阪神(★0対1☆)広島 =リーグ戦15回戦(2024.07.20)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:森浦 大輔(2勝0敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝3敗26S))
敗戦投手:富田 蓮(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆広島が投手戦を制した。広島は両軍無得点で迎えた延長11回表、小園の犠飛で試合の均衡を破る。投げては、先発・大瀬良が7回無失点の好投。その後は4人の継投で完封リレーを展開し、5番手・栗林が今季26セーブ目を挙げた。敗れた阪神は、打線が中盤の好機を生かせなかった。

◆阪神近本光司は大瀬良を得意にしている。対大瀬良は通算55打数23安打で打率4割1分8厘。大瀬良と通算30打数以上対戦している打者は50人いるが、その中で打率4割以上は近本だけだ。特に、本拠地の甲子園球場で対戦したケースは18打数10安打、打率5割5分6厘をマーク。大瀬良とは21年8月27日から11試合連続安打中で、防御率0点台の今季も7打数4安打の打率5割7分1厘。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が球団生え抜きで初めて、捕手として1000試合出場を果たす。7番捕手でスタメン。先発及川雅貴投手(22)とのバッテリーでチームの4連敗を食い止めたい。及川は今季初先発だった5月24日の巨人戦(甲子園)で5回途中1失点。左手指にマメができ、無念の途中降板。試合復帰まで時間を要した。中継ぎで実績がある左腕が、プロ初の先発勝利を目指す。

◆元NMB48でシンガー・ソングライターの山本彩(31)が、甲子園の試合前に登場し、CMソングにもなっている「ひといきつきながら」を熱唱した。甲子園での歌唱は昨季の日本シリーズで君が代を独唱して以来。外野の芝生で弾き語りを行い、虎党を盛り上げた。「風も含めてめちゃくちゃ気持ちよかったです。ホームのようなアウェーのような不思議な感覚はあったんですけど、席の近くにいくと、皆さん親近感を持ってくださって。『さや姉!』という声をかけてくださったので、安心感がありました」と振り返った。この日は夏の恒例イベント「ウル虎の夏」の2日目。限定の緑色のユニホームで選手は戦う。

◆阪神森下翔太外野手(23)が審判も迷わす? 大ファウルを放った。4回2死から大瀬良大地投手(33)の球を思い切りすくい上げた。飛球は左翼ポール際へ。走り出そうとした。上空は強い風が舞っていたとみられ、着弾点の予想が誰もつかなかった。森下も打った直後はファウルと思っていたが、一瞬、走り出そうとした。結局、ポール上部をかすめるように、わずかにファウルエリアの客席に落ちていった。三塁塁審も少し迷ったように、しっかり確認してから手を広げた。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が捕手としての出場1000試合を達成した。5回終了で試合が成立。阪神の生え抜き選手では初めて。11年目の梅野は、6月18日の日本ハム戦で代打なども含めた通算1000試合出場を達成していた。通算1015試合。

◆阪神打線が、広島大瀬良大地投手(33)に4回1死まで1人も走者を出せない好投を許した。大山悠輔内野手(29)がようやく左前に快打。さらに前川右京外野手(21)も右前への痛烈な一打で続き、一気に盛り上がった。試合中盤にもかかわらず、少しずつ球場のざわめきが増していた。初回は内野ゴロ3本であっさり終了。2回先頭の佐藤輝明内野手(25)が左中間にいい当たりの飛球を放ったが、中堅手の秋山翔吾(36)に好捕された。3回、4回も安打性の打球があったが広島の二遊間に阻まれた。阪神は今年5月24日の巨人戦(甲子園)で戸郷翔征投手(24)に無安打無得点試合を食らった。今回も相手が6月7日のロッテ戦(マツダスタジアム)で「ノーノー」を達成している防御率0点台の大瀬良だけに、阪神ファンの不安も募った。

◆阪神野口恭佑外野手(24)が同級生の朗報に花を添えた。6回1死から代打で登場。難敵・大瀬良大地(33)からフルスイングで三遊間を鋭く抜いた。試合前に創成館(長崎)の同級生、川原陸投手(23)の支配下選手復帰を人づてに聞いた。少しの驚きとともに「よかった~」と連呼。自身は育成入団で今季から支配下選手として1軍で奮闘している。「一緒に1軍でプレーできるようにお互いに頑張っていきたい」と気合を入れ直していた。

