阪神(★2対5☆)ヤクルト =リーグ戦19回戦(2024.08.22)・京セラドーム大阪=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:大西 広樹(7勝1敗1S)
(セーブ:小澤 怜史(4勝6敗3S))
敗戦投手:桐敷 拓馬(3勝1敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(13号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆ヤクルトは1-1で迎えた5回表、村上が適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功する。その後同点を許すも、9回に代打・山田とオスナの適時二塁打で3点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、3番手・大西が今季7勝目。敗れた阪神は、4番手・桐敷が誤算だった。

◆阪神がスタメンを入れ替えた。「6番左翼」には前川右京外野手(21)に代わり島田海吏外野手(28)を起用。スタメンマスクは坂本誠志郎捕手(30)がかぶる。坂本は21日に1軍再昇格してから初のスタメンとなった。先発は青柳晃洋投手(30)。5月31日のロッテ戦以来、約2カ月半ぶりの1軍マウンドで今季2勝目なるか。

◆阪神島田海吏外野手(28)が先制打でスタメン起用に応えた。2回無死一塁、ヤフーレの149キロ直球を捉え、右翼へ長打コースの当たり。これで一塁走者大山悠輔内野手(29)が一気に生還した。島田も三塁へ。スライディングし左手でベースを触ろうとしたが、勢いそのままベースから手が離れてしまった。さらに体勢を立て直し右手でタッチ。ヤクルト三塁手の村上が島田にタッチし、アウトの判定となった。岡田監督はリクエストを要求するも判定は覆らず。島田と村上は九州学院(熊本)の先輩後輩同士。思わぬ「対決」に敗れたが、7月13日の中日戦以来となる先発で躍動した。

◆お笑いコンビ「アキナ」の山名文和(44)が始球式を務めた。試合は、ぴあ株式会社協賛「チケットぴあナイター」として行われた。頭皮に黒々と「アレンパ」と書き込んで登場。ストライクにはならなかったが、ノーバウンドで力強く届かせた。自己採点を聞かれ「厳しめに言っていいですか? 95!」とボケると、相方の秋山賢太(41)から「どこが厳しいねん」と突っ込まれた。6月のロケ中にスケートボードで転倒し、右肩甲骨を骨折。くしくも阪神木浪聖也内野手(30)がその数日後に死球で同じ箇所を骨折して、驚いたといい「すぐにつぶやいたんですよ。木浪選手頑張ってください、僕と同じ場所ですって。正直ね、酸素カプセルとか、めちゃめちゃいいと聞いていて。DMとかで教えようと思ったくらいなんですよ。それは、イキリすぎやと思って我慢しました。そうしたら木浪選手の方がめっちゃ早く治っていた(笑い)」と笑顔で振り返った。この日はファンである近本光司外野手(29)のユニホームを選択した。阪神ファンになったのは近年。「40歳すぎて、ちょっとおこがましいと思って。阪神ファンの方に対して失礼なんじゃないかと。今年、戸郷選手にノーヒットノーランされたとき、めり込むくらいの勢いでテレビの電源ボタン切ったんですよ。あのときに、妻のまきさんに『これだけの力で電源切ったってことは、俺、大ファンやわ』って。そこから公言していこうかなと思いました」と、宇都宮まきとのエピソードも披露した。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)がアクロバットなプレーで沸かせた。3回無死一塁。ヤクルト岩田のフライをグラブを伸ばしてキャッチ。そのまま強引に一塁へ送球し、ダブルプレーを狙った。惜しくも送球はそれたが、ダイナミックな動きにスタンドからは拍手が注がれた。さらに同点に追いつかれ、なおも2死一、二塁のピンチではオスナの三遊間へのゴロをダイビングキャッチ。すぐさま二塁へ転送しフォースアウトでピンチを脱した。この回の先頭長岡の同じような当たりにも飛びついたが、内野安打を許していた。リベンジをきっちり果たし、守備で存在感を示した。

◆阪神島田海吏外野手(28)が、守備で痛恨のミスを犯した。1-1で同点の5回1死。ヤクルト岩田の左翼前への当たりに前進。ノーバウンドで捕球できないと判断しワンバウンドでの捕球を試みたが、これを後逸した。記録はシングルヒットで三塁への進塁はエラー。これで1死三塁のピンチとなった。その後、2死三塁とすると、青柳晃洋投手(30)は村上に一塁へ打球をはじき返された。これを大山悠輔内野手(29)が捕球できるかに思われたが、止められず。打球は右翼線へ転々とし、勝ち越しの適時二塁打となった。青柳にとっては不運な形でリードを許した。

◆阪神島田海吏外野手(28)が2回無死一塁から、右翼線に先制の一打を放った。島田は俊足を飛ばして、一気に三塁へ。村上宗隆(24)のタッチより早く三塁にスライディングしたが勢い余って塁をオーバー。すぐさま頭から戻ろうとしたがタッチアウトに。記録は「二塁打」となった。公認野球規則には「長打を放った打者が、二塁または三塁を得ようとしてスライディングを試みたときには、進んだ最後の塁を確保して、初めて二塁打または三塁打と記録する。打者走者がオーバースライドして塁に戻る前に触球アウトになった場合には、打者走者が安全に確保した塁と同数の塁打を与える。すなわち(中略)三塁をオーバースライドして触球アウトになれば二塁打と記録する」とある。今回の島田はこれに当たる。ただし、そのあとに【原注】として「打者走者が二塁あるいは三塁をオーバーランして、その塁に戻ろうとして触球アウトになった場合には、打者走者が最後に触れた塁によって、その塁打を決定する。(中略)打者走者が三塁を踏んで通過し、引き返そうとして触球アウトになったときには、三塁打が与えられる」とある。簡単に言えばオーバーランなら三塁打、オーバースライドなら二塁打になる。塁の「確保」とはある程度の余裕を持って、その塁に1度到達していることが条件。さらに次の塁を狙う判断を途中でやめて、帰塁を試みる行為が「オーバーラン」となる。それに対して「オーバースライド」はあくまで、当該の塁を奪いにいく中の流れと見なされるため、島田のようにたとえ1度はタイミング的には間に合っていても、三塁は「確保」できていないと見なされる。

