1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 0 | 0 |
DeNA | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 6 | 0 | 0 |
勝利投手:村上 頌樹(5勝7敗0S) (セーブ:岩崎 優(3勝3敗16S)) 敗戦投手:ジャクソン(4勝7敗0S) |
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◆阪神が逆転勝利で8連勝。阪神は1点を追う6回表、森下の適時打で同点とする。なおも続く好機で大山と坂本の適時打が飛び出し、この回一挙4点を奪った。投げては、先発・村上が8回途中2失点の粘投で今季5勝目。敗れたDeNAは、8回の好機を生かしきれなかった。
◆阪神村上頌樹が横浜スタジアムで先発登板に臨む。通算14勝を挙げる村上だが、横浜スタジアムでは通算3試合に登板して0勝0敗。セ・リーグの本拠地で唯一白星がない球場だ。この球場では20回を投げて、自責点4、防御率1・80と好投するも、登板中の援護点が1→1→1と3試合で3点だけ。今日は打線の援護を受けて、横浜スタジアム初勝利を挙げられるか。
◆今季最長の8連勝を目指す阪神は通常オーダーで挑む。前日1日にプロ初の1試合3本の適時打を放った前川右京外野手(21)はこの日も「6番左翼」で出場する。先発は村上頌樹投手(26)。横浜スタジアムでは通算3試合の登板で0勝0敗。セ・リーグの本拠地で唯一白星がない球場だ。長期ロード初戦に今季5勝目を目指す。
◆8連敗中のDeNAが野手8人中5人のスタメン大幅入れ替えを敢行した。右下顎の打撲と脳振とうで特例抹消されていたタイラー・オースティン内野手(32)が復帰して早々、4番に座った。牧秀悟内野手(26)は6月6日のオリックス戦(横浜)以来、約2カ月ぶりに3番でスタメンに入った。「8番遊撃」にはこの日、1軍昇格した林琢真内野手(23)が入った。イースタン・リーグ12試合で打率2割9分5厘、OPS・836と好成績を残していた。捕手は山本祐大捕手(25)が13試合ぶりにスタメンを外れ、戸柱恭孝捕手(34)が約1カ月ぶりにスタメンとなった。また、前日に首のむち打ちのような症状で途中交代していた宮崎敏郎内野手(35)はベンチスタートで、三塁は京田陽太内野手(30)が先発に名を連ねた。
◆8連敗中のDeNA三浦大輔監督(50)が猛抗議した。1点リードの4回1死一、二塁、阪神前川の中堅後方の飛球を桑原将志が背走しながらスーパーキャッチした。これに二塁ベースを回っていた一走が飛び出した。ボールは一塁に転送されたがセーフの判定がなされ、三浦監督はベンチを飛び出して球審に猛抗議。アピールプレーの結果、3アウトでチェンジに。状況が飲み込めず、球場は異様なムードに包まれた。
◆阪神が疑問符だらけのダブルプレーで絶好のチャンスを逸した。0-1の4回1死一、二塁から前川右京外野手(21)が中堅後方に大飛球を放った。だがDeNA桑原将志外野手(31)が背走してフェンス手前で好捕し、遊撃手の林琢真(23)に素早く返球。林は一塁走者の大山悠輔内野手(29)が大きく飛び出していたのを見て、一塁に送球した。一塁のタイミングは微妙だった。一塁塁審は打球を追いかけていたため、一塁もケアする二塁塁審が二塁付近の離れた場所からセーフの判定をした。ボールを受けた一塁手のタイラー・オースティン(32)の足がベースから離れているようにも見えた。DeNA三浦大輔監督(51)はすぐにベンチを飛び出し、球審に問い合わせ。すると、しばらくして球審がアウトを宣告した。阪神は両ランナーコーチが何らかの確認を行ったが、再度判定が変わることはなく、併殺が成立した。阪神岡田彰布監督(66)は抗議しなかった。オースティン自身が首を横に振りながら、両手を軽く広げて「セーフ」と正直に? 申告しているようにも見えたため、ますます混乱を招く結果になった。また、二塁を回っていた大山が触塁せずに戻っていた可能性もある。審判団から場内への説明はなかった。
◆阪神が逆転に成功した。1点ビハインドの6回に森下翔太外野手(23)、大山悠輔内野手(29)に適時打が飛び出した。同点打の森下はこれで8試合連続打点。大山の適時打で1点を勝ち越し、リードを奪った。この試合は後半戦で初めて先制点を献上していたが、7連勝中の反発力を見せつけた。0-4の4回には疑問符の残る判定が出ていた。1死一、二塁から前川右京外野手(21)が中堅後方に大飛球を放った。だがDeNA桑原将志外野手(31)が背走してフェンス手前で好捕。遊撃手の林琢真(23)に素早く返球し、林は一塁走者の大山悠輔内野手(29)が大きく飛び出していたのを見て一塁に送球した。一塁のタイミングは微妙だった。一塁塁審は打球を追いかけていたため、一塁もケアする二塁塁審が二塁付近の離れた場所からセーフの判定をした。ボールを受けた一塁手のタイラー・オースティン(32)の足がベースから離れているようにも見えた。DeNA三浦大輔監督(51)はすぐにベンチを飛び出し、球審に問い合わせ。すると、しばらくして球審がアウトを宣告した。阪神は両ランナーコーチが何らかの確認を行ったが、再度判定が変わることはなく、併殺が成立した。阪神岡田彰布監督(66)は抗議しなかった。オースティン自身が首を横に振りながら、両手を軽く広げて「セーフ」と正直に? 申告しているようにも見えたため、ますます混乱を招く結果になっていた。また、二塁を回っていた大山が触塁せずに戻っていた可能性もある。審判団から場内への説明はなかった。チャンスを逃した阪神だったが、6回に逆転に成功してみせた。