◆阪神前川右京外野手(21)が変則的なライトゴロに倒れた。7回1死一塁で右翼前ややライン寄りに、詰まり気味の打球を放った。右翼手の野間峻祥(31)が小走りで落下点に入ったため、一塁走者の佐藤輝明内野手(25)は帰塁。しかし野間がまさかの落球。佐藤輝はあわてて一塁ベース付近から二塁に向かったが、まったく間に合わなかった。前の走者の進塁は防いだため、野間に失策はつかなかった。

◆阪神守備陣が勝負どころでドタバタの痛恨ミスを連発した。0-0の延長11回。無死一塁から富田蓮投手(22)がバント処理したが、一塁送球が浮いて打者走者を生かしてしまった(記録は犠打失策)。ボールがこぼれている間に一塁走者・大盛穂(27)が三塁へ。こぼれたボールを拾った二塁手の中野拓夢内野手(28)があわてて三塁に投げたが間に合わず。さらに送球が中途半端なバウンドになり、三塁手の佐藤輝明(25)が後ろにそらした。それを見た大盛は本塁に向かって走り出したが、左翼の植田海(28)がファウルグラウンドに走ってカバーに入っていた。植田は素早く三塁に送り、タイミング的には微妙だったがあえなくセーフ。阪神岡田彰布監督(66)がリクエストしたが、判定は変わらなかった。無死二、三塁とピンチが大きく広がり、その後勝ち越しを許した。

◆阪神が延長戦の末に広島に敗れ、5月26日~6月1日に5連敗を喫して以来の4連敗となった。延長11回、この回から登板した富田蓮投手(22)が先頭の秋山に四球を与えると、自身の犠打失策と中野の送球ミスで無死二、三塁とピンチを広げ、申告敬遠で無死満塁。最後は小園に決勝の中犠飛を浴び、接戦を落とした。阪神の先発マウンドは、今季2度目となる及川雅貴投手(23)だった。初回2死から野間、小園に連打を浴び、一、三塁のピンチを招いたが、上本をスライダーで空振り三振。その後は2回から5回まで、危なげなく無安打に抑えるなど、6回3安打無失点と好投を見せた。しかし広島の先発、大瀬良大地投手(33)も快投。阪神打線は4回まで1人の走者を出すこともできず、完璧に抑え込まれた。5回1死から大山悠輔内野手(29)がチーム初安打となる左前打を放ち、前川も右前打で続いたが、梅野が三ゴロ併殺。好機を生かせず。7回にも先頭の佐藤輝が左前打を放ったが、後続が続けなかった。先発及川の後を受けた石井、桐敷、岩崎、ゲラと盤石のリリーフ陣がつないでいったが、勝利にはあと1歩届かなかった。

◆/ついに試合が動いた\延長11回にカープが先制小園海斗が4番の仕事?プロ野球(2024/7/20)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #carp pic.twitter.com/6PjN7sImm6

◆阪神が延長戦の末に広島に敗れ、5月26日~6月1日に5連敗を喫して以来の4連敗となった。これで前半戦の4位ターンが確定。球宴前をBクラスで終えるのは16年の5位以来、8年ぶり。勝率も5割に戻った。岡田監督の一問一答は以下の通り。-ああいう展開になると一つのミスが「なんにもない。なんにも言うことないよ。ほんまに」-最後の守備もいろいろなところで歯がゆさが残る「だから言うことないって。もう。言葉がないわ」-昨日に続いて「そんなんずっとやんか。この前の東京ドームから。やってはいけないことって、なあ。チームの方針やん。それをまだやるんやもんなあ。だからなんにもないわ、もう、ほんま。信じられへん、俺は」-相変わらず見えないところで「そんなんいっぱいあるよ。見えないところって分かるやろ? 見とったら。見えてるで。そんなのは」-終盤のチャンスで送れていれば「だから見えてるやんか、みんな。なんのミスか分かるやん」-及川は久々の先発で頑張った「頑張ってるよ、ピッチャーは頑張ってるやんかお前、そんなのは。当たり前のことやんか」-いい当たりがファウルや正面にいったりも「それはしょうがないやんか、そんなもん、正面いくんやねんもんから。それで惜しかったなんて、プロやねんから済まされへんやんか。いてないとこ打ていうことやんか、そんなもん、惜しかったなんてないよ、プロには、お前。頑張りましたもないよ、高校野球違うんやから」(自ら)「何の言葉もない言うてるやんか」

