ヤクルト(★2対5☆)巨人 =リーグ戦18回戦(2024.08.27)・明治神宮野球場=
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巨人
3001100005801
ヤクルト
0000200002810
勝利投手:山﨑 伊織(9勝5敗0S)
(セーブ:大勢(1勝1敗22S))
敗戦投手:吉村 貢司郎(5勝8敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(21号・5回表ソロ)

  DAZN
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◆巨人が3連勝。巨人は初回、3本の適時打で3点を先制する。その後は、4回表に丸が適時打を放つと、5回には岡本和のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・山崎伊が5回2失点と試合をつくり今季9勝目。敗れたヤクルトは、先発・吉村が誤算だった。

◆若者を中心に幅広い世代から大人気のロックバンドTHE ORAL CIGARETTESが、始球式に登板した。マウンドに立ったヤクルトファンのボーカル・山中拓也が右から投じたボールは、真ん中高めに浮いた。背番号32は自身の誕生日。「本当にライブやるよりも緊張して、もうなんか一瞬真っ白になったんですけど、投げた後にムーチョ(中村)選手がナイスって言ってくれたんで、それでなんか一気にやってよかったなという気になりました」と振り返った。THE ORAL CIGARETTESは、奈良県発の4ピースバンド。山中自身、昔は近鉄バファローズファンだった。少しの間、野球から離れた時期もあったが、友人からの勧めでヤクルトの試合を見て、一気にはまったという。「ちょうど村上選手が出てきたタイミングやって、村上選手見て、うわ、なんかこれぞ4番みたいなバッターがまた出てきてる。かっこいいって思って、そこからヤクルトの試合見てたら、全員好きかもってなって、もうそっからずっと応援しています」と笑った。ちなみに公式ファンクラブにも4年前から入会済みだと言い「(一番高い年会費の)プラチナ会員です」とアピールも忘れなかった。チームは最下位に低迷し、25日には自力でのクライマックスシリーズ(CSI)進出の可能性が消滅した。そんな中でも、山中は「打線もすごく僕は調子がいいと思って見ていますし、絶対にやってくれると思っているので、僕たちは応援しております」とエールを忘れなかった。

◆ヤクルト高津臣吾監督(55)が、2週続けて初回に3失点した先発吉村貢司郎投手(26)に苦言を呈した。「今日のゲームにしても、もちろん大きな3失点ですけど、今週の54イニングっていう風に考えたスタートの最初のイニングですからね。重くはなりますね。雰囲気的にもね。まだ初回だからって言うんじゃなくて、野球は2回から始まるんじゃなくて、初回から始まるので。表現が合ってるかわかんないですけど、腕がちぎれるぐらいは全力で0に抑えに行ってほしかったなと思いますね」とため息をついた。巨人先発山崎伊を引き合いに出し「コントロールを身につけなきゃいけないですね。まずそこに投げられるコントロールであったり。今日なんて変化球がほとんど抜けていたので、横から見ててもその辺は山崎投手とね。なんていうのかな、指のかかりというか、変化球に対しての指のかかりっていうのはもう明らかに違って見えたので、コントロールに苦しんでるんだろうなと思って横から見てましたけど」と言った。期待しているからこそ、言葉も自然と厳しくなる。「毎回初回に3点取られて2回からスタートみたいになってしまうので、立ち上がりはそんなに悪いとは思わないんですけどね。まあ、いろいろ考えることも、精神的な見えない部分もね、いろいろあるのかなと思いますけどね。でもそうやってそういうところでくじけてたらね、体もそうですけども、心も強くなっていかなきゃ。どんどんこう、チームを支えていく1人になれないのかなと思いますけどね」と奮起を求めた。▽ヤクルト吉村(初回に巨人浅野への死球から3失点)「結果的にもったいないことをしちゃったなと思います」

◆巨人山崎伊織投手(25)が苦しみながら9勝目をもぎ取った。5回までに8安打を許すも2失点で踏ん張り、リリーフ陣につないだ。「苦しかったです」と開口一番。初回に3点の援護をもらいバックにも助けられた。「何とか逆転されないように必死に投げました。最低限だと思うんですけれど、勝てたので次の試合に向けて反省したい」と引き締めた。

