阪神(★0対1☆)広島 =リーグ戦14回戦(2024.07.19)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:床田 寛樹(9勝5敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝3敗25S))
敗戦投手:村上 頌樹(3勝7敗0S)
  DAZN
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◆広島が投手戦を制した。広島は5回表、シャイナーの内野ゴロの間に1点を先制する。投げては、先発・床田が7回無失点の力投。その後はハーン、栗林の継投で完封リレーを展開し、床田は今季9勝目を挙げた。敗れた阪神は、先発・村上が快投を見せるも、打線がつながりを欠いた。

◆阪神木浪聖也内野手(30)と森下翔太外野手(23)が、出場選手登録された。代わって17日の巨人戦(東京ドーム)で左太もも裏の肉離れとなった小幡竜平内野手(23)、藤田健斗捕手(22)が出場選手登録を抹消された。木浪は6月15日のソフトバンク戦で背中に死球を受け、左肩甲骨骨折で離脱してから約1カ月ぶりの1軍復帰。「こういう時にしっかりチームに貢献できるようなプレーというか、自分のできることを精いっぱいやりたいです」と意気込んだ。森下は今月6日に出場選手登録を抹消。7日の日本生命とのプロアマ交流戦(鳴尾浜)で左翼にソロ本塁打を放った後は、ウエスタン・リーグの試合には出場せず、室内での打撃練習などをみっちりとこなしていた。「もう結果を残すだけじゃないですか。和田監督含めファームのコーチ陣は、自分がうまくいくようにしてくれていたので、そういう期待にもしっかり応えたいなと思います」と力を込めた。復帰した2人が連敗ストップの力となれるか。

◆首位巨人と2・5ゲーム差で4位の阪神は得点力不足解消へ、スタメンを入れ替えた。6日に出場選手登録を抹消され、2軍調整を続けていた森下翔太外野手(23)が1軍昇格。2軍戦では3試合で打率3割7分5厘を残し、早速「3番右翼」で出場する。また、左肩甲骨骨折で2軍調整を行っていた木浪聖也内野手(30)も「8番遊撃」で復帰する。先発は、村上頌樹投手(26)。広島床田寛樹投手(29)とは今季5度目の投げ合いで、ここまで2勝2敗。今日こそ白黒はっきりさせる。この日は毎年恒例の夏イベント「ウル虎の夏」の初日。選手は甲子園球場100周年の節目に合わせ、甲子園のイメージである「緑」を前面に押し出したユニホームを着用する。ファンと選手が一体となり、勝利を目指す。

◆19日からの広島3連戦は、阪神の毎年恒例の夏イベント「ウル虎の夏」が開催される。選手は限定のグリーンユニホームを着用している。甲子園球場100周年に合わせ、甲子園のイメージカラー「緑」を前面に押し出したものだ。両サイドには「100」と「∞(無限)」を表すラインが入っている。試合開始2時間後までに入場の入場券を持っている方全員に同デザインの限定オリジナルジャージーがプレゼントされる。この日はスタンドが緑色に染まりそうだ。同イベントは26~28日の中日戦(ともに甲子園)でも開催される。

◆NMB48の川上千尋(25)が、甲子園の試合前にダンスパフォーマンスを披露した。マウンド付近に阪神の公式チア「タイガースガールズ」と登場。その中心で華麗なダンスを披露し、球場を盛り上げた。川上は大の虎党として知られており、スタンドからはあたたかい拍手が響いた。

◆演歌歌手の丘みどり(39)が、試合前に君が代独唱を務めた。その後、スタメン呼び出しも行った。この日は夏の恒例イベント「ウル虎の夏」の初日。選手は限定の緑のユニホームを着用するが、丘も緑の着物で大役を務めた。「合わせてきました。最初は黄色か白黒の縦じまの衣装にしようかと思ったんですけど、やっぱりこのグリーンのカラーで。緑にしました」と笑って明かした。兵庫・姫路市出身の丘は、虎党でも知られている。「勝って、後半スタートに向けて良いスタートを切ってもらいたいという思いもあるので。これからさらに、応援にも力を入れて頑張っていきます」と期待を込めた。

◆プロ2年目の広島中村貴浩外野手(24)が、初の先発5番に抜てきされた。19日に今季初めて出場選手登録され、いきなり中軸に座った。2回の初打席は二塁ゴロに倒れたが、5回に先頭で迎えた第2打席で阪神村上のフォークを捉えて中前にはじき返した。そこから無死満塁と好機が広がり、シャイナーの遊ゴロで中村貴が先制のホームを踏んだ。昨年は1軍15試合に出場し、34打数6安打、打率1割7分6厘、3打点。8試合でスタメンを務めたが、1、2、7、8、9番で中軸は1度もなかった。

◆NMB48の川上千尋(25)が、始球式を務めた。「ウル虎の夏」のイベントで配布されているオリジナルジャージーを着用し、投球。見事にノーバウンド投球を披露した。「3年連続で始球式をさせて頂いているんですけど、1番良かったと思っています。いつも人の後ろを通って、キャッチャーの人が無理やり捕ってくれるっていう投球が多かったんですけど。95点です」と笑顔で振り返った。試合前にはダンスパフォーマンスを披露。マウンド付近に阪神の公式チア「タイガースガールズ」と登場すると、その中心で華麗なダンスを披露し、球場を盛り上げた。「あのマウンドからの景色は一生忘れられないなと思ったので。棺おけに持って行こうと思っています。思い出として」と感慨深げだった。川上は大の虎党として知られており、スタンドからはあたたかい拍手が響いた。

◆阪神近本光司外野手(29)が、超ファインプレーで先発村上頌樹投手(26)を救った。初回2死、広島野間の打球に前進。上空の風も強い中、最後は滑り込み、腕を目いっぱい伸ばしてボールをキャッチした。この日1軍復帰した遊撃の木浪聖也内野手(30)も笑顔。村上もグラブをたたいて喜んだ。

◆/今日の甲子園はこのファインプレーで幕開け\#近本光司 が難しい風を攻略前進からダイビングキャッチ???プロ野球(2024/7/19)??阪神×広島??Live on DAZN #DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/Dj6KhMOUsw

