阪神(★3対6☆)広島 =リーグ戦17回戦(2024.08.09)・京セラドーム大阪=
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広島
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阪神
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勝利投手:森 翔平(1勝0敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝4敗32S))
敗戦投手:村上 頌樹(5勝8敗0S)
  DAZN
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◆広島は2回表、相手失策の間に1点を先制する。続く3回に坂倉の適時打などで2点を挙げると、4回には秋山の適時打が飛び出すなど、小刻みに得点を重ねた。投げては、先発・森が5回3安打1失点の好投で今季初勝利。敗れた阪神は、投手陣が振るわなかった。

◆阪神伊藤将司投手(28)が9日、出場選手登録された。中継ぎとしてブルペン待機する。リリーフは昨年の日本シリーズでも経験があり「不安はない」と決意を込めた。「今は中継ぎでやるって決まったので、それでチームに貢献できるように頑張ります。与えられたことをやるだけだと思っています」。今季は先発で12試合に登板し4勝4敗、防御率4・02で2度の2軍調整を経験。苦しい夏場のブルペンにロングリリーフも担える左腕が加わった。代わって岩貞祐太投手(32)が出場選手登録を抹消された。3日のDeNA戦(横浜)で2/3回を2失点と精彩を欠いていた。この日から2軍鳴尾浜球場に合流し「またしっかり調整して。万全の状態を作っていきたいと思います」と前を向いた。また、11日の広島戦(京セラドーム大阪)での先発が有力な高橋遥人投手(28)が1軍に合流した。

◆気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表したことを受け、京セラドーム大阪では試合前に注意喚起のアナウンスが流れた。ビジョンに「地震、火災などが発生しましても係員の指示に従って落ち着いて行動してくださいますようお願いいたします」と映され、同時に読み上げられた。

◆始球式にNMB48の坂下真心(19)が登板した。年齢に合わせた背番号19のユニホームを着用した。力強いフォームから鋭く腕を振ったが、投球は手前で大きくバウンド。しかも広島秋山翔吾外野手(36)の体めがけて厳しく食い込み、空振りした秋山の足に当たって、まさかの"死球式"になってしまった。熱心な阪神ファンを自認する坂下。「想像の何倍も緊張しました。夢のような時間でしたがノーバウンドで投げられなかった悔しさがあります」とがっくり。期待する選手には森下翔太外野手(23)を挙げ「打撃フォームが変わって、よく打っている」と野球評論家並みの分析もさらりと披露。首位広島との対戦へ「3連勝して首位に上がれるようにしてほしい」と熱いエールを送った。この3連戦は「Family with Tigers Day」×Joshinとして行われ、JoshinのCMに出演している坂下が念願の登板を果たした。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が痛恨の悪送球で先制点を献上した。2回2死一、二塁。林の三ゴロをさばくと、余裕を持って一塁に送球。これが大きくそれた。一塁大山悠輔内野手(29)がボールに触れることもできず一塁側のスタンドへ。ボールデッドとなり二塁走者が生還した。今季17個目の失策は12球団最多。首位広島との3連戦初戦。立ち上がりに痛い適時失策となった。

◆広島3連戦は今年3度目の「Family with Tigers Day」として開催され、阪神ナインは斬新な水色ユニホームを着用した。ユニホームはサイン入りでチャリティーオークションに出品。収益金の一部を「日本財団こどもサポート基金」に寄付する予定。子どもたちから感謝と激励のメッセージを受け取るなど交流した熊谷敬宥内野手(28)は「野球は楽しんでやるもの、楽しんで見るものです」なとど笑顔で呼びかけていた。

◆阪神先発の村上頌樹投手(26)が5回6安打4失点で降板した。2回に2死一、二塁から8番林晃汰内野手(23)の三ゴロを三塁佐藤輝明内野手(25)が一塁へ悪送球。先制点を許した。さらに3回1死二、三塁では4番で東洋大の先輩、末包昇大外野手(28)の遊ゴロ間に2点目。5番坂倉将吾捕手(26)の投手への適時内野安打で3点目を献上した。4回にも2死二塁で秋山翔吾外野手(36)に左前適時打を浴びた。試合前時点で広島に3連敗中だった村上。5回裏の打順で代打渡辺諒内野手(29)が送られた。

