巨人(☆4対0★)阪神 =リーグ戦21回戦(2024.08.14)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:戸郷 翔征(9勝6敗0S)
敗戦投手:及川 雅貴(1勝3敗0S)

本塁打
【巨人】浅野 翔吾(1号・4回裏満塁)

  DAZN
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◆巨人は0-0で迎えた4回裏、浅野の今季初安打となるグランドスラムが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・戸郷が9回無失点8奪三振の快投。2試合連続の完封で今季9勝目を挙げた。敗れた阪神は先発・及川が試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。

◆阪神は佐藤輝明内野手(25)が1日でスタメンに復帰した。前日13日は39試合ぶりにベンチスタート。代打で出場した。やや調子を落としており、相手投手が左腕だったことと、リフレッシュを兼ねての措置だった。代わりに2年目で始めて4番に入った森下翔太外野手(24)は本来の3番に戻った。この日が24歳の誕生日。23歳最後の日に続く2試合連続の本塁打が期待される。先発は及川雅貴投手(23)。7月31日の巨人戦(甲子園)では5回2失点で先発での初勝利を飾った。その試合に続く今季2勝目を目指す。阪神は今季最後の東京ドーム。ここまで3カードは全て1勝2敗。今カードは1勝1敗。最後に勝ち越したい。

◆巨人浅野翔吾外野手(19)が「8番右翼」で4カ月ぶりにスタメンに名を連ねた。4月6日DeNA戦以来、今季3度目のスタメンとなった。開幕1軍も9打数0安打で4月8日登録抹消。8月はイースタン・リーグで打率4割6分2厘、1本塁打、6打点と結果を残し、左手首骨折で離脱したヘルナンデスの代わりに12日に昇格していた。前日13日阪神戦は代打で一ゴロに倒れたが「前はネクストで心臓バクバクしていたのですけど、もう緊張はしなかった」と手応えを口にしていた。東京ドームでは今季最後となる伝統の一戦。内野が本職で前夜は猛打賞のモンテスが6番左翼に入った。先発マウンドには中5日で戸郷が立つ。大城卓とのバッテリーとなる。

◆阪神森下翔太外野手(24)が盛大なバースデーソングで祝福された。この日が24歳の誕生日。初回の第1打席を迎えると左翼席、三塁側を埋めた阪神ファンがハッピーバースデーの大合唱。巨人ファンの一部も拍手をしていた。森下は合唱が終わるのを待つようにゆっくりと打席内で準備した。三振に倒れたが、ファンに対するさりげない感謝の表現だった。

◆阪神及川雅貴投手(23)がラッキーヒットを放った。2回1死から戸郷翔征投手(24)の外に逃げていく球に必死でバットを伸ばした。一塁方向にボテボテのゴロとなったが、戸郷はファウルと勘違いしたか、途中で打球を追うのをやめた。一塁手の岡本和真(28)があわてて捕りにいったが間に合わず、及川は無人の一塁を駆け抜けた。戸郷からのアピールを受けた巨人阿部慎之助監督(45)が球審に確認。審判団4人で協議した。球審の山口は「阿部監督から『2度打ち』ではないかと確認がありましたが、協議の結果、インプレー。走者一塁で試合を再開します」と場内に説明した。

◆/次世代のスターが歓喜の渦へ\最高の場面で回ってきた #浅野翔吾なんと今季初ヒットが先制満塁ホームラン?プロ野球(2024/8/14)??巨人×阪神??Live on DAZN #DAZNプロ野球#giants pic.twitter.com/Uj306culv1

◆阪神及川雅貴投手(23)が痛恨の2試合連続本塁打を浴びた。0-0の4回。2死まで奪った後、巨人大城に四球を与えると、モンテスに左翼フェンス直撃の二塁打を許し、2死二、三塁。さらに門脇にも四球を与えて満塁のピンチを招くと、浅野に甘く入ったスライダーを捉えられ、左翼スタンドへ先制の1号満塁本塁打を許した。浅野はこれが今季初安打。及川は前回7日ヤクルト戦(神宮)でも村上に先制2ランを浴びていた。4回は投げ終えたものの、5回からは左腕の富田にスイッチ。さらに捕手の梅野も長坂に交代と、バッテリーそろってベンチに下がった。

◆阪神糸原健斗内野手(31)が好アピールした。8回2死から代打で二塁内野安打。連続代打となった次の渡辺諒内野手(29)の打球は二遊間へ。巨人二塁手の吉川尚輝(29)がつかみ、二塁ベースカバーの遊撃門脇誠(23)に送球。1度は二塁封殺のジャッジが下った。だが糸原は門脇の足がどちらもベースに触れていなかったことを確信。ベンチの岡田彰布監督(66)がすぐにリクエストした。場内に流れた映像では、天井からのカメラではっきりと踏んでいないことが確認できたため、阪神ファンは大喜び。映像の通り、判定がセーフに覆った。

◆阪神が巨人に完敗した。これで3カード連続負け越し。夏の正念場だった9連戦を3勝6敗と大きく負け越した。1球に泣いた。0-0で迎えた4回。先発及川雅貴投手(23)が安打と四球で2死満塁のピンチを作った。ここで巨人浅野に痛恨の満塁アーチを浴びた。一気に4点を失い流れを失った。巨人に満塁本塁打を浴びた試合は、過去1試合しか勝利していなかった。敵地で痛恨の一撃を許した。打線は巨人戸郷に封じられた。佐藤輝明内野手(25)が2試合ぶりにスタメン復帰し4番で起用されたが、打線はつながらなかった。