◆阪神青柳晃洋投手(30)が約3カ月ぶりの1軍戦に先発し、6回7安打2失点と粘投するも、約4カ月ぶりの白星とはならなかった。初回から粘りの投球だった。先頭の長岡に中前打を許し、2四死球がからみ2死満塁のピンチを招くも、オスナを初球で一飛。3回も先頭の長岡を内野安打で出塁させ、1死からサンタナ、村上の連打で1死満塁とするも、宮本の左犠飛による1点のみにとどめた。5回は1死から左翼への安打を左翼島田が後逸し、一気に三塁まで進塁を許した。続くサンタナは空振り三振に仕留めたが、村上の右翼ライン際への打球を、一塁大山がグラブに当てるもはじき(記録は二塁打)、勝ち越しの走者の生還を許した。6回は1安打を浴びながら無失点に抑え、7回から左腕富田にスイッチとなった。青柳にとってこの日は、4回3失点(自責点2)で降板した5月31日ロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)以来の1軍マウンド。4月19日中日戦(甲子園)以来となる今季2勝目とはならなかった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(24)が5回に勝ち越し打を放った。1-1の2死三塁。今季の対戦成績が6打数2安打(1本塁打)の阪神青柳の初球を捉え、一塁強襲のエンタイトル適時二塁打。「打つ方のスタメンが頑張ってほしい」と訴える高津監督の期待に応え、貴重な勝ち越し点をもたらした。3回にも右前打を放ち、6試合ぶりのマルチ安打とした。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が、値千金の同点ソロを放った。1点ビハインドの8回2死。ヤクルト大西から左翼越えの13号アーチ。試合を振り出しに戻し、京セラドーム大阪を沸かせた。今季2度目の2試合連続本塁打。3連勝を目指すチームを再び勢いづかせた。

◆阪神が終盤に追いつくも競り負け、18日中日戦(バンテリンドーム)以来の黒星を喫し、同一カード3連勝とはならなかった。阪神は23日から広島との3連戦(マツダスタジアム)に臨む。先制は7月13日中日戦(バンテリンドーム)以来の先発となった島田海吏外野手(28)のバットから生まれた。2回無死一塁、ヤフーレの149キロ直球を捉え、右翼へ長打コースの当たり。これで一塁走者大山悠輔内野手(29)が一気に生還した。しかし、島田は三塁到達もオーバーランでアウトとなった。直後の3回、先発の青柳晃洋投手(30)が先頭の長岡を内野安打で出塁させ、1死からサンタナ、村上の連打で満塁のピンチを招き、宮本の左犠飛で同点に追いつかれた。粘投を続けるも、5回1死から岩田の左翼への安打を左翼島田が後逸し、一気に三塁まで進塁を許した。そして2死三塁から村上の右翼ライン際への打球を、一塁大山がグラブに当てるもはじき(記録は二塁打)、勝ち越しの走者が生還。6回7安打2失点と粘投するも、4月19日中日戦(甲子園)以来約4カ月ぶりの2勝目とはならなかった。好機であと1本が出ない状況が続いたが、1-2のまま迎えた8回、大山悠輔内野手(29)が左翼スタンドへ同点の13号ソロ。しかし直後の9回、この回から登板した桐敷拓馬投手(25)が2死二塁から代打山田に勝ち越しの中越え適時二塁打を献上。さらに2死満塁からオスナに右翼へエンタイトルツーベースを許し、さらに2点を失った。同一カード3連勝とはならなかったが、広島との直接対決で勝利し、ここからまたゲーム差を縮めたい。

◆阪神桐敷拓馬投手(25)が痛恨の失点を喫した。同点の追いついた直後の9回に4番手で登板。2死二塁から代打山田に中越えの適時打二塁打を許し、勝ち越し点を献上した。さらに2死満塁からオスナに2点適時二塁打。これでビハインドは3点となり、桐敷はここで降板した。京セラドーム大阪の阪神ファン一部が一斉に席を立ち始めた。今試合が12球団最多の53試合目の登板。頼みの左腕がツバメ打線につかまった。

◆/強く引っ張った\オーバーランでタッチアウトも#島田海吏 先制タイムリー3ベース岡田監督リクエストも判定そのまま?プロ野球(2024/8/22)??阪神×ヤクルト??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/tYz0A0d1ec

◆阪神が終盤に追いつくも競り負け、18日中日戦(バンテリンドーム)以来の黒星を喫し、同一カード3連勝とはならなかった。首位広島が勝利したため、ゲーム差は再び5に広がり、阪神は23日から広島との3連戦(マツダスタジアム)に臨む。阪神岡田彰布監督(66)は9回に3失点した桐敷拓馬投手(25)について「まあ、石井にしても、4日空くのも空きすぎなんかな、ちょっとな」と悩ましげ。また、練習中に腰を痛めたとみられる前川右京外野手(21)には「見とったやん、フリーバッティング」と話すにとどめた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。-桐敷はヤクルトに相性が悪い「あんまりよくないけど。まあ、石井にしても、4日空くのも空きすぎなんかな、ちょっとな」-間隔も空いていたからビハインドでも使えた「いや、1点差やから、そら行くよ。そんなん」-実際に追いついた「そんなん、1点差ではいかんと」-青柳は序盤は制球に苦しみながら「ああ、なんかなあ。コントロールやろな、やっぱりな」-粘り強くは投げた「うん、まあのう。ちょっとエラーとかもあったからなあ。なんとか抑えとったけどな」-ヤフーレは高めのゾーンを「いや今日よう取っとったなあ、ストライクなあ。まあ真鍋広いから、高めも取るからのう」-(練習中に腰をひねった)前川は「見とったやん、フリーバッティング」

◆阪神青柳晃洋投手(30)が1軍復帰戦で粘投した。6回2失点(自責1)。7安打を浴びながらも耐えた。5月31日のロッテ戦以来、約2カ月半ぶりとなる1軍登板で今季開幕投手としての意地を見せた。初回は安打と四死球で2死満塁。最後はオスナを一飛で切り抜けた。3回も1死満塁のピンチをつくったが、宮本の左犠飛による1失点にとどめた。5回は島田の失策もあり2死三塁。ここで村上の打球を一塁大山がグラブに当てるもはじき(記録は二塁打)勝ち越し点を献上した。「あの1点は海吏(島田)も気にすると思うので、あそこで取られてしまうのは申し訳ない」とくちびるをかんだ。「状態的には良くなかった」と振り返る。とりわけ「スライダーの精度」を課題に挙げた。岡田監督は「なんかなあ。コントロールやろな、やっぱりな」と指摘。一方で「まあのう。ちょっとエラーとかもあったからなあ。なんとか抑えとったけどな」と一定の評価は与えた。4月19日の中日戦以来、約4カ月ぶりとなる1軍勝利はならなかったが、次につながる94球だ。真夏の2軍生活は過酷だった。灼熱(しゃくねつ)の鳴尾浜で汗を流し続けた。炎天下でのピッチングでも「意図したアウトを取る」とブレずに目的を持ち続けた右腕。復活星へ、次の出番を待つ。【中野椋】