◆阪神渡辺諒内野手(29)が新応援歌お披露目の打席で相手のミスを誘った。4点を追う5回1死一塁、先発村上の代打で出場。右翼席を中心に初演奏がなされた。打球は三塁へのゴロだったが、三塁手・小園のファンブルを誘って出塁。中野の左中間への適時二塁打を呼び込んだ。渡辺の応援歌は5日に完成が発表され、この日から運用が開始。「まずは阪神に来てから、自分の応援歌を作ってもらうのが夢でもありましたし。うれしさがありますね」と語っていた。

◆昨季の2ケタ勝利投手リレーにドームはどよめいた。阪神先発の村上頌樹投手(26)が5回6安打4失点で降板。6回に2番手で、この日1軍昇格した伊藤将司投手(28)がコールされ、「お~」と虎党の大歓声が響いた。伊藤将は今季、先発で12試合に登板し4勝4敗、防御率4・02で2度の2軍調整をしていた。レギュラーシーズンでのリリーフは3年ぶり。昨年の日本シリーズでも救援の経験があり、試合前には「不安はない」と意気込んでいた。

◆阪神ナインが、ラッキーな形で送りバントを防いだ。4点ビハインドの8回無死一、二塁。9番堂林はバントを行い、一塁方向に弱いゴロを転がした。捕手梅野隆太郎は打球を処理しようと前に出たが、堂林と接触。堂林が梅野の上に乗る形となり、送球することができなかった。すぐに球審は守備妨害で打者走者のアウトを宣告。各走者は帰塁を命じられた。その後に球審は球場アナウンスを使って説明。「打者走者が捕手の守備を妨げましたので、守備妨害で、打者アウト、走者を戻して1死一、二塁で試合を再開します」と発表された。

◆3位阪神が首位広島に敗れた。最短で11日にも自力優勝の可能性が消滅する危機となった。昨年の8月は5戦全勝と無敵を誇った京セラドーム大阪で、大事な初戦を落とした。先発村上頌樹投手(26)が波に乗れなかった。5回4失点。今季7度目となった広島戦で攻略された。2回には佐藤輝明内野手(25)の適時失策で先制点を献上。佐藤輝はこれで12球団最多の17失策となった。2番手にはこの日1軍昇格した伊藤将司投手(28)が登板。先発から中継ぎに配置転換された左腕は2回1失点。こちらもピリッとせず、ビハインドは広がった。これで広島には3ゲーム差となった。10日は9連戦の5試合目。反撃に出たい。

◆9日からの広島3連戦(京セラドーム大阪)は「Family with Tigers Day」として実施され、ビジョンでは各選手直筆の「夏休みに楽しかったこと」が映し出された。7回に代打で登場した前川右京外野手(21)は「ザリガニ取りしか勝たん!」と力強い文字で思い出を振り返っていた。スタメン各選手の掲示内容は以下の通り近本 花火大会中野 友達とプール森下 友達とプール佐藤輝 友達とプールに行った事大山 野球観戦野口 カブトムシ採り坂本 家族でBBQ木浪 プロ野球観戦村上 野球

◆3位阪神が首位広島に敗れた。最短で11日にも自力優勝の可能性が消滅する危機となった。昨年の8月は5戦全勝と無敵を誇った京セラドーム大阪で、大事な初戦を落とした。岡田監督は試合後の会見を今季最短の約30秒で終了した。岡田監督の一問一答は以下の通り。-佐藤輝のエラー「そういうことやろ」-取れるアウトを確実に「そういうことやろ」-村上も0点か1点かでは変わってくる「そういうことやんか。それだけやん」-伊藤については「いろいろ言うたらおまえ、まだ明日あさって試合あるから、分かってしまうやんか」