◆阪神木浪聖也内野手(30)が、守備でわかせた。4回1死、2番矢野の打球が二遊間へ転がった。遊撃の木浪はグラブを大きく伸ばして中前へ抜けようかという打球を捕球。素早く一塁へ送球し、間一髪のタイミングでアウトをもぎ取った。6月15日ソフトバンク戦で死球を受け、左肩甲骨を骨折。約1カ月間の2軍調整を経て、1軍復帰戦だった。好守備の直後には虎党からの木浪コールがこだました。

◆阪神村上頌樹が、超遅球で甲子園でどよめかせた。4回2死。1ボール1ストライクから野間に投げ込んだボールは、大型ビジョンの球速表示にも球速が表示されない遅球だった。山なりのボールには、甲子園のファンがざわついていた。ただ、その後、野間には左前打を許した。

◆/センターラインが堅い\捕ってから投げるまでが滑らかで最高ショートストップ #木浪聖也 がヒットを許さない?プロ野球(2024/7/19)??阪神×広島??Live on DAZN #DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/glArkoq7Cy

◆阪神野口恭佑外野手(23)が神風を味方に付けた。1点を追う7回無死一、二塁。先発床田から放った打球は、中堅方向へ高々と上がった。強い浜風が吹いていた甲子園。中堅手は一時捕球体勢に入ったようにも見えたが、押し戻されて手前にポトリと落ちた。すぐさま一塁走者は二塁へ進塁。中堅手からの送球と競争となったが、際どい判定はセーフとなった。広島ベンチからのリクエスト要求も覆ることはなく、電光掲示板にはHランプが点灯。2試合ぶりの安打となった。無死満塁にチャンスが広がったが、7番坂本が遊ゴロ本塁併殺、8番木浪が中飛。無得点で反撃とはならなかった。

◆阪神が前半戦最後のカード初戦で、広島に完封負けを喫し3連敗となった。完封負けは今季12度目、0-1での敗戦は6月25日中日戦(倉敷)以来、今季4度目となった。先発の村上頌樹投手(26)は、4回2死まで無安打と好投。しかし0-0のまま迎えた5回、先頭の中村貴、坂倉に連打を浴びると、菊池が犠打を試みた打球を、捕手坂本がファンブルし、無死満塁。続くシャイナーは遊ゴロも併殺崩れで、この間に先制を許した。それでも最後は床田を一ゴロ、さらに三塁走者の坂倉も挟殺し、最少失点にとどめた。一方の打線は、初回に先頭近本、中野の連打から無死一、二塁の好機をつくるも、この日1軍昇格したばかりの森下が初球で右飛。続く佐藤輝は空振り三振、大山は二邪飛と好機を生かせなかった。3回からは3イニング連続で3者凡退。5回の野口、坂本、木浪、6回先頭の村上まで4連続三振を喫すなど、広島先発の床田をなかなか打ち崩せず苦しんだ。やっと巡ってきた好機は7回。佐藤輝、大山の連打の後、野口の中堅への飛球が風の影響か、中堅秋山の前にポトリと落ちて安打となり無死満塁。しかし続く坂本が遊ゴロ併殺に倒れると、この日、1軍復帰した木浪はいい当たりも中飛。無死満塁から1点も奪うことができなかった。これで村上は今季7敗目。6月27日中日戦(甲子園)で約2カ月ぶりの3勝目を挙げて以来、再び3戦連続で勝ちなしとこの日も報われなかった。

◆広島が阪神との接戦に勝ち、今月8日以来の首位に立った。4回2死まで阪神村上に完璧に抑えられたが、5回にプロ2年目で初の中軸5番に抜てきされた中村貴の安打をきっかけに無死満塁の絶好機。シャイナーの遊ゴロの間に、三塁から中村貴が先制のホームを踏んだ。先発の床田は初回無死一、二塁のピンチを切り抜け、5回から6回にかけて4者連続三振。7回無死満塁の大ピンチもしのぎ、リーグトップとなる9勝目を挙げた。

◆阪神村上頌樹投手が、8回1失点の力投も4勝目を逃した。今季3度目の120球超えとなる129球を投げ抜いた。5安打、6奪三振。打線の援護がないまま、マウンドを降りた。これが前半戦のラスト登板となった。15試合で3勝にとどまったものの、防御率は2・10。先発ローテーションの一角として、仕事を果たし続けた。

◆阪神木浪聖也内野手(30)が、1軍復帰戦でバタついた。8回2死、広島の秋山の打球を捕球。ただ、バランスを崩して転んだ。記録は内野安打も、昨季ゴールデングラブ賞を獲得した男にとっては、痛いミスだった。木浪は5回無死満塁でもシャイナーのゴロのファンブル。ダブルプレーを取り損ねていた。いずれも失策はつかなかったが、ホロ苦い復帰戦となった。「まだまだですね。本当に迷惑をかけているので、しっかりここから、明日もあるので、やり返すだけというか。自分にできることがもっとこれからあると思うので。それに向けてやるだけです」とコメントした。

