阪神(☆10対4★)ヤクルト =リーグ戦18回戦(2024.08.21)・京セラドーム大阪=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:西 勇輝(6勝4敗0S)
敗戦投手:サイスニード(2勝6敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(12号・1回裏2ラン),佐藤 輝明(10号・6回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神は初回、佐藤輝の適時二塁打と大山の2ランが飛び出し、幸先良く3点を先制する。続く2回裏には、西勇の適時二塁打などで3点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・西勇が6回3失点の好投で今季6勝目。敗れたヤクルトは、先発・サイスニードが試合をつくれなかった。

◆阪神西勇輝はここまで通算123勝で、勝利数の内訳はオリックスで74勝、阪神で49勝。2球団で50勝以上をマークすれば岸孝之(西武103勝、楽天58勝)以来となるが、過去に両リーグで50勝以上挙げたのは、小山正明(セ180勝、パ140勝)、坂井勝二(セ54勝、パ112勝)、江本孟紀(セ61勝、パ52勝)、野村収(セ68勝、パ53勝)、高橋一三(セ110勝、パ57勝)、工藤公康(セ62勝、パ162勝)の6人だけ。西勇が史上7人目の両リーグ50勝を達成できるか。

◆阪神小野寺暖外野手(26)が試合前練習から1軍に合流した。6月19日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で左手首靱帯(じんたい)を損傷。約1カ月半のリハビリ生活を経て、2日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(杉本商事BS)で試合復帰。1軍再昇格へ準備を続けてきた。6月7日に出場選手登録を抹消されて以来の1軍合流となった。

◆阪神青柳晃洋投手(30)が約2カ月半ぶりの1軍戦に臨む。22日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)に先発。4回3失点(自責点2)で降板した5月31日ロッテ戦以来の1軍登板だ。ファームでの直近3戦は17イニングで2失点。好調で臨む復帰登板となる。「(心境は)変わらないです。ファームから中6日で投げているので。相手がファームのチームか、スワローズになるかというだけ。自分のできることを最大限に出せたら」と力を込めた。

◆阪神は不動のラインアップで2連勝を狙う。8月の京セラドーム大阪でのヤクルト戦は、10年から17連勝中と好相性だ。1番の近本光司外野手(29)は6試合連続で初回先頭打者として安打を放っている。またも先制攻撃の起点となれるか。先発投手は6勝目を目指す西勇輝(33)。勝てば阪神で50勝に到達。国内球団から阪神に移籍してきた選手では5人目になる。西勇はオリックスから阪神に移って6年目。ここまで防御率1・54の安定感。この試合で規定投球回に復帰する可能性がある。

◆ヒップホップグループ「DOBERMAN INFINITY」のGS(45)とKUBO-C(44)がファーストピッチセレモニーに登場した。「EXPO2025ナイター」として開催された一戦。ミャクミャクとトラッキーを打席に迎え、それぞれ投球した。ノーバウンド投球を披露したGSは「ちゃんと投げられるかというところがすごく不安だったんですけど。緊張しましたね」と笑顔で振り返った。

◆/スタンド中段へ\完璧に振り抜いた#大山悠輔 12号2ランホームラン?プロ野球(2024/8/21)?? 阪神×ヤクルト??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/46ESxIVGnZ

◆阪神が前日に続いて初回から3点を奪った。中野拓夢内野手(28)が二塁打でチャンスを作り、佐藤輝明内野手(25)が左中間フェンス直撃の先制二塁打。続く大山悠輔内野手(29)が12号2ランを左翼席に打ち込んだ。1番の近本光司外野手(29)は第1打席で一ゴロに倒れ、6試合続いていた初回先頭打者での安打が止まった。それでも2番からつなげて先制攻撃を作り上げた。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が入団から4年連続の100安打を達成した。球団史上4人目の記録となった。初回に右翼線への二塁打。2回にも適時中前打を放って100本に到達した。昨年、164安打でタイトルを獲得したが、今年は打撃不振が続き、とくに8月は前の試合まで打率1割台。マルチ安打は8月初めてだ。中野が新人の21年から4年連続で100安打の大台に到達した。阪神では吉田義男8年、近本光司6年(継続中)、後藤次男5年に次いで4人目。なお中野と同期入団の佐藤輝も昨季まで3年連続で3桁安打を続けている。中野と佐藤輝は昨季、プロ野球初の「同一球団同期入団の2人が、1年目から3年続けてそろって100安打以上」という快挙を達成しており、今季は記録を4年に伸ばすことが確実だ。

◆どんな時も守備練習? 6回、ヤクルト・オスナが空振りした際、手からすっぽ抜けたバットが三塁の阪神佐藤輝明内野手(25)の目の前にコロコロと転がった。佐藤輝は少し驚いたような表情を見せたが、目の前で止まったバットを素手でつかむと、そのまま一塁に投げるようなしぐさを見せた。

◆/なんだこの打球は...\入団から4年連続の2桁本塁打#佐藤輝明 スタンドへ突き刺した?プロ野球(2024/8/21)?? 阪神×ヤクルト??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/kLBYEl9kYA

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が入団以来4年連続の2桁本塁打に達した。6回無死一塁で、右翼席中段までライナーで運ぶ会心の10号2ランを放った。阪神では10年連続の田淵幸一、12年連続の岡田彰布に続く記録だ。また森下翔太外野手(23)、大山悠輔内野手(29)に続く10号となり、ドラフト1位トリオによる2桁本塁打は、昨年のこの組み合わせに続いて2年連続。

◆阪神がセンターゴロでチャンス拡大に失敗した。6回無死一、二塁の場面。7番木浪聖也内野手(30)の放ったライナーが遊撃手の方向へ飛んだ。ベース寄りの打球に二塁走者大山は併殺防止で頭からライナーバック。しかし飛びついた遊撃手のグラブは届かず、センター方向へ抜けていった。中堅手は捕球すると直接三塁へ送球。急いで進塁した大山だがフォースアウトとなり、珍しい形での中ゴロとなった。