◆阪神村上頌樹投手(26)が、またもコイにのみ込まれ、8敗目を喫した。今季の対戦は2連勝後4連敗。黒星の半分は広島で、新たな"天敵"になってきた。村上 粘れなくて苦しい展開になった。そこが反省点です。2回に2本の安打で2死一、二塁のピンチを招くと、佐藤輝の悪送球で先制点を献上。同イニングは最少失点で踏ん張ったが、3回にも連打で1死二、三塁とされ、坂倉の自身のグラブをはじく適時内野安打などでさらに2失点。4回にも秋山に左前にタイムリーを浴びた。5回6安打4失点(自責点3)で無念の降板。ファウルでしぶとい粘りにも遭い、99球を要した。村上 (粘られるのは)分かっていること。仕留め切れなかった自分が悪い。そこで球数が増えて早めに降板してしまった。ホームのはずの京セラドーム大阪も"鬼門"になってきた。4月のDeNA戦、6月のオリックス戦と合わせて今季3戦3敗。いずれも4点以上を失い、球場別防御率は4・50で今季ワーストだ。昨年の日本シリーズは第1戦でオリックスに勝ったが、レギュラーシーズンは通算5登板で勝ち星がない。広島戦は今季、カード別で最多の7試合に先発しているが、完投勝ちした4月30日(マツダスタジアム)を最後に白星が遠い。首位との大事な直接対決の先陣を任されたが痛恨の黒星。「広島&京セラ」の「天敵&鬼門」克服は、逆転Vに欠かせない課題になった。【波部俊之介】

◆首位カープにまた1人、頼もしい戦力が加わった。今季1軍初登板の広島森翔平投手(26)が5回を3安打1失点(自責0)と好投し、プロ3年目で阪神から初星。新井監督も「期待通り。ナイスピッチング」と手放しで喜ぶ快投だった。「ピンチでしっかり最少失点でいけた。野手のみなさんが早めに点を取ってくれて、勢いをもらっていい投球につながったと思う」。試合後の森はまず、援護への感謝を口にした。今季初登板を翌日に控えた8日、大瀬良が「ついに(出番が)来たね。明日、頑張れよ」と連絡をくれた。試合が始まれば、打線が阪神村上を序盤から攻略。矢野や小園にファウルで粘られ、5回4失点(自責3)と苦しんだ村上に対し、森は4回2死まで無安打投球。5回に中野の適時二塁打で1点を失うも、昨年のセ・リーグMVP右腕を内容、結果で圧倒し、救援陣に勝利のバトンを託した。プロ2年目の昨年は4勝を挙げ、今年は春季キャンプ終盤まで1軍の先発枠を争った。最終的にアドゥワや黒原に競り負け、1軍枠を勝ち取れず。「悔しい気持ちはあったんですけど、そこをなにくそと思って。毎日準備するだけだった。強い気持ちを持ってやってました」と上昇を目指す思考こそが支えだった。はい上がろうとする姿を見ていた新井監督は「去年、後半、自信を付けてくれて彼も今年春先からとずっと思ってやっていた。こうして我慢してファームで投げて状態を上げてくれてね」と、努力を結果につなげたことを喜んだ。頼もしい戦力の参戦で、敗れた巨人とのゲーム差を2に広げた。【堀まどか】森翔平(もり・しょうへい)1998年(平10)1月1日生まれ、鳥取県出身。鳥取商から関大に進み、4年時には明治神宮大会で準優勝。三菱重工神戸・高砂(現三菱重工West)を経て、21年ドラフト2位で広島に入団。1年目の22年は9月7日中日戦(バンテリンドーム)のプロ初先発で初勝利。昨季は10試合に先発し4勝を挙げ、この日で通算6勝目(2敗)。177センチ、82キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸は1800万円。広島秋山(阪神先発の村上攻略とダメ押しにつながる3安打)「3本いい形で点にも結びついたので、いい仕事したかなとは思います」

