ロッテ(★3対4☆)日本ハム =リーグ戦24回戦(2024.08.22)・ZOZOマリンスタジアム=
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日本ハム
0120100004620
ロッテ
2001000003701
勝利投手:加藤 貴之(7勝7敗0S)
(セーブ:柳川 大晟(0勝1敗6S))
敗戦投手:佐々木 千隼(6勝4敗0S)

本塁打
【ロッテ】ポランコ(19号・1回裏2ラン)

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◆日本ハムは1-2で迎えた3回表、清宮の適時打などで2点を挙げ、逆転に成功する。その後同点とされるも、5回に清宮が適時二塁打を放ち、再びリードを奪った。投げては、先発・加藤貴が6回3失点で今季7勝目。敗れたロッテは、打線が終盤の好機を生かせなかった。

◆日本ハム加藤貴之は今季6勝のうち、4勝がロッテ戦。日本ハムの投手が同じ相手からシーズン5勝以上すれば、19年にオリックスから5勝した金子以来で、ロッテ戦では00年に5勝を挙げた関根以来。現在4連勝中、15日にも白星を挙げたカードで今日も勝つか。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)の躍動に、新庄剛志監督(52)も思わず拍手した。まずは2点を追う2回。先頭打者としてロッテ佐々木朗希投手(22)と対戦した清宮は1ボールからの2球目、157キロ直球を捉えて右中間を破る二塁打。22年9月14日以来、708日ぶりに放った佐々木からの通算2安打目に、いつも清宮をほめない新庄監督も三塁側ベンチで拍手した。無死二塁となり、14試合連続安打中のフランミル・レイエス外野手(29)も続いた。156キロ直球を右前に弾きかえし、清宮が二塁から激走して生還して1点を返した。さらに3回は1死一、二塁で打席が回り、再び1おボールからの2球目、今度は141キロのフォークを捉えて同点右前適時打。清宮は一塁ベースを回ったところで挟まれたが、二塁ベースカバーがいないロッテ守備陣のほころびを付いてヘッドスライディングで二塁へ到達。清宮がアウトにならなかったことで1死二、三塁と好機が続き、レイエスが勝ち越し犠飛を放った。指揮官はここでも、たくさん拍手を送っていた。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、3回無死一塁、一塁走者の水谷がロッテ先発佐々木朗希投手(22)から盗塁を成功させると、ガッツポーズして喜んだ。状況は1点差に詰め寄った次の回。先頭打者の水谷が四球で出塁すると、続く松本剛が初球でバントの構えを見せたが、バットを引き、その間に水谷が走った。送りバントと見せかけたかのような"トラップ"がはまり、水谷のプロ初盗塁で、無死二塁とチャンスを広げた。この盗塁がきっかけとなり、松本剛は右飛に倒れるも続く浅間が四球で1死一、二塁とし、4番清宮の右前適時打で同点に追い付いた。さらに1死二、三塁から5番レイエスの右犠飛で、あっさり逆転に成功した。

◆また"新太郎劇場"だ! 日本ハムが、同点に追い付かれた直後の5回、先頭の浅間大基外野手(28)が二塁へのバント安打で出塁すると、続く清宮幸太郎内野手(25)が、この日3安打目となる左中間への適時二塁打を放った。ロッテ佐々木朗希投手(22)相手に、わずか4球で勝ち越し、ベンチの新庄剛志監督(52)はガッツポーズで喜んだ。"新庄劇団"の主役は、3安打2打点と好調の清宮だ。21日のロッテ戦では4-1の5回1死一、三塁でメルセデスの内角直球を右前にはじき返し適時打とした。だが指揮官は「俺、ダブルスチールかけてたんですよ。(サインを)聞き直したから取り消したんよ。(三塁コーチの森本)稀哲って呼んで『なしや』って。がっかりですよ。だから、ほめはしません」と苦笑いしていた。厳しい言葉も、相手が清宮だからこそ。一夜明けての猛爆発に、指揮官もチームもテンション爆上がりだ。

