ヤクルト(★2対8☆)広島 =リーグ戦16回戦(2024.08.18)・明治神宮野球場=
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広島
30121100081602
ヤクルト
0100000102601
勝利投手:九里 亜蓮(6勝7敗0S)
敗戦投手:石川 雅規(1勝4敗0S)

本塁打
【広島】坂倉 将吾(8号・1回表3ラン),小園 海斗(2号・3回表ソロ)
【ヤクルト】村上 宗隆(22号・2回裏ソロ)

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◆投打のかみ合った広島が快勝。広島は初回、坂倉の3ランで先制する。その後は3回表に小園のソロ、4回には石原の適時二塁打が飛び出すなど、小刻みに得点を重ねた。投げては、先発・九里が6回1失点の好投で今季6勝目。敗れたヤクルトは、先発・石川が試合をつくれなかった。

◆球界最年長ヤクルト石川雅規投手(44)が、大記録達成とはならなかった。今季8試合目で、初の神宮での登板。初回に坂倉に先制の3ランを浴びると、3回には小園にソロ本塁打を献上。3点ビハインドの4回には先頭・矢野に右翼線への三塁打、次打者の石原には右中間への適時二塁打を許し、そこで投手交代となった。3回0/3を7安打6失点。勝利となれば、元ヤクルト松岡弘(77)を抜き、歴代単独最多となる神宮92勝目だったが、無念の降板となった。

◆ヤクルト石川雅規投手(44)の大記録はお預けとなった。初回に先制の3ランを献上。3回にも1発を浴びるなど、4回途中7安打6失点。勝利すれば松岡弘を抜き、歴代単独最多の神宮92勝目だった。「やっぱり神宮で勝ちたい思いが強いので、すごい悔しいですね」。高津監督は「投げ方悪かったね。プレーボール始まる前の投球練習でこれはおかしいなという感じで見てましたけど」と課題を口にした。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(24)が、「世界の王」を超えた。3点を追う2回先頭。広島先発・九里のフォークを左中間スタンドへ放り込んだ。リーグ単独トップの22号ソロは、プロ7年目で通算213本塁打。世界最多となる通算868本塁打を放った王貞治(巨人)が、7年目を終えた時点で記録した212本を抜いた。村上は「あまり実感ないですけれど、もっともっと打てるように頑張りたいなと思います」と控えめだった。

◆神宮大好き弾。広島坂倉将吾捕手(26)が、8号先制3ランを含む3長打で16安打8得点の打線をけん引した。前半戦は打率2割3厘と大不振だったが、後半戦は打率4割8厘。復調のきっかけのひとつとなった、7月24日の球宴第2戦での史上3人目の満塁弾を記録した縁起のいい球場で、完全復活を印象付けた。チームも毎回安打で快勝と、20日からの2位巨人との天王山へ弾みをつけた。外角へ逃げるスライダーに、目いっぱい腕を伸ばした。1回、2死走者なしから得た二、三塁の好機。坂倉はヤクルト石川の初球を狙った。左翼方向へ上がった飛球は、そのまま伸びて左翼席最前列に吸い込まれた。先制8号3ランが、首位広島打線に火をつけた。「チャンスだったので振っていこうと思った。今日も前の人たちがチャンスをつくって回してくれたので、打てて良かったです」先制弾から、打線がつながった。3回に小園のソロで加点すれば、4回は下位打線の連続長打から2得点。5回は1死一塁から坂倉の二塁打でチャンスを広げ、菊池の適時打につながった。坂倉は7回に左中間へ二塁打を放ち、今季5度目の猛打賞とした。前半戦終盤から打撃フォームを修正した。オフから取り組んできた投球にバット軌道を合わせるスイングから、再び最短距離でインパクトまでバットを出す形に変えた。また、監督推薦で出場した球宴もきっかけとなった。神宮での第2戦では史上3人目、セ・リーグでは初の満塁本塁打。同球場では前半戦2試合無安打も、後半戦は5試合で打率5割7分9厘、2本塁打、6打点と縁起がいい。打率2割3厘だった前半戦から、後半戦は20試合で打率4割8厘と調子を上げている。「一発で仕留められているので、そこはいいかと思う」。毎回安打で16安打8得点でチームは首位を死守。チーム打率は前半戦2割2分9厘から2割7分6厘と、坂倉の上昇とともに、広島打線が上向いている。【前原淳】▽広島新井監督(16安打8得点の打線に)「みんなナイスバッティングだった。中でもサク(坂倉)の先制3ラン。2アウトからだったので、あの3ランが打線の火をつけたと思います」▽広島小園(5月24日DeNA戦以来の2号ソロ)「入ると思わなかった。打ったのはボール球。良くないということはないですけど、いいさばきができた。しっかり反応もできたので良かったです」▽広島矢野(4回にリーグトップ6本目の三塁打)「右翼手の動きも分かっていたし、それを見ながら行けると思ったので行きました」

