ヤクルト(☆5対4★)広島 =リーグ戦14回戦(2024.07.28)・明治神宮野球場=
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広島
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ヤクルト
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勝利投手:星 知弥(1勝0敗1S)
敗戦投手:栗林 良吏(0勝4敗27S)

本塁打
【広島】坂倉 将吾(5号・6回表ソロ)
【ヤクルト】赤羽 由紘(2号・3回裏2ラン),山田 哲人(7号・5回裏ソロ)

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◆ヤクルトが劇的なサヨナラ勝利。ヤクルトは2-3で迎えた5回裏、山田のソロで同点とする。その後勝ち越しを許すも、9回に2死二三塁から長岡の適時二塁打で2点を奪い、サヨナラ勝ちを収めた。投げては、5番手・星が今季初勝利。敗れた広島は、守護神・栗林が誤算だった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(24)が28日、パリオリンピック(五輪)日本勢の金メダル第1号となった柔道女子48キロ級の角田夏実(31)を祝福した。初出場ながら快進撃を続けた31歳の熱戦をテレビ観戦し「決勝戦は見られなかったんですけど、角田さん。金メダル取る瞬間を見られたりすると、感動するものがありますよね」としみじみと言った。前回の東京大会では3大会ぶりに復活した野球競技に出場を果たした。当時チーム最年少の21歳。決勝戦の米国戦では先制の大会1号ソロを放つなど金メダル獲得に貢献した。世界中のアスリートが一堂に会する祭典が幕を開ける中で「どの選手にも頑張ってもらいたいです」とエールを送った。28年のロサンゼルス五輪では公式競技として野球が2大会ぶりに行われることには「楽しみですね」と話していた。「(五輪は)ニュースでチェックするくらい」という長岡秀樹内野手(22)も、4年後のロサンゼルス大会については「出られるのであれば光栄なことです。チャンスがあれば出たいと思いますが、まだまだレベルに達していない。そうやって名前を呼ばれるように頑張りたい」。一方の吉村貢司郎投手(26)は「とりあえず1年、1年しっかり頑張る。まだまだ僕は選ばれるような選手ではないので、しっかりと目の前のことを一生懸命に頑張れたら」と話していた。

◆広島は守護神栗林が9回に1点リードを守れず、今季5度目のサヨナラ負けで連敗となった。栗林は先頭の代打川端からの連打などで2死二、三塁とし、長岡には浮いた初球フォークを捉えられた。先発九里は序盤3回までに3点の援護をもらうも、3回に2ラン、5回にソロを浴びた。打線は坂倉が6回に一時は勝ち越しとなる5号ソロを放つなど、2安打3打点も勝利にはつながらなかった。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-最後は栗林投手が新井監督 これはもうしょうがない。しっかり切り替えて明後日から。-1点リードの6回途中から早めの継投策新井監督 (先発九里)亜蓮の状態を見て。相手がちょっと合っていたように感じたから、決めていました。-打撃では初回から動いて中村貴選手が先制打新井監督 いいタイムリーだったと思うし、いいものを見せてくれたと思います。-打線は追いつかれても、坂倉選手の1発で一時は勝ち越し新井監督 今日もサク(坂倉が)ナイスバッティングだったし、いいホームランだった。追いつかれても、少しずつ反発力が出てきているのかなと見える。-後半戦3試合のうち2試合は打線が引っ張る試合展開となっているが、後半戦はこのような展開を求めるか新井監督 もちろん、もちろん。そのあたりは野手陣も分かっていると思う。前半戦はピッチャーが頑張ってくれて、守備もしっかりしていた。後半戦は暑くなってくるので、ピッチャーがしんどくなってくるので、なんとか1点でも多く点を取ってあげたいと、より強く思っていると思う。今日はしょうがない。切り替えやすいので、明後日に備えたい。

◆広島の栗林良吏投手(28)が1点リードの9回に逆転を許し、サヨナラ負けを喫した。代打川端からの連打などで1死二、三塁を招くと、中村は空振り三振。だが、続く長岡の初球フォークが浮き、左中間を破られた。3安打すべてフォークを捉えられただけに「自分でしっかり考えないといけない。フォークでいくなら、いくなりの意図を。(最後は)二塁走者を気にしすぎた。もっと間をあければ良かった」と悔いた。自身4敗目でチームは手痛い連敗となった。

