ヤクルト(★3対6☆)阪神 =リーグ戦16回戦(2024.08.08)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:ビーズリー(6勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝4敗17S))
敗戦投手:吉村 貢司郎(5勝6敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(10号・4回表ソロ)

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◆阪神は1点を追う4回表、森下のソロと前川の適時打で2点を挙げ、逆転に成功する。続く5回には森下、佐藤輝、大山の3者連続適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・ビーズリーが7回4安打1失点の好投で今季6勝目。敗れたヤクルトは、先発・吉村が中盤に崩れた。

◆阪神前川右京外野手(21)が序盤から攻守に「足」で貢献した。2回1死一塁の場面、6番太田の飛球が左翼ファウルゾーンへ飛んだ。ブルペン付近への打球に、前川は全速力でチャージ。ブルペンの段差を回避しながら、ランニングキャッチでつかみ取った。攻撃面では2回1死二、三塁へ高く跳ねたゴロを放って内野安打。全力で一塁を駆け抜けた。試合前半から、ハッスルプレーでナインをもり立てた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が今季10号となる同点ソロ本塁打を放った。1点を追う4回の先頭。右腕吉村のカーブを振り上げた。ポール際の左翼席まで運ぶ1発。試合を振り出しに戻した。「先頭打者でしたし、とにかく出塁して、チャンスメークして後ろにつなぐ気持ちでした。しっかり捉えられましたし、いい角度で上がってくれてホームランになってよかったです」プロ1年目の昨季に並ぶ、10本目の本塁打。2年連続の2桁アーチは、球団では別当薫、渡辺博之、田淵幸一、岡田彰布、佐藤輝明に次いで6人目の快挙となった。森下が、プロ入りした昨季から2年連続で2桁本塁打に到達した。阪神では、3年連続を継続中の佐藤輝明に次ぎ6人目。なお球団最長は、現監督の岡田彰布12年連続(80~91年)。プロ野球最長は清原和博が西武、巨人、オリックスで達成した21年連続(86~06年)。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が一瞬の隙を突き、好判断で好機を広げた。4回、森下に同点弾が生まれた直後に四球で出塁。一塁走者として、無死一塁の場面だった。ベンチはランエンドヒットを仕かけ、打者大山の打球は三塁深くへのゴロとなった。三塁手はガッチリ捕った後に一塁へ送球。佐藤輝はそのスキを見逃さず、一気に三塁を陥れた。直後に前川が三遊間を抜く適時打を放ち、勝ち越しに成功。一瞬の好判断で得点をもたらした。

◆/夏は森下。本塁打はさらなり。\レフトスタンド一直線#森下翔太 同?点ホームラン?プロ野球(2024/8/8)??ヤクルト×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/fSCGz8zRJf

◆クリーンアップが3連続適時打で大量リードをもたらした。1点リードの5回1死満塁。まずは3番森下翔太外野手(23)だ。138キロの変化球を左翼へはじき返し、三遊間を抜く2点適時打。前打席には同点弾も放っており、3打点目となった。1死一、二塁となり、続く佐藤輝明内野手(25)はライナーではじき返す中前適時打で1点を追加。5番大山悠輔内野手(29)も三遊間を抜く左前適時打で続き、この回4点目を挙げた。1イニングの集中攻撃でヤクルト先発の吉村を降板に追いやった。

◆ジェレミー・ビーズリー投手(28)が不運な左前打を浴びた。7回先頭オスナの打球は、三塁へ。だが打球と同様に折れたバットが勢いよく三塁方向へ転がった。三塁手佐藤輝は捕球体勢に入りながらも打球に近づくことができず、遊撃木浪も同様にスルー。そのまま左翼へ転がっていった。それでも後続は3人で仕留めて無失点。ラッキーセブンも流れを渡さなかった。

◆阪神が今季19度目の逆転勝ちを決めた。同一カード3連敗を阻止。貯金を7とした。1点ビハインドの4回。先頭の森下翔太外野手(23)が4試合ぶりの10号ソロを放ち同点に追いついた。新人から2年連続で2桁本塁打は岡田彰布、佐藤輝明らに次いで球団7人目。貴重な一撃で試合を振り出しに戻した。さらに続く佐藤輝明内野手(25)が四球で出塁。次打者大山悠輔内野手(29)の打席でフルカウントとなると二塁へスタートを切り、三ゴロの間に一気に三塁を陥れた。広がった1死三塁のチャンスで前川右京外野手(21)が左前適時打。隙のない攻撃で勝ち越した。さらに5回、安打と四球で1死満塁の好機。3番森下が左前2点適時打を決め突き放した。佐藤輝、大山とクリーンアップが3者連続適時打。この回4得点で5点のリードを奪った。先発ジェレミー・ビーズリー投手(28)は2回に先制点を献上したものの立て直した。自身3連勝でチームの連敗を2で止めた。横浜スタジアム、神宮と屋外の酷暑の遠征6試合を終え、9日からは屋内の京セラドーム大阪で首位広島3連戦。12日からは東京ドームで2位巨人3連戦と、上位2チームとの試合に臨む。

◆阪神中野拓夢内野手(28)がここぞの好守でチームを救った。3点差に詰め寄られた直後の8回1死一、二塁。5番オスナの打球は激しい打球音とともに二遊間に転がった。抜けていてもおかしくない打球だったが、中野がまずは体勢を沈めながらガッチリ捕球。素早く二塁にトスし、二ゴロ併殺を完成させた。追い上げムードの高まった神宮球場を、一瞬にして沈めた。

