阪神(☆4対3★)中日 =リーグ戦18回戦(2024.07.28)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
01000110001X41611
勝利投手:岡留 英貴(1勝0敗0S)
敗戦投手:マルティネス(1勝3敗29S)

本塁打
【中日】細川 成也(13号・2回表ソロ)
【阪神】大山 悠輔(8号・2回裏ソロ)

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◆阪神は1-1で迎えた6回裏、代打・前川の適時打で勝ち越しに成功する。その後同点とされるも、延長11回に1死二塁から森下の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、6番手・岡留が今季初勝利。敗れた中日は9回に2点差を追いつくも、守護神・マルティネスが誤算だった。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が左中間への8号ソロで試合を振り出しに戻した。中日細川の1発で先制された直後の2回。先頭で打席に立ち、フルカウントから左腕松葉の130キロカットボールを振り抜いた。高々と上がった打球はそのまま伸びて左中間スタンドに着弾。21日広島戦(甲子園)以来、3試合ぶりの本塁打となった。「追い込まれていましたが、しっかり振り切ることができました。先に点を取られた後だったので、すぐに返すことができてよかったです」これで大山は4試合連続打点。後半戦開始後の3試合すべてで打点を挙げている。

◆阪神が華麗な中継プレーで、勝ち越しの1点を阻止した。1-1で同点の3回。1死二塁で二塁走者の龍空に三盗を許した。さらに、1番大島の打球は左翼へ。定位置より浅いフライを野口恭佑外野手(24)が捕球。遊撃の木浪聖也内野手(29)へノーバウンドで返球すると、木浪も本塁の梅野隆太郎捕手(33)へストライク送球。龍空は本塁タッチアウトとなり、先発の西勇輝投手(33)を救った。キャンプから徹底してきたカットプレーでピンチを脱した。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が痛恨の併殺打に倒れた。1-1で同点の5回無死一、二塁。二塁へゴロを放ち、これがダブルプレーとなった。初回は無死一塁で犠打を成功。3試合連続で初回に犠打を決めていたが、この場面では強攻に出て、チャンスをつぶしてしまった。この回は無得点に終わった。

◆お笑いコンビ、すゑひろがりずの三島達矢(41)と南條庄助(42)が、毎年恒例の夏のイベント「ウル虎の夏2024」に登場し、スタメン呼び出しなどで盛り上げた。シート紹介は芸風を前面に出した「和風変換」でアレンジ。三島はライトを「右の守り人」、ショート「遊びの守り人」、キャッチャーは「女房」などと紹介。ツッコミの南條が正式名で読み上げた。南條は「一生に1回聖地に足を踏み入れさせていただけるのは夢でございます」と喜んだ。三島と言えばテレビ番組で「運動神経悪い芸人」として出演。「打った後、バットをいつ投げたら良いのかわからない」と話し、南條から「1周寿(=ホームラン)を見といて。ゆっくり時間があるからきれいに(バット投げを)見せられる」と助言され、本塁打に期待を込めた。

◆阪神が痛いミスでピンチを広げた。同点の6回1死一塁。大島の打球は力なく三塁方向へ。三塁手の佐藤輝明内野手(25)は前に出て、サイドハンドで二塁へ送球。しかしハーフバウンドの悪送球となり、二塁手中野は捕球できず、オールセーフとなった。ベンチの岡田監督も渋い表情を浮かべていた。それでも先発西勇が踏ん張り、続く2番後藤を3番カリステを打ち取り無失点。味方のミスをカバーした。

◆阪神西勇輝投手(33)が、先発の役目を果たした。6回4安打1失点。6回の打席がチャンスで回ってきたため、代打渡辺を送り込まれ降板となった。4回2死から5回まで4者連続三振を奪うなど、今季最多タイとなる7奪三振。2回に細川に左越えのソロアーチを浴びたが、試合をつくった。5勝目の権利を手にした。

◆阪神木浪聖也内野手(30)が、ピンチでダブルプレーを完成させた。1点リードの7回1死一、二塁。中日中田の遊撃へのゴロを捕球。二塁に転送し、さらに一塁へと転送され併殺とした。この時、中田のバットは折れており、遊撃付近に飛んでいた。木浪はプレー後にバットを拾い、その破片まで回収。スタッフへと渡していた。これにはX(旧ツイッター)で「優しい」「お上品」など称賛の声が集まった。

◆阪神桐敷拓馬投手(25)が、珍しく制球を乱したが無失点で切り抜けた。1点リードの7回に2番手で登板。先頭細川に四球、続く高橋周に死球を与え、無死一、二塁のピンチを招いた。ここで代打田中のバントを素早く処理。三塁送球でフォースアウトとした。1死一、二塁で代打中田を迎えたが、ここは遊撃への併殺打。同点、勝ち越しの危機を乗り越え、バトンをつないだ。これで今季チーム最多となる43試合目の登板となった。

◆あの日の涙から、ちょうど1年だ。阪神前川右京外野手(21)が、代打で勝ち越し打を放った。6回無死一、三塁で登場。しぶとく中前適時打を決めた。球団を通じて「打席に入る前に(木浪)聖也さんが前向きな言葉をかけてくれたので、思い切ってスイングすることができました。大事な場面だったので、なんとかランナーをかえすことができてよかったです」とコメントした。ちょうど1年前の7月28日。広島戦にスタメン起用された前川は、3打席3三振で途中交代。7回の守備で退くと、ベンチで涙を見せるシーンもあった。そのベンチで、隣にいたのが木浪聖也内野手(30)。涙の後輩に「今日終わったわけじゃないし、次やり返したらいいじゃん」と声をかけ、励ましていた。あれから1年。前川は、またも木浪先輩の言葉の力に救われたようだった。

◆阪神は28日、中日18回戦の観客4万2607人動員で、今季の主催公式戦入場者数が200万人を突破したことを発表した。総動員数は201万3170人。甲子園は187万4325人、地方球場は13万8845人だった。48試合(甲子園44試合、地方4試合)での到達で、昨年の49試合よりも1試合早い到達となった。過去最速は04年7月1日の39試合での200万2000人。実数発表後の最速は07年7月31日に46試合で202万9265人を動員している。

