阪神(☆9対2★)巨人 =リーグ戦18回戦(2024.08.01)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
20103201X91301
勝利投手:ビーズリー(5勝1敗0S)
敗戦投手:戸郷 翔征(7勝6敗0S)

本塁打
【巨人】オコエ 瑠偉(1号・6回表ソロ)
【阪神】佐藤 輝明(6号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神が7連勝。阪神は初回、前川の適時打で幸先良く2点を先制する。その後は、5回裏に前川と木浪の連続適時打が飛び出すなど、終わってみれば13安打で9得点を挙げた。投げては、先発・ビーズリーが6回2失点の好投で今季5勝目。敗れた巨人は、投手陣が精彩を欠いた。

◆巨人戸郷翔征がノーヒットノーランを達成した5月24日以来となる阪神戦に先発する。戸郷は通算50勝しているが、球場別の勝利数は本拠地の東京ドームの21勝が最多で、2位が甲子園球場の7勝(3敗)。敵地球場の中では甲子園球場で最も勝っており、完封勝ちした22年7月12日から4連勝中。ノーヒットノーランも甲子園球場でやっており、戸郷が2完封しているのは甲子園球場だけ。得意球場で今季8勝目を目指す。

◆巨人OBの上原浩治氏(49)と阪神OBの藤川球児氏(44)が試合前、甲子園歴史館が主催したトークショーに参加した。甲子園のバックネット裏に約250人を集めて開催。この日、100周年を迎えた甲子園にまつわる話題で盛り上がった。大阪出身でもともと阪神ファンだった上原氏は、幼少期に阪神-巨人戦を観戦した思い出を披露。阪神のエースだった藪恵壹が好きで、巨人はライバルだったはずだが「(阪神と巨人)どちらも応援していました」と笑わせた。プロになってからは7回裏の阪神攻撃前にスタンド全体から放たれるジェット風船が楽しみだった。先発として長いイニングを投げる責任も含め「そこまで投げるのが1つの目標だった。あそこ(マウンド)にいるのは自分だけ。最高のシーン」と打ち明けた。藤川氏は高知商2年夏に初めて甲子園出場した際の記憶が鮮明だと明かした。プロ入りしてすぐの新人時代、バックネット裏で伝統の一戦を観戦する研修があった。当時の巨人は清原和博、松井秀喜、高橋由伸らが並ぶ強力打線。「こんなの打ち取れるわけないと思った」と笑いを誘った。

◆阪神の女子チーム「阪神タイガースWomen」の中江映利加投手(26)が、試合前のファーストスイングセレモニーに登場した。マウンドから見事なストライク投球を披露。甲子園開場100周年のメモリアルデーを彩った。

◆甲子園球場が1日に開場100周年を迎え、入場者全員に観戦証明書と記念キャップがプレゼントされた。どちらも、この日しか手に入らないプレミアムなアイテム。午後5時30分ごろからは、セレモニーが予定されている。

◆阪神の川藤幸三OB会長(75)が試合前にグラウンドに登場した。「みなさん、おめでとう! 甲子園100周年をみなさんと喜び合えるのは、こんなにうれしいことはありません!」としみじみと言った。「自分の人生だけじゃなくて、この100年の間、いろんな方の人生そのものが、喜怒哀楽が、この甲子園にみんなが憧れてこられたんじゃないかなと思います」と思いを込め「今、こういう風にして整備されている阪神園芸のみなさん、甲子園に携わられた従業員のみなさんのおかげで100周年までこられた。ほんとにありがたい」と感謝の気持ちを忘れなかった。

◆阪神甲子園球場の100周年記念式典が行われた。シンガーソングライターのAI(42)が登場。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の主題歌にもなった「アルデバラン」を熱唱。甲子園のファンを沸かせた。その後、俳優の渡辺謙(64)の名前を呼ぶ際には「高倉健...!」と言い間違えるハプニングも。その後、訂正し笑いも見えた。主な出演ゲストは以下の通り。★俳優の渡辺謙(64)★阪神OBの吉田義男氏(91=日刊スポーツ客員評論家)★巨人OBの堀内恒夫氏(76)★巨人長嶋茂雄終身名誉監督の次女でスポーツキャスターの長島三奈さん(56)★世界的指揮者で大の虎党・佐渡裕さん(63)★フィギュアスケート女子の坂本花織(24)★タレントでモデルのアンミカ(52)★シンガーソングライターのAI(42)

◆甲子園球場開場100周年のメモリアルデーに、豪華な始球式が実現した。阪神OBで85年日本一監督の吉田義男氏(91=日刊スポーツ客員評論家)、巨人OBの堀内恒夫氏(76)が登場。7月26日に91歳になったばかりの吉田氏は、永久欠番となっている背番号23のユニホームで登場。全身を大きく使い、力強い投球を披露した。ノーバウンドで捕手には届かなかったものの、元気な姿を見せ岡田監督も笑顔だった。

◆阪神甲子園球場の100周年記念式典が行われた。 サイレンとともに映像の放映がスタート。「みなさん、こんばんは!」と渡辺謙(64)が登場。「世界はオリンピックで盛り上がっています。でも、ここの比じゃありませんよ。1924年8月1日、甲子園大運場として開場し、今日100周年を迎えました。100年にわたり、高校野球の聖地として、そして阪神タイガースの本拠地として数々の熱戦を繰り広げてきました。世界に誇れる球場をみなさんと一緒に楽しんでいきましょう」と話し、記念式典が始まった。能楽師の大倉正之助(69)の演舞からスタート。ミュージシャンでギタリストのMIYAVI、太鼓奏者・山部泰嗣らの演奏でゲストが登場した。阪神で2度の3冠王に輝き1985年(昭60)の日本一に貢献したランディ・バース氏(70)もサプライズで登場し、球場がどよめいた。主なゲストは以下の通り。★俳優の渡辺謙(64)★阪神OBの吉田義男氏(91=日刊スポーツ客員評論家)★巨人OBの堀内恒夫氏(76)★巨人長嶋茂雄終身名誉監督の次女でスポーツキャスターの長島三奈さん(56)★世界的指揮者で大の虎党・佐渡裕さん(63)★フィギュアスケート女子の坂本花織(24)★タレントでモデルのアンミカ(52)★早実(東京)で1年夏から3年夏まで5季連続で甲子園に出場した元ヤクルトの荒木大輔氏(60)★阪神で2度の3冠王に輝き1985年(昭60)の日本一に貢献したランディ・バース氏(70)★巨人OBの上原浩治氏(49)★阪神OBで球団本部付スペシャルアシスタント(SA)を務める藤川球児氏(44)

◆阪神OB藤川球児氏(球団本部付スペシャルアシスタント、44)が甲子園球場100周年の記念式典にサプライズで出席した。名前が呼ばれると、球場からは大歓声。現役時代さながらに球場を沸かせた。「今はユニホームを脱いで、普通に生活している自分では起こりえないこと。ファンのみなさんの記憶とともに残っているという意味では、自分の現役生活も非常にいい生活ができたのかなと思います」と振り返った。また、午前中には甲子園歴史館が主催したトークショーで対談した巨人OBの上原浩治氏(49=日刊スポーツ評論家)も同じく式典にサプライズ出席。「まさか自分が呼ばれると思っていなかったので。すごい舞台に参加できて、本当によかったなと思います」と振り返った。

◆阪神が巨人戸郷翔征(24)打ちに成功した。5月24日、同じ甲子園で無安打無得点試合を喫して以来の対戦。初回、いきなり先頭の近本光司外野手(29)が右前打。「ノーノー」の悪夢を振り払うと、さらに2四球で2死満塁とし、前川右京外野手(21)が右前に2点先制打を放った。甲子園会場100周年を祝う式典などイベントがめじろ押しで、試合前から異様なムード。特別な熱気に押されるように、鮮やかな先制攻撃を仕掛けた。

◆大の阪神ファンで知られる俳優の渡辺謙(64)が式典のスペシャルプレゼンターとして盛り上げた。開式宣言を行い、マイクレッドカーペットでゲストを迎え入れた。最後はシンガー・ソングライターのAI(42)から「高倉...」とまさかの「ケン違い」されるハプニングも、すかさず頭をたたくふりをして、逆に場内を大爆笑に変える役者ぶり。日米でさまざまなレッドカーペットを経験してきた名俳優でも興奮は収まらなかった。「最後、AIがかましてくれたので。もう笑いで終わりましたよ」と大笑い。「4万7000人って、そんな歓声って初めて聞くので。こう取り囲む感じで。でも、幸せやね、この球団は。(プレーボールの)6時前でこんなに客が入っているなんて、世界でないですよ。ドジャース戦だって始球式をやった時に半分くらいしか入っていないですよ。この球団は幸せやと思います。甲子園は独特、特別よね」甲子園には毎年、時間を見つけて観戦に訪れている。「1週間後くらいに行くぞ、となると、そわそわして地に足がついていない1週間前になる。来ている時は夢の中にいるような...そんな球場です」と甲子園愛が止まらなかった。岡田彰布監督(66)には「世代的に近いし、選手時代も監督になってからもずっと拝見しているので、身近な存在の監督でもあり、素晴らしい700勝も勝ってる監督ですから。すごい尊敬できる監督です」とリスペクトしていた。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が、甲子園球場開場100周年の節目の1日に快投を続けている。4回までパーフェクト投球。巨人打線を寄せ付けない投球を披露している。5回には三ゴロで一塁へ全力疾走し拍手を呼んだ。