◆阪神が前半戦最後のカード初戦で、広島に完封負けを喫し3連敗となった。完封負けは今季12度目、0-1での敗戦は6月25日中日戦(倉敷)以来、今季4度目となった。試合後の岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。-ヒットの数自体は出ているが「そんなヒット...、点とらなアカンのやろ。ヒットの数やないやんか」-初回は一、二塁といい形のスタートだったが「いやいやそら、ランナー進めへんねんもん。しゃあないやろ」-とれるところでとらないと「とれるとこで、だから、その場できた選手が打つしかないやんか。そういうことやんか。そんなんオマエ、俺に言われても、ずうっともう何百回言うてるやんか、そんなのは。誰にな、スコアリングポジションでチャンス来るか分からへんねんから。野球やねんから」-森下の打撃を見られて「そらもう1軍来たら結果やからな。そういうことやんか。どうですか言うても、4打数0安打で良かったですって、俺よう言わんで。そういうことやろ。1軍のゲームやで」-7回も野口まではつながったが「なあ。まあキャッチャー2人制にしたからのう、今日のう」-ちょっと流れが。あそこでゲッツーは「ゲッツーってそら。普通はゲッツー打たんけどな。と思うけどな」-村上がいい投球しているだけに「いやいやお前、別にピッチャーそんなん何も悪ないやんか、ずーっとそうやんかお前。別にあんな1点も防げる1点やけどのう。意図が伝わらないからしゃあないやん。簡単すぎるよ、ほんま」-7回の併殺の場面、坂本にはどういう内容の打撃を求めた「どういうバッティングって、ランナーかえすバッティングやないか、何を言うてんそんなの。どういうバッティングってそんなん分かれへんやん。ピッチャーどこ投げてくるか分かれへんねんから、どこに打てとも、そんなん言えるわけないんやから、なんでよ、そらお前。そんなんお前、1点取られてなあ、一番取り返すチャンスやから、俺もいかなかったんや、代打はお前、そんなもんお前、そうやんか。なんで1点取られたんや、そんなん。一番チャンスや取り返す、挽回するチャンスやからそんなもん」-個人個人が考えてできていない。「やってないから点入れへんやんか。点やってしまうんやんか。まだな、明日試合あるから、なあ。そこまで言われへんけどお前、ほんまに。また走ってくる言うて、外されたらあかんからのお。いや、そういうことやろ。なあ、そんなお前、みんな誰も分かれへん話やからお前、そんなんは言う必要ないからお前、明日も明後日ものお、広島と試合あるんやから。ようそういうのが伝わらんていうことやんか、結局は」-ストレスがたまる「ええ? 何にもないわ」

◆19日に1軍昇格した阪神森下翔太外野手(23)が4打数無安打に倒れた。6日に出場選手登録を抹消され、約2週間の2軍調整を経て「3番右翼」で出場。だが、広島先発床田を前に初回、無死一、二塁の好機には右飛に倒れた。その後も二ゴロと右飛。9回には3番手栗林の146キロ直球を捉えて左翼フェンス際に運ぶも、左翼上本のファインプレーに阻まれた。1軍昇格即スタメン起用も、無安打に終わり、岡田彰布監督(66)は「そら、もう1軍来たら結果やからな。そういうことやんか。どうですか言うても4打数0安打で良かったですって俺よう言わんで。そういうことやろ。1軍のゲームやで」と嘆いた。

◆広島中村貴浩が初の先発5番に抜てきされ、決勝点につながる安打を放った。この日今季初めて出場選手登録され、先頭で迎えた5回の第2打席で阪神村上から中前打。そこから無死満塁と好機が広がり、シャイナーの遊ゴロで先制のホームイン。その1点が決勝点となった。プロ2年目ながら「ラストチャンスだと自分で思っているので、ここで残れるかずっと2軍にいるか、それぐらいの気持ち」と強い覚悟で勝利に貢献した。

◆阪神村上頌樹投手(26)が、今季7敗目を喫した。セ・リーグMVPに輝いた昨季の6敗(10勝)を前半戦だけで超えてしまった。8回5安打1失点。広島打線を最少失点に封じるも、味方の援護に恵まれなかった。ここまで3勝にとどまり「借金4になっちゃったので、後半戦で巻き返していけるように、最終的にプラスで終われるようにしていきたいなと思います」。静かに前を向いた。鬼門の「初回秋山」を封じた。今季は広島秋山が1番で先発した4試合全てで安打を浴びていた。しかも、そのうち3度、初球を捉えられていた。この日は、今季5度目となる1番秋山との対戦。5月21日の広島戦以来となる坂本とのバッテリーで、初回の初球に選択したのは74キロのスローカーブだった。「初球から来るのは、ほぼほぼ分かっていた。何でいくか、誠志郎さんと相談しながらいきました」。見事に二ゴロに抑え、波に乗った。5回には安打と捕手坂本の失策で無死満塁。シャイナーを遊ゴロに仕留めたが、木浪が打球をファンブルし、ダブルプレーにできなかった。その間に先制点を献上。「粘っていれば、なんとかなっていたかもしれない。もうちょっと粘れるようにしたい」。岡田監督は「別にピッチャーそんなん何も悪ないやんか」とかばった。129球を投げ抜き、これで球数120球以上は今季3度目。タフネス右腕に白星がつくような展開になれば、虎は強い。後半戦もチームのために腕を振る。【中野椋】

◆阪神桐敷拓馬投手(25)がチーム最速の登板数40試合に到達した。1点ビハインドの9回に登板。1死から小園に一塁内野安打を許したが、慌てず後続を打ち取った。3番野間から始まる打順を、1安打無失点に抑えた。「ランナーを気にしても良くないと思って、ある程度自分の間で投げられた。明日も、ランナーが出ても粘り強く抑えられるように頑張りたい」登板数はすでにキャリアハイ。40試合登板は球界でも中日マルティネス、松山に次ぐ今季3人目のスピード到達だ。ここまで防御率は1・91。緊迫した接戦を任されることが多い中、8試合連続無失点と抜群の安定感を誇っている。「登板数は気にせず1回1回の登板を大事に、ゼロでいくというところを変えずに。シーズン後半に向けて重要な場面も多くなると思うので、丁寧に投げていきたい」気を緩めることなく、目の前の一戦に集中する。

◆広島床田寛樹投手(29)が、リーグ1位となる9勝でチームを今月8日以来の首位に押し上げた。7回を投げ、4者連続を含む6奪三振無失点。7安打を浴びるも決勝打は許さず。無四死球の好投で最少リードを守り、結果、内容ともにハーラートップにふさわしい勝ち星を挙げた。圧巻は7回だ。佐藤輝、大山に連打され、打ち取ったかに見えた野口の打球も中前に落ちた。一塁走者・大山の二塁進塁へのリプレー検証も、セーフの判定は覆らず。無死満塁の大ピンチで、力を振り絞った。坂本は遊-捕-一の併殺。続く木浪への4球目に今季最速タイの151キロ直球を投げ込んでファウルを打たせ、6球目の勝負球は116キロのパームを選択。中飛に打ち取った。「(力を)振り絞るぐらいじゃないと抑えられないと思っていたので、踏ん張り切れたのはよかったかなと思います」と言う左腕を、新井監督は「ゲーム中はいろんなことが起こる。踏ん張ってゼロで帰ってきてくれたので、トコが救ったよね」とねぎらった。昨年2勝9敗1分けと苦しんだ甲子園で、チームは5連勝。「僕はイメージそんな悪くないんですけど、でもCSで負けて」と6回3失点で敗戦投手になった昨年10月20日のファイナルステージを忘れてはいない。苦い記憶も力に変え、勝ち星を重ねていく。【堀まどか】シャイナー(5回無死満塁での遊ゴロで2試合連続決勝点)「打点を挙げるためにチームが必要としてくれていると思っているので、2試合連続でこういう形になってよかった。打点が取れれば、ホームランでもゴロでもいい」