◆こんなところであきらめるつもりはない。阪神大山悠輔内野手(29)は思いをバットに乗せた。1-2の8回。大西の甘く浮いたスライダーを迷いなく振り抜き、左翼席に運んだ。13号ソロで追いついた。まだ同点だ。浮かれた様子は一切見せずにベース1周した5番打者は「いや、もう追いつくだけでしたし、そういう意味ではよかったと思いますけど...」と、淡々と振り返った。重い展開になっていた。2回に1点を先制。先頭大山のおっつけた右前打から始まった。阪神打線は好調だけに右腕ヤフーレを打ち崩すのも時間の問題と思われた。だが3回以降は決め手を欠き、青柳が踏ん張っている間に得点できず、ずるずると終盤まで進んでしまった。敗色ムードが漂い始めた8回の1発で息を吹き返したが、直後に勝ち越されて希望はついえた。大山のバットは上昇気流を描き続けている。2戦連発は今季2度目。マルチ安打は5試合連続となり、8月の月間打率は3割に乗った。7月の打率も3割ちょうど。2軍落ちの屈辱を味わった6月を底に、勝負の夏場でじわじわと本来の姿を取り戻してきた。あの暑い鳴尾浜で受けたノックの雨は忘れられない。高卒の若手と一緒に泥にまみれた。1軍復帰後もコンディションを保つため、綿密な準備と、試合前からの豊富な運動量をキープ。悔しさはすべて、残り29試合にぶつけるつもりでいる。「しっかり明日は、明日というかこれからは、勝ちにつなげられるように頑張りたいと思います」と大山。今日23日、広島に移動し、首位との3連戦。5ゲーム差。まだまだコイの背中は遠いが、それでも1勝ずつを積み重ねるしかない。23日先発の左腕玉村とは通算12打数5安打、打率4割1分6厘だ。まずは初戦に全力で挑む。【柏原誠】

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◆ヤクルトの頼れる主将が負の連鎖を断ち切った。代打の山田哲人内野手(32)が決勝打を放ち、連敗を3で止めた。2-2と同点の9回2死二塁。阪神の桐敷の直球にタイミングを合わせ、外野の前進守備を超える適時二塁打となる決勝打を放った。お立ち台に上がると「しっかり捉えられたので、よかったです。とにかくうれしい気持ちでいっぱいでした」と満足げに振り返った。狙い通りに仕留めた。「とにかく強引にならずにセンターの方向にという意識で、自分のイメージ通りに打てた」。今季初対戦となった桐敷に対しても動じない。「スコアラーの方に球種は聞いていたので。後は受け身にならず積極的にファーストストライクから攻めていこうという気持ちで行きました」と準備を尽くし、中堅の頭上を超える長打とした。今季は代打での起用も目立つ。慣れない役にも「(川端)慎吾さんとかの姿を見ていますし、準備不足が一番いけないなと僕自身も感じているので」と怠らない。そんな気持ちが、ここぞの場面で結果に結びついた。チームは8月に京セラドーム大阪で行われる阪神戦は、10年8月14日から18連敗中と苦手としていた。敗れれば今季最多の借金「16」の一戦でもあった。「やっぱり勝つということがすごい大事。負けていい試合なんてない」と山田。価値ある1勝に浸ることなく、本拠地でのDeNA3連戦へ気持ちを引き締めた。【平山連】

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が再三の好プレーでもり立てた。3回無死一塁では岩田のフライに対し、グラブを伸ばしてキャッチ。その後、2死一、二塁でオスナの三遊間へのゴロをダイビングキャッチ。二塁へ転送しフォースアウトでピンチを脱した。9回には増田の三塁線の打球に飛び込み素早く一塁送球。連続試合安打は「4」で止まったが、23日からの広島3連戦へ向け「1試合1試合集中してやっていきたい」と誓った。

◆阪神石井大智投手(27)が、自己最速を1キロ更新する155キロをたたき出した。8回に登板し、オスナ、武岡に対し計2球マーク。1死一、二塁のピンチをつくりながらも無失点で切り抜けた。「155キロを出しても打たれたら意味がないとまでは言わないけど、相手をどう抑えるか。レベルアップできるように頑張ります」と前を向いた。これで18試合連続無失点。「なんとか耐えて、一丸となって頑張りたい」と力を込めた。

◆阪神前川右京外野手(21)は出番がなかった。試合前のフリー打撃中に腰の違和感を訴えていた。もともと島田が左翼でスタメン予定で、前川はそのまま欠場となった。試合後、「試合に出られるように準備していきます。ちょっとおかしいなくらいだったので。ちゃんと明日からしっかり入っていけるように頑張ります」と、23日からは臨戦態勢に戻る。

◆阪神桐敷拓馬投手(25)が痛恨の失点を喫した。同点に追いついた直後の9回に4番手で登板。2死二塁から代打山田に中越えの適時打二塁打を許し、勝ち越し点を献上した。さらに2死満塁からオスナに2点適時二塁打。これでビハインドは3点となり、桐敷はここで降板した。京セラドーム大阪の阪神ファン一部が一斉に席を立ち始めた。3失点は今季ワーストタイで今季初黒星。「ズルズルいかないように。そこを切り替えて、明日もう1回頑張るというふうにしていくしかないかなと思います」と前を向いた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(24)が5回に一時勝ち越し打を放った。1-1の2死三塁。一塁強襲のエンタイトル適時二塁打とし「ランナーをかえすつもりで(打席に)入りました。いいところに飛んでくれました」。今月だけで15打点を稼ぎ、63打点でリーグトップに立つ巨人岡本和に2点差と縮めた。連敗脱出に「もう勝ったことはすごくうれしいです」と喜んだ。

