中日(★1対4☆)巨人 =リーグ戦16回戦(2024.07.21)・バンテリンドーム=
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巨人
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中日
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勝利投手:菅野 智之(8勝2敗0S)
(セーブ:大勢(1勝1敗14S))
敗戦投手:松葉 貴大(3勝4敗0S)

本塁打
【巨人】若林 晃弘(1号・5回表2ラン)
【中日】中田 翔(4号・6回裏ソロ)

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◆巨人は0-0で迎えた5回表、若林の移籍後初本塁打となる2ランで先制に成功する。続く6回には、ヘルナンデスの犠飛などで2点を加え、リードを広げた。投げては、先発・菅野が6回5安打1失点の好投で今季8勝目。敗れた中日は、打線が11残塁とつながりを欠いた。

◆巨人菅野智之がバンテリンドームで先発登板する。菅野はバンテリンドームと相性が良く、通算成績は21試合で12勝3敗、防御率1・52の好成績。4月4日の前回登板も7回無失点と堂々のピッチングだった。この球場の菅野は崩れることが少なく、5失点以上は14年7月25日の1度だけ。逆に、7回以上を投げて自責1以下は半分以上の13度もある。今日も得意の球場で安定した投球を見せて前半戦最終戦を白星で飾りたい。

◆中日中田翔内野手(35)が移籍後初の本拠地アーチをかけた。4点を追う6回、巨人菅野から左中間席へ4号ソロを運んだ。「打ったボールはスライダーです。無我夢中で打ちました」と話した。5月3日のヤクルト戦(神宮)で3号を放って以来、2カ月半ぶりの本塁打。6月末に腰痛で今季2度目の出場選手登録抹消となり、今月19日の巨人戦から戦列復帰していた。

◆巨人が球宴前の最終戦を勝利で飾った。46勝38敗5分けの貯金8で前半戦を折り返した。セ・リーグ唯一のデーゲームで勝利し、2厘差で首位に立っている広島のナイター阪神戦の結果次第では5年ぶりの首位ターンが決まる。投打がかみ合った。中盤まで中日の技巧派左腕、松葉を打ちあぐねたが、5回に突破口を切り開いた。無死一塁から若林楽人外野手(26)が低めのチェンジアップに反応し、広大なバンテリンドームで豪快に左翼席に運んだ。6月下旬に西武からトレード移籍後、1号2ラン。ベンチの阿部監督も思わず身を乗り出すほどの一撃だった。若林は「うまく反応できました。菅野さんが頑張っていたので、先制できて良かったです」と振り返った。投げては先発の菅野智之投手(34)が貫禄のゲームメーク。3回2死一、三塁のピンチで高橋周をフォークで空振り三振に仕留めるなど要所を締めた。6回に中田に1発を浴びたが、6回5安打1失点でまとめた。7回はケラーが2死満塁のピンチを招いたが、リリーフした高梨が代打福永を投ゴロに仕留め、菅野のチームトップの8勝目(2敗)をアシストした。

◆中日は攻守の歯車がかみ合わず連敗を喫した。今季借金をワースト8に更新して前半戦を終了した立浪和義監督(54)は「チャンスもたくさんあったが、あの1点はきょうの菅野投手の出来であればきつかった」と6回に与えた追加点を悔やんだ。3回2死一、三塁の先制機は3番高橋周が空振り三振に倒れた。先発・松葉が5回、若林に先制2ランを浴びたその裏には1死から8番龍空が右前打で出塁。松葉をそのまま打席に立ち、犠打を決めたが、カリステが空振り三振に倒れた。そして6回、先頭吉川に右中間三塁打を許したところでベンチは藤嶋にスイッチするが、右犠飛で3点目を献上。さらに1死一、三塁から若林の二塁へのゴロで併殺を狙うが、龍空の一塁送球が遅れて4点目を奪われた。その裏、中田に4号ソロが出るも、7、8回の2死満塁を生かせず、チグハグな展開が続いた。松葉の6回続投について指揮官は「勝ちパターンの投手をつなぎながらと考えてはいたが、ホームランの2点だけでしたし」と説明した。