◆阪神岩崎優投手(33)が崩れた。2点リードの9回に4番手で登板。安打と四球で招いた無死満塁のピンチだった。田中のセンターへ抜けようかという打球を二塁中野拓夢内野手(28)がキャッチ。すぐさま二塁へトスし、1アウトとした。その間に1点を失った。なおも1死一、三塁。中田に左前打を浴び、この回2失点目。同点に追いつかれ、西勇輝投手(33)の今季5勝目が消えた。さらに1死満塁のピンチをつくると、途中出場の岡林に対し、3ボール1ストライクから粘って見逃し三振。2死満塁で代打中島を空振り三振に仕留め、なんとか同点で食い止めた。

◆阪神が2イニング連続のサヨナラ機を逃した。3-3で同点の延長10回。2死二塁で代打原口文仁内野手(32)が起用された。原口は藤嶋から詰まりながらもセンターへ抜けようかという当たりを放った。ただ、これを中日田中がスーパーキャッチ。二飛でサヨナラとはならなかった。

◆阪神が今季19度目の延長戦に突入した。9回に2点リードを守り切れず追いつかれた。その裏の攻撃では2死一、二塁で佐藤輝明内野手(25)が右前打。2死満塁となったが大山悠輔内野手(29)が遊ゴロに倒れた。

◆阪神が今季6度目のサヨナラ勝ちで、中日に3連勝を決めた。これで今月6~10日以来、今季3度目の4連勝。貯金を持って、8月2日DeNA戦(横浜)から長期ロードに突入することが決まった。2点リードで迎えた9回、守護神・岩崎優投手(33)が代打山本から連打と四球で無死満塁のピンチを招き、同点に追いつかれるも、延長戦で再び打線が奮起。最後は延長11回、1死二塁から森下翔太外野手(23)が左翼へサヨナラ適時打を放った。阪神先発の西勇輝投手(33)は、2回先頭の4番細川に先制ソロを許すも、追加点は与えず粘投。4回2死で迎えた細川から、5回の高橋周、板山、木下拓から4連続三振を奪うなど、6回4安打1失点、今季最多タイの7奪三振と好投を見せた。一方の打線は先制を許した直後の2回、先頭の5番大山悠輔がカットボールを左中間スタンドへ運び同点に追いついた。そして0-0のまま迎えた6回。先頭の佐藤輝が左翼へ二塁打を放つと、大山が中前で続き無死一、三塁。ここで代打前川右京外野手(21)が一時勝ち越しの中前適時打を放った。この回は1点止まりも、7回1死から中野の四球、森下の右前打で1死一、三塁とすると、佐藤輝が放った二塁正面への打球を相手がトンネルし、この間に3点目を奪った。阪神は甲子園100周年記念となる30日からの次カードで首位巨人と対戦。上昇気流に乗って、ライバルを迎え撃つ。

◆ヤクルト長岡秀樹内野手(22)が、広島守護神の栗林を打ち崩し今季5度目のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。1点を追う9回2死二、三塁。「みなさんがつないで、回してくれたチャンスだったので、僕も勢いに乗っていきたかった」と初球フォークを捉えた。左中間に運ぶ決勝2点適時二塁打を放ち、待ち受ける仲間たちからウオーターシャワーを浴び歓喜に浸った。4打数無安打と快音ない中で迎えたが、集中は切れていなかった。この回無死一塁から中前打を放った後に代走を送られた山田がベンチに戻ると、打席に立ったときに感じた栗林の球種や球威を聞いて準備した。「追いこまれたら三振が取れるピッチャーなので、追いこまれる前に勝負いきたいと思っていました」と失投を見逃さず。「ここ最近では一番良いスイングができた」と振り返る会心の一打につながった。開幕したパリオリンピックでは、八千代松陰中に一時通っていた柔道女子48キロ級の角田夏美が日本勢の金メダル第1号となった。八千代松陰高出身の長岡は、時期は違えど同じ敷地内にいたという浅かならぬ縁を知り「お互いに刺激になればいいかなと思います」。競技は違えど、さらなる上を目指す気持ちは変わらない。【平山連】

◆阪神が劇的な今季6度目のサヨナラ勝ちで、中日に3連勝を決めた。これで今月6~10日以来、今季3度目の4連勝。貯金を持って、8月2日DeNA戦(横浜)から長期ロードに突入することが決まった。2点リードで迎えた9回、守護神・岩崎優投手(33)が代打山本から連打と四球で無死満塁のピンチを招き、同点に追いつかれるも、延長戦で再び打線が奮起。最後は延長11回、1死二塁から森下翔太外野手(23)が左翼へサヨナラ適時打を放った。阪神岡田彰布監督(66)は「同点まででしのいだのがな、それが大きいよ」と守護神の粘りをねぎらった。歯車がかみ合ってきたかの問いには「知らん。それはまだまだ、やっと8月に向かうところやのに。あんまり早よう合うてしまってもアカンで、まだ7月やから」と話し、笑いを誘った。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-岩崎はよく同点で「いやいや、もう球数が40超したけど、明日ねちょうど試合ないからなあ、もう追い越されとったら代えてたけどな、追い越されるまでは、もう岩崎に任すしかないから」-明日試合がないということも、巡りがよくなった「そうやなあ、今日はなあ、石井1枚休めたと思ったけどな」-岩崎は今年一番くらい悪かった「あー、まあなあ、どやろなあ、最初にポンポンとヒットヒットなったからなあ。まあ、1年間通じたら何回かそういうのあるけどな、うん。でもあっこまで同点まででしのいだのがな、それが大きいよ」-石井、岡留も大きかった「いやいや、本当なあ、石井はなあ、もう当然計算入ってたけど、岡留がな、あそこでちょうど3者凡退でな、ほんときっちり抑えてくれたから、次は1番からやったからな、11回は。向こうもこの打順はマルティネス来るよな、いつもやったら12回しかけえへんけどね」-マルティネスに今季初めて土つけたのも大きい「いやいや、まあ、同点だから言うとったんよ。同点やったらモチベーション上がれへんねん、あれな。去年もそうやったやんか。だいたいそうやんか、2回も負けてるんやから今年も他のチームに2回負けてるんやで」-あの回にも勝機があると思ったか「そら、あるある。中日が追い越したら全然違うよ、同点で投げてくるのとは全然違うけどな。そんなん分かってたから、同点で来てくれたから、こっちのええ打順で来てくれたから。向こうもな、ええ打順やからマルティネスいったわけやんか。こっちも、ここで点取れんと12回チャンスあるということやから」-森下はああいうところで打てる「いや、いいとこって、ちゃんと打てるようになってるから打てるんやんか。それだけのことやんか。で、打てるようになったらちゃんといいところで回ってくるようになるよ」-森下にこわさが戻れば、四球で後ろにつながるケースも生まれる「うん。流れ的にはものすごいいいよな、今は」-今度こそ歯車がかみあってきたか「知らん。それはまだまだ、やっと8月に向かうところやのに。そんな歯車かみ合うのは長く続けへんからな、はっきり言って。あんま早よう合うてしまってもアカンで、まだ7月やから」