◆阪神野口恭佑(24)が仲間の吉報に花を添えた。6回1死から代打で登場。大瀬良からフルスイングで三遊間を鋭く抜いた。試合前に創成館の同級生、川原の支配下復帰を聞くと「よかった~」と連呼。一緒に1軍で活躍する新たなモチベーションが湧いた。「打てたのはうれしいですけど、なかなか勝てていないので悔しいですね。勝ちたかったです」と満足感は見せなかった。

◆笑顔なき快記録だった。阪神梅野隆太郎(33)が捕手としての出場1000試合を達成。阪神の生え抜き選手では初の記録となった。敗戦後、自身の記録については「個人的なもの」と語らず「苦しい中だけど打破していくしかない。みんなが思うようにいかないことが重なると、こうなっちゃったりする。選手が一番悔しい」と前を向いた。先発経験が少ない及川を6回まで無失点でリード。救援陣の踏ん張りも引き出し、延長10回まで0-0の投手戦を支えた。ただ最後は守りのミスで決勝点を与え、打撃でも併殺打が2本。何より勝利に導けず、反省が多い1日になった。プロ11年目。6月18日の日本ハム戦で代打なども含めた通算1000試合出場を達成していた。坂本との併用で今年も欠かせないベテラン。「結果を受け止めて明日、いい締めくくりできるように」と次の1歩に集中した。【柏原誠】

◆阪神富田蓮投手(22)が痛恨ミスで敗戦を招いた。延長11回に登板したが先頭に四球。次のバント処理を一塁に悪送球し、さらに失策が重なって無死二、三塁。満塁とされてから小園に決勝犠飛を許した。「四球、エラーは自分の実力不足。(四球は)先頭を抑えるのを大事にしていたので厳しくいきすぎた。(悪送球は)ちょっと余裕を持ちすぎたから手元が狂った」と反省した。

◆阪神植田海外野手(28)の隠れたファインプレーは実らなかった。延長11回無死一塁から富田が一塁に悪送球。中野の三塁送球も悪送球となりファウルグラウンドに抜けたが、左翼に入っていた植田がきっちりボールの先にいた。オーバーランの走者を刺せるタイミングだったが佐藤輝が審判とぶつかり、植田の送球も遅れた。「(カバーは)みんな行っていると思う。たまたま(球が)来ただけ」と語った。

◆広島が2年ぶりの無失点3連勝で首位を守った。延長11回に2四球と敵失で無死満塁とし、4番小園が中堅へ決勝犠飛。小園は「(三塁走者が)大盛さんだったので打席に楽に入れました。(2ストライクと)追い込まれていたので、逆方向に強い当たりが打てればいいかなと思っていたので良いところに飛んでくれて良かったです」と大盛の好走に感謝した。同一年に甲子園で6連勝したのは63年ぶり。「去年はそんなによくなかったのを選手もわかっていると思うんで、今年やるぞと思ってくれていると思います」と新井監督。6年ぶり首位ターンも見えてきた。

