中日(☆8対4★)阪神 =リーグ戦21回戦(2024.08.18)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
00340100X81600
勝利投手:大野 雄大(2勝4敗0S)
(セーブ:マルティネス(1勝3敗33S))
敗戦投手:大竹 耕太郎(7勝7敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(11号・6回表ソロ)

  DAZN
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◆中日が逆転勝利。中日は1点を先制された直後の3回裏、岡林と細川の適時打で3点を奪い、逆転に成功する。1点差とされて迎えた4回には、大野の適時打などで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・大野が7回3失点の粘投で今季2勝目。敗れた阪神は、投手陣が精彩を欠いた。

◆阪神のルーキー石黒佑弥投手(23)が1軍に合流した。出場選手登録される見込み。7月15日に初めて出場選手登録され、同21日の広島戦(甲子園)で中継ぎでプロ初登板を果たした。その1試合だけで出場選手登録を抹消されていた。愛知県江南市出身で、JR西日本からドラフト5位で入団した。

◆阪神大竹耕太郎投手(29)が高校野球ばりのバントシフトをかいくぐって、犠打を決めた。3回無死一塁。左打席の大竹に対して、中日は初球から三塁の高橋周が打者の目前まで勢いよくチャージ。一塁ベースについていた石川昂も、やや遅れて猛チャージをかけた。大竹は1球目は見逃し。2球目も中日は同じシフトをとってきたが、勢いを殺して投手前に転がし、投手に捕らせる完璧なバントを決めてみせた。前日17日に行われた高校野球甲子園大会、大社-早実で、早実がスクイズ封じの内野5人シフトでサヨナラ負けのピンチを防ぐなど、両校の執念のせめぎ合いが話題になっていた。

◆阪神大竹耕太郎投手(29)が3回で降板した。安定した立ち上がりを見せたが、1点先制した直後の3回に3本の長短打で3点を失い、逆転された。4回の攻撃で代打を出された。3試合ぶりの8勝目はならなかった。阪神移籍2年目で3回降板は最も早い。

◆阪神前川右京外野手(21)が、またもヒヤリとする死球を受けた。2点を追う4回無死二、三塁。中日大野の134キロツーシームが左手付近を直撃。しばらく打席で苦悶(くもん)の表情を浮かべたが、自分の足で一塁へ向かった。前川の死球は今季7個目。阪神森下とDeNA度会に並び、リーグ最多となった。

◆阪神伊藤将司投手(28)が中継ぎで炎上した。先発の大竹耕太郎投手(29)が3回3失点で早々と降板。先発経験が豊富な左腕はロングリリーフを見込まれていたが、いきなり連打と四球で無死満塁とすると、投手の大野雄大(35)に左前適時打を浴びた。大野は2年ぶりの安打記録となった。2死後に高橋周平内野手(30)に2点中前打、細川成也外野手(26)に中前打を許して計4失点。1点のビハインドが5点に広がった。伊藤将は入団以来、ローテの柱として3年で29勝。今季は調子が上がらず、今月9日に中継ぎ要員として1軍復帰。これが復帰以来4度目の登板だった。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が反撃の1発を放った。5回までに7点を入れられ、5点差を追う6回の先頭。前打席には左翼線への二塁打も放った先発大野の142キロ速球を捉えた。打球は放物線を描き、左翼スタンドに到達。11日広島戦(京セラドーム大阪)以来、6試合ぶりの今季11号ソロとなった。

◆阪神のドラフト5位ルーキー、石黒佑弥投手(23)がプロ2度目の登板を果たした。7月21日の広島戦(甲子園)で中継ぎで初登板。今回は地元愛知でのマウンドになった。3番手で登板した5回は無失点。2イニング目の6回に1死から3連打を浴びて1失点。なおも1死一、二塁で迎えた石川昂弥内野手(23)は遊ゴロ併殺打に抑えた。石川昂とは高校3年夏の愛知大会2回戦で対戦した縁がある。その年のセンバツで優勝していた石川昂の東邦は優勝候補の筆頭だったが、石黒がエースの星城がコールド勝ちする大番狂わせ。石黒は完投勝利、石川昂から3ランも放つ大活躍だった。

◆阪神が逆転負けで、引き分けを挟んで3連敗を喫した。4カード連続の負け越しとなり、ナイターのヤクルト戦に勝利した首位広島とのゲーム差は今季最大の5まで開いた。3連敗は7月16~20日に4連敗して以来。今カードは下位に沈む中日相手に2敗1分けと苦しい3連戦になった。先制点は阪神が奪った。3回先頭の木浪が左前打で出塁し、1死二塁から近本光司外野手(29)が左翼線へ先制の適時二塁打を放った。しかしその裏、先発の大竹耕太郎投手(29)が2死二塁から岡林に同点適時打を献上。続く高橋周に四球を与え、細川に勝ち越しの2点二塁打を許した。4回の攻撃では先頭の佐藤輝明内野手(25)、大山の連打と前川の死球で無死満塁の絶好機をつくるも、梅野の犠飛で1点をかえしたのみ。再びその裏に、代わった伊藤将司投手(28)が先頭から連打を浴びるなど5安打1四球を出して、この回だけで4失点。打者一巡の攻撃を許して交代となった。2-7で迎えた6回には、大山悠輔内野手(29)の11号ソロで1点をかえしたが、その裏にまたも3番手のドラフト5位石黒佑弥投手(23)が1死から3連打を浴び1点を失った。逆転優勝へ勢いに乗りたい8月だったが、ここまで6勝9敗1分け。ホームの京セラドーム大阪で迎える20日からのヤクルト3連戦で、なんとか巻き返したい。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が好守で後輩を救った。8回1死一塁、4番細川の飛球は一塁後方のファウルゾーンへ。二塁の守備位置からダッシュで追いかけ、最後は滑り込みながら捕球。即座に二塁ベースへ送球し、走者のタッチアップも防いだ。この回からマウンドに上がっていたのは、自身と同じく三菱自動車岡崎出身の富田蓮投手(22)。この日4安打4打点の細川だったが、好守でもり立てた。

