巨人(★0対2☆)阪神 =リーグ戦13回戦(2024.07.15)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:ビーズリー(4勝1敗0S)
(セーブ:ゲラ(0勝3敗10S))
敗戦投手:赤星 優志(0勝6敗0S)
  DAZN
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◆阪神は両軍無得点で迎えた4回表、大山の適時二塁打で2点を先制する。投げては、先発・ビーズリーが6回無失点8奪三振の好投。その後は3投手の継投でリードを守り、ビーズリーは今季4勝目を挙げた。敗れた巨人は、打線が中盤までの好機を生かせなかった。

◆首位巨人と1・5ゲーム差で直接対決3連戦に臨む阪神はスタメンを発表した。14日にプロ初のクリーンアップで安打を放った野口恭佑外野手(23)が2試合連続で「3番右翼」でスタメン出場する。先発は、ジェレミー・ビーズリー投手(28)。5日DeNA戦(甲子園)以来、中9日での登板となる。巨人戦では来日1年目の昨季から通算4試合で12回2/3を投げて無失点を継続。快投でチームを勢いづける。

◆球審を務める笠原審判員をアクシデントが襲った。4回2死二塁の阪神の攻撃。佐藤輝明内野手(25)が巨人赤星優志投手(25)の4球をファウルにすると、ボールは笠原審判員に直撃。そのまま股間付近を押さえ、試合は一時中断したが、問題ない様子で再開した。スタンドからは、ファンから審判への拍手が起こる珍しいシーンとなった。

◆3試合連続で4番を外れている阪神大山悠輔内野手(29)が、貴重な先制点をたたき出した。0-0の4回2死一、二塁。巨人赤星から三塁線を破る二塁打。これに一塁走者の佐藤輝明内野手(25)が激走し、一気に本塁生還。送球間に大山は三塁へ進塁し、2点打で主導権を握った。敵地東京ドームは、まるでホームのような虎党の盛り上がりに沸いた。

◆阪神小幡竜平内野手(23)が、またも犠打を決められなかった。前日14日の中日戦、延長10回無死一、二塁で犠打失敗。この日は5回無死一塁で捕手前に打球を転がしたが、岸田の好守備で一塁走者が間一髪、二塁フォースアウトとなった。小幡は一塁走者として残ると、9番ビーズリーの打席でスタートを切った。ただ、この時捕手岸田は外角に大きく外れたコースに構えており、赤星の投球を受けて素早く二塁送球。小幡はスライディングもできないまま、タッチアウトとなった。

◆試合後にナイターで行われる巨人-阪神のOB戦の予告先発投手が、7回終了後に場内に発表されるファンサービスがあった。まず阪神が江夏豊(76)とアナウンスされると、4万1000人を超す観客からどよめきと、割れるような拍手が起きた。さらに巨人が堀内恒夫(76)と発表され、巨人ファンから大きな拍手が起きた。そのあと続けて「なお、OB戦という特質上、予告先発投手が変更になる可能性があります」とアナウンスがあると、大爆笑が起きた。一塁側ベンチの岡田彰布監督(66)もうっすらと笑みを浮かべた。

◆阪神先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が6回5安打無失点、8奪三振と快投した。これで巨人戦は来日1年目の昨季から中継ぎでの登板を含め、通算5試合で防御率0・00を継続した。初回、先頭の丸佳浩外野手(35)に中前打を許したが、吉川尚輝内野手(29)の二ゴロで一塁走者の進塁を封じた。その後も3番ヘルナンデス、4番岡本和を変化球で連続空振り三振に仕留めた。5回以外毎回走者を許すも、カットボールやスライダーを織り交ぜ、8奪三振。この日もGキラーぶりを発揮した。

◆阪神が首位巨人に完封勝ちを収め、ゲーム差を0・5に縮めた。先制は4回だった。先頭の近本が中前打で出塁し、中野と野口は内野ゴロ、佐藤輝が四球を選び2死一、三塁。ここで打席に立った5番大山悠輔内野手(29)が、巨人赤星のスライダーを捉えて左翼へ2点先制の適時二塁打を放った。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は中9日のマウンドで、6回5安打無失点と好投。4回2死一、二塁では、佐々木をスプリットで空振り三振。4番岡本からも2三振を奪うなど、変化球がさえた。助っ人にとって完投した6月8日西武戦(甲子園)以来の今季4勝目となった。阪神は前カード中日戦(バンテリンドーム)で1、2戦目で連敗を喫すも、3戦目で延長10回の末に勝利。連勝で首位巨人に0・5ゲーム差に迫った。この日は試合後に「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」と題し、巨人と阪神のOB戦が行われる予定。偉大なレジェンドたちに白星でつないだ。