◆8月1日で開場100周年を迎えた甲子園球場では、多くのイベントが行われた。試合前の記念式典を含め、主なトピックスは以下の通り。観戦証明書 来場者全員に観戦証明書、甲子園100周年記念キャップがプレゼントされた。特別公式球&増席 7月30日からの阪神-巨人3連戦は「KOSHIEN CLASSIC SERIES」と題し「阪神甲子園球場100周年記念ロゴ」を刻印した特別仕様のボールで試合が行われた。また、同じくこの3連戦はアルプス席の仕様を変更し、通常より多い4万7000人規模の座席を用意した。レジェンドOBトークショー 巨人OBの上原浩治氏と阪神OBの藤川球児氏が試合前、甲子園歴史館が主催したトークショーに参加。甲子園にまつわる話題で盛り上がった。女子虎参戦 「ファーストスイングセレモニー」に「阪神タイガースWomen」の中江映利加投手が登場。投手役を務め、見事にストライク投球。OB会長感慨 川藤幸三阪神OB会長が試合前にグラウンドに登場。「みなさん、おめでとう!」などと呼びかけボルテージを高めた。豪華演出 阪神甲子園球場100周年記念式典は午後5時35分からスタート。「特別な瞬間・祝祭感の共有」をコンセプトとして壮大なスケールの演出が実施された。総合演出は世界的なデザイン&イベントプロデュースチームの山本寛斎事務所が担当。外野芝生にはレッドカーペットが敷かれるなど華やかなだった。式典出席者は各界著名人 俳優の渡辺謙が式典のナビゲーターを務めた。阪神OB吉田義男氏、巨人OB堀内恒夫氏、巨人長嶋茂雄終身名誉監督の次女でスポーツキャスターの長島三奈さん、世界的指揮者の佐渡裕さん、フィギュアスケート女子の坂本花織、タレントのアンミカ、早実(東京)で1年夏から3年夏まで5季連続で甲子園に出場した元ヤクルトの荒木大輔氏、石井登志郎西宮市長が出席。サプライズで、阪神で2度の3冠王に輝き1985年(昭60)の日本一に貢献したランディ・バース氏、巨人OB上原浩治氏、阪神OB藤川球児氏も登場した。有名アーティストが盛り上げ 能楽師の大倉正之助、ギタリストのMIYAVI、太鼓演奏家の山部泰嗣、歌手AIも登場。MIYAVIは「栄冠は君に輝く」を演奏するなど甲子園を盛り上げた。

◆始球式で両球団のレジェンドが並び立った。阪神OBで85年日本一監督の吉田義男氏(91=日刊スポーツ客員評論家)はワンバウンド、巨人で通算203勝の堀内恒夫氏(76)はノーバウンド投球で沸かせた。吉田氏は「19歳で阪神タイガースに入りまして、72年間、選手、監督、それと解説者も含めてずっとご縁がありまして。甲子園は私の人生のような気がしますね。次の100年に向かって、より盛り上がるようにしてほしいですね。甲子園はたくさんお客さんが入り、選手はお客さんが育ててくれる。そういう球場だと思いますね」と感慨深げに話した。堀内氏は「やっぱり甲子園っていいね。投げていて面白いよね。本当に幸せでした」と笑顔。現役、巨人監督時代を振り返り「この球場に来ると、いいかげんにやっているとやられるから。気合が違うのよ。お客さんにやられちゃうから。選手がみんなおかしくなっちゃうのよ。監督やっていたときに2年間、勝てなかったのよ。みんな選手ちびっちゃう。あれは怖いね。技術じゃないから。お客さんの力ってあると思うよ。東京ドームもいっぱいになるけど、これほど熱狂的な応援はしないもん」と独特の雰囲気を強調した。

◆甲子園球場開場100周年のこの日、イニング間で甲子園にゆかりのある両球団のレジェンドからのメッセージ動画が放映された。巨人OBの松井秀喜氏は「甲子園はずっと憧れの球場でした。日本一の球場でありました。今後100年も憧れの場所として存在し続けてください」とコメント。巨人桑田真澄2軍監督は「僕は高校時代から甲子園に育てていただき、感謝しています。甲子園はこれからも野球の聖地であり続けると思います」とメッセージを送った。阪神OBからは小山正明氏、上田二朗氏、真弓明信氏、福留孝介氏、鳥谷敬氏らが登場。鳥谷氏は「土の球場の難しさ、そこに対して技術を上げていく楽しさも経験できました。一番はお客さんと非常に近い球場なので、いつまでも保って、難しいけど楽しい球場にしてもらえればと思います」。福留氏は「僕は阪神淡路大震災の年にセンバツに出させていただいて、甲子園でプレーできる喜びと周りの方々の支えがあって甲子園大会ができたっていうのが、すごく球場の思い出として残っています」と話した。

◆阪神甲子園球場の100周年記念式典にタレントでモデルのアンミカ(52)が登場し、レッドカーペットを歩いた。式典後、取材に応じたアンミカは式典にサプライズ登場したランディ・バース氏(70)や岡田彰布監督(66)との縁を明かした。「私、ランディ・バースさんが大好きで、優勝の年にバースさんのご自宅まで。私は岡田監督の家にも行ってるんですけど」家族全員が阪神ファン。バースの自宅前で写真を撮ってもらい、岡田監督とは実家が近く、サインを書いてもらったことがあるという。「お母さんに頼んでサインも書いてもらって、タイミングよく岡田さんが来られたこともあったりして」歴史的な式典に参加し「感慨深いです」としみじみ。「今日は阪神ファンの方も笑顔をくれて、それがなんか幸せでしたね。私も阪神が大好きな家族に育って、そうそうたる歴史を紡いできた方々と一緒にできたという喜びもあったんですけど。まさに阪神のファンが5万人近く集まって、もうすごく、こう生命力がなんか客席から感じられるのが、すごく伝わって震えました」と笑顔だった。

◆巨人オコエ瑠偉外野手(27)がプロ入り9年目で初めて、甲子園でアーチを描いた。6回、戸郷に代わって代打出場すると、阪神ビーズリーに2球で追い込まれながら、外角低めのスライダーをとらえ、バックスクリーンまで運んだ。今季1号となる甲子園での1発は、関東第一3年の夏以来。「先頭だったのでまずは塁に出ることを心掛けました。しっかりとらえる事ができました」と5点を追う展開の中で、反撃ムードをバットで漂わせた。

◆阪神が巨人戸郷翔征(24)へのリベンジを果たした。3-0の5回、前川右京外野手(21)の右前打、木浪聖也内野手(29)の2点三塁打で3点を加えた。次の攻撃で巨人は戸郷に代打を送った。戸郷の6失点は今季ワースト。月24日に、同じ甲子園で無安打無得点試合を喫して以来の対戦だった。初回、先頭の近本光司外野手(29)の右前打に始まり、前川が右前に2点先制打を放って主導権を握っていた。

◆阪神甲子園球場の100周年記念式典に巨人長嶋茂雄終身名誉監督の次女でスポーツキャスターの長島三奈さん(56)が登場した。1998年から13年までテレビ朝日系「熱闘甲子園」を担当するなど甲子園と関わりが深い長島さん。式典後に「100年に1度の貴重な大切な日に、聖なる甲子園の中に一歩足を踏み入れられて、今はすごく感極まっている」と感慨深い様子だった。甲子園のファンに向け「とにかく今日は100年目ということで、200年目、300年目、これから次の世代の方たちに、どんどん野球を愛する気持ちと野球の素晴らしさ、思いをつないでいって、どんどん200年、300年と続いていってほしいなと思います。一緒に応援していきたいです」とメッセージを送った。

◆阪神村上頌樹投手(26)が夏の長期ロード初戦となる2日の敵地DeNA戦に先発する。4月2日の前回対戦では3回5失点(自責1)と打ち込まれた。「今は勝っていないかもしれないけど、打撃は怖いので、気をつけてやっていきたい。チームも本当に良い状態なので、その波に乗っていけるように」。セ・リーグで過去唯一白星を挙げられていない相手を倒し、5勝目を目指す。

◆阪神森下翔太外野手(23)が前日の"騒動"をものともせず、また適時打を放った。6回1死二塁で2番手中川皓太(30)から左前に打ち返し、7点目を挙げた。前日7月31日には平内龍太投手(26)から顔面付近にブラッシュボールを受け、怒りをあらわにした。その打席で、適時打を放ってお返ししていた。平内のマウンドでの態度などを見た岡田彰布監督(66)が「情けないと思ったわ。なんか笑ろうてる姿見たら。伝統の一戦にならんよ」とあきれていた。この試合はここまで、前日の影響を感じさせるようなプレーは出ていない。

◆巨人大城卓三捕手(31)が右脇腹付近に死球を受け、途中交代した。7回先頭、カウント1ボールから阪神岩貞祐太投手(32)の149キロ直球が右脇腹付近を直撃した。そのまま大城卓は苦悶(くもん)の表情を浮かべ、うずくまった。代走に若林が送られ、ベンチに退いた。

◆阪神岩貞祐太投手(32)が痛恨の死球を与えた。7回に2番手で今季初登板。先頭の大城卓に直球を投げ込んだが、これが抜けて右脇腹付近に直撃。大城卓は倒れ込み、途中交代となった。

◆阪神前川右京外野手(21)が初の1試合3適時打を記録した。まずは初回に先制2点右前打。5回にも右前打で1点を加え、迎えた6回。中前にしぶとくはじき返して走者2人を迎え入れた。一塁塁上ではベンチに向かって、両手を広げて鳥のはばたきのようなジェスチャーで喜びを表現した。佐藤輝明内野手(25)が前川のまゆげがカモメのように湾曲していることから、あみ出したもの。1カ月ほど前から率先して始めた佐藤輝は「カモメポーズでいいんじゃないですか」とPRしていた。

◆阪神が甲子園100周年の記念日を今季最長に並ぶ7連勝で飾り、貯金を今季最多タイの7とした。首位巨人に3連勝となり、ゲーム差を一気に0・5まで縮めた。同一カード3連勝は6月7~9日の西武戦(甲子園)以来。「伝統の一戦」の3連勝は今季初めて。5試合連続の2ケタ安打は22年6月22日広島戦~26日中日戦以来2年ぶりとなった。聖地での阪神戦4831試合目を快勝で飾り、勢いが止まらない。試合前に豪華な甲子園100周年記念の式典が行われた直後、初回に一気に流れを引き寄せた。先頭の近本が右前打で出塁し、佐藤輝と大山の四球で2死満塁。ここで前川右京外野手(21)が巨人戸郷のフォークを捉え、右翼へ2点先制適時打を放った。3回に木浪誠也内野手(30)の左前適時打で1点を追加。3-1で迎えた5回は2死一、二塁から再び前川の右前適時打で4点目。なおも一、三塁で木浪が左翼への2点適時三塁打で続き、この回3点を追加した。6-2で迎えた6回には森下の左前適時打、前川のプロ初となる1試合3本目の中前適時打でリードを広げると、8回に佐藤輝明内野手(25)が6号ソロを放ち、快勝に花を添えた。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は4回まで1人の走者も許さないなど、6回3安打2失点で今季5勝目。この日は昨年生まれた第1子の長男ウェスリーくんの誕生日。甲子園と愛息、ダブルのバースデーを祝う白星となった。阪神は4連敗のあとに7連勝。2日DeNA戦(横浜)からスタートする長期ロードへ、これ以上ない弾みがついた。