◆阪神が逆転負けで、引き分けを挟んで3連敗を喫した。4カード連続の負け越しとなり、3連敗は7月16~20日に4連敗して以来となった。今カードは下位に沈む中日相手に2敗1分けと苦しい3連戦になった。岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り(自ら)なんにもないで。え?ー点を取ったら取られる「だから何にもないって言ってんねん。なんで?なんか聞くことあるか?」ー伊藤将もなかなか状態が上がってこない「いや見ての通りやんか、そらお前。1イニングで4点やねんから」ー3回に代打を送ったのは伊藤将がいるから「いや今日大竹あかんかったら、伊藤先発やったんや。投げられるかどうか分からなかったんや、今日、最後まで」ー指を少し気にしていたか「うん」ー伊藤将も準備していてあの投球に「だから1イニング4点やんか」ー取って取られるとなかなかリズムも出ない「まあそんなんだって、ずっーと繰り返しやからな、やっぱり負ける時の、おーん。なあ。なんかあんまり伝わってこんわなあ、俺1人で怒ってるみたいやけど。何もないやろ」ー村上は抹消したが、1度間隔をあけて「うん」

◆阪神の4番佐藤輝明内野手(25)が連日の安打を放ち、好調をキープした。1-3の4回、先頭で中日大野の127キロ外寄りカットボールを右前にはじき返した。さらに5番大山の左翼線二塁打と6番前川の死球で満塁とし、7番梅野の犠飛で生還。一時は1点差に迫った。試合後は「野手がしっかり頑張って打てるような試合を増やしていきたい」と言葉に力を込めた。

◆阪神前川右京外野手(21)が意地の適時打を決めた。左腕大野を相手に「6番左翼」で先発。4回には左手首にリーグ最多タイとなる今季7個目の死球を受けたが「大丈夫です」と問題なしを強調した。5点を追う8回2死一塁では2番手の祖父江から11球粘り、右翼線に適時二塁打。それでも「先発投手を打たないといけなかった。結果を残さないといけない試合だったので悔しい」と反省を忘れなかった。

◆阪神のドラフト5位石黒佑弥投手(23)がプロ初の回またぎ登板を果たした。5回から2イニングを投球。6回に3連打で1点を失ったが、最後は星城高時代に対戦経験がある東邦高出身の石川昂を遊ゴロ併殺に仕留めた。この日1軍昇格し、即登板で2回を3安打1失点。「(打たれたのは)ちょっと甘く入ったボールで悔いは残るけど、練習して修正していければ。自分の成長のためにつなげられればと思います」と振り返った。

◆昨季7勝4敗1分けと勝ち越したバンテリンドームで、まさかの2敗1分け。阪神岡田彰布監督(66)は、あきれ顔でぼやくしかなかった。「なんかあんまり伝わってこんわなあ、俺1人で怒ってるみたいやけど」。矛先の1人は2番手で登板した伊藤将だった。1点差に詰め寄った直後の4回に登板。先頭の山本から連打を浴びると、村松に3連続ボールから四球を出して無死満塁のピンチを招いた。ここから投手の大野に左前適時打を許すと、2死から高橋周に2点適時打、さらに細川にも中前適時打を献上して4失点。「見ての通りやんか、そらお前。1イニングで4点やねんから」。昨季10勝を挙げた左腕のまさかの姿に、指揮官は表情をゆがませた。先発の大竹は3回3失点でスイッチ。早期降板はある意味、想定済みだった。「今日大竹あかんかったら、伊藤先発やったんや。(大竹が)投げられるかどうか分からなかったんや、今日、最後まで」。大竹のコンディション不良が判明し、登板2日前から岡田監督や安藤投手コーチらが対応を協議。直前まで左腕の状態を見極める一方、もしもの場合は伊藤将が先発する予定だったという。この日は初回からブルペンで準備させていた。にもかかわらず、大量失点で1イニング降板。指揮官は「だから1イニング4点やんか」と静かに繰り返した。先制しても勝ち越され、詰め寄ってもさらに得点を奪われる。流れをつかめない展開に「そんなんだって、ずーっと繰り返しやからな、やっぱり負ける時の、おーん」と嘆いた。終わってみれば、チームは今季ワーストタイの被安打16。下位に沈む中日を相手に、ダメージの大きい3連戦となってしまった。残り32試合で逆転優勝へ。ホームに帰ってなんとか巻き返すしかない。【磯綾乃】▽阪神大竹(3回5安打3失点で7敗目)「状態がとかそういう言い訳はしたくないし、これが実力なんで、それを踏まえて次抑えるよう頑張っていくだけ」▽阪神梅野(大竹について)「結果的には3点取られたんで。探り探りな部分もあって。チームが負けることがチームとして悔しいことなので」▽阪神伊藤将(4回に登板も5安打4失点)「点差も縮んでいたので、あの失点は痛いかなと思います。先頭をもっと大事にいけたらああいう結果はならなかったと思う」阪神は今季バンテリンドームでの中日戦が4勝5敗2分けとなり、1試合を残して今季の勝ち越しがなくなった。昨季は7勝4敗1分けと勝ち越しに成功。07~08年以来2度目の、2年連続勝ち越しを逃した。阪神と首位広島とのゲーム差は、残り32試合にして今季最大の5に開いた。阪神がセ優勝を果たした年のうち、首位から2番目に大きな差をつけられたのは05年の5差。今季はこれに並んだ。もっとも05年に初めて5ゲーム差をつけられたのは、残り試合が118もあった5月3日だった。阪神の最大の逆転優勝は64年の6・5差。このシーズン初めてこのゲーム差になったのは残り58試合の7月18日。ただ、この年の残り32試合の8月21日には首位大洋まで既に0・5差と迫っていた。