◆ウル虎でも1点が遠い...。阪神が今季12度目のゼロ封負けで2年連続の首位ターンが消滅した。7回無死満塁の絶好機でも坂本誠志郎捕手(30)が遊ゴロ併殺に倒れるなどまさかの無得点。広島よりも1本多い7安打を放ったが、得点を刻むことが出来なかった。木浪&森下がそろって1軍昇格し、スタメンに名前を並べたが不発。息苦しい3連敗に岡田彰布監督(66)のぼやき節も止まらない。不快指数だけがはね上がった。広島を上回る7安打を打っても、今季12度目の完封負け。ヒットは出ているがと問われた岡田監督は、あきれ気味にぼやいた。「そんなヒット...。点とらなアカンのやろ。ヒットの数やないやんか」。0-1での敗戦は今季4度目。ホームにかえす1本がこの夜も出なかった。初回にいきなり近本、中野の連打で無死一、二塁とするも、中軸が3者凡退。「ランナー進めへんねんもん。しゃあないやろ」。7回に佐藤輝から3連打でつくった無死満塁の好機。坂本が遊ゴロ併殺に倒れ、木浪も中飛と1点も返せずに終わった。「キャッチャー2人制にしたからのう、今日のう」。この日、藤田の出場選手登録を抹消し、捕手は再び坂本と梅野の2人制になっていた。その一方で、ここぞの場面で坂本のリベンジにかけたい思いもあった。「1点取られてなあ、一番取り返すチャンスやから、俺も行かなかったんや代打は」。5回無死一、二塁の広島の攻撃で、菊池が転がした打球を坂本がファンブル。決勝点につながる失策を喫した。「普通はゲッツー打たんけどな...と思うけどな」。汚名返上の期待も届かず。ぼやきまくりだ。この日は1軍復帰した森下を「3番右翼」で、木浪を「8番遊撃」で起用。開幕当初のスタメンがそろい、原点回帰のオーダーとなった。しかし、ともに無安打と打線を活性化させることはできず。森下は9回の最終打席で、左翼への大飛球を放ったが相手の好守にはばまれた。「そらもう1軍来たら結果やからな。どうですか言われても、4打数0安打で良かったですって俺よう言わんで。1軍のゲームやで」。当たり前のように、指揮官は結果を求めた。緑色のユニホームに身を包み、恒例イベント「ウル虎の夏2024」初戦に臨むも、6月4~6日以来の3連敗。次こそ打線をつなげて、スカッと六甲おろしを歌いたい。【磯綾乃】阪神は2リーグ分立後球団ワースト3位タイの12試合連続ノーアーチとなった。7月4日広島戦の大山を最後に、本塁打が出ていない。なお、2リーグ分立後最長は、12年の15試合連続。1リーグ時代も含めた球団ワーストは、41年の41試合。また、今季のチーム本塁打32はリーグ最少で、両リーグではオリックス31本に次ぎワースト2位。11:本塁打31→32阪神の完封負けは今季12度目。7・3試合に1度というハイペースだ。優勝した昨年はシーズン通して13度しかなく、今年は88試合消化時点で早くもあと1と迫ってしまった。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が19日、1軍に合流した。「和田(2軍)監督含め、ファームのコーチ陣の人も自分がうまくいくようにやってくれた。そういう期待にもしっかり応えたい」。不振で6日に出場選手登録を抹消。ファームで鍛錬してきたことを発揮し、後半戦への起爆剤となる。

◆阪神の森下翔太外野手(23)、木浪聖也内野手(30)が出場選手登録された。森下は7月6日に抹消され、2軍戦では打率・375(8打数3安打)。7日の社会人・日本生命との交流試合(鳴尾浜)では左翼ソロを放っていた。「ファームのコーチ陣の人も自分がうまくいくようにやってくれた。そういう期待にもしっかり応えたい」と意気込んだ。木浪は死球による左肩甲骨の骨折で6月16日に登録を抹消。復帰に向けて鳴尾浜で練習をこなし、今月16日に2軍で実戦復帰していた。「しっかりチームに貢献できるプレーを心掛けて、自分にできることを精一杯やりたい」と意気込んだ。代わって17日の巨人戦(東京ドーム)で負傷した小幡竜平内野手(23)と、12日に昇格の藤田健斗捕手(22)が登録抹消された。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が昇格した。7月6日抹消後は2軍戦に3試合出場し、8打数3安打1打点で打率・375。森下の試合前練習後の一問一答は以下の通り。ーー2軍では振り込む時間を取れた「そうですね。ファームの方が練習量は、かなりやってましたね」ーー整理出来た時間「そうですね。それをだけをやってたって形です」ーー久しぶりの甲子園は「風が強かったんで、風だけはもう一回確認しなきゃいけないなっていうのと。試合は入ってみたら、多分そこまで緊張とかはないと思うんで、出来る事をやりたいなと思います」ーー広島の先発・床田は格好の相手「そうっすね。いいピッチャーなんで、簡単に点は取れないと思うので、やっぱり1回のチャンスをモノに出来るか出来ないかの勝負だと思うんで。そこで、そういう場面で回ってきたら必ずランナー返したいなと思ってます」ーー整理して来た事は「いや、もうそれはたくさんあり過ぎて。一つだけじゃないというか。いろんな事をやって来たんで、特に何かっていう事はないですね」ーー全部「はい、もう全部見直してやってました」ーー2軍の首脳陣は、いろいろしてくれた「室内で打つの、バッティングピッチャーしてくれたり。1軍選手っていう扱いではなくて、2軍選手として、みんなと同じように扱って厳しくしてもらったんで。やっぱり自分も1軍から落ちて来て、気を使われた方が自分もやりづらいんで、そういう風に扱ってくれたってところは、すごくありがありがたいなと思ってます」ーーメンタル面で難しいところも「あ、そこは全然大丈夫です。すぐ上がって、結果出して、ずっとそっからは下がらないようにするっていうことだけを落ちてからも考えてたんで。いちいち落ち込んでる暇もないと思うんで。その面は大丈夫です」ーーメンタル面をどう保った「練習量も確保出来たんで、ほんとに自分のためにやれた期間だったんで、いつ上がってもいいような準備をずっとしてたんで、そういうところで焦りは別にないです」ーー1軍首脳陣から声とかは「まあ、そんな普通です。はい」