◆巨人浅野翔吾外野手(19)がプロ初死球にもん絶した。1回1死、ヤクルト吉村の直球が左手首付近に直撃。思わず大きな声が漏れ、ヒヤリとさせたがプレーを続行した。続くモンテスの左中間適時二塁打で先制のホームを陥れた。だが、バットからは快音は聞こえず、2戦連続の無安打。6回の守備からベンチに退いた。死球の影響について二岡ヘッドコーチ兼打撃チーフコーチは「大丈夫、大丈夫」と話した。

◆ヤクルトの15年ドラフト1位の原樹理投手(31)が、約2年ぶりの1軍登板を果たした。4点を追う5回から2番手としてマウンドへ上がった。岡本和に1発を許したが、2イニングを1安打1失点に抑えた。上半身のコンディション不良で昨季は1軍登板なし。22年10月3日DeNA戦(神宮)以来の1軍の舞台。先発調整を続けていたが、今季途中から中継ぎへ配置転換。「特段、特に緊張するとかはなかった。もっとするかと思ったんですけど」と淡々としていた。いつも以上に力が入ることもなかった。「別に特に、それはなかったですね。意外と落ち着いてはいました」と冷静だった。投球自体については「これからってところですかね。もっとしっかり腕を振って、これからも投げていけたらなって思っています」と、ブラッシュアップしていく。久しぶり立った神宮で、耳にしたファンの大声援。「久しぶりにこんなに人が入ったところで投げたので。感慨深いところはありました」とうなずいた。残り29試合。少しでも多く、登板機会を増やしていく。

◆いざ、奪首へ。主砲の巨人岡本和真内野手(28)が力強く打線をけん引し、ヤクルトに先勝した。5戦ぶりの21号ソロを含む2打点の活躍。シーズン65打点まで積み上げ、ヤクルト村上に並びリーグトップタイに躍り出た。先発山崎伊織投手(25)は5回8安打2失点で粘り、9勝目をマーク。チームは3連勝で首位広島とゲーム差なしに急接近。次戦にも7月31日以来の首位浮上が見えてきた。神宮で岡本和のバットは自然と神がかる。5回1死、カウント2-2から高めへの148キロの直球を強振。オレンジ色に染まった左翼スタンドへ吸い込まれた。「打てる球がきたら打とうと思ったんで。打ててよかった」。セーフティーリードの5点差に突き放す21号ソロは、自然体で出たスイングだった。初回にはモンテスの先制打の直後、なおも1死二塁で左翼線に適時二塁打を放ち、この試合2打点で65打点に積み上げ、リーグトップに並んだ。毎年のようにスケールアップを図るからこそ、ここぞの場面でバットに神が宿る、のかもしれない。20年オフ、西武中村から「高めの打ち方」に「ステップを小さく」といわれた通りの1発だった。打席の外に踏み出すこともある左足は、小さく刻み、腰の高さをキープ。連動するように出たバットが大きなアーチを生み出した。「僕が打てるのが一番いいのかもしれないですけど。誰かが打てなかったら、誰かがカバーしてやっていきたい」。その精神が、チーム本塁打63本のうち3分の1を量産する。積み重ねるのは、数字に直結する技術だけにとどまらない。21日広島戦では試合前練習でジャンケンの挑戦状をたたきつけてきた小学生に負け続け、試合では「運を残していた」と20号3ラン。この日は「僕は普通に毎日、徳を積んでいるんで。日々の積み重ねです」とニヤリ。神宮では打率4割8分3厘、11打点、5本塁打、出塁率5割8分3厘といずれも敵地最多をマークするほど抜群の相性を誇る。ヤクルト村上を2本差で追う本塁打含む打撃2冠も、自然と見えてきた。広島が敗れたため、チームはゲーム差なしで再び追い込んだ。「直接対決まで離されないようにすること。(6試合)残りマツダなんで、そこを勝てるように、そこまで離されないようにしたいです」。神宮では今季残り3試合。神通力を発揮する。【栗田成芳】▽巨人阿部監督(5得点で3連勝も)「形はつくれたんだけどね。終盤7、8、9回でちゃんと送るところだったり、そういうのができなかった。勝ったからいいものの、そういうのは個々が反省してほしい」