◆痛すぎる敗戦の中、阪神大山悠輔内野手(29)が1発を含む3安打1打点と気を吐いた。5点を追う6回無死、カウント2-1から先発大野の142キロ直球を振り抜いた。高く上がった打球は左翼席に届き、11日広島戦(京セラドーム大阪)以来6試合ぶりの今季11号ソロに。劣勢の展開が続いた中、大挙した虎党に大きな見せ場を作った。ただ、チームは引き分けを挟んで3連敗。「個人的に状態は悪くないですけど、やっぱりチームとして勝てなかったので。また頑張りたいです」と悔しさを隠さなかった。4回には左翼線二塁打も放ち、梅野の左犠飛を演出。8回には右腕祖父江から左前打を放ち、前川の右翼線適時二塁打につなげた。4月19、20日の中日戦(甲子園)で放って以来となる今季3度目の猛打賞。3試合連続安打も記録した。7月26日に後半戦が始まって以降は打率2割8分、4本塁打、13打点。今季11本塁打の3分の1以上を直近の約1カ月間で放っている。不振による2軍再調整も経験した今季。終盤戦での巻き返しに向け、確実に状態を上げている。【波部俊之介】

◆正念場だ。阪神が下位に沈む中日を相手に逆転負けを食らい、引き分けを挟んで3連敗を喫した。敵地3連戦で内容、結果ともに痛すぎる2敗1分け。首位広島とのゲーム差が今季最大の5に広がった状況で、頼みの綱は近本光司外野手(29)だ。5戦連続の初回先頭安打から今季初の1試合4安打。直近5試合で3度目の猛打賞を記録した。これでプロ6年目までの通算891安打は歴代3位タイ。1位長嶋茂雄(巨人)の926本の更新にも期待がかかるリードオフマンが、逆転Vの使者になる。バンテリンドームできっちり白星を稼ぐもくろみは外れた。1勝もできず、2敗1引き分け。広島、巨人の背中は逆にかすみ始め、危険水域に入ってきた。強みだった投手陣にもほころびが目立ち始めた。ペナントレースは残り1カ月強。待ったなしの時期に入った。それでも、光はある。切り込み隊長の近本が、ぐんぐん調子を上げてきた。まず初回先頭で左前打。驚異の5試合連続の初回安打となった。ヒットパレードが幕開け。3回は先制の左翼線二塁打。さらに5回も左前へ。立て続けに大野から3安打を連ねた。四球をはさんで、締めは9回だ。1死一塁で橋本の初球をまたも左前にはじき返した。今度もミスショットすることなくヒットコースをとらえ、今季初の4安打。5試合で3度目の猛打賞と快音が止まらない。「まあどれもね、(打席で)やりたいことはしっかりできているので。あとは結果だけなので。勝てばよかったなと思います」。淡々とした表情の中に、負けた悔しさを隠した。全5打席で出塁を記録。8月の出塁率は4割5分9厘となった。この日はすべて左腕が相手で、対左投手の打率は3割6分まで上昇。「左も右も一緒のように打てたら...」と話したが、完全復活近しの匂いを漂わせている。金字塔も射程内に収めている。通算安打を891に伸ばし、プロ6年目までの安打数で歴代3位の赤星憲広(阪神)に肩を並べた。1位のミスタープロ野球・長嶋茂雄(巨人)は926本で、あと35本。阪神の残り試合は32。1試合1本強のペースで期待は高まる。かつてないほど苦しんできたシーズン。チーム事情で4番を任された6月に調子が落ち込んだ。その間も、不振の原因究明と、より進化するために他人への「取材」は怠らなかった。球宴中には広島新井監督にも話を聞いた。芯がブレることはないが、さまざまな角度から打撃の考えを取り入れ、すり合わせを行い、アップデートする。その成果を1年の集大成として、発揮するつもりだ。「次もしっかり打てるように。頑張りたい」。安打製造機の復活に、中軸がかみ合い出せば得点力は飛躍的に上がる。バットの力で逆転Vへのラストスパートを導く。【柏原誠】近本がプロ入りから6年間の通算安打をプロ野球歴代3位タイの891とし、最多の長嶋茂雄(巨人)926へあと35とした。阪神は今季残り32試合。近本は1試合平均1・09安打で並ぶ。仮に全試合に出場して毎試合4打数ずつとすると128打数。残り試合で打率2割7分3厘が、おおよその目安となる。