◆阪神坂本誠志郎捕手(30)が12日ぶりに1軍先発出場を果たした。ファームでの再調整を挟み、10日広島戦(京セラドーム大阪)以来のスタメンマスク。2軍戦でもバッテリーを組んだ先発青柳を引っ張った。「ヤギを勝たせてやりたいなという思いもあった。負けた結果は残念だし、受け止めないといけない。明日からまた大事なカード大事な試合が続くので。少しでもチームの力になって勝っていけるようにやりたい」と前を向いた。

◆阪神近本光司外野手(29)が5試合連続のマルチ安打を決めた。5回1死一塁にヤフーレから右前打。7回には代わったばかりの左腕田口から中前打で好機を拡大した。「結果、ヒットになって良かったと思います」。23日からは首位広島との敵地で3連戦を迎える中、「今回も大事な3連戦なので。別にいつもと変わらない。相手がどこだろうと僕らは勝つしかないので」と変わらず気を引き締めた。

◆ヤクルト高津臣吾監督(55)が、先発ヤフーレ(26)の好投をたたえた。後続が追いつかれ勝ちはつかなかったが、6回2/3を投げ1失点。試合を作った助っ人右腕に「球自体も力があったし、変化球でもしっかりストライク、空振りが取れていた。彼らしいピッチングだった」と評価した。最近は先発陣が序盤に打ち込まれる展開が続いていたが、この日は違った。ヤフーレは初回2死から森下に左翼への二塁打を浴びるも、佐藤輝を左邪飛に仕留めた。スコアボードに0が刻まれ、ベンチで見守った指揮官も安堵(あんど)。「胸のどこかにつかえていたものがあったので。ヘッドとピッチングコーチとグータッチしたよ」と胸をなで下ろした。悪い流れを断ち、同点の9回には代打山田の決勝打で連敗を3で止めた。

◆遥人よ、もう1度救ってくれ! 阪神は最下位ヤクルトに3連勝ならず、勝った首位広島とのゲーム差が今季最大タイの5に広がった。23日からはその広島との敵地3連戦で、先陣を切る高橋遥人投手(28)に鯉料理再現の期待が高まる。3年ぶりに1軍復帰した前回11日の同戦は、5回0封で1025日ぶり勝利を挙げ、同日の自力V消滅を救った。広島は阪神を連倒すれば最短24日に優勝マジック28が点灯する。逆転Vへ3連勝が求められる運命の戦いに弾みをつけたい。逆転ムードが一瞬で沈まった。1点を追う8回に大山が左翼へ2戦連発の同点ソロ。京セラドーム大阪はこの日最高潮の熱気に包まれた。サヨナラ勝利を信じ、9回は両リーグ最多53試合目の桐敷を投入。だが、まさかの3失点で勝ち越しを許し、力尽きた。同点時に総立ちとなった虎党の盛り上がりはしぼみ、次々とツバメの走者が生還。岡田監督は左腕について「4日(間隔が)空くのも空きすぎなんかな、ちょっとな」ともどかしげにぼやいた。勝って23日からの首位広島3連戦に向かいたかった。だが、振り返ってばかりはいられない。先陣を切るのは、今最も旬な男・高橋。大事なマウンドを託された本人も気合十分だ。「試合をつくって、チームの勝つ確率を上げられれば。いつもそれです」前回11日の同戦(京セラドーム大阪)では、最速149キロの真っすぐを主体に5回4安打無失点で1025日ぶりの復活勝利。引き分け以下で当日の自力優勝が消滅した一戦だったが、土壇場でチームを救った。「(前回と)同じくらい緊張すると思う。次はビジターなので、また全然違うと思いますけど。しっかり投げられれば」この日の8回表終了時、予告先発で高橋が発表されると、スタンドから大歓声が起こった。逆転リーグ連覇の救世主として、ファンの期待もそれほど大きい。2カード連続の広島戦。虎党の後押しを受けた前回とは違い、鯉党で埋め尽くされたマツダスタジアムでの登板になる。19年9月6日以来、約5年ぶりの敵地球場で過去2戦2敗。それでも「あまり気にならないと思うので。普通です」と頼もしげに言った。特に警戒するのは亜大の3学年後輩にあたる矢野。前回の対戦でも左前打と四球で2打席とも出塁を許した。「すごく粘られて...。アウトカウント関係なく足が速いバッターとか、上位に回る前にランナーを出さないように」と表情を引き締めた。広島はこの日巨人に勝ち、残り29試合でゲーム差は今季最大タイの5に拡大。広島が阪神に連勝し、巨人が中日に連敗すれば最短あす24日にも優勝マジックが点灯してしまう。2勝1敗では1ゲームしか縮まらない。逆転リーグ連覇に向けて、何としても3連勝がほしい。崖っぷちで迎える大事な初戦を高橋の快投でもぎ取り、希望をつなぐ。【波部俊之介】高橋の前回広島戦(8月11日、京セラドーム大阪)21年11月6日、巨人とのCSファーストステージ第1戦以来、1009日ぶりの1軍マウンドに上がった。1回に中村奨、野間、末包からアウト3つを三振で奪う上々の立ち上がり。打線にその裏、森下と大山の適時打で2点援護してもらうと、2回1死一塁も、菊池を投ゴロ併殺で切り抜け波に乗った。5回4安打7奪三振、無失点の快投で、21年10月21日の中日戦以来、1025日ぶりの復活勝利を挙げた。お立ち台では「こうやって勝つことができると思えない日もあった。夢のようです」と感極まった。阪神の京セラドーム大阪での8月ヤクルト戦の連勝は18で止まった。06年途中に「大阪ドーム」から改称後、8月中の初対戦となった10年8月13日は敗戦。だが翌14日から今年8月21日まで、18戦連続で白星を重ねてきた。

◆7月13日の中日戦以来、約1カ月ぶりにスタメン出場した阪神島田海吏外野手は"晴れのち雨"のゲームになった。2回無死一塁の第1打席。ヤフーレの149キロ直球を捉え、右翼へ二塁打を放った間に一塁走者の大山が一気に先制の生還。「エンドランだったので、とにかくバットに当てることだけ考えて振りました」。だが島田は三塁に滑り込んだが、勢いでベースを通り過ぎ、戻り切れずにアウトとなった。「かわそうかなと思ったけど、行き過ぎてしまった。離れた後、タッチされてないと思った。しょうがないです」と受け止めた。5回1死の守備では、岩田の左前への打球を痛恨の後逸。青柳が2点目を失っうきっかけになった。ノーバウンドで捕球を試みる最中に、回転がかかった打球に気づいたが「中途半端な形になってしまった」と悔やんだ。「あれは絶対にシングルで止めないといけない。そこは練習するしかないと思います」と反省の言葉を並べた。【磯綾乃】