◆悔しい延長戦負けの中、阪神及川雅貴投手(23)が、6回無失点で後半戦の先発ローテーション入りへ大きなアピールを決めた。3安打、4奪三振の快投。87球でプロ最長イニングを投げ抜いた。「低めにボールを集めることを意識することで、ゴロアウトも多く取れた。先発投手としての役目を果たすことができてよかったです」。言葉通り、ゴロアウトは7つ。リズム良く、スコアボードにゼロを並べた。「緊張した」という立ち上がり。初回2死から連打を浴び、一、三塁のピンチ。5番上本を129キロスライダーで空振り三振に仕留めた。「一番心配な部分というか、中継ぎでは味わえない場所が初回。ゼロで抑えられたのは、自分にとってもチームにとってもよかった」と波に乗った。2回から6回2死で野間に安打を浴びるまでは無安打投球。伊藤将の2軍落ちで空いた先発枠で結果を残した。1週間前まで中継ぎとしてブルペンに入っていたが、堂々たる投球。「思ったよりは大丈夫」とスタミナ面も問題ない。前回先発した5月24日の巨人戦(甲子園)では、4回1/3を1失点の好投。ただ、左手中指のマメをつぶして緊急降板した。入念にケアし、再発防止に務めた約2カ月間。この日の登板後は「大丈夫です」と強調した。前回先発時に続き、この日も実家の千葉・匝瑳(そうさ)市から観戦に訪れた母直美さんを安心させるピッチングだった。首脳陣は次回登板について明言しなかったが、23歳左腕は、後半戦の先発ローテーションに割って入ることができると証明した。先発としての初勝利はお預けとなったが「自分がこのまま抑えていけたら、めぐって来るものだと思っている」とやる気十分。敗戦の中で、明るい希望だ。【中野椋】

◆連日のうだるような暑さ。首位広島相手に連夜の0封負け。8年ぶりのBクラスターンが決まった試合後、阪神岡田彰布監督(66)は同じ言葉を繰り返した。「何にもない。何にも言うことないよ。ほんまに。だから言うことないって。もう。言葉がないわ」。今季13度目の完封負けで、0-1での敗戦も前夜に続く5度目。甲子園での広島戦は、4月10日からこれで6連敗。同一シーズンでは61年に並ぶワースト記録だ。チグハグの次はドタバタだった。延長11回無死一塁、7番手左腕の富田がバント処理するも一塁へ悪送球。こぼれたボールを二塁手中野が投げたが間に合わず、一塁走者の広島大盛が三塁到達。さらに中途半端なバウンドとなった送球を、三塁佐藤輝が後ろにそらす。大盛が1度生還を試みたため、カバーに入った左翼植田が三塁に送ったが、ギリギリのタイミングでセーフ。指揮官のリクエストも判定は変わらず、小園の決勝犠飛につながってしまった。一方の打線も、5回1死まで広島大瀬良に完全投球を許すなど沈黙。再三の好機で作戦を遂行できない。「この前の東京ドームから。やってはいけないことって、なあ。チームの方針やん。それをまだやるんやもんなあ。だから何にもないわ、もう、ほんま。信じられへん、俺は」。延長10回1死一塁では、犠打を試みた梅野が初球をファウル。続く2球目でバスターの構えをするも、中途半端なスイングとなり、最終的に二ゴロ併殺。ベンチの指揮官も表情をゆがめた。相手の好守備にも阻まれたが、指揮官は言い訳を一切排除した。「それで惜しかったなんて、プロやねんから済まされへんやんか。いてないとこ打ていうことやんか、そんなもん。惜しかったなんてないよ、プロにはお前。頑張りましたもないよ。高校野球違うんやから」。勝率5割で迎える前半戦最終ゲーム。一矢報いて、プロの意地を見せるしかない。【磯綾乃】阪神佐藤輝(延長11回の三塁での際どいタッチプレーについて)「審判とぶつかっちゃったんで...。(植田が)いいカバーしてくれたんですけど...」阪神中野(延長11回の犠打処理で一塁ベースカバーから三塁悪送球)「自分としては勝負にいったので。しょうがないかなと思います」阪神の完封負けは今季13度目。早くも昨年のシーズン通算13度と並んだ。また、この敗戦で今季の球宴前4位が決まった。阪神の前半戦Bクラスは、金本知憲監督時代の16年5位以来8年ぶり。阪神が同一年に甲子園で広島戦に6連敗は、61年4月11日~7月25日と並びワーストタイ。阪神の0-1敗戦は今季5度目。2試合連続は11年8月10、11日のナゴヤドームでの中日戦以来、13年ぶり。甲子園で2試合続けて0-1敗戦となると1リーグ時代も含め球団初となった。