◆広島九里亜蓮投手(32)が6回1失点で6勝目を手にした。3点リードの2回。無死から村上に左翼席へソロを浴びたものの、後続を断って最少失点にしのいだ。その後も3回、5回と先頭の出塁を許しながら得点を与えなかった。「1つずつのアウトをしっかり取れるように初回から思い切って行きました」。3回降板となった前回の反省を生かし、持ち味であるストライク先行の強気な投球を貫いた。

◆広島打線がつながり、16安打8得点で大勝した。1回に坂倉の8号3ランで先制。3回に小園の2号ソロで加点し、4回は下位打線の連続長打から2点を奪った。その後も攻撃の手を緩めず、9回まで毎回安打を記録した。先発九里は6回1失点で6勝目。1ゲーム差をつけた2位巨人と週明け20日から3連戦を戦う。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-先発の九里投手が好内容新井監督 ナイスピッチングだったと思います。前回の登板で悔しい思いをしていると思う。その分も今日、気合が入ってたんじゃないですか。落ち着いて丁寧に投げていたと思います。-今後のきっかけに新井監督 彼もここまで来たら疲れもあると思う。でも、いろいろ試行錯誤しながらやっていると思う。今日すごくいいピッチングだったと思います。-打線は初回2死無走者から得点を奪って16安打8得点新井監督 みんないいバッティングだったと思います。何から言っていいのか。-今日も長打が多く出た新井監督 みんなナイスバッティングだったんだけど、中でも先制のサク(坂倉)の3ランが打線の火をつけたと思います。-坂倉選手は初球を本塁打にするケースが多い新井監督 やっぱりどんどん振れるということは、それだけ状態がいいことだと思います。振れるということは、しっかりタイミングが取れているということ。ナイスバッティングだったと思います。-7月はチーム打率2割1分1厘と苦しんだが、8月は打線好調新井監督 やっぱり野手も前半戦、なかなかピッチャーを援護してあげられる試合が(少なかったから)ね。なかなか厳しい試合が多かった。暑くなってからピッチャーに負担がかかってくるので、後半戦は野手が点を取って援護してあげるんだという、そういう野手の気持ちがあるんだと思う。プラス、オールスターブレークで1回、心も体もリセットして、うまくリスタートして、みんな入っていけたんだと思います。-週明けは巨人との3連戦新井監督 前回のときも言ったかもしれないけど、楽しみですよ、楽しみ。うちの選手もギラついてますから。楽しみです。うちの選手もみんなギラついているので、楽しみです。

◆球界最年長の44歳、ヤクルト・石川雅規投手が先発で今季初めて神宮で登板したが、四回途中7安打6失点で降板。2022年6月19日の広島戦以来、791日ぶりの本拠地白星を逃し、歴代単独最多の神宮92勝目はお預けとなった。一回2死から死球と末包の二塁打でピンチを招き、坂倉に左翼席へ3ランを浴びた。二回も得点圏に走者を背負いながら無失点で切り抜けたが、三回は小園に右翼席へソロを被弾。四回は矢野に一塁線を破る三塁打、石原に適時二塁打を打たれたところで、53球で降板を告げられた。

◆真夏の神宮の夜空に、燕の主砲らしいアーチを描いた。ヤクルトの4番、村上が二回の第1打席で逆方向となる左中間へ、自身9試合ぶりの22号ソロを運び「少し詰まりましたが、(スタンドに)入ってくれてよかった」と振り返った。0―3の二回。先頭で打席に立った村上は、広島先発の九里に対してバッティングカウント2―1からの4球目、真ん中低めに沈むツーシームをすくい上げた。放物線を描いた打球は、左翼手中村奨が左腕を目いっぱい伸ばすも届かず、左翼席最前列に飛び込んだ。悠然とダイヤモンドを一周した背番号55は、一塁ベンチ前でオスナと見事な「ジャンプハイタッチ」を決めた。この一発で村上は通算213本塁打に到達。プロ7年目までの通算成績で、打点に続いて本塁打数でも「世界の本塁打王」と称された巨人・王貞治(212本)を上回った。試合前のスタメン発表やグラウンド整備体験など、子供向けのさまざまなイベントが用意され「キッズプロジェクト」として行われた今カードの最終戦。夏休み真っただ中の少年少女たちに、村上が豪快なアーチで夢を与えた。(浜浦日向)

◆広島・九里亜蓮投手(32)が6回4安打1失点で6勝目(7敗)を挙げた。チームは大勝し貯金は再び今季最多タイの「13」で首位をキープした。九里は3点リードの二回、先頭の村上に22号ソロを許したが、その後は要所を締める投球で追撃を許さず。六回を無失点に抑えると、救援陣にマウンドを託した。打線は一回、板倉が8号3ランを放ち先制。その後も得点を得点を重ね16安打8点と右腕を援護した。ヒーローの九里は「先に点を取ってくれたので、気持ちも楽に、なんとかチームが勝てるピッチングをと思って投げました。(捕手の石原貴規とは)イニングごとにしっかりと話しながらコミュニケーションを取って、いいリードをしてくれたと思います。一戦一戦勝てるようにがんばります」と試合を振り返った。