◆阪神ハビー・ゲラ投手(28)が今季10セーブ目を挙げた。2-0の9回に登板。最速157キロの直球を軸に3人でピシャリ。7月2日広島戦(マツダスタジアム)以来のセーブとなった。ダブル守護神の岩崎優投手(33)も今季14セーブを挙げており、同一シーズンに複数投手が2桁セーブは、球団では76年の安仁屋と山本、85年中西、山本、93年中西、田村、06年久保田、藤川、19年藤川、ドリスに次ぎ6組目となった。

◆巨人が完封リレーで2連敗となり、阪神に0・5ゲーム差に迫られた。6月27日のDeNA戦以来の1軍マウンドだった先発の赤星優志投手(25)が、4回に大山に2点適時二塁打を浴び、5回2失点で降板。リリーフ陣は無失点だったが、2点が重く響いた。打線は阪神先発のビーズリーの前に、6回を5安打で無得点。7回以降は石井、桐敷、ゲラのリレーの前に無得点に終わった。今季、対ビーズリーとは2戦2敗。計12イニング無得点と沈黙する。2点ビハインドの9回2死では、次打者席で坂本勇人内野手(35)が代打に備えたが、門脇が左飛に倒れ、試合が終了した。巨人が2試合連続完封負け。巨人の完封負けは今季14度目だが、ほかに0-0の引き分けが2試合あり、無得点試合は今季16度目。シーズン16度の無得点試合は昨年(完封負け15度、0-01度)に並ぶ球団ワースト記録となった。昨年の16度目は139試合目の9月26日DeNA戦だったが、今季はまだ84試合目で昨年より55試合も早い。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が、OB軍団へ"エール"を送った。この日のデーゲームの後、巨人-阪神「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」が予定されている。阪神は勝利でバトンをつなぎ、試合後に「頑張って...、頑張ってって言うのはおかしいですけど」と笑顔。「けがなく、安全が一番です」と願った。

◆阪神が首位巨人に完封勝ちを収め、ゲーム差を0・5に縮めた。4回2死一、三塁で5番大山悠輔内野手(29)が、巨人赤星のスライダーを捉えて左翼へ決勝の2点適時二塁打を放った。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は中9日のマウンドで、6回5安打無失点と好投。「伝統の一戦」初戦を取った。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-ビーズリーの投球はいやいや、前回もね、甲子園ですけど。ちょうど赤星とね、投げあいでね。いいピッチングしたんで。期待通りのね、ピッチングしてくれたと思いますね。-リリーフ陣も無失点。きょうは桐敷がイニングまたぎもうね、きょうは1人休ますつもりで、ね。桐敷もこれで、明日はちょっと休まそうかなと思って。きょうね、イニングまたぎなったですけどね、他のピッチャーもいてるんでね。-唯一の得点圏で大山のバッティングは赤星、すごくね、ボールもキレてたしね。なかなかチャンスはそんなにないと思ったけど、本当にワンチャンスでね、あそこでね。まあ次の2点目が大きかったですね。-才木と山崎伊の投げ合い明日は才木にもうちょっと長いイニングをね、投げてほしいと思いますね。-ビーズリーは良かったまた巨人にいけるやんか。-岩崎を休ませるつもりだったもう今日はなあ。明日は才木の岩崎の二人でいけんかなあと思っていたけど。-プラン通りかそうそう、うん。あそこで石井が3人でなあ、フォアボールなあ、打たせたらええのに(笑い)。3人でいっとったら、ちょうど1回で済んどんやけどな、おーん。-桐敷はああいう場面でいい働きうん、まあずっといいし、今日は特に良かったな。だからまあ、最初からね、打順入れ替えたら当然な、イニングまたぎになるけど。まあ明日はもう、一人上げなあかんからな、ピッチャーな。明日は他の左ピッチャーに任せようと思って。-ビーズリーは球数も少なくいやもう、十分十分。だいた100球メドで、六回な、ちょっと序盤球数多なったからな、二回とかでな。-後ろがしっかりしてるからこそああもう、代える代える、全然。あと明日とあさっての2試合やからな。-ゲラも自信取り戻したようなピッチングそうやなあ、あんまり暴れんようになってきたよな。ちょっと引っかかってな、スライダーっていうかな。カットボールにしても、引っかかってたやつが、引っかかりがなくなってきたよな。けっこう投げていった方がええかもわからんな、間隔空けるよりはな。-巨人とは2カ月ぶりの対戦俺も今日、久しぶりやなと阿部(監督)にも言うた、久しぶりやなって。なかなか、なんか、あんまり対戦なかったもんな。

