ヤクルト(☆4対1★)中日 =リーグ戦13回戦(2024.07.15)・明治神宮野球場=
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中日
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ヤクルト
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勝利投手:ヤフーレ(5勝7敗0S)
(セーブ:木澤 尚文(3勝1敗4S))
敗戦投手:梅津 晃大(2勝6敗0S)
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◆ヤクルトは2回裏、中村と山田の連続適時打などで3点を先制する。その後3-1となって迎えた8回には、中村の適時打で1点を追加した。投げては、先発・ヤフーレが6回1失点の好投で今季5勝目。敗れた中日は、先発・梅津が力投を見せるも、打線が振るわなかった。

◆ヤクルトはヤフーレが先発する。今季の同投手は13試合先発して4勝7敗。4月終了時には4勝1敗も、5月以降は白星がなく現在6連敗中。7連敗となれば、ヤクルトでは17年に11連敗した石川以来だが、外国人投手に限れば13年バーネットの6連敗を上回って最多連敗となってしまう。2カ月ぶりの白星を挙げて連敗ストップとなるか。

◆ヤクルトの新外国人候補? がゴリゴリに入団をアピールした。始球式に登板した背番号53は、どこからどう見ても、球団OBでメジャーリーグでも活躍した五十嵐亮太氏(45)。ただ、背番号の上の名前には「JA RUMOI」と見慣れない文字が刻まれていた。五十嵐氏にしか見えない右腕は、やや内寄りの速球を披露。その後、囲み取材に対応した。引退試合以来のマウンドと言い「やっぱり気持ちがいいですね。うん。なかなかね、こういった機会もない中で、ちょっと緊張もありながらなんですけど」と流ちょうな日本語を見せた。すると、突然自ら切り出した。「ちなみに今日、僕五十嵐って思ってるでしょ。見てください」と背中の文字を見せつけた。そこには、やはり「IGARASHI」ではなく「JA RUMOI」の文字。「ジャルモイ」かと思いきや、「ジェロモイ、ジェロモイ」とドヤ顔で自己紹介を始めた。「新外国人として来ているんです」と続けた。「(登録)枠空いていないかな? 勝ちパターンじゃなくてもいいので、ブルペンが元気になるように」と8連敗中のヤクルトを気遣った。自称ジェロモイは背番号にちなみ、自己採点は「53点」とした。「まだまだ行けるよっていうところをやっぱり伝えなければいけないので、半分ぐらいの力ですね。(高津)監督にも届くようにね」と笑った。ただ、始球式を見つめた高津監督は渋い表情だったと言う。勝利から遠ざかっているヤクルトについて話題が及ぶと、そこにはジェロモイではなく、五十嵐氏がいた。「かみ合うかどうかって大事だと思うので。点取ったときは取られてしまうとかね、抑えてる時はなかなか点が入んないっていうっていうのは、シーズン中よくあることなので。何かきっかけさえあれば、それがまた違った方向に行くと思う」と好転を願った。この日は神宮で北海道・留萌(るもい)の「JAるもい」によるイベント「北海道からあなたの食卓へ。風に愛された道北の地から~JAるもいスペシャルDAY」が開催された。ジェロモイではなく、同氏が北海道・留萌市生まれという縁で抜てきされたようだ。

◆ヤクルトが、連敗を8で止めた。連敗中、3点が最大だった打線は4点を奪う活躍を見せた。2回に中村の先制打、山田の適時打などで3点を奪取。8回には中村の中前適時打に、村上が二塁から本塁への激走。先発ヤフーレは打たせて取る投球で6回4安打1失点。自身も6連敗中だったが、安定した投球で4月29日巨人戦以来、約2カ月ぶりとなる5勝目を挙げた。勝利の瞬間、ベンチでフーッと大きく息を吐いた高津監督は「今日だけはちょっとホッとしたいかな。長かったですね。1つ勝つ難しさ、1点取る難しさ、最後の1つのアウトを取る難しさ、非常にこう強く感じたこの連敗中でしたね」とかみしめた。▽ヤクルト・ヤフーレ(4月29日巨人戦以来の5勝目。自身の連敗は6でストップ)「少し苦しかったんですけど、常に粘り強く、常に諦めない心を持って全力で練習していた。必ず結果はいつか付いてくると自分に言い聞かせてきた」