◆先発の佐々木朗希投手(22)は6回6安打4失点。最速は161キロだった。初回は3球目に161キロを計測するなどテンポ良く3者凡退で6球で締める。2点の援護をもらった2回、先頭の清宮に右中間への二塁打、レイエスに右前適時打と2連打で1点を返される。石井に四球を出したところで松川がマウンドに。そこまで6人への初球は直球だったが、後続のマルティネスには1球も直球を投げず変化球で3球三振。3者連続三振でしのいだ。だが、その後も直球を捉えられ、打たれた6安打のうち5本が直球。4四球と流れを持ってくることができなかった。

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◆日本ハムが3連勝し、貯金を12に伸ばした。同点に追い付かれた直後の5回、先頭の浅間大基外野手(28)が二塁へのバント安打で出塁すると、続く清宮幸太郎内野手(25)が、この日3安打目となる左中間への勝ち越しの適時二塁打を放った。先発の加藤貴之投手(32)は、初回にロッテ・ポランコに右中間へ先制2ランを浴びるも打線の援護を受け、6回7安打3失点と粘投。対ロッテ5連勝した。

◆日本ハム加藤貴之投手(32)が6回7安打3失点と粘投し、対ロッテ5連勝とした。4回2死満塁では6年ぶりの押し出し四球を与えたが、5回は3者連続三振と切り替えた。「初回から失点して悪い流れを作ってしまいました。野手が逆転してくれて、感謝したいです。コントロールが悪い中、梅林がうまくリードしてくれました」と感謝した。

◆新庄剛志監督(52)は、清宮幸太郎内野手(25)を、またほめなかった。この日は決勝打を含む3安打。それでも指揮官は「最初ヒット打って、ホームベースでスライディングした時に、右膝? にちょっと違和感が出て。変えようかっていうとこまで行ってたんですけど、本人は大丈夫っていうことで。右足の膝のおかげで打てたと(笑い)。踏み込めないから。それのみでしょ。ケガの功名、のみ」と愛のムチだ。21日のロッテ戦では4-1の5回1死一、三塁でメルセデスの内角直球を右前にはじき返し適時打とした。だが指揮官は「俺、ダブルスチールかけてたんですよ。(サインを)聞き直したから取り消したんよ。(三塁コーチの森本)稀哲って呼んで『なしや』って。がっかりですよ。だから、ほめはしません」と、厳しい言葉で突き放していた。連夜の厳しい言葉は、清宮だからこそでもある。4番で起用し続けるのは評価の裏返し。あえて突っつき続け、さらなる爆発を期待していた。