◆1、2軍をまたぐレアケースな〝連日本塁打〟をマークした。前日27日に2軍戦で本塁打を放ったヤクルト・赤羽由紘内野手(24)が、この日は0―3の三回、神宮の左翼席へ追撃の2号2ランをたたきこみ「後ろにつないでいく意識で打席に入った。低めのボール球だったが、うまく打つことができた」と拳を握った。「2番・右翼」で3試合ぶりに先発出場。0―3の三回2死二塁で迎えた第2打席だった。広島先発の九里に対しカウント2―1からの4球目、低めに沈むスライダーを最後は右膝を地面につけながらすくい上げ、そのまま左翼席まで運んだ。前日27日は埼玉・戸田球場で12時30分開始のイースタン・リーグ、日本ハム戦に「2番・二塁」で先発出場し、左翼席への一発を含む2打数2安打1打点をマークした。六回で交代し、神宮へと直行。広島戦の七回1死一、二塁の好機に代打で登場すると、適時二塁打を放ち「打席も多く立って、いい感じで1軍の試合に来られた。2ストライクに追い込まれたけど、自分の中で冷静を保って、うまくバットに乗せることができた」とうなずいた。連日の昼夜兼行、ダブルヘッダーも疲れなし。BC信濃から2021年に育成ドラフト2位で入団し、22年に支配下登録された24歳が、夏場に勢いに乗っている。

◆ヤクルトは1点を追う九回、2死二、三塁のチャンスで長岡秀樹内野手(22)が逆転のサヨナラ打を放ちチームを連勝に導いた。以下、長岡のヒーローインタビュー。--仲間たちがつないだチャンス「皆さんがつないでつないで回してくださったチャンスだったので、僕もなんとか勢いに乗りたいなと思って打席に入りました」--バッティングを振り返って「ここ最近だったら一番いいスイングができたなと思います」--チャンスに強い秘訣は「いや、まだまだです」--インタビューの受け答えもだいぶ自信のある表情に見える「いや、まだまだです」--後半戦最初のカードで勝ち越し「いいスタートを切れましたので、引き続きがんばりたい」--ファンに向けて「暑い中、ご声援ありがとうございます。皆さんの応援のおかげで僕たちは力を発揮することができています。これからも熱いご声援よろしくお願いします」

◆ヤクルトは28日、5―4で広島にサヨナラ勝ちした。九回に逆転の2点二塁打を放った長岡秀樹のもとにナインが駆け寄った=神宮球場(撮影・長尾みなみ)

◆ヤクルト・赤羽由紘内野手(24)が「2番・右翼」で先発出場。2号2ランを含む4安打の大暴れで、プロ4年目で初の猛打賞を記録し「めちゃくちゃうれしい。(1試合4安打は人生で)記憶にないので、たぶん初めてだと思う」と振り返った。一回に左前打を放ち、3点を追う三回は九里の低めに沈むスライダーを最後は右膝をつきながらすくい上げ、左翼席まで運び「自分でもたぶん、初めての感じ。下半身のいい粘りがあった」とうなずいた。六回は左前打、八回は右前打と打ち分けた。BC信濃から2021年に育成ドラフト2位で入団し、22年に支配下登録された苦労人。昨季は4安打、今季もこの試合まで8安打だった背番号00が、一気に4安打をマークした。「きょうはとてもうれしかったけど、次の試合で打たないと意味がないと思うので、きょうはきょうでしっかり切り替えて、しっかりいい準備ができるように頑張りたい」と切り替えた。