◆阪神は打投がかみ合ってヤクルトに2連勝し、5カードぶりの勝ち越しを決めた。8月に京セラドーム大阪で行われるヤクルト戦は18連勝となった。序盤から猛攻を仕掛けた。初回、2死三塁で佐藤輝明内野手(25)が左中間フェンス直撃の先制適時二塁打。続く大山悠輔内野手(29)が左翼スタンドへ12号2ランを放ち、2試合連続で初回に3点を先制した。大山はこれで6年連続の50打点到達となった。2回には西勇輝投手(33)、中野拓夢内野手(28)、森下翔太外野手(24)が適時打。またも3得点でヤクルトを突き放した。立ち上がりの3イニングで11安打を決めた。5回には近本光司外野手(29)の2点打で追加点。6回には佐藤輝の10号2ランでダメ押しに成功した。佐藤輝は新人から4年連続で2桁本塁打。球団では田淵幸一の10年連続、岡田彰布の12年連続に次ぐ記録となった。先発西勇は今季6勝目。これで小山正明、工藤公康らが達成した球界史上7人目の両リーグ50勝(オリックスで74勝、阪神で50勝)に到達した。また、連続試合先発登板を「294」とし、三浦大輔と並ぶプロ野球3位の記録もマークした。チームは7月下旬から8月上旬まで8連勝して以来となる連勝。首位広島、2位巨人の上位2チームに食らいつく。

◆阪神西勇輝投手(33)が約3年ぶりのマルチ安打を放った。まずは2回1死二塁からサイスニードの148キロ直球をミート。遊撃手の頭を越え、左中間へ抜けていくライナーで適時二塁打と決めた。3回にも2死一、二塁で打席が回ると、三遊間を破る左前打でチャンスメーク。21年8月27日広島戦(マツダスタジアム)以来、約3年ぶりの複数安打となった。今季の得点圏打率はここまで10打数5安打で5割。バットでも抜群の勝負強さを見せている。

◆阪神は打投がかみ合いヤクルトに2連勝し、5カードぶりの勝ち越しを決めた。8月に京セラドーム大阪で行われるヤクルト戦は18連勝となった。岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-初回からホームランが出て15安打10得点の快勝「そうですね。昨日もですけど初回からいい攻撃ができているんじゃないですかね」-打線がよくつながった「まあね、昨日からつながりがちょっとできてきたかなというのはあったので、役割というか、フォアボールも選んだり、後ろにつないだり、そういうのが、そういう仕事がみんなできているので、本当にいい感じで点を取れていると思いますね」-大山の初回ホームランは大きかった「昨日はね、初回ボール選んでフォアボールになってたから、それからね、どんどんストライク来たので、今日は最初から早いカウントで打つというかね、そういうミーティングをしたので。だからね、初球から準備というか、初球からそういう甘いボールを仕留めるというか、そういう準備ができていたんですかね」-佐藤輝も弾丸ライナーでホームラン「ヒットが出ているとそらね、角度が良ければああいう本塁打になるし、やっぱりヒットの積み重ねじゃないですか」-勝ちパターンの投手も休ませられた「そうですね、この2日間は(勝ちパターンの)4人が投げてないんで、まあ昨日は岩崎がちょっと投げたけど、そういう意味ではいい休みというか、まあね大事なところでは投げないといけないんで、そういう準備待ちですよね」-西勇が勝ち投手「最初に6点もらって、6回で球数も100を超したんでね、点数も開いたんでね、後ろのピッチャーも投げるチャンスがあったので、まああそこ6回でね(降板させた)。あっこ1点で逃れたのが良かったと思いますね」-久々に勝ち越した。京セラにもどってホームの雰囲気の違いを感じるか。「昨日帰ってきて、ホームですからね、そういう意味で、ビジターであまり良くなかったので、そういう意味でもこう息を盛り返したというか、なんかみんな思い出したというか、そういういい点の取り方してるんで、これはもう続けていかないといけないですね」-明日は青柳「いやいや、まあね、青柳も久しぶりなんですけど、まあねえ、当然1軍で投げないといけないピッチャーなんですけど、後半ね、ファームでも準備してたと思うんで、ある程度ね、今日ブルペン見たんですけど、結構いい時ぐらいに戻ってきたんで、明日はどんなピッチングするか、楽しみですけどね、あのボールじゃ大丈夫と思ってます。安心して送れると思いますね」(囲み取材)-序盤の攻撃はミーティングで伝えたことが形になった「そやなあ、外国人のピッチャーはどんどんストライクとってくるよ。5回目やろ? 今年だけでも。それはある程度わかってるから。ファウルとかでミスショットしたらまた考えるやろけど、1発で仕留めたのが大きいわな」-球種も伝えたか「えっ? そんなん指示せえへんよ。何投げてくるか分からんやんか」-去年のような攻撃「なあ、なんでやろ、分からんけどな。それは言われへんけど、秘密やから」-昨日も言っていたが積極的にいくと簡単に追い込まれることもない「いやいや、積極的にいくいうのとボール見るのは紙一重やからな。積極的にいくいうてボール球振ってしもてもあかんし、難しいけど。やっぱり見極めや。打ちにいってボールを見極めるのが一番ええわけやから。そういうのができてるってわけやろ、結局は。昨日は初回からフォアボール3つも選んだけど、そういう意味ではそら相手もフォアボール出さんとこってストライクとりにくるわけやんか。それをどう一発で仕留める。ミスショットしてファウルファウルなると、向こうも考えてくるから」-近本はその紙一重の部分で相手の脅威になっている「いや、そらお前ヒットが出てるからいいんちゃう、うーん」-佐藤輝が2ケタ本塁打。ようやく「いや、ようやくって別にホームランを何本も打ったらあかんとかそんなん関係ないやんか。なんでやそんなの。だからヒットを打ってたらな、角度でホームランなるっていうことやん別に、うーん。そらお前、毎打席ホームラン狙ってたらまたおかしなるわ。そんなホームラン打とうと思って」-残り試合が少なくなって選手の尻にも火が「そんな少ないか? 今8月やでいうても。え? まだ4分の1残ってんちゃうの。そんなことないの?」-ちょうど30試合「30試合やるの大変やでお前、1カ月でできひんで。よくそんな残り試合少ないとか、30試合もあるんやで、え?」

◆阪神とのカード2戦目を託されたヤクルト・サイスニード投手(31)が6敗目を喫した。4回67球を投げ11安打6失点と大炎上。初回に適時打と2ランを浴び、さらに2回には1死二塁から4連打で計6失点。初戦を託された吉村と同じく初回に3点を奪われる展開に、ベンチで見守った高津臣吾監督(55)の表情にも悲愴(ひそう)感がにじんだ。それも無理もない。前夜の反省は何だったのか。7回途中4失点で7敗目を喫した吉村貢司郎投手(26)の立ち上がりについて、高津監督は「初回の3失点というのは非常にこう重くなりますね」と嘆いていた。「先発が何試合も続けてすぐ3点も4点も奪われ、追いかけないといけないゲーム展開」に業を煮やし、先発投手陣へ立ち上がりの修正を促したばかりだった。そんな指揮官の思いとは裏腹に、一夜明けた試合でもサイスニードが打ち込まれ序盤から劣勢を強いられた。苦しい投球を強いられ、31歳右腕は「うれしくはないですね。自分の投球のデータも見ていないので、これから帰って分析したいです」と言って球場を後にした。先発投手陣がどうもピリッとしない。18日の広島戦に先発した石川雅規投手(44)、20日の阪神戦に先発した吉村、そしてこの日のサイスニードと3試合連続で初回に3点を与える状況が続いている。「人間がやることなのでミスもあるでしょうけど」と高津監督は気遣いつつも、次こそ試合を作るよう先発陣に願った。