◆阪神甲子園球場の100周年記念式典に、世界的指揮者で大の虎党・佐渡裕さん(63)が登場した。佐渡さんは参加したことに「こんな光栄なことは無いなと思いました。もう本当に圧巻の景色でした」と感謝。甲子園と同じ西宮市にある兵庫県立芸術文化センターの芸術監督を務めており「うちの劇場は街の心の広場のようになりたいと思って、そういうのをスローガンにやっていますが、まさにそれの理想がこの甲子園だなと思いました」と佐渡さんならでは視点でたたえた。幼稚園児の頃から阪神ファンというフィギュアスケート女子の坂本花織(24)も登場。「まだまだ自分は歴が浅いんですけど、それでもこういう場に呼んでもらえたことはすごく驚きだし、自分のことのようにうれしいなと」と笑顔。式を終え「お客さんの熱気もすごいある」。静かに応援するフィギュアスケートの選手だからこその感想を語った。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)がダメ押しの今季6号ソロを放った。6点リードの8回1死。この回から代わった右腕船迫の139キロ変化球を捉えた。右翼ポール際に高く上がった打球は切れることなくスタンドイン。大歓声の中、ゆっくりとダイヤモンドを回った。7月3日広島戦(マツダスタジアム)以来、93打席ぶりの1発。この日3本目の安打となり、今季3度目の猛打賞を記録した。

◆甲子園開場100周年を迎えた節目の1日を、阪神が大勝で飾った。試合後のお立ち台には、ジェレミー・ビーズリー投手(28)、前川右京外野手(21)、木浪聖也内野手(30)、佐藤輝明内野手(25)が登場。異例の4人選出となった。3安打4打点と大暴れした前川は甲子園について「本当に成長させてくれる場所。感謝の気持ちを忘れずに、これからも頑張りたいなと思います」と語った。お立ち台での各選手一問一答は以下の通り。<ビーズリー>-いまの気持ちを「サイコウデース!」-どんな意識でマウンドに「今日は100周年ということで皆さんにとってすごい特別だと思うんですけど、今日はしっかりゲームに集中することができたので良かったですし。攻撃陣がすごく点を取ってくれたので、よかったと思います」-甲子園はどんな球場か「本当に今までにないくらいの、素晴らしい球場だと思います」-息子の誕生日でもあった「今はちょっと少し感情的になってますけど、今日の勝ちは息子にささげたいなと思っています」-ファンへ「自分の全力を尽くしてチームの勝利に貢献しますし、チームはこれからも勝つと思うので。応援よろしくお願いします」<前川>-どんな意識で試合に「相手も巨人だったので。絶対勝ちたかったので、強い気持ちで行きました」-先制打はどんな意識で「先輩たちがつないでくれたチャンスだったので。僕も大声援に背中を押されて行けたので、よかったです」-勝負強かった「2本目のタイムリーの時に、(木浪)聖也さんが『右京行ってこい』と言ってくれたので。そのおかげで打てました」-甲子園への思いを「本当に成長させてくれる場所なので。感謝の気持ちを忘れずに、これからも頑張りたいなと思います」<木浪>-大歓声は「最高でーす!」-五回裏のタイムリーの意識は「右京が前で打ってくれたので、自分も絶対打つという気持ちで打って。最後まで走れて、タイムリーになってよかったです」-6、7番で7打点「右京と一緒に活躍できたのはすごくうれしいですし。まだまだこれから、みんなと一緒に頑張っていきたいと思います」-甲子園はどこが一番好きか「ファンのみんなです!」-今後の戦いに向けて「まだまだ波に乗っていけるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!」<佐藤輝>-今の気持ちを「僕にとってはここは地元ですし、本当に親しみのある球場で。そんな記念の日に打てて、最高です!」-8回の打席はどんな意識で向かったか「ランナーもいなかったので、大きいのを狙ってました」-ダイヤモンドを1周して「甲子園でホームランを打つのはすごく久々だったので。うれしかったです」-甲子園はどんな球場か「本当に親しみのある球場ですし。何よりこのファンの声援というのが、本当に日本一だと思います」-勝ってチームは7連勝「本当にね、最近は打つ方がつながって、点を取れているので。もっともっと打って、勝ちを積み重ねていきたいと思います」-ファンに向けて「もっと打って連勝を伸ばしていけるように頑張ります!応援よろしくお願いします!」<前川>-しばらく甲子園を離れる。ファンに向けて「明日からいっぱい勝って、甲子園に戻って来れるように頑張ります!応援よろしくお願いします!」【

◆阪神が甲子園100周年の記念日を今季最長に並ぶ7連勝で飾り、貯金を今季最多タイの7とした。首位巨人に3連勝となり、ゲーム差を一気に0・5まで縮めた。5試合連続の2ケタ安打は22年6月22日広島戦~26日中日戦以来2年ぶり。聖地での阪神戦4831試合目を快勝で飾り、勢いが止まらない。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。-甲子園100周年で勝った「いやいや、みんなわかってるんでね。もう初回からね、ほんとね、タイムリーもいいタイムリーも出たし。3試合すべてですけどね、とくにきょうはいい攻撃やったと思いますね」-ポイントをあげるなら「やっぱり先制でしょうね。初回ね、点とれて。ちょっと、ツーアウトからね、点とれるっていうかね。それは大きいですね。5回ですか」-前川は3本のタイムリー「昨日はね、左だったのでね、スタメンじゃなかったですけど、きょうに備えてたんじゃないですか(笑い)」-木浪にもタイムリーが出て、下位打線が好調「流れ的にね、イニングの最初ね、どこからの打順でもね、チャンスを作れるというかね。そういう形でね、この三連戦はよくタイムリーが出ましたね」-盛り上がったなか、佐藤輝にも本塁打が出た「ねぇ、いい締めじゃないですか」-ビーズリーは6回2失点「ずうっとね、巨人戦ね、いいピッチングして打たれてないんでね。まあだから初回みても、暑い中だから、6回くらいまでいってくれればなと思ってたんですけどね。援護点、先にもらったんで、安心してまてましたね」-球宴を挟んでこれで7連勝「いやいや、勝ちは積み重ねなんでね。その結果が7つ続いたんですけど、まあまだまだこれから勝負の月、8月に入っていくので。ま、これを継続していったらいいと思いますけどね」-連勝の勢いを持って、あすから夏の長期ロードに向かう。「3週間くらいですか。まあ京セラはありますけど、それまでに1つでも2つでも貯金を殖やして、帰って来てからが本当の勝負になるんじゃないかなと思っているので、一つ一つ積み重ねてきます」

◆阪神が甲子園100周年の記念日を今季最長に並ぶ7連勝で飾り、貯金を今季最多タイの7とした。首位巨人に3連勝となり、ゲーム差を一気に0・5まで縮めた。5試合連続の2ケタ安打は22年6月22日広島戦~26日中日戦以来2年ぶり。聖地での阪神戦4831試合目を快勝で飾り、勢いが止まらない。阪神岡田彰布監督の一問一答は以下の通り-いいことずくめの試合「なあ、今日が一番良かったな」-今季のベストゲームか「初めてちゃうか。4人が投げなかったというのは。まあ昨日の今日やからな、そら気合も入ってたやろうしな、後ろの3人もな」-節目の試合で自身も期するものがあったか「いやいや、そんなもん、全然それは関係なかったけどな。ちょうどね、巨人、8月1日いうのは最初から分かってることやけどな。そこで巨人になって、これでロード出る最後の甲子園の締めやったからな、おーん。そういう意味ではみんなね、当然分かってることやから、この3連戦の重要さっていうのはね。ほんと、そういう記念の日にいい勝ち方できてほんと良かったと思うけどね」-いい形でロードに出て行ける「まあ、ロードいうても、あんまりそういう感じじゃないけどな、おーん。まずな、今度6試合外やからね、それからドームなるんで、もうちょっと頑張らなあかんな外で、暑い中頑張らな、みんな(笑い)」-6連戦でいい形を見せたいと語っていた目的は達成できた「いやあ、それは当然達成できてるよ。まあ、これでやっと先発ピッチャーっていうか、ちょっとは信頼得たんじゃない、打線、打つ方も。やっぱり勝ち星が先発についてるんで、そのへんは大きいと思うけど」-前半あれだけ悩まされて、なぜこれほど変わるものなのか「いや、代えたからや。代えたからやろ、いろいろと」-もう大丈夫か「いやあ、そら分からん、それは、おーん。今みんながけっこう調子いいからなあ。そういう時はけっこう怖いけどな、みんなが下がってきた時はな。2、3人ちょっと打てんのもおっていいんやけどね、今みんないい感じで打ってるからな。これはもう、そんなん『打つな』とは言われへんし。これはもう継続していくしかないよな、みんながな」-前半戦はみんな悪かった「そやねん。だからみんな良うなったんやろ、みんな悪かったからなあ。でもなあ、前半良かって後半悪なるよりはええよ。後半尻上がりに良くなっていく方がな。これからが本当の勝負やんか」-7番に置いた木浪がよく機能している「いやいやこれはもうあれや、3人制にしてな後半、あそこに代打代打を2人行こうと思っとったからな。それで並べたんよ、2人。まあ、キャッチャーのとこが一番、確率的にも悪かったからな、2人で2割ぐらいやからな、おーん。一気に勝負どころではもう連続で代打、代打の方がな今、結構打てるからな、だから並べたんよ。だからね、木浪は今小幡がいてないから、代えれんからな、おーん。そういうことで、7、8を代えたんよ、ちょっとな。一気になんかチャンスがあったらな、行くつもりで、2人」-結果的にかみ合って打線全体に「そうやな、おーん。かみ合ったというか、代打出してないやん。準備はそういう準備でそういうふうにしたわけやからな。それも準備してるからな、必要なかったかも分からんけどな」-優勝争いのライバル巨人に3タテは今後のいい布石にも「そうやなあ。まあ3タテとかは思ってなかったけどな。終わってみれば本当にいい3連戦やったけどな」-セレモニーもあり、普段との雰囲気の違いは「いやいや、まあ普通に見てただけよ、それは」-ロードから帰ってからが勝負。それまでは混戦が続きそうか「どのくらいや。(残り)30切るくらいか。ま、そっからやろな、うん」-それまで貯金を増やしていく「いやいや、そんなの積み重ねや。今は貯金とかそんなの考えてないよ。まあ、体勢を整えるというかな。調子悪かった分、打順とかいろんな面で機能するようにとか、それがなんか一気にな、徐々にでなしに、一気にな、いい形になったよな」