◆阪神が11日にも自力Vが消滅する危機に立たされた。首位広島との直接対決は2回に佐藤輝が先制決勝の適時失策を犯し、打線も今季初登板の森に白星を献上するなど見せ場なし。先発村上も5回4失点と踏ん張れず完敗した。敗因を問われた岡田彰布監督(66)は3度「そういうこと」と繰り返し、会見は今季最短の30秒で終了。勝てば1ゲーム差に迫れたが痛恨の3差に拡大。逆転リーグ連覇へここが踏ん張りどころだ。岡田監督はぶぜんとしながら「そういうこと」と3度繰り返した。「佐藤輝の失策が痛かった」と問われると「そういうことやろ」と即答。「取れるアウトを確実に取らないといけない」の問いにも「そういうことやろ」。さらに「村上も無失点か1失点かでは変わってくる」にも「そういうことやんか。それだけやん」と続けた。囲み取材は今季最短の約30秒で終了。静かに会見場を後にした。指揮官が同調したのは自滅したシーンだ。2回の守備。2死一、二塁で林の三ゴロを佐藤輝が一塁へ悪送球。大山が触れることすらできない大暴投になった。ボールは一塁側のスタンドへ飛び込み、二塁走者が生還。村上は先制点を献上した。佐藤輝は後半戦13試合で7失策とミスが多発。17個目の失策も12球団ワーストだ。指揮官は普段から「普通のことを普通にやるだけ」と何度も言ってきた。長期ロード中の京セラドーム大阪は昨年5戦全勝で、22年から7連勝中だったが、この日はその「普通」ができなかった。打線も今季初登板初先発の広島左腕、森の前に空転した。0-4から中野の適時打で1点を返した5回。なお2死二、三塁で3番森下が左飛に倒れた。一打出ていれば勝敗も分からなかった場面にファンは大きなため息吐息。森下は8回に適時打を放ったが、時既に遅しだった。逆に虎の投手陣は村上や伊藤将らが攻め続けられて被安打16。6失点という数字以上に圧倒された。勝てば1ゲーム差に迫れた広島との直接対決だったが3差に広がり、11日にも自力優勝の可能性が消滅する危機に立たされた。上位2強との6連戦で広島とは2試合、1ゲーム差で追う2位巨人とは12日から敵地で3連戦が控える。岡田監督は「いろいろ言うたらお前、まだ明日あさって試合あるから、分かってしまうやんか」と手の内を隠した。残り40試合。踏ん張りどころが来たことは間違いない。「普通」を体現してコイに食らいつき、何としても今日10日の第2戦は取りたい。【中野椋】佐藤輝(2回に悪送球で先制点を献上)「反省してしっかり練習します。切り替えて集中して頑張ります」○...阪神は11日にも自力優勝の可能性が消滅する。条件は10、11日に広島に対して●●もしくは●△のとき。いずれの場合も、広島が阪神との直接対決残り6試合に全敗しても、それ以外のカードに全勝すると、阪神が残り試合に全勝しても勝率で上回れないため。

◆阪神・高橋遥人投手(28)が1軍に合流した。2021年以降に受けた左肩、左肘などの手術からの復活を目指し、4月17日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)で893日ぶりに実戦登板するなど、2軍ではここまで計10試合に登板して0勝3敗、防御率2・54。11日の広島戦(京セラ)での先発で1軍復帰登板を迎える予定となっている。

◆7月14日に抹消された阪神・伊藤将司投手(28)が1軍昇格。今後は中継ぎ要員として起用される見込みの左腕の主な一問一答は以下の通り。ーー中継ぎについて「(昨年の日本シリーズで)経験させてもらっているので、不安はないかなと思っています」ーー改めて「今は中継ぎでやるって決まったんで、それでチームに貢献できたらいいなと思います」ーー2軍で修正したところは「そうですね。ストレートもそうだし、コースに投げ分けるのも、そうですし、低めに変化球を投げるというのを初球から意識してやっていたんで」ーー場合によっては複数イニングも「はい。じゃないですか? だと思います」ーーコーチ陣からの声掛けは「今のところないです」ーーいつも通り「はい、そうですね。与えられたことをやるだけだと」

◆阪神は今カード3連戦を「Family with Tigers Day」として開催する。この日は昨年の同企画でのユニホームオークションの収益金を寄付した「日本財団こどもサポート基金」を通じ、子育て世帯を球場に招待。阪神の練習を見学したあと、熊谷敬宥内野手(28)と対面を果たした。熊谷はメッセージ入りの冊子をプレゼントされると「野球は楽しくやるものだし、楽しく観るものだと思うので、今日の試合もみんなで楽しく応援して、僕が出たときには応援してくれたらうれしいです」と話した。そのあとは子どもたちが着用するユニホームにサインし、最後は記念撮影も実施。子どもたちにとって思い出に残る時間を過ごした。

◆阪神・伊藤将司投手(28)が出場選手登録された。ロングリリーフもできる中継ぎでの起用となる。「与えられたことをやるだけ。それ(救援)でチームに貢献できたらいいなと思います」。今季は先発として12試合に登板し、4勝4敗、防御率4・02と結果を残せず、7月14日に今季2度目の2軍降格となっていた。「(昨年の日本シリーズで)経験させてもらっているので不安はない」と話した。代わって、岩貞祐太投手(32)が登録抹消された。

