阪神(☆9対6★)巨人 =リーグ戦17回戦(2024.07.31)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
40000410X91410
勝利投手:及川 雅貴(1勝1敗0S)
(セーブ:ゲラ(0勝3敗11S))
敗戦投手:グリフィン(5勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神が6連勝。阪神は初回、木浪と及川の適時打などで4点を先制する。その後1点差とされて迎えた6回裏には、中野と佐藤輝の適時打などで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・及川が5回2失点で今季初勝利。敗れた巨人は、投手陣が振るわなかった。

◆阪神森下翔太外野手(23)が試合前、ファンの子どもたちの前にサプライズで登場した。この日の練習前、球団公式ファンクラブキッズ会員が参加する「選手弁当付き甲子園球場グラウンドウオーク体験」が実施。球場内を回り終えた後に室内で選手のコラボ弁当を食べているところに、参加者への予告なく登場した。前日30日にも第8号ソロを放っていた森下は大きな拍手で迎えられた。子どもたちに向けて「やっぱり自分が楽しんでやることが一番。何か1つでも楽しいなと思えることを1人1人が見つけてくれれば。それに向かってやることが1番の近道だと思うので、楽しんでやれることを意識して日々を過ごしてほしいかなと思います」と言葉を贈った。子どもたちにはサインボールが送られ、代表の子どもには手渡しでプレゼントした。その後に全員で記念撮影を行うなど、交流を行った。

◆試合前、少年少女200名による「少年少女100球ファーストピッチ」が行われた。この日の試合に招待された少年少女野球チームの各チームから協力者を募り、100組200名によるファーストピッチが開催。子どもたちはマウンド後方から外野一帯に、グラブを持って登場した。投球直前には阪神村上頌樹投手(26)も登場。「プレーボール」のかけ声を担い、コールとともに一斉に投球が行われた。セレモニーを終え、村上は「全員ナイスボールでした!プロ野球選手目指して頑張ってください!」と子どもたちへのエールを送った。8月1日に開場100周年を迎える甲子園球場。前日30日からの巨人3連戦は「KOSHIEN CLASSIC SERIES」として行われている。この日のテーマは「夢はかなう」。次世代を担う子どもたちに夢を持つ大切さを伝え、応援する1日として開催された。

◆試合前のスタメン発表で、各選手により手書きで記された「夢をかなえるために大切なこと」がビジョンに掲示された。甲子園球場開場100周年を8月1日に控え、メモリアルシリーズとして行われている前日30日からの巨人3連戦。この日は「夢はかなう」をコンセプトに掲げ、次世代を担う子どもたちに夢を持つ大切さを伝え、応援する1日として開催された。スタメン各選手の掲示内容は以下の通り近本 楽しむこと中野 夢叶うまで努力森下 ONとOFFの切り替え佐藤輝 目標を持つ大山 夢を目標に変える野口 最後まで諦めない木浪 自分を信じる坂本 挑戦し続けること及川 向上心を持つこと

◆阪神岡田彰布監督(66)が監督通算700勝の連盟表彰を受けた。賞金など目録を受け取り、ベンチ前に整列した両軍ナインから拍手を受けた。満面の笑みで場内に挨拶した。阪神、オリックスの監督として白星を積み重ね、6月27日の中日戦(甲子園)で達成。史上20人目。

◆阪神及川雅貴投手(23)がプレーボール直後に好プレーを披露した。先頭丸佳浩外野手(35)の打球は一、二塁間へ。一塁の大山悠輔内野手(29)がつかみ、素早くベースカバーの及川へ。左腕は猛スピードで一塁に走っていたため、送球が逆をつくような格好になったが、及川は体をひねって逆手で何とかつかみ、大股のサイドステップで一塁ベースにつま先ぎりぎりで触塁した。フィールディングがうまい投手が多いことで知られる横浜高校の出身。先発初勝利を目指す5年目が、投球以外でも高い能力を示した。

◆阪神及川雅貴投手(23)がプロ初安打となるタイムリーを放った。初回に3点を先制し、なおも2死満塁。カウント2-2から、先発左腕グリフィンの148キロ直球を逆方向にはじき返した。ライナーで左前に運び、三塁走者は悠々生還。二塁走者は本塁を狙いタッチアウトとなったが、大きな追加点となった。初回の4得点は6月16日ソフトバンク戦の4得点(前川の満弾)に並び、今季最多タイ。立ち上がりからの先制攻撃となった。

◆/逆方向へ鮮やかに\プロ初安打初打点#及川雅貴 タイムリーヒット?プロ野球(2024/7/31)??阪神×巨人??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/xPqHbmHCuC

◆/肩もあるんです\若虎がレフト守備で魅せる#野口恭佑 強肩で二塁への進塁を阻止?プロ野球(2024/7/31)??阪神×巨人??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/vzdWS0XzLD

◆阪神野口恭佑外野手(24)が強肩を見せつけた。2回1死から泉口友汰内野手(25)が三塁線を破るヒット。完全な二塁打コースだったが、左翼の野口は素早くライン際に回り込み、間髪入れずに二塁に矢のような送球。やや中途半端なバウンドになったが中野拓夢内野手(28)が冷静につかみ、余裕をもってアウトにした。ネットでは「実は強肩」「ノイジーみたい」と、左翼守備に定評があるシェルドン・ノイジー(29)と重ねる反応もあった。

◆3人組音楽グループのベリーグッドマンが、5回裏終了後にスペシャルライブを開催した。外野の芝生上に登場した3人は代表曲「ハイライト」や、同記念事業の応援ソングである「CLASSIC」を歌唱。いずれも阪神中野拓夢内野手(28)が打席登場時に使用している楽曲を披露した。阪神甲子園球場100周年記念事業のアンバサダーも務める同ユニット。結成10周年の23年11月には、同球場でのワンマンライブも開催していた。メンバーのRoverは「うれしかったです。僕たちの時のライブよりも、さらに多い方々が集まってくださってますし。今日は子どもたちが多く来ているなと中継見てて思った。子どもたちの夢の場所なので、夢を追いかけるきっかけになってくれたらなと思って歌いました」と振り返った。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が「ベリーグッド」な一撃を決めた。点差を1点に詰められ、追加点がほしかった6回。1死一、二塁から一塁線を抜く二塁打で1点を挙げた。5回終了時、3人組グループのベリーグッドマンがスペシャルライブ。「ハイライト」「CLASSIC」を野球ファンに生歌唱で届けた。中野は個人的に親交があり、この両曲は現在の登場曲。「ハイライト」は中野バージョンも提供してもらっている。