◆阪神が今季6度目のサヨナラ勝ちで、中日に3連勝を決めた。これで今月6~10日以来、今季3度目の4連勝。貯金を持って、8月2日DeNA戦(横浜)から長期ロードに突入することが決まった。岡田監督の一問一答は以下の通り。-森下がやってくれた「いいとこに回ってくるんでね。今日は何回もチャンスつぶしてたんで。もうそろそろね、ピッチャーがいなくなるところだったんで、ほんとね、ちょうどよかったですね」-森下を直に指導した時期もあった。今の調子はどう見ている「調子というか、ヒットが出てるから、よくなってることは確かでしょうね」-本来は9回きっちり抑えたかった「それはね、理想ですけどね。まあね、今日はチャンスをつぶしすぎたんで。それはね、3点で終わってるから、ああいう展開になったかもわからないですね」-3連勝。試合の内容は「いやいや、内容というか。バントとかね、ちょうどね、ピッチャーがセカンドランナーだったんでね、あっこまで難しかったですけど。ランナーがヒットというか、にぎわすようになってきたんで。徐々に形ができてきたんで。今日はあと1本が出なかったんで、そのへんはこれからね、修正していくようにしないといけない」-1番、2番が出て3番、4番がかえすという形ができている「いやいや、まあそれは打順なんでね、そういう打順になってると思いますからね。みんなの役割、塁に出るという役割というかね、返す役割、それができてるんじゃないんですかね」-4連勝になった。勢いが出てきそう「まあ、勢いというかね、みんなそら、後半が勝負というのは分かってるから、でも最後、前半の最終戦でね、いい形でね、ああいう点を取ったんで、それは継続してね、この3連戦はできてるんじゃないかなと思いますね」-巨人を甲子園100周年で迎え撃つ「まあ、ちょうどいいんじゃないですか。これで甲子園もちょっと離れますからね。最後継続してね、いいゲームすればね、お客さんにも喜んでもらえると思います」

◆中日が今季5度目のサヨナラ負けで2度目の5連敗を喫した。ヤクルトが勝ったことで単独最下位に転落。借金も最多「11」にふくらんだ。2点を追う9回無死満塁からともに途中出場の田中の内野ゴロ、中田の左前適時打で同点。延長11回に守護神ライデル・マルティネス投手(27)を投入したが、先頭近本に左前打を許し、中野の犠打の直後に森下に左翼線へのサヨナラ打を許した。甲子園では開幕から8戦白星なく、1分けを挟んでの7連敗。鬼門払拭はならなかった。試合後の立浪監督のコメントは以下の通り。-(自ら切り出し)「やっぱり9回に越せなかったのがね。せっかく四球や死球でチャンスをもらったあそこで勝ち越せなかったのが。(途中で)メンバーを結構変えていたので、なかなか点が入るのは難しいが。ただ、思い切りの良さが相手と違うところ。その辺は見習ってチャンスでもっと振っていけるようにやっていくしかない。これだけ点が入らないと投手も苦しい。後攻めだから、こういうことになるが。その辺がずっと課題だけど、克服していくしかない」-追い付いた場面では中田が同点打を「あそこはよく追い付いてくれた。岡林もあのケース(同点に追い付いた後のの9回1死満塁)で投手が一番苦しかったところ。経験のある投手だが、(見逃し三振での)見送りだけは。やっぱり(バットに)当てないと何も起こらない。その辺は思い切って振れるように選手に言っていきたい」-代打中島が9回2死萬里で空振り三振(今季15打席無安打)「ヒットが打てていないから、あせりもあるんでしょうけど。簡単に代打で打てるものではない」

◆またまたまた森下だ。阪神3番の森下翔太外野手(23)が劇的なサヨナラ打で4連勝を導いた。同点の延長11回1死二塁で、中日守護神マルティネスから左翼線へ。中日戦で3日連続お立ち台に上がる2戦連続猛打賞の大活躍だ。5番大山が同点8号ソロ、4番佐藤輝も猛打賞を決めて、クリーンアップが4試合連続打点のそろい踏み。甲子園100周年イベントがある30日からの首位巨人3連戦に最高の弾みをつけた。森下が兄貴分に思い切り抱きしめられた。サヨナラ打を決め仲間からのウオーターシャワーを浴びると、佐藤輝と抱擁。頭を2度、優しくたたかれた。「水だけじゃなくてアクエリ(アクエリアス)もぶっかけられて目が痛い」。先輩たちの手洗い祝福に笑顔だ。3日連続のお立ち台で「ただいま!」とさけんだ。午後10時を過ぎ、鳴り物応援も終わっていた。延長11回。近本の安打、中野の犠打で舞台は整った。1死二塁でマルティネスから左翼へ猛打賞の適時打。難攻不落の守護神からチーム今季9度目の対戦で初得点だ。初球153キロ直球を「いくしかない」と一振りで仕留めた。6度目のサヨナラ勝ちで3度目の4連勝。8月2日DeNA戦からの長期ロードに、貯金を持って突入することも決めた。先輩のひそかな期待に応えた。次打者席の4番佐藤輝は「もう(森下が)決めろと思っていました」と明かす。昨年の12月。ハワイ優勝旅行では、森下が今季20本塁打を打てば腕時計を贈ると約束した。ファンにもなじむ「アイブラック兄弟」のTシャツが発売されることも決定したコンビだ。3番を打つ後輩は「自分がタイムリーを打てばテルさん、大山さんが楽に打てると思う」と胸を張った。4番佐藤輝も今季2度目の猛打賞で貫禄を示した。7回には二塁田中のトンネルを誘うラッキーな一打で4試合連続打点。望み通りの背番号1の劇打を「あんな場面で打つのは難しい。ナイスバッティングだった」とたたえた。大山も2回に同点8号ソロを放ち、森下、佐藤輝、大山の「ドラ1クリーンアップトリオ」が4試合連続打点のそろい踏み。後半戦は森下が打率6割6分7厘、佐藤輝が4割6分2厘。主軸が打てば勝つ。今季最多の16安打。同一カード3連勝で7月の月間勝ち越しも決め、30日からは3・5ゲーム差で追う首位巨人と対戦する。3戦目の8月1日は甲子園球場開場100周年の1日。岡田監督は「ちょうどいいんじゃないですか」と上昇打線に感じる手応えを隠さない。森下も「勝たないと意味がない」と力強い。ノリノリの猛虎中軸打線が、最高のはずみをつけた。【中野椋】