◆夏が来れば、乗ってくる。浅野翔吾外野手が「プリティフライ」の登場曲に合わせ、打席に向かった。夏の甲子園5試合で4本塁打を放った高松商のチャンステーマで気持ちを高める。故郷から届く応援が力になる。その感謝も込め、母校の"魔曲"をイースタン・リーグ後半戦から出ばやしとした。両チーム無得点の4回2死満塁だった。カウント1-1からの3球目。阪神及川の129キロスライダーを芯で拾う。打球は左翼席に吸いこまれた。プロ2本目となる今季1号は、プロ初のグランドスラム。「先輩方がつないでつないで回してくれたチャンスだったので絶対に点につなげるんだと臨みました。最高です」と喜びに浸った。12日に離脱したヘルナンデスに代わって1軍昇格。4月6日DeNA戦以来4カ月ぶりスタメン出場で結果を導いた。東京ドームでのプロ初アーチだった。何度も思い浮かべた理想だった。イメージトレーニングを日課とし、巨人の本塁打集を見る。岡本和の打球がバルコニー席に飛び込む映像などを見て「自分もプレーで盛り上げたい」と目指す将来像を重ねてきた。打撃に頭を巡らせながら、部屋のあるイチロー氏のバットを握り、窓に映る自分の構えをチェックする。開幕1軍も9打数0安打で4月8日に2軍降格した。ファームでは「野球脳を鍛える」を意識した。来た球を強く振るスタンスだったが、データの使い方も覚えた。投手の球種の割合も頭にインプットし、狙い球を絞る。以前は心臓がバクバクしてた次打者席でも緊張しない。今季最後の東京ドームでの伝統の一戦。最高の「浅野」コールを全身で浴びた。【上田悠太】19歳8カ月の浅野がプロ入り初の満塁本塁打。10代で満塁弾を放ったのは19年7月3日村上(ヤクルト)以来16人、18本目となり、セ・リーグでは6人、7本目(1リーグ2人、2本、パ・リーグ8人、9本)。巨人では08年4月6日に19歳3カ月で打った坂本に次いで2人目。王の初満塁弾は20歳3カ月、松井は21歳0カ月で、2人は10代のうちに打てなかった。浅野はスコア0-0からの1発で、これがV打点。セ・リーグで10代の「満塁Vアーチ」は、13年8月1日高橋周(中日=逆転)に次いで2人目だった。

◆阪神栄枝裕貴捕手(26)が今季初出場した。これで阪神はベンチ入りした捕手登録3人を起用したことになった。スタメンは梅野隆太郎捕手(33)だった。ただ、4回に巨人浅野に満塁アーチを許すと、先発及川雅貴投手(23)とともに5回裏から交代。長坂拳弥捕手(30)がマスクをかぶっていた。その長坂に8回表の攻撃で代打を送ったため、栄枝が8回裏の守備に就いた。

◆阪神打線が、また巨人戸郷翔征投手(24)にやられた。今季チーム16度目の0封負け。戸郷には5月24日の甲子園でのゲームで無安打無得点試合を許していた。9回は先頭中野拓夢内野手(28)が右前打で出塁したものの、森下翔太外野手(24)、佐藤輝明内野手(25)、大山悠輔内野手(29)のクリーンアップが凡退した。

◆阪神が巨人に完敗した。これで3カード連続負け越し。夏の正念場だった9連戦を3勝6敗と大きく負け越した。1球に泣いた。0-0で迎えた4回。先発及川雅貴投手(23)が安打と四球で2死満塁のピンチを作った。ここで巨人浅野に痛恨の満塁アーチを浴びた。一気に4点を失い流れを失った。巨人に満塁本塁打を浴びた試合は、過去1試合しか勝利していなかった。敵地で痛恨の一撃を許した。打線は巨人戸郷に封じられた。佐藤輝明内野手(25)が2試合ぶりにスタメン復帰し4番で起用されたが、打線はつながらなかった。岡田彰布監督(66)は試合後、「コーチに聞いてくれ」とだけ話し、球場を後にした。

◆阪神の自力優勝の可能性が再び消滅した。12日に今季初消滅し、前日13日には一夜で復活していたが、この日は巨人に敗れ、首位広島が勝利したため、再びの消滅となった。東京ドームでは今季ラストゲーム。今季の東京ドームでは4勝8敗、勝率3割3分3厘と苦戦した。

◆巨人浅野翔吾外野手(19)がプロ初の満塁本塁打を放った。両チーム無得点の4回2死満塁でカウント1-1からの3球目、阪神及川の129キロスライダーを芯で拾い、左翼席に運んだ。19歳8カ月の浅野がプロ入り初の満塁本塁打。10代で満塁弾を放ったのは19年7月3日村上(ヤクルト)以来16人、18本目となり、セ・リーグでは6人、7本目(1リーグ2人、2本、パ・リーグ8人、9本)。巨人では08年4月6日に19歳3カ月で打った坂本に次いで2人目。王の初満塁弾は20歳3カ月、松井は21歳0カ月で、2人は10代のうちに打てなかった。浅野はスコア0-0からの1発で、これがV打点。セ・リーグで10代の「満塁Vアーチ」は、13年8月1日高橋周(中日=逆転)に次いで2人目だった。

◆阪神栄枝裕貴捕手(26)が今季初出場で落ち着いたプレーを見せた。8回の守備から出場。岡留とバッテリーを組んだ。2死一塁からモンテスの左二塁打で走者は一気に本塁を狙ったが、中継プレーでタッチアウトに仕留めた。「ファームと全然雰囲気も違う。一試合経験できたというのは大きいと思いますし。次はもっといい結果を守りに出せると思うので。次はもっと頑張りたいと思います」と語った。