◆日本ハムが3位ロッテに競り勝ち、カード3連勝で貯金を12に増やした。同点に追い付かれた直後の5回、先頭の浅間大基外野手(28)が二塁へのバント安打で出塁すると、続く清宮幸太郎内野手(25)が、この日3安打目となる左中間への勝ち越し適時二塁打を放った。3位ロッテとのゲーム差は3に開いた。新庄剛志監督(52)の一問一答は以下の通り。新庄監督 珍しく(先発の)加藤君がマウンドでね、ずっと首を振って。(スタメンマスクが今季初の)梅林君だったんで。ちょっと呼吸が合わなくてちょっと3点取られたけどね。でも梅林君も粘ってね、よく3点? で抑えてくれて、いい経験にもなっただろうし。-梅林選手のスタメン抜てきの意図は新庄監督 経験ですね。こういう大事なね、試合で経験させることによって、また層が厚くなっていくと思ったんで。加藤君だったからね。加藤君は意外と、どのキャッチャーでも加藤君のピッチングは変わらないから。-打撃の方なんですけど、4番清宮選手が今日は打って新庄監督 最初ヒット打って、ホームベースでスライディングした時に、右膝? にちょっと違和感が出て。変えようかっていうとこまで行ってたんですけど、本人は大丈夫っていうことで。右足の膝のおかげで打てたと(笑い)。踏み込めないから。それのみでしょ。ケガの功名。-3打席とも見事な当たり新庄監督 だからケガの功名のみ。大したものですね、ピッチャー陣が。池田君、宮西君、全てのピッチャー。柳川君も。最後スライダー。多分(三振に倒れた)ソトは頭なかったでしょ。スライダーでしょ。三振したボール。(守備位置は)あれはもう一か八か。頭越されたら同点っていう守備体系。めちゃめちゃチャージさせて。意外とね、ソトはランナーがセカンドいたらコンってコンタクトしてきて、センター前を、よそのチームでよく打ってるんで。ああいう場合は一か八か勝負でしょ。-今日は浅間選手のバント安打、大きかったのかなと新庄監督 あれはでかかったね。意表をつくというか、あれはもう浅間くんの頭脳。あそこの、左バッターは、あそこに転がす練習を、またさせていこうかなって思うぐらい、素晴らしいバントでしたね。-サインじゃなくて、自分で新庄監督 そうそう。-水谷選手への盗塁はサイン新庄監督 はい。あれは、僕が松本君に「空振りしてくれ」と。してくれというか、まあまあ、その、作戦っていうのは言えないんですけど、走らせて。空振りの。はい。-すごくリアクションも大きかったですけど、やっぱあそこで新庄監督 いや、あそこ、でかいでしょ。ノーアウトで。そしたら、その次に、進塁打もできるし、もう1回バントもできて。で、犠牲フライで1点取れるんで。そこはキャッチャーのスローイングとかも見ながら。ちょっと佐々木君...どのピッチャーもですけど、バントさせににいこうとすると、こう、ちょっとだけ緩むかなと。でも、フォークだったから。-佐々木投手に強い。1回も負けていない新庄監督 でも、ストライクゾーン通ってくるからね。どんなにすごいピッチャーでも。-でも160キロ出ている新庄監督 それをね、打ち返せてるから。ストライクゾーンを通らなかったら、なかなか打てないだろうけど。でも、レイエスの場合は160キロ以上のピッチャーは見慣れていると思うし。違和感がなかったんじゃないですか。まあ打つだろうと。あの犠牲フライはうまかったですね。-清宮君がヒット打った試合が20試合ぐらい勝ち続けている新庄監督 あんま興味ない(笑い)。いやいや、それ以外のことでもね。何試合連続ヒットとか。その試合、1試合1試合なので。-でも、4番がやっぱりこうしっかり毎試合こう結果を残してくれると。新庄監督 まあ4番にしたのは僕ですけど(笑い)

◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が出場15試合連続安打を記録した。2点を追う2回無死二塁で1点差に詰め寄る右前適時打。佐々木とは3月31日の対戦で2三振していた。念願の朗希討ちに「少し差し込まれましたが、しっかり押し込むことができた」。3回1死二、三塁では右犠飛を放ち2戦連続で複数打点を挙げた。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が佐々木を完全攻略し、2位を争うロッテ3連戦をスイープに導いた。「真っすぐもフォークもいい。チャンスは少ないと思っていたので、ああやって1発で捉えられたのが今日は良かった」。2点を追う2回に中越え二塁打。3回1死一、二塁では右前へ一時同点の適時打。5回無死一塁では左中間を破る決勝の適時二塁打。全てファーストストライクを捉えた。剛腕から安打を放つのは22年9月14日以来、708日ぶりだった。「いつも彼と当たる時は調子が悪い時が多くて。ちんぷんかんぷんな三振とかばっかだった」。試合前まで通算9打数1安打。ただ、現在絶好調で「いつもタイミングが取りにくいので、今日は意識して打席に入った」。早めの始動で157キロ直球、141キロのフォーク、157キロ直球と次々に相手の代名詞をはじき返した。試合後の"新太郎劇場"が、好調なサイクルの潤滑油だ。延長10回に1号2ランを放った7月9日西武戦(ベルーナドーム)から始まった新庄監督と清宮の"儀式"。指揮官が「足を向けて寝られない」とほめた直後に「彼は、すぐ変わるから」とニヤリとした日から、打ってもほめない愛あるイジりがスタート。以降の30試合で清宮は打率3割6分4厘、8本塁打、29打点。覚醒した。この日も新庄監督は「(2回の打席後に)左膝にちょっと違和感が出て代えようかと思ったけど、本人は大丈夫って...だから左膝のおかげで打てた。踏み込めないから。それのみでしょ。ケガの功名」とほめずにニヤリ。対して清宮は「1打席目は普通に打ったんで」と言ってニヤリ返しだ。これで清宮がスタメンで安打を打った試合は21試合負けなし(18勝3分け)。「ヒット打てばいい...すごいっすね。毎日必死なんで」。打てば負けないヒーローがいるチームは勢い十分。23日から本拠地で「10・5差」で追う首位ソフトバンクとの3連戦に臨む。【木下大輔】