◆阪神大山が一時同点の8号ソロを放った。先制を許した直後の2回裏、中日松葉のカットボールを左中間席へ運んだ。「今日は勝ったことが一番なので、勝ててよかったです。明日1日空くので、また反省して準備して頑張りたいです」。大きな1発にも、主砲はいつもと変わらず地に足着けた様子。6回にも好機を広げる中前打を放つなど、これで11試合連続安打&4試合連続打点。頼もしさを増している。

◆阪神岡留英貴投手が延長11回を完璧に抑え、今季初勝利を挙げた。「先頭しっかりとって、アウト積み重ねる意識でいきました」。高橋周を直球で左飛に打ち取ると、田中を9球目のスライダーで一ゴロ。最後は中田をカットボールで三ゴロに仕留めた。初のお立ち台に上がると、地元沖縄の方言「ちばるさ(頑張ります)」を紹介。「来週もー!」の岡留のかけ声に、ファンが「ちばるさー!」と答えると笑顔を見せた。

◆「甲子園の申し子」がバットで後輩を祝福した。阪神前川右京外野手(21)が母校の智弁学園(奈良)が2年連続22度目の夏の甲子園出場を決めたこの日、一時勝ち越しの中前タイムリーを放った。出番は代打からだった。1-1の6回。無死一、三塁で中日の2番手岩崎に3ボールからファウルで食らいつき、6球目。「チャンスの場面だったんで、なんとかランナーかえせたら」と148キロ低めのフォークをすくい上げ、中前にはじき返した。今季の代打打率は2割9分4厘と勝負強さが光る。前日27日には7回の打席でフルスイングした直後に足がつり両脇を抱えられて途中交代。それでも一夜明ければ何のその。高校時代から変わらぬガッツマンは、この日も勝利に貢献する一打を響かせた。試合開始前、後輩たちの熱戦に手に汗握った。正午過ぎの奈良大会決勝。智弁学園は序盤に5点のリードを奪うも、8回に奈良大付に1点差に迫られた。それでも逃げ切り、歓喜の輪ができると、前川の頬も緩んだ。「うれしいですね。差し入れは(村上)頌樹さんと(小坂)監督と相談して決めます。今は忙しいと思うので、夕方くらいに(小坂監督に)LINEできたらなと思います」と気遣いもみせ、モチベーションを高めて"職場"へと向かった。高校時代は春夏通じて3度甲子園に出場し、3年夏にはチームを準優勝に導いた。あれから3年。23日の小坂将商監督の47歳の誕生日には「お誕生日おめでとうございます」と連絡し、「ありがとう。頑張れよ」とエールを受けた。今季も開幕前に1軍を報告するなど、節目には恩師への連絡を欠かさない。母校のV記念日に、最高の活躍でチームを祝うことができた。30日からの巨人戦へ「3連勝できたのでもう1回きちんと入っていけたら」と再び気合を入れた。甲子園100周年のメモリアルデーも打ちまくり、本大会に挑む智弁学園をさらに勢いづける。【村松万里子】高校時代の前川と甲子園 19年智弁学園1年夏、21年3年春夏の計3大会に出場した。3年夏は正左翼手として、1番または3番で全6試合に先発。2回戦横浜(神奈川)戦、そして智弁対決となった決勝の智弁和歌山戦で3安打を放つなど存在感を示し、準優勝に貢献した。甲子園通算成績は10試合で打率3割7分8厘。最後の夏は22打数10安打で打率4割5分5厘、本塁打も2本放った。

◆後輩たちに届け! 阪神西勇輝投手(33)が、母校の菰野(こもの、三重)の快進撃に応える快投で4連勝に貢献した。4回2死から5回に4者連続三振を奪うなど、今季最多タイの7奪三振。5勝目はならなかったが、6回4安打1失点でゲームメークした。今季15試合の先発で12度目のクオリティースタート(6回以上、自責3以下)という超抜群の安定感。後輩たちが目指す甲子園から、エールを送る魂の88球だった。「頑張って欲しい。3年間頑張ってきて、次勝ったら甲子園。いろんな気持ちがあると思うけど、冷静にやってほしい」母校の県立菰野がきょう29日、三重大会決勝で私学の鈴鹿と戦う。勝てば自身が3年時に出場した08年以来となる夏の甲子園が決まる。その前日、後輩たちを勇気づける快投となった。菰野時代が現在の礎になっている。「県では負ける感じはなかった」と振り返るほど、三重ではずばぬけた存在だった。プロを目指して他県の強豪との対戦で切磋琢磨(せっさたくま)。甲子園では9回完投も初戦の仙台育英(宮城)戦で敗退したが、私学の猛者から学んだ体験は何倍も成長させてくれたという。「自分がちっぽけと思えた方が、どんどんうまくなる。そういう経験があったからプロに行けたと思います」あれから16年。チーム最年長右腕は、最前線で先発陣を支えている。一回りも二回りも大きくしてくれる甲子園の舞台。後輩たちよ、聖地をつかめ!【波部俊之介】高校時代の西勇と甲子園 07年菰野2年夏の三重大会決勝は、宇治山田商相手に完投したが4失点で敗退。08年3年夏の決勝も同校との再戦となり、今度は完投勝利でリベンジし、高校時代唯一の甲子園出場を果たした。1回戦の仙台育英(宮城)戦で完投したが、13安打を浴び4失点で敗れ、校歌を歌うことはできなかった。「悔いはない。楽しかった。(プロに)行きたい気持ちはある」と宣言。同年ドラフト3位でオリックスに指名された。

◆阪神は「3番・右翼」に森下翔太外野手(23)が入った。現在3試合連続安打&打点と後半戦に入って復調気配。また、4番に座る佐藤輝明内野手(25)は相手先発の松葉から4月21日の一戦で3ランを放った。大山悠輔内野手(29)を含め、阪神のクリーンアップは全員が3試合連続打点。中軸が勝負所で1本を放ち、今季3度目の同一カード3連勝を狙う。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が0-1の二回先頭でカウント2-2から中日先発・松葉の真ん中付近のカットボールを振り抜き、左翼席への同点弾を放り込んだ。今季8号ソロで4試合連続打点と勝負強さが際立ってきた。西勇輝投手(33)が二回先頭で細川に対し、カウント3-1から高めに浮いたスライダーを捉えられ、左翼席へソロを運ばれたが、すぐさま追いついた。