◆巨人のエース戸郷翔征投手が涼しい顔で離れ業をやってのけた。阪神打線に7安打、完封。前回登板の8日広島戦から中5日も126球を投げ抜いた。開口一番は「いや~、疲れました」と吐き出しつつも「前回、阪神に6点取られて、ふがいないピッチングをしてしまった。何とかやり返そうと思って完封で返せました」と納得顔で振り返った。両軍無得点だった4回だった。次打者席からの衝撃的な光景に胸が躍った。「いや~、浅野さんですよね。ネクストで『打ってくれ』と思って見てましたけど打ってくれたのでね。神様かなと思いました。すごかったです」。2死満塁から2年目の浅野の1号先制&決勝満塁弾に目を見開いた。「『ありがとう』ってずっと言っていました。頼もしいですね」と後輩に深々と頭を下げた。自身初の2試合連続の完封で真夏の9連戦を白星で締めくくった。

◆阪神は開幕戦の悔しさも、ノーノーの悪夢も、晴らすことはできなかった。巨人戸郷から7安打したが、今季2度目の完封を許した。今季対戦は5試合で1勝4敗となった。もうひと押しができない。初回、先頭近本が左前打で出塁。中野の初球ヒットエンドランで1死二塁の形を作れた。ここで前日初の4番に座った3番森下が空振り三振、4番に戻った佐藤輝が中飛。出ばなをくじけず、波に乗せてしまった。1日でスタメンに戻った佐藤輝が唇をかんだ。「いい当たりもあったんですけどね。とりあえず9連戦は終わったので、しっかり明日休んで、また頑張ります」と切り替えを図り、打線が再浮上するためには? の質問には「みんなつないで、しかないんじゃないですか」と言った。主砲の言う通り、8得点の前日から一転して、つながりを欠いた。3回、4回、7回と安打は出たが散発。4回は森下安打で佐藤輝が二ゴロ併殺。7回は佐藤輝が安打も大山が二ゴロ併殺。主軸でたたみかけられなかった。2回以降の最大のチャンスは8回。2死から、代打2連発で糸原、渡辺が続けざまにしぶとく内野安打。頼みの近本を迎えたが、戸郷は外角へのフォークを連投。二ゴロに倒れた。100球を超えてもその精度は落ちず、ホームが遠かった。戸郷には開幕戦の東京ドームで6回0封、5月には甲子園で屈辱の無安打無得点試合をやられている。8月1日の甲子園では6得点して沈めていたが...。岡田監督は会見なし。戸郷について聞かれた水口打撃コーチは「もういいです。何もないです」とだけコメント。無念さがにじんだ。今年最後の東京ドームは今季16度目となるゼロ封負け。同球場では4勝8敗と大きく負け越した。まだ巨人との対戦も、シーズンも残っている。反発力を見せたい。【柏原誠】

◆阪神糸原健斗内野手(31)が代打で気を吐いた。8回2死で登場し二塁内野安打。7月31日巨人戦以来、2週間ぶりの安打となった。続く代打渡辺の二遊間の当たりを巨人吉川がつかみ、二塁ベースカバーに入った門脇へ送球。1度は二塁封殺と判定が出たが岡田監督がリクエスト。門脇の足はベースに触れていないことが確認できセーフに覆った。2死一、二塁のチャンスも最後は近本が二ゴロに倒れた。

◆真夏の悪夢だ。阪神が宿敵からショッキングな敗戦を喫した。0-0で迎えた4回に先発及川雅貴投手(23)が巨人浅野翔吾外野手(19)に満塁本塁打を浴びた。怒りの岡田彰布監督(66)は5回からバッテリーごと交代させた。勝負の9連戦は3勝6敗で悪夢の3カード連続の負け越し。首位広島がDeNAにサヨナラ勝ちしたことで自力Vも一夜にして再び消滅した。広島とは今季最大タイの4ゲーム差。正念場を迎えた。9回2死一塁、大山が二ゴロに打ち取られてゲームセット。その瞬間、岡田監督はすぐにベンチを後にし、1人で裏の通路へと引き揚げた。急いで両側を囲む報道陣へ、囲み取材に応じず歩きながら一言。「コーチに聞いてくれ」。そのまま何も言わずに、帰路についた。一瞬で巨人のムードに持って行かれた。0-0のまま迎えた4回、先発の及川は坂本、岡本和の主軸を打ち取り2死。続く大城へも変化球でカウント0-2。この優勢から4連続ボールで四球を出すと、風向きが変わった。モンテスに左翼フェンス直撃の二塁打を許し、門脇にも四球を与えて2死満塁。相手の勢いのままに、浅野に今季1号となるグランドスラムを浴びた。高卒2年目の若きスラッガーとは、浅からぬ縁がある。22年ドラフト1位で巨人に入団した浅野を、阪神も1位指名し一騎打ち。くじ引き役の岡田監督が引く前に、当たりくじは原辰徳元監督(66)の手に渡った。指揮官は外れ1位で森下を獲得した直後に「どっちが先に使えるかと言うたら、森下かも分からんしな」と話し、大卒ルーキーはその期待通りに活躍。しかし、この日は元虎の恋人に苦汁をなめさせられた。4回4失点の及川、女房役の梅野もともに、岡田監督は5回でバッテリーごと交代を告げた。代わって長坂がマスクをかぶり、8回には長坂へ代打渡辺が送られたため、栄枝が途中出場。今季初めてベンチ入りした捕手3人全員を使ったが、執念の勝利には結びつかなかった。試合後、梅野も無言で球場を後にした。今季の東京ドーム最終戦で黒星を喫した直後、首位広島は菊池の3ランでサヨナラ勝ち。正反対のような試合展開で、阪神は一夜にして再び自力優勝の可能性が消滅した。ゲーム差も最大タイの4に再び広がってしまった。3カード連続の負け越しで、今季初の9連戦は3勝6敗。負けられない長期ロードはまだ続く。負の連鎖をここで断ち切りたい。【磯綾乃】岡田監督の22年ドラフト 阪神監督に復帰したばかりの岡田監督は22年10月20日に、ドラフト会議に臨んだ。浅野翔吾外野手(高松商)への入札は、巨人と一騎打ちの形で競合。オリックス監督時代も含め1回目入札抽選では過去5度すべてで外した左手をやめ、右手でくじを取ったが、先に引いていた巨人の原監督に浅野を引き当てられた。「周りに聞くと(星占いなどは)よかったらしいけど、駄目やったね」と苦笑。それでも外れ1位で右の強打者、森下翔太外野手(中大)の獲得に成功し「絶対戦力になるわな」と喜んだ。阪神が相手打者に満塁本塁打を許したのは、23年9月21日巨人戦で大城卓に青柳が打たれて以来。なお阪神が満塁本塁打による失点だけで完封負けしたのは、2リーグ分立後3度目。前回は22年8月24日に、DeNAの桑原に伊藤将が打たれた。巨人戦では2度目で、73年9月20日に王貞治に古沢憲司が喫して以来、51年ぶりだ。阪神がドラフト最上位で入札しながら、抽選で逃した選手に満塁本塁打を打たれたのは、今回の浅野で4人目。97年8月20日に松井秀喜(巨人=92年ドラフト)、19年4月13日に堂上直倫(中日=06年高校生ドラフト)、22年4月3日に中田翔(巨人=07年高校生ドラフトで日本ハム入り)以来。

