ヤクルト(★4対5☆)中日 =リーグ戦19回戦(2024.08.13)・明治神宮野球場=
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中日
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ヤクルト
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勝利投手:髙橋 宏斗(10勝1敗0S)
(セーブ:マルティネス(1勝3敗31S))
敗戦投手:ヤフーレ(5勝9敗0S)

本塁打
【ヤクルト】増田 珠(1号・9回裏ソロ)

  DAZN
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◆中日は1-0の6回表、高橋宏の適時打などで3点を追加する。その後1点差とされて迎えた9回には、1死一三塁から相手の野選の間に貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・高橋宏が6回2失点7奪三振の好投で今季10勝目。敗れたヤクルトは、打線が追い上げを見せるも及ばなかった。

◆中日は高橋宏斗が先発。同投手はここまで9勝1敗で、7月5日広島戦から5連勝中。中日投手が高卒4年目以内に2桁勝利をマークすれば、3年目の15年に10勝を挙げた若松以来。6連勝すると20年福谷以来となり、高卒4年目以内の投手では、4年目の91年上原以来球団33年ぶりとなる。今日先発するヤクルト戦は通算8勝2敗の防御率1・97で、今季は2戦2勝の防御率0・00。好相性のカードで連勝を伸ばし、節目の10勝目を挙げるか。

◆GENERATIONSのリーダー白濱亜嵐(31)が、始球式を務めた。この日は、球団が秋季キャンプを行う愛媛・松山市にちなみ、松山DAYを開催。同地出身の白濱が松山市を舞台とした夏目漱石の小説「坊っちゃん」に登場する"坊っちゃん"の衣装を着用してマウンドに上がった。右腕から投じたボールは惜しくも外角に外れ「ちょっと練習不足です。(自己採点は)もう20点ぐらいですね。前回がうまくいった分、ちょっと力みすぎちゃって。すいません。調整不足でした」と悔しがった。毎年、地元に訪れるヤクルトの選手に刺激を受けていたという。「僕、ボーイズリーグで公式を小学生の時やってて、ちょうどその時にオールスターで坊っちゃんスタジアム見に行ったんですけど、なんか本当にちっちゃい時から野球っていうものが身近にありましたし、本当になんかシーズンオフにヤクルトの選手が来てるっていうのがやっぱ地元ですごいうわさになってたんで、どこにいるんだろうなとか、街中出た時にヤクルトの選手すれ違わないかなとか思っていました」と懐かしいエピソードを振り返った。GENERATIONSだけでなく、EXILE、そして俳優としても活躍の場を広げるマルチの才能の持ち主。仲の良いヤクルトの選手を聞かれると「内山選手、長岡選手とか、特にダイレクトメッセージとかでもやりとりしたりとかありますね」と人気のソマヒデと交流を深めているという。ただ、神様には、さすがの白浜もタジタジだった。「村上選手も、なんかテレビ局とかですれ違った時に、あ! あ ! あ! みたいな。よろしくお願いしますみたいな(笑い)になりますね」と笑った。松山DAYということで、地元のアピールも忘れなかった。「ご飯もおいしいですし、とにかく人が温かい県なので、やっぱりそういうところはアピールポイントかなっていうのと、あとはやっぱり、なんですかね、すごいエンタメとか野球とかにもすごく盛り上がりのある県民性だと思うので。その坊っちゃんの町なんで、やっぱり野球が正岡子規を持ってきたっていう部分もありますし、すごくなんかエンタメとかスポーツに通ずるような、県だなと思ってるので、ぜひ来てほしいです」と呼びかけた。

◆試合終盤に乱闘騒ぎが起きた。ヤクルトが2点を追う9回の攻撃。先頭・岩田が中日5番手マルティネスから左手首付近に死球を受けた。その後、中日ベンチから大西外野守備走塁コーチが怒りながら飛び出し、ヤクルト側も嶋ヘッド兼バッテリーコーチがベンチから出て言い合いとなった。一触即発の雰囲気の中、すぐさま、ヤクルトの高津監督も激高しながら、中日ベンチに詰め寄ったが、中日立浪監督がなだめる形となった。その後、球審から警告試合として試合が再開されることになった。ヤクルト-中日では、7月31日の同カード(バンテリンドーム)でヤクルト赤羽が、中日松木平から左手に死球を受け、2カ所の骨折をしていた。そのこともあり、森岡内野守備走塁コーチは「骨折しているし、こっちは。それもあって、嶋が出ていって、監督が出てきて。こっちも戦っているんで、ああいうところで、はいそうですか、って流すわけにはいかない」と言い、嶋ヘッドコーチも「前回ね、仲間がやられていますからね。そんなあの態度じゃ駄目ですよね」と言った。ただ「まあでも、お互いね、これは熱くなっていることなので、まあまあ明日ね、新しい気持ちで頑張るしかないので」と切り替えを強調した。高津監督も激怒したことについては「それは、それで」と多くを語ることはなかった。