◆「6番・左翼」で先発した阪神・野口恭佑外野手(24)が守備でチームを救った。1-1の三回。先発・西勇が先頭の龍空に左前打を許すと、松葉が犠打で1死二塁。さらに大島の打席の3球目、完璧にモーションを盗まれ、三盗を許してしまった。大島の打球は浅めながら左翼へ。ボールを捕球した野口は強肩で遊撃手・木浪へ。木浪から捕手・梅野へ。野口の強肩と完璧な中継プレーで、タッチアップを試みた三走をタッチアウトに仕留め、勝ち越しを許さなかった。

◆セ・リーグ、阪神-中日、18回戦、28日、甲子園)阪神・大山悠輔内野手(29)が0-1の二回先頭でカウント2-2から中日先発・松葉の真ん中付近のカットボールを振り抜き、左翼席への同点弾を放り込んだ。今季8号ソロで4試合連続打点と勝負強さが際立ってきた。「打ったのはカットボールかな。追い込まれていましたが、しっかり振り切ることができました。先に点を取られた後だったので、すぐに返すことができてよかったです」とコメントした。

◆阪神・前川右京外野手(21)が六回に勝ち越しの中前打を放った。この回先頭の佐藤輝が左越えの二塁打を放つと、大山が中前打でつないで無死一、三塁の好機。岡田監督は野口に代わって代打・前川を打席に送った。フルカウントから6球目、岩崎の148キロフォークを捉えると、打球は中前へ。27日は右足がつって途中交代。ヒヤリとするシーンもあったが、期待の若虎が1打席のチャンスをものにした。

◆先発した阪神・西勇輝投手(33)は6回88球1失点で降板した。二回先頭の細川にソロ本塁打を浴びて先制を許すも、粘りの投球で流れを引き寄せた。四回は2三振、五回は三者三振とボールの切れが冴えわたった。六回には味方のミスもあって1死一、三塁とピンチを背負うも、後藤を空振り三振、カリステを三飛に抑えてガッツポーズ。裏の攻撃で前川の適時打で勝ち越し点を奪い、代打を送られて今季5勝目の権利を持って降板となった。七回のマウンドには桐敷が上がった。

◆先発した阪神・西勇輝投手(33)は6回88球1失点で降板した。二回先頭の細川にソロ本塁打を浴びて先制を許すも、粘りの投球で流れを引き寄せた。四回は2三振、五回は三者三振とボールの切れが冴えわたった。六回には味方のミスもあって1死一、三塁とピンチを背負うも、後藤を空振り三振、カリステを三飛に抑えてガッツポーズ。裏の攻撃で前川の適時打で勝ち越し点を奪い、代打を送られて今季5勝目の権利を持って降板となった。「状態も悪くなかったです。試合中に監督から高めのボールも上手く使ってとアドバイスを貰って梅野と協力して投げていくことができました。ランナーを出しても粘っていくことでゲームを作ることができました」とコメントした。

◆阪神・桐敷拓馬投手(25)がピンチをしのいだ。2-1と勝ち越して迎えた七回、2番手でマウンドへ。先頭の細川に四球を与えると、続く高橋周にも死球で無死一、二塁のピンチを背負った。それでも、代打・田中はバントを好フィールディングで三塁封殺として1死一、二塁。続く代打・中田は150キロ直球でバットをへし折って遊ゴロ併殺に仕留めた。ピンチを招くも堂々とした投球で左腕が仕事を果たした。

◆阪神・前川右京外野手(21)が六回に勝ち越しの中前打を放った。この回先頭の佐藤輝が左越えの二塁打を放つと、大山が中前打でつないで無死一、三塁の好機。岡田監督は野口に代わって代打・前川を打席に送った。フルカウントから6球目、岩崎の148キロフォークを捉えると、打球は中前へ。27日は右足がつって途中交代。ヒヤリとするシーンもあったが、期待の若虎が1打席のチャンスをものにした。「打ったのはフォーク。打席に入る前に(木浪)聖也さんが前向きな言葉をかけてくれたので、思い切ってスイングすることができました。大事な場面だったので、なんとかランナーを還すことができてよかったです」とコメントした。

◆阪神が大きな追加点をあげた。2-1で迎えた七回。中日の3番手・清水に対し、1死から中野が10球粘って四球をもぎ取ると、森下が右前打でつないで1死一、三塁の好機。4番の佐藤輝明内野手(25)が打席に向かった。その初球、打球は二塁正面。しかし、これを中日の二塁手・田中がトンネル。失策も佐藤輝に打点がつき、阪神は大きな3点目をマークした。

◆阪神・岩崎優投手(33)が九回に登板。2点差のリードを守りきれず、がっくりと肩を落とした。先頭の代打・山本、細川に連打を浴びると、高橋周に四球で無死満塁。田中のニゴロで1点差とされると、中田に左前打を浴びて追いつかれた。さらに龍空に右前打で再び満塁。それでも岡林を見逃し三振に斬ると、代打・中島を空振り三振で勝ち越しは許さず。4万人を超える観衆が大歓声で左腕を後押しした。

◆阪神は今季19度目の延長戦に突入した。九回2死から中野が中前打で出塁。今季6個目の盗塁を決め、2死二塁と得点圏に進むと、森下は四球。佐藤輝が右前打でつないで、満塁とした。打席には二回に8号ソロを放った大山。しかし、遊ゴロに倒れ、サヨナラとはならなかった。

◆阪神が接戦を制しサヨナラ勝ちで4連勝。森下が試合を決めた。延長十一回に、中日の守護神・マルティネスから左前適時打を放った。先発の西勇は6回4安打1失点。桐敷、ゲラがピンチを招くも無失点でしのいだ。2点差で迎えた九回は守護神・岩崎がマウンドへ。連打と四球で無死満塁のピンチを背負うと、田中のニゴロで1点差。中田に左前打を浴びて同点とされた。阪神は今季3度目の同一カード3連勝で貯金を4とした。

◆延長十一回1死二塁でサヨナラ打を放ち、ウォーターシャワーで祝福を受ける阪神・森下翔太=甲子園球場(撮影・林俊志)