◆阪神木浪聖也内野手(30)は母校に元気をもらって活躍した。午前中に青森山田が戦う甲子園準決勝を途中まで観戦。惜しくも敗れたが、木浪は京セラドーム大阪に移動して2安打を放った。「昨日同様にいい内容のバッティングだったと思う。母校に本当に元気をもらいました。あまり長い時間はいられなかったけど、母校を応援できるのはすごくいいことだと思いました」と後輩たちにも感謝した。

◆アレンパ諦めん! 阪神佐藤輝明内野手(25)が決勝打&10号2ランと大暴れし、チームを2連勝&5カードぶりの勝ち越しに導いた。初回2死三塁で左中間フェンス直撃の先制二塁打。6回にはダメ押し2ランを右翼席に突き刺した。新人から4年連続の2桁本塁打は球団3人目だ。これでチームは8月に京セラドーム大阪で行われるヤクルト戦で18連勝。首位広島とのゲーム差を4に縮め、一気のカード3連勝を狙う。軽々と振り抜いた。ボールをすくい上げるようなスイング。佐藤輝は簡単に本塁打を打っているように見える。それだけ力感なくリラックスしている。「狙ってはいなかったけど、良い反応ができた思う」。6回無死一塁。星の内角低め148キロ直球を仕留めた。ダメ押しの右越え10号2ラン。田淵幸一、岡田彰布が通過点とした新人から4年連続2桁アーチだ。大先輩たちに次ぐ球団3人目の記録にも「もう全然。まだ10本なんで。特にないです」と首を横に振る。納得しないが大山、森下とともにドラフト1位選手3人が2桁本塁打は球団4度目の快記録。3人の打点そろい踏みは今季9戦全勝を誇る。初回は2死三塁で左中間フェンス直撃の先制適時二塁打。「今日はあれが一番よかった」という逆方向の一打こそ真骨頂だ。新人だった21年。初めて出場した球宴の練習中、左中間へ鋭い打球を飛ばしていると憧れのソフトバンク柳田が近寄ってきた。談笑した際には「ありえない...」と驚かれた。佐藤輝と同じ左の長距離ヒッターが練習から左中間への当たりを意識したのは、プロに入って数年たってからだったという。そこを狙うことで、バットは自然と体の内側から出てくる。ルーキーイヤーから実践していた背番号8は「調子が良い時はそっち(逆方向)へ当たりが出る」と言う。この日の先制V打は好調の証し。8月は打率3割3分8厘と波に乗る。岡田監督は試合前のミーティングで「初球から甘いボールを仕留める」と指示していた。初回の佐藤輝の適時打も初球だ。主砲が3打点で導き、チームは15安打10得点。ヤクルトに連勝で5カードぶりの勝ち越しを決めた。8月に京セラドーム大阪で行われるヤクルト戦は18連勝と無敵だ。残り30試合。シーズンは大詰めか。いや、指揮官はまだ先を見ている。「今、8月やで? まだ4分の1残ってんちゃうの。30試合やるの大変やでお前、1カ月でできひんで。30試合もあるんやで、え?」。首位広島とは4ゲーム差に縮まった。逆転でのリーグ連覇へ。上位2チームにとって、虎が不気味な空気をおびてきている。【中野椋】

◆阪神近本光司外野手(29)の初回先頭安打は6試合で止まった。だが好調は維持。2回の第2打席で右前打。5回には三遊間に2点適時打を放って4試合連続のマルチ安打。「(2回は)追加点を取れたあとに、そのまま続けて良かったです」と振り返り、積極的な打撃について「結果が出ていたら何でもいいように見えるし、結果が出ていなかったら良くは見えない。結果だけですよ」と冷静に話した。

◆阪神中野拓夢内野手(28)がヒットメーカーの意地を見せた。8月初めてのマルチ安打で、入団から4年連続の100安打に到達した。98安打で迎えた試合。初回1死からさっそく右翼線に痛烈な二塁打。先頭近本の初回安打が6試合で止まったあとの打席だった。「最近、近本さんが出て僕がバントという流れが続いていたけど、近本さんが出なかった時に自分が出るのが一番だし、先制点が大事というのは分かっていた」。2番打者がカバーしてチャンスメーク。前日に続く初回3得点を導き、打線の着火役になった。2回にも中前に適時打を放って、安打数を節目の3桁に乗せた。「正直、100安打は気にはしていなかったです。逆にこの成績でここまで試合に出していただいている。そこはいかないといけない数字なので。ヒット数がどうというより、ここまで来たらチームが一番。自分の役割である後ろにつなぐことを意識しながらやっていきたい」と表情を引き締めた。昨年は164安打でタイトルを獲得。今年は打撃不振が続き、とくに8月は前の試合まで打率1割台。ここに来て2番打者の復調も頼もしい。【柏原誠】中野が新人の21年から4年連続で100安打の大台に到達した。阪神では吉田義男8年、近本光司6年(継続中)、後藤次男5年に次いで4人目。なお中野と同期入団の佐藤輝も昨季まで3年連続で3桁安打を続けている。中野と佐藤輝は昨季、プロ野球初の「同一球団同期入団の2人が、1年目から3年続けてそろって100安打以上」という快挙を達成しており、今季は記録を4年に伸ばすことが確実だ。

