ソフトバンク(☆6対4★)ロッテ =リーグ戦15回戦(2024.07.17)・みずほPayPayドーム福岡=
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ロッテ
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ソフトバンク
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勝利投手:藤井 皓哉(2勝0敗1S)
(セーブ:松本 裕樹(2勝1敗4S))
敗戦投手:中森 俊介(1勝1敗0S)

本塁打
【ロッテ】ポランコ(12号・2回表ソロ),岡 大海(6号・9回表ソロ)
【ソフトバンク】甲斐 拓也(3号・2回裏2ラン)

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◆ソフトバンクは2-3で迎えた5回裏、吉田の野選出塁の間に同点とする。続く6回に甲斐の適時打で勝ち越しに成功すると、8回には再び甲斐の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、3番手・藤井が今季2勝目。敗れたロッテは、投手陣が精彩を欠いた。

◆ソフトバンクのドラフト6位、大山凌投手(22)がプロ初先発で3回6安打3失点。ホロ苦い先発デビューとなった。初回に先頭高部から3連打され1点を失い、2回はポランコに12号ソロを浴びた。2-2と追いついた直後の3回は2死三塁でソトに勝ち越しの左前適時打を許した。4回からは同5位の沢柳亮太郎投手(24)がマウンドに上がった。

◆ソフトバンク周東佑京内野手(28)が超異例ともいえる好走塁で1点をもぎとった。1点を追う5回だった。先頭で左前打を放ち、続く1番今宮の場面で二盗に成功。今宮はワンバウンドする変化球に空振り三振に倒れたが、ロッテ捕手の佐藤が一塁へ送球する間に、周東は三塁へ進塁。相手守備の一瞬の隙を突いた。続く2番吉田の場面でロッテ内野陣は前進守備を敷いた。結果は二ゴロ(記録は野選)だったが、周東は俊足を生かしてホーム生還。ソフトバンクの誇るスピードスターで同点に追いついた。

◆ソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデス投手(27)がシーズン初登板から26イニング連続奪三振のプロ野球記録を樹立した。8回、1点リードの場面で登板。先頭高部をフルカウントから直球で空振り三振に仕留めた。「記録は知らなかった。いつも通りに投げた。よかった。うれしいよ」。1安打を許したものの4番ソトからも空振り三振を奪い無失点投球。連続イニング奪三振の記録は15年サファテ(ソフトバンク)の43イニング。シーズン初登板からはヘルナンデスの26イニングが最長となった。

◆ソフトバンクが5カードぶりの勝ち越しを決めた。甲斐拓也捕手(31)が自己最多タイの1試合5打点の活躍。7月は初の連勝で2位ロッテに8ゲーム差とした。試合後の小久保裕紀監督(52)の一問一答は以下の通り。-甲斐が5打点小久保監督 打撃陣の中では今日は甲斐の日だったなという感じですね。-6回は2死から3連打で1点小久保監督 その前のチャンス、ノーアウト一、三塁で(得点が)入らなかったのでちょっと嫌な展開だったんですけど、(5回に)周東の足でもぎとった1点でちょっと流れがこっちにきましたね。-周東は1回、岡の右中間への飛球をスライディングキャッチ小久保監督 あれは日本で周東以外は捕れないんじゃないですかね。-7月は「我慢の月」と言っていたが打線もつながってきた小久保監督 そんな感じはないですけど、でも打線は今日は先制されても粘りました。流れを持ってきたのはルーキーリレー。ホロ苦い(先発)デビューの大山の後に沢柳がしっかり6人で斬ってくれたところで流れがきたと思います。-大山は小久保監督 多少は緊張したと言ってましたけど、そんなにボールは悪くない。中継ぎの時の負けているゲームで投げるのと全く違うと思うので、これにめげずに次のチャンスをつかんでほしい。-次の先発チャンスは小久保監督 分かりません。-8回、周東の左翼ファウルゾーンへの飛球を観客がキャッチ。妨害行為で周東はアウトになったが小久保監督 妨害があったと言うので「それはリクエストできるんですか?」と言ったら「できる」と言われた。だからリクエストをしたら、妨害を宣告した時点でリクエストは受け付けられなかったらしいので。よく分かりません。できると言って、してもらえると思ったらアウトですと言われて。-妨害だと宣告される前にリクエストをすれば良かったということか小久保監督 その前に宣告してしまったらしい。宣告してたから(リクエストを)する時間もなかった。ダメだけど、それを勘違いしてて(審判が)「できるといってしまった」みたいな。よく分かりません。