◆阪神がサヨナラ勝ちで3度目のカード3連勝。球宴を挟んで4連勝で7月を12勝8敗とし、2試合を残して、3ー4月以来の月間勝ち越しを決めた。延長十一回1死二塁で森下翔太外野手(23)が左前に4戦連続適時打を放ち、試合を決めた。十一回に登板した岡留英貴投手(24)が今季初勝利。森下のサヨナラ打は3度目。森下、大山悠輔内野手(29)、佐藤輝明内野手(25)の打点揃い踏みは4戦連続で今季6度目。チームは6度目のサヨナラ勝ちで延長戦成績は7勝7敗5分。2位広島とは0・5差となった。3・5差で激突する30日からの巨人3連戦を前にした岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=46勝42敗5分、観衆=4万2607人)。★テレビインタビュー編(一部抜粋)ーー巨人を甲子園100周年で迎え撃つ「まあ、ちょうどいいんじゃないですか。これで甲子園もちょっと離れますからね。最後いいゲームすればお客さんにも喜んでもらえると思います」(インタビューが終わって自ら)「10時半や、9時前に終わる予定やったのに」★囲み編ーー岩崎はよく同点で(九回2点リードを追いつかれたが1死満塁から連続三振で勝ち越し許さず)「球数が40超したけど、明日、試合ないからな。追い越されとったら代えてたけどな、追い越されるまでは、岩崎に任すしかないから」ーー29日に試合がないことも、巡りがよくなった「そうやなあ、今日はなあ、石井1枚休めたと思ったけどな」ーー岩崎は今年一番くらい悪かった「最初にポンポンとヒットヒットなったからな。1年間通じたら何回かそういうのあるけどな、うん。でもあっこまで同点でしのいだのが、それが大きいよ」ーー石井、岡留も大きかった「本当な、石井は当然計算入ってたけど、岡留が三者凡退で、きっちり抑えてくれたから、次は1番からやったからな、十一回は。向こうも、この打順はマルティネス来るよな、いつもやったら十二回しかけえへんけどね」ーーマルティネスに今季初めて土つけたのも大きい「いやいや、まあ、同点だから言うとったんよ。同点やったらモチベーション上がれへんねん、アレな。去年もそうやったやんか。だいたいそうやんか、(ここまで)2回も負けてるんやから今年も、他のチームに2回負けてるんやで」ーーあの回にも勝機があると思ったか「そら、あるある。中日が追い越したら全然違うよ、同点で投げて来るのとは全然違うけどな。そんなん分かってたから、同点で来てくれたから、こっちのええ打順で来てくれたから。向こうも、ええ打順やからマルティネス行ったわけやんか。こっちも、ここで点取れんと十二回チャンスあるということやから」ーー森下はああいうところで打てる「いや、いいとこって、ちゃんと打てるようになってるから打てるんやんか。それだけのことやんか。で、打てるようになったら、ちゃんといいところで回って来るようになるよ」ーー森下に怖さが戻れば、四球で後ろに繋がるケースも生まれる「うん。流れ的にはものすごいいいよな、今は」ーー今度こそ歯車が噛み合って来たか「知らん。それはまだまだ、やっと8月に向かうところやのに。そんな歯車?み合うのは長く続けへんからな、はっきり言って。あんま早よう合うてしまってもアカンで、まだ7月やから」

◆阪神がサヨナラ勝ちで3度目のカード3連勝。球宴を挟んで4連勝で7月を12勝8敗とし、2試合を残して、3ー4月以来の月間勝ち越しを決めた。延長十一回1死二塁で森下翔太外野手(23)が左前に4戦連続適時打を放ち、試合を決めた。十一回に登板した岡留英貴投手(24)が今季初勝利。森下のサヨナラ打は3度目。森下、大山悠輔内野手(29)、佐藤輝明内野手(25)の打点揃い踏みは4戦連続で今季6度目。チームは6度目のサヨナラ勝ちで延長戦成績は6勝7敗6分。2位広島とは0・5差。主な選手のコメントは以下の通り(成績=46勝42敗5分、観衆=4万2607人)。森下のサヨナラ打をネクストバッターズサークルで見届けた佐藤輝明 「もう決めろと思ってました」二回に8号ソロの大山悠輔 「今日は勝ったことが一番なので、勝てて良かったです」三回1死三塁の守備で左飛捕球後、中継プレーで三走の生還を阻止した野口恭佑 「練習からカットにつなぐとやって来たので、ストライク返球出来て良かった」六回、適時打を放った前川右京に囁いた木浪聖也 「ヒーローになるチャンスやなって言って、まあでもすごいと思います」九回に2失点の岩崎優 「(追いつかれた後、岡林の打席で)満塁で(カウント)3-1まで行って、ファンの方に拍手で盛り立ててもらってすごく感謝です。これから応えていかないといけない」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)は九回に追いつかれた阪神・岩崎優投手(33)の〝失点パターン〟に言及した。負けなかったことが何よりだ。ただし、本当なら九回で勝っていなければいけない試合。抑えの岩崎で勝てなかった部分は引っ掛かる。というのも岩崎は今季、リードを守れなかったのが5度目。どんな投手でも、毎回毎回、必ず抑えられるわけではないが、守護神としては失敗が多いのが気になる。本来の岩崎は高めの球が飛球になるのが好調の目安なのだが、この日の投球もそうだし、今季は、飛球になっていないケースが目につく。もう一点、連投になると抑える確率が一気に低くなる。長年、抑えを務めてきており、勤続疲労はあるのかもしれない。ただ、今季はここから、さらに蒸し暑い劣悪な環境での連投もあるはず。そう考えると心配だ。攻撃面では走塁ミスが目立った。二回に二塁を欲張った木浪、七回に三塁で刺された森下。ともに無理をする必要がないケース。ミスの積み重ねが、16安打して得点に結びつかない状況を生んでしまった。勝ったからこそ、反省しやすい。今後に生かしてもらいたい。