◆中日大野雄大投手(35)が4月3日以来となる復活の2勝目で、球団4人目のバンテリンドーム50勝目に乗せた。2回以外は毎回走者を背負いながら7回を7安打3失点。4回は左前適時打で4年ぶりの打点を挙げ、この回4得点と打線に火をつけても表情を緩めなかった。6回で99球を投げ、立浪監督から「ここで終わっておこうか」と声をかけられたが、1イニング追加を直訴。7回1死一塁で中野を125キロのカットボールで二ゴロ併殺に打ち取ると左拳を握って感情を表に出した。昨春に左肘の手術を受け、今季の完全復活を目指す中、2カ月ぶりの1軍登板となった6月29日DeNA戦で3被弾して5回5失点。20年オフに国内FA権を封印し、今年が長期契約の最終年にあたるだけに、ファームでの再調整中には引退の2文字もよぎった。「もう俺はちょっときついかなって思う時もあった。真っすぐで押す投球ができひんかったら、やめどきやと思っている」3日に1軍復帰して2連続黒星で迎えた3試合目だった。最速147キロを計測し、今季最多110球で阪神打線をねじ伏せた。球団でバンテリンドーム50勝は山本昌、川上憲伸、吉見一起に続いて4人目。「まだできるところも見せていかないといけない。今年で辞めるつもりもないんでね。来年の戦力になってくれそうやなと思ってもらえるような投球をしていきたい」残り32試合。ブルペン陣待望のイニングイーターが復活の雄たけびを上げた。【伊東大介】

◆阪神・石黒佑弥投手(23)が18日の中日戦を控えたバンテリンドームの1軍に合流した。ドラフト5位ルーキーの石黒は7月15日に今季のチーム新人では一番乗りで1軍昇格。同21日の広島戦(甲子園)でプロ初登板を果たしていた。登板は1試合で、同29日に登録を抹消されていた。

◆阪神は中日の先発左腕・大野雄大投手(35)相手に前川右京外野手(21)が「6番・左翼」でスタメン。先発の大竹耕太郎投手(29)がシーズンでは初めて梅野隆太郎捕手(33)とバッテリーを組む。中日戦は今季カード別最多の6度目の対戦で、ここまで5試合で2勝1敗、防御率2・12。今季の8勝目を目指す。

◆阪神は三回、近本光司外野手(29)の適時打で先制した。先頭の木浪が左前打で出塁し、大竹が犠打を決めて1死二塁。近本は大野が6球目に投じた外角の直球を逆らわずに流し打ち、左翼に運ぶ適時二塁打とした。近本は第1打席に5試合連続の初回先頭安打を放っており、この適時打で早くもマルチ安打。下位で好機を作って上位がかえす攻撃が決まり、3試合続けて先制点を奪った。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)が先制直後の三回に勝ち越しを許した。先頭の村松に中前打を浴びると、大野は犠打で1死二塁。ブライトを右飛に仕留めたが岡林に中前適時打を許した。さらに2死一、二塁から4番・細川の右越えの2点二塁打で一気に勝ち越しを許した。先制直後の逆転劇にがっくりと肩を落とした。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)は3回5安打3失点でマウンドを降りた。1点を先行した直後の三回に岡林に同点打、細川に2点打を浴びて一挙3失点。直後に2死一、二塁の好機で打席が巡ってくると、代打・渡辺を送られた。阪神加入後、最短での降板。2番手として四回から伊藤将がマウンドに上がった。

◆阪神は1―3の四回、梅野隆太郎捕手(33)の犠飛で1点を加えた。先頭の佐藤輝が右前打、大山が左翼線へ二塁打を放ち、前川は死球を受けて無死満塁のチャンス。梅野の犠飛で1点差に迫った。なお1死一、二塁のチャンスも木浪は左飛に倒れ、続く大竹の打順で打席に入ったのは代打・渡辺。一気にたたみかけるべく勝負手が打たれたが、遊ゴロに倒れて勝ち越すことはできなかった。

◆阪神は2番手で登板した伊藤将司投手(28)が2―3の四回に4失点を喫した。勝負の継投が早くも誤算を招いた。四回の攻撃で先発の大竹に代打・渡辺を送り、伊藤将がマウンドへ。安打2本と四球で無死満塁を招くと、投手の大野に左前へ適時打を浴びて失点を喫した。ブライト、岡林は打ち取るも高橋周に中前へ運ばれ、さらに2失点。4番・細川にも適時打を浴び、点差を広げられた。先発経験が豊富でロングリリーフを見込んで送り出した左腕がまさかの大量失点で、一気に劣勢に追い込まれた。

◆阪神は2―7の六回、大山悠輔内野手(29)がソロ本塁打を放った。先発の大野の直球を捉え、高く舞った打球は阪神ファンの待つ左翼スタンドへ。点差をつけられ苦しい展開の中で、11日の広島戦(京セラ)以来となる11号ソロで1点を加えた。