◆阪神が首位巨人に完封勝ちを収め、ゲーム差を0・5に縮めた。4回2死一、三塁で5番大山悠輔内野手(29)が、巨人赤星のスライダーを捉えて左翼へ決勝の2点適時二塁打を放った。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は中9日のマウンドで、6回5安打無失点と好投。「伝統の一戦」初戦を取った。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-近本も久しぶりにヒットそやなあ、なかなかな、はっきり言って1、2番が出てないんやで、全然。あそこがもうちょっと機能したらな、もうちょっとチャンスつくれると思うんやけどな。-近本の4回の走塁で三塁突いたまあそれは、うん、相手だいぶな、向こうもフォアボールやったからな、その前にいい感じで打ってたからな、佐藤もな。-ロースコアだが、普通の勝ち方ができたまあこれが普通やろな。今の打線の調子からいったらな。2点も取ったやん、すごいやん。ここ最近の、昨日の延長のあんなんは別としてな。-それくらい赤星の球も走っていたおう、良かった。初回から球走ってるなと思った。その前の映像も見てたんやけどな、2軍戦もちょうど(映像を)見とったんよ、甲子園の時に。あの時も良かったからなあ。-継投も決まり、会心の勝ちかまあイメージ通り。そら、フォアボールがなかったら(理想だけど)なあ、長野の。まあそれは出す時もあるし、ここ(東京ドーム)で2点じゃ、警戒して投げんとあかんし。-開幕前から警戒している巨人。ここでたたいておきたいかいや、久しぶりやからや。全然そんなん。

◆頼もしい「Gキラー」の誕生だ。阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が、また巨人戦で好投した。6回5安打無失点。6月8日以来となる4勝目に「いつも通りゾーン内に投げきることができたよ」と胸を張った。巨人戦は昨年から合わせ、計5試合に登板し、18回2/3を無失点。今季は2試合に先発し、ともに6回無失点で勝ち星がついた。「伝統の一戦」に無類の強さを発揮する助っ人は「ジャイアンツはすごく伝統的な球団なんだけど」と前置きした上で「私にとっては他球団のうちの1つ。ジャイアンツだから、という面ではなくて、いつも通り自分のピッチをするだけだったよ」と自然体を強調した。持てる力を発揮し、この日も8奪三振。曲がりの大きなスラーブ、鋭く変化するカットボールに加え、試合途中でフォークの割合も増やし、的を絞らせなかった。「今日は良いフォークボールを持っていたからね」とニヤリ。自画自賛の武器で攻めた。今季は右肩のコンディション不良で1軍キャンプを途中離脱。オフから精力的にトレーニングを積んできただけに「野球をやっている以上、いつけがをするか分からない」と、あらためて思い知った。だからこそ「もしかしたら2軍の鳴尾浜でのピッチングが野球人生の最後になるかもしれない。そういうこともあると思うんだ」と胸に刻む。1軍で腕を振る今、チームに貢献できる幸せに満たされている。チームにとっては5月末以来となる巨人戦を制し、岡田監督も「期待通りのピッチングをしてくれた」とたたえた。さらに「また巨人にいけるやんか」と、次回は30日からの巨人戦での先発起用を示唆。前半戦途中から先発陣に加わり、7試合で防御率は1・49。抜群の安定感で、後半戦も宿敵巨人を料理する。【中野椋】

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が激走で2点目のホームに滑り込んだ。4回2死三塁で四球を選び出塁すると、続く大山の適時二塁打の間に一気に生還した。「(藤本三塁コーチが腕を)回していたのでね。そのつもりで最初から走っていました」。2回の第1打席では、巨人赤星の直球を左前に運び、チーム初安打をマーク。「いい当たりも出たのでよかったです。目指すのは長打です」と手応えを得た。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が6月30日ヤクルト戦(神宮)以来のマルチ安打をマークした。5回先頭で迎えた第2打席で中前打を放つと、7回2死の第3打席でも中前打。守備でも前日14日の西勇に続き、先発ビーズリーを好リードした。「序盤まではビーズリーらしく、中盤からはいろいろ織り交ぜながら。よく粘ってくれた。本当にすごいナイスピッチングだった」と助っ人を労っていた。

