「本当にいいピッチャーから打てたのでうれしいです。チャンスだったので軽く捉えて、1点返せればいいかなという気持ちでいきました」起死回生の一発は0-2で迎えた六回2死一、二塁。2打席連続三振を喫していた戸郷の150キロ直球を捉えた。高々と舞い上がった白球。追いかけた中堅手・丸が打球を見上げる。逆転の11号3ラン。4万2594人の観衆から大歓声が沸き起こった。後半戦から取り組むのが右足を大きく上げないステップだ。コンタクト重視で導きだした新打法に、試合中止となった30日の練習後から「試合でちゃんと当たれば長打にはなる。そこを意識する方が大事」と手応え。そして一夜明け、軽く捉えて飛ばした逆転弾に「いい打撃ができた」とうなずいた。これでチームは甲子園8連勝、自身も同11戦連続安打と本拠地でめっぽう強い。「歓声が本当に力になる。すごいですね」有言実行弾でもあった。8月1日の巨人戦以来となった甲子園での一戦。久々の本拠地に台風10号の影響で横浜から緊急帰阪した29日には「戻って地の利をいかして頑張っていきたい」と語っていた。佐藤輝の言う地の利とはすなわち虎党の大歓声。チャンステーマと声援が鳴り響く打席で放った地の利弾。ひと振りで劣勢ムードを一変させ、「歓声が本当にすごかったですし、そのあとの4点目も本当に大きかった」と声を弾ませた。

◆梅野は六回、佐藤輝の3ランで3点を奪った後の2死一塁から右安打を放ち、木浪のダメ押し打につなげた。「すごく大きい1点だった。自分たちはこうやって後半はどんな形でも勝っていくしかない」。才木とバッテリーを組んでも、捕まった立ち上がりを受けて「カーブを使っていこうか」と二回以降は修正。連敗を止め、「なんとか2点でしのいだことが大きかった。いい粘りで勝ててよかった」と息をついた。

◆右すね付近に受けた死球の影響でベンチ外が続いていた前川は、8月24日以来4試合ぶりにスタメン復帰。「6番・左翼」に入ると六回、佐藤輝の逆転3ランの直後に戸郷から右前打を放ち、12打席ぶりとなる快音を響かせた。「タイミングもあまり合っていなかったので、どうしようかなと。そのまま流れに乗らせてもらおうと初球からいって、なんとか打てたので次につながる」とうなずいた。

◆一発では終わらない攻撃が巨人にダメージを与えた。つないでつないで最後は阪神・木浪聖也内野手(30)が〝5安打返し〟を締めくくる4点目の適時打。点差を広げる一打を放って右手を突き上げた。「次の1点が大事だって分かっていましたし、(前川)右京が出て、梅野さんもつないでくれたので。1点取れたら大きいと思っていた」森下の安打、大山の死球から佐藤輝の逆転3ランが生まれた六回。2死走者なしから前川と梅野が右前打で再び一、二塁を作り、木浪は戸郷のフォークを捉えて中前に飛ばした。一回に才木が2失点を喫した5連打のお返しのようなたたみかけで、戸郷をマウンドから引きずり下ろした。8月はクリーンアップの3人に次ぐ11打点で、打点を挙げた試合は5勝1敗。お立ち台では好機を生かす要因に「気持ちです」と答えた。試合前は緊張するタイプだというが、「そういう自分がいると分かってやるのが大事」と受け入れてプレーするのが木浪流の乗り越え方。己を知り、チャンスで力を発揮した。才木が一回に5連打を浴びた際はマウンドへ向かって声をかけた。「ちょっと焦っていたので、もっと落ち着いていけよって声をかけました」。逆転した直後、七回に石井が先頭に四球を与えた際もすぐマウンドに向かった。「人によってどんな声をかけたらいいかは考えています。その一言でピッチャーは変わると思っているので」と普段から話すようにこの日も細やかな気配りを欠かさず、奪ったリードを守るため全力を尽くした。「応援の声がすごく耳に入ってきますし、やっぱり甲子園はいい球場だなと思いました」聖地の後押しを受け、連打で波に乗ってつかんだ1勝。この白星を、セ界を飲み込む大きな勢いに変えていく。(邨田直人)