◆阪神が今季19度目の逆転勝ちを決めた。同一カード3連敗を阻止。貯金を7とした。首位広島に2ゲーム差に迫り、2位巨人とは1ゲーム差をキープした。岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。-先制されたがつなぐ意識で逆転「おーん。まあなぁ。今日はゆっくり9回まであると思って、お前(笑い)」-森下の1発が効いた「あれでちょっと火ついたよな。次のあの(佐藤輝の)走塁もな」-佐藤は集中力を切らさずに「まあ、その意識や。意識の問題や。それは」-前川も楽に打席に立てた「それは全然楽よ。やっぱり二塁と三塁ではな。ましてや前進守備を向こうもしてくるしな。同点やから」-追い込まれてもバットに当てられる前川の良さが出た「いやいや、ああいうのが大きいよ。どんな当たりであろうとな。内容じゃないやん、もう。やっぱりな。野手がいてないところにあないして打てば打点もつくしな」-ビーズリーは安定「ずっとあれや、良いピッチングしてるし。今日は球数も少なかったしな。あそこまでいってくれたら後はな、(桐敷と岩崎の)2人でいきたかったけどな。石井はちょっと使いたくなかったんやけど」-桐敷は3日空いてたから「いや、空いてたからな。あれ、あんま空けてもあかんねん、あれな。空いてたからもう桐敷は投げさそうと思った。岩崎もやられた後やから、なんかええ形でな。そらな、向こうな、京セラ帰れるようにと思って。2人いけたらと思ったけどな」-中野と木浪の二遊間は固定して2年目。連係も良くなっている「いや、そら良うなってるよ。なあ、ゲッツーで終わったら『あと1球』って言われへんもんな(笑い)。ああいう終わり方はな、なんかな、ぷーっと終わってしまうよな。しゃあないけど」-最後3試合目を締めて次に臨める「いやいや、今日負けるのとそらな、3連敗なんか絶対あかんから、それは大きいよ、昨日もおとといも雨とかでな、なんかちょっと嫌な感じやったからな」-明日から上位2チームとの6連戦。引き続きこの野球を続けていく「いやいや、もう一緒一緒、それは。まあまだな、最終じゃないからな。今回で1週間6試合当たるから、最後のな、あれにどんな戦いになるかいうあれやろな」

◆阪神前川右京外野手(21)がしぶとく決勝点をたたき出した。同点で迎えた4回1死三塁。ヤクルト吉村に2ボール2ストライクと追い込まれながら、外角低めボールゾーンに沈むフォークに食らいついた。前進守備の三遊間を抜く決勝打に「事を起こせば何かあると思っていた」と充実感たっぷりだ。岡田監督も「ああいうのが大きいよ。どんな当たりであろうとな。内容じゃないやん、もう」と納得顔。「野手がいてないところにあないして打てば打点もつくしな」と泥臭い一打をたたえた。2回にはたたきつけて三塁内野安打も決め、2戦ぶりのマルチ安打を記録。左翼守備でも2回1死一塁で左邪飛に走り、ブルペンのマウンドを駆け上がりながら好捕した。「捕れたんで良かったです。明日からも頑張ります」。21歳のがむしゃらさがナインを鼓舞している。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が約1年3カ月ぶりのマウンドで自身3連勝を挙げた。「なるべく長く試合で投げたかった。攻撃陣がしっかり点を取ってくれて、ここまで投げることができた。守備にも攻撃にも感謝しているよ」初回から、いきなりセーフティーバントで無死一塁を招くなど、全7イニング中4イニングで先頭打者が出塁。それでも慌てることなく、後続を打ち取った。2回に松本直から左前適時打を浴びたが失点はこの1点のみ。流れを渡さず、7回4安打1失点で今季6勝目を挙げた。慣れないマウンドにも対応した。神宮での登板は昨季4月30日以来。先発では初めてだった。前日からマウンドを確認していたというが「悪くはないけど、あまり僕には合わなかったよ」と笑って振り返った。それでも試合中にマウンドの位置を変えながら投げるなど、微調整しながら対応。「いいマウンドも悪いマウンドも、どこでも自分でチューニングして投げないといけない。そういう意味ではちゃんとできたよ」。ヤクルト戦の今季防御率は0・75。見事な対応力で、チームの連敗を止める力投を見せた。【波部俊之介】

◆ヤクルト吉村貢司郎投手(26)が5回途中8安打6失点で6敗目を喫した。1点リードの4回、先頭の阪神森下に同点ソロを浴びると、さらに四球で出した走者をかえされて勝ち越しを許した。5回も、1死から2四球と4安打で6者連続出塁を許した。今季挙げた5勝はすべてビジター。6月21日以来、白星から遠ざかっている。「無駄な四球が響いたのかなと思う。やっぱりホームで勝ちたい」と悔やんだ。▽ヤクルト山田(通算1500試合出場)「そんなに意識してなかったんですけど、自分だけの力ではないので、そこは忘れずにいたいなとは思いますけど」通算1500試合出場=山田(ヤクルト) 8日の阪神16回戦(神宮)に先発出場して達成。プロ野球208人目。初出場は12年4月5日の阪神2回戦(神宮)。ヤクルトでは9人目で、32歳0カ月で達成は98年池山の32歳7カ月を抜いて球団最年少。

◆阪神石井大智投手(27)が3球で火消しに成功した。3点差に詰め寄られ、なおも1死一、二塁の8回に登板。5番オスナとの対戦だった。カウント1-1から直球で二ゴロ併殺に打ち取った。「結果的には最高の結果でしたけど、今日に関してはマウンドで何もできなかった。自分の思い通りに行かなくて、本当に中野さんのファインプレーに助けられました」と中野への感謝を口にした。これで石井は14試合連続無失点となった。

◆阪神の5番大山悠輔内野手(29)がクリーンアップ3者連続タイムリーを完成させた。3番森下、4番佐藤輝の適時打で4点リードとした直後の5回1死一、二塁、痛烈な打球で三遊間を抜いた。5戦ぶりの打点を記録。一塁守備でも4回2死、一塁線への難しいゴロを好捕し、倒れ込みながら一塁送球してアウトをもぎ取った。カード3連敗を阻止し「勝って良かったです。それだけです」と静かに喜びをかみしめた。