◆阪神がサヨナラ勝ちで3度目のカード3連勝。球宴を挟んで4連勝で7月を12勝8敗とし、2試合を残して、3ー4月以来の月間勝ち越しを決めた。延長十一回1死二塁で森下翔太外野手(23)が左前に4戦連続適時打を放ち、試合を決めた。森下の一問一答は以下の通り。ーー最後は読んでいた「読んだというかストレートタイミングで行くしかないと思ったので、見ても、あのピッチャーは打てないと思ったので積極的に行きました」ーー後半戦のスタートとしては最高「そうっすね。スタートとしては、チームが3連勝できたので、このカードしっかり取れたというのが大きいかなと思います」ーー九回に追いつかれたが勝ち切った「勝ち切れたのが大きいと思います」ーー有言実行の3連勝「この最初のカード3が後半戦の勢いとしても大切だと思うので、ここを3連勝にできたのは大きいかなと思います」ーー自身にとっても結果を残せたのは「いいところで打てたのが一番ですかね。打点というところは、やっぱり近本さんだったり、拓夢さんが出塁してくれるので、そこで自分が最初にタイムリー打てれば、輝さん、大山さんも自分がアウトになるより、すごく楽な環境で打てると思う。そういう意味で打線って繋がってくると思う。自分はどんどんどんどん次につなげたいなと思います」ーー巨人との3連戦「やっぱり勝たないと意味ないと思うので。どれだけ点とっても、どれだけ抑えても結局勝たないと最後は意味ないと思うので勝ちにこだわってやっていきたいと思います」

◆若虎の技が光った。膝を折りながら食らいつく。中前で白球は弾んだ。この一打がなければサヨナラ劇は生まれない。殊勲の一時勝ち越し打に、阪神・前川右京外野手(21)は一塁から笑顔で左手を突き上げた。「チャンスの場面だったので、なんとかランナーをかえせたらなと思って打席に入りました。ヒーローチャンスと前向きにいけた」1―1で迎えた六回無死一、三塁の絶好機。岡田監督から代打を告げられた。集中力を高めて打席に入る。「真っすぐタイミングでフォークをいこうと思って。いい感じに拾えた」。カウント3―2から6球目、低めのボールゾーンへと落ちる変化球をしぶとくバットに乗せた。値千金の中前適時打にベンチも大騒ぎ。〝カモメポーズ〟も披露した。前日27日の試合では2点適時打を放ちながら、フルスイングでファウルを打った際に足をつって途中交代していた。前夜のリベンジに期する思いもある。熱くなる若虎の心をほぐしたのは頼れる先輩。前川が打席に向かう途中、ネクストバッターズサークルの木浪がそっと声をかけた。「ヒーローチャンスやな!」。心がすっと軽くなった。だから、体が硬くなりすぎず食らいつくことができた。後輩たちの活躍にも背中を押された。この日、母校の智弁学園高が奈良大会を制し、2年連続22度目の夏の甲子園出場を決めた。「おめでとうございます。うれしいですね。差し入れは(村上)頌樹さんと話し合って決めたい」と喜んだ。かつて自身もその舞台で大暴れして準優勝を収め、プロとなった今ではホームグラウンドとしてプレーする。自らの打撃で、後輩たちが聖地で活躍することを前祝いした。「(同一カード)3連勝できたので、一日休んでもう一回、きちんと(試合に)入っていきたい」30日からは首位巨人との大事な3連戦。次もしぶとく、貪欲に勝利をもぎ取る。甲子園のヒーローの座は譲らない。(原田遼太郎)

◆森下がサヨナラ打を放った瞬間、ベンチ裏にいた岡留英貴投手(24)はスタンドの歓声を聞くや、グラウンドに飛び出した。延長十一回、打者3人をピシャリと抑えて、中日に流れを渡さず、今季初勝利を挙げた。「相手打者をしっかり見て投げられた。一人一人、アウトを積み重ねていこうという意識で投げました」先頭の高橋周を145キロ直球で左飛に。続く田中をスライダーで一ゴロ。最後は一発のある中田をカットボールで三ゴロ。きっちりと役目を果たした。「救援陣がみんな頑張っているので続こうと思っていた」3-1の九回、抑えの岩崎が同点に追いつかれたが、延長十回は5番手の石井が三者凡退に封じ、流れをつくった。後藤を二ゴロ、山本と4番・細川を連続三振に斬る、完璧な投球。バトンを託された岡留は緊迫した場面で投げる機会を待ち望んでいただけに、気持ちは高まった。「みんなが『やってこい』って送り出してくれた。しっかりゼロに抑えて、なんとか攻撃につなげていこうと思って準備しました」大卒3年目の今季は開幕1軍入りを果たしたが、12球団トップクラスの救援陣の生き残り競争は厳しく、5月30日に2軍降格。再調整して今月14日に1軍再昇格後、3試合目のマウンドだった。岡田監督は「石井はもう当然、計算に入っていたけど、岡留がな、あそこできっちりと3者凡退で抑えてくれたからな」と称賛した。サヨナラ打を放った森下とともに、初めてお立ち台に上がった沖縄出身の岡留は、甲子園の虎党に「ちばるさ~!」と呼びかけた。頑張るよ-という意味で、自分への叱咤激励でもあった。「楽しかったです。でも、普通にやればよかった」とテレたが、自信になる1勝を手にした。(三木建次)