◆日本ハム浅間大基外野手(28)が絶妙なバント安打と好走塁で清宮の決勝打をお膳立てした。同点の5回先頭で、佐々木の横を転がり抜ける二塁へのセーフティーバントに成功。続く清宮の左中間適時二塁打で一気に勝ち越しの生還を果たした。「セカンドとファーストの位置を見た時に、これはチャンスあるなと」。新庄監督は「あれはでかかった。あれは浅間くんの頭脳」とたたえた。

◆ロッテは同一カード3連敗、日本ハムに5連敗となった。先発の佐々木朗希投手(22)は序盤に161キロを計測するも6回6安打4失点。「投げているボール自体はある程度強さもあって、まだ良かった方かなと思うんですけど、相手打線が調子いい中で力を上回ることができなかった」と振り返った。清宮には3安打を浴び「ミーティングもしてその中で、1打席目2打席目は少し甘いボールになってしまった。ああいういい打順のバッターに打たれてしまうと得点につながるなと思った」と反省点を挙げた。打線は苦手とする日本ハム加藤貴から3得点し、吉井監督は「頑張ったと思います。みんな狙い球絞ってしっかりいってくれたんで。もう1本出なかったんですけど、今日はそこそこ頑張ってくれた」と評価した。3回には内野守備が乱れ失点につながった。「(遊撃の)友杉が追って行って、(ボールを)離して、セカンドベースに誰もいなかった。いないのはしょうがないプレーで、友杉が戻るか、諦めて一、三塁に戻すかっていうプレー。守備コーチに聞いたら、以前もああいうプレーがあって失敗したと。その時に追えっていう指示をしていたらしい。それでも友杉が投げちゃったんでちょっと悪かったんですけど、それはこっちの指示なんでしょうがない」と振り返った。今季日本ハムには6勝17敗1分けと大きく負け越している。「先発ピッチャーがやられすぎですよね。またしっかり考えて、誰が投げるかはまだ決めてはいないんですけど、やり返したいです」と力を込めた。

◆ロッテ佐々木朗希投手(22)が日本ハム相手に前回登板の借りを返せなかった。15日の対戦で左足首に打球を受け、1回1/3で降板。中6日でリマッチに挑んだが、好調な相手打線を抑えられず、6回6安打4失点で今季4敗目となった。「(今カード)ここ2戦負けている中で、初回のリードを守り切れなったのは、ふがいなかった」と悔しい表情を見せた。最速161キロをマークしたが、直球を捉えられた。初回に6球で3者凡退に抑え上々のスタート。だが、2点の援護をもらった2回、先頭の清宮に157キロ直球を右中間二塁打、直後のレイエスに156キロ直球を右前適時打にされ2連打で1点を返される。途中から変化球主体の投球に変えて、しのいだ。だが軸となる直球の制球が乱れ、5四球(申告敬遠1つ含む)。6安打中5安打が直球を捉えられた。4番清宮には3安打を浴び「いい打順のバッターに打たれてしまうと得点につながる」と振り返った。チームは2位日本ハムに5連敗で3ゲーム差に。吉井監督は「日本ハムに劣勢の試合が続いてたんで、彼もちょっと神経質になったのかな。それでいつものコントロールよりはボールが多かった。四球もあんなに出す子じゃないのでちょっと慎重になりすぎたのかなっていう感じはしました」と話した。佐々木は左足首については「全然大丈夫」と影響は否定した。「試合数も少ないのでその場その場で自分の持っているものを出しきっていくしかない」。チームの正念場へ、自分の最大限の力を出し切る。【星夏穂】