◆阪神大山悠輔内野手(29)が、痛いミスをバットで取り返した。1-1の同点に追いついた6回1死一、三塁。ジャクソンから勝ち越しの中前適時打を放ち、チームはこの回逆転に成功した。0-4の4回には走塁でミスを犯していた。1死一、二塁から前川右京外野手(21)が中堅後方に大飛球を放った。これをDeNA桑原将志外野手(31)が背走して好捕。遊撃手の林琢真(23)に素早く返球し、林は一塁走者の大山が大きく飛び出していたのを見て一塁に送球した。一塁のタイミングは微妙だった。一塁塁審は打球を追いかけていたため、一塁もケアする二塁塁審が二塁付近の離れた場所からセーフの判定。ボールを受けた一塁手のタイラー・オースティン(32)の足がベースから離れているようにも見えた。DeNA三浦大輔監督(51)はすぐにベンチを飛び出し、球審に問い合わせ。すると、しばらくして球審がアウトを宣告した。試合中に審判団から場内への説明はなかったものの、公式記録員によると、二塁を回った大山は帰塁の際に再び二塁ベースに触れておらず、DeNAから二塁「空過」のアピールがありアウトになった。チャンスを逃した阪神だったが、6回に逆転に成功してみせた。
◆阪神がクリーンアップの3連打で一気に試合をひっくり返し、今季最長の8連勝で2位に浮上した。今季18度目の逆転勝ちはリーグ最多となった。1点を追う6回、先頭の近本が死球で出塁すると、中野がきっちり犠打を決めて1死二塁。ここで打席に立った3番森下翔太外野手(23)がDeNAジャクソンの直球に詰まりながらも、中前適時打。さらに4番佐藤輝明内野手(25)が右前打で続くと、5番大山悠輔内野手(29)が勝ち越しの中前適時打を放った。絶好調の主軸に導かれるように、2死一、二塁から木浪も四球で出塁し、坂本が左翼へ2点適時打を放ち、この回一挙4得点。森下は2リーグ分立後球団4位タイとなる8試合連続打点、佐藤輝は自己最長タイの11試合連続安打とこの日も勢いは止まらなかった。先発の村上頌樹投手(26)は2回にプロで初めて1イニング3四死球を出して先制を許すも、その後は危なげない投球。7月26日中日戦(甲子園)から自身連勝で今季5勝目を挙げた。阪神は甲子園100周年を祝う前カードの巨人戦で3連勝。長期ロード初戦となったこの日も、波に乗る強さを見せつけた。阪神の8連勝は今季最長で、23年9月1日ヤクルト戦~14日巨人戦11連勝以来。なお、球宴明け初戦からは7連勝。これは57年に8連勝して以来、実に67年ぶりだ。これでセ・リーグ50勝一番乗り。21年以来3年ぶり。阪神のチーム得点圏打率2割7分2厘はセ・リーグでは断トツの1位。12球団でもロッテ2割8分に次ぎ2位だ。なお8連勝中にチームは得点圏で85打数40安打、打率4割7分1厘。好機を逃さない猛攻が、快進撃を導いている。
◆勝ちがとにかく遠い。DeNAが悪夢の9連敗とトンネルを抜けられない。引き分けを挟まない9連敗は三浦大輔監督(50)政権では初めてで、19年の10連敗以来5年ぶりとなった。先発メンバーから牧、佐野、梶原以外の野手5選手を変更し、スタメンを大幅入れ替えて臨んだ一戦。13試合ぶりに1番に座った桑原が1回、中前打でいきなり出塁。勢いをつけたがけん制死で先制のチャンスを逸した。これで前日の広島戦(マツダスタジアム)の梶原に続いて2試合連続のけん制死となった。それでも、2回に6試合ぶりの先制に成功する。脳振とう特例での抹消から復帰した4番オースティンが四球で出塁。1死から京田も四球を選び、約1カ月ぶりスタメンの戸柱も死球で1死満塁。このチャンスにこの日1軍昇格して約2カ月ぶりにスタメンに抜てきされた林が中犠飛で応えた。チームに6試合ぶりの先制点をもたらした。しかし先発ジャクソンがリードを守り切れなかった。6回、先頭の近本に死球から犠打で1死二塁とされ、森下に詰まりながらも中前への同点適時打を打たれた。さらに佐藤輝、大山と3連打で勝ち越し点を献上。6回途中でマウンドを降りた。2番手京山も流れを止めきれず、2死満塁から左翼への適時打を打たれてこの回一挙4点を失った。8回の反撃も及ばなかった。先頭の林が右前打でチャンスメークすると、三浦監督は1死一塁からこの日安打を放っている桑原、梶原の上位打線に代打攻勢を仕掛けた。山本が左翼フェンス直撃の二塁打でつなぎ、二、三塁から宮崎が中前打で1点を返した。1死一、三塁でホームランで逆転の好機だったが、牧は三ゴロ。オースティンは二、三塁から申告敬遠で2死満塁、佐野が二ゴロに倒れて及ばなかった。オースティンが復帰し、打線を大幅に入れ替えても得点力不足は解消されず。後半戦は7戦連続3得点以下で、合計10得点。DeNAが長いトンネルから抜けられない。
◆阪神岡田彰布監督(66)が継投のカードを惜しみなくつぎ込み、ピンチをしのいだ。2点リードの8回1死一、三塁で先発村上頌樹投手(26)を降板させた。2番手は石井大智投手(27)。DeNA牧秀悟内野手(26)を三ゴロに仕留め、その後2死二、三塁。タイラー・オースティン内野手(32)にスリーボールとしたところで、岡田監督は申告敬遠を選択した。2死満塁で左腕桐敷拓馬投手(25)を起用。長打が出れば逆転もある場面で佐野恵太外野手(29)を二ゴロに仕留め切り抜けた。阪神の誇る左右の絶対的リリーバーが、DeNAの強力な中軸に仕事をさせなかった。
◆DeNAの悪夢が続く。オースティンが復帰してスタメン野手5人の大幅入れ替えを敢行も、得点力不足は解消されず。2回の林の犠飛と8回の宮崎の適時打の2点にとどまった。後半戦は7戦連続3得点以下で合計10得点。積極的な代打攻勢と大胆なスタメン変更も及ばず、就任後初の引き分けなしの9連敗となった三浦監督は「何かきっかけをつかんで勝ちにつなげていかないといけない」と前を向いた。