◆中日高橋宏斗投手(22)が、自身初の2桁となる10勝目を手にした。6回1死二塁から村上、オスナに連打を浴び2失点。それでも6回106球を投げて4安打と要所を締め、自身6連勝をたぐり寄せた。「自分の投球で頭がいっぱいいっぱいだった。自分との戦いになっていたので、しっかりと修正はしないといけない」。ヤクルトには通算9勝2敗、今季3戦3勝と好相性も反省が口をついた。今季の目標の1つが規定投球回のクリア。3四球なども絡み、今季2度目の規定投球回到達を逃した。1点リードの6回2死満塁。先発ヤフーレに5連続ファウルと粘り、カント2-2から二塁内野安打を放って1点をもぎ取った。「9番で打席立っている以上は、打席もこだわりたい」。この回3得点の起爆剤となった。今季は開幕こそ出遅れたがこれで10勝1敗。チームの連敗を3で止め、登板5試合連続で連敗ストッパーとなった。残り36試合。「まだ全然、登板数はあると思う。(白星を)伸ばしていける通過点だと思って頑張ります」。9日に22歳となった右腕の成長は、まだまだ続く。【伊東大介】

◆勝負の夏本番。若武者のバットが止まらない。「2番・遊撃」で出場したヤクルト・長岡秀樹内野手(22)が一回、第1打席で遊撃内野安打を放ち、5試合連続安打をマーク。これで8月は12試合中10試合で安打を記録するなど好調ぶりを見せている。中日の先発は、試合前の時点で今季9勝1敗、防御率0・54を誇っていた好投手の高橋宏。とりわけヤクルト戦は2試合に登板し防御率0・00だった難敵に対し、1番の丸山和はスプリットを3球続けられ空振り三振。落差も抜群の変化球と150キロを超える直球の両方を対処するのは容易ではなかった。続いて打席に立った長岡は、155キロを計測した直球に加え、カーブにも必死に食らいついた。低めのスプリットも見極めフルカウントとなり、迎えた7球目。高めに投じられた直球を詰まりながらも振り抜くと、高く弾んだ打球が三塁後方へと転がり、遊撃への内野安打となりチーム初安打をマークした。6月は打率・207と苦しんだが「悪かったとき、良かったときの映像を見返したり、攻められ方を見直したりして、それが今に生きている」とシーズン折り返しから再び打撃成績が向上。プロ5年目、その存在感は増すばかりだ。

◆ヤクルト・長岡秀樹内野手(22)が「2番・遊撃」で出場。八回にこの日3本目の安打を放ち、3試合連続猛打賞をマークした。防御率0点台の好投手、高橋宏から遊撃への内野安打、中前打を放つと、3番手の松山からも右前打を運んだ。これで5試合連続安打で、8月は12試合中10試合で安打を記録。11日のDeNA戦は自身初の1試合2本塁打、前日12日もサヨナラ勝利を呼び込む二塁打を放つなど勢いが止まらない。

◆死球をめぐって両軍がグラウンドで一触即発の事態となった。九回裏、中日マルティネスの投球がヤクルト岩田の左手付近に当たりベンチへと戻った。ここで両軍ベンチがヒートアップし、高津監督と立浪監督をはじめ本塁付近で口論が繰り広げられた。スタンドからはブーイングも起こる中、岩田はそのまま一塁へ向かい、警告試合として再開された。

◆中日の高橋宏が7三振を奪い、6回2失点。4年目で初の2桁到達の10勝目を挙げ、チームの連敗を3で止めた。四回に田中の内野ゴロの間に1点を先制し、六回に高橋宏の適時打などで3点。ヤクルトは終盤追い上げたが一歩届かず。

◆ヤクルトは追い上げ届かず中日に4ー5で敗戦。9回 ヤクルト・岩田の死球で一触即発となるヤクルトナインと中日ナイン 左はヤクルト・高津臣吾監督、同2人目は中日・立浪和義監督=神宮球場(撮影・長尾みなみ)