◆伝統の一戦で屈辱の3連敗を喫した巨人阿部監督が、怒りを押し殺すように言葉を並べた。「悔しいのひと言に尽きるし、これで悔しいと思ってない人は野球を辞めた方がいいと思う。またやり返せるチャンスがあるので。切り替えるしかない」。2試合連続でワーストタイの9失点で敗れ、今季5度目の同一カード3連敗。広島にゲーム差0で勝率で上回られて首位陥落。悔しくないはずがない。満を持して木曜ローテで託した若きエース戸郷が初回から崩れた。連続四球で走者をためて、適時打を浴びる悪循環。3回も5回も繰り返して今季ワースト6失点を重ねた。「自滅だよね。全部四球が点に絡んでいるから。みんな(雰囲気に)のまれちゃってるよね」と阿部監督。開場100周年を祝う甲子園は、いつも以上に逆風が吹いた。「東京戻って1つも落とせないつもりで、次の阪神戦までやって欲しい」と奮起を促し、リベンジを誓った。

◆巨人オコエ瑠偉外野手(27)が甲子園初アーチを放った。6回先頭、代打で阪神ビーズリーの130キロスライダーをバックスクリーンに運んだ。通算12号は今季1号。高校3年夏の甲子園準々決勝で9回に決勝2ランを放った時以来、プロ9年目で聖地の1発に「甲子園であまりプレーをしたことなかったので、うれしい。1打席、1打席必死。いい日に打ててよかった」。8回先頭の左前打も含め2安打1打点と敗戦の中で躍動した。

◆両球団のレジェンドからのメッセージ動画が放映された。巨人OBの清原和博氏は「自分を育ててくれた場所です。これからも少年たちの夢の甲子園であってほしい」とコメント。松井秀喜氏は「今後100年も憧れの場所として存在し続けてください」と言い、巨人桑田真澄2軍監督は「高校時代から甲子園に育てていただき感謝しています」と続いた。阪神OBの真弓明信氏は「一番の思い出は日本一」とし、鳥谷敬氏は「土の球場の難しさ、技術を上げていく楽しさも経験できました」と続けた。小山正明氏、田淵幸一氏、上田次朗氏、掛布雅之氏、福留孝介氏らも登場した。

◆3連敗を喫した巨人がブルペン陣を入れ替える。試合後、中川皓太投手(30)泉圭輔投手(27)の2軍再調整が決まった。中川は1回3安打2失点で、7月30日阪神戦の1回3安打3失点に続き、打ち込まれた。泉は1回1安打無失点に抑えたが、同31日に2回5安打4失点を喫していた。2日のヤクルト15回戦(東京ドーム)からは高橋礼投手(28)、田中千晴投手(23)が1軍に昇格する。イースタン・リーグで高橋礼は7試合2勝1敗、防御率2・56、田中は17試合2勝3敗、防御率4・69だった。

◆阪神木浪聖也内野手が2安打3打点の活躍でメモリアル勝利に貢献した。2点リードの3回に左前に適時打。3点リードの5回には左越えの2点適時三塁打で貴重な追加点をもたらせた。「こういう記念すべき日に勝てたので良かったです」と会心だ。後半戦は5試合連続安打と好調。「良くなって来ているので、継続できるようにやることが一番大事。自分の役割をしっかりやることしか考えていないです」と引き締めていた。

◆阪神ビーズリーが節目の試合で巨人キラーぶりを発揮した。4回までは1人の走者も許さない完全投球。5、6回にそれぞれ1点を失ったが、いずれも最少失点で踏ん張った。「今日は特別な一日になった。ここで勝つと0・5ゲーム差。一番そこがモチベーションだった。勝って差を縮めるということに今日は集中できたね」7月15日巨人戦(東京ドーム)以来の実戦登板。シート打撃に登板するなどで調整を行ってきた。6回3安打2失点で今季5勝目。これで今季の巨人戦は18回2失点で3戦3勝だ。この日は昨年生まれた長男ウエスリーくんの1歳の誕生日。試合序盤は球場で観戦しており、モチベーションにもつながったという。お立ち台では「今日の勝ちは息子にささげたいと思っています」と笑顔。家族にとっても大切な1日に、パパが最高のプレゼントを贈った。【波部俊之介】

◆右京コールが止まらない。阪神前川右京外野手(21)がプロ初の1試合3タイムリー。「チャンスで1本打ちたかった」と胸を張った。自身のまゆげが発端になった「カモメポーズ」に続き、ベンチを軽く指さす。SNSで流行のカンカンカンダンスを決めて、ナインと喜びを分かち合った。初回2死満塁で、右前に先制決勝の2点打。「2死満塁だったので、凡退したら流れを持っていかれるかなと思った」。2カ月前にノーヒットノーランを食らった戸郷の出ばなをくじくと、5回は詰まりながら右前へ運び3点差に拡大。内角直球を想定しながらスライダーを「いっちゃえ」と強引にたたいた。6回は左腕中川から。2日前にやられたスライダーを拾って中前へ。リードを6点に広げる8点目。カン、カン、カンと今季3度目の猛打賞で自己最多タイの4打点。技術と強い精神力の結晶だった。智弁学園で1年夏から4番で甲子園出場。3年春、そして最後の夏は準優勝。甲子園の申し子が甲子園のメモリアルゲームで光り輝いた。高校時代とは全く違う雰囲気に「すごかったです」と目を見開き「甲子園を目指してやってきて、今は本拠地でできている。感謝の気持ちを忘れず、これからも」とうなずいた。ドラフト4位指名され、入寮を控えた21年の暮れ。当時の矢野監督が前川の1軍キャンプ抜てきをにおわせる発言を見聞きした。自分も強気な態度を取っていたが内心は違った。「1年目は無理。プロで3年できるかどうか」。出身の津ボーイズ関係者に本音を吐いた。そんな弱気は猛練習で押しつぶし、その3年目はクビどころか毎日のようにラインアップに名前がある。そしてこの日、何としても勝ちたいメモリアルゲームでV打点。しかも前回無安打無得点を許した戸郷にリベンジを果たした価値は大きい。「みんなが強い思いを持っていた」。次の100年へ。1軍最年少の21歳が、希望にあふれる白星を刻んだ。【柏原誠】

◆甲子園誕生100年の節目を快勝で飾った阪神岡田彰布監督(66)に満足の笑みが浮かんだ。「今日が一番良かったな。3試合すべてだけどね、特に今日はいい攻撃やった。終わってみれば本当にいい3連戦やったけどな」。メモリアルシリーズの3連戦で巨人をスイープ。しかも投打がっちりの快勝で、ライバルを首位から引きずり下ろした。「みんな当然分かってることやから、この3連戦の重要さは。記念の日にいい勝ち方できて本当良かったと思うけどね」。前半戦の貧打がうそのようだ。全員が打って、打って、打ちまくり、第2次岡田政権では初となる、2年ぶりの5試合連続2桁安打。「そういう時はけっこう怖いけどな、みんなが下がってきた時はな。これはもう、そんなん『打つな』とは言われへんし」。手応えに、うれしい悩みまで浮かんできた。岡田監督自身、甲子園の申し子だ。幼少期は父勇郎(いさお)さんに連れられて阪神戦を観戦。北陽高(現関大北陽)1年時には夏の甲子園に出場。85年に阪神初の日本一に貢献した聖地で、今は采配を振る。リーグVは2度とも甲子園で胴上げされた。この日は陽子夫人が今季2度目の観戦。「本当に勝てて良かったです。みなさん仲良しだから、一気に目を覚ましてくれたみたい」と胸をなで下ろした愛妻に、最高の白星を届けることもできた。最高の形で2日の敵地DeNA戦(横浜)から始まる約1カ月の長期ロードに出発する。「前半良かって後半悪なるよりはええよ。後半尻上がりに良くなっていく方がな。これからが本当の勝負やんか。帰って来てからが本当の勝負」。3位ながら首位広島まで3チームが0・5差でひしめく大混セ。逆転リーグ連覇へ手綱を締めた。【磯綾乃】岩貞(7回に今季初登板。先頭大城卓に死球を与えながらも1回無失点)「大城選手には申し訳ない。その後は抑えられたので、よかったと思います」漆原(9回に登板し3者凡退で無失点。前日は1回持たず降板)「投げると決まってからは昨日やられた分をやり返すと思いを持った。気持ちだけは負けないようにとマウンドに立って抑えられました」岡田監督の甲子園球場での勝利数は阪神で246勝、オリックスで5勝の合計251勝(157敗14分け)。甲子園球場で行われた公式戦は1リーグ時代から通算5620試合になるが、同球場での通算監督勝利数は、1位が巨人や阪神などで指揮した藤本定義監督379勝、2位が岡田監督251勝、3位が吉田義男監督250勝。岡田監督がこの日の白星で吉田監督を抜いた。阪神甲子園球場 1924年(大13)3月11日に起工し、同年8月1日に完成した。この年が、十干十二支のそれぞれ最初の「甲」(きのえ)と「子」(ね)が重なることから「甲子園」と名付けられた。設計は阪神電鉄の野田誠三氏。「ヤンキースタジアムが世界一なら東洋一の野球場をつくれ」との方針により、米国雑誌などから球場を分析、設計したとされる。56年に照明灯設備が整い、ナイターが可能に。84年には電光式スコアボードが完成し91年ラッキーゾーンを撤去。09年3月から球場リニューアルを行い、銀傘の架け替えや新照明塔を設置するなど、改修を重ねてきた。通常時の収容人員は4万3359人。所在地は兵庫県西宮市甲子園町1の82。