◆阪神がクリーンアップの3連打で一気に逆転し、今季最長の8連勝を飾り、貯金を今季最多8とした。今季18度目の逆転勝ちはリーグ最多となった。阪神は甲子園100周年を祝う前カードの巨人戦で3連勝。長期ロード初戦となったこの日も、波に乗る強さを見せつけた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-桐敷が良く抑えた「良くって。普通やろ、だって、別にお前」-昨日ああいう形だったから使えた「球数も少なくいけたしな。まあ、そら、村上があそこ7、8回投げきってくれたら、それで済んだけどな」-昨日とは違う勝ち方「いや、もう、今日は5回まではあれやな。巨人戦の疲れやな。全然バットがなんかこう違うよな。雰囲気がな」-振れてない「うん」-それでもジャクソンを攻略した「なんか合わんな。前川もな。10タコなんよ。なんか合わへんな。ジャクソンに」-それでもワンチャンスで攻略「いやいや、もう3打席目やったからな、結局な、おーん」-近本の死球から「ナイスデッドボールやん。全然合うてなかったからな」-中軸が当たっているから中野にも迷わずバント「まずはやっぱり同点にしといたらなというのがあるからな、後ろのピッチャー考えたらのう」-大山はミスを取り返した「そんなんお前、恥ずかしいであんなんで抗議したら。ルール知らんのか言うたんや。踏みかえんと全部アウトやん、なあ。笑われるで、あんなんで抗議しとったら。ちょうど見とったから、やられたなあと。なんか牧がすぐ言うたから、こらあかんわと。ルールやからの。ルールブックやから」
◆阪神森下翔太外野手(23)は気持ちで押し込んだ。1点を追いかける6回1死二塁。ジャクソンの内角速球を思い切り振り抜いた。打球は遊撃の頭を越え、人工芝にはずむ。同点だ。「スイングの軌道とかが良かった分、野手の間に落ちてくれたんだと思う。点を取れたことが一番です」久しぶりに先制点を許し、5回終了時点でチームの天敵ジャクソンにわずか2安打。5試合連続2桁の打線がまた逆戻り...? と嫌なムードがあった。だが先頭近本が死球で出塁。中野が犠打で送る後半戦の「必勝パターン」が出た。「(中野)拓夢さんが送ってくれて、自分にチャンスが回ってきた。その1回のチャンスを無駄にしたくなかった」。一挙4得点の逆転イニングへと導いた。この回途中でジャクソンをKO。苦手右腕の攻略について「自分としてはそこまで...。切り替えるしかないので、トータルで負けているとかではなく、今日の試合に勝てば何でもいい。目の前の試合に集中しています。先制点を取られても粘って粘って、一気に大量得点できているのが今のタイガースの強さだと思う」と頼もしかった。連続試合打点は「8」まで伸びた。04年の桧山進次郎に20年ぶりに並び、球団歴代4位タイ。右打者では90年真弓明信までさかのぼる。得点圏打率3割5分1厘はリーグでダントツ。昨年の41打点も1つ上回った。令和に登場した虎のミスター・クラッチの面目躍如だった。【柏原誠】◯...佐藤輝が自己最長タイとなる11試合連続安打を決めた。22年9月にマークして以来。4回に右前打、6回1死一塁でも右前打でつなぎ、この回4得点に貢献した。チームトップの打率は2割6分6厘に上昇。「チーム状態はいいと思うし、打てる時にじゃないですけど、しっかり勝ちを伸ばしていきたいです」と引き締めた。
◆阪神岡田彰布監督(66)は、走塁でミスを犯した大山悠輔内野手(29)に厳しかった。試合後、「そんなんお前、恥ずかしいで、あんなんで抗議したら。ルール知らんのか言うたんや。踏みかえんと全部アウトやん、なあ。笑われるで、あんなんで抗議しとったら。ちょうど見とったから、やられたなあ、と。なんか牧がすぐ言うたから、こらあかんわと。ルールやからの。ルールブックやから」と話した。0-1の4回1死一、二塁。大きな中飛で、一塁走者の阪神大山悠輔内野手(29)が一塁に戻れず「アウト」。微妙なタイミングで、いったんは二塁塁審がセーフのジャッジをしていたが、なぜかアウトに覆り、ダブルプレー成立で攻撃が終わっていたプレーのことだ。試合後、責任審判の笠原三塁塁審は、一塁のプレーは問題ではなく、大山が二塁をオーバーランしたところから戻る際に、二塁ベースを踏まない「空過」があり、DeNA側からのアピールを審判が認めていたことを明かした。しかも「空過していて、なおかつ空過して帰った。行きに忘れていて、帰りも踏んでない。(牧からアピール)そうですね。通りすぎた時点で、絶対帰りも踏まないといけない」と説明した。「行き」で二塁ベースを踏んでいなくても、一塁に戻る際は二塁ベースを踏まなければいけないというルールがあるという。大山は帰りに踏んでさえいれば「空過」扱いにならず、一塁もセーフのまま生き残れたことになる、と説明した。DeNA三浦大輔(50)がすぐさま球審に確認に歩み寄ったが、それは一塁のセーフ判定に対するものだったという。指揮官も「恥ずかしい」と言ったミスだが、大山は6回に決勝打を放ち、意地を見せた。