◆巨人が"香川のおっちゃん"の衝撃の1発で阪神を沈めた。2年目の浅野翔吾外野手(19)が今季初安打を1号グランドスラムで決めた。4回2死満塁、阪神及川の外角変化球を左翼席に運んだ。負傷離脱したヘルナンデスの代役で12日に1軍昇格。4月6日DeNA戦以来のスタメン抜てきに最高の1発で応えた。中5日で先発登板した戸郷翔征投手(24)が2試合連続の完封で9勝目をマーク。チームはカード勝ち越しを決めて、首位広島を1ゲーム差で追走する。夏になれば、自然と乗ってくる。以前は心臓がバクバクしていた次打者席でも緊張しない。4回2死満塁、浅野は冷静に意図を持って打席に向かった。直球1本には絞らず、変化球と両方を待つ。「詰まってでも、バットの先でも1点を取る」とバットは指1本分短く握った。カウント1-1からの3球目。129キロスライダーを芯で拾った。舞い上がった打球は左翼席に吸いこまれた。通算2本目となる今季1号は先制&決勝のグランドスラム。東京ドーム1号を衝撃的な一撃で決め「最高の結果になった。スタメンで使ってもらい、絶対打ちたかった。最高です」と喜びに浸った。昨季のプロ初アーチも8月18日広島戦。高松商では夏の甲子園5戦4発だった。甲子園が始まれば、夏になれば、浅野の季節だ。変化球を打てたことが成長の証明だった。開幕1軍も9打数0安打で早くも4月8日に2軍降格。阿部監督からは「漠然と振っているようにしか見えない」と直球をフルスイングするだけでなく、狙い球の待ち方、変化球の対応を課題とされた。ファームでは「野球脳を鍛える」を意識した。データの見方も変わった。ただがむしゃらに。その姿勢だけでは勝負にならない世界だと痛感した。能力だけで通用した高校野球とは違う。過去の自分を「やっとプロ野球選手としての自覚も出てきたのかもしれません」と反省する。今は相手投手の持ち球、球種の割合など細かく頭に入れて打席に立つ。テレビも見るのは野球だけ。この日、打ったのは129キロスライダーだった。イメージトレーニングを日課とし、巨人の本塁打集を見る。岡本和がバルコニー席にぶち込む映像などを見て「自分もプレーで盛り上げたい」と憧れながら、将来像を重ね合わせて目標とした。今季107試合目でチーム初の満塁弾でもあった。思い描く姿を現実にした。注がれた「浅野」コール。最高に心地よかった。【上田悠太】▽巨人阿部監督(今季1号満塁アーチの浅野に)「(変化球を)狙っていたのかどうかはわからないけど、狙って打ったなら大したもん。まだ、そういう余裕もまだないだろうけど、こういうのを自信につなげてもらいたいなと思います」19歳8カ月の浅野がプロ入り初の満塁本塁打。10代で満塁弾を放ったのは19年7月3日村上(ヤクルト)以来16人、18本目となり、セ・リーグでは6人、7本目(1リーグ2人、2本、パ・リーグ8人、9本)。巨人では08年4月6日に19歳3カ月で打った坂本に次いで2人目。王の初満塁弾は20歳3カ月、松井は21歳0カ月で、2人は10代のうちに打てなかった。浅野はスコア0-0からの1発で、これがV打点。セ・リーグで10代の「満塁Vアーチ」は、13年8月1日高橋周(中日=逆転)に次いで2人目だった。

◆阪神森下翔太外野手(24)が誕生日に快音を響かせた。この日で24歳を迎え、初回の第1打席には左翼席からバースデーソングが響いた。この打席は空振り三振に倒れたが、4回の第2打席で巨人戸郷の148キロ直球を中前に運んだ。それでも4打数1安打の結果に「(1本安打が)出ると出ないでは気持ちの持ちようが全然違う。出たのは良かったけど、もう1本2本と打てたら良かった」と満足せず引き締めた。

◆阪神及川雅貴投手(23)が1球に泣いた。0-0の4回。2死から四球、二塁打、四球で満塁のピンチを招き、8番浅野との対戦だった。カウント1-1から内角の129キロ変化球をすくい上げられ、左翼席への先制満塁弾を浴びた。前回登板の7日ヤクルト戦でも2死から四球を与えて、その後に先制弾。「前回も同じような投球をしてしまって。自分も意識していた部分ではあったので、技術不足ですかね」と唇をかんだ。先発としては今季最短となる4回4安打4失点での降板。次回登板について安藤投手コーチは「ノーコメント」と話すにとどめた。前回登板に続く黒星を喫し、今季3敗目。2戦連続での4失点(前回は自責点2)となり、今後は出場選手登録を抹消される可能性も出てきた。今季途中から先発ローテーションに加わった左腕が、正念場を迎えている。