◆中日が2連敗で1試合を残す8連戦の負け越しが決まった。2点を追う8回無死一塁で、石川昂を代打で投入。だが甘めの初球を見逃し、外角低めの2球目を引っかけ併殺打で逸機。立浪監督は「初球を打って凡打とかゲッツーはいい。代打で出たら初球から振れるように、1つ考えてもらいたい」と若竜への猛省を促した。▽中日梅津(2回に4連打などでの3失点だけで7回粘投も6敗目)「ストライクゾーンで勝負することは継続できている。自分の(直球の)強さをもっと生かして(いきたい)。力不足はまだある」

◆中日が2連敗し、1試合を残す8連戦の負け越しが決まった。先発梅津晃大投手(27)が2回先頭からの4連打などで3点を失ったが3回以降7回まで無失点で粘投。ヤクルト先発ヤフーレには5回無死一、三塁から代打石橋の内野ゴロで1点を返すのが精いっぱいだった。2点を追う8回無死一塁で、石川昂を代打で投入。しかし、甘めの初球を見逃し、外角低めの2球目を引っかけ併殺打に終わった。試合後の立浪監督のコメントは以下の通り。-(自ら切り出して)「梅津の立ち上がりの球は、いっていた。2回にポンポンポンとストライクがちょっと集まってしまったところで3点を取られてしまったけれども、7回までよく投げたと思う。この球場で3点はしょうがない点数かもしれないけど、ただ、あそこで無死走者二塁で1点ぐらいで抑えられるようにやっておけば、まだチャンスあったと思う。ヤフーレも今日は出来が良かった。そこが全てだった。前回、ヤフーレにはディカーソンの本塁打1本で勝ったけど、動く球を今日も攻略できなかった。絞りきれなかった。相手の捕手にもうまくリードはされているとは思うけど。2連戦なので明日一つ取れるようにやっていくしかない」-1番に板山を初起用「岡林もなかなか状態が上がりそうで、上がってこない。今日は狭い球場ということもあるんで、替えてはみた」-8回には板山に石川昂を代打で送った「ゲッツーは全然いいんだけど、やっぱり昂弥もあそこで初球を振っていけるようになっていかないと。初球打って凡打とかゲッツーはいいけど、代打で出たら初球から振れるように、一つ考えてもらいたいなと思う」-長打を期待した「大きいのというか、つないでもそう。この球場で2点差だったら、長打のある打者ならプレッシャーもかかる。出してるんで初球から振っていってもらいたかったのはある。ゲッツーはしょうがないと思う」

◆「北海道からあなたの食卓へ。風に愛された道北の地から~JAるもいスペシャルDAY」として開催され、ヤクルトOBで、北海道・留萌(るもい)市出身の五十嵐亮太氏(45)が始球式を務めた。神宮球場のマウンドに立つのは、現役引退した2020年10月25日の中日戦以来1359日ぶり。久しぶりの景色に「なぜかキャッチャーとしては来ているんですけどね。やっぱり気持ちがいいですね。なかなかこういった機会もない中で、ちょっと緊張もありながらなんですけど、選手とも会いましたし、監督ともちょっとお話しすることができた」と感慨深げに振り返りながら「ただこれが連敗中(8連敗)なので、これで連敗をストップしてもらいたいなという気持ちの方が強いです」と本音を漏らした。この日は、背番号52が刻まれたヤクルトのホーム用ユニホームを着用したが、名前部分は「IGARASHI」ではなく「JA RUMOI」。「五十嵐だと思っているでしょ? 見てください。背中。なんて書いてあります?」と報道陣に〝逆質問〟をすると「ジェロモイ。新外国人として来ているんですよ。ジェロモイとして投げたので。なんかその枠(外国人枠)空いてないかなと思って。別に勝ちパターンじゃなくてもいいので、ブルペンがちょっと元気になるようなね。その一角に入っていけたらと思って」と笑いを誘った。現役時代をほうふつとさせる剛速球を投げ込んだが「抜けるのは想像できたんですけど、若干引っ掛け気味だったんですよ。危なかったですよ」とやや冷や汗。自己評価については「53点ぐらいにしておこうかな。普通よりもちょっとよかったぐらい。まだまだいけるよってところを伝えないといけないので。半分ぐらいの力ですね」と完全に新助っ人「ジェロモイ」としてのコメントに終始した。