◆阪神青柳晃洋投手(30)が1軍復帰戦で粘投した。6回2失点で自責1。7安打を浴びながらも要所で耐えた。5月31日の敵地ロッテ戦以来、約2カ月半ぶりとなる1軍登板で、開幕投手の意地を見せた。今後は23日にも出場選手登録を抹消され、次回の出番を待つプランになりそうだ。初回に安打と四死球でいきなり2死満塁のピンチを招いたが、落ち着いて最後はオスナを一飛に料理。1点リードの3回も1死満塁のピンチをつくったが、宮本の犠飛による1点にとどめた。5回は左翼島田の失策もあり2死三塁。ここで村上の打球を一塁大山がグラブに当てたがはじいてしまい(記録は二塁打)勝ち越し点を献上したが、その後は踏ん張った。「あの1点は海吏(島田)も気にすると思うので、あそこで取られてしまうのは申し訳ない」とくちびるをかんだ。「状態的には良くなかった」と明かし、「スライダーの精度」を課題に挙げた。岡田監督は「なんかなあ。コントロールやろな、やっぱりな」と指摘。一方で「まあのう。ちょっとエラーとかもあったからなあ。何とか抑えとったけどな」と一定の評価は与えた。4月19日の中日戦以来、約4カ月ぶりの1軍勝利はならなかったが、チームにも希望をともす94球になった。真夏の2軍生活は過酷だった。灼熱(しゃくねつ)の鳴尾浜で汗を流し続けた。炎天下でのピッチングでも「意図したアウトを取る」とブレずに目的を持ち続けた右腕。次こそ復活星へ、しっかり準備を続ける。

◆3連勝を狙う阪神は青柳晃洋投手(30)が先発する。1軍マウンドは5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来。2年連続の開幕投手を務めた今季はここまで1勝3敗、防御率3・83にとどまっている。2軍で調整し、不退転の覚悟で帰ってきた右腕が逆転優勝を狙う虎の救世主となる。また、島田海吏外野手(28)が「6番・左翼」で先発。スタメン出場は7月13日の中日戦(バンテリンドーム)以来。「8番・捕手」は坂本誠志郎捕手(30)が入り、21日の1軍再昇格後初スタメンとなった。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(30)が一回にピンチを招くも無失点に抑えた。5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の1軍マウンド。先頭の長岡にいきなり中前打を許したが粘った。続く岩田は二ゴロ。スタートを切っていた長岡は二塁に進み、1死二塁と得点圏に走者を背負った。続くサンタナには死球を与えてしまい、一、二塁。それでも4番・村上を126キロシンカーで左飛に仕留めた。しかし、苦手とする宮本に四球を与えて満塁。オスナを打席に迎えた。その初球。148キロ直球で押し込むと、高々と舞い上がった打球は一塁・大山のミットへ。塁上を埋めながらもなんとか無失点でしのいだ。

◆阪神が先制。島田海吏外野手(28)が先制打を放った。二回先頭の大山が右前打を放つと、7月13日の中日戦(バンテリンドーム)以来のスタメン出場を果たした島田が打席へ。カウント1-2からヤフーレの149キロツーシームを引っ張った。打球は右翼線へ。スタートを切っていた大山が一気に先制のホームを踏んだ。三塁を狙った島田は勢い余ってオーバーランとなりタッチアウト。リプレー検証の結果、判定は変わらなかったが、久々のチャンスにバットで応えた。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(30)が味方のミスと不運な形で勝ち越しを許した。1-1で迎えた五回だった。1死から岩田の打球を左翼・島田が後逸。左前打に失策で1死三塁とピンチを背負った。サンタナを空振り三振で抑えた青柳だったが、続く村上の初球。痛烈な打球は大山の体ではじかれ、一塁スタンドへ。結果一塁強襲の二塁打となり、勝ち越しを献上した。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(30)は6回7安打2失点で降板した。一回は満塁のピンチを背負うもオスナを一飛に抑えて無失点の立ち上がり。しかし、先制した直後の三回に1死満塁から宮本に左犠飛を放たれて同点に追いつかれた。五回は1死から岩田の左前打を左翼・島田が後逸。2死としたが村上の打球を今度は一塁・大山がはじいてしまい、不運な形で勝ち越しを許した。「久しぶりの登板でしたが、(坂本)誠志郎のリードにも助けられながら、先発投手としてやるべきことはできたかなと思います。ただ、点を取られたイニングを何とか粘り切りたかったです」5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の1軍登板は粘りの投球で7安打を放たれながらも2失点(自責1)にまとめた右腕。ただ、味方の援護なく、今季2勝目となる復帰星はおあずけとなった。

◆阪神が土壇場で同点に追いついた。1-2で迎えた八回2死。大山悠輔内野手(29)が大西の初球、136キロスライダーを一閃。歓声に乗った放物線は左翼スタンドギリギリに吸い込まれた。大山は21日の同戦に続く2試合連発の13号ソロ。この試合を含めて直近5試合で3発と量産体制に入った。

◆負の連鎖を断ち切った。ヤクルトのミゲル・ヤフーレ投手(26)が中8日で阪神戦(京セラ)に先発。チームが直近3試合連続で3失点していた一回を、無失点でスタートした。「マウンドが高いのも、硬いのも好き。最近は外が暑いので室内といういうところで、涼しい中で投げられるのは自分の中でプラスだと思う」登板前日、そう京セラドームとの相性を口にしていた助っ人右腕。先発陣にとって大きな課題となっていた一回に「0」を刻んだ。先頭・近本を空振り三振、続く中野を投ゴロに打ち取り、森下に左翼線への二塁打とされたが、4番・佐藤輝を左邪飛。二回に1点を先制されたが、最少失点で切り抜けた。ヤフーレ自身も苦手意識への克服に努めている。来日後、起床してから登板するまでの時間が長いことから、ナイターを得意としていなかった。最近は試合前の空いた時間に、スマホアプリの「ブロックパズル」に熱中。チームスタッフと得点を競っている。他にはチームメートと話したり、音楽を聴いたりとあの手この手で時間をつぶしながら、マウンドに上がる準備を整えている。「特別なことはしないけど、水分をたくさんとって、脱水症にならないように気をつけている」と暑さ対策にも余念がない。最高の準備をし、1勝でも多くチームに貢献する。三回に宮本の犠飛で同点、五回に村上の適時二塁打で勝ち越した。ヤフーレは6回?を6安打1失点。7月15日の中日戦以来となる6勝目(9敗)は目前。しかし、八回2死から3番手の大西が大山に同点弾を浴びた。