◆阪神桐敷拓馬投手(25)が回またぎのマウンドで、1回1/3を無安打無失点、3三振と完璧に抑えた。2点リードの7回2死一塁で、石井の後を受けてマウンドへ。1番丸に対し外角低めに直球をズバッと決め、見逃し三振に仕留めた。「打順も上位なので、1発ある打線ですし調子いいので、そこは意識していました」。8回も続投すると、まずは吉川を2球で投ゴロ。続くヘルナンデスをフォークで空振り三振に仕留めると、最後は岡本和を直球で連続三振に斬った。今季ここまで39試合に登板し、防御率1・96。イニング途中からは10度目、回またぎは3度目とシチュエーションを問わない働きを見せる。岡田監督も「今日は特に良かったな。最初からね、打順入れ替えたら当然な、イニングまたぎになるけど」と手放しにねぎらった。左腕の活躍で守護神岩崎を休ませることに成功。「もう今日はなあ。明日は才木と岩崎の2人でいけんかなあと思っていたけど」と指揮官。2戦目にもつながる好投となった。【磯綾乃】

◆巨人がまたもビーズリーを攻略できず、2試合連続の今季14度目となる完封負けを喫した。阪神先発の来日2年目右腕の前に、打線は6回まで5安打無得点。阿部監督は「今日はちょっとね、俺が出した作戦があったのですけど、見事に失敗しました。僕が責任をかぶると言いました。失礼しました」と責任を背負った。狙い球を絞ったが、阪神バッテリーにうまく攻略された。喫した8三振のうち、主に決め球となるスライダーの三振は2つだけ。一方、フォークで5三振(直球で1三振)と苦しんだ。ビーズリーには5月25日も6回3安打無失点に抑えられ、今季は12回連続無得点に封じられる。昨季を含めると、18回2/3で無得点の25三振。指揮官は「ずっと同じやられ方をしているから、何とかまた違う策を考えておきます」と沈黙を打破する策を練る。▽巨人赤星(5回4安打2失点で6敗目で、次回登板へ登録抹消)「立ち上がりは意識して投げられたのでよかった。ただ、先制された場面ではもっと粘りの投球ができなくてはいけないと反省している」

◆虎の主砲が決勝V打! 5番大山悠輔内野手(29)が4回2死一、三塁の好機で左翼線に適時二塁打を放った。一塁走者の佐藤輝明内野手(25)も激走で本塁に生還。ワンチャンスをものにして宿敵から2点を奪い取った。上位4球団が0・5差にひしめく大混セ。今日16日に巨人から2連勝となれば4位から一気にジャンプアップし、5月27日以来の首位に躍り出る可能性がある。大山はバットをグッと握り、打席に入った。4回2死一、三塁。巨人赤星に内角高めを2球続けられた後の3球目だ。外角のスライダーを強振した。打球がライナーで三塁手の頭上を越え、左翼線に弾む。三塁走者の近本に続き、一塁走者の佐藤輝も激走。一気に2点目のホームに滑り込むと、敵地に詰めかけた虎党の大歓声が響いた。大山は「輝なら走ると思っていたので、僕も走っていました」。12日の中日戦(バンテリンドーム)では4回1死二、三塁で大山、佐藤輝が2者連続三振。そんな3日前のモヤモヤを振り払ったのは大山のバットだった。打順が変わってもやるべきことは変わらない。13日の中日戦で6番、その後の2試合は5番に入った。それでも3戦連続の安打で8打数4安打、4打点。昨季は全143試合で4番に座った男が、きっちりと役割を果たした。岡田監督も「赤星、すごくボールもキレてたしね。チャンスはそんなにないと思ったけど、本当にワンチャンスでね」と勝負強さをたたえた。6月に不振で2軍に降格。鳴尾浜で若手とともに汗を流す中、悩める後輩の相談にも真っ正面から向き合った。白鴎大の後輩で育成ルーキーの福島からだった。一時、憧れの近本にそっくりの打撃フォームを試すも、結果が出ずにいた。「まねしてもいいけど、自分の感覚だったり、体の使い方がある。その中でオリジナルを作っていかなくちゃいけない」。鳴尾浜を去る際には言葉だけでなく、バットもプレゼント。「期待してます」と目を輝かせる後輩に「お前が頑張れよ!」と笑顔でツッコミを入れて、1軍に帰ってきた。セ・リーグ4位ながら首位巨人と0・5ゲーム差。16日にも首位に立つ可能性がある。首位巨人との3連戦で先手を取ったが大山は「2点取って終わってしまった。個人としてももっとやるべきことがある」と貪欲だ。夏本番に向けてさらに熱さを増すセ・リーグ戦線。頼れる背番号3が虎を勢いづける。【村松万里子】現状4位の阪神は、16日にも首位に返り咲く。条件は阪神が巨人戦に勝ち、DeNA-広島戦が引き分けのとき。近年の阪神では、21年開幕直後の4月2日から同4日にかけて4位から首位に上がった例があるものの、シーズンも佳境に入った7月中旬に3チームごぼう抜きで首位となれば極めて珍しい。