◆巨人・グリフィンが28日のヤクルト戦に先発する。前回21日の広島戦(東京ドーム)では7回1失点の力投も勝敗はつかなかった。今季4度目の対戦となる燕打線から7月20日以来、5試合ぶりとなる6勝目を狙う左腕は「状態が良くなるようにやってきた。安定した投球ができるようにしたい」と気合を入れた。

◆28日の巨人戦に先発するヤクルト・サイスニードは、短距離ダッシュなどで調整した。来日4年目の今季は19試合で2勝6敗、防御率4・40。チームは自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅しているが「最後まで一試合一試合集中して、チーム一丸となって戦っていくことが大事だと思う。チームの力になれればと思っている」と勝利を呼び込む好投を誓った。

◆巨人・岡本和真内野手(28)が4-0の五回に5試合ぶり、8月5本目となる21号ソロをマークした。五回1死で、ヤクルト2番手の原が高めに投じた直球を高く打ち上げ、G党が待つ左翼席へ運んだ。この日は一回に適時二塁打を放っており、この時点で2打点を記録。打点リーグトップだったヤクルト・村上を目の前で抜く65打点目を刻んだ。本塁打も同トップ・村上に2本差に迫り、DeNA・オースティンと並んだ。

◆「1番・遊撃」で先発したヤクルト・長岡が、連続試合安打と連続試合出塁を伸ばした。一回の第1打席は二ゴロに倒れたが、三回1死の第2打席で左前打とし、15試合連続安打、18試合連続出塁をマーク。最近の状態について「本当にいいスイングが継続できている」と口にする22歳が好調を維持している。

◆初めて足を踏み入れた神宮球場で持ち前の勝負強さを発揮した。「3番・左翼」で出場した巨人・モンテスが、一回に6試合連続安打となる先制の適時二塁打を放った。「甘い球をミスショットせずに捉えることができた。先制することができてよかった」一回1死一塁で回ってきた第1打席。ヤクルト先発・吉村が投じた直球を左中間にはじき返した。8月23日の中日戦(東京ドーム)以来、3試合ぶりの打点に塁上ではチームに浸透しているYの文字をつくる〝ワイワイポーズ〟を見せた。7月に加入した助っ人は、左手首を骨折したヘルナンデスに代わり、8月17日のDeNA戦(横浜)から3番に座る。「エリー(ヘルナンデス)の今までの活躍を考えるとチームにとって痛い」。練習や移動などでともに時間を過ごすことが多かった戦友の思いも背負って打席に立っている。3番では試合前までで打率・344をマーク。「3番に座れるのはうれしいこと。他の打順であったとしてもチームに貢献できるような打撃を心がけていきたい」。自身の先制打を皮切りに一回に3得点を挙げた。出場機会を求めて、自ら外野に挑戦する助っ人が〝代役〟の3番打者として存在感を放った。

◆燕の正捕手が戦列に戻ってきた。下半身のコンディション不良により、2軍で調整していたヤクルト・中村が、1軍に復帰。「8番・捕手」で先発マスクをかぶり、神宮のファンに元気な姿を見せた。試合前には「いろんな人の協力のおかげで、早く合流できた。残りの試合、全力で戦いたい」と話していた扇の要。四回2死一塁で迎えた第2打席には右前打を放った。中村は6日の阪神戦(神宮)の六回1死に左前打を放ち、次打者の二ゴロで二塁へ進塁する際に下半身に違和感を覚えた。翌7日に出場選手登録を外れてリハビリ。23日のイースタン・リーグ、楽天戦(戸田)で実戦復帰すると、ファームで2試合をこなし、万全の状態で帰ってきた。離脱中も1軍の試合はチェックしており、「見られるときは毎日、見ていました」。映像では見られないときも「野球速報のアプリで毎日、一球一球チェックしていた」という。チームは25日に30試合を残して、自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅したが、プロ16年目の正捕手は「とにかく勝てるように。勝ちたいので、それに向かって努力したい」。前を向いて戦い続ける。