◆約1カ月勝てなくても、カープを3連勝に導いたのは大瀬良の力投だった。7回を4安打無失点。安定感は揺るぎなかった。5回1死まで完全投球。5回1死一、二塁のピンチは梅野を三塁ゴロ併殺に打ち取り、ガッツポーズを作った。防御率は0・82に上昇。規定投球回に到達しての前半戦防御率0点台は、93年ヤクルト伊藤以来という快挙。球宴前の最終登板を終え「ここからそう簡単にゼロで抑えられないと思うし、できるだけ踏ん張ってゲームをつくっていければ」と力を込めた。この日は背番号14の大先輩、津田恒実氏の命日。93年7月20日に32歳でこの世を去った右腕の墓に、大瀬良は足を運んできた。命日の登板は8年ぶり3度目で、過去2試合同様自身に勝敗はつかず。だが初めてチームに勝ちがつき「(命日だけでなく)チームとして大事な試合で勝てていなかったので、いいピッチングができてチームが勝ったのは流れが変わる」と勝負の後半戦に視線を向けた。大瀬良が7回を無失点に抑え、前半戦は99回を投げて9自責点の防御率0・82で終了。前半戦終了時に規定投球回に到達して防御率0点台は93年伊藤(ヤクルト)以来、31年ぶり。伊藤の前半戦は109回を投げて11自責点の防御率0・91だったが、ケガのために後半戦は登板できず、最終的に規定投球回をクリアできなかった。大瀬良はどこまで0点台を守れるか。

◆阪神は及川雅貴投手(23)が先発する。今季は5月24日の巨人戦(甲子園)で初先発。ただマメが潰れるアクシデントもあり、五回途中を4安打1失点で降板した。そこから2軍調整をへて、中継ぎとして1軍復帰。この試合で先発としての初勝利を狙う。また梅野隆太郎捕手(33)が「8番・捕手」で先発。この試合で球団生え抜きとしては初の捕手1000試合出場の節目を飾る。

◆阪神打線が沈黙を続けている。広島の先発・大瀬良の前に四回まで一人の走者も出せず無安打。完璧に抑えられている。四回2死では阪神・森下翔太外野手(23)が左翼ポール際へ大飛球。高々と舞い上がった打球は浜風に押されて伸びたが、ファウルの判定にため息が場内を包んだ。阪神・先発の及川も広島打線を無得点に抑えているが、及川の今季初先発だった5月24日の巨人戦(甲子園)では、相手先発・戸郷がノーヒットノーランを達成。この日も沈黙する打線に球場は不穏な空気に包まれた。

◆今季2度目の先発マウンドに立った阪神・及川雅貴投手(23)は6回3安打無失点でマウンドを降りた。一回2死から連打で一、三塁のピンチを背負うも、上本を空振り三振に斬って無失点の立ち上がり。初回こそボールが浮いていた左腕だが、二回以降はしっかりと修正した。二回から五回まで無安打投球。六回2死から野間に安打と盗塁で得点圏へと進まれたが、4番・小園を二ゴロに仕留めて試合をまとめた。六回の攻撃で代打を送られて降板。「低めにボールを集めることを意識することでゴロアウトも多く取れたと思います。先発投手としての役目を果たすことができてよかったです」と納得のコメント。ただ、味方の援護なく先発としての初星はおあずけとなった。

◆阪神は0―0の延長十一回に痛恨のミスから失点。先制を許した。最終盤でほころびが出た。6番手でマウンドに上がった富田が先頭の秋山に四球で出塁を許すと代走・大盛。続く矢野は投前の犠打。ボールを処理した富田の一塁送球がそれ、大盛は三塁を狙った。転々とするボールを拾った二塁・中野が三塁への送球をするも再びボールがそれた。バックアップの植田がボールを処理し、三塁を回りかけた大盛に三塁・佐藤輝がタッチを試みたが、セーフの判定はリプレー検証でも覆らなかった。野間を敬遠して無死満塁とし、4番・小園と対戦。2球で追い込んだのち、3球目を中堅へ運ばれて犠飛で先制点を奪われた。