◆阪神大山悠輔内野手(29)がまた一塁守備で大きく貢献した。7回1死一塁で、丸佳浩外野手(35)の一、二塁間への強い打球を、体を横たえながらキャッチ。打者走者をアウトにした。大山は前日30日も一塁線の打球を捕って、二塁に思い切って送球。相手のチャンスを最小限にとどめる好プレーを見せていた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が怒りをあらわにした。7回2死二、三塁で巨人平内龍太投手(25)の初球153キロが顔面すれすれを通過。もんどり打ってよけた森下は数秒、鋭い眼光で平内をにらみつけた。続く2球目も内角高めに厳しい153キロ。これは問題なくよけたが、球場が大きくざわつき、平内へのヤジも飛んだ。その後、遊撃への内野安打。全力疾走でもぎ取った適時打に、森下は「どうだ」とばかり、大きな雄たけびを上げた。

◆阪神が8月1日で開場100周年を迎える本拠地甲子園球場に、前祝いの白星を届けた。首位巨人に2連勝。2つの引き分けを挟んで7連勝した4月以来となる6連勝となった。貯金を6とし、巨人とのゲーム差を1・5に縮めた。初回の猛攻で主導権を握った。2死満塁で野口恭佑外野手(24)が押し出しの四球を選び先制。続く「満塁男」木浪聖也内野手(30)が2点適時打で加勢した。さらに9番及川雅貴投手(23)が、プロ初安打となるタイムリー。1回で4点を奪った。1点差に迫られた6回には中野拓夢内野手(28)が適時二塁打を放ち、すかさず突き放した。さらに佐藤輝明内野手(25)、野口が適時打。この回4得点でリードを広げた。4試合連続2桁安打と猛打が止まらない。先発の及川雅貴投手(23)は5回2失点の粘投。チームが継投で逃げ切り、先発としてはプロ初勝利を挙げた。8月1日に甲子園は開場100周年を迎え、今回の巨人3連戦は「KOSHIEN CLASSIC SERIES 100TH ANNIVERSARY」として開催。宿敵相手にカード勝ち越しを決めた。後半戦は5戦全勝で、2カード連続勝ち越し発進となった。

◆甲子園球場には、4万7011人の観客が入った。4万7000人以上は、13年10月5日巨人戦の4万7046人以来、11年ぶり。甲子園開場100周年に合わせた3連戦は客席を4000席も増設して開催。キャパシティーは4万7000を超えている。

◆巨人が10カードぶりの負け越しを食らった。先発フォスター・グリフィン投手(29)が初回から喫した4失点が、大きな重しとなった。一時1点差まで詰め寄りながら、最後は今季ワーストタイの9失点で2連敗。勝ち越しを目指して乗り込んだ甲子園で、6月21日~23日ヤクルト3連戦以来10カードぶりの負け越しを喫した。抜群の安定感を誇ったグリフィンが、初回から大きく崩れた。先頭安打から始まり、2死満塁で阪神野口へ連続となる押し出し四球で先制点を献上。さらに木浪に2点適時打で追い打ちを掛けられると、この回3つ目の四球で再び満塁を招き、投手及川にまで適時打を浴びた。初回だけで4失点。ここまで好調を維持した左腕の姿は、明らかに甲子園のマウンドになかった。来日2年目のグリフィンが、甲子園ではいまだ力を発揮できていない。今季初で3試合目の先発マウンドだった。昨季の2試合で11回2/3 6失点(自責5)、防御率3・86と甲子園では大きく成績を落としていた。今季はファーム再調整を経て、6月に昇格後は8試合目にして4失点以上は初めてだった。2回以降は、得点圏に走者を許しながらも追加点は与えなかったものの、5回の打席で代打を送られ4回6安打4失点で降板し3敗目。甲子園ではまたしても白星と縁がなかった。チームは大きな勢いに乗って挑んだ阪神3連戦だった。前カードまで5連勝で、7月だけで14勝4敗と大量の貯金を積み上げてきた中で、ブレーキを踏まされた形となった。▽巨人グリフィン(初回の4失点が重く4回降板で3敗目)「先発としてゲームを作れなかったことが申し訳ない」

◆巨人が10カードぶりの負け越しを食らった。先発グリフィンが初回から喫した4失点が、大きな重しとなった。6回に一時1点差まで追い上げながら、2番手泉が回またぎで迎えた6回に打者一巡の4失点。先頭を2球で追い込みながら、3球目の甘く入ったカットボールを打たれ、阿部監督は「強いて言うなら、アレでしらけちゃった。あそこはバッテリーが反省しないといけない。それも勉強」。今季ワーストタイの9失点で2連敗となった。大きな勢いに乗って挑んだ阪神3連戦だった。前カードまで5連勝で、7月だけで14勝6敗と大量の貯金を積み上げてきた中、勝ち越しを目指しながら虎にブレーキを踏まれた。阪神との今季対戦成績もこれで8勝8敗1分け、順位も2位広島と1ゲーム差、3位阪神と1・5差となり「負けは負けでしっかり受け止めて、阪神戦これでタイ。3連敗はできない。明日仕切り直して、切り替えるだけです」と、必勝を期した。