◆阪神・森下翔太外野手(23)が「3番・右翼」で昇格即スタメン出場する。森下は打撃不振で6日に出場選手登録を抹消。2軍で一から己を見直し、再昇格へ向け汗を流してきた。また左肩甲骨骨折で離脱していた木浪聖也内野手(30)も「8番・遊撃」で即スタメン。17日の巨人戦(東京ドーム)でスタメンを外れた近本は「1番・中堅」、中野が「2番・二塁」とそれぞれ定位置へと戻った。

◆阪神・近本光司外野手(29)が華麗な守備を披露。一回2死から野間の放った内野と外野の間に落ちるかという打球に猛ダッシュしてダイビングキャッチ!先発の村上を助け、球場内の虎党も拍手でナイスルプレーをたたえた。近本は裏の攻撃では先頭打者で右前打を放ち、攻守でチームを勢いづけた。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(25)が味方のミスも絡んで先制点を奪われた。五回、先頭の中村貴に中前打を浴びると、坂倉に右前打でつながれ無死一、二塁。続く菊池はセーフティーバントも、打球を処理した捕手の坂本がボールを握ることができず、失策。無死満塁とされた。打席には8番・シャイナー。一、三塁はホーム送球のシフト。二遊間は通常の守備シフトでダブルプレーを狙った。2球目、バットをへし折ると、打球は遊撃へ。併殺を狙った木浪だが、ボールをファンブルして、二塁封殺しか奪えず、この間に1点を失った。床田を一ゴロ併殺に仕留めた村上だが、好投手・床田の前に1点が重くのしかかった。

◆阪神打線がかみ合わない。1軍に昇格した森下を「3番・右翼」、木浪を「8番・遊撃」に据えて臨んだ一戦。一回は近本、中野の連打で無死一、二塁の好機を作るも、森下が右飛、佐藤輝が三振、大山が二邪飛とクリーンアップが倒れた。二回は1死から坂本が中前打を放ったが木浪が遊ゴロ併殺。投手・村上まで打順を回すことができず、打線の巡りも悪い。六回は1死から近本がこの日2本目となる中前打を放ったが後続が倒れて無得点。1点を先行される展開で、貧打線が打開策を見つけられずにいる。

◆阪神が絶好機を逃した。0-1で迎えた七回、先頭の佐藤輝が左前打を放つと、大山が右前打でつないで無死一、二塁。野口が打席に向かった。2球目、ふらふらっと舞い上がった打球は浜風に押し戻されたのか、中前にポトリ。中堅から遊撃・矢野へと返球され、一走・大山の二進に関して広島からリクエストがあったが、判定は変わらずセーフとなった。無死満塁の絶好機で打席には坂本。しかし、打球は遊撃へ。ホーム、そして一塁へとわたり、痛恨の遊ゴロ併殺に倒れた。木浪は中飛に終わってまさかの無得点。甲子園は悲鳴とため息に包まれた。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(25)は8回5安打1失点で降板した。課題の序盤3回を無失点で完璧に切り抜けたが五回は味方のミスが絡み無死満塁とされ、シャイナーの遊ゴロの間に1点を失った。それでも最少失点で抑え、その後は安定した投球で広島打線を抑えていく。七回、八回と無失点でしのぎ、八回の攻撃で代打を送られて降板。129球の力投で先発の役目を果たしたが八回の阪神打線も無得点に終わった。味方の援護なく、敗戦投手の可能性を残してマウンドを降りる形となった。

◆阪神は今季12度目のゼロ封負け。打線が好機を生かせなかった。一回は無死一、二塁の好機を作るも、森下、佐藤輝、大山が倒れて無得点。1点ビハインドで迎えた七回は3連打で無死満塁も、坂本が痛恨の遊ゴロ併殺。木浪が中飛に終わり、また得点を奪うことができなかった。先発の村上は五回に捕手・坂本の失策も絡んで無死満塁とされると、シャイナーの遊ゴロの間に1失点。8回5安打1失点、129球の力投で試合をまとめたが援護なく今季7敗目(3勝)を喫した。阪神は3連敗で貯金は1。前半戦最後の3連戦は苦しいスタートとなった。

◆六回2死、右飛に倒れた阪神・森下翔太=甲子園球場(撮影・根本成)

◆広島が首位浮上。五回、遊ゴロの間に取った1点を守り切った。床田はテンポ良く投げ、7回7安打無失点でリーグ単独トップの9勝目。栗林が25セーブ目。村上が好投した阪神は七回無死満塁など好機を生かせず3連敗となった。