◆阪神近本光司外野手(29)は通算877安打目を放ち、プロ入り6年目以内でのNPB歴代単独4位に浮上した。1点リードの5回1死一塁から投手を強襲する強烈なライナーで内野安打。巨人長野の通算876安打を上回り、3番森下からのクリーンアップ3者連続タイムリーにつなげた。5戦連続安打と好調をキープしている。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)は一瞬の隙を逃さなかった。森下のソロで同点に追いついた4回無死。四球で出塁し足で流れをたぐり寄せた。5番大山の打席。フルカウントで二塁へスタート。大山の三ゴロで二進。この時、三塁村上が数歩、ステップしていたことを確認していた。「いけると思ったのでいきました。(打球が)サードに飛んだ時に、ちょっと頭にあったので」村上が一塁へ送球する間に二塁ベースを踏んで三塁へ。無安打で1死三塁の好機をつくりあげた。ヤクルトは前進守備。続く前川のヒットゾーンが広がった。後輩の三遊間を破る左前適時打で生還。指揮官は「(前川の気持ちは)全然楽よ。やっぱり(走者)二塁と三塁ではな。ましてや前進守備を向こうもしてくるしな。同点(のピンチ)やから」とアシストの大きさにうなずいた。4番が決勝のホームを踏み、今季19度目の逆転勝ちだ。187センチの体格を誇るが俊足の持ち主でもある。50メートルを6秒台前半で走り抜ける。昨季は7盗塁。オリックスとの日本シリーズ第1戦では自らの二盗からビッグイニングをつくった。思い切りの良さがある。岡田監督も「意識や。意識の問題や。それは」と高い集中力を認めたこの日の足技。打つだけが仕事ではない。3点リードの5回1死一、二塁では吉村のフォークに対応し中前適時打。「1本出てよかった。大きかったと思います」とうなずいた。5回降雨コールド負けとなった前夜は2打数無安打。連続試合安打は14、連続試合本塁打は3、連続試合マルチ安打は8、連続試合得点は11で、記録がことごとく止まっていた。一夜明け、主軸の仕事で打率も2割8分をキープ。9日からの広島、巨人との6連戦へ向け「また戻って、いい試合をしたいと思います」。連敗を止め、勢いに乗って大阪に帰る。【中野椋】

◆阪神中野拓夢内野手(28)がここぞの好守でチームを救った。3点差に詰め寄られた直後の8回1死一、二塁。5番オスナの打球は鋭く二遊間に転がった。抜けていてもおかしくない打球だったが、まずは体勢を沈めて正面でガッチリ捕球。素早く二塁にトスし、二ゴロ併殺を完成させた。「少し逆シングルか迷いました。詰まる感じだったので、大事に正面で行った方がいいかなという判断で。うまく合わせられたかなと思います」と振り返った。

◆岡田の再来だ! 阪神森下翔太外野手(23)が1点を追う4回に4試合ぶりの10号ソロを放った。新人から2年連続で2桁本塁打は球団6人目。右打者に限れば81年岡田彰布以来だ。虎の未来を担う3番打者が3安打3打点と大暴れで、チームの連敗もストップ。巨人に敗れた首位広島に2差と迫った。9日から広島、2位巨人との6連戦(京セラドーム大阪、東京ドーム)。ペナントの行方を左右する真夏の決戦がいよいよ始まる。森下は高めに浮いたカーブを豪快に振り抜いた。打球は高々と上がり、虎党が待つ左翼席に吸い込まれる。試合を振り出しに戻す1発。猛虎打線の主軸へ、確かな成長を続ける背番号1はゆっくりと生還した。「先頭でしたし、とにかく出塁して後ろにつなぐ気持ちでした」1点を追う4回。先頭でヤクルト先発吉村にカウント1-1からの3球目を狙い打ち。「1打席目も変化球が多かったですし、2打席目も真っすぐ、真っすぐできたので。変化球が来るかなという予想の元で、うまく乗せられた」と読みが的中した。3日DeNA戦以来、4試合ぶりのアーチが、昨季に並ぶ10号の同点ソロ。新人から2年連続の2桁本塁打となった。これには岡田監督も「あれでちょっと火ついたよな」と流れを呼ぶ1発にうなずいた。球団で新人から2年連続の2桁アーチは、6人目の快挙。右打者では岡田監督以来となった。それでも「10本だけで満足せずに、もっと高みを目指していきたい」と引き締めた。構えの安定が結果につながっている。今季は7月6日に打撃不振で2軍降格もありながら、後半戦にV字回復。「構えがすべて」という森下には、打撃において自身で複数の意識するポイントがある。それは「感覚じゃない、技術なんです。例えば1つ1つの筋肉を意識してというところ。それはオフからやってきたことと変わってないんです」。自ら考え、導き出した確かなものが今、しっくりとはまっている。それらを日頃の練習から心がけることで、打席に立てば自ずと再現できる。森下には調子を落としても自らを信じ、貫き通す強さがある。この日は初回に左安打、5回にも1死満塁で左2点適時打と止まらない。今季4度目の1試合3打点だ。さらに森下、佐藤輝、大山のドラ1トリオの打点そろい踏みなら今季8連勝。同一カード3連敗を阻止し、神宮での連敗も5で止めた。チームは首位広島と2ゲーム差、2位巨人と1ゲーム差。指揮官も「今日負けるのとそらな、3連敗なんか絶対あかんから、それは大きいよ」と価値ある1勝と位置付けた。9日から上位2チームとの6連戦。熱さを増す三つどもえの優勝争い。背番号1が打線を引っ張る。【村松万里子】