◆阪神西勇輝投手(33)が投打の活躍で、記録ずくめの今季6勝目をつかんだ。4回までは無安打投球を継続。5回は長岡に右中間へ2点適時打、6回は宮本に一、二塁間を破る適時打を浴びたが、きっちり試合は作った。「球数に関係なく、ゼロで帰ることが大事。ピッチャーとしての最低限ができて良かった」6回106球を投げきり4安打3失点。打撃でも2回1死二塁から左中間へ適時打を放つと、3回2死一、二塁でも三遊間を破る左前打。約3年ぶりのマルチ安打を記録した。今季の得点圏打率は10打数5安打で5割。得点圏で10打席以上立った選手ではセ・リーグ1位タイの勝負強さだ。メモリアルな1勝となった。阪神に国内移籍した投手では球団5人目の50勝到達。オリックス時代にも74勝を挙げており、両リーグで50勝以上は球界史上7人目の快挙となった。先発で連続試合登板も294試合に達し、三浦大輔と並び球界歴代3位の記録だ。「投げることが仕事。勝つことは二の次。その順番が違ったりすると、投げてていてしんどい。そこに重きを置かなかったのが一番だと思います」わずかに2/3回届かなかったが、規定投球回到達も目前。まだまだ勢いは止まらない。【波部俊之介】

◆阪神森下翔太外野手(24)が頼れる先輩たちに続いた。5点リードの2回1死一、二塁。サイスニードから中前適時打を放った。7回にも右前打を放ち4打数2安打1打点。2人合わせて5打点を挙げた4番佐藤輝、5番大山に続いた。「自分が3番を打っているので。最初に自分が打てればテルさん、大山さんがもっと楽な展開で打てると思う。継続してやっていきたい」と次戦へ引き締めた。

◆阪神大山悠輔内野手(29)は大歓声に包まれ、ゆっくりと歩き始めた。1点を先制した直後の初回2死二塁。ヤクルト先発サイスニードの初球、高めに入った128キロスライダーを強振し、完璧なフォロースルーを決めた。打球は左翼席中段へ一直線。打った瞬間に確信した1発に、歓喜の六甲おろしが響いた。「1点取ったら2点、3点と取らないといけない。次の1点と思って打席に入りました」初回2死三塁から4番佐藤輝が左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、先制点を奪取。なおも続く好機でフルスイングした。「いい感触で打てた」という一発は18日の中日戦(バンテリンドーム)以来、2試合ぶりの今季12号2ラン。初回の3得点猛攻で一気に流れを引き寄せた。この日は愛弟子の1軍復帰デーだった。オフの自主トレをともにする小野寺が左手首の靱帯(じんたい)損傷を乗り越え、約2カ月半ぶりに1軍に戻ってきた。今年1月には「小さくなりすぎている。飛ばす力をもう1回引き出してもいいんじゃないか」とアドバイスしていた先輩。お手本のような放物線を描き、後輩の帰還を祝ってみせた。これで本塁打数はチーム単独トップ。さらに球団8人目の6年連続50打点にも到達した。6回には左前に落として4試合連続マルチ安打も記録。一方で悔しいプレーも忘れない。6回無死一、二塁、二塁走者として木浪の遊撃右への痛烈な当たりにライナーバックしたが、打球はグラブの先を通過。懸命にスタートを切り直すも三塁で封殺され、センターゴロとなった。「まだまだだと思いますし、チームに貢献できてない部分が多い。もっともっと頑張らないといけない」チームの5カードぶり勝ち越しにも浮かれた様子は一切ない。「勝てていない悔しさがあった。まずは勝ち越せたのが一番ですし、勝ち越せたことによってまた明日の試合も大事になってくる。もう一度整理して準備したいと思います」カード3連勝へ。主砲は勝ってかぶとの緒を締め直した。【村松万里子】

◆阪神・小野寺暖外野手(26)が1軍に合流した。今季は開幕1軍も13試合の出場で打率・077。6月7日に2軍降格すると、同月のウエスタン戦で左手首靱帯(じんたい)損傷し、離脱。8月2日に実戦復帰していた。ウエスタン・リーグでは打率・220。代わって野口恭佑外野手(24)がこの日から2軍残留練習に合流している。

◆22日のヤクルト戦(京セラ)に先発する阪神・青柳晃洋投手(30)は試合前にキャッチボール、ショートダッシュなどで調整した。1軍登板は5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来3カ月ぶりとなる右腕は「場所が(2軍の)鳴尾浜かここかというだけ。自分ができることを最大限に出せたらいいかなと」と意気込んだ。今季は2年連続で開幕投手を務めたが、8試合に登板して1勝3敗、防御率3・83。5月31日に出場選手登録を外れた後、2軍暮らしが続いていた。京セラドームの登板は今季初。「こんな涼しいところで野球をやるのは久しぶりなので、幸せ」と報道陣を笑わせると、結果を残して1軍ローテ入りをアピールしたいか、という質問に「もちろん、そう思ってますし、(残り試合で)投げさせてもらえるのであれば、全部勝つ気持ち」とキッパリと言い切った。

◆阪神は西勇輝投手(33)が先発する。ここまで17試合に登板して5勝4敗、防御率1・54と安定した投球を続けており、勝利すれば阪神加入後の通算50勝目。今季2度目のヤクルトとの対戦で、節目の1勝とチームの連勝を目指す。

◆虎の左右の大砲が京セラドームを沸かせた。一回、1死から中野が右翼線に二塁打を放つと、森下の右飛で三進。阪神・佐藤輝明内野手(25)が打席に向かった。サイスニードの投じた初球、124キロカーブを捉えると、打球は左中間フェンスに直撃する先制の適時二塁打となった。歓声が包む京セラだったが、阪神の猛攻は終わらない。余韻残る中、続く大山も初球を一閃。128キロスライダーを捉えると、打った瞬間の打球は左翼スタンド中段で弾んだ。12号2ランで3-0。序盤の主導権を完璧に奪った。

◆阪神は一回、佐藤輝明内野手(25)が先制の適時二塁打を放ち、続く大山悠輔内野手(29)も12号2ランで3-0。序盤の主導権を完璧に奪った。佐藤輝明 「打ったのはカーブ。まずは初回に先制していい流れを作ることができてよかったです。初球から積極的にスイングした結果が良い結果につながったと思います」大山悠輔 「打ったのはスライダー。先制した直後でしたが、次の1点を取りに行く気持ちでした。ストライクを取りにきた変化球に対してしっかり自分のスイングができたと思います」

◆阪神は西勇輝投手(33)が自らを援護だ。3点を先行して迎えた二回1死二塁の好機。サイスニードの初球、148キロを振り切った。打球は左中間を真っ二つ。適時二塁打で4点目をマークした。西勇はこれで今季の得点圏打率・444(9打数4安打)。チャンスに強い男がさらに活性化させた阪神打線は止まらない。近本が右前打を放つと、中野が中前適時打を放って5点目。さらに森下にも中前適時打が飛び出し、6ー0と大きくリードを広げた。