◆巨人が"香川のおっちゃん"の衝撃の1発で阪神を沈めた。2年目の浅野翔吾外野手(19)が今季初安打を1号グランドスラムで決めた。4回2死満塁、阪神及川の外角変化球を左翼席に運んだ。負傷離脱したヘルナンデスの代役で12日に1軍昇格。4月6日DeNA戦以来のスタメン抜てきに最高の1発で応えた。中5日で先発登板した戸郷翔征投手(24)が2試合連続の完封で9勝目をマーク。チームはカード勝ち越しを決めて、首位広島を1ゲーム差で追走する。浅野はお立ち台の景色を見渡しながら言った。「ファームでも打てない時、人に支えてもらい、常に自分が感謝する立場だったんですけど、打つことでいろんな人に感謝される立場になれる。たくさんの人に感謝されるように」と感謝。後半戦から登場曲を「プリティフライ」とした。母校・高松商のチャンステーマ。理由にも「初心に戻る」と同時に感謝が詰まる。昨季も高校時代の応援歌だった「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ曲を出ばやしとしていた。今年は一時、矢沢永吉の「止まらないHa~Ha」を使っていたが、高松商のなじみの曲を使っていると知った故郷の人が喜んでくれたと聞いた。それならばと、地元への感謝を込め、再変更した。故郷からの応援に背中を押される19歳。"魔曲"プリティフライに乗り、みなを笑顔にする1発を決めた。【上田悠太】

◆香川・高松商高から入団2年目の巨人・浅野翔吾外野手(19)が「8版・右翼」で4月6日のDeNA戦(東京ドーム)以来130日ぶり今季3度目の先発出場を果たす。今季は開幕1軍入りでスタートするも9打数0安打で4月8日に登録抹消。2軍暮らしが続いていたが、8月は2軍で打率・462、1本塁打、6打点と好調で、12日に1軍昇格。期待のホープに出番が巡ってきた。また、13日の第2戦に途中出場し、3安打2打点だったモンテス(前ロッキーズ傘下3A)が「6番・左翼」に名を連ね、来日初の外野での先発となった。

◆阪神・及川雅貴投手(23)は7月31日の対戦(甲子園)では5回2失点で先発プロ初勝利をマーク。巨人先発の戸郷とは今季初先発だった5月24日以来2度目の投げ合いで、前回は戸郷がノーヒットノーランを達成しただけに「投げ合った時にノーヒットノーランされているので、投げ勝てるようにやりたい」とリベンジを目指す。野手では佐藤輝明内野手(25)が2試合ぶりにスタメンに名を連ね、「4番・三塁」で出場する。

◆阪神・及川雅貴投手(23)が四回、巨人・浅野に先制の満塁弾を許した。宙を舞う打球を見上げるしかなかった。坂本、岡本を打ち取って2死を奪った後、大城に四球、モンテスに二塁打を浴び、門脇にも四球を与えて招いた満塁のピンチ。浅野に投じた3球目のスライダーが甘く入った。ふわりと舞い上がった打球は阪神ファンがいる左翼スタンドへ。痛恨の1号満塁本塁打を許し、大きなリードを許した。

◆香川・高松商高から入団2年目の巨人・浅野翔吾外野手(19)が自身初の満塁本塁打で今季初安打をマークした。「8番・右翼」で4月6日のDeNA戦(東京ドーム)以来130日ぶり、今季3度目のスタメン出場となった右打者は、0-0の四回2死満塁で打席へ。阪神の左腕、及川の内角低めのスライダーを引っ張り、左翼ポール際へ運んだ。今季13打席目で待望の初安打をグランドスラムで記録。19歳が示したスター性に、東京ドームは大歓声に包まれた。高校通算68本塁打のスラッガーは、阪神との2球団競合の末に巨人入り。1年目の昨季から1軍で出場機会を与えられ、24試合に出て打率・250、本塁打も1本放った。今季は4月に1軍で結果を残せず2軍落ち。8月は2軍で打率・462、1本塁打、6打点と好調で、12日に1軍昇格していた。

◆阪神・及川雅貴投手(23)は4回4失点で降板となった。三回まで2安打に抑える快調な立ち上がりだったが、四回に捕まった。2死から大城に四球、モンテスに二塁打を浴び、門脇にも四球を与えて招いた満塁のピンチ。浅野に甘く入ったスライダーを捉えられ、痛恨の1号満塁本塁打を許してこの回で降板となった。「2アウトからランナーを溜めて長打という1番駄目な失点をしてしまいました。試合を作ることができずに申し訳ないです」とコメントした。

◆持っている男は違った。ホープの一振りで場内のボルテージは最高潮に達した。0-0の四回2死満塁。4月6日のDeNA戦(東京ドーム)以来、130日ぶりに「8番・右翼」で先発した巨人・浅野翔吾外野手(19)が1号満塁本塁打を放った。「先輩方がつないで、回してくれたチャンスだったので、絶対に点につなげるんだと臨みました。(満塁本塁打で)最高です」カウント1-1から阪神・及川が投じたスライダーを完璧にとらえた。大きな放物線を描いた打球は、虎党の待つ左翼席に着弾した。値千金の満塁弾。スタメンに抜擢した阿部監督も満面の笑みで出迎えた。2年目の右打者が、13打席目で記録した今季初安打で貴重な先制点をもたらした。10代での満塁本塁打は、2019年に記録したヤクルト・村上についで史上16人目となった。左手首の骨折で離脱した助っ人のヘルナンデスに代わって12日から1軍に昇格。「エリーの存在はチームにとって大きいと思うので、そこをできるだけ埋められるように。こんな大事な時期に呼んでもらっているので、うれしいというより、ほんとにチームが勝つことだけを考えてプレーしたい」。2年目の若武者がここ一番で大仕事をやってのけた。