◆阪神が8月1日で開場100周年を迎える本拠地甲子園球場に、前祝いの白星を届けた。首位巨人に2連勝。2つの引き分けを挟んで7連勝した4月以来となる6連勝となった。貯金を6とし、巨人とのゲーム差を1・5に縮めた。岡田監督の一問一答は以下の通り。-打線の奮起がみえた「いやいや、まあ初回大きかったですね」-集中打が出始めている打線の状態は「いやいや、それはこんだけヒット出るんだから悪くはないと思いますよ」-前半は投手が引っ張って、後半戦は打者が引っ張るのはチームとしてもいい流れ「まあね、まあ前半戦がね、あまりにも点が取れなかった分ね、それは野手の方は分かっていると思うので後半、その分取り返してくれたらいいと思いますけどね」-先発の及川は「いやいや、もう少しいってほしかったですけどね。あそこで精いっぱいですかね。5回ね。先発やったら勝ち星付いてないから意識をしたのか、フォアボールが絡むのでね、そのへんが課題でしょうね」-1つ白星が付いて次以降の変化は期待できるか「それは先発初勝利ということで、自信にはなると思いますけどね」-4試合連続2桁安打。どの選手に状態の良さを感じるか「いやいや、どの選手というか、全体にね、みんなにまんべんなくヒットが出ているので、凡退しても後ろのバッターがカバーするっていうか、とにかくいい流れにはなっていると思いますね」-6連勝の持つ意味は「いやいや、もうね、勝ち負けの勝負になってくるんでね、後半は。連勝とかじゃなしに、1試合1試合ね、それの積み重ねと思いますよ」-明日の節目へ「いやいや、まあね、最後ロードにも出ますしね、甲子園最後なんで、最後というか、このカードの最終戦で、2つ勝ったんで、いい形でね、明日ね、記念日ですからね、いい形で勝利したいと思いますね」-2アウトから得点が「なあ。いや、見ての通りやん」-中継ぎは「今日なんか使う気なかったけどな。情けないな。ほんま情けない。1イニング投げきれんもんな」-あのへんは誤算か「フォアボールが絡むもからさ。逃げてるように見えるからな結局はな。勝ってる時、僅差とかはなかなか投げる機会なかったからな。こうやって投げさせてみたら、そういうことや」-夏場なってあのへんが頑張らないと「いや、他のピッチャーおるよ、そんなの。それだけのことやんか」-桐敷らはあした使いにくいか「いや、そら、どういうゲーム展開になるか分からへんからさ」きょうは使ってはいけない試合「まあ、そういうことやん。石井にしてもそうやん。1球で球数は投げてないけどな。マウンドに上がる場面も、その分違うからな」-森下は顔面付近への球が危なかった「え? 情けないのう、巨人もな。情けないと思ったわ、俺は。あの2ー0からスライダーでストライク取って、なんか笑うてるする姿見たら。情けないねえ。伝統の一戦にならんよ、はっきり言うて。ホンマ」

◆阪神森下翔太外野手(23)が怒りをあらわにした。7回2死二、三塁で巨人平内龍太投手(25)の初球153キロが顔面すれすれを通過。もんどり打ってよけた森下は数秒、鋭い眼光で平内をにらみつけた。続く2球目も内角高めに厳しい153キロ。これは問題なくよけたが、球場が大きくざわつき、平内へのヤジも飛んだ。その後、遊撃への内野安打。全力疾走でもぎ取った適時打に、森下は「どうだ」とばかり、大きな雄たけびを上げた。岡田監督は試合後、「え? 情けないのう、巨人もな」と一蹴。「情けないと思ったわ、俺は。あの2ー0からスライダーでストライク取って、なんか笑うてるする姿見たら。情けないねえ。伝統の一戦にならんよ、はっきり言うて。ホンマ」と言い、会見場を後にした。

◆約2カ月ぶりスタメンの巨人オコエ瑠偉外野手(27)がマルチ安打をマークした。5月28日ソフトバンク戦以来のスタメンとなる「8番左翼」で出場。5回1死1塁からは阪神及川の低め142キロカットボールに中前打をマークした。8回1死一、二塁では富田の139キロ直球を中前打とした。2安打とも2ストライクと追い込まれた状況からコンパクトにつないだ。オコエは「2ストライクからのアプローチは阿部監督も2軍の選手全員に言っていたので、そういう意味ではよかった。実戦でいい感じでいけたのでよかった」と汗をぬぐった。

◆阪神中野拓夢内野手(28)がベリーグッドな一撃だ。1点差になり、追加点がほしかった6回。一塁線を抜く二塁打で1点を挙げた。5回終了時、親交が深いベリーグッドマンが自身の登場曲でもある2曲を生歌唱。「点差を詰められて少し嫌な流れだったので。歌っていただいた後の打席だったのであの打席は打てるかなと思っていた」と笑顔だった。

◆阪神木浪聖也内野手(30)が一気に波に乗せた。初回、押し出し四球で1点先制した直後、中前にライナーで打ち返して2点を加えた。高め直球を力強くたたき、5月19日以来の複数打点。「野口がつないでくれたし、満塁で走者が残っていたので、なんとか1点でも多く取ろういう気持ちでした。初回からいい流れを作ることができてよかった」と笑った。

◆阪神石井大智投手(27)がわずか1球でホールドを記録した。7回、漆原大晟投手(27)が1点奪われ、なお2死一、二塁でマウンドへ。岡本和真内野手(28)に初球、152キロを投げ込み、右飛に打ち取った。4点差あったが走者2人を背負っており、ホールドの条件を満たしていた。「気持ち的にはホームラン打たれても1点差なので、どんどん思い切っていくという感じでした。本当に野手が打ってくれた。野手に感謝しながら明日もチーム一丸となって勝ちます」と、力強かった。