◆場内説明がなく、誰もが不思議に思ったダブルプレーで、試合後に意外な"事実"が判明した。0-1の4回1死一、二塁。大きな中飛で、一塁走者の阪神大山悠輔内野手(29)は二塁を回ったところから急いで一塁に戻った。微妙なタイミングだったが、二塁塁審がセーフのジャッジをした。その後しばらくして、なぜか併殺が成立して攻撃が終わっていた。試合後、責任審判の笠原三塁塁審が取材に応じた。一塁のプレーは問題ではなく、大山が二塁をオーバーランしたところから一塁まで戻る際に、二塁ベースを踏まない「空過」があり、DeNA側からのアピールを審判が認めていたことを明かした。「空過していて、なおかつ空過して帰った。行きに忘れていて、帰りも踏んでいない。(牧からアピール)そうですね。通りすぎた時点で、絶対帰りも踏まないといけない」と説明した。「行き」で二塁ベースを踏んでいなくても、一塁に戻る際は二塁ベースを踏まなければいけないというルールがあるという。大山は帰りに踏んでさえいれば「空過」扱いにはならず、一塁もセーフのまま生き残れたことになる、と説明した。DeNA三浦大輔(50)がすぐさま球審に確認に歩み寄ったが、それは一塁の判定に対するものだったという。
◆4回の阪神の攻撃で起きた「併殺」について、試合後、責任審判の笠原三塁塁審が取材に応じた。中飛で一塁走者の大山悠輔が一塁に戻りきれずアウトと思われたが、実は二塁の「空過」のアピールプレーだったことが判明。しかも大山は二塁を踏まずオーバーランし、戻る際にも空過していたという。「空過していて、なおかつ空過して帰った。通りすぎた時点で、絶対帰りも踏まないといけない」とルールを説明。帰りに踏んでさえいれば「空過」あつかいにはならず、一塁もセーフのまま生き残れたことになったという。全く抗議しなかった阪神岡田監督は「恥ずかしいで、あんなんで抗議したら。ルール知らんのか言うたんや。なんか牧がすぐ言うたから、こらあかんわと。ルールやからの」と、あきれていた。
◆阪神村上頌樹投手(26)は悔しげだった。2点差に迫られた8回1死一、三塁で降板。思いを押し込め、後続に託した。石井、桐敷が無失点に切り抜けるとベンチ前で出迎えた。仲間の「救い投げ」に感謝しかない。「野手のみなさんが逆転してくれて、後ろのリリーフの方も抑えてくれて、みんなに助けられたなと思います。重たいところを投げさせてしまったので申し訳ない。だけど信じていました」7回1/3を2失点で5勝目。DeNA戦で、そして通算4試合目の登板となった横浜スタジアムで自身初勝利を挙げた。後半戦2連勝で今季5勝目。自身の借金を2まで減らし「借金をなくしていけるように」と前を向いた。強力DeNA打線だ。細心の注意を払っていた。その裏には「岡田語録」の助けもあった。前回7月26日の中日戦。6回1失点で4勝目も、試合後の岡田監督の「コントロールが良すぎるんよ」というコメントが気になった。抜群の制球力があるがゆえに、ボールがストライクゾーンに集まりすぎていたことを指摘されていた。ひそかに村上も課題だと感じていたことだった。指揮官の言葉が心にズバッとささった。「確かにそうだと思いました。今年、エンドランをよく仕掛けられますもん。『大体このへんに来る』と思われているんだと思う。作戦も立てやすい。バッターも打ちやすいのかなと」この日は慌てない。2回にはプロ初となる1イニング3四死球。慎重になりすぎた部分もあったかもしれない。それでも尻上がりに直球のクオリティーを上げ要所を締めた。「投げ切りたかったので申し訳ない。また(中継ぎを)投げさせてしまった」。イニング途中での降板に反省を繰り返したが、やり返すチャンスはある。チーム8連勝を導いても決して気を緩めない男。勝負の夏を走り抜ける。【中野椋】
◆強い! 阪神がクリーンアップの3連打で一気に試合をひっくり返し、今季最長の8連勝&今季最多の貯金8で2位に浮上した。1点を追う6回1死二塁から3番森下翔太外野手(23)が同点打、4番佐藤輝明内野手(25)が右翼フェンス直撃打、そして5番大山悠輔内野手(29)が中前に決勝打を放った。打線はこの回一挙4得点を決め、リーグ最多となる今季18度目の逆転勝ちでセ・リーグ50勝一番乗り。甲子園巨人3連戦3連勝から一夜明け、真夏の長期ロード初戦を心地よく走り出した。振り抜いた打球が中前に落ちても、大山は表情を緩めない。三塁走者の森下はすぐさまガッツポーズ。三塁ベンチの仲間の喜びにも、左半分を埋め尽くした虎党の大声援にも、主砲は決して浮かれなかった。「なんとしてもランナーを返したいと思っていました。タイムリーになってくれてよかった」1点を追う6回。3番森下の中前適時打で試合を振り出しに戻し、4番佐藤輝の右翼フェンス直撃打で1死一、三塁。5番大山はDeNAジャクソンを相手に3ボールからファウルで食らいついた。7球目。高めに浮いたチェンジアップを強振して決勝打を決めた。「村上を始め、本当にチームの全員が助けてくれたので、そのあとの打席でなんとかしないといけないと思って(打席に)入った」打たなければならない理由があった。4回1死一、二塁。6番前川が中堅手の頭上に大飛球を放った。一塁走者の大山は二塁ベースを回った。この時、二塁ベースを踏んでいなかった。中堅手の桑原が背走して好捕すると、帰塁時にも二塁ベースを踏めず。ダブルで「空過」となり、アピールプレーでアウトとなっていた。1点を追う展開で、流れを相手に渡しかねないミス。大山は試合後、猛省した。「自分のミスです。中途半端にやってしまったので、それが良くなかった。勝って良かったというプレーじゃない。そこは反省しかないので」と口元を引き締めた。ただ、痛恨のミスを自らのバットで取り返したのはさすがだ。得点圏打率3割2分9厘は森下に次いでリーグ2位。8連勝中はチーム55得点のうち10打点をたたき出し、森下、佐藤輝と3人で計30打点の強力クリーンアップを支えている。これでチームは今季最長の8連勝。貯金も今季最多の8に膨らんだ。甲子園での巨人3連戦3連勝から一夜明け、長期ロード初戦も投打がガッチリかみ合った。首位広島に0・5ゲーム差の2位に浮上。5月26日以来の首位再奪取を完全に視界にとらえている。【村松万里子】