◆阪神初代日本一監督の吉田義男氏(91=日刊スポーツ客員評論家)が甲子園球場開場100周年に際し、本紙に特別寄稿した。始球式に招かれたレジェンドは「甲子園は人生そのもの。永遠であってほしい」と願った。【聞き手=寺尾博和】甲子園のメモリアルデーにマウンドに立てるとは、思ってもいなかった。長生きしたかいがあります。しかも"伝統の一戦"です。胸が熱くなった。少し前からノーバウンドのつもりで投げたが、ちょっとそれた。ごめんなさい。わたしの自宅の応接間には、今も"甲子園の土"が飾ってあります。1950年(昭25)、夏の甲子園大会に山城高(京都)の「1番ショート」で出場し、北海高(北海道)に3-5で敗れた試合後にかき集めたものです。その土が、吉田と甲子園、そして阪神をつないでくれた。太平洋戦争で大鉄傘が供出されて取り外され、内野にジュラルミン製の銀傘が復活するのは翌51年でした。なんと広いのかと思ったし、打っても、守っても、まぶしくて真っ白だった覚えがあります。山城に編入する前の48年は、学生改革で廃校になる京都二商に在籍。第1回大会になる春のセンバツを経験したのが15歳で、決勝の京都一商戦をベンチ入りしない補欠としてスタンドで応援しました。いわゆる伝説の"京都対決"です。戦前から盛んだった中等野球は「高校野球」に名を変えます。立命大を経て、阪神タイガースで現役生活17年、3度の監督を計8シーズン務めて、今もネット裏から古巣をみている。甲子園との付き合いは76年、甲子園は人生そのものといっても過言ではない。甲子園は野手を育てる厳しい球場です。新人で38失策、2年目が30失策で、ベンチに帰ると先輩から「何しとるんや!」と叱られた。昔はもっと海が近くにあった。試合後、いわし、イカ釣りに出かけたものだが、今より風が強かった。特に銀傘より上に上がったフライは浜風で急に行方を変えるから、目を離すと落球しかねませんでした。ファンブルも、トンネルもした。下手なわたしがそれなりに育ったのは、監督の松木謙治郎さんが使い続けてくれたおかげです。人間は失敗して成長します。体が小さいので、バットを振らないと寝つけず、いかに捕ってから早く投げるかにこだわった。でも名物グラウンドキーパーで「じいやん」こと藤本治一郎さんが「きょうのグラウンドはどうやったか?」と気遣ってくれた。今のようにイニングの合間に整備が入ることはなかったので、「鏡の如し」といって整地に心血を注いだのは伝説です。わたしの監督生活で印象深いのは、なんといっても1985年のバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発です。今も語り継がれるのは、舞台が甲子園だったから。そういえばラッキーゾーンに観客を入れたこともありました。浜風が吹く球場は、左打者には不利と言われますが、掛布とバースは本塁王のタイトルを獲得しました。それはラッキーゾーンがあったからではなく、左右に打ち分ける技術を身につけたからに他なりません。戦争も、震災も乗り越えた"聖地"は、これからもリニューアルを重ねながら有り続ける。甲子園は永遠に不滅だ。黒土、芝、浜風、ツタには、ずっと変わらずにいてほしい。そして先人が紡いだ伝統の継承にこだわり、大切にしたい。それが阪神で育ったわたしの強い願いです。おめでとう甲子園、ありがとう甲子園...。

◆阪神が甲子園100周年のメモリアルゲームで巨人に快勝し、今季最長タイの7連勝を決めた。5試合連続2桁安打で9得点の猛攻締めは4番、佐藤輝明内野手(25)の6号弾だ。6点リードの8回に猛打賞となる93打席ぶり、甲子園では実に102日ぶりの祝砲を打ち上げ、最高のフィナーレに導いた。チームは3位ながら首位広島に0・5差に肉薄。2日のDeNA戦(横浜)で始まる真夏の長期ロードに最高の弾みをつけた。佐藤輝が甲子園に愛された。8回、船迫の内角139キロカットボールを強振。打席で打球のゆくえを凝視した。切れない。右翼ポールの内側だ。ダメ押しの93打席ぶり6号ソロで7点差。4番の祝砲に、今季最多4万7181人が入った100周年の聖地が揺れた。甲子園アーチは4月21日の中日戦以来、実に102日ぶり。異例の4人が登場したお立ち台で破顔した。「僕にとって、ここは地元ですし、本当に親しみのある球場。そんな記念の日に打てて最高です!」甲子園とともに大きく育ってきた。西宮市出身。小学生の時は自宅から自転車で高校野球を見に行った。小学6年時には市内の体育大会で、甲子園の芝生の上で組み体操をした記憶もある。仁川学院(兵庫)では近くて遠かった。3年夏は県大会初戦でコールド負け。青春時代、甲子園はプレーする場所ではなく「野球を見に行く場所」だった。転機は大学時代。関西学生野球のリーグ戦。近大の一員として甲子園でプレーした。雰囲気に圧倒...はされなかった。いつも見てきた、通ってきた球場だから。「その時は、甲子園も、ある意味、普通の球場なんだなと思いましたよ」。西宮で育った男にとって甲子園はホーム中のホーム。大歓声を力に変えることができる。プロになった今も、それは変わらない。5回と6回は右前打に運び、今季3度目の猛打賞。「何よりファンの声援が、本当に日本一だと思います」。プロにならないと体感することはなかった感覚だ。メガホンを持ってスタンドで応援した時も、プロになって酸いも甘いも味わった時も。いつも見守り続けてくれた甲子園。すべての感謝をバットに乗せた。4番が宿敵にトドメをさし、チームは5試合連続2桁安打、さらに9得点の猛攻で中日戦に続いて2カード連続同一カード3連勝だ。7連勝は今季最長タイで貯金7も最多タイ。背番号8はこの7連勝中、打率5割、1本塁打、8打点と驚異の成績でけん引している。首位広島に0・5差に迫り、2日からは真夏の長期ロード。次に聖地に帰るのは8月30日だ。「打って勝てればいい」。そう宣言した甲子園の主役は、どこまでも頼もしい。【中野椋】阪神の7連勝は今季4月14日中日戦~24日DeNA戦7連勝に次いで最長タイ。球宴明け初戦の26日中日戦からは6連勝。これは79年の後半戦開始6連勝以来、45年ぶりの好発進だ。今季の同一カード3連戦3連勝は、7月26~28日中日戦に続き2カード連続4度目。巨人戦に限れば、23年9月12~14日(甲子園)以来で今季初。甲子園での巨人戦で全試合3点差以上での同一カード3連戦3連勝は、球団初となった。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】8月1日、阪神甲子園球場の100周年メモリアルゲーム。阪神-巨人戦の前には記念のイベントが行われ俳優の渡辺謙や歌手AIなどが参加しました!

◆阪神森下翔太が7戦連続打点で快勝に貢献した。4点リードの6回1死二塁で、中川から左前適時打。「甘いところきたら初球からいくと、それだけを意識した」。先頭近本が四球で出塁し、中野の投犠打でつないで迎えた好機。「そういう場面ムダにしないように」と3番の役割を果たした。長期ロード前の7連勝に「まあ、勝つことが一番だと思う。これからも勝っていけたら」と意気込んだ。

◆巨人・門脇誠内野手(23)が「8番・三塁」で出場する。先発するのは、7月17日の阪神戦(東京ドーム)以来となる。大城卓三捕手(31)も「5番・一塁」で2試合ぶりにスタメンに名を連ねた。

◆阪神・前川右京外野手(21)が先制の右前打を放った。一回2死満塁の絶好機で打席へ。3球目、戸郷の136キロフォークを捉えた。打球は一、二塁間を破る2点打。本拠地・甲子園が100周年を迎えたメモリアルデー。連覇への新戦力となる若虎が、自慢のバットで節目を彩った。前川は「打ったのはフォーク。みなさんが繋いで作ってくれたチャンスでしたし、昨日も初回で点が取れて良い流れを作れていたので、なんとしても先制点を取りたいと思っていました。少し泳がされましたが、うまく打つことができました」とコメントした。

◆甲子園球場が8月1日に開場100周年を迎えたことを記念し「KOSHIEN CLASSIC SERIES」として開催。試合前に記念式典が行われ、俳優の渡辺謙(64)がスペシャルプレゼンターを務めた。「僕ら通常いいとこ2000ちょっとくらいの劇場なので、すごいですね。こう取り囲む感じ。でも、幸せやね、この球団は。(試合開始の午後)6時前でこんなに客入ってるなんて世界でないですよ。ドジャース戦だって試合開始、始球式をやった時に半分くらいしか入っていないですよ。この球団は幸せやと思います」。大役を務め、改めて阪神ファンの熱気に感動した。式典の最後には、熱唱で盛り上げたシンガー・ソングライターのAIが渡辺の名前を読み間違えるアクシデントも。「最後もアイがかましてくれたので。もう笑いで終わりましたよ」と笑顔をのぞかせた渡辺は「そろそろ試合を見に行かなきゃ!」と一人の阪神ファンとなって足早に球場へと舞い戻っていった。スペシャルゲストのコメントは以下の通り吉田義男(タイガースOB) 「甲子園は私の人生のような気がしますね。高校野球を入れますともう76年くらいですかね。100周年ということで非常にめでたいんですが、次の100年に向かってより盛り上がるようにしてほしいですね。やっぱり甲子園球場はお客さんがたくさん入るんです。その中でね、プロ野球の場合、巨人戦となると超満員になる。選手はお客さんが育ててくれる、そういう球場だと思いますね。巨人とは長年のライバルで、お客さんもたくさん入りますので、それが1つの大きな盛り上がりにつながっていると思いますね」堀内恒夫(ジャイアンツOB) 「巨人に入ってから結構勝たせてもらいました。ここのマウンド投げやすいんですよ。ここでホームラン打たれたら仕方ないというくらい広いから投手は投げやすいに決まっている。大好きです。お客さんたくさんいて、阪神ファンが多いけど自分の味方と思えばいいわけだから。逆にとってやりましたけどね。でもね、阪神の人たちは幸せだよね。これだけお客さんが入ってくれるからね」荒木大輔(甲子園大会5度出場) 「(甲子園は)学校というか、教室みたいな感じで、常に仲間がいて仲間を感じられてプラス野球をすごく上達させてくれた場所でもある。学校、教室みたいな感じです」ランディ・バース(タイガースOB) 「長い歴史の中で短い間しか甲子園でプレーできませんでしたが、これだけ長くプレーされている球場はすばらしく、これからも長くプレーしてほしいなと思います」上原浩治(ジャイアンツOB) 「甲子園は本当に野球をしている人たちみんなの憧れの場所です。みなさんも目指したことがあると思いますし、目指していない方は応援とかそういう形でもぜひ甲子園の方に足を運んでほしいなと思います。よろしくお願いします」藤川球児(タイガースOB) 「やっぱりこう100年という歴史の中でもちろん今日ね、 そこに登場する前は自分でいいのかななんて思いながらでしたけど。後ろにバースさんもいるということで、なんかその歴史を感じながら。しかもこう、つなぐという意味では、伝説の助っ人のバースさんの前で。つなげたという意味では後ろがバースさんで良かったなという感じでしたね」佐渡裕(指揮者) 「本当に光栄なこと。タイガースのファンの1人として出させてもらったっていう、こんな光栄なことはないなと思いました。もう本当に圧巻の景色でした」長嶋三奈(スポーツキャスター) 「とにかく今日は100年目ということで、200年目、300年目、これから次の世代の方たちに、どんどん野球を愛する気持ちと野球の素晴らしさ、思いを繋いでいって、どんどん200年、300年と続いていってほしいなと思います。一緒に応援していきたいです」坂本花織(フィギュアスケーター) 「100周年という記念すべき日に、式典に呼んでいただけたことをすごくうれしく思います。暑いですけど、お客さんの熱気もすごいあるので、それはすごい温かいなっていうのを感じました」アンミカ(タレント) 「甲子園を愛するファンの方々がいるから、甲子園が輝いて、聖地であり続けるんだと思います。これからもここで世界に飛び立っていく若者、そしてここで試合をする、たくさんの勇気をもらう選手の方々をみんなで応援していきましょう!」