◆阪神は中日に敗れ、4カード連続負け越しを喫した。左腕2人が中日打線に飲み込まれた。先発の大竹耕太郎投手(29)は先制点をもらった直後の三回、岡林と細川に適時打を浴びて3失点。直後の四回の攻撃で代打を送られ、2番手でマウンドに立った伊藤将司投手(28)も四回に高橋周、細川らに適時打を浴びて4失点を喫した。打線は三回に近本光司外野手(29)の適時打で先制。1―3とされた四回は無死満塁から梅野隆太郎捕手(33)の犠飛で1点をかえし、さらに2死一、二塁で大竹に代打・渡辺諒内野手(29)を送るも遊ゴロに倒れた。大山悠輔内野手(29)の本塁打、前川右京外野手(21)の適時打などで小刻みに得点を加えるも追いつくことはできなかった。

◆中日の大野が4月以来となる2勝目。7回を7安打3失点と粘った。打線は三回に岡林の適時打と細川の2点二塁打で逆転。四回に高橋周の2点適時打などで4点を加えた。阪神は投手陣が踏ん張れず、4カード連続で3連戦負け越し。

◆4点を失った四回、ベンチに戻った阪神・伊藤将司=バンテリンドームナゴヤ(撮影・中島信生)

◆阪神が1分挟む3連敗で4カード連続負け越しを喫した。近本光司外野手(29)の適時打で先制した直後の三回に大竹耕太郎投手(29)が3失点。四回、梅野隆太郎捕手(33)の左犠飛で1点差とした直後には、2番手の伊藤将司投手(28)が打者9人に5安打1四球で4点を失った。大山悠輔内野手(29)の11号ソロが飛び出した六回には3番手、D5位・石黒佑弥投手(23)=JR西日本=が8点目を失った。5試合連続で〝初回ヒット〟を記録した近本は今季初の1試合4安打。16被安打は今季ワーストタイで「貯金3」は7月27日以来。また17日の20回戦で5四球の村上頌樹投手(26)が登録を抹消された。チームは夏のロード5カードを終えて、5勝9敗1分。20日から京セラでヤクルト3連戦に向かう。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=54勝51敗6分、観衆=3万6288人)。(自ら)「何にもないで。え?」ーー点を取ったら取られる「だから何にもないって言ってんねん。何で? 何か聞くことあるか?」ーー伊藤将の状態が上がって来ない「いや、見ての通りやんか、そらお前。1イニングで4点やねんから」ーー三回に代打を送ったのは伊藤将がいるから「いや、今日大竹アカンかったら、伊藤先発やったんや。投げられるかどうか分からなかったんや、今日、最後まで」ーー指を少し気にしていたか「うん」ーー伊藤将は準備していて、あの投球に「だから1イニング4点やんか」ーー取って取られるとリズムも出ない「まあそんなんだって、ずっと繰り返しやからな、やっぱり負ける時の、おーん。なあ。何か、あんまり伝わってこんわなあ、俺1人で怒ってるみたいやけど。何もないやろ」ーー村上は抹消したが、一度間隔をあけて「おん」

◆阪神が1分挟む3連敗で4カード連続負け越しを喫した。近本光司外野手(29)の適時打で先制した直後の三回に大竹耕太郎投手(29)が3失点。四回、梅野隆太郎捕手(33)の左犠飛で1点差とした直後には、2番手の伊藤将司投手(28)が打者9人に5安打1四球で4点を失った。大山悠輔内野手(29)の11号ソロが飛び出した六回には3番手、D5位・石黒佑弥投手(23)=JR西日本=が8点目を失った。5試合連続で〝初回ヒット〟を記録した近本は今季初の1試合4安打。16被安打は今季ワーストタイで「貯金3」は7月27日以来。また17日の20回戦で5四球の村上頌樹投手(26)が登録を抹消された。チームは夏のロード5カードを終えて、5勝9敗1分。20日から京セラでヤクルト3連戦に向かう。阪神選手の主なコメントは以下の通り(成績=54勝51敗6分、観衆=3万6288人)。1安打2三振の佐藤輝明 「しっかり頑張って打てるような試合を増やしていきたい4安打の近本光司 「やりたいことができているので。あとは結果だけなので」八回2死一塁での右翼線適時二塁打に前川右京 「先発投手を打たないといけなかった。そこに関しては悔しく思います」指の不安からか3回3失点の大竹耕太郎 「何かしゃべることないです。わかんないです。自分でも」大竹について梅野隆太郎 「まあ探り探りな部分もあって」四回に4点を奪われた伊藤将司 「初回から(ブルペンに)入っていたんで。何かあるんかなと。そういう感じです」2回を投げ、1失点の石黒佑弥 「成長につなげられればいいなと思います」今季3度目の猛打賞の大山悠輔 「個人的な内容は良かったですけど、チームが勝ってこそなので」

◆中日の細川が4安打4打点の固め打ちで打線をけん引した。3打席続けて適時打を重ね「走者をかえしたい気持ちで打席に入った。甘い球を仕留められた」と笑みがはじけた。三回は同点とした後の2死一、二塁。サウスポーの大竹の外角球を逆らわずに右越えに運び、勝ち越しの2点二塁打に。四回も中前適時打で突き放した。打線は今季最多の16安打。「打線の勢いにうまく乗せてもらった」と誇った。(共同)