◆阪神が3戦連続1点差負けで3連敗。4度目の「0ー1敗戦」を喫した。一回無死一、二塁、登録即スタメンの森下翔太外野手(23)が右飛に倒れるなど、クリーンアップが凡退。七回無死満塁では坂本誠志郎捕手(30)が本塁への遊ゴロ併殺、負傷から復帰した木浪聖也内野手(30)が中飛に倒れた。坂本の失策もあり、五回に内野ゴロで決勝点を献上した村上頌樹投手(26)は8回129球の力投も7敗目(3勝)。チームは床田寛樹投手(29)に対して3連敗。甲子園では広島に5連敗。12度目の零敗で球宴まで残り2試合で貯金は「1」。主な選手のコメントは以下の通り(成績=42勝41敗5分、観衆=4万2617人)。五回の失策と七回の併殺に坂本誠志郎 「僕が打って守っていれば勝てた」七回2死二、三塁で中飛の木浪聖也 「あそこで逆転すれば、チームも乗って行けた。そこは自分の責任」復帰戦で4打数無安打の森下翔太 「点取れないと勝てないので、明日は取りたい」一回1死一、二塁で空振り三振の佐藤輝明 「そこです。次は打てるように頑張ります」七回無死一、二塁で広島・床田から中前打の野口恭佑 「球界を代表するピッチャーから、もっと打てるように練習したい」広島・床田から2安打の近本光司 「得点につながらなかったので...得点につながらなかったというところですね」3勝7敗の村上頌樹 「〝借金4〟になってしまったので、後半戦は巻き返して行けるように」

◆阪神がオール1点差負けで3連敗。4度目の「0ー1敗戦」を喫した。一回無死一、二塁、登録即スタメンの森下翔太外野手(23)が右飛に倒れるなど、クリーンアップが凡退。七回無死満塁では坂本誠志郎捕手(30)が本塁への遊ゴロ併殺、負傷から復帰した木浪聖也内野手(30)が中飛に倒れた。坂本の失策もあり、五回に内野ゴロで決勝点を献上した村上頌樹投手(26)は8回129球の力投も7敗目(3勝)。チームは床田寛樹投手(29)に対して3連敗。甲子園では広島に5連敗。12度目の零敗で球宴まで残り2試合で貯金は「1」。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=42勝41敗5分、観衆=4万2617人)。ーーヒットの数自体(7安打)は出ているが「そんなヒット...点取らなアカンのやろ。ヒットの数やないやんか」ーー一回無死一、二塁で「いやいや、そら、ランナー進めへんねんもん。しゃあないやろ」ーー取れるところで取らないと「取れるとこで、だから、その場で来た選手が打つしかないやんか。そういうことやんか。そんなんお前。俺に言われても、ずっと、もう何百回言うてるやんか、そんなのは。誰にスコアリングポジションでチャンス来るかわからへんねんから。野球やねんから」ーー森下の打撃は「そらもう1軍来たら結果やからな。そういうことやんか。どうですか言うても、4打数0安打で良かったですって、俺よう言わんで。そういうことやろ。1軍のゲームやで」ーー七回は野口までは繋がったが(無死一、二塁から強攻策で中前打)「まあキャッチャー2人制にしたからのう、今日のう」ーーあそこでゲッツーは「ゲッツーってそら。普通はゲッツー打たんけどな。と思うけどな」ーー村上がいい投球しているだけに「いやいや、お前、別にピッチャーそんなん何も悪ないやんか、ずっとそうやんか、お前。別にあんな1点も防げる1点やけどのう。意図が伝わらないから、しゃあないやん。簡単過ぎるよ、ホンマ」ーー七回無死満塁で坂本には、どういう内容の打撃を求めた「どういうバッティングって、ランナーかえすバッティングやないか、何を言うてん、そんなの。どういうバッティングって、そんなん分かれへんやん。ピッチャーどこ投げて来るか分かれへんねんから、どこに打てとも、そんなん言えるわけないんやから、なんでよ、そらお前。そんなんお前、1点取られてな。一番取り返すチャンスやから、俺も行かなかったんや、代打は。そんなもんお前、そうやんか。なんで1点取られたんや、そんなん。一番チャンスや取り返す。挽回するチャンスやから、そんなもん」ーー個人が考えて出来ていない「やってないから点入れへんやんか。点やってしまうんやんか。まだな、明日試合あるから、なあ。そこまで言われへんけど、お前、ホンマに。また走ってくる言うて外されたらアカンからのお。そういうことやろ。そんなお前、みんな誰も分かれへん話やから。そんなんは言う必要ないから。明日も明後日も、広島と試合あるんやから。そういうのが伝わらんていうことやんか、結局は」ーーストレスがたまる「ええ? 何にもないわ」

◆広島・床田寛樹投手(29)が7回7安打無失点の好投でリーグ単独トップの9勝目(5敗)を挙げた。チームは7月7日以来の首位に返り咲いた。床田は力強い真っすぐに変化球を交え、阪神打線を無失点に抑えた。無死満塁と最大のピンチを招いた七回は坂本を遊ゴロ併殺、続く木浪を中飛に抑えグラブをたたいてベンチへ下がった。打線は五回、1死満塁の場面でシャイナーの遊ゴロの間に1点を先制した。ヒーローの床田は「最近、不甲斐ないピッチングが多かったので、1人ずつ勝負していこうと思ってマウンドに上がりました。(阪神・村上とは5度目の投げ合いで)何回投げ合うやろうと思ってたんですけど、なんとか勝てたのでよかったです」と笑みを浮かべた。七回のピンチについて「絶対ゼロで帰ろうと思った。この回までかなと思っていたので、最後の力を振り絞って投げました。本当ははもうちょい投げたかったんですけど、最後だと思って投げてました」と振り返っていた。

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)が七回無死満塁で、坂本誠志郎捕手(30)に代打を送らず、本塁への遊ゴロ併殺に倒れた場面に疑問を呈し、岡田彰布監督(66)の采配に言及した。岡田監督の「最大の見せ場」は七回だった。1点を追う無死満塁。まさに腕の見せ所で選んだ作戦は「選手任せ」。個人的にはすごく残念な選択だった。この場面、打率2割1分台の坂本に託すのは酷。まず考えられるのは代打・原口の投入だ。絶対に勝負を懸けるタイミングだった。坂本を打席に送るなら、スクイズを考えても良かった。左腕・床田だから三走の動きは見にくい。セーフティーではなく、純粋なスクイズなら成功確率は高かったのではないか。制球抜群の床田。初球ボールの後の2球目は狙い目にみえたのだが。この回は佐藤輝の安打は文句なしだったが、大山の一打はどん詰まり。野口の打球は、秋山が目測を誤ったもの。ラッキーで得たチャンスだったから、流れは阪神に来ていた。采配でモノにしてほしかった。阪神はロースコアの試合が続いている。この日の両先発を考えれば、試合前から1点勝負が予測できた。ならば、いかに三塁に走者を進めるかがポイントになる。たとえば一回無死一、二塁で森下に送りバントがあっても良かった。結果的に満塁になった七回も無死一、二塁から野口に代打で送りバントも考えていい。広島は唯一のチャンスといっていい五回無死一、二塁で菊池に送りバント(結果は犠打と坂本の失策)。打線が下位に向かう状況でも、三塁に進める選択をしてきた。ロースコアの戦い方だ。岡田監督は本来、多彩な作戦を駆使できるし、自分が動いてムチャな采配もできる。今季は動きが少なく「選手任せ」が目立つ。その選手に任せて、今の現状だ。任せても、期待に応えられないのが今年の阪神。どんどん動く岡田監督に戻ってもらいたい。