◆阪神は3-0の二回に追加点。西勇輝投手(33)の左中間への適時二塁打、中野拓夢内野手(28)の中前適時打、さらに森下翔太外野手(24)の中前適時打で3点を追加した。中野拓夢 「打ったのはカットボール。チャンスの場面でしたし、積極的に打ちにいく気持ちで打席に立ちました。西さん、(近本)チカさんがいい流れを作ってくれたので、自分もうまくその流れに乗ることができました」森下翔太 「打ったのはカットボール。(中野)拓夢さんが良いタイムリーを打ってくれて、楽な気持ちで打席に入ることができました。甘い球をしっかり1球で仕留めることができてよかったです」

◆阪神が再びリードを6点差に広げた。2点をかえされて迎えた五回。1死から木浪、梅野が連続四球で出塁。西勇が犠打でつないで2死二、三塁の好機を作った。打席には1番・近本光司外野手(29)。ヤクルトの2番手・星の149キロ直球を逆らわずにはじき返した。遊撃強襲の2点打で8‐2とし、リードは再び6点差。下位打線が作った好機を近本がかえす。昨季の黄金パターンで流れを渡さなかった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が8-3の六回、10号2ランでリードを広げた。「打ったのはストレート。打った感触もよかったですし、良いスイングができたと思います。最後まで集中して、この試合を勝ち切れるように頑張ります」一回の先制打で打線に火をつけた主砲が、今度は自ら豪快な一発を放った。星の内角低め直球をすくい上げ、打球は右翼スタンドへふわりと舞ってそのまま飛び込んだ。新人から4年連続の2桁本塁打でチームの2桁得点を達成。スタンド中から大きな拍手が背番号8に注がれた。

◆阪神・西勇輝投手(33)は6回3失点で降板した。大量リードに自ら貢献し、試合をきっちり作った。打撃では3-0の二回1死二塁で左中間を破る適時二塁打。この回の3得点を呼び込んだ。投げては四回まで無安打投球を披露。五回は長岡に適時打を許して2失点、六回にも1点を失ったが、大きく崩れることはなくリードを守った。阪神での通算50勝目となる白星の権利を手にしてマウンドを降りた。

◆またも重いスタートとなってしまった。ヤクルトは、先発のサイスニードが4回で来日後自己ワーストタイの11安打を浴び6失点。序盤で相手に流れを渡した。「何試合か投げたことはあるけど、マウンドが硬くて、自分は硬いマウンドが合っていると思うのでとても好きなマウンド」京セラドームへの相性をそう口にしていたサイスニード。チームの勝利と自身3勝目を呼び込む投球が期待されたが、応えられなかった。一回は1死から中野と佐藤輝に二塁打を浴び、大山に左越え12号2ランを被弾。二回も1死二塁から投手の西勇に左中間適時二塁打とされるなど3点を失った。先発が試合を作らなければ、浮上は難しい。前日20日の阪神戦(京セラ)では、吉村が初回の3失点が響いて、才木との投げ合いに敗れた。高津監督は試合後「火曜日の頭の初回の3失点は非常に重くなりますね」と明かしていた。試合前時点でのチームの先発投手の平均投球イニングは12球団ワーストの5・33。先発が長いイニングを投げられればある程度ゲームメークするうえで計算はできるが、現状では難しい。奥川がコンディション不良で離脱し、1軍に帯同させる予定だった小川も体調不良で2軍調整に変更となっている。シーズン最終盤へ、今一度先発陣の奮起が求められる。

◆阪神が1カ月ぶりの2桁得点でヤクルトに快勝した。一回に佐藤輝明内野手(25)の適時打と大山悠輔内野手(29)の2ランで3点を先制し、二回にも先発の西勇輝投手(33)の適時打などで3得点。六回には佐藤輝の10号2ランが飛び出した。1番から5番が全員打点を挙げるなど効果的にリードを広げ、7月21日の広島戦(甲子園)以来となる2桁得点を記録した。西勇は四回まで無安打の好投。五回、六回と失点を重ねたが大きく崩れることはなく、6回3失点で降板。阪神での通算50勝目を達成した。セ・パ両リーグで50勝を達成するのは史上7人目となった。チームはヤクルトに連勝し、5カードぶりの勝ち越しを決めた。

◆阪神が4試合連続2桁安打で快勝し、5カードぶりの勝ち越し。一回に佐藤輝明内野手(25)の先制打と大山悠輔内野手(29)の12号本塁打で3点を先取すると、二回は西勇輝投手(33)の今季4本目の適時打、中野拓夢内野手(28)の中前打などで、3点を追加した。五回は近本光司外野手(29)の2点打、六回には佐藤輝の球団3人目の新人から4年連続2桁本塁打で突き放した。6回3失点の西勇は6勝目(4敗)で両リーグ50勝。中野は吉田義男(8年)、近本(6年で継続中)、後藤次男(5年)に次いで球団4人目の新人から4年連続100安打を記録した。チームは23試合ぶりの2桁得点。首位広島に4差となった岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=56勝51敗6分、観衆=3万6061人)。ーー序盤の攻撃はミーティングで伝えたことが形になった。「そやなあ、外国人のピッチャーはどんどんストライク取って来るよ。(サイスニードとは)5回目やろ? 今年だけでも。それはある程度わかってるから。ファウルとかでミスショットしたらまた考えるやろけど、一発で仕留めたのが大きいわな」ーー球種も伝えたか「えっ? そんなん指示せえへんよ。何投げてくるか分からんやんか」ーー去年のような攻撃「なあ、何でやろ、分からんけどな。それは言われへんけど、秘密やから」ーー積極的に行くと簡単に追い込まれることもない「いやいや、積極的に行くいうのとボール見るのは紙一重やからな。積極的に行くいうてボール球振ってしもてもアカンし、難しいけど。やっぱり見極めや。打ちに行ってボールを見極めるのが一番ええわけやから。そういうのが出来てるってわけやろ、結局は。昨日は初回からフォアボール3つも選んだけど、そういう意味では、そら相手もフォアボール出さんとこって、ストライク取りに来るわけやんか。それをどう一発で仕留める。ミスショットしてファウル、ファウルなると、向こうも考えて来るから」ーー近本は紙一重の部分で相手の脅威になっている「いや、そらお前、ヒットが出てるからいいんちゃう? うーん」ーー佐藤輝が2桁本塁打。ようやく「いや、ようやくって別にホームランを何本も打ったらアカンんとか、そんなん関係ないやんか。なんでや、そんなの。だからヒットを打ってたらな、角度でホームランなるっていうことやん。別に、うーん。そらお前、毎打席ホームラン狙ってたら、またおかしなるわ。そんなホームラン打とうと思って」ーー残り試合が少なくなって選手の尻にも火が「そんな少ないか? 今、8月やで、いうても。え? まだ4分の1残ってんちゃうの。そんなことないの?」ーーちょうど30試合「30試合やるの大変やで、お前、1カ月で出来ひんで。よく残り試合少ないとか、30試合もあるんやで、え?」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)は2つの二盗を許した阪神の隙に対し、苦言を呈した。絶対に負けられない試合を投打で圧倒して勝ち切ったのは大きい。特に打線はつながり始めた。中心にいるのが大山。好機で効果的な一打が出ている。誰かが打つと、みんな打ち出すのが今季の阪神打線。その一方で、好投手と当たった時が問題になる。ヤクルト3戦目も勝って、広島との決戦に向かってもらいたい。打線が爆発できなくても、ボール球を振らない、足を絡めるなどで得点できるかどうか。快勝だったが、気になったのは五回に内山、六回にサンタナに二盗を許したこと。どちらも失点に直結している。マウンドの西勇を見ていると全くの無警戒。確かに一塁手・大山もベースから離れていたが走者をフリーにし過ぎ。投手だけの責任ではなく、大山もベースに入る動きさえ見せれば、あれほど簡単に走られない。チーム全体で隙を見せてしまった。他球団のスコアラーは見逃さない。熾烈な優勝争いの中で、ひとつの隙は致命傷になりかねない。気を付けてほしい。