◆阪神は延長戦の末、広島に敗れて4連敗を喫した。好投の先発をまたも援護できなかった。及川雅貴投手(23)は今季2度目の先発マウンドで6回3安打無失点。一回2死一、三塁のピンチを切り抜け、二回から五回まで無安打投球と修正した。六回の攻撃で代打を送られて降板。ただ、味方が得点できず先発としての初星はお預けとなった。打線は五回、六回と一、二塁のチャンスを作るも凡退。今季18度目の延長戦に突入した。延長十一回に富田が登板するも、四球と自身のバント処理ミスからノーヒットで無死満塁とピンチを広げ、小園に先制の中犠飛を許した。その裏の攻撃で得点できず、2戦続けて0―1で敗戦。前半戦1試合を残して貯金が0となった。

◆広島が延長戦を制し3連勝で首位の座を守った。0-0で迎えた延長十一回、無死満塁のチャンスで小園海斗内野手(24)が決勝の中犠飛を放った。先発の大瀬良大地投手(33)は7回無失点の好投を見せた。ヒーローの小園は「なかなか点数が入らなくて重い雰囲気だったんですけど、チャンス作ってもらって、 4番なんで決められてよかったです。積極的に打ちにいくのが自分の持ち味なので、そこは忘れずになんとか決めてやろうっていう気持ちでした」と打席を振り返ると、「明日も勝って、僕はオールスターがあるんですけど、最高の形で後半を入れるように頑張りたいなと思います」とファンに呼びかけた。

◆阪神が連夜の「0ー1敗戦」で4連敗を喫し、勝率5割に戻った。延長十一回、先頭打者に四球を与えた富田蓮投手(22)のバント処理後の一塁悪送球と一走の三進阻止を狙った中野拓夢内野手(28)の送球が乱れるダブルエラーで無死二、三塁。申告敬遠で塁を埋めた後に小園海斗内野手(24)に中犠飛を許し、無安打で決勝点を献上した。森下翔太外野手(23)は1軍復帰後2試合で8打数無安打。梅野隆太郎捕手(33)が捕手として通算1000試合出場を達成したが2併殺。4戦連続1点差敗戦で延長戦成績は6勝7敗5分。甲子園では広島に6連敗。13戦ノーアーチで、8年ぶりBクラス球宴が決定。24イニング連続無得点となった。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=42勝42敗5分、観衆=4万2618人)。ーー一つのミスが「何にもない。何にも言う事ないよ。ホンマに」ーー最後の守備も歯痒さが残る「だから言う事ないって。もう。言葉がないわ」ーー19日に続いて「そんなんずっとやんか。この前の東京ドームから。やってはいけない事って、なぁ。チームの方針やん。それをまだやるんやもんな。何もないわ、もうホンマ。信じられへん、俺は」ーー相変わらず見えないところで「そんなん、いっぱいあるよ。見えないところってわかるやろ? 見とったら。見えてるで。そんなのは」ーー終盤のチャンスで送れていれば「だから見えてるやんか、みんな。何のミスかわかるやん」ーー及川は久々の先発で頑張った(6回3安打無失点)「頑張ってるよ、ピッチャーは頑張ってるやんか、お前。そんなのは。当たり前の事やんか」ーーいい当たりがファウルや正面に行ったり「それは、しょうがないやんか、そんなもん、正面行くんやねんもん。それで惜しかったなんて、プロやねんから済まされへんやんか。いてないとこ打ていう事やんか、そんなもん、惜しかったなんてないよ、プロにはお前。頑張りましたもないよ、高校野球違うんやから」(自ら)「何の言葉もない言うてるやんか」

◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)が阪神・富田蓮投手(22)の決勝点の起点となった先頭打者への四球に改めて注意を促した。投手にとって先頭打者への四球は一番許されないミス。富田も頭の中では分かっていただろうが、延長十一回、秋山への四球が痛恨だった。「攻めていけ」の指示はあったと思う。が、攻めきれなかった。もったいない。直後の自らのバント処理での悪送球で傷口を広げ、小園に犠飛を打たれた球も、外すのならしっかり外すべき。すべてに中途半端だった。連日の0-1敗戦は、いずれも失策絡みの失点。打てない時は、守りだけは堅実に-。鉄則だ。及川の投球が素晴らしかっただけに、残念すぎる1敗になった。その及川は、文句なしに先発合格だ。球速は145キロ前後だが、制球よく、多彩な球種を低めに集めていた。何より攻める気持ちが出ていた。大瀬良と投げ合って、この投球ができたことは、自信になったはずだ。内容だけならもう1イニング投げられそうだったが、ベンチの判断で無理をさせなかったのだろう。伊藤将が調子を落としている今、左腕の一枚として十分にローテを任せられる。