◆甲子園に充満する虎党のため息を浴びながら、心地よさそうに汗をぬぐった。広島・床田が7回無失点でハーラー単独トップの9勝目。巨人を勝率で抜き、8日以来の奪首に導いた左腕はナインの思いを代弁した。「あと2カ月ぐらい(のシーズンで)上にいるのは悪くない。しっかり勝てる試合を増やしていきたい」うだるような暑さで熱投した。一回無死一、二塁の危機をしのぐと、1─0の七回無死満塁では坂本をツーシームで遊ゴロ併殺、木浪はパームで中飛に仕留めて無失点。その後はハーン、栗林の零封リレーで1点のリードを守り切った。床田は村上と今季5度目の投げ合いに臨み、7回7安打無失点で3連勝。昨季のセMVP投手との対戦成績を3勝2敗とした左のエースを、新井監督は「七回は圧巻だった。素晴らしいピッチング」とたたえ「前半戦残り2試合を全員野球で頑張りたい」と表情を引き締めた。フル回転する床田は昨年6月に第1子となる長女が誕生した。2017年にプロ入り後は左肘のトミー・ジョン手術、右足首骨折と相次ぐ大けがを負った。「次、大きなけがしたらもう野球をやめようと思った。でも今は家族のためにできるだけ長くプロを続けたい」。遠征先では妻からスマートフォンに送られてくる娘の写真や動画が癒し。チームのため、家族ために腕を振る。チームは2連勝で貯金6とした。2位巨人とはゲーム差なしと混戦は続くが、床田、大瀬良、森下、九里の先発4本柱は強力だ。18年以来のリーグV優勝へ、まずは前半戦残り2試合も勝って首位ターンを決める。(柏村翔)

◆仏の采配も裏目...。阪神は広島に0-1で敗れ、今季12度目の零封負けを喫した。1点を追う七回には無死満塁を作ったが岡田彰布監督(66)は坂本誠志郎捕手(30)にそのまま打たせて、6-2-3の併殺打。五回に失策を犯して失点につなげていた坂本に「挽回するチャンス」と送り出したが...。3連敗で貯金1。「ウル虎」のフレーズが泣いている。動くか、それとも-。誰もが〝オカダの思い〟を待った。ところが、腰を上げることはしなかった。そのまま背中を押す。フリーで打たせた。坂本の反骨心が乗り移った打球を期待したが...。岡田監督はマグマのような怒りを押し殺しながら、致命的になった場面を振り返った。「1点取られてなあ、一番取り返すチャンスやから、俺も行かなかったんや、代打は。なんで1点取られたんや、そんなん。一番チャンスや、取り返す。挽回するチャンスやから」0-1の七回。先頭の佐藤輝が左前打、続く大山も右前打で続き、野口の中堅への飛球は秋山の前に落ちるラッキーな安打となり塁が埋まった。打席には打率2割前半の坂本。ここで指揮官は代打策はとらなかった。ところが、坂本は床田の142キロツーシームを捉え損ね、最悪の6-2-3の併殺打。続く木浪も倒れ、最終的に今季12度目の零封負けとなった。「ゲッツーって、そら。普通はゲッツー打たんけどなと思うけどな」

◆桐敷が1点ビハインドの九回に登板。1死から小園に内野安打を許したが、代打・上本と坂倉をともに外野フライに打ち取り無失点で切り抜けた。「走者を出しましたけど、気にしすぎても良くない。ある程度、自分の間で投げられた」。これで40試合登板で8戦連続無失点。「登板数はあまり気にせず、一回一回の登板を大事にゼロでいくというところを変わらずに。これからも重要な場面が多くなると思うので、丁寧に投げていきたい」と意気込んだ。

◆木浪が左肩甲骨の骨折から1軍復帰し、「8番・遊撃」で6月15日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来の出場。好守もあったが、五回無死満塁でシャイナーのゴロで併殺を奪えず、八回2死では秋山のゴロでもたつく(記録は内野安打)など、ブランクの影響を感じさせた。打撃では0―1の七回2死二、三塁で中飛に倒れるなど3打数無安打。「あそこで点数が入って逆転すれば、もっともっとチームも乗っていけた。自分の責任なので、しっかり練習したい」と反省した。

◆勝利の女神は、またしてもほほ笑まなかった。8回5安打1失点でも白星に恵まれない。阪神・村上頌樹投手(26)は必死で前を向いていた。「変化球もうまく制球できましたし、粘られてもしっかりとゾーンで勝負することができていたので、良かったかなと思います」前回までの14度の先発登板で総失点は31。そのうち61%にのぼる19点を三回までに失っていた立ち上がりの不安は?のように、打たせて取りながら三回まで完全だった。スコアレスの五回にピンチは訪れ、連打と、坂本の失策で無死満塁。併殺シフトを敷くなかでシャイナーに遊ゴロを打たせたが、木浪もファンブルし、取れたアウトは二塁封殺の一つのみ。その間に決勝点となる先制点を奪われた。だが、床田には一ゴロを打たせ、のちの三本間での挟殺で〝ダブルプレー〟。しっかりと最少失点で粘った。