◆阪神は痛恨の敗戦で連勝は2で止まった。八回に大山のソロで同点に追いつくも、九回に登板した桐敷が代打・山田に中越えの適時二塁打を浴びて勝ち越された。さらにオスナにも2点打を浴びて試合を決められた。打線は二回に島田の適時打で先制も、同点とされて迎えた五回はその島田の守備のミスから失点。約3カ月ぶりの1軍マウンドに上がった青柳は6回2失点(自責1)と試合を作るも、援護に恵まれなかった。

◆ヤクルトが連敗を3で止めた。八回に3番手の大西が追い付かれたが、九回に代打山田の適時二塁打で勝ち越し。さらにオスナの2点二塁打でリードを広げた。阪神は打線がつながりを欠き、4番手の桐敷が3失点と崩れた。山田のヒーローインタビューは以下のとおり。ーー今の気持ち「結果ヒットになって、勝利できてうれしく思ってます」ーーベンチスタート。どんな準備を「いつ行くかわからないので、準備不足だけはないように。いつ名前が呼ばれても大丈夫なように、しっかり準備をしていました」ーー九回大きなチャンスで出番が来た「とにかく強引にならずにセンターの方向にという意識で。結果もその通り、自分のイメージ通りに打てたので良かったかなと思います」ーー阪神・桐敷とは初対決「スコアラーの方に球種は聞いていたので、あとは受け身にならず、積極的にファーストストライクから攻めていこうという気持ちでいきました」ーー打った感触は「しっかり捉えられたのでよかったです」ーー外野の頭を越えた瞬間「とにかくうれしい気持ちでいっぱいでした」ーーチームは連敗脱出「そうですね。はい、うれしいです」ーー明日からは神宮「今日みたいな最後まで粘り強い野球ができるように、明日もご声援よろしくお願いします」

◆阪神がカード3連勝を逃した。大山悠輔内野手(29)の2試合連続本塁打で追いついた直後の九回に登板した桐敷拓馬投手(25)が2死二塁から代打・山田哲人内野手(32)に中越え適時二塁打、ホセ・オスナ内野手(31)に2点打を浴びて、3点を失った。桐敷は2022年7月7日の広島戦(甲子園)以来の黒星。青柳晃洋投手(30)は5月31日のロッテ戦(ゾゾマリン)以来の1軍登板で、6回7安打2三振2四死球で2失点(自責1)。23日から5差に開いた首位広島との3連戦(マツダ)を迎える岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=56勝52敗6分、観衆=3万6032人)。ーー桐敷はヤクルトに相性が悪い(10失点目)「あんまり良くないけど。まあ、石井にしても、4日空くのも空き過ぎなんかな、ちょっとな」ーー間隔も空いていたから、ビハインドでも使えた「いや、1点差やから、そら行くよ。そんなん」ーー実際に追いついた「そんなん、1点差では行かんと」ーー青柳は序盤、制球に苦しみながら「ああ、何かななあ。コントロールやろな、やっぱりな」ーー粘り強くは投げた「うん、まあのう。ちょっとエラー(五回1死からの左前打を島田が後逸し、打者走者は三進)とかもあったからなあ。何とか抑えとったけどな」ーーヤフーレは高めのゾーンを「いや今日よう取っとったなあ、ストライクなあ。まあ(球審の)真鍋は広いから、高めも取るからのう」ーー前川は「見とったやん、フリーバッティング」

◆ヤクルトは22日、阪神に5-2で勝利。連敗を3で止めた。終盤の競り合いを制してマウンドに集まるナイン=京セラドーム大阪(撮影・中島信生)

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)は5月31日のロッテ戦(ゾゾマリン)以来の1軍登板となった阪神・青柳晃洋投手(30)に言及した。久しぶりの1軍登板となった青柳は立ち上がりは明らかに緊張していたし、守備も乱れた中での6回2失点(自責1)は上出来。合格点ではないか。もちろん内容は褒められたものではない。コントロールが安定せず、五回に村上に浴びた適時二塁打は外を狙ったボールが内に入った逆球だった。ただ、ここで言いたいのは、青柳は「ボールの強さ」で勝負する投手ということだ。元々、制球はアバウトで逆球も多いタイプ。細かい制球を気にしすぎて、ボールの強さで相手を押し込む、ねじ伏せる長所を見失ってはいけない。投球を見る限り強さは戻ってきている。反省するところはして次回以降、思い切り腕を振って欲しい。気になったのは石井と桐敷。ともに中4日。原因が間隔があいたことなのか、疲労なのかはわからないが、残り29試合、個々の状態の見極めは非常に重要になる。岡田監督もそのあたりは重々わかっているだろう。青柳ら、ここまであまり働けなかった選手たちに、借りを返す活躍を期待したい。

◆ヤクルトが連敗を3で止めた。八回に3番手の大西が追い付かれたが、九回に代打山田の適時二塁打で勝ち越し。さらにオスナの2点二塁打でリードを広げた。阪神は打線がつながりを欠き、4番手の桐敷が3失点と崩れた。

◆約1カ月ぶりにスタメン起用された阪神・島田は天国と地獄を見た。二回の攻撃では「必死に食らいつく気持ちでスイングした」とエンドランのサインに応えて右翼線へ先制の長打を放った。だが、この一打での走塁は三塁上でのオーバースライドでアウトになると、五回の守備では左前打を後逸。一時勝ち越し点につなげてしまい「(前へ)いくならいってしまった方がよかったと自分の中に落とし込んでいるが、ちょっと迷ってしまった部分もあった。そこは青柳さんに申し訳ない。あれは絶対にシングルで止めないといけないところ」と猛省した。