◆阪神桐敷拓馬投手(25)が16試合ぶりに失点を喫した。5点リードの8回に登板。先頭西川の左前打や長岡の四球などで1死満塁を招き、4番村上に2点左前打を浴びた。同じく神宮で行われた、6月30日ヤクルト戦以来の失点。「長岡選手のフォアボールがもったいないなと思ったので、そこは反省するべきかなと思う。本当に(石井)大智さんにも感謝ですし、次は自分が助けられるように頑張りたいなと思います」と前を向いた。

◆阪神岩崎優投手(33)はリベンジ成功にも浮かれなかった。3点リードの9回に登場。先頭の内山に中前に落とされたが、代打増田は右飛。1死一塁から代打北村拓を一ゴロ併殺打に仕留め、今季17セーブ目を記録した。2日前の6日ヤクルト戦では同点の9回裏、村上にサヨナラ打を浴びていた。それだけに試合後は「先頭を出したのはこの前と一緒。そこはしっかりやっていきたい」と反省も忘れなかった。これで通算登板数は487試合。球団では小山正明、安藤優也を抜いて単独7位になった。

◆阪神はジェレミー・ビーズリー投手(28)が先発する。このカードはサヨナラ、降雨コールドと後味の悪い内容での敗戦が続いている。今季同一カード3連敗はセ・リーグの球団には1度も許しておらず、交流戦で6月4~6日の楽天戦(甲子園)で喫したのみ。ここまで5勝1敗、防御率1・68の成績を残し、自身2連勝中の助っ人が3タテ阻止を目指して腕を振る。

◆阪神の先発・ジェレミー・ビーズリー投手(28)が二回に1点先制を許した。連敗中のチームがまた先行された。先頭の村上に四球を与え、2死から山田が初球を捉えて左前打。一、二塁とされると、松本に中前へはじき返され1点を失った。ビーズリーが先制を許すのは7月5日のDeNA戦(甲子園)以来3試合ぶり。負ければ同一カード3連敗となる一戦で後手を踏んだ。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が0―1の四回、10号ソロ本塁打を放った。華麗な放物線を描いて試合を振り出しに戻した。吉村の変化球を引っ張り、打球は山なりの軌道を描いて左翼スタンドへ。球団で新人から2年連続の2桁本塁打は2021年、22年の佐藤輝以来、右打者では1980年、81年の岡田彰布(現監督)以来となった。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が0―1の四回、10号ソロ本塁打を放った。球団で新人から2年連続の2桁本塁打は2020年、21年の佐藤輝以来、右打者では1980年、81年の岡田彰布(現監督)以来となった。森下翔太 「打ったのはカーブ。先頭打者でしたし、とにかく出塁してチャンスメイクをして後ろにつなぐ気持ちでした。しっかりとらえられましたし、いい角度で上がってくれてホームランになってよかったです」

◆阪神・前川右京外野手(21)が四回に勝ち越しの適時打を放った。森下のソロ本塁打で1―1と追いついた直後、佐藤輝が四球で出塁。続く大山の当たりは三塁へのゴロとなり、スタートを切っていた佐藤輝は二塁へ。さらに三塁手が一塁へ送球したのを見て三塁へ進む好走塁で好機を作った。ここで打席を迎えた前川は吉村のフォークを捉えて左前に運んだ。前川は「追い込まれてからでしたが、うまく打つことができました。(佐藤)テルさんと大山さんがいい形でつないでくれたので、どんな形でもランナーをかえすことができてよかった」とコメントした。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が2―1の五回、左翼へ2点適時打を放った。背番号1の快音が止まらない。安打と四球で1死満塁となって迎えたこの日の第3打席。カウント2―2から鋭い当たりで三遊間を破った。前の打席では10号ソロを放っており、この日3打点の活躍でリードを広げると、続く佐藤輝、大山も適時打を放って6―1と一気に5点リード。先発の吉村をノックアウトした。

◆阪神の先発、ジェレミー・ビーズリー投手(28)が6―1の七回、ヤクルトのオスナに珍しい形で安打を許した。ビーズリーの直球を捉えた打球は三遊間へ。勢いはなく佐藤輝が捕球を試みたが、折れたバットが打球の進行方向にちょうど飛んできてボールに近付くことができず。木浪も同様に触ることができず、打球はそのまま左前まで転がった。ビーズリーは気を取り直してその後の打者3人を抑え、この回を無失点で乗り切った。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(31)が〝珍安打〟を放った。1-6の七回先頭の第3打席で阪神・ビーズリーの直球をスイングすると、バットは折れて、打球とともに三遊間へ。三塁手・佐藤輝、遊撃手・木浪がともに転がるバットを避けている間に打球が左前に抜けていった。

◆正捕手が故障で離脱する中、先発マスクをかぶった30歳がバットで存在感を示した。「8番・捕手」で先発したヤクルト・松本直樹が二回、先制タイムリー。お手本のようなセンター返しで、神宮のファンをうならせた。「(先発の)吉村に先制点を取ってあげたかった。強引にいかず、コンパクトに打つことができました」先頭の4番・村上が四球で出塁。2死から山田が左前打を放ち、一、二塁で迎えた第1打席だった。阪神先発のビーズリーが投じた外角直球を逆らうことなくたたき、二遊間を破った。香川・丸亀高、立大、西濃運輸を経て、2018年に入団。7年目の右打者は今季、試合前時点で34試合に出場し、打率・304(79打数24安打)。これまでの6年間に1軍で記録した安打数は21本で、今季だけでその数字を上回っている。打撃好調の背景には、球界野手最年長42歳の青木の存在がある。4月21日のDeNA戦(神宮)で、中川を前に左飛に倒れた松本直は、大先輩に「僕のバッティングはどういうふうに見えていますか?」と質問。足を上げた際に体が前(投手側)に流れる悪癖を指摘された。修正するために必要なトレーニングも教わり、体幹を強化。「足を上げて(真っすぐ)立っていられるようになった」と安定感が増した。前日7日に正捕手の中村が下半身のコンディション不良により離脱。苦しい捕手事情の中、頼もしい一打となった。(武田千怜)