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が繰り出した会心の「新庄トラップ」が決まり、3位ロッテに同一カード3連勝を決めた。1点を追う3回無死一塁。佐々木がバントの構えをした松本剛に対して投げた初球で、一塁走者の水谷がプロ初盗塁となる二盗に成功。相手の心理も読んだ痛快な作戦成功から難攻不落の右腕を攻略した。今季6度目の3連勝で貯金も今季最多タイ「12」に復活。23日からはエスコンフィールドで首位ソフトバンクと直接対決だ。新庄監督が会心のガッツポーズをしたのは、1点を追う3回無死一塁だった。打席の松本剛はバントの構え。ロッテ佐々木は、ひとまず一塁へ偽投。四球で出塁した水谷は冷静に帰塁していた。仕切り直しの初球。佐々木がモーションに入ると、水谷が完璧なスタート。松本剛は低めに落ちた140キロのフォークに反応することなく、バントの構えを引いた。水谷は悠々と二盗成功でプロ初盗塁。出ていたサインは「ディスボール」。次の投球で走れ。決まった。新庄監督 あれは僕が松本君に「(バントの構えで)空振りしてくれ」と(結果は見逃し)。あそこはデカい。ノーアウトで。三塁側ベンチで見守っていた新庄監督は、座りながらでも小躍りするように右拳を突き上げていた。21日に4つ決めた送りバントに見せかけて、1度も盗塁をしたことがない走者が二塁を陥れる。連続初球スクイズもあった1週間前の本拠地での3連戦や、今カードの流れを利用した"新庄トラップ"でもあり、相手の心理も読んだ勝負手だった。新庄監督 ちょっと佐々木君...どのピッチャーもそうですけど、(打者に)バントをさせにいこうとすると、ちょっとだけ(腕の振りが)緩むかなと。二盗成功への確率も上げるために松本剛には偽装バントを指示。さらに佐々木が投げた球種は「フォークだったから」描いた通りの攻撃につながった。前日の試合後に新庄監督が言った「これが"つながり"なんですよ」という作戦がはまって一時逆転に成功し、最後は勝ちきった。「どんなにすごいピッチャーでもストライクゾーン、通ってくるからね。それを打ち返せているから」と好調な打線に舌を巻き、「大したものですね、ピッチャー陣が」と無失点リレーの救援陣にも手応え十分。大阪での3連敗を千葉で取り返して雰囲気は最高潮。次は北海道で首位ソフトバンクも惑わし、のみ込む。【木下大輔】

◆前回15日の日本ハム戦(エスコン)で二回に左アキレス腱(けん)に打球が直撃し、緊急降板したロッテ・佐々木朗希投手(22)が中6日で先発。6回92球を投げ、6安打4失点で降板した。今季初めて松川とのバッテリー。一回からこの日の最速161キロを計測したが、制球が思うようにいかなかった。二回は先頭の清宮に高め直球をはじき返され二塁打を浴びると、続くレイエスにも真ん中直球を捉えられて右前適時打された。三回にも2つの四球が絡んで1死一、二塁から清宮に適時打を許すなど2失点。五回も清宮に適時二塁打を浴びた。打線が一回にポランコの2ランで先制するなどしたが、清宮に3安打2打点と打ち込まれてリードを守り切れず。7勝目はお預けとなった。