◆主将がチームの危機を救った。ヤクルトは、負ければ自力でのクライマックスシリーズ出場の可能性が消滅する一戦で、連敗を3でストップ。2―2とされた直後の九回2死二塁で、代打・山田哲人内野手(32)が、中越えへ決勝の二塁打を放った。「受け身にならず積極的にファーストストライクから攻めていこうという気持ちでいった。強引にならず、センター方向にという意識で、結果も自分のイメージ通りに打てたので良かった」狙いすました。1ボールからの2球目、144キロの直球を振り抜くと、前進守備を敷いていた中堅手の頭上を越え、土壇場で勝利を呼び込んだ。代打で勝負強さを発揮している。今季代打では打率・429(7打数3安打)、3打点。〝代打の神様〟川端の姿勢を参考にしながら「準備不足が一番いけない」と入念に準備する。頭はいたって冷静で「考えすぎても頭がごちゃごちゃになってしまうので、シンプルに」とスコアラーから相手投手の球種ぐらいを頭に入れて打席に立つ。今季は開幕から2度、下半身を痛めて離脱。打率・206、9本塁打、27打点と納得いく数字ではない。スタメン落ちも経験し「結果が全ての世界なので仕方ないこと。何とか打破して、うまくいくようにと毎日思いながらしっかり練習している」。この日も試合前にベンチ裏で個別に打撃練習を行うなど必死にもがいている。「やっぱり勝つということがすごく大事。負けていい試合なんてない」と山田。主将の一振りが流れを変える。(赤尾裕希)

◆阪神・前川右京外野手(21)が22日、ヤクルト戦(京セラ)を欠場した。試合前練習でのフリー打撃中に腰を痛めたとみられる。ただ、試合後は「『ちょっとおかしいな』ぐらいだった。もう大丈夫なので、あした(23日、広島戦)からちゃんと試合に出られるように準備をして、頑張ります」と話した。

◆阪神・佐藤輝は4タコに終わったが、1-1の三回2死一、二塁でオスナの三遊間への打球をダイビングキャッチしてアウトにするなど、守備で投手を助けた。「大きいプレーだった」と胸を張り、23日からの広島3連戦(マツダ)に向けて、「本当に大事(な3連戦)なので、一試合一試合、集中してやっていきたい」と腕をぶした。8月月間打率・319の若き大砲が敵地で暴れる。

◆阪神・坂本が「8番・捕手」で21日の1軍再昇格後、初出場した。15日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)でもバッテリーを組んだ青柳を好リードも、終盤に桐敷が打たれて敗戦。「チームはいい感じで来ていたので何とか勝ちたかった。悔しいです。あすからまた大事な試合が続くので少しでもチームの力になれるようにやっていきたい」と唇をかんだ。

◆約3か月ぶりに1軍マウンドへ舞い戻り、披露した粘投。阪神・青柳晃洋投手(30)は6回7安打2失点(自責1)で役目を果たした。「状態的にはあまり良くなかった。(坂本)誠志郎のおかげで何とか頑張れたかなと思います」一回は安打と2四死球でいきなりのピンチ。5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来となる久々の大観衆の前での登板には、「さすがに最初はちょっと緊張した」と雰囲気に飲まれそうにもなった。それでもオスナを一飛に仕留め、しっかりと無失点で滑りだした。三回に3安打と犠飛で1点差を追いつかれ、五回には味方の失策も絡んで生まれたピンチで村上に勝ち越し打を許したが、要所を断つ投球が目立った。「スライダーが課題になってくる。僕の大事なボールだと思うので。その精度も上げて、また(次回登板に)臨めたらいいかなと思います」重量打線を相手に、いまの状態を冷静に知ることもできた。求めるレベルはまだまだ高いところにある。この最終盤でチームの大事な1ピースになるために、牙を研いでいく。(須藤佳裕)

◆必勝のタスキをつなぐはずが、勝負どころで痛打を食らい同一カード3連勝を逃した。阪神・岡田彰布監督(66)も1点ビハインドの展開から勝利の方程式を繰り出す執念をみせたが、桐敷が九回に勝ち越し打を含む3失点と崩れる〝魔さか〟の流れで競り負けた。「あんまり(桐敷はヤクルト戦の相性)よくないけど。まあ、石井にしても(登板間隔が)4日空くのも空きすぎなんかな、ちょっとな」試合後の虎将も首をひねり、大車輪の活躍でブルペン陣を支えてきた桐敷にとっても痛恨の場面で2年ぶりの黒星を喫してしまった。2-2の九回。直前の攻撃で大山が放った同点ソロの勢いを守りから加速させたかったが...。1死から安打と犠打で2死二塁とされ、代打・山田に低めの144キロ直球を中堅フェンス手前までかっ飛ばされる中越えの適時二塁打で勝ち越しを許した。「野手の方々が同点まで追いついてもらった後だった。そこは悔いが残る」左腕はその後2死満塁とさらにピンチを背負い、オスナに右翼線へのエンタイトル2点二塁打も浴び、唇をかんだ。0回?を投げて4安打3失点と持ち前の安定感は発揮できず。対ヤクルト戦は防御率12・86とさらに分が悪くなり、2022年7月7日の広島戦(甲子園)で先発登板して以来、777日ぶりの黒星もつけられた。1-2の八回は勝ちパターンの石井をつぎ込み、指揮官は逆転勝利への闘争心をタクトに込めた。「いや、1点差やから、そら行くよ。そんなん。そんなん、1点差ではいかんと」。広島、巨人の上位2チームを追いかける立場の中で最善の繰り出したが、九回が誤算だった。新井鯉が勝利したため、ゲーム差「5」で23日からの広島3連戦(マツダ)を迎えることになった。昨季セ・リーグを制し、日本一を勝ち取った王者の意地が試される。(新里公章)■データBOX?...阪神・桐敷は両リーグトップとなる53試合目の登板で今季初黒星(3勝、31ホールド)。新人だった2022年に7月7日の広島戦(甲子園)で先発し敗れて以来2年ぶりで、中継ぎ転向後は初の黒星となった?...石井のビハインドの場面での登板は、7月13日の中日戦(バンテリンドーム)で2点ビハインドの八回に登板して以来、約1カ月ぶり