◆ヤクルトは、今季3度目の2桁失点の大敗を喫し、3連敗。借金は今季最多に並ぶ15に膨れた。先発のサイスニード投手(31)が初回に3試合連続となる3失点と主導権を奪われ、二回にも3失点。4回で来日後自己ワーストに並ぶ11安打を浴び、6失点で6敗目(2勝)。打っては、五回に長岡秀樹内野手(22)が中前2点打を放ったが、序盤の失点が響いた。高津臣吾監督(55)の主なコメントは以下の通り。?――サイスニードが4回11安打6失点で6敗目(2勝)。序盤に捕まった「うーん。2球で3点取られたので(一回2死二塁からの佐藤輝、大山に)、もうちょっと4番、5番のクリーンアップのところを慎重に入ってほしかったと思いますね。先頭というか、中野のツーベースは別として、ツーベース、ホームランで3点取られるわけですから。立ち上がりの失点の重さの意味を考えると、もうちょっと違う攻め方があったんじゃないかなと思いますね。本人は週に1回投げる投手ですけど、こちらとしては初回の失点がすごく響いてゲームを落としているわけなので、今日こそ初回だけはと思いながら見ていたんですけどね」――捕手に内山を起用した理由「えーと、いろいろ本人にも確認して、今日は壮真でいこうと」――サイスニードばその後も止められなかった「サイもそんなによくなかったと思いますけど、向こうの打線が非常に積極的で、特にスコアリングにいるときは真っすぐだろうが、変化球だろうがどんどん勝負を仕掛けてくるというところは、タイムリーにつながっているのかなと思いましたけどね。他にも原因はあるんでしょうけど、向こうは非常に積極的にスイングを仕掛けてきたかなと」――先発陣が試合を作れない現状について「うーん。そうですね。6回、7回(まで投げてほしい)とは思ってるんですけど、そうですね。表現難しいですけど、ゲームをつくってくれればと思います」――3試合連続で一回に3失点。先発投手は立ち上がりの難しさはあると思うが「うーん。まあ難しいんでしょうけどね。あ防ぐ方法はあるんじゃないかなと思いますけどね。それは相手もあることなのでね、全てがうまくいくとは思わないですし、人間がやることなので、ミスもあるでしょうけど、そのゲームの初回に失点することの意味とか、チームの現状とか、彼らは週に1回しか投げないですけど、いろいろ考えると、もう少し入り方の方法もあったんじゃないかと思いますけどね」――ビハインドで投げる投手の役割も重要。相手の流れを止められなかった「まあ、下位にフォアボール出して、打たれるわけですから、それは点が入りますね」――長岡が2点打を放つなど連続安打、連続出塁が続いている「そうですね、まあよく塁には出てくれるので、いい場面でね、きょうの最終回のようにいい場面でね、回ってくればなと思いますけど。ちょっと他の選手がね、なかなかね、バットが出ないというか、序盤でほとんど初球から振りに行った人がいなかったと思うので。待てのサインも出してないですけどね。なかなか手が出ないので、もっとこう結果を恐れずスイングを仕掛けていってほしいなと思いますけどね」――長岡は死球の影響は「全く大丈夫でしょう」――内山も死球の影響は「大丈夫っぽいです」

◆阪神が4試合連続2桁安打で快勝し、5カードぶりの勝ち越し。六回には佐藤輝明内野手(25)の球団3人目の新人から4年連続2桁本塁打をマーク。6回3失点の西勇輝投手(33)は6勝目(4敗)で両リーグ50勝。中野は吉田義男(8年)、近本(6年で継続中)、後藤次男(5年)に次いで球団4人目の新人から4年連続100安打を記録した。データBOXは以下の通り。?阪神・中野拓夢内野手(28)がプロ1年目の2021年から4年連続で100安打をマーク。阪神の選手では後藤次男(1948-52年=5年)、吉田義男(53-60年=8年)、近本光司(2019年から継続中=6年)に次いで4人目。?佐藤輝はプロ1年目から4年連続2桁本塁打。阪神では田淵幸一(1969-78年=10年)、岡田彰布(80-91年=12年)に次いで3人目で、左打者は初。?西勇が阪神で通算50勝に到達(オリックスで74勝)。セ・パ両リーグで各50勝したのは、工藤公康(セ62勝、パ162勝)らに次いで7人目。

◆阪神・木浪が7番から好機を演出した。二回先頭で左翼へ二塁打を放ち、西勇の適時打で生還。三回にも中前打を放ち2戦続けてのマルチ安打とした。「もう1本という気持ちがあったので、2本目につながった」とうなずいた。試合前には甲子園で母校の青森山田高の試合を観戦。決勝進出はならなかったが「本当に元気をもらった。ああやって母校を応援するのはすごくいいことだなと思った」と後輩の奮闘に心を動かされていた。