◆5試合連続で4番に座る日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)が、ロッテ・佐々木に襲い掛かった。1-2の三回は右前へ同点打。一、二塁間に挟まれたがタッチを避けて決死のヘッドスライディングで二塁に進塁した。「ネクスト(バッターズサークル)でたくさん球を見られたので打つことができました」前打者の浅間が6球目の変化球を見極めて四球を選び1死一、二塁。好機で左打席に立った清宮が1ボールから141キロのフォークボールを右前へはじき返した。大阪遠征中の17日に夏の甲子園大会に出場した母校・早実の試合を現地で観戦し「勝ちへの執念を改めて教えてもらいました。僕もがんばります」と刺激を受けた。13日のロッテ戦(エスコン)から出場5試合連続で無安打に終わっていたが、今カードに入って2試合連続複数安打を放つなど復調。この日、二回先頭の第1打席では二塁打で出塁し、続くレイエスの右前打でホームを踏んだ。「(打撃の)タイミングが取れるようになってきた」と手応えをにじませる左打者がハッスルプレーでナインを鼓舞した。勢いは止まらず、3-3の五回無死一塁では、この試合早くも3安打目となる勝ち越しの左中間二塁打。6回4失点で降板した佐々木を苦しめるには、十分すぎる3安打2打点だった。

◆日本ハムが競り勝って3連勝。3―3と追い付かれた直後の五回、清宮のこの試合3安打目の適時二塁打で勝ち越した。加藤貴は6回3失点で7勝目。ロッテは4連敗。佐々木が2点先行を生かせず、6回4失点で4敗目を喫した。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(22)が6回6安打4失点で4敗目を喫した。自己ワーストに並ぶ5四球と制球を乱して思うように行かず。打線の援護をもらいながら、逆転を許して「初回のリードを守り切れなったのは、ふがいなかった」と悔しがった。佐々木の主な一問一答は以下の通り。――投球を振り返って「先制された中で逆転されてしまった。(チームは)2連敗していて、ここ2戦負けている中で、初回のリードを守り切れなったのは、ふがいなかったかなと思います」――途中から真っすぐが少なくて変化球多めになった「まあ、初回の入りは良かったんですけど、カウント球とかで真っすぐを狙って来ている感じだったので、要所要所でうまくかたよらないようにはしていたんですけど。変化球自体は比較的いいところに投げ切れたかなと思います」――今季初めて松川とバッテリーを組んだ。プランはあった?「そうですね。プランはなく、相手バッターの反応を見ながらその場その場で反応を見ながらやっていこうと」――前回登板は左アキレス腱に打球が直撃して降板。症状などは?「大丈夫です。(投球に問題なく?)はい、そうですね」――六回に水谷を160キロの直球で空振り三振に仕留めるなど最後は真っすぐも良くなってきた?「投げているボール自体はある程度強さもあって、まだ良かった方かなと思うんですけど、先頭だったり、相手打線の調子がいい中で、力を上回ることができなかったかんと思いますね」――清宮3安打2打点された「ミーティングもしてその中で、1打席目2打席目は少し甘い感じ、甘いボールになってしまったんですけど、ああいういい打順のバッターに打たれてしまうと得点につながるなと思いました」――この日の最速は161キロだった。自分の中で直球の強さなどの感触は「前回よりも強さはあったと思うので、まだまだいいボールを投げられると思うんですけど、試合数も少ないのでその場その場で自分の持っているものを出しきって、いくしかないと思います」