◆頼もしい8月男が止まらない。虎の先頭を張る男は、いつもと変わらず、淡々とヒットを積み重ねた。そしていつも通り、阪神・近本光司外野手(29)はしっかりと前を向いた。「今回も大事な3連戦なので、(23日からの広島3連戦も)別にいつもと変わらない。全員で頑張ります」ヤクルトの先発・ヤフーレの前に第1、第2打席と倒れた。それでも、五回1死一塁の第3打席。148キロツーシームを捉えて右前へ。8試合連続安打に「結果、ヒットになってよかった」とうなずいた。七回は代わったばかりの田口から中前打を放って、5試合連続の複数安打。これが8月の30安打目で、月間打率・390と打ちまくっている。7月中旬に一時は打率・241まで低迷も、気づけば同・280まで回復。完全に〝いつも通り〟の近本が帰ってきた。過去5年を見ても、通算打率・313(444打数139安打)と数字が裏付けるほどの好成績を残しているのが8月だ。昨年も月間打率・327(104打数34安打)。昨季はその理由を「いまは相手どうこうではなく自分のスイング、自分の体をどう使うかを考えているから」と語っていた。ただひたすらに真正面から己と向き合う。だから8月の近本は強い。「別に相手がどこであろうと、僕らは勝つしかない。大事じゃない試合なんてないので」23日から始まる首位広島との戦いへ、リードオフマンは静かに意気込んだ。一つも落とせない3連戦。でも、それはいつもと変わらない。奇跡の逆転Vへ-。近本の目は色あせることなく燃えていた。(原田遼太郎)■データBOX?...阪神・近本が今季37度目のマルチ安打。両リーグ1位は中日・細川の38度で、近本はヤクルト・長岡と並び同2位?...近本はこの日の4打数2安打で、8月の月間打率・390(77打数30安打)とした。8月は残り8試合で、近本の月間安打数の過去最多は2020年8月の「38」。球団最多記録は10年8月の鳥谷敬の「43」

◆阪神・森下が一回に左翼線へ二塁打、三回には中前打を放って、3試合連続のマルチ安打と気を吐いた。ただ、五回2死一、三塁の好機では三ゴロに倒れ、「打っていることはいいですけど、場面だったり。1カード1カード残り試合少ないのでマルチ打とうが切り替えて頑張ります」と悔しい表情。首位広島との3連戦では、勝負どころで一打を放つ。

◆阪神勝ちパターンの一角、石井が中4日で、1点ビハインドの八回に登板した。1死から宮本に左前打を浴びると、オスナに対しては自己最速を更新する155キロを計測も四球。後続を断ったが、33球を要した。苦しみながらも18試合連続無失点。「残り29試合。なんとか耐えて。まだ優勝も諦めていないので、みんなで一丸となって、まずはブルペンから最少失点でかえってこれるように、頑張りたい」と力を込めた。

◆起死回生弾のち激痛-。阪神は最下位のヤクルトに2-5で敗れ、同一カード3連勝を逃した。大山悠輔内野手(29)の2試合連続本塁打で追いついた直後の九回に、中継ぎの要だった桐敷が勝ち越しを許し今季初黒星。23日からは5ゲーム差に開いた首位広島との3連戦(マツダ)を迎える。鯉に優勝へのマジックナンバーが点灯する可能性もある絶体絶命の状況だが、主砲のバットで打破するしかない。ナインがベンチから飛び出し、主砲もとびっきりの笑顔を見せた。大山が描いた放物線には、あの瞬間までは、希望が満ちていた。だが、直後の九回にヤクルトに勝ち越しを許し、遠く離れた東京ドームでは首位広島が巨人に競り勝った。鯉と虎は再び5ゲーム差。23日からの広島3連戦を、虎は絶体絶命となった状況で迎える。「しっかりあしたは、あしたというか、これからは勝ちにつなげられるようにもう一回しっかり頑張りたいと思います」試合後の地下駐車場、大山は広島へと向かうトラックに荷物を詰め込むと、天井を見上げて悔しさをにじませた。早ければ24日にも、広島に目の前で優勝へのマジックナンバーの点灯を許す可能性がある。少しでも鯉のしっぽに迫りたかったが、大逆転でのセ・リーグ連覇は、また一段と厳しくなってきた。最高の形で、手応え十分の13号ソロで追いついたはずだった。1-2で迎えた八回2死走者なしで、ヤクルト・大西が投じた136キロスライダーを左翼席の最前列に運び去り、京セラドームの虎党を狂喜乱舞させた。最下位ヤクルト相手に21日まで2連勝。この先を考えれば考えるほど、絶対に「同一カード3連勝」としなくてはならない一戦だった。そんな中で飛び出した起死回生の2試合連発だったが、空砲となった。2010年から、チームは京セラドームでの8月のヤクルト戦で18連勝していたが、それもここで途切れてしまった。

◆ク~ッ、何でここでヤクルトに負ける...。5月31日以来の先発青柳は逆球も多かったけど、再三のピンチがありながらも6回2失点はさすがと言っておくのだ。五回、岩田の左前打を後逸して三塁まで行かせ、村上の勝ち越し二塁打につながった島田のエラーが痛すぎる? ハイ、その通り!! だけど島田は先制二塁打を放っているし、アレンパを狙う切羽詰まった状況でレギュラーを決められなかったベンチの問題とちゃうんかい!?八回に大山が同点ソロを打ったのに桐敷がメッタ打ちを食らっての黒星...。そりゃ背信投球の桐敷も悪いんでしょう? でも、俺は1点ビハインドの七回2死一、二塁で左腕の田口なのに、左打者の中野をそのまま打席に送って当てるだけの中飛を見たとき、ノムさんの言葉『先入観は罪、固定観念は悪』を思い浮かべたのだった。昨年打った中野だから打つはず...だったら、もっと前にも打ってるでしょう? 岡田さん、固定観念をなくした先にアレンパはあると俺は思うのだー!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
58445 0.569
(↑0.005)
-
(-)
36323
(+2)
273
(+1)
45
(-)
47
(-)
0.239
(-)
2.240
(↑0.02)
2
(-)
巨人
58486 0.547
(↓0.005)
2
(↓1)
31342
(+1)
303
(+2)
60
(-)
49
(-)
0.241
(-)
2.570
(↑0.01)
3
(-)
阪神
56526 0.519
(↓0.004)
5
(↓1)
29369
(+2)
332
(+5)
50
(+1)
34
(-)
0.237
(-)
2.450
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
53562 0.486
(↓0.005)
8.5
(↓1)
32391
(+8)
393
(+9)
79
(+2)
50
(-)
0.255
(↑0.001)
3.080
(↓0.04)
5
(-)
中日
47598 0.443
(↑0.005)
13
(-)
29293
(+9)
371
(+8)
47
(-)
33
(+2)
0.238
(↑0.001)
2.860
(↓0.05)
6
(-)
ヤクルト
46604 0.434
(↑0.005)
14
(-)
33391
(+5)
431
(+2)
76
(-)
50
(-)
0.239
(↑0.001
3.730
(↑0.02)