◆100周年を迎える甲子園で最高の前夜祭だ。阪神が14安打9得点の猛攻で6連勝。両軍合わせて23安打と打ち合いの伝統の一戦は4番佐藤輝明内野手(25)が6回に2点打を放ち試合を決定づけた。今季12球団最多となる4万7011人の観客も狂喜乱舞。首位巨人とは1・5差に迫った。今日1日は甲子園100周年のメモリアルゲーム。G3連倒でスペシャルな試合を飾る。100歳目前の甲子園に前祝いをささぐ。佐藤輝に快打が出た。2点リードの6回2死二、三塁。泉から右前2点適時打を決めた。最終的には9-6の乱打戦。緩めることなく重ねた得点が最後に利いた。11年ぶりに4万7000人を突破する4万7011人の大観衆を沸かせ「ヒットになってよかったです」とうなずいた。一塁ベース上ではバサバサと手を揺らした。まるで翼のように。実はこれ、チーム内でも徐々に定着しつつあるポーズだ。前半戦終盤あたりから、佐藤輝を中心に取り入れ始めたもの。当初はベンチの仲間も無反応の時もあったが、今では前川らを中心に呼応する。佐藤輝は「意味ですか? カモメっす。右京(前川)の眉毛に着想を得て」と笑いながら明かす。前川の右眉が、絶妙な湾曲を描いているという。カモメのシルエットでよく見る形にそっくりだとか。仲間からイジられることがしばしばあり、そこからヒントをもらったというわけだ。「カモメポーズでいいんじゃないですか」と命名。海上で飛び回るカモメは、自由や希望、幸運を象徴する鳥と言われる。後半戦は5戦全勝。幸運のポーズとともにある進撃だ。大きく翼を広げる4番に導かれるように、チームは4試合連続2桁安打の猛打。後半戦打率4割5分5厘、5打点の男が中心にいる。「8月、9月、もっと大事になってくるのでしっかり頑張ります」。この日は近大の先輩糸井嘉男氏の43歳の誕生日。「おめでとうございます」と祝福のコメントも忘れなかった。今季2度目の6連勝で首位巨人とは7月16日以来の1・5ゲーム差。巨人に10カードぶりの負け越しをつけてみせた。さあ、8月1日は甲子園開場100周年。メモリアルゲームで地元西宮市出身の「宮っ子」が暴れる予感は十分だ。岡田監督も「明日ね、記念日ですからね。いい形で勝利したい」と誓う。長期ロード前最後のゲーム。幼少期から何度も甲子園のスタンドで野球を見続けてきた背番号8が、グラウンドで羽ばたく。【中野椋】ゲラ(最速159キロで打ち合いの9回を完璧に締め11セーブ目)「たくさん点が入る試合だったけど、ブルペン陣はいい仕事ができたと思う」糸原(6回に代打で右前打。7月2日以来13打席ぶりのHランプも苦笑いで)「何もないですよ」<データ>・阪神が6連勝。今季最長の4月14日中日戦から同24日DeNA戦にかけての7連勝(2分けはさむ)以来、今季2度目。・阪神が1回に打者一巡で4得点。1回の4得点は6月16日ソフトバンク戦で前川の満塁本塁打での4得点に並んで今季最多タイで、1回の打者一巡は今季初めての猛攻だった。・巨人戦の9得点は今季最多で、これまで最多だった5得点を大きく上回った。・今季チーム安打数2位タイの14安打。7月27日中日戦から13→16→13→14安打と今季最長の4試合連続2桁安打となった。・今季12球団最多となる4万7011人の観衆が詰めかけた。4万7000人以上は13年10月5日巨人戦(甲子園)の4万7046人以来、11年ぶり。

◆阪神岡田監督が激怒した。容赦はなかった。7回2死二、三塁。打席には森下翔太外野手(23)。巨人平内の初球、153キロが顔面すれすれを通過した。よけた森下は数秒、鋭い眼光で平内をにらみつけた。続く2球目も内角高めに厳しい153キロ。問題なくよけたが、球場がざわつき平内へのヤジも飛んだ。その後、遊撃へ内野安打。全力疾走の適時打に、森下は「どうだ」とばかり、雄たけびを上げた。岡田監督は「情けないのう、巨人もな」と一蹴した。2ボールからの3球目。スライダーでストライクをとってきたシーンが目についた。「情けないと思ったわ、俺は。スライダーでストライク取って、なんか笑うてる姿見たら」。さらに「情けないねえ。伝統の一戦にならんよ、はっきり言うて。ほんま」と吐き捨てるように言った。この日の練習前、森下は球団公式ファンクラブキッズ会員が参加するイベントにサプライズ登場。子どもたちへ「楽しんでやることが一番の近道」と言葉を贈っていた。心優しき男はグラウンドでは闘魂を見せる。一挙4得点した初回にも左前打で好機を広げており、6戦連続安打としていた。メラメラと燃え、打線の火付け役となり「勝ったことが一番」と言った。【中野椋】

◆自身通算4度目の先発マウンドに上がった阪神及川雅貴投手(23)が投打の活躍で、先発初勝利を挙げた。甲子園球場100周年のメモリアルシリーズ第2戦。5回に自身の暴投などで2失点したが、4回までは三塁すら踏ませなかった。「100周年の前日で、ある意味節目の日でもあった。チームも勢いに乗ってますし、連勝で来ていた。流れを崩さずによかった」。5回4安打2失点。今季初先発で敗戦した巨人相手に、リベンジを果たした。バットでも湧かせた。初回2死満塁。「三振だけはしないように」とグリフィンの148キロ速球を左前に運んだ。これがプロ初安打で初適時打となった。3回には内野安打も放ち、2安打1打点。高校野球さながら、投打での躍動だ。横浜高2年時も夏の甲子園100回大会に出場した経験があり、登板前から「縁があるなと思います」と語っていた。高校時代は3年間で3度甲子園に出場。しかし、3年春の明豊戦では3回途中5失点で敗戦するなど、納得のいく投球は出来ず。阪神入団直前の仮契約では「悔しい思いは晴らしていかないといけない」とも宣言していた。それでも、いま最初に浮かぶ「甲子園の思い出」はすでに塗り替えられた。「1番はリーグ優勝。やっぱり巡り合わせで、すごい確率なので。18年ぶりの優勝で、自分がプロ5年目で在籍していて。そこに甲子園でとなればなかなか経験できることじゃない」悔しい思いもたくさんしてきたマウンド。だが今では「悪いイメージはないかもしれない」とも語る。入団前に語った悔しさは、自らの力投で払拭してきた。勝利記念球は両親に送る予定。岡田監督は「自信にはなると思いますけどね」と今後に期待を込めた。涙も汗も流した聖地で、またひとつ節目の白星を挙げた。【波部俊之介】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神森下翔太が巨人との伝統の一戦で7回に厳しい内角攻めを受けた。怒りの一撃で遊撃適時内野安打。打った後には雄たけびを上げました!

◆甲子園球場が8月1日に開場100周年を迎えることを記念し、30日からの巨人3連戦は「KOSHIEN CLASSIC SERIES」として行われる。30日の同戦で先勝し5連勝とした阪神は、及川雅貴投手(23)が先発する。今季初先発となった5月24日の巨人戦(甲子園)では五回途中を4安打1失点。マメがつぶれた影響で無念の途中降板となったが、強力打線に真っ向から立ち向かった。前回先発登板の20日・広島戦(甲子園)では6回3安打無失点の好投。メモリアルな3連戦で、自身の先発初星を狙う。

◆巨人・オコエ瑠偉外野手(27)が「8番・左翼」で先発する。5月28日のソフトバンク戦(東京ドーム)以来、2カ月ぶりにスタメンに名を連ねた。

◆阪神の先発・及川雅貴投手(23)が待望のプロ初安打だ。3-0で迎えた一回2死満塁で打席へ。グリフィンの148キロ直球にバットを合わせた。打球は左翼線へ落ちる適時打。高卒5年目のシーズン。通算5打席目で放った野手顔負けの技ありヒットだった。