◆7月打撃好調のロッテ小川龍成内野手(26)がマルチ安打を放った。「2番二塁」で先発出場。初回、無死一塁から三塁線への安打で先制のきっかけを作った。「エンドランだったので、なんとか転がそうと思って。逆方向の方が転がしやすかったので、そっちイメージしていいところに転がった」と振り返った。8回の第4打席では前日に3者連続三振に抑えられたソフトバンク・ヘルナンデスの直球を内野安打にした。「昨日打席に立った(藤原)恭大だったり(藤岡)裕大さんだったり、いろいろベンチで情報を聞きながら最善を尽くして行った結果、いいところに飛んでヒットになったんで、よかった」と入念な対策が安打につながった。7月の打率5割1分7厘と好調の小川が、前半戦ラストスパートを駆ける。

◆ソフトバンク甲斐拓也捕手(31)が自己最多タイ1試合5打点の活躍で7月初の連勝に導いた。2回に3号2ランを放ち、3-3の6回2死一、二塁で決勝の中前適時打。8回には2点適時二塁打でダメを押した。7ゲーム差に詰められて始まった2位ロッテとの3連戦で、5カードぶりの勝ち越しに成功。再び8差とし、19日から西武との球宴前最後の3連戦に向かう。甲斐は反省しきりだった。間違いなく打のヒーロー。しかし「キャッチャー甲斐」としては満足できなかった。「しっかりリードしていい形でいきたかったんですけど...」。ドラフト6位ルーキー、大山がプロ初先発で3回3失点。「球は良かった。大山はしっかり投げたんですけど。結果的に打たれてすごく悔しかった」。リード面の無念はバットで晴らした。0-2の2回2死一塁で左翼越え2ラン。6月7日のDeNA戦以来、約1カ月半ぶりの3号で同点に追いついた。「越えてくれと思ってました。ああいった結果になるとは思わなかったです」と自身も驚きの1発。3-3の6回2死一、二塁では決勝の中前適時打。4-3の8回2死二、三塁では左翼越え2点適時二塁打でロッテを突き放した。21年4月20日の楽天戦(北九州)以来、3年ぶり2度目の1試合5打点。さらに今季2度目の猛打賞の活躍にも「できることをしっかりやることが大事。やるべきことをやれればいい」と謙虚に話した。チームにとって大きな1勝だった。2位ロッテとの本拠地3連戦。7月上旬は12・5ゲーム差をつけていたが、約2週間で7ゲーム差に詰められて今カードを迎えていた。初戦を落としながら、2、3戦目で勝利。7月初の連勝、さらに5カードぶりの勝ち越しでロッテを返り討ちにした。これで8ゲーム差。再び独走といきたいが、甲斐は「ロッテがというよりは、しっかり勝ち越しを求めている。それはこれからも。相手がどこであろうとそういう野球をしていきたい」と一喜一憂はしなかった。19日からは敵地で西武とのオールスター前最後の3連戦。「前半はあと3つ、しっかりいい形で前半を終えられるように。まずはしっかり頭を取りたい」。甲斐はどこまでも謙虚だった。【只松憲】

◆ソフトバンク周東佑京内野手(28)が自慢の快足で攻守に活躍した。1点を追う5回。先頭で左前打を放つと、1番今宮の2球目に二塁盗塁。両リーグダントツの32個目のスチールを決めると「開幕からずっと考えていた」というスキのない走塁を披露。今宮が空振り三振に倒れ、捕球し損ねたボールをロッテの捕手・佐藤が一塁送球する間に、三塁を陥れた。「ずっと考えていたことが、この大事な試合でできてよかった」。さらに2番吉田の二ゴロで一気にホームに突っ込み、同点のホームインだ(記録は野選)。「僕はああいう走塁ができるから(試合に)出られているわけで、できて当たり前のプレー」。前進守備の内野ゴロでも生還する圧巻のホームインをさらりと振り返った。2試合ぶりのスタメン出場となったこの日は、今季初めて9番センターで出場。2回の1打席目には右前打を放ち、4試合ぶりのマルチ安打だ。さらに中堅の守備では、1点を先制された直後の初回2死三塁の場面で右中間最深部への岡の打球を快足を飛ばしてスライディングキャッチ。最少失点でしのぐ好守を見せた。「9番でできることは、1番でもできるということ。そこは変えないで頑張りたい」。選手会長は走攻守の3拍子でチームをけん引するつもりだ。【佐竹英治】

◆プロ初先発となったソフトバンクのドラフト6位ルーキー、大山凌投手(22)は3回3失点の降板に唇をかんだ。「完全に自分の力不足です」。初回に3連打で1点を先制されると、続く2回にはポランコに12号ソロを被弾。3回にも1失点で39球6安打のKO降板。「次の登板でいい投球をするために、もっともっと練習するしかない」と雪辱を誓った。