◆球界現役最年長の44歳、ヤクルト・石川雅規投手が先発で今季初めて神宮で登板したが、四回途中7安打6失点で4敗目。歴代単独最多の神宮92勝目はならず「やっぱり神宮で勝ちたい思いは強いので、すごい悔しいです」と語った。一回2死から死球と末包の二塁打でピンチを招き、坂倉に左翼席へ3ランを被弾。「やっぱり立ち上がりですよね。立ち上がりの3点。2死からだったので、あれが全て。やっぱり2死からというのが悔やまれる」とベテランは唇をかんだ。

◆ヤクルト・内山壮真捕手(22)が1―8の八回1死二塁で代打で出場。右前に適時打を放って今季初打点をマークし「安打を打てたので、形はどうあれ結果が一つ出たのでよかった」と振り返った。パンチ力のある打撃が売りで春季キャンプは1軍で完走したが、開幕前に上半身のコンディション不良で離脱。リハビリを乗り越え、8月7日にようやく今季初昇格を果たした。

◆ヤクルトは16安打を浴び8失点で大敗。再び単独最下位に転落した。球界最年長の44歳、石川雅規投手が先発で今季初めて神宮で登板したが、四回途中7安打6失点で4敗目を喫した。高津臣吾監督(55)の主な一問一答は以下の通り。――石川が今季最悪の6失点「投げ方も悪かった。プレーボール、始まる前の投球練習でこれはおかしいなという感じで見ていました」――どの辺りが「具体的なことはあれですけど、いくつか僕は彼の注意点があるんですけど、それもまさにその通りだった」――今季初の神宮登板だったが「あれだけゴロピッチャーが長打を打たれてしまうので。初回も2死走者なしからの本塁打ですから。なんて言ったらいいんだろうね。打たれないように投げているとは思うけれども、長打というのはチームにとっては堪えましたね」――全体的に球が高かった「多分ね、横からだからちょっとよく分からないけど、高いのも高いし、いろんな球種がコントロールできていなかったんじゃないかなと思って見ていました」――また一度、出場選手登録を抹消する「ちょっと今から考えます」――救援陣も打たれ「難しいと思いますよ、後から投げるのも。やっぱり2、3イニング投げなきゃいけないし、ゲーム壊さないように頑張ってはいるんでしょうけど、広島の打線っていうのはつながり出したらなかなか止められないっていうとあれですけど、つながる打線だなと」――村上が一発「(スコア)0―3からだったので、1本でなんとか食らいついていけるんじゃないかなっていう感じにはなったんですけど。打線の方が後が続かなかったのと、投手が止められなかったのと、厳しい展開でしたね」――岩田が2安打「怖いもの知らずで、思い切ってスイング仕掛けていくので。変な凡打することもありますけど、今のうちはもう、ミスするまではどんどん。これからね、いろいろなことを経験して、いろいろ勉強してだと思います」

◆神宮の夜空に逆方向の左中間へと伸びる主砲らしいアーチを描いた。ヤクルト・村上宗隆内野手(24)が0-3の二回に9試合ぶりとなる今季22号ソロ。通算213本塁打に到達し、プロ7年目までの通算本塁打数で王貞治(巨人)の212本を上回った。「あまり実感はないです。もっともっと打てるように頑張ります」先頭で左打席に入ると、カウント2-1から九里が投じた真ん中低めに落ちる変化球をすくい上げた。高い弾道の放物線を描いて柵越えし「しっかり押し込めたという感じ」とうなずいた。令和初の三冠王に輝いた2022年に、王貞治のシーズン55本塁打を超える日本選手最多の56本塁打を放った主砲。またも偉大な先輩が残した記録を上回った。最下位のチームは首位の広島に敗れたが、今季22本塁打は2位のオースティン(DeNA)と2本差のリーグトップ。60打点は並んでいた岡本和(巨人)を抜き、単独トップとなった。打撃部門2冠とし「もっと頑張りたい」と村上。勝利につながる一打を放つ。(武田千怜)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
56435 0.566
(↑0.005)
-
(-)
39312
(+8)
265
(+2)
44
(+2)
47
(-)
0.238
(↑0.002
2.230
(-)
2
(-)
巨人
57466 0.553
(↓0.006)
1
(↓1)
34334
(+1)
292
(+2)
58
(-)
49
(-)
0.240
(↓0.001)
2.550
(-)
3
(-)
阪神
54516 0.514
(↓0.005)
5
(↓1)
32349
(+4)
320
(+8)
47
(+1)
34
(-)
0.234
(↑0.001)
2.420
(↓0.05)
4
(-)
DeNA
51552 0.481
(↑0.005)
8.5
(-)
35372
(+2)
381
(+1)
75
(+2)
50
(+1)
0.253
(-)
3.070
(↑0.02)
5
(-)
中日
46578 0.447
(↑0.006)
12
(-)
32281
(+8)
352
(+4)
47
(-)
31
(-)
0.237
(↑0.002)
2.760
(↓0.01)
6
(1↓)
ヤクルト
45584 0.437
(↓0.004)
13
(↓1)
36379
(+2)
411
(+8)
76
(+1)
48
(-)
0.239
(-)
3.640
(↓0.04)