◆巨人が3連勝。一回にモンテスと岡本和の連続適時二塁打などで3点を先制し、四回は丸の適時打、五回は岡本和の一発で加点した。山崎伊は2点返された五回以外は粘り、継投も決まって9勝目を手にした。ヤクルトは吉村が崩れた。

◆セ・リーグ2位の巨人が3連勝し、中日に敗れた首位・広島とゲーム差なしとした。阿部慎之助監督(45)は勝利にも笑顔はなかった。一回に浅野の死球から始まった好機でモンテス、岡本和、吉川が適時打をマークし、3点を先取。岡本和の21号ソロなどで加点したが、3点差に詰め寄られた終盤は、八回無死一塁で岸田が、九回無死一塁で代打・増田大がバントを失敗し、得点につなげられなかった。指揮官は「終盤7、8、9回でちゃんと送るところだったり、そういうのができなかったから。勝ったからいいものの、そういうのは個々が反省してほしいなと思います」と、終盤の拙攻に浮かない表情だった。

◆ヤクルトは序盤からリードを奪われ、2連敗で借金が今季最多の16に膨れた。先発の吉村貢司郎投手(26)が、2週連続で初回に3失点するなど4回6安打4失点で8敗目(5勝)。火曜日は8試合で0勝6敗とまたも〝火曜日の壁〟は打ち破れなかった。打っては今季初昇格となり、「6番・右翼」で先発した沢井廉外野手(24)が五回2死一、三塁から二塁への適時内野安打を放った。高津臣吾監督(55)の主なコメントは以下の通り。――先発の吉村は初回の3失点が重かった「今日のゲームにしてももちろん大きな3失点ですけど、今週のね、54イニングという風に考えたスタートの、最初のイニングですからね。まあ、重くはなりますね。雰囲気的にもね。まだ初回だからっていうんじゃなくて、野球は二回から始まるんじゃなくて、初回から始まるので。表現が合ってるかわかんないですけど、腕がちぎれるぐらい全力でゼロに抑えにいってほしかったなと思いますね」――一回、2人目の浅野に死球を当ててから内側が攻めづらかった「11球目でぶつけちゃったので、もうそっから偏った感じになりましたね」――本人もメンタル的な怖さだったりとか、配球もいろいろあると思うが「コントロールを身につけなきゃいけないですね。まずそこに投げれるコントロールであったり。今日なんて変化球がほとんど抜けていたので、横から見ててもその辺は(巨人の)山崎投手とね。なんていうのかな、指のかかりというか、変化球に対しての指のかかりっていうのはもう明らかに違って見えたので、コントロールに苦しんでるんだろうなと思って横から見てましたけどね」――火曜日は吉村もなかなか勝てていない「全ては初回ですね。もう今日もそうだし、今週どんな週になるかわかんないですけども、入り方としては非常に悪い初回だったですね。四死球から長打2本ですからね。長打2本と一塁空いているといっても、2アウトからのセンター前もすごく大きかったと思いますけどね」――打つ方は中盤に2点を返した。その1点は沢井が打った「まだまだかなという感じはしますね。まだ1軍の配球というか、もう明らかな表の配球をくるくる回ってましたので、まだ勉強するところはたくさんあるかなと。ただ、今はそうやってアグレッシブに仕掛けていくことがすごく大事なことだと思うし、そうやって失敗していろいろ覚えていくんだろうなと思って見てますけどね。大きなチャンスだと思うので、ぜひ生かしてほしいなと思いますけど」――大けがを乗り越えていというところも来年に繋がる打席だった「まだ100パーセントの状態ではないので、あの状態を見ながらやっていくつもりです。あれだけのけがをしてしまったので、8月の終わりにね、やっと1軍に上がれましたけれども、そういう辛いところも大きくなって帰ってきてるもんだと信じているので、まだまだこれから長く続く野球生活ですから、いろんな苦難に耐えながら成長してってほしいなと思います」