◆阪神の先発・ジェレミー・ビーズリー投手(28)は7回1失点で降板した。先手こそ取られたが、崩れなかった。二回2死一、二塁から松本に中前適時打を浴びて先制を許したが、三回以降は無失点ピッチング。四回は大山が一塁への痛烈なゴロを好捕するなど守備にも助けられながら7回まで投げ抜いた。ここ2戦でサヨナラ打や本塁打を浴びていた村上も2打数無安打1四球に抑え、3試合連続白星となる6勝目の権利を持ってマウンドを降りた。

◆阪神はヤクルトに勝利し、同一カード3連敗を阻止した。役者がそろい踏みで活躍した。0―1の四回に森下翔太外野手(23)の10号ソロで同点に追いつくと、前川が適時打を放って勝ち越し。続く五回は3番・森下、4番・佐藤輝、5番・大山が3者連続で適時打を放ってリードを広げた。3打点の森下は新人から2年連続で2桁本塁打を達成した。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は7回1失点で6勝目。二回2死一、二塁から松本に中前適時打を浴びて先制を許したが、以降は無安打ピッチング。四回は大山が一塁への痛烈なゴロを好捕するなど守備にも助けられながら投げ抜いた。八回に2番手・桐敷が16試合ぶりの失点で2点を失うも、石井、岩崎とつないでリードを守った。敗れた首位・広島とのゲーム差を2に縮め、9日からの直接対決に臨む。

◆阪神・森下翔太が今季10号本塁打を放ち、プロ1年目(10本)に続く2桁本塁打。阪神でプロ1年目から2年連続で2桁本塁打をマークしたのは、1948、49年の別当薫(13→39、右打者)、50、51年の渡辺博之(11→13、右打者)、69、70年の田淵幸一(22→21、右打者)、80、81年の岡田彰布(18→20、右打者)、2021、22年の佐藤輝明(24→20、左打者)に次いで2年ぶり6人目。右打者では80、81年の岡田以来43年ぶり5人目。

◆阪神が森下翔太外野手(23)の3打点の活躍で、同一カード3連敗を阻止した。四回は森下の10ソロと前川右京外野手(21)の左前打で逆転。五回は森下、佐藤輝明内野手(25)、大山悠輔内野手(29)の3連続適時打で4点を追加した。森下の新人から2年連続2桁本塁打は佐藤輝に次いで球団6人目。7回1失点のジェレミー・ビーズリー投手(28)は自身3連勝で、6勝目(1敗)。八回に2点を奪われた桐敷拓馬投手(25)は16戦ぶりの失点。窮地をしのいだ石井大智投手(27)は10戦連続無安打。九回は岩崎優投手(33)が締めて、17S目(3勝4敗)。神宮での連敗は「5」でストップ。チームは9日から2差で追う首位広島との3連戦(京セラ)、12日から巨人3連戦(東京D)を迎える。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=52勝45敗5分、観衆=2万8755人)。ーー先制されたが、つなぐ意識で逆転「おーん。まあ今日はゆっくり九回まであると思って、お前」ーー森下の一発が効いた「アレでちょっと火ついたよな。次のあの(佐藤輝の)走塁(同点弾後に四球で出塁し、大山の三ゴロで三進)もな」ーー佐藤輝は集中力を切らさずに「まあ、その意識や。意識の問題や。それは」ーー前川も楽に打席に立てた「それは全然楽よ。やっぱり二塁と三塁ではな。ましてや前進守備を向こうもしてくるしな。同点やから」ーー追い込まれてもバットに当てる前川の良さが出た「いやいや、ああいうのが大きいよ。どんな当たりであろうとな。内容じゃないやん、もう。やっぱりな。野手がいてないところに、あないして打てば打点もつくしな」ーービーズリーは安定「ずっとアレや、良いピッチングしてるし。今日は球数(7回89球)も少なかったしな。あそこまで行ってくれたら後は2人で行きたかったけどな。石井はちょっと使いたくなかったんやけど」ーー桐敷は3日空いていたから「空いてたからな。あれ、あんま空けてもアカンねん、アレな。空いてたから、もう桐敷は投げさとうと思った。岩崎もやられた後やから、何かええ形でな京セラ帰れるようにと思って。2人行けたらと思ったけどな」ーー中野と木浪の二遊間は固定して2年目。連係も良くなっている「いや、そら良うなってるよ。ゲッツーで終わったら『あと一球』って言われへんもんな(九回1死一塁から一ゴロ併殺で試合終了)。ああいう終わり方は何かぷーっと終わってしまうよな。しゃあないけど」ーー3試合目を締めて次に臨める「いやいや、今日負けるのとそらな、3連敗なんか絶対アカンから、それは大きいよ、昨日も一昨日も雨とかでな、何か嫌な感じやったからな」ーー9日から上位2チームとの6連戦「もう一緒、一緒、それは。最終じゃないからな。今回で1週間6試合当たるから、最後のアレにどんな戦いになるか、いうアレやろな」ーー今日はパインアメの日「そんなん知らん」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は阪神・佐藤輝明内野手(25)の走塁に言及した。阪神の勝因のひとつに佐藤輝の走塁を挙げたい。四回、森下の同点ソロ直後に四球で出塁すると、大山の三ゴロの一塁送球の間に三塁を陥れた。前川の左前打で勝ち越しの生還。この「1点の取られ方」がヤクルトにはダメージを与えた。佐藤輝からすれば、村上がかなり後ろの位置で打球処理したこと、ランニングスローしたことが視界に入ったはず。自身への注意が疎かになっていると判断して、思い切って三塁へ進んだ。打撃が好調な上に、こういう視野の広いプレーができ始めると、ワンランク上の選手になれる。岡田監督の先を見据えた投手起用も感じた。5点リードで勝ちパターンの桐敷投入は通常は考えにくい。3日間、マウンドから遠ざかったための配慮で、結果ではなく、投げることを重視した投入だったと思う。登板過多は避けたいが、登板間隔があいて調子を落とすことの方が怖い。残り試合が少なくなると桐敷にはフル回転の時期が来る。その時に備えて、あえて投げさせて調整させたのだろう。2/3回を投げて2失点の結果に心配する必要はない。