◆阪神・前川右京外野手(21)が止まらない。1点をかえされ、3-1で迎えた五回。2死から佐藤輝が右前打を放つと大山が四球で一、二塁。一回に先制の2点打を放った前川が打席に向かった。カウント1ー1から3球目。戸郷のスライダーに食らいつくと、打球は右前にポトリ。この日3打点目となるタイムリーを放った。新時代を象徴する若虎が甲子園100周年で躍動すると、先輩も続く。三回に適時打を放った木浪がなおも2死一、三塁で打席へ。149キロ直球を捉えた。左越えの2点三塁打。6番&7番がそれぞれ3打点ずつマークし、巨人を6-1と突き放した。前川が「打ったのはスライダー。しっかり振り切ることができたので、当たりはよくなかったですが、いいところに飛んでくれたと思います。1点を返されたあとに、すぐ点を取ることができてよかったです」とコメントすれば、 木浪選手「打ったのはストレート。(前川)右京がいいタイムリーを打ってくれたので、自分もなんとか続きたいと思っていました。いい形で打線がつながって得点できてよかったです」と話した。

◆巨人・オコエ瑠偉外野手(27)が思い出の〝聖地〟で豪快弾をほうり込んだ。1-6で迎えた六回、先頭で戸郷の代打として起用され、ビーズリーからカウント0-2で低めのスライダーをバックスクリーンに運ぶ今季1号ソロ。「先頭だったのでまずは塁に出ることを心掛けました。しっかりとらえる事ができました」と振り返った。東京・関東一高3年夏に4強に進出した思い出のグラウンド。当時は1イニング2三塁打や豪快なバット投げ本塁打など、高校生離れした俊足とパワーで大会の主役となった。「やっぱり(甲子園は)言葉にできない、独特な雰囲気がある」と語っていた甲子園。開場100周年のメモリアルデーに、かつて球場を沸かせた人気者が輝きを放った。

◆阪神・岡田彰布監督(66)がみせた勝利への執念がナインに乗り移った。6ー2と4点差で迎えた六回。巨人の2番手・中川から先頭の近本が四球を選んで出塁する。続く中野はバントの構え。この日は本拠地・甲子園100歳の誕生日。メモリアルな一日に、阪神ベンチも手堅く1点を求めた。中野がしっかりと犠打を決めて1死二塁。3番・森下は初球を捉えた。146キロ直球を左翼線へはじき返し、近本が7点目のホームへ。岡田采配に応え、右手を突き上げた。さらに続く佐藤輝が右前打を放って、猛虎打線は5試合連続2桁安打を達成。絶好調の打線に経験豊富な指揮官の采配が加われば、もう怖いものはない。

◆先発した巨人・戸郷翔征投手(24)が今季ワーストの5回8安打6失点で降板した。立ち上がりを狙われ、一回に2失点。その後も6連勝中と勢いに乗る阪神打線を止めることができず、三、五回に追加点を奪われた。5月24日の阪神戦(甲子園)では無安打無得点試合を達成した右腕だったが、この日は5四球を与えるなど、制球が定まらず。甲子園開場100周年を迎えたメモリアル試合で8勝目を挙げることができなかった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が八回に6号ソロを放った。船迫の139キロを一閃。打球はあっという間に右翼席へと消えた。佐藤輝は7月3日の広島戦(マツダ)で放って以来のホームラン。甲子園では4月21日の中日戦(甲子園)でマークして以来の一発だった。

◆阪神が本拠地甲子園開場100周年となったメモリアルデーを快勝で飾った。2カード連続で同一カード3連勝。絶好調の猛虎打線は、一回2死満塁で前川が2点打を放って幸先よく先制。三回には木浪が適時打を放った。五回はその前川と木浪の連続適時打で3得点。その後も効果的に追加点をあげた。打線は5試合連続の2桁13安打の猛攻で9得点と打ちまくった。先発のビーズリーは6回3安打2失点と試合をまとめて今季5勝目(1敗)をマーク。中継ぎ陣も無失点リレーでリードを保った。今季2度目の7連勝で巨人に代わって首位に立った広島とのゲーム差はついに0・5。今季最多の4万7181人が詰めかけた甲子園が大歓声に包まれた。

◆巨人は投打がかみ合わず、阪神に3連敗。阿部慎之助監督(45)は「悔しいの一言に尽きるし、これで悔しいと思っていない人は野球をやめた方がいい。またやり返せるチャンスがあるのでね。月も変わったし、切り替えるしかない」と振り返った。甲子園球場開場100周年のメモリアルな一戦は、先発の戸郷が今季ワーストとなる5回8安打6失点と乱調。打線も試合前までで今季2戦2敗、12回無失点と苦手としていたビーズリーから2得点こそ挙げたものの、6回3安打に封じ込まれた。敵地で投打がかみ合わなかったナインに指揮官は「(甲子園の雰囲気に)みんな飲まれちゃってるよね」とし、「東京に戻って、一つも落とせないつもりで次の阪神戦までやってほしい」と語った。

◆右脇腹に死球を受けて途中交代した巨人・大城卓三捕手(31)が試合後、患部の状態について言及し、「大丈夫だと思います」と話した。七回先頭で、阪神・岩貞が投じた149キロの直球が右脇腹付近を直撃。苦悶(くもん)の表情を浮かべ、グラウンドにうずくまった。その後、治療のためベンチに下がったが、そのまま代走を送られた。7月に打率・328を記録した左打者は「最初は息がしづらかったんですけど、時間がたって自分で(ベンチに)戻れたので大丈夫だと思います」と軽傷を強調して球場を後にした。

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力し、甲子園開場100周年記念式典で祝福メッセージを寄せたサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)が阪神ナインにゲキを飛ばした。球宴後の打線の変化には驚くばかり。森下、前川の若い2人がけん引しているのが大きい。前川の下半身のドッシリ感を見て、キャンプ時から活躍の予感がしていたし、勝負強い森下のフルスイングは大きな武器だ。打線の復活の裏には岡田監督の先見の明を感じる。各選手に、調子の悪い時期に2軍での考える時間を与えたことが、いい影響を及ぼしているのではないか。打線は水モノだから、好不調はあるだろうが、先発投手に白星が付きはじめ、救援は相変わらず好調だから、この先も大きな躓きはないのではないか。そして、選手たちには今回の3連戦3連勝を記憶にとどめて欲しい。巨人戦という舞台で、大観衆の後押しがあったからこそ勢いが付いたのだ。甲子園100年の歴史の中で、やはりライバル巨人との戦いは特別であり、他のカード以上にファンが声援を送ってくれるから、タイガースはパワーをもらってきた。今季は巨人との争いになる予感がしている。先輩たちが抱き続けた「巨人に勝つんだ」の思いを大事に、優勝争いに向かってほしい。試合前のイベントで球場に流れた上田二朗氏のビデオメッセージ 「阪神甲子園球場100周年おめでとうございます。思い出といいますと、やっぱり巨人戦。(1973年7月1日の)甲子園球場で長嶋さんと九回ツーアウトまでノーヒットノーランできるかどうかという場面がありました(左前打を許して、無安打無得点を逃す)。やはり阪神巨人戦の舞台で、その経験ができたということが私の一番の思い出であります」

◆阪神が1924(大正13)年8月1日に開場した甲子園の100周年メモリアルデーで快勝した。巨人との「KOSHIEN CLASSIC SERIES」でカード全勝を飾り、今季2度目の7連勝に到達した。前川右京外野手(21)が3本の適時打で4打点を挙げ、木浪聖也内野手(30)が3打点。六回は森下翔太外野手(23)が左前打で7戦連続打点を記録。八回には佐藤輝明内野手(25)が21試合&93打席ぶりの本塁打を右翼席に運んだ。6回2失点で5勝目(1敗)のジェレミー・ビーズリー投手(28)は巨人戦無傷の3連勝。チームは2日DeNA戦(横浜)から8カード24試合に渡って甲子園を離れる。5試合連続2桁安打で今季最多タイの「貯金7」。巨人に代わって首位に立った広島とは0・5差。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=49勝42敗5分、観衆=4万7181人)。ーー良い事尽くめの試合「なあ、今日が一番良かったな」ーー今季のベストゲームか「初めてちゃうか。4人が投げなかったというのは。昨日の今日やから、そら気合いも入ってたやろうしな、後ろの3人もな」ーー節目の試合で監督にも期するモノがあったか「いやいや、そんなもん、全然それは関係なかったけどな。ちょうどね、巨人、8月1日いうのは最初から分かってることやけどな。そこで巨人になって、これでロード出る最後の甲子園の締めやったからな、そういう意味ではみんな当然分かってることやから、この3連戦の重要さっていうのはね。記念の日にいい勝ち方出来てホント良かったと思うけどね」ーーいい形でロードに「まあ、ロードいうても、そういう感じじゃないけどな、まず今度6試合外やからね、それからドームなるんで、もうちょっと頑張らなアカンな外で、暑い中頑張らな、みんな」ーー6連戦でいい形を見せたいと語っていた目的は達成できた「それは当然達成出来てるよ。やっと先発ピッチャーっていうか、ちょっとは信頼得たんじゃない? 打線、打つ方も。勝ち星が先発についてるんで、そのへんは大きいと思うけど」ーーなぜこれほど変わるのか「変えたからや。変えたからやろ、いろいろと」ーーもう大丈夫か「そら分からん。今みんなが結構調子いいからな。そういう時は結構怖いけどな、みんなが下がって来た時はな。2、3人打てんのもおっていいんやけどね。今みんないい感じで打ってるからな。そんなん『打つな』とは言われへんし。これはもう継続して行くしかないよな」ーー前半戦はみんな悪かった「そやねん。だからみんな良うなったんやろ、みんな悪かったからなあ。前半良かって後半悪なるよりはええよ。後半尻上がりに良くなって行く方がな。これからが本当の勝負やんか」ーー7番・木浪が機能している「(捕手を)3人制にしてな後半、あそこ(8番捕手と9番投手)に代打、代打を2人行こうと思っとったからな。それで並べたんよ、2人。まあ、キャッチャーのとこが一番、確率的にも悪かったからな、2人で2割ぐらいやからな。一気に勝負どころではもう連続で代打、代打の方が結構打てるからな、だから並べたんよ。木浪は今、小幡がいてないから、代えれんからな、おーん。そういうことで、7、8を代えたんよ。一気にチャンスがあったらな、行くつもりで、2人」ーー結果的に噛み合った「噛み合ったというか、代打出してないやん。そういう準備でそういうふうにしたわけやからな。それも準備してるからな、必要なかったかも分からんけどな」ーー優勝争いのライバル巨人に3連勝は今後のいい布石にも「そうやなあ。まあ3タテとかは思ってなかったけどな。終わってみれば本当にいい3連戦やったけどな」ーーセレモニーもあり、普段との雰囲気の違いは「いやいや、まあ普通に見てただけよ、それは」ーーロードから帰ってから勝負。それまでは混戦が続きそうか「どのくらいや。(残り)30切るくらいか。ま、そっからやろな、うん」ーーそれまで貯金を増やす「いやいや、そんなの積み重ねや。今は貯金とか考えてないよ。調子悪かった分、いろんな面で機能するようにとか、それがなんか一気にな、徐々にでなしに、一気にな、いい形になったよな」