◆左足裏痛で欠場が続いていたヤクルトのドミンゴ・サンタナ外野手(31)が15日、出場選手登録を抹消された。5日の巨人戦(神宮)の二回に左翼への二塁打を放ち、三回の守備から交代。その後は、ベンチを外れながらも1軍に帯同しており、この日は神宮外苑の室内練習場での早出練習に加え、神宮球場での中日戦前の練習でフリー打撃を行っていた。来日4年目の今季は、リーグトップの打率・315、同5位の11本塁打、同2位タイの42打点をマーク。最下位に沈むチームの中で打線の中軸として奮闘していた。「マイナビオールスターゲーム2024」には選手間投票で選出されている。

◆選手交代を告げベンチに引き揚げるヤクルト・高津臣吾監督(撮影・長尾みなみ)

◆ヤクルトは先発のヤフーレ投手(26)が6回1失点の好投で4月29日以来となる白星で5勝目(7敗)を挙げた。打線は二回、中村悠平捕手(34)、山田哲人内野手(31)の連打などで3点を奪い左腕を援護した。チームは連敗を8で止めた。以下、3安打2打点の活躍を見せた中村のヒーローインタビュー。--どんな思いで試合に入った「とにかく連敗を止めるんだという気持ちで臨みました。結果として、勝って連敗が止まってよかったです」--二回の先制打を振り返って「梅津投手は素晴らしい投手なので、割り切って(打席に立った)。ボール先行だったので思い切って打ちました」--八回に貴重な追加点「追加点が欲しい場面でしたし、宗(二走の村上)がフォアボールで出て、最後の(ホームへの)スライディングありがとう」--先発のヤフーレの投球は「ストレイク先行でリードのしがいがありました」--チームとしては連敗脱出「まだまだ試合数もありますし、巻き返せます。僕らならできると思うんで、一戦一戦、みんなで力合わせて明日の試合も頑張るので、みなさんまた熱いご声援よろしくお願いします」

◆扇の要が、攻守の柱として勝利に導いた!! ヤクルト・中村悠平捕手(34)が3安打2打点とバットで快音を響かせると、守っては先発のミゲル・ヤフーレ投手(26)ら投手陣を好リード。チームの連敗を8で止め、お立ち台で表情を緩めた。「とにかく連敗を止めるんだという気持ちだった。勝てて、連敗を止められたので良かった」勢いをもたらした一打だった。二回無死一、三塁で左翼線への先制二塁打。「『1、2の3』でいった」と1ボールからの直球を捉えた。四回先頭でも左翼線二塁打を放つと、最大の見せ場は2点差の八回だ。1死二塁から中前適時打を放ち、二走・村上が激走してヘッドスライディングで生還。「最後のスライディング、ありがとうムネ」と感謝した。連敗中は最大3得点と打線が奮起できなかったが、勝利を決定づける4点目を入れた。プロ16年目の今季は、強い覚悟を持って臨んでいる。3月末、妻・愛美さんの乳がん闘病を告白。開幕戦の前日の3月28日、愛妻の抗がん剤治療が始まった。「奥さんが一足先に開幕した。不安も大きかったから『一緒に頑張ろう』と伝えた」。通院する愛美さんを車で送る日もあり、グラウンドでは懸命に戦う背中を見せている。チームは最下位で首位巨人とは9ゲーム差だが「誰一人諦めていない。何とか上を向いてやっていきたい」と中村。チームの柱としても引っ張る。(赤尾裕希)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
42375 0.532
(↓0.006)
-
(-)
59247
(-)
219
(+2)
48
(-)
39
(-)
0.238
(↓0.001)
2.440
(↑0.01)
2
(1↑)
DeNA
44391 0.530
(↑0.006)
0
(↓1)
59289
(+6)
277
(+1)
55
(+1)
45
(-)
0.251
(↑0.002)
2.880
(↑0.04)
3
(1↓)
広島
40364 0.526
(↓0.007)
0.5
(-)
63226
(+1)
193
(+6)
33
(-)
44
(-)
0.230
(↓0.001)
2.130
(↓0.04)
4
(-)
阪神
42385 0.525
(↑0.006)
0.5
(↓1)
58246
(+2)
233
(-)
32
(-)
27
(-)
0.224
(-)
2.270
(↑0.03)
5
(-)
中日
37436 0.463
(↓0.005)
5.5
(-)
57203
(+1)
272
(+4)
35
(-)
26
(-)
0.234
(↓0.001)
2.680
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
33464 0.418
(↑0.008)
9
(↑1)
60282
(+4)
293
(+1)
54
(-)
40
(+1)
0.233
(-)
3.330
(↑0.03)