◆ソフトバンクの攻撃中に観客がグラウンドゾーン内の飛球をキャッチする場面があった。8回2死二塁。周東佑京内野手が左翼ファウルゾーンにフライを上げてロッテ岡が打球を追ったが、グラブを持った観客がフェンスからはみ出る形でこれをキャッチ。岡は捕球することができなかった。審判団は妨害行為が無ければ岡がキャッチできたと判断。小久保監督も抗議に出たが、判定は覆らずに3アウトチェンジになった。21年5月2日の楽天-ロッテ戦(楽天生命)でも観客による守備妨害が起こった例がある。

◆ロッテはソフトバンクに逆転負けし、ゲーム差は8になった。先発の高野脩汰投手(25)は2回にソフトバンク甲斐に2ランを被弾し3回3安打2失点。吉井理人監督(59)は「今日は中森と高野の2人で試合の半分以上、6回、7回っていうプランだったんですけども、うまくいかなかった」と振り返った。2番手で登板した中森俊介投手(22)も6回に3連打を浴び3回5安打2失点だった。「我々が期待してる中森はあんなもんではないので、もっともっと上を目指してほしい」とはっぱをかけた。1点リードの5回にソフトバンク周東の打球を前進守備だった三塁安田尚憲内野手(25)が捕れずに左前安打に。その後も周東の隙を突く好走塁で安打1本で同点を許した。吉井監督は「その前の攻撃が淡泊で、流れ悪いなと思った時に安田が捕れそうだったのを捕れなかった。ああいう時は、不運な失点が起こることがある」と話しつつも「全力でみんなで守っていけるように、しっかりやっていきたい」と前半戦最終カードに向けて力を込めた。

◆ソフトバンクが逆転勝ち。2―3の五回に吉田の二ゴロが野選となり同点、二回に2ランの甲斐が六回に勝ち越し打、八回に2点二塁打で突き放した。3番手の藤井が2勝目。ロッテは先発の高野脩、2番手の中森らがつかまった。

◆ソフトバンクの周東が走攻守で活躍した。2―3の五回に2本目の安打を放ち、二盗に成功。今宮がワンバウンドの球に空振り三振に倒れ、捕手が一塁へ送球した際に「開幕からずっといきたいと考えていた」と三塁に進み、吉田の二ゴロで野選を誘い生還した。隙を突いた好走塁は「今後もいくと思わせるだけで相手も変化球を投げにくくなる」と手応えを得た。一回の守備では快足を飛ばして右中間への飛球を滑りながら捕った。主に1番を担ってきたが、今季初の9番で貢献した。

◆ロッテは逆転負けで、7カードぶりの負け越しとなった。先発投手2人で試合の半分以上を投げる「ピギーバック」で高野脩と中森が登板したが、ともに3回2失点と踏ん張れず。吉井理人監督(59)は「今日は高野と中森の2人で試合の半分以上、六回はというプランだったんですけど、うまくいかなかったですね」と頭をかいた。先発の高野脩は打たせて取るスタイルで粘りの投球も二回2死一塁で甲斐に対し、フォークボールが真ん中付近に甘く入り、しっかりと捉えられて2ランを被弾。2年目左腕は「投げているボールは悪くなかったと思います。あの場面で甘い球を打たれてしまったのがもったいなかったです」と悔しがった。中森も走者を許しながらなんとか抑える投球だったが、五回は先頭の周東に左前打で出塁されると俊足も絡めて失点を許し、六回は2死から連打で勝ち越し点を許した。吉井監督は「試合はなんとか作ってくれたんですけど、われわれが期待している中森はあんなものではない。もっともっと上を目指してほしい」と厳しく評価し、さらなる期待をした。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
53283 0.654
(↑0.004)
-
(-)
59351
(+6)
221
(+4)
55
(+1)
62
(+2)
0.257
(↑0.001
2.420
(↓0.02)
2
(-)
ロッテ
44356 0.557
(↓0.007)
8
(↓1)
58310
(+4)
297
(+6)
44
(+2)
37
(+1)
0.253
(-)
3.160
(↓0.04)
3
(-)
日本ハム
40395 0.506
(↑0.006)
12
(-)
59293
(+6)
293
(+2)
53
(+2)
61
(+1)
0.243
(-)
2.980
(↑0.01)
4
(1↓)
楽天
40412 0.494
(↓0.006)
13
(↓1)
60288
(+2)
331
(+6)
39
(-)
58
(-)
0.246
(↓0.001)
3.700
(↓0.03)
5
(-)
ORIX
40422 0.488
(↓0.006)
13.5
(↓1)
59248
(-)
253
(+6)
31
(-)
35
(-)
0.239
(↓0.001)
2.700
(↓0.04)
6
(-)
西武
26571 0.313
(↑0.008)
28
(-)
59190
(+6)
291
(-)
33
(+1)
46
(-)
0.206
(-)
3.110
(↑0.03)