◆巨人の山崎伊が5回2失点で9勝目を挙げた。20日の広島戦で4回7失点と打ち込まれるなど、オールスター戦の後は1勝3敗と苦しんでいた。8安打されながらも大量得点は許さず「後半戦は粘れていなかった。もう一回気持ちを入れ、粘って頑張ろうと思った」と胸をなで下ろした。2年連続の2桁勝利にあと1勝。「投手としてもっと頑張らないといけない」と意欲を口にした。

◆プロ9年目のヤクルト・原樹理投手(31)が694日ぶりに1軍マウンドに上がった。0ー4の五回に2番手で登板。1死から岡本和に左翼席へのソロを許したが、粘り強く投げ2回1安打2四球で1失点に抑え、「これからってところですかね。もっとしっかり腕を振って、これからも投げていけたらなって思っています」と振り返った。昨季は故障の影響もあって1軍登板はなし。2022年10月3日のDeNA戦(神宮)以来となる1軍舞台で、本拠地のファンの歓声を浴び「もっと緊張するかと思ったんですけど、特に緊張することはなかった。久しぶりにこんなに観客が入ったところで投げて、感慨深いところがある」と噛みしめた。

◆今季初めて1軍に昇格したヤクルトの2年目・沢井廉外野手(24)が「6番・右翼」で先発出場。右膝の故障を乗り越え、今季初安打と初打点をマークした。二ゴロ、空振り三振と2打席凡退して迎えた五回の第3打席。2死一、三塁の好機で、「なんとか食らいついていこうという気持ちで入った」と山崎伊のフォークボールをたたいて、二塁への適時内野安打を放った。執念を見せ、3打数1安打1打点。「やることをやろうと決めていた。内容は満足いってないですけど、1つヒットを打てたというのは、これからいろんなことを考えられる余裕が生まれたと思います」とうなずいた。昨年10月のみやざきフェニックス・リーグ、ソフトバンク戦(西都)の守備で長岡と交錯し、右膝を負傷。車いす生活も経験し、リハビリは「立つ練習。体重をちょっとずつ乗せる練習から」スタートした。「1軍の舞台で戦うっていう気持ちを強く持っていた。そこしかなかった。早く結果を出して、スタメンになってという気持ちでした」と1軍への強い思いを励みにリハビリを乗り越えて、結果を残し「(けが)直後はやっぱり先が見えないというか、長いリハビリになるなと思った。不安や心配があったけど、いろんな方に支えてもらって、課題をつぶしていけた。これからその経験を生かしていきたい」と前向きに話した。

◆またも初回に失点し、またも火曜日に勝てなかった。リーグ最下位のヤクルトは敗戦し、借金が今季最多を更新する16に。高津臣吾監督(55)は初回の3失点に厳しく言及した。「今日のゲームにしてももちろん大きな3失点だけど、今週のスタートのイニングですから。重くなる。雰囲気的にも。腕がちぎれるぐらい全力でゼロに抑えに行ってほしかった」〝火曜日の壁〟はまたも破れなかった。先発の吉村は、一回1死で浅野に死球を当ててから配球が偏り、モンテス、岡本和の連続長打、吉川の中前適時打を浴びて、2週連続で初回に3失点。8敗目(5勝)を喫したが、火曜日の登板に限れば8試合で0勝6敗と苦しい状況が続く。「全ては初回。入り方としては非常に悪い初回だった。何かを変えないと」と高津監督。チームに勢いをもたらすか、ブレーキをかけるか。次回こそ最高なスタートを切りたい。(赤尾裕希)