◆森下が逆転劇の口火を切った。六回2死から「4、5番に得点圏でも打率が高いバッターたちが続くので、なんとしても(塁に)出なきゃなと」と9試合連続安打となる中前打を放って出塁。佐藤輝の逆転3ランにつなげた。七回1死二塁でも左前打を放って甲子園での打率は・318に上昇。得点圏打率もリーグ1位の「・349」となり「甲子園に戻ってきて最初のゲームでジャイアンツ戦に勝てて、こういう勝ち方ができたのはより良かった」と胸を張った。

◆岩崎が九回を締めて4試合連続無失点。1死から代打の長野に中前打を浴びたが、続く丸をスライダーで二ゴロ併殺に打ち取った。甲子園では7月28日以来となるセーブで今季21セーブ目。通算500試合登板にも残り6試合とカウントダウンに入っている。「明日も頑張ります」と短い言葉に力を込めた。

◆一発で暗転した。巨人は逆転負けで、広島と入れ替わって2位に後退した。阿部慎之助監督(45)は2点リードの六回、戸郷が佐藤輝に浴びた逆転3ランに言及した。「全員が野球の怖さをきょう、知ることができた。すごく怖いなと思いながら」。中8日で先発した戸郷は、阪神打線を五回までわずか1安打に封じるも、六回2死から乱調。安打、死球で走者を背負って佐藤輝に低めの直球をバックスクリーン左へ運ばれた。5月にノーヒットノーランを達成したマウンドでKOされたエースは六回途中6安打4失点で7敗目。「あの球はいい球ではなかった。そら、打たれるなと。それまで良かっただけに、もったいなかった」と悔しさをにじませた。流れが相手に渡った原因は攻撃面にある。一回に19歳の浅野から5連打で2点を先制するも、二回以降は再三の得点圏で凡退。指揮官は「そこが一番だと思う。あれだけヒットを打っても(10安打)結果的に2点しか入らなかった」と険しい表情だった。試合のなかった8月29日に約1カ月ぶりに首位浮上となったが、再び0・5ゲーム差で追う立場に。一戦必勝の色が濃くなってきた。(谷川直之)

◆またひとつ、記録を超えた。阪神・近本光司外野手が(29)が七回に内野安打を放ち、入団6年目までの通算安打数単独2位に躍り出た。「勝つためにヒットを重ねるだけ。勝つためのヒットを打ちたい」先頭で代わったばかりの左腕、井上の初球を二遊間にはじき返すと、二塁・吉川は止めることしかできず。青木宣親(ヤクルト)を抜く通算906安打とした。上には長嶋茂雄の926本のみで、ノルマは残り23試合で20本となった。さらに、この一打で2020年8月に記録した自身最多を更新する月間39安打。シーズン133安打も首位長岡(ヤクルト)とは1本差の2位で最多安打も射程圏内だ。「逆転はすごく大きいし、きょうは勝ってよかった」。好調のリードオフマンが、逆転Vへ虎打線を引っ張っていく。(中屋友那)

◆この勝ち方を見たら、もうアレンパは間違いない。8月1日以来の甲子園。あの日は誕生100年のセレモニーでメッチャ盛り上がり、猛虎打線が戸郷を粉砕して、巨人に3連戦3連勝。首位広島とは0・5ゲーム差の3位だったが、8月の巻き返しの予感が確信に変わり、Vロードがはっきり見えた...気分になってものだ。あれから1カ月。忘れよう。長期ロードは幻だったのだ。さあ、猛反撃の幕開け-。試合前のこと。バックネット裏スタンド下の通路。巨人・阿部監督を囲んで取材するG番記者の軍団とすれ違った。全員が満面の笑みだ。ちょっと悔しくなってしまった。今に見ていろよ! ブツブツとつぶやいていたが、試合後にこんな痛快ドラマが待っているとは。虎党を辞められないのは、こういう試合をしてくれるから。迷走する台風に振り回されてきた1週間だった。〝厄介者〟は近畿地方のすぐ近くまで来ていたはずだが、朝方の豪雨がウソのように、晴れ間がのぞき、夕刻には強い日差しがグラウンドを照らしていた。ホームの阪神は室内練習場で打撃練習。ビジターの巨人はどうするんだろうか? 十分に屋外で練習できそうな状況に映った。が、こちらも室内練習場に移動。甲子園の土の上では、阪神園芸が名人芸のグラウンド整備をずっと継続していた。ということは、お分かりですね。台風が日本列島にいまなお爪痕を残し続けている中で、甲子園はベストコンディションで伝統の一戦を迎えることができた。みんな力でもぎとった1勝だ。