◆阪神は巨人の投手陣から得点を奪えず、カード負け越しとなった。先発の及川雅貴投手(23)は4回4失点。三回まで2安打に抑える快調な立ち上がりだったが、四回2死満塁で浅野に甘く入ったスライダーを捉えられ、痛恨の1号満塁本塁打を許してこの回で降板となった。打線は巨人の先発・戸郷の前になかなかチャンスを作れず。八回は代打の糸原と渡辺が2死から安打を放って一、二塁としたが、近本が二ゴロに倒れた。5月にノーヒットノーランを喫した右腕に完封を許し、連勝を逃した。

◆3カード連続負け越しで9連戦を3勝6敗で終えた阪神の自力優勝の可能性が再び消滅した。及川雅貴投手(23)が四回、2死後の四球から満塁とされ、浅野翔吾外野手(19)に本塁打を浴びた。打線は戸郷翔征投手(24)の前に沈黙し、16度目の零敗を喫した。一日で「4番」に復帰した佐藤輝明内野手(25)は七回の右前打が16打席ぶり安打。チームは東京ドームでのレギュラーシーズン最終戦を落とし、全4カード負け越しで、4勝8敗となった。試合後の岡田彰布監督(66)のコメントは「コーチに聞いてくれ」だけだった。(成績=54勝49敗5分、観衆=4万1839人)。

◆巨人が快勝。四回に浅野が初の満塁本塁打を放って4点を先行した。戸郷は球威十分で7安打無四球。2試合連続、今季3度目の完封で9勝目を挙げた。阪神は及川が四回2死から痛打を浴びた。打線も沈黙し3カード連続の負け越し。

◆4月6日のDeNA戦(東京ドーム)以来、130日ぶりに「8番・右翼」で先発した巨人・浅野翔吾外野手(19)が四回に1号満塁本塁打を放った。19歳8カ月の浅野がプロ初の満塁本塁打。10代選手の満塁本塁打は2019年7月3日のヤクルト・村上宗隆(19歳5カ月、対広島)以来5年ぶり16人目(18度目、セ・リーグ年少4番目)。巨人では08年4月6日の坂本勇人(19歳3カ月=セ・リーグ最年少記録、対阪神)以来16年ぶり2人目。巨人に10代で入団した主な選手の初満塁弾は川上哲治が1948年の28歳6カ月、王貞治が60年の20歳3カ月、松井秀喜が95年の21歳0カ月でいずれも10代では打ていない。プロ野球最年少満塁弾は阪急・米田哲也が1956年4月11日の高橋戦でマークした18歳1カ月。

◆巨人・戸郷翔征投手(24)が7安打完封勝利で今季9勝目をマークした。?戸郷の完封勝利は8日の広島戦(東京ドーム)に続く今季3度目、通算6度目で、2試合連続は初めて。巨人の投手が2試合以上続けて完封勝利を挙げたのは、2018年の菅野智之(8月18日の中日戦-同25日の阪神戦=2試合、9月22日のヤクルト戦-10月4日の広島戦=3試合)以来6年ぶり。?前回の完封から中5日以内に完封勝利を挙げたのも18年の菅野(9月28日のDeNA戦-10月4日=中5日)以来。24歳4カ月以下に限ると、1989年の斎藤雅樹(24歳3カ月、6月4日の阪神戦-同10日のヤクルト戦=中5日)以来35年ぶり。

◆打者も投手も、もっと「攻める気持ち」を! 阪神は2位巨人との大事な一戦に0-4で敗戦。中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)は、寂しい試合内容を「もの足りない」と嘆くと、スタメン復帰した佐藤輝明内野手(25)らに、相手をつぶすんだという気迫を求めた。あっさり終わったね。はっきり言って、物足りない。相手が戸郷とはいえ、頂点を狙うチームとしては寂しい内容だ。例えば先発復帰した佐藤輝。守備のミスが出るようになってから、打撃にも悪影響が出ているように感じる。表情も暗く見えてしまうし、技術的に言えばトップが緩んでいる。しっかりトップを作れずに振っているから迫力が無い。なんとか結果を出さないとという気持ちの問題ではないか。一回2死二塁は初球を中飛。四回無死一塁は1ボールから二ゴロ併殺。七回1死は1ボールから右前打。九回1死一塁では2-1から中飛。3打席目までファーストストライクを振っているが、しっかり狙い球を決めて強く振っているというより、ストライクゾーンに来た球を、ただ振りにいっているように見える。早いカウントなのに、追い込まれているようだ。私の経験上、狙い球はコースより、球種を決める方がいい。球種さえ合えば、タイミングは合うからだ。佐藤輝ほどの長打力がある打者が、もったいない。追い込まれるまで狙い球を絞って、強くスイングをしていくだけで、迫力が違う。今の打撃では相手に怖さを与えられない。これは他の打者にも言えることだ。淡々としていて、相手をつぶすんだという気迫が伝わってこない。感じるのは森下くらいか。二回先頭の大山は2-2から外角直球を見逃し三振。あっさりしすぎだ。追い込まれるまでは狙い球を絞って強いスイングを、追い込まれてからは粘りを。そういう相手が怖がる、嫌がるようなことをしないと一線級は崩せない。打撃は〝自分本位〟ではなく、相手との戦い、勝負だということを改めて言いたい。攻める気持ちが足らないのは投手も同じだ。四回2死無走者から4失点した及川。本塁打を打たれたことより、四球だ。投手というのは2死をとると、一発だけは打たれてはいけないと考える。慎重になりすぎて四球を出すというのは結構、多い。2死までは強気で攻めていたのに、2死から守りに入ってしまう。これも気持ちの問題だ。残り35試合。野手も投手も、相手をつぶすくらいの気迫で攻め切って欲しい。そういう野球を見たいし、出来るはずだ。