◆阪神が先制。「6番・左翼」で先発した野口恭佑外野手(24)が押し出し四球をもぎ取った。一回先頭の近本がグリフィンの146キロを左前に運ぶと、中野が犠打で1死二塁。森下が三遊間をしぶとく破り、一、三塁と好機を広げた。しかし、佐藤輝が空振り三振で2死。大山は四球で満塁とした。野口が打席へ。フルカウントから6球目、内角低め148キロを見極め、押し出し四球で先制した。虎の猛攻は終わらない。なおも満塁で打席には木浪。試合前の時点で、今季満塁での打率・500(6打数3安打)、4打点を誇る満塁男は、146キロ直球を捉えた。中前に運ぶ2点打で3-0。「打ったのはストレート。野口がつないでくれましたし、満塁でランナーが残っていたので、なんとか1点でも多く取ろういう気持ちでした。初回から良い流れを作ることができてよかったです」とコメント。さらに坂本が四球でつなぎ、再び満塁から先発の及川が左前に運んで4点目。制球に苦しむグリフィンを猛虎打線が初回から攻略した。

◆阪神が好守連発だ。4-0と先手を奪った直後の二回。先頭・モンテスの痛烈な打球が一、二塁間へ。二塁手・中野が懸命に体を伸ばして好捕すると、一塁へストライク送球でアウトに仕留めた。さらに続く新人の泉口の打球は三塁線を破って左翼へ。クッションボールを無駄なく処理した野口が強肩で二塁へ。二塁を狙った泉口をタッチアウトに仕留めた。連続好守に助けられた阪神先発の及川は、岸田を遊ゴロに打ち取って無失点。スタンドから大きな拍手が送られた。

◆阪神の先発・及川雅貴投手(23)が4―0の五回のピンチをリードを守ってしのいだ。1死から岸田、オコエに連打。この試合初めて得点圏に走者を背負うと、代打・大城卓に四球で満塁としてしまう。打席には丸。しかし、2球目が暴投となって失点。二、三塁から丸の二ゴロでさらに1点を失い、2点差に迫られた。それでも2死三塁から吉川を左飛。及川は2021年に2勝、23年に3勝を挙げているが、いずれも中継ぎ登板によるもの。五回でリードを守り、先発初白星の権利を手にした。

◆前夜の流れを断ち切ることができず、立ち上がりを攻め込まれた。先発した巨人・グリフィンが一回に4失点。試合序盤から阪神に主導権を握られた。「阪神戦は接戦になること多いので、試合を壊さないようにしっかりと試合をつくれるような投球をしていきたい」登板前日に語っていた意気込み通りにはいかなかった。先頭の近本に左前打を浴びて、犠打と安打で得点圏に走者を背負うと制球が乱れた。2死満塁で野口に押し出し四球。先制点を献上すると木浪に中前2点打、投手の及川にも左前適時打を許した。自身3連勝中で、6試合連続でクオリティースタート(先発で6回以上、自責点3以下)と好調だった左腕は、一回だけで3四球と乱調。二回以降は修正し、四回まで追加点を与えなかったが、五回の打席で代打を告げられ、マウンドを降りた。4回6安打、5四球で4失点だった。30日は大山、森下に被弾し、先発の才木を打ち崩すことができずに敗戦。6試合ぶりに黒星を喫した阿部監督は「こういう日もある。全員で切り替えて明日、みんな必死に勝とうと思ってやっているから。切り替えて明日やるだけですね。久しぶりに完敗したので乾杯して寝ます」とダジャレを交えて切り替えを強調していたが、6月以降、安定感が光っていた助っ人左腕が流れを呼び込めなかった。

◆五回終了後、阪神甲子園球場100周年記念事業のアンバサダーアーティストを務めるベリーグッドマンによるスペシャルライブが開催された。グラウンドでは「ハイライト」、甲子園100周年を記念した応援ソング「CLASSIC」の2曲を披露。どちらも中野が打席登場曲としており、虎党にとってもなじみのあるメロディーで盛り上げた。Roverは「うれしかった。今日は子供たちが多く来ている。(甲子園は)子供たちの夢の場所なので、夢を追いかけるきっかけになってくれたらな、と思って歌いました」と振り返った。

◆阪神が大きな追加点をあげた。4-3と1点差に迫られて迎えた六回。先頭の坂本が中前打を放つと、代打・糸原が右前打でつないで無死一、二塁の好機を作った。場内から大声援が送られる中、1番・近本は痛恨の見逃し三振。選手会長の中野が打席に立った。2球目、泉の139キロツーシームを引っ張ると、打球は一塁線を抜け、外野を転々。適時二塁打に中野は大きく右手を突き上げた。なおも2死二、三塁から今度は佐藤輝が149キロ直球を詰まりながらも右前へ。再び4点差とする一打で阪神は4試合連続の2桁10安打に到達。勝負の後半戦、猛虎打線が活発だ。

◆阪神の先発・及川雅貴投手(23)は5回4安打2失点でマウンドを降りた。「初回から4点取ってもらい、いいペースで投げられていただけに、本来6回7回と長いイニングを自分が投げていかないといけない試合でした。今日のピッチングでも自分の課題が見えたのでしっかり練習します」。打線の援護をもらいながら快投を続けていたが、五回のピンチで自身の暴投もあって2失点したことを反省。それでも先発初勝利の権利を持ってベンチからナインに声援を送った。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が気持ちを前面に押し出すプレーで甲子園をわかせた。七回2死二、三塁の好機で迎えた第5打席。巨人・平内の投じた初球は森下の頭部付近へ。寸前で避けた森下だったが、怒りの表情で平内をにらみつけた。続く2球目も内角へ厳しいボール。どよめく甲子園。それでも心は熱く、頭は冷静だった。4球目、146キロ変化球に食らいつくと、打球は三遊間深くへ。全速力で駆け抜ける。内野安打をもぎ取ると、セーフの判定に雄たけびをあげた。1点を追加して9-4と大量リード。森下の熱い気持ちが勝利をグッと手繰り寄せた。

◆阪神は打線が奮起し、逃げ切った。一回に満塁から押し出し四球、木浪の2点打などで一挙4得点。1点差に迫られた六回は中野、佐藤輝に適時打が飛び出して再び4得点。4試合連続の2桁14安打で9得点と打ち勝った。先発の及川は5回4安打2失点で今季初勝利をマーク。先発としての白星は高卒5年目で初だった。リリーフ陣は失点を喫しながらも、石井、桐敷と勝ちパターンの投手が要所を締めて、逆転は許さず。採取九回はゲラが締め11セーブ目をあげた。阪神は6連勝で貯金6。首位巨人との大事な3連戦の勝ち越しを決め、ゲーム差は1・5に迫った。7月は14勝8敗で終了。8月1日に開場100周年を迎える甲子園球場で虎が勢いに乗ってきた。