◆昨季まで阪神に所属した巨人のカイル・ケラー投手(31)が試合前に、虎投手陣のもとにあいさつに訪れた。元同僚たちが三塁側ファウルゾーンに姿を見せ始めると歩を進め、ビーズリーらと再会のハグ。今季は両リーグ最多タイの8勝を挙げるなど好投を続ける才木には「スーパーピッチャー!」と声をかけるなどし、笑顔の輪が広がった。ケラーは新天地に移った今季、26試合に登板して0勝1敗7ホールド、防御率2・05の成績を残している。

◆首位巨人と1・5ゲームで直接対決3連戦を迎える阪神は、野口恭佑外野手(23)が2戦連続となる「3番・右翼」でスタメン出場する。右投手を相手に先発するのはプロ入り後初めて。7日にプロ初安打を放った若虎が、G投手陣攻略のカギを握る。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は中9日でのマウンド。巨人戦では5月25日(甲子園)に6回無失点と好投するなど、昨季から4試合12回2/3を投げて防御率は0・00。巨人キラーの助っ人が3連戦の頭で登場し、流れを引き寄せる。

◆阪神・近本光司外野手(29)が久しぶりの安打を放った。0-0で迎えた四回先頭で第2打席へ。変化球2球で追い込まれたが、3球目のカーブにうまく合わせてライナーで中前に運んだ。近本の安打は9日のヤクルト戦(甲子園)でサヨナラの右前打を放って以来。第1打席で二ゴロに倒れて今季最長の19打席ノーヒットと苦しんでいたが、ついにHランプをともした。

◆阪神が四回に2点を先制した。まずは先頭の1番・近本が20打席ぶり安打となる中前打で出塁。エンドランを仕掛けて中野の遊ゴロの間に二進すると、野口の三ゴロでは三塁・岡本和が一塁へ送球すると同時にスタートを切って三塁を陥れる好走塁を見せた。佐藤輝は四球で出塁して2死一、三塁で打席には5番・大山が入ると、巨人先発・赤星が2ボールから投じた変化球に反応。打球を左翼線へ運んで三走・近本が悠々と先制のホームを踏むと、一塁からは佐藤輝が激走し、一気に三塁を蹴って本塁に突入して、スライディングで生還を果たした。大山が先制打を放つのは13日の中日戦(バンテリンドーム)での右翼への2点二塁打以来、2試合ぶり。主砲の快音に積極的な走塁も絡めて、首位巨人から先制の2点をもぎ取った。阪神・大山「打ったのはスライダー。ビーズリーが頑張ってくれていたので、先に点を取ることができてよかったです。テル(佐藤輝)もよく走ってくれました」

◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)が先発し、6回5安打無失点と好投した。一回から四回までは毎回走者を背負ったが、しっかりと粘り切った。威力のある直球に加えて、変化量の大きいスイーパー、鋭く落ちるスプリットもさえ渡り、巨人打線に的を絞らせない。2点の先制点をもらった四回は2死から野手のグラブをかすめて落ちる安打が続く不運な形で一、二塁のピンチを背負ったが、佐々木を空振り三振に斬って脱出。五回に初めて三者凡退で乗り切り、2死から大城卓に一塁線を破る二塁打を浴びた六回も岸田を右飛に仕留めて難を断ち、七回以降を救援陣に託した。94球を投げ、三塁は一度も踏ませなかった。ビーズリーは巨人に対し、昨季は救援登板も含めて計6回2/3を投げて無失点で、今季も今回登板が5月25日(甲子園)に続く6回零封で、12回無失点。通算で計18回2/3を無失点で防御率0・00を維持し、Gキラーの貫録を示した。阪神・ビーズリー「全体的に自分のプラン通りにピッチングできたね。カウントが悪くなって球数が増えてしまったけど、そんな時でも自分のボールを信じてゾーンで勝負できたことがいい結果につながったと思うよ」

◆阪神は巨人に勝利し、2連勝を飾った。先制点が決め手になった。四回に先頭の1番・近本が20打席ぶり安打となる中前打で出塁。2死一、三塁とチャンスを広げ、5番に入った大山悠輔内野手(29)が左翼線へ運ぶ適時打を放った。三走・近本が悠々と先制のホームを踏むと、一塁からは佐藤輝が激走して一気に生還。この2点が決勝点になった。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は6回無失点と好投。一回から四回までは毎回走者を背負ったが、しっかりと粘り切った。94球を投げ、三塁は一度も踏ませず。これで巨人に対し通算で計18回2/3を無失点で防御率0・00を維持し、巨人キラーとして立ちはだかった。七回からは石井、桐敷、ゲラが無失点でつなぎ、零封リレーでリードを守り切った。