◆ヤクルトは今季3度目の2桁失点で3連敗。借金は今季最多タイの15に膨らんだ。高津臣吾監督(55)は4回6失点で降板した先発のサイスニードに苦言を呈した。「2球で3点取られたので、クリーンアップのところを慎重に入ってほしかった。立ち上がりの失点の重さの意味を考えると、もう少し違う攻め方があったと思う」またも重いスタートだった。一回2死三塁で佐藤輝に左中間フェンス直撃の適時二塁打、続く大山に左越え2ランを被弾。ともに初球を捉えられ、チームは3試合連続で一回に3失点した。サイスニードは自己ワーストタイの11安打を浴びて6敗目(2勝)。開幕投手を務めた助っ人が仕事を果たせなかった。「初回の失点がすごく響いてゲームを落としている。ゲームを作ってくれれば」と高津監督。先発陣の奮起なくして浮上はない。(赤尾裕希)

◆阪神・中野が一回1死で右翼へ二塁打。この回の3得点を呼び込み、続く二回は1死一、三塁でリードを広げる中前適時打を放った。7月30日の巨人戦(甲子園)以来19試合ぶりの複数安打で、新人から4年連続の100安打を達成した。球団4人目の記録にも「この成績でここまで出していただいている。超えていかなきゃいけない数字」と満足せず。「ヒットにこだわるより、役割である後ろにつなぐことを明日以降も意識してやっていきたい」と語った。

◆阪神・漆原が三者凡退で相手に反撃の隙を与えなかった。西勇に代わって七回に登板。内山をカーブで見逃し三振、増田を右飛、この日2打点の長岡は直球で見逃し三振に抑えた。これで3試合続けて無失点。「チームのために一試合でも投げることが大事になってくる。優勝を狙っている中で、なんとかチームのために投げていければ」と力を込めた。

◆訪れたピンチも熟練の投球で粘り切り、先発の役目をしっかりと果たした。阪神・西勇輝投手(33)が6回4安打3失点でつかんだのは、節目の虎50勝目。連勝を決めた中で輝きを放つ、投打にわたる活躍だった。「球数はかかったけど、投手として最低の最低の最低限(の仕事)ができてよかった」二回を終えて6―0と序盤から大量援護をもらった。その中でも、緩急を自在に操って打者一人一人を確実に抑え続け、五回1死まではノーヒット投球だった。この回は山田の初安打となる内野安打からピンチを背負って長岡に反撃の中前2点打を許し、さらに8―2となった六回も1点を失ったが、傷口は最小にとどめてゲームを作った。打席での活躍も目を見張り、二回には左中間への二塁打で4点目をもぎ取り、三回にも三遊間を破って3年ぶりのマルチ安打をマーク。「相手投手に隙を見せて、『こいつ打たないだろうな』と思わせて振っています」とおどけたが、五回には近本の遊撃への2点内野安打を呼ぶ送りバントもしっかりと決め、自らの背中を確実に押した。虎6年目での節目の50勝目はかつての本拠地でつかんだ。移籍前のオリックス時代には74勝を積み重ねており、セ・パ両リーグで50勝以上を挙げたのは史上7人目という快記録。「達成している人が7人と、少ない。無事にいけて良かった」とまた一つ手にした勲章には喜びを口にした。プロ16年目に突入しても、凡事徹底は欠かさない。例えばこの日の二回1死。宮本を投ゴロに仕留めたシーンで一塁・大山のミットに収まったのは、全力投球したような剛速球だった。打ち取られた打者が〝完敗〟を認めて全力疾走をやめるような投ゴロでは、投手も安全第一で緩く送球することがよくあるが、西勇にすれば「事が起きないように」プレーすることがグラウンドに立つうえでの大原則。投球さながらの一塁送球にはそんな姿勢が表れている。「防御率もいい感じにきているし、イニングも徐々に消化できている。けがだけはないように(していきたい)」チームの勝利のために、マウンドには1イニングでも長く立ち続ける。残す戦いに向けて、チーム最年長はまた気を引き締めた。(須藤佳裕)

◆阪神は2連勝で5カードぶりの勝ち越しを決めた。佐藤輝明内野手(25)が六回に10号2ランを放ち、田淵幸一、岡田彰布に続く球団3人目のプロ1年目から4年連続2桁本塁打をマーク。一回には先制の適時二塁打も放つなど3打点で打線を引っ張った。2位巨人に敗れた首位広島とは4ゲーム差。勝ち続ければ、逆転Vへの道は開ける!勝利を決める10本目の放物線が右翼席へと突き刺さる。佐藤輝から始まって、佐藤輝が締めた猛虎祭り。やはりサトテルが打てば勝つ。鳴りやまない大歓声を一身に受け、虎の主砲は笑顔を弾けさせた。「『なんとか』という気持ちで、いいところに当たったかなと思います」8-3で迎えた六回無死一塁。内角低めに投じられた星の148キロ直球を振り抜いた。打った瞬間、京セラに詰めかけた3万6061人がスタンドインを確信。弾丸ライナーで飛び出したトドメの一撃はあっという間に右翼席で弾んだ。6日のヤクルト戦(神宮)以来、8月5本目のアーチでプロ1年目から4年連続の2桁本塁打に到達した。ただ、「まだ10本なので特にないです」と控えめ。それでも、球団では田淵幸一、岡田彰布に続く3人目の快挙で左打者では初だ。一回2死三塁では「あれがきょう一番よかった」と振り返る左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、先制点をもたらした大砲。勝利につながる一打を放てたことが何よりもうれしかった。

◆阪神・森下が適時打で6試合ぶりに打点を挙げた。5―0とリードが広がった二回、なお1死一、二塁でサイスニードのカットボールを捉えて中前へ。走者1人が生還した。本塁打を放った13日の巨人戦(東京ドーム)以来の打点で、二回でクリーンアップ全員打点を達成。「ピッチャー頼りになってちゃ勝てない。毎試合こんなにうまくいくとは思っていないけど、要所でしっかりヒットが出ればこういう展開になる」と手応えをにじませた。