◆巨人がカード3連敗で首位から陥落した。阪神戦は今季3戦全勝だった戸郷が5回8安打5四球と苦しみ、今季ワースト6失点。5月に無安打無得点試合を達成して以来の甲子園で乱調に陥り「負けることは許されなかった。チームに申し訳ない」と唇をかんだ。甲子園の開場100周年で阪神ファンの異様な熱気が充満した中、阿部監督は「みんな(雰囲気に)のまれている」と指摘。昨季王者を勢いづかせる結果に「これで悔しいと思わないやつは野球を辞めた方がいい。一つも落とせない気持ちで、次の阪神戦までやってほしい」と声をとがらせた。

◆阪神・漆原が九回、リベンジ投球で試合を締めた。岡本和を中飛、若林を投ゴロ、泉口を遊飛に打ち取りゲームセット。虎党の大歓声をマウンド上で味わった。前日7月31日は5点リードの七回に登板も、1点を失ってなおピンチの場面で降板。石井の救援を仰いだ。1日で見違えた姿を示し「昨日やられた分をやり返す思いは持っていた。気持ちだけは負けないようにという思いでマウンドに立って、抑えられた」と胸を張った。

◆7月30日に1軍初昇格した阪神・岩貞が8-2の七回に今季初登板。先頭の大城卓に死球を与えた(途中交代)が、泉口を空振り三振、岸田を投ゴロ、門脇を左飛に打ち取った。「大城選手に申しわけない」と謝罪すると「ここ(1軍)で投げるために(2軍で)ずっとやっていた」とキッパリ。残り47試合。桐敷ら若手救援陣に負けるわけにはいかない。ベテラン左腕は「ここから(自分の)パフォーマンスをどんどん出していきたい」と巻き返しを誓った。

◆阪神・森下のバットの勢いが止まらない。6-2の六回1死二塁から左翼線にはじき返し、7試合連続安打&打点と絶好調だ。「(中野)拓夢さんが(バントで)送ってくれたり、近本さんが出てくれて。チャンスの場面を無駄にしないようにしたい」。2日のDeNA戦(横浜)からの恒例の夏のロードへ「(ここ数試合と)同じように打線が投手を助けて。攻撃で勝ちたい」と熱く語った。

◆阪神・中野はノーヒットも、2番の役割を果たして大勝に貢献した。「サインが出るのは分かっていた。しっかりと一発で決められてよかった」。先頭の近本が出塁した一、六回の犠打はともに得点につながった。直近6試合中5試合で、一回に出塁した近本を犠打で次の塁に進め、うち4度が先制点につながっている。「あす(2日)からも、このまましっかりとやっていきます」とロードでも仕事をこなす。

◆甲子園球場が開場100年を迎えた1日、巨人戦の試合開始前に記念式典「KOSHIEN CLASSIC~1924.8.1-2024.8.1~」が開催され、スペシャルゲストとして阪神OBで元監督の吉田義男氏(91)、同OBのランディ・バース氏(70)、藤川球児氏(44)=球団本部付スペシャルアシスタント(SA)=らが登場した。レッドカーペットに登場した〝伝説の助っ人〟バース氏が虎党から大歓声を浴びた。「特に忘れられないのは、バックスクリーン3連発。掛布さん、岡田さんと3人で達成して日本シリーズに出られて、日本一になれたことはすごく記憶に残っています」1985年4月17日の巨人戦でのバックスクリーン3連発は甲子園100年の歴史のなかでも、全国の野球ファンの脳裏に刻まれる名シーンだ。この日は3連発で〝共演〟した岡田監督とも言葉を交わし、「去年、開幕戦で始球式に出させてもらって、日本一になった。野球はゲン担ぎが多い。今年も呼ばれると思っていたが呼ばれなくて、クレームとして岡田監督に言いました」と笑った。2度の三冠王に輝き、日本一に貢献した助っ人は古巣へ「もう一度優勝する可能性は大きい。(夏の)長期ロードがキーポイント」とエールを送った。

◆阪神は巨人に9-2で甲子園開場100周年の節目を白星で飾り、今季最長タイの7連勝とした。猛虎の喜びも悲しみもみてきた甲子園100歳の誕生日を、岡田監督率いる若きチームが盛大に祝った。巨人3連破を大勝で決め、8月1日の甲子園は虎党の歓喜で包まれた。「巨人、8月1日いうのは最初から分かってることやけどな。ロード出る最後の甲子園の締めやったからな。みんなね、当然分かってることやから、この3連戦の重要さは。そういう記念の日に、いい勝ち方できてほんと良かった」打線はつながり、4投手の継投でG打線を2得点と勢いづかせなかった。投打がかみ合い、試合後の会見でも終始穏やかな表情を浮かべた。虎将にとって、幼稚園のころから足を運んだ甲子園は人生の一部だ。タテジマのスターの活躍に心を躍らせ、自身もチームの主力、そして指揮官としても、虎の勝利に身も心もささげてきた。100周年を迎えた甲子園を、岡田阪神が勝利で祝うのも何かの縁か。「まあ、普通に見てただけよ、それは」とベンチから試合開始前の記念式典を見届け、試合では冷静にタクトを振るって阿部巨人を撃破。「きょうが一番良かったな」。今季2度目の観戦に訪れた陽子夫人にも勝利を届けた。2日からの4位DeNA(横浜)との3連戦から夏の長期ロードがスタート。百戦錬磨の岡田監督は「京セラはありますけど、1つでも2つでも貯金を増やして、(甲子園に)帰ってきてからが本当の勝負になる。一つ一つ積み重ねてきます」と誓った。甲子園での次戦は30日の巨人戦。節目を迎えたホームでつかんだ白星を推進力に変え、岡田阪神が突き進む。(新里公章)

◆阪神は巨人に9-2で甲子園開場100周年の節目を白星で飾り、今季最長タイの7連勝とした。紡がれてきた歴史を祝うアーチが甲子園の空に架かる。100周年の記念日を彩ったメモリアル弾。佐藤輝は大歓声を背に最高の景色に浸った。「『入ってくれー』と思いながら見ていました。感触はよかったんですけど、ちょっとポール際だったので。でも残ってくれてよかったです」8-2と大量リードで迎えた八回1死。勝利をほぼ手中におさめた中、虎党はサトテルの久々の一発を願った。「大きいの狙っていました」。船迫の139キロカットボールを一閃。白球は右翼ポール際に吸い込まれた。7月3日の広島戦(マツダ)以来、甲子園では4月21日の中日戦以来の6号ソロ。4番が打ち上げた祝福弾に、聖地はこの日一番の歓声に包まれた。

◆阪神・梅野が計4投手をリード。甲子園100周年の節目を勝利で飾り「『負けられんなぁ』というのは頭の片隅にあった。特別な思いでゲームに臨んで最高の形になってよかった」と胸をなでおろした。二回に左前打、七回は右中間二塁打と今季7度目の複数安打で打棒も上向き。「前半戦で苦しんだ分をまだ取り返せていない。いい流れをどこまでもいけるように」と力を込めた。

◆阪神は巨人に9-2で甲子園開場100周年の節目を白星で飾り、今季最長タイの7連勝とした。任された大役をしっかりと果たし、節目での勝利をみんなと喜んだ。ビーズリーが6回2失点で思い出に残る白星をゲットだ。「ここで勝つと(首位と)0・5ゲーム差。そこがモチベーションだった。差を縮めるということに集中できたから、よかった」来日した昨年から前回対戦まで18回?無失点という巨人打線との好相性はこの日も健在。緩急を駆使して五回1死まではパーフェクトだった。この回に連打でピンチを招き、内野ゴロの間にG戦初失点は喫したが、六回のソロ被弾と合わせて2失点と、しっかりとゲームメークしてみせた。甲子園100周年に加えて、この日は愛息ウエスリーくんの1歳の誕生日でもあり、「今日の勝ちは息子に贈りたい」。この8月1日が右腕にとってもかけがえのない思い出となった。(須藤佳裕)