◆巨人若林楽人外野手(26)が移籍後初本塁打を含む3打点と暴れた。5回無死一塁で中日松葉から左翼席に先制2ラン。6回1死一、三塁では併殺コースの二ゴロを快足で併殺崩れとして追加点。阿部監督は「動物のように足が速い。ゲッツー崩れなんか、僕だったら(塁間の)半分くらいでアウト」と感嘆した。左翼手争いが激化する中で若林は「他の人より出てない分、今日はエネルギーを持って自分が動き回って打てればいいなと思っていた」と力強かった。若林が移籍後初アーチ。今季の若林は西武で本塁打を3本打っており、同一シーズンに2球団で本塁打は23年広岡(巨人、オリックス)に次いで10人目。また、Vアーチは5月1日日本ハム戦以来今季2度目。同一シーズンに2球団でVアーチは、19年モヤ(中日、オリックス)21年中田(日本ハム、巨人)に次ぎ3人目。

◆巨人菅野智之投手(34)がチーム最多の8勝目を挙げ、34年ぶりに前半戦セ・リーグ全カード勝ち越し&首位ターンをもたらした。多彩な変化球を変幻自在に操り、5三振の一方で、アウトの半分がゴロの山。失点はソロ1発にとどめ、6回5安打1失点で、自身5年ぶりとなる前半戦で8勝目に到達した。チームはセ5球団で唯一勝率5割だった中日を敵地で破って今季最多の貯金8とし、V率100%ターンにも成功。広島が阪神に敗れたため、首位に浮上して勝負の後半戦を迎える。勝負どころで、力の抜き加減が熟練の技だった。菅野が最初に迎えたピンチは3回2死一、三塁で3番高橋周。追い込んでから選択したのはフォークだった。「(高橋周は)当てるのが上手。最近はフォークがいいので、真っすぐも使いながら追い込めたのでああいう結果になった」。空を切らせ空振り三振。打ち気のバットを逆手に取った。5奪三振と要所で打ち取ると同時に、9個のゴロの山を築いた。フォーク、カット、スライダー、カーブでバットの芯を外す総合力で6回1失点。8勝目に到達した。チーム最多で前半戦トリを締めくくった自信と、あふれ出る責任感が菅野の口を突く。「出来過ぎとも思わない。ただ、イニングがあまり投げられていない。(チームに)勝たせてもらっているので。長いイニングを投げさせてもらえるように頑張りたい」。勝利の余韻に浸るよりも、7回のマウンドに立てなかったことが悔しかった。昨季最終盤に自信を取り戻すきっかけをつかんだ場所だった。自身ワーストの4勝だった昨年。9月16日敵地中日戦で5回2死二、三塁で岡林を空振り三振に打ち取った154キロの直球に、活路を見いだした。投げ終わりで跳ね上がる右足を動画で見返して、最大出力に自信を持てた。「昔よりも絶対トレーニングを積んできている。いいメカニズムで投げればこうなるんだ」。やってきたことは間違っていなかった。チームは首位に浮上し、90年以来34年ぶり12度目となる、セ5球団すべてから前半戦勝ち越しを決めた。過去11シーズンはいずれもリーグ優勝を収めているV率100%ターン。7勝の戸郷、山崎伊を1歩先で引っ張る姿に、阿部監督も「後半戦も厳しい戦いが多くなると思うので、そこでも頑張ってもらいたい」。菅野の日曜劇場は、後半戦に続く。【栗田成芳】

◆巨人菅野智之投手(34)がチーム最多の8勝目を挙げ、34年ぶりに前半戦セ・リーグ全カード勝ち越し&首位ターンをもたらした。チームはセ5球団で唯一勝率5割だった中日を敵地で破って今季最多の貯金8とし、V率100%ターンにも成功。広島が阪神に敗れたため、首位に浮上して勝負の後半戦を迎える。巨人が19年以来、35度目の前半戦首位ターン。過去34度のうち優勝は29度でV確率は85%になる。巨人新人監督の首位ターンは61年川上監督、81年藤田監督、02年原監督に次いで4人目。3人はいずれも優勝しているが、阿部監督も続けるか。今季はパ・リーグも1年目の小久保監督のソフトバンクが前半戦首位で、両リーグとも新人監督が前半戦首位は、04年の落合監督(中日)と伊東監督(西武)以来20年ぶり。