◆脳振盪(しんとう)特例措置で離脱していたDeNAのタイラー・オースティン内野手(32)が1軍に復帰し「状態はとてもいい。ブランクは感じていない」と説明した。三浦大輔監督(50)は先発起用を明言し「オースティンが戻ってきたことをきっかけに全員で戦っていく」と意気込んだ。オースティンは7月24日のオールスター第2戦で打球が口元に当たり、右下顎の打撲を負った。その後に頭痛を訴え、脳振盪(しんとう)の疑いがあるとして出場選手登録を外れていた。負傷を負った直後は右の歯で咀嚼(そしゃく)することが困難だったといい「集中しないと分からない程度だけど、ほんの少しだけ歯が欠けた気がする」と明かした。
◆阪神の試合前練習中にDeNA・度会隆輝外野手(21)が阪神・岡田彰布監督(66)にあいさつする一幕があった。7月23日、24日のオールスターで全セの選手と監督としてともに戦った2人。ウオーミングアップを終えてベンチに戻ろうとしていた森下に声をかけにきた度会は、ベンチの奥で練習を見守っていた岡田監督のもとを訪れ、頭を下げていた。
◆3日の15回戦に先発する阪神・大竹耕太郎投手(29)はキャッチボールなどで調整した。ここまで16試合で7勝5敗、防御率2・59。プロ7年目で初めての横浜スタジアムのマウンドとなるが、「広さを自分でいじれたらいいですけど、考えてもしょうがない。自分でコントロールできないことは考えないというのが今年のテーマなので」と狭い球場も気にせず自分の投球に集中する。強力DeNA打線との今季初対戦へ、「しっかりインコースの使い方を考えて。なんとなく投げているときが被安打が多い気がするので、この1球でどうしたいかを明確に、意味のない1球がないようにしたい」と力を込めた。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)は今季3度目のDeNA戦で初白星を目指す。ここまで2度の登板で防御率1・64ながら0勝1敗。チームの今季初となる8連勝を達成するためにも好投に期待が懸かる。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)は二回、ノーヒットで先制を許した。持ち味の制球が定まらなかった。この回先頭のオースティンに四球を与え、佐野は二ゴロに打ち取って1死一塁。ここから京田に四球、戸柱には死球で満塁のピンチを招いた。林の当たりは中堅への大飛球。近本が背走してなんとか捕球するも、犠飛となって1点を失った。
◆阪神は0―1の六回、森下翔太外野手(23)の適時打などで逆転した。勝負強さがまた生きた。この回先頭の近本が死球で出塁し、中野が1球で犠打を決めて1死二塁で森下がこの日3度目の打席を迎えた。ジャクソンの4球目を捉え、打球は詰まりながらも遊撃手の頭上を越えて中前へ。近本が生還し、同点に追いついた。これで森下は7月21日の広島戦(甲子園)から8試合連続打点。この試合までの7戦は全勝しており、吉兆となる一打で試合を振り出しに戻した。続く4番・佐藤輝が5戦連続マルチ安打となる右翼フェンス直撃の一打で一、三塁にチャンスを広げると、大山が中前適時打を放って2点目を加え、逆転に成功した。
◆阪神は0―1の六回、森下翔太外野手(23)の適時打などで逆転した。勝負強さがまた生きた。この回先頭の近本が死球で出塁し、中野が1球で犠打を決めて1死二塁で森下がこの日3度目の打席を迎えた。ジャクソンの4球目を捉え、打球は詰まりながらも遊撃手の頭上を越えて中前へ。近本が生還し、同点に追いついた。これで森下は7月21日の広島戦(甲子園)から8試合連続打点。この試合までの7戦は全勝しており、吉兆となる一打で試合を振り出しに戻した。続く4番・佐藤輝が5戦連続マルチ安打となる右翼フェンス直撃の一打で一、三塁にチャンスを広げると、大山が中前適時打を放って2点目を加え、逆転に成功した。森下は「打ったのはストレート。追い込まれていたので、なんとかバットに当てて事を起こそうという気持ちでした。低めの変化球にだけ注意しながら、浮いた球に対してしっかり振り切ることができたと思います」とコメントした。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)は八回途中で降板となった。力投を続けたが終盤に捕まった。4―1の八回、先頭の林に右前打を浴びると、代打・度会の当たりは遊撃へ。木浪が滑り込んで捕球し、二塁でアウトを奪う好プレーで1死一塁とした。しかし相性の悪い代打・山本祐に左翼フェンス直撃の二塁打を浴び、続く代打・宮崎に中前へ適時打を浴びて2点差に詰め寄られた。なお一、三塁と走者が残った状態で降板。2番手・石井にマウンドを譲った。一発を許せば逆転の場面で登板した石井は、牧を三ゴロに打ち取ったものの、続くオースティンの2球目で暴投。申告敬遠で満塁としたのち、岡田監督は3番手・桐敷を送り込んだ。2死満塁で桐敷は佐野を二ゴロに打ち取り、2点のリードを守った。
◆阪神は中盤に奪ったリードを守り切り、逆転で今季初の8連勝を達成した。エースの奮闘に打線が応えた。0―1の六回、1死二塁で森下翔太外野手(23)がジャクソンの4球目を捉え、打球は詰まりながらも遊撃手の頭上を越えて中前へ。8戦連続打点となる適時打で同点に追いつくと、なお一、三塁として大山悠輔内野手(29)適時打を放って2点目を加え、逆転に成功。坂本の2点適時打で突き放した。二回にノーヒットで1点を失った先発の村上頌樹投手(26)は、味方が逆転した後も続投。八回には1死二、三塁のピンチを招き、宮崎に適時打を浴びて降板した。石井、桐敷とつなぐ継投でこの回の失点を1点にとどめ、リードを守った。勝利した阪神は球宴後全勝。貯金も今季最多の「8」とした。巨人が敗れたため、首位広島に0・5差の2位に浮上した。