◆巨人は序盤の失点が響き、阪神に2連敗。阿部慎之助監督(45)は「今日は、負けは負けで受け止めて。3連敗はできないし、切り替えてやります」と3戦目を見据えた。先発のグリフィンが、一回に制球を乱すなど、立ち上がりにつかまり4失点。打線も一時は1点差まで迫ったが、あと一本がでなかった。指揮官は左腕について「立ち上がりがよくなさ過ぎたね。これ以上悪くならないってくらい悪かったから、次期待しているよ」とし、「打線の方はなんとか追いつこうとしていたりと、いい兆しがたくさんあった」と振り返った。

◆阪神が6連勝。甲子園開場100周年を記念した「KOSHIEN CLASSIC SERIES」第2戦も快勝した。一回に野口恭佑外野手(23)の押し出し四球と木浪聖也内野手(30)の2点打、及川雅貴投手(23)のプロ初安打で、4点を先取。1点差に迫られた直後の六回は中野拓夢内野手(28)、佐藤輝明内野手(25)、野口の適時打で4点を追加。七回には森下翔太外野手(23)が遊撃内野安打で6戦連続で打点を挙げた。5回2失点の及川は入団5年目の先発初勝利で今季1勝目(1敗)。九回を締めたハビー・ゲラ投手(28)が11S目(3敗)。チームは5月28日以来の「貯金6」で2桁安打は4戦連続。7月を14勝8敗で終え、首位巨人に1・5差とした岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=48勝42敗5分、観衆=4万7011人)。ーー2アウトから得点が「なあ。いや、見ての通りやん」ーー中継ぎは(岡留、漆原、富田が失点)「(石井、桐敷、ゲラを)今日なんか使う気なかったけどな。情けないな。ホンマ情けない。1イニング投げきれんもんな。フォアボールが絡むからさ。逃げてるように見えるからな結局はな。勝ってる時、僅差とかはなかなか投げる機会なかったからな。こうやって投げさせてみたら、そういうことや」ーー夏場で、あのあたりが頑張らないと「いや、他のピッチャーおるよ、そんなの。それだけのことやんか」ーー桐敷らは第3戦は使いづらいか「いや、そら、どういうゲーム展開になるか分からへんからさ」ーーこの試合では使ってはいけない「まあ、そういうことやん。石井にしてもそうやん。1球で球数は投げてないけどな。マウンドに上がる場面も、その分違うからな」ーー森下は顔面付近への球が危なかった(七回2死二、三塁で平内龍太の投球が2球続けて顔面付近へ)「え? 情けないのう、巨人もな。情けないと思ったわ、俺は。あの2ー0からスライダーでストライク取って、なんか笑うてる姿見たら。情けないねえ。伝統の一戦にならんよ、はっきり言うて。ホンマ」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(80)は2安打2打点で9戦連続ヒットの阪神・佐藤輝明内野手(25)に言及した。今の阪神打線は、球宴中の調整期間にいい過ごし方をしたのだろう。打線は見事に上向きだ。ストライクゾーンを小さく絞って、自分の狙い球を定めて打てている。その証拠が四球の多さだ。昨年、四球を選んで、日本一になったチームにかなり近づいた。象徴的なのが森下と佐藤輝だ。特に佐藤輝はバッテリーの誘いに引っかかる確率がかなり低くなってきている。ボール球を見送るから、打者有利なカウントで打てるようになってきた。ここからのアドバイスを送るとしたら、本塁打が少ないことを意識しないこと。本塁打を意識すると、いろんな球に手を出し、空振り、打ち損じが増える。本塁打は1本出ると続く。佐藤輝のような長距離砲は、勝手に本塁打が出るようになる。今の形を維持することが一番大事だ。

◆石井が1球でピンチをしのいだ。8―3の七回に登板した漆原が吉川に適時打を浴び、さらに2死一、二塁のピンチを招いたところでマウンドへ。4番の岡本に152キロ直球を投じ、右飛に仕留めた。これが7月14試合目の登板。連投の中でも役割を果たした右腕は「任されたところを投げるだけなので。野手に感謝しながら、またチーム一丸となって、明日も勝ちます」と力強く宣言して球場を後にした。

◆中盤以降に点の取り合いとなった一戦も、ゲラはきっちりと試合を締めた。「点数以上にブルペン陣は粘っていい仕事できたと思う。自分もゼロで抑えられたから、粘って勝ててよかった」。代打・坂本、岡本和を三振に仕留めるなど3人斬り。ガッツポーズを決めて今季11セーブを挙げ、これで13試合連続無失点と調子も右肩上がりだ。

◆快投で滑り出し、ピンチでも粘って5回4安打2失点。投打で奮闘した阪神・及川雅貴投手(23)が待望の先発初勝利を手にした。「初回に4点を取ってくれていた。結構、楽に投げられたので、すごく助かった」一回の猛攻には自らも絡み、3―0の2死満塁で左前適時打。うれしいプロ初安打初打点をマークし、自らの背中を押した。マウンドではカットボールを軸に、ストライク先行の投球を披露。四回までは二塁も踏ませず、五回には暴投と内野ゴロの間の生還で2点を返されたが、リードを保って救援陣にバトンを渡し、勝利投手となった。開場100周年前日の甲子園で挙げた先発初勝利。横浜高時代はこの土を3度も踏んだ。「見ていた側にいるのがすごく不思議な感覚だった」と1年夏に見た景色は今でも忘れることはない。2年夏は、全国高校野球選手権の100回記念大会にも出場した。虎入りし、ホームとなって、再び〝甲子園100年〟との縁がつながった。先発にこだわるのは投手を始めた小4時から。高1秋の公式戦では制球を乱し、自滅で先発が絶望的になった経験もしたが、それでも憧れは消えなかった。今春キャンプで先発調整を命じられたときには思わず気持ちが高ぶり、開幕は2軍スタートも「中途半端に挑戦して失敗するよりはしっかりと準備して結果を残したい」と決意。この勝利は格別だ。「このままいい投球を続けて、もっと長いイニング投げて、チームに貢献していきたいと思います」5回降板には悔しさを募らせ、前を向いた。まだまだ伸びしろを感じさせる及川が、虎の希望だ。(須藤佳裕)及川の父・大介さん(49)は外出先からインターネット中継で観戦。「やっとですね。本人も先発でやりたいと頑張ってきたので、中継ぎのときとは違う喜びがあります」と祝福した。中学時代には毎週片道2時間をかけて接骨院への送り迎えなども行ってきた。ヒーローインタビューで息子が先発初勝利のボールを両親に贈ると明かしていたことには「一つしかないものなので、本当にうれしい」と声をはずませた。