◆4年目捕手のヤクルト・内山壮真(22)が上半身のコンディション不良を乗り越え、今季初出場。七回に代打で途中出場し、九回先頭で中前打を放つなど2打数1安打を記録した。パンチ力のある打撃が売りで春季キャンプは1軍で完走したが、開幕前に離脱。前日7日に今季初昇格していた。本拠地のファンに大歓声で迎えられ「きれいなヒットではなかったけど、1本出てほっとした」とうなずいた。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(32)が史上208人目の通算1500試合出場を果たした。「7番・二塁」で先発し、二回に左前打を放つなど2打数1安打を記録した。初出場は2012年4月5日の阪神戦(神宮)。14年目の32歳は「自分だけの力ではない。そこは忘れずにいたい」と感謝した。今季は打率2割台前半と苦しむが、8月は打率・333と上向き。「また勝てるように頑張ります」と決意を込めた。

◆リーグ最下位のヤクルトは逆転負けを喫し、連勝が2でストップした。先発の吉村貢司郎投手(26)が五回途中で8安打を浴び、今季ワーストタイの6失点で6敗目(5勝)を喫した。高津臣吾監督(55)の主な一問一答は以下の通り。ーー吉村は立ち上がりから力はあったが...「真っすぐの走りは良かったと思う。全体的には悪くないと思うけど、なんかちょっとリズムが狂うテンポだったかな」ーー失点した四、五回は「佐藤輝へのフォアボールとピッチャー(ビーズリー)へのフォアボール。あれがもう全てだと思う。佐藤へのフォアボールは、一発を警戒したかもしれないけど、9番へのフォアボールは考えられないね」ーーそれが失点につながった「あそこでフォアボールを出すと上位にランナーがたまっていくわけなので、当たり前のことなのでね。ツーアウトランナーなしで近本を迎えるのと、ワンアウト一塁で近本を迎えるのでは随分と差があるので」ーー吉村は今季、神宮で勝てていない「やっぱり投手戦に持っていかないと。勝ち目がないって言ったらあれだけれど、やっぱり先発が頑張らないから、先に点をやってしまったり、ゲームを追いかける展開になってしまったりっていうのはあるので。球場はあまり関係ないかもしれないけど、やっぱりそういうところはしっかりやっていかないとね。トータル何イニングで何失点じゃなくて、初回がどうだったのか、3回の時点で勝っているのか負けているのか、追いかけているのか、それとも0ー0なのか。いろんなケースがあると思うので、やっぱり優位に立ってゲームを進めていかなきゃいけないと思います」ーー四回の佐藤輝の四球後、走塁で一気に三塁までいかれた「あれはすごく難しいプレーだね。向こうもギャンブルで来てるわけだし、こっちも偽投するわけにはいかないので、もちろん偽投したら一塁ランナーはアウトになるかもしれないけど、やっぱり一、二塁(になる)という大きなりリスクもある。あれはやるとしたら1回見てファーストに投げるぐらいしかできないと思いますね。ファーストに投げるのが基本だと思う」ーーリリーフ陣は4投手が無失点でリレー「勝ちゲームでああいうピッチングをしてほしいね。負けゲームはもうリラックスして投げられるから、いいピッチングをするよ。それは冗談として、今日もあの時点で先発を代えることになって、明日以降の6試合をどうするかっていうのがずっと頭にあった。非常に難しい継投にはなったけど、球数を少なくぴしゃっといってくれたのは、明日の継投につながったのかなと思います」ーー打線は8安打で3得点「来る球もほぼミーティング通りだったけど、それ以上に力があった。映像で見るのと、打席に立って実際の球を見るのとでは違うんだろうなと思って見てましたけど」ーー内山が今季初出場でヒットも出た「よかったと思いますね。まだまだこれから。いろいろ状態を見ながらっていうところかな」ーー9日のDeNA戦(横浜)は高梨が今季初先発する「チャンスなので。1軍生き残りだったり、ローテーションに残ったりっていうところのチャンスだと思うので、頑張ってほしい。ゲームをつくってほしいと思います」

◆中盤での失点が重くのしかかった。リーグ最下位のヤクルトは逆転負けを喫し、連勝が2でストップ。先発の吉村貢司郎投手(26)が五回途中で8安打を浴び、今季ワーストタイの6失点で6敗目(5勝)。高津臣吾監督(55)は大量失点の起点となった投手への四球を責めた。「9番へのフォアボールは考えられない。あそこで出すと上位にランナーがたまっていく。ツーアウトランナーなしで近本を迎えるのと、ワンアウト一塁は随分差がある」1点を追う五回だった。1死後に投手のビーズリーにフルカウントから四球を与えると、そこから適時打を3本浴びて一挙4失点。リリーフは4投手が無失点でつなぎ、打線が八回に2点を返すも、最大5点の差は大きかった。「やっぱり先発が頑張らないから、先に点をやってしまったり、追いかける展開になってしまったりというのはある。優位に立ってゲームを進めていかなきゃいけない」と高津監督。真夏の戦いで先発陣に奮起を求めた。(赤尾裕希)