◆四回1死一、二塁、阪神・前川右京の中飛で二塁ベース空過で一塁に帰塁し、アウトとなった大山悠輔=横浜スタジアム(撮影・中井誠)
◆6回、降板する先発のDeNA・ジャクソン(中央右は三浦大輔監督)=横浜スタジアム(撮影・安部光翁)
◆阪神がリーグ最速50勝。勝率5割からの8連勝で、今季最多貯金とした。1点を追う六回、森下翔太外野手(23)、佐藤輝明内野手(25)、大山悠輔内野手(29)の3連打で逆転。さらに坂本誠志郎捕手(30)の2点打で4点を挙げた。村上頌樹投手(26)は自身2連勝で5勝目(6敗)。2点差に迫られた八回2死満塁で登板した桐敷拓馬投手(25)が佐野恵太外野手(29)を二ゴロに仕留めた。九回は岩崎優投手(33)が締めて、16S目(3勝3敗)。5試合連続2安打以上の佐藤輝は自己最長タイの11戦連続ヒット。森下は球団では2004年の桧山進次郎以来の8戦連続打点。チームは首位広島に0・5差の2位に浮上した。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=50勝42敗5分、観衆=3万3388人)。ーー桐敷が良く抑えた「良くって。普通やろ、だって、別にお前」ーー1日の巨人戦で登板がなかったから「球数も少なく行けたしな。まあ、そら、村上があそこ七、八回投げ切ってくれたら、それで済んだけどな」ーー1日とは違う勝ち方「いや、もう、今日はは五回まではアレやな。巨人戦の疲れやな。全然バットがなんかこう違うよな。雰囲気がな」ーー振れていない「うん」ーーそれでもジャクソンを攻略した「何か合わんな。前川もな。(これで)10タコなんよ。何か合わへんな。ジャクソンに」ーーワンチャンスで攻略「いやいや、もう3打席目やったからな、結局な、おーん」ーー六回は近本の死球から「ナイスデッドボールやん。全然合うてなかったからな」ーー中軸が当たっているから中野にも迷わずバント「まずはやっぱり同点にしといたらなというのがあるからな、後ろのピッチャー考えたらのう」ーー大山はミスを取り返した(四回1死一、二塁で前川の中飛に対し、一走で二塁ベースから空過帰塁でアウト)「そんなんお前、恥ずかしいであんなんで抗議したら。ルール知らんのか言うたんや。踏みかえんと全部アウトやん、なあ。笑われるで、あんなんで抗議しとったら。ちょうど見とったから、やられたなあと。なんか牧がすぐ言うたから、こらアカンわと。ルールやからの。ルールブックやから」
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は阪神・村上頌樹投手(26)にあえて苦言を呈した。打線がつながり、充実の救援陣を投入した8連勝だが、最大の功労者は八回途中まで投げた村上だろう。立ち上がりは球が引っ掛かり気味で珍しく制球がかなり乱れた。二回は3四死球など、らしくない姿で、早いイニングでの交代も予感した。が、ここを最少失点でしのぎ、三回1死一塁からの牧の打球を佐藤輝が素晴らしい守備で併殺に打ち取って立ち直った。ピンチ拡大でオースティンを迎えていたら、どうなっていたか。そこからは村上本来の抜群の制球でDeNA打線を寄せ付けなかった。ただし、八回は苦言を呈したい。下位打線からで油断したとは思わないが、簡単にストライクを取りに行っていた。完投が脳裏をかすめたのか。早打ちのDeNA打線だから、より慎重に投げてもらいたかった。村上はそれができる投手だから、あえて指摘しておきたい。とはいえ、ようやく投打の歯車がガッチリかみ合って、強い阪神が戻ってきた感じだ。
◆阪神がリーグ最速50勝。勝率5割からの8連勝で、今季最多貯金とした。1点を追う六回、森下翔太外野手(23)、佐藤輝明内野手(25)、大山悠輔内野手(29)の3連打で逆転。さらに坂本誠志郎捕手(30)の2点打で加点した。村上頌樹投手(26)は自身2連勝で5勝目(6敗)。2点差に迫られた八回2死満塁で登板した桐敷拓馬投手(25)が佐野恵太外野手(29)を二ゴロに仕留めた。九回は岩崎優投手(33)が締めて、16S目(3勝3敗)。5試合連続2安打以上の佐藤輝は自己最長タイの11戦連続ヒット。森下は球団では2004年の桧山進次郎以来の8戦連続打点。チームは首位広島に0・5差の2位に浮上した。主な選手と審判のコメントは以下の通り(成績=50勝42敗5分、観衆=3万3388人)。二塁空過に大山悠輔 「もう本当に自分のミスですし、中途半端にやってしまった。勝ってよかったなと思いますけど。かと言って勝ったから良かったねっていうプレーじゃないので。そこはもう反省しかない」(四回1死一、二塁からの前川の中飛に対し、一走で二塁ベースから空過帰塁でアウトに)大山のプレーについて、責任審判の笠原昌春氏(三塁塁審) 「空過していって、空過して帰ったということ。通り過ぎた時点で、絶対帰りも踏まないといけない。(場内説明がなかったことは)反省しております」六回の同点打に森下翔太 「スイングの軌道とかが良かった分、野手のいないところに落ちてくれた」六回の4点に佐藤輝明 「大きかったですね。誠志郎さんのタイムリーが」八回途中降板の村上頌樹 「投げ切りたかったので、申し訳ない。また投げさせてしまったなという気持ち」八回2死満塁で桐敷に交代した石井大智 「桐敷サマサマです」八回2死満塁の窮地を脱出した桐敷拓馬 「強気に攻めていこうと思っていたので、それが結果的に厳しいところ、いいところにいって良かったと思います」