◆19歳の一発に、エースが奮い立った。今季初の中5日登板となった巨人・戸郷翔征投手(24)が7安打無四球、8奪三振で完封し、今季9勝目を挙げた。126球で投げ切り、8日の広島戦に続いて自身初の2試合連続完封。お立ち台で隣に立った浅野の頭をなでた。「〝浅野さん〟に打っていただいて、神様かなと思いました。すごかった。『これは完封するしかないぞ』と先輩の意地でした」甲子園球場で登板した1日の阪神戦は5回で6失点を喫しただけに「ふがいない投球をした。何とかやり返そうと思った」。前回に続きバッテリーを組んだ大城卓の強気なリードに導かれ、140キロ台後半の球速は最後まで落ちなかった。何より力をくれたのは、浅野の満塁本塁打による援護だ。チームの柱となった右腕は、かわいく、頼もしくもある後輩に「何をプレゼントしようかな。欲しいものを聞きたい」と、お礼品を贈ることを約束した。(谷川直之)

◆巨人・浅野翔吾外野手(19)が四回に1号満塁本塁打を放った。★生まれ 2004(平成16)年11月24日生まれ、19歳。香川・高松市出身。★球歴 香川・高松商高では1年夏からレギュラー。2、3年夏に甲子園大会に出場し、計5試合で打率・647(17打数11安打)、4本塁打、8打点。高校通算68本塁打。★必需品 ひげが濃く、昨年の入寮時には母に買ってもらった3万円のひげそりを持参。太もも周りが66センチで股ずれ防止にベビーパウダーでのケアも欠かさない。★ニックネーム 貫禄のある風貌から高校時代のあだ名は「おじさん」。★スーパーボール 昨年1月の新人合同自主トレでは筋肉質な肉体を見た当時の原監督から「ぴちぴちしているよね。スーパーボールってあったけど、そういう印象」と命名された。★サイズなど 171センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆プロ初の満塁本塁打を放った巨人・浅野翔吾外野手(19)を、香川・高松商高時代に指導した長尾健司監督(54)はサンケイスポーツの取材に「使っていただいた阿部監督に感謝。誇らしい」と喜びの声を上げた。同校野球部の練習試合を終えた後、スマートフォンに届いた大量の祝福メッセージで知って移動中に映像を確認し、見返したという。恩師の記憶に残っているのは、高校1年生の浅野が公式戦に出場した試合で、右翼席へ放り込んだ一発。この日も本塁打で主役の座を奪った教え子に「やっぱり、あいつは持っているなと思ったよ」と目を細めた。幼なじみもそのすごさを証言する。同じ香川県出身で同学年、現在は巨人の女子チームでプレーする真砂寧々内野手(20)は、幼い頃から家族ぐるみの付き合いだ。中学時代に対戦経験があり、投手・真砂は軟式ボールを本塁打された。「カーブを(球場外の)道路まで飛ばされました。(捕手だった浅野は)座ったまま二塁に投げて盗塁をバンバン刺していた」と怪物ぶりを語る。「小学、中学の頃から香川県では『女子では真砂、男子では浅野』という感じがあった。自分はライバルと思っています」と、女子チームのホープも浅野と切磋琢磨している。

◆記念日を勝利で飾ることはできなかった。阪神・森下は同学年の戸郷からなんとか自身今季初安打を放ったが、得点にはつながらず。虎の難敵となって立ちはだかった右腕の攻略を逃し、悔しさをにじませた。「(安打が)出ると出ないのでは気持ちの持ちようが全然違うので、出たのはよかったですけど、もう1本2本と打てたら良かったなと思います」快音を響かせたのは四回だった。先頭で直球を捉えて左前打。これが戸郷と今季14打席目の対戦で初安打だった。続く佐藤輝が二ゴロ併殺に倒れて好機は広がらず。森下自身も一回1死二塁でフォークに手が出て空振り三振に倒れるなど苦戦した。戸郷には5月24日の対戦(甲子園)でノーヒットノーランを喫して以来、今季2度目の完封負け。巨人の投手相手にシーズン2度の完封負けは18年ぶりとなった。この日、森下は24歳の誕生日を迎え、第1打席では虎党から盛大なバースデーソングで祝福された。森下も合唱の終わりを待つようにゆっくり打席に入って感謝を表現。昨季は誕生日に試合がなく、これがプロになって初めてのバースデーゲームだったが、白星で飾ることはできなかった。残り試合が少なくなり、一戦の重みがますます増す中で、好投手攻略に向けて気を引き締めた。「トップで打つ人が塁に出たり、先頭バッターが出たり、簡単には終わらない打撃も必要になってくる。ただ打つんじゃなくて束になってやらないと、なかなか好投手からは点が取れない」粘り、食らいつき、一丸となって戦う。ひとつ歳を重ねた森下が、逆襲に向けて決意を新たに残り35試合へ臨む。(邨田直人)

◆阪神は今季16度目の零封負けを喫し、首位広島が勝利したため再び自力優勝の可能性が消滅した。岡田彰布監督(66)は四回に満塁本塁打を浴びた及川と梅野のバッテリーを直後の五回の守備から交代。スタメン捕手の途中交代は今季最短で、反撃のきっかけを作りたかったが、戸郷の前に打線が沈黙したまま終わった。6日からの9連戦は3勝6敗でフィニッシュ。16日の中日戦(バンテリンドーム)から巻き返すしかない。今季レギュラーシーズン最終戦となった東京ドームの一戦を、虎党の歓喜の祝福で満たすことはできなかった。岡田監督が注入した試合序盤のバッテリー交代という〝劇薬〟も実らず、屈辱的な今季16度目の零封負けを喫し、再び自力Vの可能性が消滅した。「コーチに聞いてくれ」力なく宿敵に屈した敗戦を険しい表情で見届けると、試合終了直後にベンチ裏の通路へ現れた虎将は囲み取材に応じず、たった一言のコメントに〝語るまでもない〟という怒りを込めた。その後を追う平田ヘッドらコーチ陣も悔しさを押し殺しながら、チーム宿舎へ引き揚げていった。試合の流れを一気に手放したのは0-0の四回だ。先発の及川が2死から大城卓に四球、続くモンテスには左中間二塁打を許し、二、三塁で門脇にも四球を与えて塁を埋めると、高卒2年目の浅野に真ん中付近のスライダーを左翼席へ運ばれ、痛恨の満塁弾を食らった。