◆久々の1軍も快音は響かなかった。九回は好守に阻まれて、左飛。ツキもなかった。阪神・森下翔太外野手(23)は4打数無安打に終わった。「(最後は)いい形では打てた。点を取れないと勝てないので、明日は(点を)取りたいと思います」打撃不振で6日に出場選手登録を抹消され、この日昇格。「3番・右翼」で先発出場した。しかし、一回無死一、二塁は右飛に倒れるなど好機を生かせず。練習後には「すぐ上がって、結果を出して、ずっとそこからは下がらないようにするということだけを(2軍)落ちてからも考えていた」と鳴尾浜での日々を振り返っていたが...。岡田監督は「そらもう1軍に来たら結果やからな。4打数0安打で『(内容が)よかったです』ってよう言わんで」と厳しいコメント。己の存在価値は勝利につながる結果で示すしかない。

◆シャイナーが17日のDeNA戦(横浜)の決勝3ランに続き、2試合連続で決勝点を挙げた。「8番・一塁」で出場し、五回無死満塁で村上から遊ゴロを放って「点が取れれば、ホームランでもゴロでもいい」とうなずいた。打率・222だが、勝負強さが光る助っ人は「打点を挙げるためにチームが必要としてくれているからね」と頼もしかった。

◆野口が2試合ぶりにHランプをともした。七回無死一、二塁で中堅への飛球は風に押し戻されて秋山の前に落ち、満塁に。結果的にヒットなったが、完全に打ち取られていただけに「次のレベルにいくとなったときにあれで満足していたらダメなので」と話した。1軍では初めて左翼の守備につき「風を確認しながら練習していたので、そこは全然問題なかった」と振り返った。

◆2試合ぶりに1番に戻った近本が一回先頭で右前打を放ち、好機を演出した。「1番(打者)は初回は塁に出ること(が仕事)なので、それができてよかったです」。六回も右前打でチームただ一人のマルチ安打。「得点につながらなかったので...」と多くは語らなかったが、3試合ぶりの複数安打で4試合連続安打と復調気配だ。

◆4番を任されている佐藤輝は一回1死一、二塁での三球三振を悔やんだ。「そこですね。次は打てるように頑張ります」。七回先頭では床田の内角高めにきた直球を左前に運び意地を見せたが「今度はいい当たりが打てるように頑張ります」と唇をかんだ。

◆16日の巨人戦で8回完投2失点の好投も、打線の援護なく負け投手になった才木に続き、こよいもまた、村上が8回1失点で見殺しになっても~た。アハハハ...って笑ってる場合かァ!!こんなこと、いつまで続けんねん!? こんなことばかりしとったら才木、村上はFAでメジャーやら他球団に行っちまうでェ! てか、阪神は投手に不利だからと、ドラフトで入団してくれへんわー!!1点を追う七回無死満塁の大チャンスは、坂本に代打原口を出さんで、何しとんの岡田はん!? 無死満塁の鉄則「最初の打者で得点できないと苦しむ...」。結果で言うのは悪いけど、坂本ゲッツーになったやんか!!何? 原口を代打に出すと、キャッチャーが梅野しか残っていないから、守りで負傷でもしたら試合を続けられない? アホか!! 時代錯誤老害ジジイを承知で言うわー!! 1977年の阪神、キャッチャー田淵負傷、2番手大島はすでに代打で出場、最後の捕手片岡が中指骨折。そのとき外野の池辺巌が「一番年上だから、ワシがやったるわ」とマスクを被り、投手古沢が大洋を封じ込めて勝利した歴史があるんや!! その血が縦ジマには流れとんのと違うんかい!?

◆野球が見たいですか? お肉が食べたいですか? そんな二択を提示されたら「肉!」を選びたい。もちろん、阪神の勝利を祈りながら。19日から甲子園球場の外周で始まった「甲子園 肉祭」(21日まで)。究極の牛肉づくし!と題し、肉グルメのお店がズラリ。お肉を焼く煙が立ち込め、その煙と一緒にお肉の香りが漂ってきて...。ここは鶴橋か? いや、甲子園や!野球観戦にやってきた虎党も、次々と吸い寄せられていく。トラ番・原田遼太郎が声を上げていた。「当然、叙々苑でしょう。大好きです!」高級焼肉といえば、そのお店の名前が出てくる。でも原田よ、残念! 君がラブコールを送った試合開始約1時間前の時点で、すでに叙々苑のお弁当は完売していた。野球より肉!を宣言した虎ソナが、阪神の練習を無視して抜け駆けしたのに、すでに売り切れ。店舗の関係者が両手を合わせて謝ってきた。「すみません。準備の段階で読み間違えました。明日は、きょうの倍の用意をさせていただきます」肉好き虎党が殺到したらしい。甲子園で味わう叙々苑は、本日20日に持ち越しだ。トラ番・邨田直人は別の「肉」にターゲットを絞っていた。「ホルモン酒場 あかやしろ」だった。「ホルモン好きですから。『名物ホルモンは見ればわかる美味しさ!』という紹介文にひかれています」他にも「肉」を満喫できるできる店舗が並んでいる。牛タンもあった。どうぞ、お楽しみください。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
広島
42364 0.538
(↑0.006)
-
(↓1)
61230
(+1)
193
(-)
34
(-)
44
(-)
0.229
(-)
2.070
(↑0.03)
2
(1↓)
巨人
44385 0.537
(↓0.006)
0
(-)
56253
(-)
224
(+1)
48
(-)
39
(-)
0.237
(↓0.001)
2.420
(↑0.01)
3
(-)
DeNA
45401 0.529
(↑0.005)
0.5
(↓1)
57297
(+8)
287
(+7)
57
(+2)
45
(-)
0.253
(↑0.002)
2.930
(↓0.05)
4
(-)
阪神
42415 0.506
(↓0.006)
2.5
(-)
55250
(-)
240
(+1)
32
(-)
27
(-)
0.224
(-)
2.280
(↑0.02)
5
(-)
中日
38446 0.463
(↑0.006)
6
(↑1)
55207
(+1)
276
(-)
38
(+1)
26
(-)
0.234
(↑0.001)
2.660
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
34474 0.420
(↓0.005)
9.5
(-)
58293
(+7)
304
(+8)
56
(+2)
40
(-)
0.236
(↑0.002)
3.380
(↓0.05)