◆DeNAは9連敗となった。1―4の八回に1死二、三塁とし、代打宮崎が適時打。しかし頼みの牧と佐野が倒れた。本拠地に戻っても苦境が続く三浦監督は「選手は最後まで必死に食らいついてくれたが...」と言葉を絞り出した。連敗中は牧が好機で打てておらず、チャンスメーカーの役割を期待して打順を4番から3番に変更。八回の重要な場面で打席が回ってきて凡退し、三浦監督は「どこにいてもチャンスで回ってくるのが牧という選手かな。乗り越えて一本出たら変わるはず」と願った。(横浜)
◆4番のバットの好調ぶりが、岡田虎に大型連勝を呼び込む。佐藤輝明内野手(25)が自己最多タイとなる11試合連続安打をマーク。夏の長期ロード初戦はつなぎ役をこなして貢献した。「いい見送り(方)もできていると思うので、それがヒットにつながっているかな」森下の同点打の直後、1-1の六回1死一塁でジャクソンのチェンジアップを捉え、右翼フェンス直撃の単打で一、三塁と好機拡大。その後の大山の勝ち越し打、坂本の2点打につなげ、「大きかったですね。(坂本)誠志郎さんのタイムリーが」と先輩をたたえた。この日は2安打1得点で5試合連続複数安打も記録。背番号と同じ「8」連勝と勢いは止まらない。「本当にチーム状態はいい。勝ちを伸ばしていきたい」と力を込めた。
◆桐敷がまたピンチを救った。先発の村上が八回に1点を失い、2番手の石井が2死満塁としたところでマウンドへ。佐野の内角を直球で攻め、最後はフォークで二ゴロに打ち取ってガッツポーズした。「強気に攻めていこうと思っていたので、それが結果的に厳しいところ、いいところにいってよかった」。リーグ最多46試合目の登板で、7月から14試合連続無失点と好投を続けている。
◆〝長喜ロード〟が快幕! 阪神はDeNAに4-2で競り勝ち、今季最長の8連勝。4連敗の巨人を抜き、2位に浮上した。1-1の六回1死一、三塁で大山悠輔内野手(29)が中前に勝ち越し打。2021年以来、3年ぶりのセ・リーグ最速で50勝に到達した。令和の岡田虎が得意とする夏の長期ロード。連戦連勝の季節がきた!一塁ベース上で苦笑いしながらガッツポーズをする。ベンチのナインが拳を突き上げた。ミスを犯しても大山が自ら帳消しにできる。そして、白い歯がこぼれる。めったに感情を表に出さない男が喜ぶ。これが今の猛虎だ。「なんとしてもランナーをかえしたいと思っていた。タイムリーになってくれてよかった」長期ロードが始まった。しかし、先発した村上が制球に苦しみ、チームとして4試合ぶりに先制を許した展開だった。0-1の六回1死二塁から森下が同点の中前打。続く佐藤輝が右翼フェンス直撃の安打で一、三塁。大山はフルカウントからファウルで粘って7球目。ジャクソンのチェンジアップをとらえ、執念で打球を中前へ運んだ。なおも2死満塁から坂本が中前に3点差に広げる2点打で昨年9月以来の8連勝を近づけた。
◆本拠地の横浜スタジアムに戻っても、トンネルから抜け出せない。DeNAは打線の組み替えが実らず、6安打2得点で9連敗を喫した。三浦大輔監督(50)は「みんな食らいついていったんですけどね...」と険しい表情を浮かべた。4番に座りながら得点圏での打撃が振るわなかった牧を3番で起用し、脳振盪(しんとう)特例措置による離脱から戦列復帰したオースティンを代わりに打線の中心に据えた。3点を追う八回はともに代打の山本と宮崎が村上から連打を放ち、1点を返したが、なお1死一、三塁で牧が三ゴロに倒れるなど後続が抑えられた。指揮官は牧について「悩んでいるところもあった」と明かし「牧のところでやはりチャンスが来る。そういう選手なのかな。ここを乗り越えて、一本出れば変わると思う」と奮起に期待を寄せた。(鈴木智紘)
◆石井が2番手で大事なアウトを積み重ねた。2点リードの八回1死一、三塁で村上に代わって登板。牧を三ゴロに打ち取って2死とした。オースティンへの2球目が暴投になり、申告敬遠で満塁としたところで桐敷にマウンドを託した。試合後はピンチを断った左腕に向けて「桐敷さまさまです」と3度繰り返してねぎらった。
◆振り抜いた力強さには見合わない勢いで、打球がフラフラ、横浜の空に上がる。誰も届かない人工芝の上にボールが落ち、阪神・森下翔太外野手(23)は力強く自陣のベンチに向かって雄たけびを上げた。真剣勝負の喜びを忘れない背番号1が、8戦連続打点でまた虎に勝利をもたらした。「スイングの軌道が良かった分、野手のいないところに落ちてくれた」効果的な攻撃を完遂した。先頭の近本が死球で出塁し、中野が1球で犠打を成功。1死二塁でこの日3打席目を迎えた森下は、ジャクソンの153キロ直球を捉えた。遊撃手の頭上をぎりぎりで越えて打球は中前へ。この同点打がこの回一挙4得点の呼び水にもなった。虎が積み重ねる白星は背番号1の一打とともにある。この適時打で7月21日の広島戦(甲子園)から、球団では2004年の桧山進次郎以来となる8試合連続打点を記録した。森下の絶好調に呼応してチームも8戦全勝と、まさに「森下が打てば勝つ」状態だ。
◆坂本が貴重な追加点を挙げ、投手陣を助けた。2-1の六回2死満塁で京山の初球の直球を左前へ弾き返す2点打で突き放した。「この球場は(狭くて)セーフティーリードがない。1点でも多く。(村上)頌樹もずっと頑張ってくれていたので」と胸を張った。出場5試合連続安打と打撃でも存在感を示し、マスクでも好リードした。
◆先制点を与えても、焦ることなくアウトを積み重ねた。阪神・村上頌樹投手(26)が八回途中まで2失点。DeNAから〝八度目の正直〟で白星をつかみ、セ・リーグ5球団勝利を達成した。「最少失点で粘っていけばなんとかなるかなという気持ちだった。野手のみなさんが逆転してくれて、後ろのリリーフの方も抑えてくれて、みんなに助けられたと思う」一回はいきなり先頭の桑原に中前打で出塁を許すも、2球続けたけん制で刺した。二回は3四死球で1死満塁され、林の中犠飛で先制を許したが、そこで踏ん張った。「テンポ良くというのは意識した」三回1死一塁で牧を83キロのスローカーブで併殺に斬ると、五回からの3イニングはオースティン、佐野、京田からすべて直球で三者三振を奪うなど流れを呼び込んだ。