◆阪神・大竹耕太郎投手(29)が試合前練習に参加し、先発する10日の18回戦に向けてキャッチボールなどで調整した。「投手が8番に入ったり、今年は会沢さんとかと対戦していない。1~9番までと、しっかりと対戦する、という感じ(で臨む)」。広島戦では今季3度先発して2勝0敗、防御率0・45と好成績を残し、通算でも10度対戦して無傷の8連勝と無類の好相性を誇る。それでも「いままで抑えているとか打たれているとか、そういうのはあまり気にする必要もないかなと思う。この球場でカープとやるのは初めてだし、前回までのことにはあまりとらわれず、新鮮な気持ちで投げられればいいかな」。首位に君臨するチームとの激突に気を緩めることなく、役目を果たすためにしっかりと準備する。

◆阪神・村上頌樹投手(26)が先発する。今季広島戦は6試合に登板して2勝3敗、防御率1・88。安定感を示しながらも現在は3連敗中で白星奪取は4月30日(マツダ)から遠ざかっている。また、京セラでも今季は2戦2敗で、昨年にオリックスと激突した日本シリーズの第6戦から3連敗中。ホームに迎える首位広島を2ゲーム差で追う中で、抱える〝W3連敗〟に終止符を打つ好投に期待がかかる。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が守備で村上頌樹投手(26)の足を引っ張った。0-0の二回2死一、二塁で、林の放った正面の三ゴロを難なく捕球したが、一塁送球が高めに浮き、大山も届かない大暴投となった。二走・坂倉が生還し、ピンチの場面で佐藤輝の今季17失策目で先制点を与えてしまった。

◆阪神・伊藤将司投手(28)が六回から登板した。先頭の坂倉に中前打も、菊池を三ゴロ併殺。矢野は中前打、林は投手強襲の内野安打で2死一、二塁のピンチを背負ったが、代打・堂林を三ゴロに打ち取った。伊藤将は7月14日に今季2度目の登録抹消も、この日1軍再昇格。中継ぎでの起用が見込まれていた。中継ぎ登板は昨年のオリックスとの日本シリーズ第7戦(京セラ)以来。「経験させてもらっているので不安はない」と話していた左腕が劣勢の流れを変えたい。

◆阪神・村上頌樹投手(26)は5回6安打4失点(自責3)で降板し、悔しさの残る一戦となった。二回2死一、二塁で佐藤輝の悪送球で先制点を献上すると、0-1の三回1死二、三塁では末包の遊ゴロの間に2失点目を喫し、続く坂倉の高いバウンドの打球を捕球できず、投手への適時内野安打を許した。四回も秋山に左前適時打を浴び、0-4の五回1死一塁で代打・渡辺が起用され、ベンチへ下がった。打線はこの回に広島・小園がファンブルする失策もあり、2死一、二塁とチャンスを作ると、中野の左中間への適時二塁打で1点をかえした。

◆阪神は首位広島に完敗。先発の村上が試合を作れなかった。二回に佐藤輝の適時失策で先制点を献上した右腕は、三回に2失点。四回にも1点を失った。六回からは、中継ぎ要員としてこの日1軍再昇格した伊藤将がマウンドを託されるも、七回に小園に適時打を浴びて失点。勢いに乗る広島打線に、投手陣は計16安打を浴びせられた。逆に阪神打線は広島の先発・森を打ちあぐねて、五回に中野の適時打で1点を奪うのがやっと。八回に2点をかえしたが及ばなかった。阪神は重要な広島3連戦の初戦を落とし、ゲーム差を再び3に広げられた。

◆広島・森翔平投手(26)が5回1失点で今季初先発初勝利を挙げた。チームは再び貯金を今季最多タイの「12」とし首位をキープした。森は最速149キロの真っすぐに変化球を交え、三回まで無安打投球。4点リードの五回2死一、二塁から中野に左中間へ適時二塁打を許したが、この回を投げきり六回の攻撃で代打を送られ交代した。打線は二回2死一、二塁の場面で林が三ゴロに倒れたが佐藤輝の一塁への悪送球の間に二走・坂倉が生還し先制。三回は1死二、三塁のチャンスで末包の遊ゴロの間に三走・秋山が生還すると、2死三塁から板倉が投手への適時内野安打を放った。四回は2死二塁から秋山が左前へ適時打を放ち序盤で4-0と左腕を援護した。森は「チームがいい形で来ているので戦力になろうとマウンドにあがりました。強気で攻めていったのがいい方向に向いてよかったです。ピンチも最少失点でしのげたのと、野手の皆さんがすごい早めに点を取ってくれて勢いがついた」と試合を振り返った。