◆一球一球に力を込め、対応力も光らせて燕打線を上回った。阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)が神宮のマウンドで7回4安打1失点と好投。登板3連勝で6勝目をつかんだ。「いいマウンドでも悪いマウンドでも、自分で順応して投げないといけない。しっかりと順応できたよ」苦慮したのは昨年に救援で一度投げて以来で、来日初先発となった敵地のマウンド。足場が合わず、二回には先制点を与えた。だが、その後は踏み出す足の着地点を変えるなど、臨機応変に修正。三回からの4イニングは無安打にねじ伏せるなどし、89球で7回を投げ終えた。岡田監督も「ずっといいピッチングしてるし。きょうは球数も少なかったしなあ」と満悦だった。昨季は自宅と球場をタクシーで移動していた右腕だが、今季はマイカー通勤。異国での2年目契約が決まった時点で、日本の運転免許証に切り替えることを即決した。右ハンドルにも「米国とは反対だけど、違和感も問題もないね」と、こちらもしっかりと〝順応〟している。「球場に自分の運転で行って、自分の運転で家に帰るのは心地がいいよ」と、自分のペースで動けることが仕事の面での利点なら、私生活の面でも、昨年8月に第1子のウエスリーくんが誕生し、「子供の何かが必要になったときにパッと行けるのは楽。暑い夏に歩いていくのは不便だから、そういう面でも便利だね」。ジャパニーズライフの充実度アップが、今季ここまでの好成績にも結びついている。「7回までいけたし、攻撃陣がしっかりと点を取ってくれたからここまでしっかりと投げることができた。守備でも攻撃でも感謝しているよ」仲間に謝意を示した右腕には、スタンドの虎党からねぎらいの黄色い声援が送られた。ハンドルをボールに持ち変えれば、残りの試合も仲間の思いを乗せ、安心できる投球を見せていく。(須藤佳裕)

◆若虎の活躍で連敗ストップ! 阪神は6-3でヤクルトに逆転勝ち。森下翔太外野手(23)が四回に2年連続2桁本塁打となる10号ソロ、五回にも2点適時打と計3打点を挙げ、神宮球場での連敗を5で止めた。3位ながら首位広島に2ゲーム差と迫り、9日から直接対決3連戦(京セラ)に臨む。思いを込めたひと振りが勝利を呼んだ。ビハインドも、連敗中の空気も、すべて森下がはね返す。勝利を願う虎党が陣取る左翼席に飛び込む一発が、反撃開始の合図だった。「1戦目(6日)チャンスで打てなかったので、絶対に打ってやろうという気持ちでいきました。チームも勢いに乗ってくれたので、すごくいい1点だった」6日は連続試合打点が10で止まり、7日には連続試合安打を11でストップするなど、味わってきた悔しさをぶつけた。一回に変化球で攻められながら直球をとらえて左前打とすると、第2打席は1点を追う四回の先頭。直球2球でカウント1―1となり、吉村が投じたカーブを体を傾けながらひっぱたいた。「変化球が来るかなっていう予想のもとで、うまく乗せられた」。白球は左翼スタンドに一直線。4試合ぶりとなる10号ソロで同点とし、直後の勝ち越しも呼び込んだ。これで昨季の10本に続き、2年連続の2桁本塁打を達成。阪神の右打者が新人から2年連続で2桁本塁打を記録したのは1980、81年の岡田彰布以来、43年ぶりの達成となった。その岡田監督も「あれでちょっと火ついたよな」と、大きな同点弾を評価した。森下も「うれしいことではあるんですけど、2年連続で終わらないように」と目標は高い。昨季は94試合の出場で打率・241、10本塁打、41打点。シーズン終了後には「ここからまだまだ全てにおいて伸ばせる」と振り返った。1月の自主トレ公開でしたためた目標は「20本」。残り41試合で折り返しに入った。

◆瞬時の判断で足を回した。三塁手から放たれた送球が、三塁ベースへと返ってきたとき、阪神・佐藤輝明内野手(25)はもう塁上の人。虎の4番が〝神走塁〟で連敗ストップに貢献した。「いや、もう『いける』と思ったんで、いきました。サードに(打球が)飛んだときに。ちょっと頭にあったので」四回、森下の一撃で同点に追いついた直後だった。四球で出塁。粘る大山の打席で、獲物を狙うかの如く集中力を研ぎ澄ませる。フルカウントから9球目、スタートを切った。平凡な三ゴロだったが悠々と二塁へ。三塁手・村上が一塁に送球したのを見るや否や、再び両足を加速させた。相手の隙を突く好走塁で1死三塁の好機を演出。前川の勝ち越し打を文字通り〝アシ〟ストした。これには岡田監督も「その意識や。それは全然(前川も)楽よ。やっぱり二塁と三塁ではな。ましてや前進守備を向こうもしてくるしな。同点やから」と手放しでたたえた。