◆巨人は2試合連続、今季14度目の零封負けで6月22日以来の連敗を喫した。阿部慎之助監督(45)は「今日ちょっとね、俺が出した作戦があったんだけど見事に失敗した。僕が責任をかぶるって言って。失礼しました」と認めた。阪神の右腕、ビーズリーに6回5安打無失点の好投を許した。三、四、六回は得点圏に走者を進めるも決定打を欠いた。指揮官の『作戦』とは狙い球などに関するものだったといい、「ずっと同じやられ方しちゃってるから、なんとかまた違う策を考えておきます」とビーズリーへのリベンジを誓った。先発して5回2失点も6敗目(0勝)となった赤星には「相手のピッチャーもいいですしね。けど結果的には試合は作れたんだろうけども。なんとか勝ちをつけさせてあげたいんだけど」と責めなかった。チームは7連勝後に2連敗で貯金は「5」となった。

◆阪神が連勝で、巨人に0・5差に迫った。四回2死一、三塁から大山悠輔内野手(29)の適時二塁打で挙げた2点を投手陣が死守。ジェレミー・ビーズリー投手(28)が6回5安打。七回から石井大智(26)、桐敷拓馬(25)、ハビー・ゲラ(28)の3投手の無安打継投で、15度目の完封勝ちを収めた。ビーズリーは4勝目(1敗)、ゲラは10セーブ目。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=42勝38敗5分、観衆=4万1994人)。ーービーズリーは良かった「また巨人に行けるやんか(今季巨人に2戦2勝。計16回無失点)」ーー岩崎を休ませるつもりだった「もう今日はなあ。明日は才木と岩崎の2人で行けんかなあと思っていたけど」ーープラン通りか「あそこで石井が3人でな。(1死から代打長野に)フォアボールなあ、打たせたらええのに。3人で行っとったら、(七回2死一塁から1回1/3を投げた桐敷は)ちょうど1回で済んどんやけどな、おーん」ーー桐敷はああいう場面でいい働き「うん、まあずっといいし、今日は特に良かったな。最初からね、打順入れ替えたら当然、イニングまたぎになるけど。まあ明日はもう、1人上げなアカンからな、ピッチャーな。明日は他の左ピッチャーに任せようと思って」ーービーズリーは球数も少なく「いやもう、十分十分。だいた100球メドで、六回な、ちょっと序盤球数多なったからな、二回とかでな」ーー後ろがしっかりしてるからこそ「ああもう、代える代える、全然。あと明日と明後日の2試合やからな」ーーゲラも自信を取り戻したようなピッチング「そうやなあ、あんまり暴れんようになって来たよな。ちょっと引っかかってな、スライダーっていうかな。カットボールにしても、引っかかってたヤツが、引っかかりがなくなって来たよな。結構投げて行った方がええかもわからんな、間隔空けるよりはな」ーー巨人とは2カ月ぶりの対戦「俺も今日、久しぶりやなと阿部にも言うた、久しぶりやなって。なかなか、なんか、あんまり対戦なかったもんな」ーーヘルナンデスも抑えた「いろんな情報入ってたし」ーー近が四回、20打席ぶり安打「そやなあ、なかなかな、はっきり言って1、2番が出てないんやで、全然。あそこがもうちょっと機能したらな、もうちょっとチャンス作れると思うんやけどな」ーーロースコアだが、普通の勝ち方が出来た「まあこれが普通やろな。今の打線の調子から言ったらな。2点も取ったやん、すごいやん。ここ最近の、昨日の延長のあんなんは別としてな」ーーそれくらい赤星の球も走っていた「おう、良かった。初回から球走ってるなと思った。その前の映像も見てたんやけどな、2軍戦もちょうど(映像を)見とったんよ、甲子園の時に。あの時も良かったからなあ」ーー継投も決まり、会心の勝ちか「まあイメージ通り。そら、フォアボールがなかったら(理想だけど)なあ、長野の。まあそれは出す時もあるし、ここで2点じゃ、警戒して投げんとアカン」ーー開幕前から警戒している巨人。ここで叩いておきたいか「いや、久しぶりやからや。全然そんなん」