◆阪神が2差で追う首位広島に完敗した。村上頌樹投手(26)が二回2死一、二塁、ゴロを処理した佐藤輝明内野手(25)の一塁悪送球で先制点を献上。三回に2点、四回に1点を奪われ、五回4失点(自責3)で降板した。六回からは伊藤将司投手(28)が7月13日の中日戦(バンテリンD)以来のマウンドで2回6安打1失点だった。伊藤将の中継ぎ登板は昨年のオリックスとの日本シリーズ第7戦(11月5日=京セラ)以来。打線は五回の中野拓夢内野手(28)、八回の森下翔太外野手(23)の適時二塁打などによる3点。村上は広島戦3連敗で8敗目(5勝)。佐藤輝は後半戦7エラーで両リーグワーストの失策数は「17」となった。CG6連戦の初戦を落とし、首位とは3差となった岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=52勝46敗5分、観衆=3万6139人)。ーー佐藤輝のエラー「そういうことやろ」ーー取れるアウトを確実に「そういうことやろ」ーー村上も0点か1点かでは変わってくる「そういうことやんか。それだけやん」ーー伊藤将については「いろいろ言うたら、お前。まだ明日明後日試合あるから、分かってしまうやんか」

◆二回2死一、二塁、広島・林晃汰のゴロを処理後、阪神・佐藤輝明が一塁悪送球。大山悠輔が捕球できず先制点献上=京セラドーム大阪(撮影・渡辺大樹)

◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)が阪神・佐藤輝明内野手(25)の二回2死一、二塁からの一塁悪送球による適時失策に言及した。村上の調子は悪いとは思わなかった。球が少し高かったが、切れはあると感じた。それだけに二回の佐藤輝の適時失策は痛かった。1点ではあるが、大事な先制点、しかもアウトなら終わりのプレーでのイージーミスは、投手だけでなく、試合のリズムを大きく変えてしまう。結果論だが、あそこで切っていれば、次は投手の打順から。三回の2点はなかったかもしれない。たった1つのプレーが、試合全体の流れに影響してしまう。特に首位攻防の試合では、重大さを肝に銘じなければいけない。広島打線自体も、非常に粘り強かった。真っすぐを待って変化球に対応する、というより、その中間のタイミングで待っているように感じた。全員がセンターから逆方向を意識しているから、ファウルが多くなる。厳しい球をファウルし、甘い球を仕留める。投手にとっては球数も増えるし、相当投げづらい打線だ。それだけに、うまくかわそうとすると、術中にハマってしまう。基本ではあるが、まずは速いボール。ある程度、力勝負をしながらの変化球という攻めの投球が、2戦目以降、必要になってくるのではないか。そして、無駄な点をやらないこと。阪神打線に点を取れる雰囲気があるからこそ、根負けせず、1点を大事にしてほしい。

◆打撃好調の阪神・森下が反省と意地の一打だ。1-6の八回1死一塁。コルニエルの初球154キロ直球を左中間へ。一走・中野が生還する適時二塁打とした。「真っすぐかスライダーの投手。真っすぐがくれば打とうかなという意識で打席に立った」狙い通りの打撃だったことを強調した。続く佐藤輝の左前打で三進。大山の併殺崩れの間に3点目のホームを踏んだ。球宴後13試合で17打点で、中大の2年先輩のDeNA・牧に並ぶ今季通算49打点とした。反省点もあった。1点返して3点差に迫った五回、なお2死二、三塁で左飛に。「チャンスで回ってきたときに、もっと打てる準備(が大事)。そのために練習から、もっと自信がつけられるようにしていきたい」。首位広島との3連戦。初戦を落とし、笑顔はなかった。(三木建次)