◆14日に行われた巨人―阪神の始球式は、パリ五輪のスケートボード女子ストリートで金メダルを獲得した吉沢恋(ここ)が務めた。この夏、最も知名度を上げた14歳といっていいだろう。世界一という快挙があってこそながら、その名を広めるのに一役買ったのが、決勝のテレビ中継で実況を担当したフジテレビ・倉田大誠アナウンサーだ。「金メダルに恋した14歳!!」このフレーズを覚えている方は多いだろう。2021年の東京五輪のスケートボード女子ストリート・決勝で西矢椛(もみじ)が金メダルを獲得した際の実況で叫んだ「13歳、真夏の大冒険!!」に続くキラーフレーズだ。一部で否定的な意見もあるそうだが、インパクトがある言葉は、歴史的な瞬間に彩りを添えるために必要だと思う。少し時代をさかのぼって、04年アテネ五輪の体操男子団体決勝。最終演技者・冨田洋之が鉄棒で着地する際、実況のNHK・刈屋富士雄アナウンサーが放った「伸身の新月面が描く放物線は栄光への架橋だ」という名調子は、体操ニッポンが28年ぶりに金メダルを獲得したシーンが、いまなお色あせることなく、多くの人の脳裏に刻まれている要因だろう。そして、その冨田が決めた着地を幼少期に映像で見て、心をつかまれ、体操の道を進み、パリ五輪で個人総合、団体、鉄棒で金メダル3つを獲得したのが岡慎之助だ。ちなみに、父・泰正さんが巨人のファンで、選手時代の阿部慎之助監督ように「スーパースターになってほしい」という思いを込めて命名したという。そのうち、始球式もするんだろうなあ。

◆本日、東京ドームに来てよかったこと! それはパリ五輪スケートボード金メダリストの吉沢恋、COCOちゃんを始球式で生で見れたこと。ハイ、それだけーって、猛虎ナイン、情けないわー!!(怒)先発・及川は三回までは頑張っていたけど四回2死無走者から、2つの四球が余計だし...。てか、19歳の浅野に満塁本塁打を浴びるって、余計の〝逆金メダル〟やんか!! 『いつまでもあると思うな、親と先発』。もう2ランクくらい上げようぜ!!猛虎打線もヒデ~を通り越して悲しくなってきた。巨人・先発の戸郷は変化球を投げるときはあえてなのか、腕をゆるく振り、丁寧にコントロールして速球は強く腕を振る投球だった。普通、速球も変化球も同じ振り方が投手の基本なのに? ウム...。もしかして、さらなるランクアップを目指して新投球術を開発中? その実験台にされての零封負け...。も~、イヤ!!でも、まだまだ決して諦めんでェ!! ダメや~...と思ったら牙をむくのが天邪鬼(あまのじゃく)の阪神だってことを忘れたらあかんよー!!

◆小さな体で見事なパンチ力。巨人・浅野のホームランは素晴らしかった。左腕・及川の中へ入ってくるスライダー系を、左翼席へ満塁アーチ。あのコースをバットの芯でとらえると普通、ファウルになりがち。バットがインサイドから出て、鋭く振り抜いたからこそ、打球がきれず、飛距離も伸びたわけだ。遊ゴロになった第1打席でも、内角のカットボールをうまく打っていた。その感触を2打席目で生かせたともいえる。パンチ力を買われて、ドラフト1位で入団したのだから、私が思うに、「高校を出てプロ2年目で早くも」との表現は当たらない。もう少し早く1軍で活躍していても、おかしくないくらいだ。足が速く、肩も強く、「攻・走・守」の3拍子がそろっている。身長は170センチそこそこで、体形はコロッと、というか、バイタリティーの塊というか...。とにかく、面白い存在だ。ヘルナンデスの負傷離脱による、モンテスとの外野ポジション競争も、見応えがある。モンテスが日本の野球に適応しようと懸命なら、浅野には、2度とファームに戻らないという気概が感じられる。阿部監督にとっての〝孝行息子〟になるかもしれない。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
55425 0.567
(↑0.004)
-
(-)
41301
(+4)
257
(+3)
40
(+1)
47
(-)
0.236
(-)
2.190
(-)
2
(-)
巨人
56456 0.554
(↑0.004)
1
(-)
36322
(+4)
289
(-)
57
(+1)
49
(-)
0.239
(-)
2.570
(↑0.02)
3
(-)
阪神
54495 0.524
(↓0.005)
4
(↓1)
35339
(-)
305
(+4)
46
(-)
32
(-)
0.233
(↓0.001)
2.350
(↓0.02)
4
(-)
DeNA
50542 0.481
(↓0.004)
8.5
(↓1)
37369
(+3)
369
(+4)
73
(-)
49
(-)
0.253
(-)
3.050
(-)
5
(1↑)
ヤクルト
44574 0.436
(↑0.006)
13
(-)
38371
(+7)
400
(+6)
75
(+2)
48
(-)
0.239
(-)
3.610
(↓0.01)
5
(-)
中日
44577 0.436
(↓0.004)
13
(↓1)
35266
(+6)
342
(+7)
46
(+1)
31
(+1)
0.236
(↑0.001)
2.750
(↓0.04)