◆森下が熱い気持ちのこもった一打で追加点を奪った。8―4の七回2死二、三塁で平内の初球は頭部付近へ。寸前で避けた森下は怒りの表情で平内をにらみつけた。2球目も内角への厳しいボールになったが、外角への4球目に食らいつき、遊撃への内野安打で1点を加えて雄たけびをあげた。試合後は「試合になったら結果が全て。勝ったことが一番だと思います」とつとめて冷静に振り返った。岡田監督は一連の投球に「情けないねえ。伝統の一戦にならんよ、はっきり言うて」とあきれ顔だった。

◆桐敷が嫌な流れを断った。9―4の八回、富田が1点を失ってなお1死二、三塁とされたところで登板。門脇の一ゴロの間に1点は許したが、丸を中飛に打ち取りリードを保った。「どちらも点を取る展開で自分も1点取られましたけど、その後は抑えて流れを断ち切れた」。7月は全13登板で無失点と貢献。これがリーグ単独トップとなる45試合目の登板で負担は大きいが「一戦一戦準備していくだけ」と力を込めた。

◆プロ野球が2024年シーズンの補強期限を迎えた31日、阪神・嶌村聡球団本部長(56)が甲子園球場で取材に応じた。1軍の試合に出場できる支配下選手は68人となっており、上限の70人まで枠を残す形となったが「70(を)埋めるのが全てではない。(8月以降を)68人で戦うということです」と説明した。7月20日には育成枠だった高橋、佐藤蓮、川原の3投手と支配下選手契約を結んだが、他球団とのトレードや新戦力の獲得はなかった。球団初となるドミニカ共和国でのトライアウトで今春獲得した育成枠のマルティネス、ベタンセス両投手の今後については「現時点でどうなるかちょっと言えないです。4月からの成長途上というところを今、見ているところ」と語るにとどめた。

◆木浪が「満塁男」ぶりを発揮し、試合の主導権を握った。野口の押し出し四球で先制した直後、1-0の一回2死満塁でグリフィンの直球を中前へ弾き返す2点打で大観衆をわかせた。「点数を欲しい場面だった。なんとか1点でも多く取ろうと、つなぐイメージでいきました」とうなずいた。満塁で通算打率・367(49打数18安打)という勝負強さでG倒に大貢献した。

◆野口が〝なにくそ根性〟を封印し、貴重な先制点をもたらした。「前の大山さんが勝負を避けられた。なにくそ根性のような気持ちもあったなかで、冷静に四球をとれたのはよかった」。一回2死一、三塁で大山がストレートの四球で歩かされた直後、満塁でグリフィンから押し出し四球をもぎとった。六回には中前適時打で1安打2打点の活躍。「特別な試合に1軍で出ることは、(甲子園が次の)100歳のときはもうない。明日は何が何でも勝ちたい」と気合を入れた。

◆さぁ「8・1」や! 阪神は9-6で首位巨人に2戦続けて快勝。今季2度目の6連勝で、1・5ゲーム差に迫った。甲子園開場100周年となる8月1日を前に、打線の状態は今季初4試合連続2桁安打と最高潮。追い上げられても、絶好調の佐藤輝明内野手(25)の適時打などで六回に4点を奪い突き放した。貯金6とし、7月は14勝8敗でフィニッシュ。ベリーグッドな形で記念日を迎える!響かせた大歓声が甲子園99歳ラストデーを飾った。飛びついた二塁手・吉川の頭上を越え、白球が右前で弾む。追いすがる宿敵に引導を渡す一打。佐藤輝が超人から引き継いだ自慢のパワーで聖地100周年を前祝いだ。「ヒットになったのでよかったです。捕られなくて、よかった」1点差に迫られた六回。同期・中野の適時打で再びリードを広げた。なおも2死二、三塁の好機。泉の149キロツーシームを引っ張り、詰まったがパワーでもうひと押しして右前2点打として巨人を突き放した。アルプス席が特別拡張され、今季最多を更新する4万7011人の観衆が詰めかけた7月最後の一戦で、虎の4番がマンモススタジアムを揺らした。二回にも右前打を放って9試合連続&3試合連続の複数安打。絶好調の主砲に導かれ、猛虎打線は4試合連続の2桁14安打9得点で巨人に打ち勝った。前半戦の貧打がウソだったかのように打ちまくる打線に、岡田監督も「凡退しても後ろのバッターがカバーする。いい流れになっている」とうなずいた。