◆虎党の悲鳴ばかりが響く。阪神・村上は投壊の序章となる5回6安打4失点(自責3)で降板した。またしても京セラドームで勝てなかった。「先制されたあと、次の得点も相手に許してしまい、大事な試合のカード頭で粘りの投球ができず、悔しいです」一回を三者凡退で発進するも、二回は2安打を浴びてから、佐藤輝が処理した打球を一塁へ悪送球。先制点を献上し、歯車が狂った。三回は遊ゴロの間に2点目を失うと、続く2死三塁では坂倉の高いバウンドのゴロに懸命にジャンプするも捕球し損ね、適時内野安打。しゃがみ込んで悔しさをあらわにするほどだった。四回も矢野にファウルで逃げられ続けた粘り負けの四球を起点に失点。広島の背中は遠くなっていった。今季8敗目を喫し、京セラでは今季3戦3敗。昨年にオリックスと激突した日本シリーズの第6戦から4連敗だ。4月2日のDeNA戦と今回はともに失策が絡んでホームを踏まれたという不運はあるが、今季の京セラでの3登板はいずれも4失点以上と大量失点を喫し、鬼門と化している。「リリーフの方に迷惑をかけた。次、また頑張りたいです」悔しさを押し殺し、球場をあとにした。広島戦も同じく4連敗となったが、このまま週末ローテで回るなら最短で2週間後に広島遠征がある。やり返す機会は残されている。(須藤佳裕)

◆ともに新応援歌がお披露目されたが...。1-5の七回2死から代打で登場した阪神・前川は左飛に終わって「これからは、しっかりと結果を出せるように頑張りたい」と悔しさをにじませた。渡辺は3点を追う五回1死一塁で代打として登場。三失で出塁し「自分の曲が流れるのはうれしい。(明日は)しっかりヒットを打てるように頑張りたい」と話した。

◆阪神・岩貞に代わって1軍に昇格した伊藤将が六回から、レギュラーシーズンでは2021年10月13日の巨人戦(東京ドーム)以来となる救援登板に臨んだが、2回6安打1失点と精彩を欠いた。リリーフの難しさは「経験はさせてもらっているので、感じていない」と否定したが、6つのアウトを奪うのに39球も要した。2回とも先頭打者に安打を許したことに「先頭を切れるようにできたら」と課題を持ち帰った。

◆またか...。広島との首位攻防3連戦初戦で阪神は3-6で敗れた。二回2死一、二塁で三塁を守る佐藤輝明内野手(25)の今季17個目の失策で先制点を献上。先発した村上頌樹投手(26)は5回6安打4失点(自責3)で8敗目を喫した。広島とは3ゲーム差に拡大。打てん、守れん。どうするんや!やってはいけない痛恨のミスだった。悲鳴にも似た声が京セラドームに充満する。まさかの形で献上した先制点。佐藤輝は呆然(ぼうぜん)と、白球の行方を見つめるしかなかった。「本当に反省して、練習します」二回2死一、二塁だった。林の打球は三塁への平凡なゴロ。スタンドがほっと息をついたのもつかの間、捕球した背番号8はツーステップ。しかし、放たれた送球は大きくそれた。無情にも白球は一塁側スタンドへ。ボールデッドとなり、二走の生還が宣告された。首位広島との大事な3連戦。その初戦で喫してしまった先制点を献上する適時失策。今季17失策は12球団最多を数える。7日のヤクルト戦(神宮)でも失点につながる連続失策と、上り調子の打棒とは裏腹に守備ではピリッとしない。

◆正念場-。阪神は首位広島に3-6で敗れ、3ゲーム差に後退した。今季ワーストの16被安打。岡田彰布監督(66)はミス連発にぶ然としながら「そういうことやろ」を連発した。左肩手術などから復活した高橋遥人投手(28)が1軍に合流し、11日に登板予定だが、同日に自力優勝の可能性が消滅する可能性も。負の流れを止めろ!球団史上初のセ・リーグ連覇を目指す岡田虎ががけっ縁に立たされた。残り40試合となって、黄信号が灯ろうとしている。首位広島に一度もリードを奪うことなく完敗し、3ゲーム差。11日にも自力優勝の可能性が消滅する。試合途中から不敵な笑みを浮かべていた岡田監督は、佐藤輝の失策に怒りをにじませながら「そういうこと」と、3度も繰り返した。「そういうことやんか。それだけやん」会見はわずか30秒で終了。コメントを残さなかった日を除けば今季最短だ。長く語れるほど中身がない戦いだった。二回に佐藤輝の一塁悪送球で先制点を献上した。今季17個目のエラー。何度もみた光景だった。先発した村上もピリッとしない。三、四回も失点し、五回に代打を送った。その後は伊藤将へ。先発から中継ぎに配置転換し、この日昇格。指揮官は「いろいろ言うたら、まだ明日、明後日、試合があるから、分かってしまうやんか」と説明を避けたが、〝第2先発〟として試合を立て直すという役目も期待したはずだ。しかし、2回6安打1失点。走者を常に背負う苦しい内容で、広島打線の粘り強さだけを強調させてしまった。