◆ビーズリーの状態もよかったが、女房役の梅野が試合序盤にスプリットを温存させ、勝負どころで仕掛けたところが2点差で勝てた要因だろう。おそらくターゲットにしていたのは丸。好調だった1番打者に一、三回ともに単打を許したが、いずれも直球を打たれたもの。スプリットは1球投じたものの、それ以外はカットボールなど横変化系を多投させた。ところが、2点リードに変わった五回1死での第3打席は4球中3球がスプリット。外角低めのボール球で空を切らせて打撃をさせなかった。特に直前の攻撃で小幡が送りバントを失敗し、一走としてビーズリーの打席で捕手が外角に外しているにもかかわらず二盗を仕掛けて憤死。サインミスの可能性が高いが、流れを変えそうなプレーだっただけに、梅野の切り替えが勝敗を決めた。さらに初対戦だったヘルナンデスに対して4打数無安打に封じたことも今後に向けて大きい。打線は大量得点こそできないが、佐藤輝が1打席目に集中力を高めているのもよくわかる。近本もセンター中心の意識で、結果が出た。前川がボール球を振って状態が落ちているのは気になるが、打席を重ねて乗り越えるはずだ。3連戦の初戦を取ることは大事。これからチームが乗ってくる1勝になりそうだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆大粒の汗をしたたらせながら、東京ドームのマウンドに仁王立ちだ。変則ローテーションも意に介さず、見事な6回零封。追いかける首位巨人との3連戦第1ラウンドで阪神・ビーズリーが価値ある白星をもたらし、Gキラー襲名だ。「全体的に自分のプラン通りにピッチングできたね。カウントが悪くなって球数が増えてしまったけど、そんなときでも自分のボールを信じてゾーンで勝負できたことがいい結果につながったと思うよ」一回から四回まで毎回走者を出したが、力のある直球に加え、変化量の大きいスライダー、鋭く落ちるスプリットもさえ渡り、巨人打線に的を絞らせない。2点の先制点をもらった四回は2死からテキサスヒットが続く不運で一、二塁のピンチを背負うも、佐々木を空振り三振に斬って脱出。六回も2死二塁で岸田を右飛に抑えて6つのゼロを並べた。降雨中止があるたびに先発予定が変わり、前回はなんと中19日での登板。今回も木曜日の11日に試合がなかった影響で先発ローテーションが再編され、中9日だった。それでも強力打線に三塁を一度も踏ませず、8三振を奪って反撃の糸口を斬り続けた。これで来日1年目の昨季から巨人戦は計18回?を無失点。ただの一度もホームを踏ませておらず、Gキラーにふさわしい投球を続けている。宿敵の壁になるうえで奏功しているのは「ジャイアンツはすごく伝統のある球団だけど、私にとっては他球団の一つ」という、ライバル意識がぶつかり合う独特な熱気が球場を包む中でも不変を貫く冷静さだ。右腕が見せつける抜群の安定感に、岡田監督も「また巨人にいけるやんか」とニヤリ。好相性を認め、今後も自信を持ってG斬りを任せるつもりだ。「前半戦でしっかりと勝ち星は少し稼げたと思うし、そういう面ではよかったと思う。後半戦もいい投球をして、いいリズムを作って、なるべくチームに貢献していきたいよ」とビーズリー。今季4勝目からのさらなる上積みで、混セを抜け出す力になる。(須藤佳裕)

◆狙ったコースにズバッと決め、キレキレの直球と変化球でG打線を寄せ付けなかった。チーム最多39試合目の登板となった阪神・桐敷がイニングまたぎの力投で先輩の〝休養日〟も確保し、岡田監督のチームマネジメントも助ける働きぶりで勝利に貢献した。「(2イニング目は)打順も上位だったので、本当に一発ある打線で調子もいい。そこは意識してやっていました。本当に(ストライクゾーンを)広く広くと意識していました」冷静な判断力も発揮し、1回?を投げて無安打無失点、18球で3奪三振と圧倒して胸を張った。2-0の七回2死一塁で2番手の石井からバトンを受け取り、この日2安打だった丸は外角の149キロ直球で見逃し三振に仕留めた。続く八回もマウンドに上がり、吉川はフォークで投ゴロ、ヘルナンデスも低めのフォーク、続く岡本和は外角高めの147キロ直球で2者連続空振り三振に片付けた。23ホールド目を挙げた左腕について、岡田監督も「ずっといいし、今日は特に良かったな」と絶賛し、ベンチ入りしていた岩崎を登板させる考えはなかったことを明かした。「もう今日はなあ。明日(16日)は才木と岩崎の2人でいけんかなあと思っていたけど」。チーム2位の37試合に登板している〝ダブルストッパー〟の一角、岩崎はブルペン陣の精神的支柱でもある。桐敷も先輩のリフレッシュに一役買い、16日の巨人戦(東京ドーム)は代わりに登板なしの予定だ。自らの持ち場で役割をこなし、存在感を高め続ける。(新里公章)