◆祝100歳! 阪神は巨人に9-2で甲子園開場100周年の節目を白星で飾り、今季最長タイの7連勝とした。前川右京外野手(21)が先制打を含む3安打4打点をたたき出すなど、前回の対戦では甲子園でノーヒットノーランを食らわされた戸郷を攻略。智弁学園高時代にも出場した聖地で躍動した。首位広島とは0・5ゲーム差。〝世紀のG倒〟からさらに加速していく。次代の幕開けを告げる打球音が、100周年を迎えた甲子園に響く。前川の打球が一、二塁間を破った瞬間、今季最多の4万7181人で埋まったスタンドから大歓声がこだました。猛攻撃の主役を担う4打点。100年の歴史がつまった聖地で、躍動する姿を見せつけた。「2アウトで満塁だったので、凡退したら流れを持っていかれると思っていた。何とか点を取れたのでよかった」一回から巨人のエース戸郷を攻略した。2死満塁となって迎えた第1打席。外角の変化球にバットを伸ばし、会心の当たりではなかったもののヒットゾーンに飛ばした。これで満塁時は打率・500(8打数4安打)、11打点と勝負強さを発揮。5月24日の甲子園でノーヒットノーランを喫した戸郷から2点を奪い、勢いに乗った。3-1の五回は2死一、二塁で右前にポトリと落とす適時打で3打点目。続く六回も2死一、三塁で外角球をすくい、中前へプロ初の1試合3本目となる適時打で4打点とした。5試合連続の2桁安打と爆発する打線の中心で、勝利に直結する打点を積み重ねた。試合前の記念式典からファンの興奮が甲子園を包んでいた。これまでの試合とは明らかに雰囲気が違う。開場100周年の大事なメモリアルゲームは落とせない。前川も「相手も巨人だったので、絶対勝ちたかった。強い気持ちでいきました」と目の色を変えて臨んだ。岡田監督は「やっぱり先制でしょうね。初回ね、点取れて」と先制打をたたえた。甲子園の100年の歴史に比べれば、プロ3年目で21歳の前川はまだ芽吹いたばかり。さらに成長するため、チームメートから〝野球力〟をいっぱいに吸収する。車で球場への行き帰りを共にする森下とは、打ったらたたえ合い、打てなくても「寝て忘れよう」と車中で声をかけ合う。試合がなかった7月29日には2人で梅田のタイガースショップを訪れるなど、公私で頼りにする先輩の一人だ。また、捕手の坂本とは配球について意見を交わす。1年目の秋季キャンプから打者や捕手の心理を聞いて、自身の野球観に取り入れてきた。智弁学園高時代は甲子園に4度出場。「甲子園は成長させてくれる場所。感謝の気持ちを忘れずにこれからもプレーできたら」。〝甲子園の申し子〟はプロでも聖地をホームに一流への道を歩んでいる。チームは今季最長タイの7連勝とし、首位に立った広島、ゲーム差なしの2位巨人に0・5差と肉薄。2日からは甲子園の主役を高校球児に譲り、約1カ月の夏の長期ロードが始まる。「明日からいっぱい勝って、甲子園に戻って来られるよう頑張ります」次の100年に向けた一歩目に、力強く前川の名を刻んだ。世紀のG倒を足がかりにして、連覇への快進撃を続ける。(邨田直人)

◆巨人は大敗で阪神に3連敗。2位広島が勝ったため、首位から陥落した。甲子園開場100周年を祝う記念シリーズの引き立て役となり、阿部慎之助監督(45)は屈辱に肩を震わせた。「悔しいの一言に尽きる。これで悔しいと思ってない人は野球をやめた方がいい」エース戸郷が5回8安打5四球と荒れ、自己ワーストタイの6失点でKO。打線も4安打2得点と寂しかった。「みんな(雰囲気に)飲まれちゃってるよね」と指揮官。5連勝で乗り込んだ勢いは、記念イベントで盛り上がる敵地で霧散した。前半戦は好調だった投手陣が、この3試合で計40安打23失点と壊滅。今カードで失点した中川と泉に代えて、2軍から田中千と高橋礼を昇格させる。阿部監督は「月もかわったし、切り替えるしかない。東京に戻って一つも落とせないつもりで、次の阪神戦までやってほしい」と前を向いた。(谷川直之)

◆阪神・木浪が好機で勝負強い打撃を見せた。2-0の三回2死一、二塁で左前へ適時打。前川の適時打で1点を加えた五回、なおも2死一、三塁から左翼線に駄目押しの2点三塁打と大暴れだ。「(100周年の)セレモニーがあって、すごい大事な日。勝てたのが一番かなと思います」。前夜も一回に2点打を放ち、2日間で3安打5打点の大活躍。「打線がすごくいい中で、自分もそれに乗っていこうと思ってやっているので」と意気込んだ。

◆甲子園球場が開場100年を迎えた1日、巨人戦の試合開始前に記念式典「KOSHIEN CLASSIC~1924.8.1-2024.8.1~」が開催され、スペシャルゲストとして阪神OBで元監督の吉田義男氏(91)、同OBのランディ・バース氏(70)、藤川球児氏(44)=球団本部付スペシャルアシスタント(SA)=らが登場した。スペシャルプレゼンターを熱狂的虎党の俳優、渡辺謙(64)が務め、能楽師の大倉正之助が鼓の演出で観客をわかせた。ギタリストのMIYAVIがギターで「栄冠は君に輝く」を演奏するなど、メモリアルな式典を盛り上げた。MIYAVIと太鼓演奏家の山部泰嗣の演奏に合わせて、スペシャルゲストとして阪神OBで元監督の吉田義男氏(91)、同OBのランディ・バース氏(70)、藤川球児氏(44)=球団本部付スペシャルアシスタント(SA)=らが登場。最後はシンガー・ソングライターのAIが歌声を響かせ、甲子園の〝100歳〟のバースデーを盛大に祝った。甲子園とともに歩み、虎の歴史を刻んできた日本一監督の吉田氏が始球式に登場した。ノーバウンド投球とはいかなかったが、式典にも参加して歴史的な一日を楽しんだ。「私、19歳で阪神タイガースに入りまして、72年間、選手、監督、それと解説者も含めてずっとご縁がありまして。甲子園は私の人生のような気がしますね。高校野球を入れますともう76年くらいですかね。100周年ということで非常にめでたい」京都府立山城高時代に夏の甲子園に出場し、1953年に阪神入団。華麗な遊撃守備は「牛若丸」と呼ばれ、監督就任後は85年に日本一に導いた。「巨人とは長年のライバルで、お客さんもたくさん入りますので、それが一つの大きな盛り上がりにつながっている」。ともに始球式を行った巨人OBの堀内恒夫氏(76)と並んで取材に応じ、伝統の一戦の重みについても語った。「日本から大谷選手が出現しましてね、すっかり野球の質も変わった。そういう意味で、われわれの時代と比較するのはあれですけどね。いい選手が育ってお客さんがたくさん入って、隆盛する。そういうプロ野球界を静かに見守っていこうと思っております」とプロ野球界全体の盛り上がりを願った。

◆メモリアルな「8月1日」だった。昼間に、すごく野球に精通した方と食事をした際に「100年後に行きたくはないけれど、100年前には行ってみたい。甲子園はどんな姿をしていたのか?」と熱く語っていた。同感だ。100年後にあまり興味はないが、100年前の甲子園球場をグルッと一周してみたい。踏み入れてみたい。ふと気付くと、居並ぶトラ番の中でただ一人、ネクタイをしているヤツが。このクソ暑い中で。わが社の須藤佳裕だ。「記念の日なので甲子園仕様のネクタイです」芝生の緑に、土の茶色のストライプ。ハンパない甲子園愛。これこそトラ番のお手本だ。かと思えば、関係者に配られた大入り袋にブツブツ言っているトラ番もいた。100周年の特別仕立て。袋の色も緑基調の特別感が満点(普段は赤色)。それだけで感謝なのに「入っている金額は普段と一緒やないか!」と。普段は100円。昨夜も100円。それに文句を言うベテランのトラ番。いつの時代も失礼なヤツはいるもんだ。そんなセコイ話はこれぐらいに。華やかなセレモニーだった。MCを務めた「世界の渡辺謙」の言葉の一つ一つが迫力満点。〝パリ五輪よりタイガース〟-。まるで映画の1シーンだった。球場を埋めた虎党も同じ思いだろう。登場した豪華ゲストの中で一番の拍手を受けたのはバース。永遠の最強助っ人は偉大だ。91歳、レジェンドOB吉田義男さんの始球式もアッパレだった。OBでありサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏のメッセージも流れた。朝ドラのファンは100年の物語をつづった「カムカムエヴリバディ」の主題歌、AIが熱唱した「アルデバラン」にもウルっときたはず。

◆♪ハッピバースデー、ツーユー、ハッピバースデー、ツ~ユ~、ハッピバースデー、ディア甲子園、ハッピバースデー100年~!!ワー、ドンドンドン、おめでとう甲子園球場100歳!! 百寿のお祝いに猛虎ナインのお祝いが続々...。まずは7連勝を!「おおきになぁ...。最大のライバル巨人に勝利、うれしいよ」若虎・前川からは3安打4打点を!「ありがとうな、あの頃のあの子...。掛布によう似とるわ! この先もチームを引っ張ってや!!」そして、ビーズリーからは巨人打線を6回3安打2失点に抑えて、勝利のプレゼントです。「おゝ、バッキー(1960年代の阪神の主力投手)お疲れさま!」ビーズリーですけど...。「おゝ、64年に29勝を挙げたバッキーに今日のマウンドが重なってもうた...。申し訳ない(笑)」そして、もう一つ。最後に佐藤輝の特大アーチを!「ウ~ン、田淵のような力強さを感じたでェ...。ウム、田淵は右打者だったな? せやったらこの先、今まで甲子園の歴史にいない最強の左打者になったれよ!!」というサイコーの夜だったのだ。ちなみに俺の長男の名前は甲子園!! その名に恥じぬよう、頑張っています! 感謝申し上げます。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が甲子園球場100周年記念ゲームの1日の巨人戦で打ったホームランボールが、2日から甲子園歴史館で展示されることが同日発表された。このホームランボールはアルプスと外野の間の通路に入っており、ブルペンにいた阪神・石井大智投手(27)が回収していた。100周年関連では、同日にOBで元監督の吉田義男氏(91)が始球式で着用していたユニホームや、試合球などの展示も2日から開始される。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
広島
47394 0.547
(↑0.006)
-
(↓1)
53257
(+2)
224
(+1)
35
(-)
45
(-)
0.231
(-)
2.200
(↑0.01)
2
(1↓)
巨人
49415 0.544
(↓0.007)
0
(-)
48283
(+2)
254
(+9)
51
(+1)
43
(-)
0.237
(↓0.001)
2.540
(↓0.07)
3
(-)
阪神
49425 0.538
(↑0.005)
0.5
(↓1)
47301
(+9)
260
(+2)
38
(+1)
29
(+1)
0.235
(↑0.002
2.240
(-)
4
(-)
DeNA
45481 0.484
(↓0.005)
5.5
(-)
49316
(+1)
324
(+2)
64
(-)
46
(+1)
0.253
(-)
3.050
(↑0.01)
5
(-)
中日
41496 0.456
(↑0.007)
8
(↑1)
47228
(+3)
302
(+2)
40
(-)
28
(-)
0.236
(-)
2.710
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
38514 0.427
(↓0.005)
10.5
(-)
50323
(+2)
338
(+3)
65
(+1)
43
(+1)
0.238
(-)
3.420
(-)