◆打球は左中間席へ一直線に伸びていった。阪神・大山悠輔内野手(29)は打った瞬間、本塁打を確信して一塁ベンチを見ながら満面の笑みを浮かべた。一回、佐藤輝の先制二塁打で虎党が歓喜に沸く京セラドーム。その興奮も冷めやらぬ中、5番が2試合ぶりの12号2ランを放った。「前でテル(佐藤)が先制打を打ってくれたので、どさくさに紛れていきました」いつも実直な男が、勝利のお立ち台で、虎党を笑わせた。一回1死から中野が右翼線二塁打。森下の右飛で2死三塁となり、佐藤輝が口火を切った。なおも2死二塁。ヤクルトの先発・サイスニードの初球、スライダーを一閃した。試合前のミーティングでも岡田監督から「積極的に打て」と指示があった。それに応えた。8-3の六回には佐藤輝が勝利を決定づける2ランを放った。大山&佐藤輝のアベック弾は今季初めて。2人がそろって打点を挙げれば、これで11戦11勝負けなしだ。得点圏ではリーグトップの打率・344で、3本塁打、40打点と勝負強さを発揮。同2位は森下(・340)、同3位は佐藤輝(・337)と虎の主軸が上位を独占していることに「本当に頼もしいですし、僕も負けないようにと思って日々、頑張っています」と声を弾ませた。六回には左前へのポテンヒットで4試合連続の複数安打をマーク。6月上旬には打率2割を下回ったこともあったが、不調時に試合前の全体練習前に行っていた若手の早出特打も〝卒業〟。ここにきて打撃の状態は右肩上がりだ。岡田監督も「初球から甘いボールを仕留める準備ができていたんですかね」と、大山の一発を高く評価した。残り30試合。逆転Vへ、負けられない戦いが続く。「まず明日の試合をしっかりやるだけ」。一戦必勝-。大山は燕に3連勝することしか頭にない。(三木建次)

◆阪神・近本が2安打2打点で猛攻の勢いに乗った。二回1死二塁で右前打を放って2本の適時打を呼び込むと、五回は2死二、三塁で遊撃へ2点適時内野安打。「(二回は)追加点をとった後だったので、なんとかつなげたのでよかった」。6試合続いていた一回先頭安打こそなかったが、4試合連続の複数安打。今季122安打はリーグトップの細川(中日)と2本差で、逆転でのタイトル獲得も見えてきた。

◆八回裏に他球場の経過がビジョンに映し出された。巨人4-1広島京セラドーム内は大拍手だ。逆転Vには、首位チームの敗戦は欠かせない。当たり前の光景だが、ひと昔前の阪神ファンは、とにかく巨人さえ負ければいい、という方が大多数。首をひねったことも多かった。みんなが阪神Vへ一丸になっているようで、うれしくなった。試合前。ドームのスタンド下の通路をブラブラ歩いていたら、部屋からヌッと異様な(?)着ぐるみが出てきた。よく見たら、かの有名な「ミャクミャク」だった。こちらを見て笑っている(ように感じた)。来年に迫った大阪万博の公式キャラクター。斬新すぎるフォルムには慣れたつもりだったが、突然出くわすと、やっぱりビックリしてしまう。昨夜は「EXPO2025ナイター」。来年、ナニワの街で開催される世界的ビッグイベントのPRだ。ミャクミャクは始球式でもバットを振り、両軍代表選手にはミャクミャクのぬいぐるみが贈呈されていた。EXPO70(1970年大阪万博)の会場へ何度も通って、夢膨らませた世代である。阪神タイガースの結果を気にしつつ、万博で盛り上がった小学生だった。だから万博と聞いただけでワクワクしてしまう。55年ぶりに、あの感動が帰ってくる。昨夜は一瞬ビビったミャクミャクのグッズも、そのうち買いそろえるだろう。

◆先発投手がいかに大事か。ヤクルトは改めて、嫌というほど、痛感していることだろう。17日の広島戦で高橋が7回2失点で勝ったのもつかの間、そこから石川、吉村、サイスニードと、3試合続けて先発が一回に3失点。いくらなんでも...という現象だ。サイスニードは、真っすぐにまるでスピードがなかった。高めの速球で打ち取るのが持ち味でもあるが、こう勢いがないと生かせない。といって変化球には切れがない。佐藤輝にカーブを先制二塁打。大山にスライダーを2ラン。真っすぐも変化球も真ん中あたりに集まっては当然の結果か。阪神は6番以外、ほぼオーダーが変わらない。こういう打線ではそれぞれが役割を熟知し、つながり方の呼吸やリズムも身につけている。なおさら中途半端な投球では通用しない。上位3チームを横目にヤクルトの現状を直視するのは、つらい。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆♪六甲おろしに~、闘魂こめて~、さっそう~、球は飛ぶ飛ぶ~巨人の岡本和、広島を沈める3ランありがと~う!! その一発でわが阪神と首位広島との差が4ゲームに縮まったァ!! 新人から4年連続2桁本塁打の佐藤輝の一発もうれしいけど、マジ、岡本和の方に大感謝!(サトテルちゃん、スマ~ン)ちゅ~か、岡本君は少年時代から阪神ファンだったよねぇ? ムフフ...。なんなら、来季タテジマを着てくれてもえ~よ。(笑)さて、阪神は真夏の虎祭りのような15安打10得点!! よっしゃ、この勢いでいったれー!!と、俺は口が裂けようがあえて申しません!!打線は水モノということもあるし...。というか23日からの大一番となる広島戦に向けて、ヤクルトには申し訳ないけど3戦目は「どうしたら得点をもぎとれるのか?」の対カープ模擬試合とすべきなのだ。そして、その試合にもってこいの虎の大トリエース、青柳がマウンドに登場するじゃないのさ!! 京セラさん、『雨ヤギ』さんを迎えるんだから、ドームだけど試合中にず~っとグラウンドに散水しててもええでェ!! さ、ここから2023年の再現、スタ~ト!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
57445 0.564
(↓0.006)
-
(-)
37321
(+1)
272
(+4)
45
(+1)
47
(-)
0.239
(-)
2.260
(↓0.02)
2
(-)
巨人
58476 0.552
(↑0.004)
1
(↑1)
32341
(+4)
301
(+1)
60
(+1)
49
(-)
0.241
(↑0.001)
2.580
(↑0.02)
3
(-)
阪神
56516 0.523
(↑0.004)
4
(↑1)
30367
(+10)
327
(+4)
49
(+2)
34
(-)
0.237
(↑0.001
2.440
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
53552 0.491
(↑0.005)
7.5
(↑1)
33383
(+7)
384
(+1)
77
(+2)
50
(-)
0.254
(↑0.001)
3.040
(↑0.02)
5
(-)
中日
46598 0.438
(↓0.004)
13
(-)
30284
(+1)
363
(+7)
47
(-)
31
(-)
0.237
(↓0.001)
2.810
(↓0.04)
6
(-)
ヤクルト
45604 0.429
(↓0.004)
14
(-)
34386
(+4)
429
(+10)
76
(-)
50
(+2)
0.238
(-)
3.750
(↓0.06)