◆阪神・中野が意地を見せた。五回2死一、二塁の好機で森のスライダーを捉えて適時二塁打。「早めに1点を返していきたかった。ズルズルと相手に離される展開だけは避けたかった」。八回は自身の四球からチームは2点を返す粘りを見せた。「簡単に終わらないことが大事。今後まだ戦いがある。チームとして粘り強く戦うことを大事にしたい」と力を込めた。

◆首位・広島との3連戦の何が何でも勝たなきゃいけない1つ目なのに...。アレンパのための愛のムチであえて言うわ、サトテル、『パンドラの箱』を開けてどないすんねん!!(怒)先発の村上にはじまり、虎の投手陣が16安打とボコられたのは、全ての災いが飛び散ったからや~。とにかく、先制して阪神ペースで進めなければいけない試合。逆に言えば先制されてはいけない試合なのだ!!ところが二回2死一、二塁から8番・林の打ち取った三塁へのゴロを大悪送球で先制点を献上って...。大ゲサ過ぎるやろー!と言われようが、俺はあれがこの試合の全てであったと思うのだ。ただ、救いは4カード連続でドーム球場で試合ができるということ。空調の効いた球場で試合前にこれでもかのサードノックをやれるやんかァ!!岡田さんも先発投手の伊藤将をリリーフに送ったり、今までなかったキャッチャー坂本に代打を送ったり勝負をかけたけど、願わくば左対左だろうが前川右京をスタメン起用するべし!!

◆9日も甲子園は暑かった。最高気温は約36度。今年から暑熱対策で初めて導入された朝夕2部制は、最終の3日目を迎えた。新人の萩原(はぎはら)翔は、第2試合を終えてガランとなった球場を眺めながら記者席でパソコンをたたいていた。「8日と同じスケジュールだったので、東京サンスポの同期の児島(基)と昼食を食べてから、西日本短大付のヒーロー原稿を書いています。この空き時間はありがたいですね。原稿に集中できますから」萩原にとっては初めての甲子園大会取材だから、過去との比較はできないが、プラス面が大きいと感じていた。気温の高い時間帯を回避し、第3試合の開始時間が初日は午後6時52分。2、3日目は午後5時だった。球児にとっては経験がないナイター。「フライや低めの変化球が見えにくい」「開始時間が決まっているので調整しやすい」。賛否があったのは当然だ。それでも、ずっと目指してきた聖地でプレーできる喜びにあふれていたという。10日からは1日4試合になり、従来の形で進められる。萩原は「試合を見ながら原稿を書くことになって、第4試合は締め切り時間にも追われるので...。今から怖いです」とビクビク。ただ、こればっかりは致し方がない。時間との戦いは新聞記者の宿命だ。ときには虎ソナだって冷や汗をかくこともある。なるようにしかならない。あまり先を気にするな。それが先輩としてのアドバイスだ。そしてそれをこなしていくうちに、締め切りギリギリにメダルが決まるパリ五輪担当などへの道が見えてくる。ガンバレ、萩原。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
52405 0.565
(↑0.005)
-
(-)
46282
(+6)
240
(+3)
38
(-)
46
(-)
0.235
(↑0.002
2.160
(-)
2
(-)
巨人
52446 0.542
(↓0.005)
2
(↓1)
41307
(+2)
280
(+9)
54
(-)
46
(-)
0.239
(-)
2.610
(↓0.07)
3
(-)
阪神
52465 0.531
(↓0.005)
3
(↓1)
40326
(+3)
290
(+6)
43
(-)
32
(-)
0.235
(↓0.001)
2.320
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
48512 0.485
(↑0.005)
7.5
(-)
42339
(+5)
346
(+2)
69
(+2)
48
(-)
0.251
(↑0.001)
2.990
(↑0.01)
5
(-)
中日
43537 0.448
(↑0.006)
11
(-)
40250
(+9)
321
(+2)
44
(+2)
29
(+1)
0.235
(↑0.001)
2.680
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
41554 0.427
(↓0.005)
13
(↓1)
43346
(+2)
367
(+5)
68
(-)
46
(-)
0.238
(↓0.001)
3.480
(↓0.01)