◆「7番・捕手」で先発出場した阪神・梅野隆太郎捕手(33)が球団史上初の生え抜き捕手1000試合出場達成したが、節目の試合を勝利で飾れず、笑顔はなかった。「(勝ち負けの)結果はあるものだから別にどうこうはないし、個人的な記録なわけで...」この日は4打数無安打で2併殺。五回1死一、二塁で三ゴロ併殺に。七回2死一塁では空振り三振。延長十回1死一塁からはニゴロ併殺に倒れた。バットで投手陣を援護できず、「(長い)シーズンでは絶対こういうことある。選手が一番悔しい」と無念さをにじませた。チームは今季2度目の4連敗で、貯金はゼロになった。21日は球宴前のラストゲーム。「結果をしっかり受け止めて...。明日も試合があるので、いい締めくくりができるようにやっていく」と前を向いた。(三木建次)

◆投手戦から一転、阪神は延長十一回に守備の乱れから失点し、2夜連続で0-1で広島に敗れて4連敗。貯金が再びなくなり、前半戦を4位でターンすることが決まった。明るい希望は今季2度目の先発登板だった及川雅貴投手(23)。大瀬良と投げ合い、6回無失点と好投した。〝ひと皮むけた〟指先から放たれたボールに、鯉打線はきりきり舞い。先発マウンドを任された及川が自己最長の6回を無失点で抑えてゲームメークし、スタンドを沸かせた。「低めにボールを集めることを意識することでゴロアウトも多く取れた。先発投手としての役目を果たすことができてよかった」1週間前に炎上した伊藤将が2軍に降格し、ローテに穴が空いたところで出番がやってきた。数多くこなしてきたリリーフでは味わえない一回のマウンドに立つと、胸には緊張感もほとばしり、2死から連打で一、三塁を招いた。このピンチで上本を空振り三振に斬ると、勢いづいた。力のある速球とスライダーを中心とした配球で、二回からの4イニングは1四球のみのノーヒット投球。安打と盗塁で背負った六回2死二塁のピンチも小園を二ゴロに仕留めて脱出すると、グラブを何度もたたいて喜びを爆発させた。打線の援護がなく勝ち負けはつかなかったが、リーグトップの防御率を誇る難攻不落の大瀬良との投げ合いで、予想したロースコアの展開に持ち込む6回3安打無失点の好投だった。今季初先発だった5月24日の巨人戦(甲子園)は五回途中で緊急降板。つぶした左手中指のマメは、4月の2軍戦でも負傷。再発防止に向けては秋山、西勇ら先輩にアドバイスを求め、火で炙って硬い部分を柔らかくするなど対策も施してきた。試合後も「大丈夫です」と笑顔を作り、その視線は未来へ向けた。「(スタミナ面は)思ったよりは大丈夫だったと思うけど、どこかで落ちる部分がある。そこをなんとかしていきたい。次回にまたチャンスがもらえるなら、意識することはできると思う」さらに優れた結果を求め、その左腕には磨きをかけていく。及川はまだまだ強く、たくましくなる。(須藤佳裕)

◆打てん、守れん、勝てん! 投手戦から一転、阪神は延長十一回に守備の乱れから失点し、2夜連続で0-1で広島に敗れて4連敗。貯金が再びなくなり、前半戦を4位でターンすることが決まった。明るい希望は今季2度目の先発登板だった及川雅貴投手(23)。大瀬良と投げ合い、6回無失点と好投した。タッチの差で届かなかった。ノーヒットでスコアボードに刻まれた1点に佐藤輝は天を仰いだ。防げたはずのミスを誰も止めることができない。こぼれ落ちた白星と白球の行方に岡田監督は言葉を失った。「何にも言うことないよ。ほんまに。もう、言葉がないわ。信じられへん、俺は...」両軍ゼロ行進で迎えた延長十一回。6番手・富田が先頭の秋山に四球を与えた。代走・大盛が送られ、矢野は当然の送りバント。打球を処理した富田の送球がそれた。一塁ベースカバーに入った中野が体を伸ばしてグラブに収めるも、白球はこぼれ落ちた。これを見て大盛は三塁へと向かう。今度は中野の三塁への送球が大きくそれた。左翼から植田がカバー。飛び出した大盛はあわてて帰塁。ボールを受けた佐藤輝がタッチしに向かったが届かなかった。無死二、三塁だ。申告敬遠で満塁としてから、犠飛で失点。この1点をはね返す力は虎打線に残っていなかった。