◆ヤクルト・嶋ヘッド兼バッテリーコーチは試合後「それはね、前回ね、仲間がやられていますから。あの態度じゃ駄目ですよね」と興奮気味だった。7月31日の中日戦(バンテリン)で赤羽が松木平から左手の甲に死球を受け骨折した場面が〝伏線〟となっていたことを明かした。あわや乱闘...の騒ぎは九回裏、中日・マルティネスの投球がヤクルト・岩田の左手付近に当たった死球だ。この死球をめぐり、両軍がグラウンドに飛び出し一触即発の事態に。警告試合が宣告された。幸い岩田はプレーを続行し「全然大丈夫です」と主張したが、嶋コーチは「お互いね、これは熱くなっていることなので、まあまあ明日、新しい気持ちで頑張るしかない」と球場を後にした。

◆ヤクルトは反撃およばず、再び中日と入れ替わり単独最下位に沈んだ。先発のミゲル・ヤフーレ投手(26)は六回途中4失点で9敗目。九回は死球を巡り両軍がベンチを飛び出し、警告試合となるなど後味の悪い敗戦となった。高津臣吾監督(55)の主な一問一答は以下の通り。――最後は1点差まで追い上げたが「うーん、何点か防げたかなというのが、最後なかなか追いつかなかったところにつながった。相手も高橋宏投手なので、なかなか難しい試合になると思ったけれども、やっぱりそう簡単にはいかなかった」――救援陣も乱れた「経験させて、いろんな苦い思いもさせて成長していくものだとは思っている。もっと若者らしくね、強気に攻める気持ちというか、そういうところもリリーフピッチャーとしては大切なんじゃないかなと」――先発のヤフーレは「まあまあじゃないですか。最後は六回に内野安打から失点したけど、非常に球に力もあったと思いますし、まあまあかなと」――2番手山野が押し出し四球「ああいうところを頑張ってほしいなとは思いました」――打線は攻略が難しい投手から得点「中盤につながって点を取ることはできたけど、五回まで内野安打1本ですから。外野まで飛んだのも2本しかなかった。ほぼ完璧に中盤まで抑えられたっていうのが、どこかで1点、先に取れたりできていたら、また違った展開になれたのかなと思いますけど。それをさせない投手なので、難しかったですね」――死球を受けた岩田は「うん。大丈夫のようです」――九回、監督が激高する場面も珍しかった「それは、それでね」――試合開始前のメンバー表交換で結構時間がかかっていた「コリジョンのことで確認だった。あれは審判から、もう一回確認ということで話がありました」

◆終盤の猛攻も及ばなかった。ヤクルトは同率5位・中日に惜敗し、再び単独最下位に転落。高津臣吾監督(55)は追い上げた打線を評価しつつ、先発の高橋宏を攻略できず嘆き節だった。「中盤につながって点を取ることはできたけど、ほぼ完璧に中盤まで抑えられた。どっかで1点取れたら、先に点を取れていたら、また違った展開になれたと思うけど、それをさせないピッチャーなので難しかった」最後は両軍がヒートアップした。九回先頭・岩田が左手首付近に死球を受けると、両ベンチから首脳陣や選手が出て小競り合いに。高津監督は激高し、本塁後方で中日・片岡ヘッドコーチと言い合いになると、立浪監督が間に入った。伏線があった。7月31日の中日戦(バンテリンドーム)で赤羽が左手甲に死球を受け骨折。嶋ヘッドコーチは「前回ね、仲間がやられていますからね」と選手たちを守っての行動であることを明かし、「お互い熱くなっていることなので、新しい気持ちで頑張るしかない」と前を向いた。選手たちは懸命に戦っている。9連戦中は4勝4敗。この思いを勝利につなげたい。(赤尾裕希)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
54425 0.563
(↓0.005)
-
(-)
42297
(-)
254
(+6)
39
(-)
47
(-)
0.236
(↓0.001)
2.190
(↓0.01)
2
(-)
巨人
55456 0.550
(↓0.006)
1
(-)
37318
(+5)
289
(+8)
56
(+1)
49
(-)
0.239
(-)
2.590
(↓0.05)
3
(-)
阪神
54485 0.529
(↑0.004)
3
(↑1)
36339
(+8)
301
(+5)
46
(+1)
32
(-)
0.234
(-)
2.330
(↓0.02)
4
(-)
DeNA
50532 0.485
(↑0.005)
7.5
(↑1)
38366
(+6)
365
(-)
73
(+1)
49
(-)
0.253
(-)
3.050
(↑0.03)
5
(-)
中日
44567 0.440
(↑0.006)
12
(↑1)
36260
(+5)
335
(+4)
45
(-)
30
(-)
0.235
(-)
2.710
(↓0.01)
6
(1↓)
ヤクルト
43574 0.430
(↓0.004)
13
(-)
39364
(+4)
394
(+5)
73
(+1)
48
(+1)
0.239
(-)
3.600
(↓0.02)