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)が阪神・岡田彰布監督(66)の采配に注文をつけた。弱いチームの負け方が増えてきている事が気になる。点を取っても、すぐに逆転される。チャンスに強い4番(細川)がいる中日が勝って、結果が残せていない4番(佐藤輝)がいる阪神が負けた。先発が崩れても2番手が踏ん張れば、試合が面白くなるが、伊藤将が試合を壊した。すべてに弱いチームの典型パターンだ。後半戦に突入した際に「ここからは監督のベンチワークの差が勝敗を左右する」とポイントを挙げた。が、阪神はどうも岡田監督が得意なはずの動きを見せてくれない。この試合でいえば、四回無死満塁。内野手は後ろに守っていたので、セーフティスクイズで1点を奪い、なお二、三塁の状況を作っていれば、もっと点が入ったのではないか。結果的に犠飛にはなったが、打率1割台の梅野に、大きな期待をし過ぎている気がする。4点差に迫った八回二死二塁でも、梅野に代打の選択もあったのでは...。調子の悪い選手に託し過ぎ。これで選手を責めるのは酷だ。岡田監督らしくない。責任は監督が背負う采配をみせてほしい。梅野、木浪の下位打線が打率1割台はきついが2番・中野、3番・森下の不振も深刻。この2人に共通しているのは、ボール球まで強引に引っ張っていること。すぐ近くにお手本がいることに気付いてほしい。1番の近本だ。4安打はすべて左方向。逆らわない打撃を見習ってほしい。深刻な話になりがちだが、悲観する必要はない。残り試合数を考えても、十分に射程圏。岡田監督が積極采配を見せて、個々の選手が本来の力を発揮すれば、まだまだ楽しめる。期待している。

◆「4番・三塁」の阪神・佐藤輝明内野手(25)は4打数1安打に終わった。四回先頭で右前打を放って2点目のホームを踏むも、一回と五回の2死二塁の好機では三振に倒れた。チームは前半戦に奮闘した投手陣が失点を重ねる場面が目立つ。打線の中心に座る4番として「野手もしっかり頑張って、打てるような試合を増やしていきたい」と援護を誓った。

◆阪神・前川右京外野手(21)が「6番・左翼」で先発。相手先発が左腕のゲームでのスタメン出場は7月14日の中日戦(バンテリンドーム)以来で今季7度目だった。しかし、大野に対しては2打数無安打1死球。八回2死一塁で祖父江から適時二塁打を放ち意地を見せるも、「あの打席(タイムリー)というより、先発投手を打たないといけなかった。(使って)もらえただけじゃ意味ない。結果を残さないといけなかったので、悔しいです」と唇をかんだ。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(33)が大竹耕太郎投手(29)と初バッテリーを組んだ。試合前から左腕は登板できるか不透明だっただけに「探り探りな部分もあった」と振り返る。結果的に大竹は3回で降板し、その後計5投手をリードするも8失点。「結果的には(大竹は)3点取られてしまった。チームが負けることがチームとして悔しいこと」と視線を落とした。

◆18日に今季2度目の1軍昇格を果たした阪神D5位・石黒佑弥投手(23)=JR西日本=が五回から登板した。地元・愛知での凱旋マウンドで2回3安打1失点。「緊張したんですけど、最少失点で抑えられたのはよかったと思います」と汗をぬぐった。六回1死一、二塁では、愛知・星城高時代からしのぎを削ってきた同学年で東邦高出身の石川昂と対戦。遊ゴロ併殺に打ち取り「意識はちょっとしました。慎重に投げながら抑えられたのでよかった」とうなずいた。

◆阪神・大竹耕太郎投手(29)は加入後最短の3回5安打3失点で降板した。「(感覚が)よくない中でどうしていくか、というところができなかった」。先制した直後の三回、岡林に中前適時打、細川に2点二塁打を浴びあっさり逆転された。岡田監督は「投げられるかどうか分からなかった」と状態に不安要素を抱えていたことを明かした。17日の練習中には実際に左手指を気にする場面もあり、影響はあったとみられるが「状態が...とかそういう言い訳はしたくない。これが実力。それを踏まえて次抑えていくだけ」と話した。

◆2-3の四回に登板した阪神・伊藤将司投手(28)が誤算だった。無死満塁から大野に左前適時打を浴びると、高橋周、細川にも適時打を浴び一挙4失点。「点差も縮んでいたんで。あの失点は痛い。先頭をもっと大事に行けたら、ああいう結果にはならなかった」と反省ばかりが口をついた。9日に1軍再昇格してから中継ぎに配置転換されたがピリッとせず。「中(継ぎ)の大変さというのを感じました」と表情は晴れなかった。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が左翼席に吸い込まれる美しい放物線を描いた。「個人的な内容はすごくよかったですけど、やっぱりチームが勝ってこそなので...」球場を後にする大砲に笑顔はない。それでも、ファンは少しだけ留飲を下げることができた。2-7の大差で迎えた六回先頭。大野の直球を一閃。6試合ぶりの11号ソロに左翼席を陣取った虎党は歓喜した。四回には左翼線へ二塁打、八回も左前に運んで、今季3度目の猛打賞。3試合連続安打と状態は上向きだ。いずれも引っ張った打球で、らしさも出てきた。「チームが勝てるように頑張ろうと思います」どれだけ打とうが、欲しいのはチームの勝利。ただそれだけを求め、大山はバットを振る。(原田遼太郎)