◆テレビ画面に「巨大地震注意」の文字が映り続けている。では、どうしたいいんだろうか? いまひとつ、分からない。もちろん、備えはしなくちゃいけない。必要なモノを買いそろえ、避難場所を確認して。やるべきことをやり終えたら、阪神を応援しましょうか。神宮とヤクルトをこよなく愛する某ライバル紙記者から提案があった。「ハマスタのみかん氷を原稿にするのなら、次は神宮のパイン氷を記事にしてほしい」と。先週末のDeNAの対戦の日々で、わがトラ番が誇る精鋭・中屋友那が「ついにハマスタ名物みかん氷を食べた」ということで、この虎ソナの欄で食レポ、さらには写真まで掲載した。だから、「次はパイン氷(500円)の番だ」という実に安易な発想だ。実はみかん氷よりパイン氷をよく食べた記憶がある。氷の上にパインの果肉がのっていて、パインシロップをぶっかけただけ。でも、おいしい。よく早版原稿(試合中に書く締め切り時間が早い記事)を書き上げて、五回の打ち上げ花火に目もくれず買いに走った。神宮といえば、辛みそラーメン&パイン氷だった。さっそく、好奇心旺盛な中屋に「もちろん食べたやろ?」と尋ねたところ...。「それが神宮球場は三塁側後方に大きなビルが建っていて、その影がグラウンドを覆って、意外に暑くないんです。この3連戦は日焼け止めも塗ってないし、冷たいものを食べたい気分にもならないんですよ」というわけで、中屋にとって今回の神宮は「めざせ!パイン氷」ではなかったらしい。そのかわりに、思い出していたのは、少年野球時代に神宮球場で戦ったこと。

◆森下の同点アーチを含むクリーンアップの活躍で、わが阪神は勝利しましたー!! と歓喜しながら...やっぱり投手あっての阪神なのだなぁ...と、7回4安打1失点のビーズリーにひたすら感謝なのだ!!本日、オレが一番「よっしゃー!!」と絶叫した場面...それは四回、森下の同点アーチの直後、四球で出塁した佐藤輝が次打者大山のサードゴロ、その送球の間に三塁をおとし入れた走塁なのだ!!あのさ~、ヤクルトとの3連戦の2戦目で、サトテルちゃんはエラーを連続でしているんですよ~、そうなったら俺みたいなビビリ...いや、大方の人は躊躇(ちゅうちょ)するのでは?優勝争いの後半で、アレンパの決め手となるのは、そーいう鬼のように厳しい岡田さんを黙らせるプレーがあっていいのだよー!次節はいよいよ首位広島戦ですかぁ...。勝つことより負けないことが一番です!! 実は阪神の45敗は上位3チームの中でワーストで、勝ちは増やせるけど負けは減らせない...。そろそろ、ペナントレースはそんな時期になったので...。負けない野球で行きまっせ~!!

◆サヨナラを演出した2人が、とびっきりの笑顔で抱き合った。ヤクルト・増田珠内野手(25)と村上宗隆内野手(24)のことである。ただのハグではない。中学時代から知る旧友同士が、プロの舞台で交わした熱い熱い抱擁だった。8月6日の阪神戦(神宮)。ヤクルトは4-4の九回2死一、二塁から村上が中前への適時打を放って、サヨナラ勝ちを収めた。このとき、好機をつくり出し、サヨナラのホームを踏んだのが増田である。先頭で代打として登場し中前打。劇的勝利への口火を切った。長崎県出身の増田と熊本県出身の村上は同学年で、中学2年時にはシニアチームの九州選抜で共闘した間柄。増田が昨季限りでソフトバンクを戦力外となり、今季からヤクルトに加入したことでプロでもともに戦うことになった。サヨナラのチャンスで打席に立つ村上を二塁走者として見つめた増田は興奮していた。「セカンドベースで一人、こういう光景があるんだなって見ていました。別の球団に入って、一緒に野球ができるイメージはしていなかった。こういうサヨナラの場面で、僕がランナーで、ムネに(打席が)回ってくるというのは、自分の中ではちょっと感慨深いものがあった。2人で勝ちに貢献できてすごくうれしかった」こみ上げる思いを吐露しつつ「ムネはそれどころじゃなかったっていっていました」と〝暴露〟して笑った。増田の証言通り、村上は「集中していたので、あまり感じていなかった」と打席での思いを振り返ったが、勝利後のハグは格別だったようで「うれしかったですね、やっぱり。シュウのことは、中学校から知っているので」とかみしめた。初めて顔を合わせたのは10年以上も前だ。九州選抜に選ばれる前から対戦経験があった。増田は中学時代は投手をしており「(村上の印象は)でかいなと。怖さはあったけど、僕もいいピッチャーだったので、あんまり打たれていないです」。いたずらっぽい笑顔に、仲の良さがにじみ出ていた。選抜チームでともに台湾遠征へ行くとすぐに意気投合した。増田によると、テンションを上げるために「『CHEHON』(ちぇほん)という歌手の『韻波句徒』(いんぱくと)という曲を、ひたすら一緒に聞いていた」日々はいい思い出だ。長い月日を経てプロの舞台で再び同じユニホームを着て切磋琢磨している。6日のお立ち台には村上だけが立ち、「次は自分も一緒にヒーローインタビューをできるように、もっと頑張ります」と増田。〝シュウ〟と〝ムネ〟で勝ったと言われる試合を、何度でもつくり出す。(サンケイスポーツ・ヤクルト担当)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
51405 0.560
(↓0.007)
-
(-)
47276
(-)
237
(+5)
38
(-)
46
(-)
0.233
(↓0.001)
2.160
(-)
2
(-)
巨人
52436 0.547
(↑0.004)
1
(↑1)
42305
(+5)
271
(-)
54
(-)
46
(-)
0.239
(↑0.001)
2.540
(↑0.03)
3
(-)
阪神
52455 0.536
(↑0.005)
2
(↑1)
41323
(+6)
284
(+3)
43
(+1)
32
(-)
0.236
(-)
2.310
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
47512 0.480
(↑0.006)
7.5
(↑1)
43334
(+4)
344
(+2)
67
(+1)
48
(-)
0.250
(↓0.001)
3.000
(↑0.03)
5
(-)
中日
42537 0.442
(↓0.005)
11
(-)
41241
(+2)
319
(+4)
42
(+1)
28
(-)
0.234
(↓0.002)
2.690
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
41544 0.432
(↓0.004)
12
(-)
44344
(+3)
362
(+6)
68
(-)
46
(+1)
0.239
(-)
3.470
(↓0.03)