◆6月末に西武からトレードで加入した巨人・若林楽人外野手(26)が移籍後1号となる先制2ランを放った。0ー0の五回無死一塁。中日左腕・松葉が投じた変化球をとらえ、左翼ポール際まで運んだ。29打席目での移籍後初アーチ。先発・菅野を援護する貴重な一発にベンチ前で笑みがはじけた。

◆巨人は五回に若林の移籍後初本塁打となる2ランで先制。六回はヘルナンデスの犠飛などで2点を加え、細かい継投でリードを守った。菅野は6回を1失点で8勝目を挙げた。中日は七、八回の満塁のチャンスを生かせなかった。

◆巨人はオールスター前の最終戦に勝ち、2連勝で今季最多の貯金8とした。阿部慎之助監督(45)は6回1失点でチームトップに立つ8勝目を挙げた菅野智之投手(34)に「後半戦も厳しい戦いが多くなると思うので、そこでも頑張ってもらいたい」とさらなる活躍を期待した。6月にトレードで加入した若林楽人外野手(26)が「6番・左翼」で先発し、五回に移籍後初アーチとなる1号先制2ラン。六回1死一、三塁では併殺崩れの間に打点を挙げるなど3打点を挙げた。指揮官は「(併殺崩れは)僕だったら半分くらいでアウトですよ」と〝阿部節〟で報道陣の笑いを誘い、「動物のように足が速いところ。そういう一番大きな武器を持っている」と潜在能力の高さを評価した。他球場のナイターの結果次第では、5年ぶりの前半戦首位ターンとなる可能性も。就任1年目の阿部監督は「みんなの頑張りでここまでこれた。ここからはもっと大事な試合が続いていく。これ(前半戦)を無駄にせず、後半戦、優勝できるチャンスがあるだけでやりがいももっとあるだろうし、みんなが一つになって同じ方向を向いていければいい」と語った。

◆巨人が球宴前の前半戦をセ・リーグ5球団に勝ち越して終えた。球宴が始まった1951年以降、巨人が球宴を折り返しとした前半戦をセ・リーグ全球団に勝ち越して終えたのは、1990年(最終順位は優勝)以来34年ぶり12度目(新型コロナウイルスの影響で球宴が開催されなかった2020年は除く)。過去11度はいずれもリーグ優勝している。

◆巨人・高梨雄平投手(32)が4―1の七回2死満塁のピンチで登板し、中日の代打・福永を投ゴロに封じる火消しを見せた。今季29試合目の登板に「今のところ、与えられた仕事はいいクオリティーでできているのかな」とうなずいた。ブルペンのリーダー的存在の32歳は寝違えによる首痛を抱えているが「頑張りました。皆さんも寝違いには気を付けて」と笑った。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
46385 0.548
(↑0.006)
-
(-)
54261
(+4)
228
(+1)
49
(+1)
40
(-)
0.238
(-)
2.410
(↑0.02)
2
(1↓)
広島
43374 0.538
(↓0.006)
1
(↓1)
59234
(+3)
205
(+12)
34
(-)
45
(-)
0.229
(↑0.001)
2.160
(↓0.12)
3
(-)
DeNA
45421 0.517
(↓0.006)
2.5
(↓1)
55308
(+7)
301
(+8)
61
(+4)
45
(-)
0.254
(↑0.001)
3.000
(↓0.04)
4
(-)
阪神
43425 0.506
(↑0.006)
3.5
(-)
53262
(+12)
244
(+3)
33
(+1)
27
(-)
0.225
(↑0.002)
2.250
(-)
5
(-)
中日
38466 0.452
(↓0.006)
8
(↓1)
53211
(+1)
284
(+4)
39
(+1)
26
(-)
0.233
(-)
2.690
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
36474 0.434
(↑0.007)
9.5
(-)
56307
(+8)
315
(+7)
60
(+1)
42
(+1)
0.239
(↑0.002)
3.400
(↓0.03)