◆わ~、また出たァ!! 魔性の女ならぬ『魔性の虎』が...。これはタチ悪いでェ! 「アカ~ン、もうダメや! 何しとんの~ハ~ア...諦めたわー!!」(怒り&涙)とソッポを向いた途端、ミラクル勝利や快進撃を見せ「そーや! まだいけるやんかァ!! やっぱ虎大好きやー???」と思ったら...この先はあえて口を閉ざします。子供の頃から何度振り回されたことか...。本日がまさにその典型的な試合じゃないのさ。長い長いロードを終え、やっと待望の甲子園に戻ってきたと思ったら、エース才木が一回いきなり2失点ってあるか~!! てか、猛虎打線は火を吹くどころか煙も立たず巨人戸郷に五回までわずか1安打...。これじゃ戸郷のピッチングショーやないかァ!! と敗戦を覚悟していたら(スミマセン)、六回に佐藤輝の逆転3ランが飛び出した!!しかも、初球ド真ん中の球を空振りして「アホかァ! それ打たんで何打つんや!!」と罵声を浴びせた直後、低めの最も難しい球をスタンドインて...この猛虎の伝統ともいえるアマノジャクぶりは何なのさ? よって虎党の皆さん、これからは期待しない応援(?)でいこーぜ!!

◆阪神は崖っぷちから、息を吹き返した。ここで負けていたら、さすがに厳しくなっていた。昨年王者の面目を保ったね。それも六回、きっちり抑えられていた戸郷に対して、2死走者なしから突如、集中打を浴びせて4点。いい勝ち方だ。逆に巨人は一回、5連打を放ちながら2点止まり。あそこでこそ4点、5点と一気にたたみかけないと。少し点が入ると、大振りのクセが顔をのぞかせる。二回も戸郷の左前打など2安打しながら、後続がない。三回以降は一転して、打てなくなる。いまの巨人の弱みだよ。台風10号の影響で2試合を流し、ようやくゲームを迎え、幸先よく先取点。すんなり、すっきり勝っておけば、そのまま走っていけそうかなと踏んでいただけに、もどかしい。くれぐれも、ノロノロと停滞して迷走する...などということがないように。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆巨人・大城卓三捕手(31)が8月23日の中日戦(東京ドーム)以来、9日ぶりに一塁で先発する。前日腰痛でベンチ入りメンバーを外れた坂本勇人内野手(35)は、ベンチスタートとなった。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
広島
61485 0.560
(↑0.004)
-
(↓0.5)
29342
(+7)
292
(-)
47
(+2)
50
(+1)
0.239
(↑0.001)
2.250
(↑0.02)
2
(1↓)
巨人
62506 0.554
(↓0.005)
0.5
(↑0.5)
25362
(+2)
321
(+4)
64
(-)
49
(-)
0.242
(-)
2.590
(↓0.02)
3
(-)
阪神
59556 0.518
(↑0.005)
4.5
(↑0.5)
23390
(+4)
355
(+2)
53
(+1)
34
(-)
0.237
(-)
2.500
(↑0.01)
4
(-)
DeNA
57572 0.500
(-)
6.5
(-)
27419
(-)
408
(-)
85
(-)
53
(-)
0.256
(-)
3.080
(-)
5
(-)
中日
50628 0.446
(-)
12.5
(-)
23311
(-)
385
(-)
52
(-)
35
(-)
0.239
(-)
2.830
(-)
6
(-)
ヤクルト
47654 0.420
(↓0.003)
15.5
(↓0.5)
27404
(-)
461
(+7)
79
(-)
53
(-)
0.238
(↓0.002)
3.750
(↓0.01)