◆投手戦から一転、阪神は延長十一回に守備の乱れから失点し、2夜連続で0-1で広島に敗れて4連敗。貯金が再びなくなり、前半戦を4位でターンすることが決まった。?...阪神は今季13度目の零封負けで、早くも昨季と並んだ。うち0-1での敗戦は5度目。延長は18度目で6勝7敗5分け?...阪神の2試合連続零封負けは3月29、30日の巨人戦、6月11、12日のオリックス戦に続いて今季3度目。2試合連続の0-1での敗戦は2011年8月10、11日の中日戦以来13年ぶり?...阪神は17日の巨人戦の六回から24イニング連続無得点。今季最長は開幕カードの巨人戦での25イニング連続(3月29日の一回から31日の七回)?...阪神は7月4日の広島戦での大山の6号を最後に、5日のDeNA戦から13試合連続で本塁打なし。2016年6月3-19日の14試合連続以来8年ぶり。2リーグ制での球団ワーストは2012年4月12日-5月4日の15試合連続?...甲子園での広島戦は4月10日から6連敗。1961年に6連敗して以来63年ぶりの球団ワーストに並んだ?...3位DeNAとは2ゲーム差で、1試合を残して球宴前の前半戦を4位で折り返すことが決まった。2016年(5位=37勝47敗3分け、最終順位は4位)以来8年ぶり

◆クラ~! この真夏の猛暑の中、17日の巨人戦の六回からついに24イニングゼロ行進...。猛虎打線は虎党を、水分じゃなくて得点不足で熱中症にする気かァ!!ウル虎の夏って祭りやろー!? それなのに点は全く入らない、延長に入って四球やエラーで自滅...。こんなん祭りとちゃうわー!!でも、俺はふっと思ったのだ。阪神ファンは日本一!! その熱狂的な満員のファンに応えようとするあまり、常に力んでしまい、打てない。要するに猛虎打線はいい奴の集まりじゃねーのか!?例えば本日、阪神生え抜きのキャッチャーとしては初の1000試合出場を達成した梅野隆太郎(オメデトウ!!)。記念すべき日に虎党を喜ばせようとして力が入りすぎ、チャンスに三振、バント失敗にゲッツー2つだってんだから、それ以外に考えられないのだ!!先発した23歳、若虎の及川が6回わずか3安打無失点と快投を演じたのに、いい奴らだから、もちろん援護はな~し!!球宴まで1試合、悪い奴らでいいから、打ちまくったれよ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
43364 0.544
(↑0.006)
-
(-)
60231
(+1)
193
(-)
34
(-)
45
(+1)
0.228
(↓0.001)
2.040
(↑0.03)
2
(-)
巨人
45385 0.542
(↑0.005)
0
(-)
55257
(+4)
227
(+3)
48
(-)
40
(+1)
0.238
(↑0.001)
2.430
(↓0.01)
3
(-)
DeNA
45411 0.523
(↓0.006)
1.5
(↓1)
56301
(+4)
293
(+6)
57
(-)
45
(-)
0.253
(-)
2.960
(↓0.03)
4
(-)
阪神
42425 0.500
(↓0.006)
3.5
(↓1)
54250
(-)
241
(+1)
32
(-)
27
(-)
0.223
(↓0.001)
2.250
(↑0.03)
5
(-)
中日
38456 0.458
(↓0.005)
7
(↓1)
54210
(+3)
280
(+4)
38
(-)
26
(-)
0.233
(↓0.001)
2.680
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
35474 0.427
(↑0.007)
9.5
(-)
57299
(+6)
308
(+4)
59
(+3)
41
(+1)
0.237
(↑0.001)
3.370
(↑0.01)