◆また森下が決めた! 阪神は延長十一回の末、5-4でサヨナラ勝ち。1死二塁で森下翔太外野手(23)が初球を左前へ運び、3試合連続でお立ち台に呼ばれた。猛虎は後半戦3連勝スタートで、4連勝。この勢いで、30日からは3・5ゲーム差で追う首位巨人を相手に甲子園球場開場100周年記念の3連戦に臨む。また森下が試合を決めた。延長十一回、中日の守護神マルティネスを沈めた。サヨナラ打のヒーローにウオーターシャワーが降り注ぐ。4時間11分の死闘に終止符を打ち、3夜連続でお立ち台に上った。「長いゲームだったんですけど、勝ちで終われてよかった。水だけじゃなくてアクエリアスもぶっかけられて、ちょっと目が痛いんですけど、遅くまで残ってくれたファンの方々の声援があってこそのヒットだと思うので、ありがとうございました」12球団最速で観客動員200万人突破した節目の日に、甲子園を埋め尽くした虎党に感謝した。26日は試合を決定づける7号3ラン。27日にも先制打を含む3安打3打点と活躍していたが、それだけでは終わらない。決める男にはヒーローになる場面がやってくる。逆転して一時は2点リードを奪うも、九回に追いつかれて3―3で迎えた延長十一回。先頭の近本が左前打で出塁すると、中野が送って1死二塁。舞台は整った。この日6打席目に立った森下。「見ていっても打てないと思ったので、積極的に行った」。初球の真っすぐをはじき返すと、ライナーで三塁手の頭の上を越えた。近本が生還して勝負あり。中日戦3試合で8安打6打点と、後半戦3連勝スタートの立役者となった。一度辛酸をなめた剛腕への、リベンジの1打席だった。4月12日のバンテリンドームの一戦。同点の九回先頭でマルティネスと対戦したが、歯が立たずに3球三振に倒れた。打つ構えを完了させるとすぐに投げてくる投球モーションにタイミングを合わせられず。「対応できなかった自分が悪い」といらだちを隠せなかった。何度もやられるわけにはいかない。「次やるときはきっちり準備したい」と誓ったとおりに、雪辱の一打で3タテを食らわせた。岡田監督も背番号1の働きに目を細める。「ちゃんと打てるようになってるから打てるんやんか。それだけのこと。で、打てるようになったらちゃんといいところで回ってくるようになるよ」。同一カード3連勝で最高のスタートを切った。次は7月30日から首位巨人との3連戦。8月1日には甲子園開場100周年を迎えるメモリアルなカードで、3・5ゲーム差で追う宿敵を聖地で迎え撃つ。森下も一気に詰め寄る絶好のチャンスに力をこめる。「どれだけ点をとっても、どれだけ抑えても、結局勝たないと最後は意味がないと思う。勝ちにこだわってやっていきたいと思います」今季19度目の延長戦を制したからこそ、1勝の重みをかみしめた。さあ、甲子園100周年ウイークへ。背番号1の勢いはまだまだ止まらない。(中屋友那)?...阪神は後半戦3連勝スタート。2010年の4連勝(1分けを含む)以来?...阪神は21日の広島戦から4連勝。今月10日以来で、今季3度目?...同一カード3連戦3連勝は4月19-21日の中日戦、6月7-9日の西武戦に続いて今季3度目?...阪神サヨナラ勝ちは今季6度目?...阪神は今季19度目の延長戦で、7勝7敗5分け

◆強い虎が戻ってきたでェ!! 2点リードの九回。クローザーの岩崎がよもやの乱調で同点に追い付かれた...。前半戦の貧打阪神だったら、いや他球団でも最強のリリーフ陣を誇る中日が相手となったら、せいぜい引き分けなら御の字じゃないの? ところが球宴後、生まれ変わった猛虎打線は延長十一回に何と2022年のセーブ王・マルティネスから近本がヒット、中野がバント、森下がサヨナラタイムリーとわずか4球でマウンドに沈めたのだ!!この中日3連戦3連勝の要因は、ここのところず~っと俺は言っているけど、送りバントを重要視する『ちいかわ野球』なのだ!!1、2戦目は一回に2番・中野にバントさせてともに先制点を呼び連勝! 本日も一回にヒットで出塁した近本を中野がバントで送ったが、4番・佐藤輝がゲッツーで無得点...。それにより岡田『ちいかわ野球』はリセットされたのか? 同点の五回無死一、二塁、中野の場面で当然送りバントと思ったら、打たせてゲッツーでチャンスを潰す...。岡田さ~ん、延長十一回の森下のサヨナラ打も、中野がきっちりバントで送ったからですよ! とにかくバントにこだわりません? 今年はバントが覇者に導く、そんな気がするんだよね~!

◆細川に先制ホームランを浴びた瞬間、悲鳴が上がったのは、随分と昔話になってしまった。でも、日本中は、その直前の阿部詩ちゃんの一本負けで衝撃を受けていたから、細川弾のショック度はさほどでもなかった気がする。それにしても残念だ。関西が生んだヒロイン・阿部詩の号泣は、それはそれは辛かった。ふと、記者席のトラ番・中屋友那を見たら、元気がない。まさか、お前も詩ちゃんショック?「いえ。昨日(27日)の話ですが、高知県大会の決勝でわが母校・高知高が明徳義塾に負けてしまって。これで母校は高知県決勝で9連敗なんです。ことしこそ夏の甲子園に母校が来ることを信じていたので。ショックが尾を引いています」敗戦が人を強くするという。次なる舞台で頑張ってもらいましょう。その点、プロ野球は、勝っても負けても、すぐ次の日に試合が行われる。落ち込んでいる暇はない。前を向くしかない。さて、緑のユニホームで戦い抜いた「ウル虎の夏」もラストナイト。お好み焼き、ネギ焼き、たこ焼き、イカ焼きの屋台が立ち並ぶ甲子園球場の周回では「粉もん祭り」が花盛り。大行列の店も。匂いに誘われつつ、すぐ隣の仮設ステージに熱視線を送った。M-1ファイナリストにもなった人気お笑いコンビ「すゑひろがりず」が登場。並んでトークを繰り広げたのは、タテジマのエースとして一時代を築いた藪恵壹氏だった。本紙専属評論家の〝晴れ舞台〟だから、取材しないわけにはいかない。運動神経がないことで有名(?)な三島がメチャクチャな投球フォームをしながら「代打で登場したい」と言えば、「投げてるやないか!」と南條。ただただ苦笑いの藪さん。三島「ことしこそ、阪神に優勝してほしいんです」南條「去年も優勝しているやないか!」三島が野球に詳しくないとは知っていたが、この阪神ファンに囲まれた中で、昨年の日本一を知らないというネタは、相当に勇気がいるのでは。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
49385 0.563
(↑0.005)
-
(-)
51274
(+6)
231
(-)
50
(+1)
42
(-)
0.239
(↑0.001)
2.360
(↑0.03)
2
(-)
広島
44394 0.530
(↓0.007)
3
(↓1)
56247
(+4)
219
(+5)
35
(+1)
45
(-)
0.230
(-)
2.250
(↓0.03)
3
(-)
阪神
46425 0.523
(↑0.006)
3.5
(-)
50278
(+4)
251
(+3)
35
(+1)
28
(+1)
0.229
(↑0.002
2.250
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
45451 0.500
(↓0.006)
5.5
(↓1)
52311
(-)
314
(+6)
63
(-)
45
(-)
0.253
(↓0.001)
3.050
(↓0.04)
5
(1↑)
ヤクルト
38484 0.442
(↑0.007)
10.5
(-)
53321
(+5)
328
(+4)
64
(+2)
42
(-)
0.239
(↑0.001)
3.430
(-)
6
(1↓)
中日
38496 0.437
(↓0.005)
11
(↓1)
50218
(+3)
300
(+4)
40
(+1)
28
(+2)
0.235
(-)
2.780
(↓0.01)