◆悔しさや怒りだけじゃない。大敗の後に残った感情は、覇気の感じられないチームへの寂しさだった。先頭に立って連覇への道を突き進んできた阪神・岡田彰布監督(66)だが、思わず不満が漏れた。〝孤独の怒り〟の原因は劣勢の中、抵抗する意思がみえてこないナインのふがいなさだ。「なんかあんまり伝わってこんわなあ、俺一人で怒ってるみたいやけど。何もないやろ」ベンチで眼光鋭く打開策を探し、何とか主導権を奪い返そうと思いを巡らせた。だが、闘争心をかき立てるような魅せ場を作れない。近本の左翼線への適時二塁打で先制した直後の三回1死二塁から中野、森下が2者連続三振。たたみかけられず、その裏にあっさり逆転を許した。1-3の四回も無死満塁で犠飛による1得点に終わり、直後の守備で4失点と突き放された。点を取っては取られ、立浪竜の気迫に押されっぱなし。大山のソロと、前川のタイムリーで反撃したが、試合をひっくり返すことはできなかった。虎将の方から報道陣に「なんにもないで。だからなんにもないって言ってんねん。なんか聞くことあるか?」と問うほど、投打に見どころの乏しい展開にしてしまった。勝利を積み重ねたかった、下位の中日相手に2敗1引き分け。4カード連続負け越しとなり、貯金は7月27日の中日戦(甲子園)以来となる「3」に目減りした。広島、巨人の上位2チームとの距離はジワリジワリと広がる。今こそ一丸となりたいが、12日の巨人戦(東京ドーム)で佐藤輝が一塁へ悪送球した場面についても、岡田監督が自ら「俺一人で叫んだからな『ワンバン!』って」と明かしていたように、一枚岩となれていない。このまま、最も覇気があるのが監督という状況では、連覇は遠のいていくだけだ。「まあそんなん(点を取っては取られてという状況は)ずーっと繰り返しやからな、やっぱり負けるときの」岡田監督も複雑な表情で振り返るしかない。逆転Vだけを目指し、20日のヤクルト戦(京セラ)から全員で変わるしかない。(新里公章)8月12日の巨人戦(東京ドーム)で、一回2死二塁から岡本和が放った三塁線へのゴロを佐藤輝が逆シングルで好捕。だが、一塁送球がハーフバウンドとなり、一塁・大山が捕球できずに白球はファウルゾーンを転々。二走・丸の生還を許した(記録は佐藤輝の失策)。痛恨の適時失策での〝スミ1〟負けとなり、自力優勝の可能性が今季初めて消滅。試合後の岡田監督は「俺一人で叫んだからな『ワンバン!』って。俺だけやった。恥ずかしかったわ、ベンチで。そういうことや」と、チーム一丸となれていないことをほのめかしていた。?...阪神は日曜の連勝が6でストップし、6月30日のヤクルト戦(●5-6、神宮)以来の敗戦となった。曜日別の勝率は日曜が最も高く・800(16勝4敗)?...本拠地・甲子園を高校球児に明け渡す「夏のロード」は、9試合を残し5勝9敗1分け(勝率・357)となった

◆バットをぐっと短く握り直し、狙いすまして左翼線に打球を運んだ。阪神・近本光司外野手(29)が左投手2人から左翼へ計4安打の固め打ちでヒットメーカーの本領を発揮。自身の打撃に手応えをにじませた。「左(投手)も右(投手)も一緒のように打てたらと思って。どの打席もやりたいことがしっかりできている」三回1死二塁で大野の外角直球を流し打ちし、左翼に運ぶ適時二塁打とした。大野からは一回に左前打を放ち、5試合連続の初回先頭安打。切り込み隊長の役割を果たすと、五回にも左前打で2試合連続、今季7度目の猛打賞を記録した。九回にも左腕の橋本から左前打を放って左投手を徹底的に攻略。七回は四球で計5出塁も、チーム全体で勢いに乗るには至らず、点の取り合いに飲まれる形で突き放された。「あとは結果だけ、勝てればよかったなと思います」と渋い表情で語った。8月は16試合で4度目の猛打賞で打率・375(64打数24安打)と好調をキープ。6月は月間打率1割台に落ち込むなど波はあったが、今季全体で見てもチームトップの打率・274まで上げてきた。「1カ月で何本ヒットを打っても、シーズンで成績がどうなるかが大事」と開幕前に年間を通した活躍を見据えていたリードオフマンが、勝負の終盤に入って貢献度を高めている。「次も、右ピッチャーからも、しっかり打てるように頑張りたい」勝利が遠い現状の中でも前を向いて次戦を見据えた。好調を持続させ、チーム全体で勢いに乗れる瞬間をなんとか作り出していく。(邨田直人)■データBOX?...阪神・近本が5試合連続で一回先頭安打。今季は一回先頭で打率・363(80打数29安打)、1本塁打、8四球と好成績を残している?...近本は今季7度目の猛打賞(3安打以上)となり、佐藤輝、中野(6度)を上回りチーム最多となった