◆ロッテは同一カード3連敗を喫した。先発した佐々木朗希投手(22)が6回6安打4失点で4敗目。自己ワーストに並ぶ5四球と制球を乱した。佐々木について吉井監督は「調子は普通かなと思ったんですけど、ちょっとファイターズに劣勢な試合が続いていた。彼もちょっと神経質になったのかなと。それで、いつものコントロールよりはボールが多かったですね。フォアボールもあんなに出す子じゃないんで、ちょっと慎重になりすぎたのかなっていう感じはしました」と振り返った。打線はあと1点が遠かった。それでも苦手としていた左腕の加藤から3点を取った。腰の張りで離脱していた佐藤も八回の攻撃で代打から出場し、3試合ぶりに復帰。今後について指揮官は「一応ゲーム出れる状態になってるんですけど、まだやっぱりそうは言っても痛くなってから2日しかたってないので、様子はみます」と話した。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(22)が6回6安打4失点で4敗目を喫した。自己ワーストに並ぶ5四球と精彩を欠いた。「初回のリードを守り切れなかったのはふがいなかった。相手打線の調子がいい中で、力を上回ることができなかった」前回15日の日本ハム戦で二回に左アキレス腱(けん)に打球が直撃し、16球で降板。大事には至らず中6日で、2022年に完全試合を達成した際に組んだ松川と今季初バッテリーで臨んだが、制球を乱して直球を捉えられた。清宮には五回に適時二塁打を許すなど3安打2打点。最速は161キロで「まだまだいい球は投げられる」と修正を誓った。これでゲーム差なしで始まった20日からの日本ハム戦で3連敗。先発陣は3戦合計15回?で14失点と踏んばれず。吉井監督は「先発投手がやられすぎですよね。やり返したい」と苦言を呈した。(森祥太郎)

◆令和の怪物を攻略した。5試合連続で4番に座った日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)が決勝打を含む3安打2打点をマーク。夏場にめっぽう強い左打者がチームを3カードぶりの3連勝に導いた。「良い形で僕に回してくれていたので何とか生かそうと思った」3-3の五回無死一塁。佐々木の157キロの直球を振り抜いた。ライナーで左中間を破り「ミスショットすることなく一発で捉えられた」と胸を張った。ただ「清宮君は褒めません」と宣言中の新庄監督は「最初にヒットを打って、ホームでスライディングしたときに左膝に違和感が出た。左膝のおかげで打てた。けがの功名」と、下半身を力強く使えない一方、いつもより力が抜けた状態でスイングできたと分析。愛のある〝新庄節〟で評価した。13日のロッテ戦(エスコン)から出場5試合連続で無安打だったが「(始動を)早めにとるようにした」と復調のきっかけをつかんだ。これまで通算9打数1安打に抑えられていた佐々木から3安打を放ち、これで8月の月間打率を・304(69打数21安打)に伸ばした。2位のチームは3位・ロッテに3連勝し、ゲーム差を3に広げた。左膝にアイシングを施し、球場を後にした清宮は「(患部は)全然大丈夫。負けられない試合が続く。全部勝つつもりでいきたい」と力強く前を見据えた。(加藤次郎)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
70373 0.654
(-)
M23
(-)
33470
(-)
296
(-)
86
(-)
77
(-)
0.259
(-)
2.490
(-)
2
(-)
日本ハム
58467 0.558
(↑0.005)
10.5
(↑0.5)
32418
(+4)
375
(+3)
81
(-)
71
(+1)
0.247
(↓0.001)
2.900
(-)
3
(-)
ロッテ
56506 0.528
(↓0.005)
13.5
(↓0.5)
31404
(+3)
401
(+4)
61
(+1)
54
(+3)
0.251
(-)
3.270
(↓0.01)
4
(-)
楽天
53532 0.500
(-)
16.5
(-)
35385
(-)
445
(-)
55
(-)
68
(-)
0.244
(-)
3.800
(-)
5
(-)
ORIX
49593 0.454
(↓0.004)
21.5
(↓0.5)
32313
(+1)
340
(+2)
51
(-)
45
(+1)
0.235
(↓0.001)
2.760
(↑0.01)
6
(-)
西武
34742 0.315
(↑0.007)
36.5
(↑0.5)
33258
(+2)
397
(+1)
43
(+1)
57
(-)
0.206
(↓0.001)
3.280
(↑0.03)