◆100周年の特別な雰囲気に阪神・中野拓夢内野手(28)が乗った。ずっと支えてくれた曲が、目の前で見届けた生の歌唱が後押しになった。強い気持ちで捉えた打球がライン際を抜いて右翼へ転がる。再び巨人を突き放す〝ベリーグッド〟な一打で、6連勝に貢献した。「及川に余裕もって見てもらえるように、点数がほしいと思っていた。五回終わった後にベリーグッドマンさんが歌ってくださったので、何とか打ちたいと気合を入れていきました」巨人に1点差に迫られた六回。無死一、二塁で近本が三振に倒れた直後だった。泉が2球目に投じたツーシームを思い切り引っ張った。リードを2点に広げる一打で、この回の4得点を呼び込んだ。「きょうはチャンスがきたら積極的にいこうと決めていた。しっかり一発で仕留められたかな」と手応えをにじませた。大切な曲に後押しされて、打てる確信を持って打席に立てた。この日は甲子園100周年記念のイベントで3人組ボーカルグループ、ベリーグッドマンが来場。五回終了後に中野が登場曲にする「ハイライト」「CLASSIC」の2曲を披露した。ルーキーイヤーから登場曲にするアーティストの登場をベンチから見届け、中野の心は奮い立った。「歌っていただいた後の打席は打てるかなっていう、そんな勝手な思い込みがあった。チャンスで回ってきたので、その打席はすごく打ちたい気持ちだった」長く親交があり、今回の歌唱もメンバーから直接聞いていたという中野にとっては、最高のモチベーションの中で放った一打になった。この1本で4試合連続安打とし、5試合ぶりの打点も記録。勢い止まらず6連勝を達成したチームの選手会長として、100周年当日の勝利を誓った。「本当に一戦も落とせないような試合が続きますし、首位巨人を迎えての戦い。絶対に3連勝したい。いい流れできていると思いますし、明日の試合も勝てるように頑張ります」特別な演出に力をもらって、中野が優勝争いの中でさらにチームを勢いづける。(邨田直人)五回終了後に、阪神甲子園球場100周年記念事業のアンバサダーアーティストを務めるベリーグッドマンがスペシャルライブを実施。「ハイライト」、甲子園100周年を記念した応援ソング「CLASSIC」の2曲を披露した。Roverは「うれしかった。今日は子どもたちが多く来ている。(甲子園は)子どもたちの夢の場所。夢を追いかけるきっかけになってくれたらな、と思って歌いました」と振り返り、大粒の汗をぬぐった。■ベリーグッドマン Rover、MOCA、HiDEXからなる大阪出身の3人組ボーカルグループ。MOCAが延岡学園高在学時に硬式野球部で活動していたことで、野球界とも縁が深い。阪神では中野、湯浅が登場曲に使用し、小幡もMOCAの楽曲No rain,No rainbow(小幡バージョン)を使用中。結成10年を迎えた2023年には甲子園球場で単独公演を開催した。

◆9失点はあまりに重かった。首位・巨人は被安打14の〝投壊〟で2連敗。阿部慎之助監督(45)には一回に3四球4安打で4失点したグリフィンが誤算だった。「立ち上がりがよくなさ過ぎたね。これ以上悪くならないくらい悪かったから、次は期待しているよ」自身5連勝を狙った左腕だが、この日はスライダーがすっぽ抜けた。4回6安打4失点、5四球での降板に「ふがいない。意図したところに投げられなかった。毎回ピシャリとはいかないのが野球」と反省した。1点差に迫った直後の六回も、登板前は防御率0点台だった泉が4失点して勝機は遠のいた。指揮官は「阪神戦はタイ(今季8勝8敗1分け)になったので、また明日仕切り直し。3連敗はできない」とチームにハッパを掛けた。(谷川直之)

◆森下に対して、2球続けて平内が際どいコースに投げてきた。のけぞる背番号1。スタンドは騒然だ。マウンドと打席でにらみ合い。一触即発の時代を知っているから、ワクワク、ドキドキ。岡田監督が怒って当然だ。この時期のTG戦、昔からよからぬ事件が起きる。その象徴は1998年。7月31日に、ガルベス(巨人)がストライクボールの判定にイライラし、痛打され、交代を告げられると審判に球を投げつけるという歴史的暴挙を犯してしまう。その2日後。今度は巨人・高橋由伸への死球に怒った武上コーチが阪神の捕手・矢野を突き飛ばして退場。さらにその後、巨人・槙原が矢野に死球を与えると、激怒した大熊三塁ベースコーチが槙原に飛び蹴りを食らわして退場。その都度、両軍選手がベンチを飛び出し、入り乱れても大乱闘に。夏の甲子園。阪神がロードに出る前のTG戦は、何かが起こるのだ。そんな時期に、ちょうど100周年セレモニー。大丈夫なんだろうかと心配していた。といって、令和の時代、即発はまず起きないのだが。試合前からお祝いムード一色の「KOSHIEN CLASSIC SERIES」。ただし、トラ番たちにとっては〝普段通り〟の取材もマストの任務だ。邨田直人の姿は、午前中の鳴尾浜球場にあった。「(8月)1日の2軍戦に先発予定の門別の取材をしておこうと思いまして...」過ぎ去った100年にその足跡はほとんど残されていないが、来るべき100年の最初のスーパーヒーロー候補の門別。取材は必要不可欠。直撃した邨田との間では、当然のようにパリ五輪の話にもなった。

◆ワッショイ! ワッショイ!! 甲子園球場100周年の前夜祭を、14安打9得点の猛虎打線大爆発&及川の先発初勝利でド派手に盛り上げてくれたー!! おおきにやー!!6連勝でっせ! しかも、貧打の阪神打線がどーして爆発したの? その答えは以前から言ってるけどいたって単純で、『鼠穴(ネズミアナ)』なのだ!! 鼠穴? う~ん、分からないかぁ...。昔はどんなに耐火性のある土蔵でも、ほんの小さなネズミのかじった穴から火が入り、全焼してしまっていたのだ。その鼠穴こそまさに、岡田監督が前半戦では決して行わなかった試合序盤での送りバントに他ならないのだ!!じゃ、毎度毎度判で押したようにバントのサインを出していればいいかと言うと、そこがまたNO!! というか監督の腕の見せ所なのだ。例えば本日、1点差に迫られた六回無死一塁で代打糸原の場面。送りバントでも次はトップの近本になるので決して悪くないのに打たせて、そこから4点を引き出す勝負勘!! この先山あり谷ありだろうけど、岡田はんに任せとけば最後は笑顔間違いなしや!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
49405 0.551
(↓0.006)
-
(-)
49281
(+6)
245
(+9)
50
(-)
43
(-)
0.238
(-)
2.470
(↓0.07)
2
(-)
広島
46394 0.541
(↑0.005)
1
(↑1)
54255
(+2)
223
(+1)
35
(-)
45
(-)
0.231
(-)
2.210
(↑0.02)
3
(-)
阪神
48425 0.533
(↑0.005)
1.5
(↑1)
48292
(+9)
258
(+6)
37
(-)
28
(-)
0.233
(↑0.002
2.240
(↓0.02)
4
(-)
DeNA
45471 0.489
(↓0.006)
5.5
(-)
50315
(+1)
322
(+2)
64
(-)
45
(-)
0.253
(↑0.001)
3.060
(↑0.01)
5
(-)
中日
40496 0.449
(↑0.006)
9
(↑1)
48225
(+1)
300
(-)
40
(-)
28
(-)
0.236
(-)
2.720
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
38504 0.432
(↓0.005)
10.5
(-)
51321
(-)
335
(+1)
64
(-)
42
(-)
0.238
(↓0.001)
3.420
(↑0.02)