◆背水ローテで食い下がる! 阪神は中日に4-8で完敗し、1分けを挟んで3連敗。痛恨の4カード連続負け越しで、首位広島とのゲーム差が今季最大の5差に広がった。もう後がない。23日からの広島との直接対決3連戦(マツダ)には高橋遥人(28)、門別啓人(20)、大竹耕太郎(29)の左腕3投手を先発で起用する方針であることが18日、分かった。崖っぷちの岡田虎が、自慢の左腕3人に特命を託す!!昨年は勝利を積み重ねてリーグ制覇&日本一への勢いを加速させた夏のロードだった。それから1年。悪夢へ進む道となりかけている。4カード連続負け越しで頼みの投手陣も崩壊寸前。岡田監督も怒りを通り越して、あきれるしかなかった。「きょう大竹(の状態が)アカンかったら、伊藤(将が)先発やったんや。見ての通りやんか、そら、お前。1イニングで4点やねんから」ただでさえ苦しいチーム状況で、さらに苦しいやりくりになった。先発マウンドを託した大竹は指の状態が万全ではなかったとみられ、移籍後最短となる3回3失点で降板。2-3の四回から伊藤将に救援させたが、連打と四球で無死満塁とされ、投手の大野に左前に適時打を浴びるなど、1回5安打4失点。試合が壊れた。1分けを挟んで痛恨の3連敗。数時間後のナイターで広島がヤクルトに勝利したため、首位広島とのゲーム差は今季ワーストを更新する5差に広がった。阪神が逆転優勝した際の最大ゲーム差は1964年の6・5差。連覇を目指したシーズンのはずが、気がつけば崖っぷちにいる。追いすがるには、直接対決で鯉をたたくしかない-。20日からのヤクルト戦(京セラ)できっちりと白星をつかんだ上で、23日からの広島との3連戦(マツダ)では、思い切ったローテーション再編で3つすべてを取りに行く。17日に五回途中3失点で降板させた村上は、この日出場選手登録を抹消した。浮かび上がるのは、復活を遂げた高橋、虎の未来を担う20歳の門別、そして鯉料理を誰より得意としてきた大竹の左腕3人衆の名だ。

◆5位中日にこの3連戦2敗1分けと完璧に力負けした~、アレンパ大緊急事態やでェ!!しかも、投手力が虎の生命線だったのに...。昨年のMVP村上は第2戦で自滅して2軍落ち、守護神岩崎も九回に2点リードを守り切れず...。そして、本日は先発大竹が3回3失点で早々に降板するわ、2番手で昨年ローテ投手の伊藤将がおびえ逃げ、ストライクを放るのが精いっぱいでサンドバッグのように打ち込まれ1回4失点...。いったい虎の投手はどないなっちまったんやー! このまま猛虎は息絶えてしまうのか...。いや~、死んでたまるかい!! ここから猛虎反撃したろーや!! 青柳がおるでェ! 復活した高橋も頼むわ!!キャッチャーは間もなく1軍に戻る昨年の日本一捕手、坂本に申し訳ないが全責任を背負わせて残り全試合でマスクかぶせたれー!!打線は三塁守備に不安のある佐藤輝は外野に回し、サードは渡辺(糸原)で勝負に出るべきなのだ!! 『窮虎、兎(巨人)と鯉(広島)を噛む』。さあ岡田阪神面白くなってきたやんかー!!

◆当番デスク・長友孝輔が何度も電話している。阪神が実に寂しい負け方をして、どう紙面を作るか、苦労しているんだろうなぁと思って会話内容に耳を傾けたら-。「大社高の練習は何時から?」「大社高の明日の応援体制はわかる?」「出雲大社の取材って、できた?」空前の大社フィーバーだ。夏の甲子園は、島根の県立高がまさか、まさかの快進撃で8強入り。神の国からきた球児の話題は実にすがすがしい。「ことしの夏は、激アツです。もちろん明日も、甲子園に応援に行きます」文化報道部のデスク・澄田垂穂は、試合もないのに興奮状態。まあ、島根県出身だから、仕方がないか。ちなみに澄田は出雲高を卒業。「県内のいい選手が集まってくるのが大社高なんです。ショートの子は、ボクと同じ中学出身です」あまりに熱すぎるので、その場を立ち去り、ヒンヤリ、シレっとした空気が流れていそうなバンテリンドームのトラ番部隊に電話してみた。サブキャップ・原田遼太郎は、元来が超プラス思考な男だが、さすがに元気がない。「正直、チームの雰囲気がよくないです」そんな原田が言及したのは、やっぱり大社高だった。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
56435 0.566
(↑0.005)
-
(-)
39312
(+8)
265
(+2)
44
(+2)
47
(-)
0.238
(↑0.002)
2.230
(-)
2
(-)
巨人
57466 0.553
(↓0.006)
1
(↓1)
34334
(+1)
292
(+2)
58
(-)
49
(-)
0.240
(↓0.001)
2.550
(-)
3
(-)
阪神
54516 0.514
(↓0.005)
5
(↓1)
32349
(+4)
320
(+8)
47
(+1)
34
(-)
0.234
(↑0.001
2.420
(↓0.05)
4
(-)
DeNA
51552 0.481
(↑0.005)
8.5
(-)
35372
(+2)
381
(+1)
75
(+2)
50
(+1)
0.253
(-)
3.070
(↑0.02)
5
(-)
中日
46578 0.447
(↑0.006)
12
(-)
32281
(+8)
352
(+4)
47
(-)
31
(-)
0.237
(↑0.002
2.760
(↓0.01)
6
(1↓)
ヤクルト
45584 0.437
(↓0.004)
13
(↓1)
36379
(+2)
411
(+8)
76
(+1)
48
(-)
0.239
(-)
3.640
(↓0.04)