◆巨人は27日、ヤクルト18回戦(神宮)に5-2で勝利し、中日に敗れた首位・広島にゲーム差なしと迫った。主砲の岡本和真内野手(28)が4-0の五回、左翼席へ5試合ぶりの21号ソロを放つなど、2安打2打点でチームを3連勝に導いた。打点を65に伸ばし、ヤクルト・村上宗隆内野手(24)と並んでリーグトップに立った。負けられない戦いが続く中、不動の4番が阿部巨人を引っ張る。貫禄の一発だ。神宮の夜空に大きな放物線を描いた。4-0の五回に岡本和が左翼席へ21号ソロ。本塁打、打点でタイトルを争うヤクルト・村上の前で、主砲の矜持(きょうじ)を示した。「打てる球が来たら打とうと思っていた。僕が打てるのが一番良いけど、チームが勝てば良い。誰かが打てなかったら誰かがカバーして、というふうにやっていきたい」カウント2-2から原が投じた高めの直球を振り抜いた。5試合ぶりの一発。一回の左翼線への適時二塁打と合わせて2安打2打点の活躍で、チームを3連勝へ導いた。本塁打はヤクルト・村上に2本差に迫り、打点を65に伸ばし、村上と並んでリーグトップに立った。燕に無類の強さを誇る。今季21本塁打のうち、7本をヤクルトから記録。開幕から4番を務めた2019年から6年連続(7本、11本、10本、9本、10本)で、球団別最多の本塁打を放っている相手だ。得意の〝燕撃ち〟で量産モードの予感を漂わせた。

◆またも初回に失点し、またも火曜日に勝てなかった。リーグ最下位のヤクルトは敗戦し、借金が今季最多を更新する16に。高津臣吾監督(55)は初回の3失点に厳しく言及した。「今日のゲームにしてももちろん大きな3失点だけど、今週のスタートのイニングですから。重くなる。雰囲気的にも。腕がちぎれるぐらい全力でゼロに抑えに行ってほしかった」〝火曜日の壁〟はまたも破れなかった。先発の吉村は、一回1死で浅野に死球を当ててから配球が偏り、モンテス、岡本和の連続長打、吉川の中前適時打を浴びて、2週連続で初回に3失点。8敗目(5勝)を喫したが、火曜日の登板に限れば8試合で0勝6敗と苦しい状況が続く。「全ては初回。入り方としては非常に悪い初回だった。何かを変えないと」と高津監督。チームに勢いをもたらすか、ブレーキをかけるか。次回こそ最高なスタートを切りたい。(赤尾裕希)

◆巨人・岡本和の打撃は、明らかに上向いている。一見して気付いたのは、構えるとき、両肘を絞り込んでいることだ。必然的に両脇も締まる。だからバットが遠回りすることなく、体の近く、内側から振り抜ける。「インサイド→アウト」とよくいわれる。最短距離でボールをとらえ、パワーも無駄なく、集約されて伝わるのだ。一回は外角低めのカーブを左翼のライン際に二塁打。五回には、真ん中から内角へ入ってくる高めのシュートを左翼本塁打。特にこの本塁打は、いかにもファウルになりそうな球種、コース、高さだった。インサイドからスイングできているため、打球が切れず、飛距離も出るわけだ。この打撃を続ければ、本塁打も打点の数も、ますます伸ばすだろう。そうなると、優勝争いはもちろんのこと、村上との2冠争いも面白い。20年以降は、昨年打点王の牧(DeNA)以外、岡本和と村上で2冠を奪い合っている。球史でまれな日本選手同士の連続タイトル争い。互いに刺激し、高め合って、シーズン最終盤を充実の日々にしてもらいたい。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
59475 0.557
(↓0.005)
-
(-)
32332
(+1)
286
(+2)
45
(-)
49
(+1)
0.238
(↓0.001)
2.260
(↑0.01)
2
(-)
巨人
61496 0.555
(↑0.005)
0
(↓1)
27357
(+5)
315
(+2)
63
(+1)
49
(-)
0.241
(-)
2.580
(-)
3
(-)
阪神
58546 0.518
(↓0.005)
4
(-)
25384
(+4)
350
(+10)
51
(-)
34
(-)
0.237
(-)
2.500
(↓0.06)
4
(-)
DeNA
56572 0.496
(↑0.005)
6.5
(↑1)
28416
(+10)
406
(+4)
84
(-)
52
(+2)
0.256
(↑0.001)
3.080
(-)
5
(-)
中日
49618 0.445
(↑0.005)
12
(↑1)
25305
(+2)
382
(+1)
49
(-)
34
(-)
0.238
(↓0.001)
2.860
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
47634 0.427
(↓0.004)
14
(-)
29402
(+2)
451
(+5)
79
(-)
53
(-)
0.240
(-)
3.750
(↓0.01)