◆背番号7がウオーターシャワーを浴びる姿に、喜びもひとしおだったはずだ。ヤクルトは1点を追う九回に、2死二、三塁から長岡秀樹内野手(22)が左中間へサヨナラ2点二塁打。大松尚逸打撃チーフコーチ(42)は満面の笑みで殊勲打を放った長岡をたたえた。「素晴らしいね。やっぱり、本当に成長を感じますよ。打席での集中力もそうだし、今日もいい当たりが正面を突いていたり、打席の中でも打ちたい気持ちが強くてちょっとモヤモヤしているなという感じはあったんですけど、ああいうところであそこに打てる。本当に、今年の調子いい打撃を象徴している打席かなと思うので、本当にうれしいですよ」大松コーチにとって長岡は、2軍コーチ時代から指導してきた〝教え子〟だ。現在は1番に定着。打率・278、3本塁打、37打点とチームを引っ張る存在となっている。「きょうは赤羽もよかったからね(4打数4安打1本塁打)。若い選手が活躍するとうれしいですよ」と大松コーチ。若手の躍動で、チームは最下位を脱出した。

◆2試合ぶりに「7番・二塁」で先発したヤクルト・山田哲人内野手(32)が、五回先頭でバックスクリーン左へ7号ソロ。スライダーを捉え、41打席ぶりの一発を放ち「センター方向にイメージ通りに打てた。角度もついていいバッティングだった」。九回無死一塁では、左前打で長岡のサヨナラ打を演出し「ああいう打撃が求められていると思う。本当に諦めず、上を目指して続けていければ」と汗をぬぐった。

◆一振りで、試合を決めた。ヤクルト・長岡秀樹内野手(22)が1点を追う九回、劇的な逆転2点二塁打。自身2度目のサヨナラ打を放ち、興奮のるつぼと化した神宮の中心で歓喜のウオーターシャワーを浴びた。「勝てたんだな、と。(前4打席凡退に)良いスイングはできていたけど、どこかで悔しい気持ちでいた。最後は集中を切らさずに、ここ最近だったら一番良いスイングができた」九回2死二、三塁。広島の守護神、栗林に対し「追い込まれたら三振が取れる投手。追い込まれる前に勝負をかけたい。初球から甘い球だったらいこうと決めていた」と狙い通り、1球目のフォークを捉えて左中間を破った。26日に開幕したパリ五輪では柔道の女子48キロ級で千葉・八千代松陰中に通っていた角田夏実(31)が日本勢第1号となる金メダルを獲得した。船橋市出身で同敷地内にある八千代松陰高で3年間を過ごした長岡も劇打で続き「お互いに刺激になればいいかなと思います」と笑顔で語った。チームは3カード連続の勝ち越しを飾り、中日と入れ替わり最下位を脱出した。「後半戦いいスタートが切れたので、気を引き締めて頑張りたい」と背番号7。最後まで決してあきらめない。(浜浦日向)

◆活躍の裏には、地道な努力がある。長岡はベンチにみずから購入したノートを持ち込んでいる。試合前に相手投手の映像をチェック。自身と似たタイプの他球団の打者への攻め方なども確認しながら、先発、救援投手の特徴を細かく記し、打席に向かう前に見返す。昨季からの試みだが、今季からより詳しく具体的に書き込み、傾向と対策を研究している。「その日によって状態が違うので、このときはこういう打撃だった、こういう感じだったということもメモします」。門外不出の〝長岡ノート〟が今や必要不可欠なアイテムだ。(ヤクルト担当キャップ・赤尾裕希)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
49385 0.563
(↑0.005)
-
(-)
51274
(+6)
231
(-)
50
(+1)
42
(-)
0.239
(↑0.001)
2.360
(↑0.03)
2
(-)
広島
44394 0.530
(↓0.007)
3
(↓1)
56247
(+4)
219
(+5)
35
(+1)
45
(-)
0.230
(-)
2.250
(↓0.03)
3
(-)
阪神
46425 0.523
(↑0.006)
3.5
(-)
50278
(+4)
251
(+3)
35
(+1)
28
(+1)
0.229
(↑0.002)
2.250
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
45451 0.500
(↓0.006)
5.5
(↓1)
52311
(-)
314
(+6)
63
(-)
45
(-)
0.253
(↓0.001)
3.050
(↓0.04)
5
(1↑)
ヤクルト
38484 0.442
(↑0.007)
10.5
(-)
53321
(+5)
328
(+4)
64
(+2)
42
(-)
0.239
(↑0.001
3.430
(-)
6
(1↓)
中日
38496 0.437
(↓0.005)
11
(↓1)
50218
(+3)
300
(+4)
40
(+1)
28
(+2)
0.235
(-)
2.780
(↓0.01)