◆アチ~! アチチチチ~!! 気温40度に迫ろうという日本列島に合わせるように、猛虎軍団が8連勝とアチィ~!! この虎の熱さを演出しているのは岡田監督に他ならないのだ!!2005年に通称『JFK』、ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の完璧なる勝利の方程式をつくりあげた岡田さんが、ひそかに後半戦は投手ではなく打撃陣の『CNM』を計画しているとは知らなんだ!!『CNM』とは近本が出塁して、中野が送りバントを決め、そして森下がタイムリー!! 本日の1点を追う六回は死球で出塁した近本を中野がバントで送り、森下がタイムリー。8連勝中、このパターンの得点が実に5試合もあるのだ!!(7月28日の中日戦なんてCNMで延長十一回サヨナラ勝利もあったやんかァ!)昨年のMVP投手、村上も5勝目オメデトウ!! てか~、この後、眠れるエース青柳も黙っていないだろうし、伊藤将も復活するし、虎の秘密兵器、高橋も出てくるよー!! 阪神の黒星がレアもんの後半戦になりそ~や!! ムフフ。
◆暑い。とにかく暑い。ヘロヘロになりながら阪神を見ている。でも、タテジマ戦士は立派だ。灼熱のハマスタで、投げるべき人が投げ、打つべき人が打っての8連勝。おめでとうございます。ふと見渡すと、プロ野球取材の風景に変化が起きている。DeNA担当の中に短パン着用の記者がいるのだ。そういえば、1日までのTG決戦in甲子園でも巨人担当には短パン記者が何人か。明らかに涼しげだ。選手が短パンで練習するのは、何年か前から広がってきているが、番記者までが...。聞けば、巨人・阿部、DeNA・三浦両監督が、担当記者の熱中症を心配して、監督通達として短パン着用を奨励しているんだとか。むか~しむかし、「死のロード」という言葉があった。夏の高校野球が開催中、阪神は本拠地・甲子園が使えず、ビジター球場を転戦する。暑い夏。移動が大変。複数選手で一部屋使用の不便さ。悪条件が重なって、チームの成績も急降下。かくして、生まれた言葉が「死のロード」。あれは1998年のこと。「死のロードで巻き返しまっせ」と当時監督・吉田義男が大号令を発したが、ロード突入と同時に4カード連続3タテを食らい、12連敗を喫したこともあった。
◆阪神にとって、好調を維持できるかどうか、キーになるゲームとみていた。7連勝して当たる相手は、8連敗のDeNA。そろそろ...の二重奏で、やりにくいものだ。実際、さきの巨人3連戦(甲子園)で計40安打、23得点を量産した打線が、この日は6安打。それでも、うち4安打を六回に集中して4得点。ここ一番での上手な点の取り方と、いやらしさを発揮したね。2点が入ってなお2死満塁の場面では、8番・坂本に代打を送るのではと一瞬、考えたけど、普通に打たせて、当たり前のように左前へ2点タイムリー。八回途中からは、これまた当たり前のようにリリーフをつぎ込み、失点を防ぐ。悠然と構え、微動だにしないベンチワークも、さすが。そこへもってきて、この日から〝天国のロード〟に入った。京セラでホームゲームが組まれるなど、ドーム球場での試合が随所にある。〝死のロード〟は過去の遺物。暑さをしのぎながら、どこまで走るかな。(サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 |
48 | 39 | 4 | 0.552 (↑0.005) | - (-) |
52 | 258 (+1) | 224 (-) | 35 (-) | 45 (-) |
0.231 (-) | 2.180 (↑0.02) |
2 (1↑) |
阪神 |
50 | 42 | 5 | 0.543 (↑0.005) | 0.5 (-) |
46 | 305 (+4) | 262 (+2) | 38 (-) | 29 (-) |
0.234 (↓0.001) | 2.240 (-) |
3 (1↓) |
巨人 |
49 | 42 | 5 | 0.538 (↓0.006) | 1 (↓1) |
47 | 285 (+2) | 258 (+4) | 51 (-) | 43 (-) |
0.236 (↓0.001) | 2.550 (↓0.01) |
4 (-) |
DeNA |
45 | 49 | 1 | 0.479 (↓0.005) | 6.5 (↓1) |
48 | 318 (+2) | 328 (+4) | 64 (-) | 46 (-) |
0.252 (↓0.001) | 3.060 (↓0.01) |
5 (-) |
中日 |
41 | 50 | 6 | 0.451 (↓0.005) | 9 (↓1) |
46 | 228 (-) | 303 (+1) | 40 (-) | 28 (-) |
0.235 (↓0.001) | 2.700 (↑0.01) |
6 (-) |
ヤクルト |
39 | 51 | 4 | 0.433 (↑0.006) | 10.5 (-) |
49 | 327 (+4) | 340 (+2) | 65 (-) | 44 (+1) |
0.238 (-) | 3.400 (↑0.02) |
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