◆阪神・近本が四回、5試合、20打席ぶりの安打となる中前打で口火を切り、大山の適時二塁打で先制のホームを踏んだ。「(調子の判断は)結局はヒットが出ているかどうか...」。9日のヤクルト戦(甲子園)の5打席目(右前打)以来の快音。八回1死でも中前へ運び、5試合ぶりのマルチ安打とした。岡田監督は「あそこ(1番、2番)がもうちょっと機能したら、もっとチャンス作れる」と期待を寄せた。

◆阪神・野口は伝統の一戦に初出場、2試合連続の「3番・右翼」で先発し、安打を放った。「歓声がすごかった。その中で戦っているっていうのは本当に幸せな瞬間だなと感じた」。六回の第3打席、2番手の中川から三遊間を破る左前打。プロ4安打目で初めて変化球を仕留め「今後の課題となっていくところでもあるし、しっかり対応していけたら」とうなずいた。

◆阪神・佐藤輝が積極走塁で勝利に貢献した。四回、四球で出塁すると、大山の左翼線二塁打で一塁から激走。「(藤本三塁ベースコーチが手を)回していたのでね。そのつもりで最初から走っていました」と一気にホームへすべり込み、2点目を刻んだ。バットでは二回先頭で中前打を放って3試合連続安打をマークし「いい当たりも出たのでよかった」と汗をぬぐった。

◆四回の攻撃を終え、ナインに迎えられる阪神・大山悠輔=東京ドーム(撮影・松永渉平)

◆今季初の3連投となった阪神・石井は七回に登板。1死から四球で走者を出し、2死一塁としたところで降板した。代わった桐敷が後続を抑えて2点リードを保ち、「桐敷は自分よりも数十試合も(多く)投げていて僕よりも絶対に疲れているはず。(自分も)まだまだだなと思う。今後は自分が助けるぞ、というのをすごく感じた」と好救援に頭を下げた。

◆九回を任された阪神・ゲラがきっちりと試合を締めた。「九回は久々な気もした。力みすぎないようにいったよ」。1死で岸田から空振り三振を奪うと、最後は門脇を左飛に打ち取った。登板6試合ぶりのセーブは、節目の来日10個目。「ああやっていい雰囲気の中で楽しめて、いい結果が出たのでよかった」と好投に胸を張った。

◆伝統の一戦の主役は背番号3! 阪神は2-0で巨人を破り、2連勝。5番の大山悠輔内野手(29)が四回に2点二塁打を放ち、決勝点をもたらした。巨人-阪神OB戦に出場するレジェンドが集まっていた前で、虎の主砲としての意地をみせ、4番を外れてから3試合連続安打と復調気配だ。虎は順位は4位のまま、首位巨人に0・5ゲーム差と接近した。背番号3が刻んだ2点が、最後までスコアボードに輝いた。大山の先制適時打に、東京ドームの虎党からは割れんばかりの大歓声。伝統の一戦の大事な初戦をつかみ、大きくうなずいた。「なんとか1点を、と思って打席に入った。最終的に勝ったのは一番ですし、それを守り切れたのもチーム一丸となってできた要因だと思う」両軍無得点で迎えた四回。近本の20打席ぶりの安打、佐藤輝の四球で2死一、三塁となり、大山が打席へ入った。赤星に2球シュートで内角をえぐられたが、3球目の外角寄りの変化球に踏み込んだ。ライナーで左翼線を抜く適時二塁打。近本に続いて佐藤輝も激走で生還し、「テル(佐藤輝)なら走ると思っていた」と笑った。猛虎の主砲として、偉大な先人たちにも勝利を届けた。試合後にプロ野球誕生から90年の節目を記念した巨人|阪神OB戦が控えており、両軍のレジェンドが東京ドームに集結していた一戦。タイガースの「第101代4番打者」が、お歴々の前で白星に直結する打撃をみせた。89年の球団の歴史の中で、永遠のライバルである巨人に対して、今季の星も6勝6敗1分けの五分に戻した。「本当にすごい雰囲気で野球をやらせてもらっている。幸せなことだと感じながら一試合一試合やっています」1985年以来2度目の日本一を成し遂げた昨季。球団生え抜きでは同年の掛布雅之以来となる全試合4番出場を成し遂げ、後世まで語られるだけの活躍を見せた。しかし、連覇へ向けて不動の4番としてけん引が期待された今季は、思わぬ不振に苦しんでいる。

◆やっぱり、底力があるなぁ。阪神の戦いぶりをみて感心してしまった。というのも、この日はセ・リーグの開催地が、東京ドーム、神宮、横浜。ちょっと待って、関西圏が1試合もない! 今季の開幕戦と同じような状況に若干不貞腐れながら編集局に来ていた。京セラドームをのぞくとアイドルグループ「WEST.」のコンサートでにぎわっており、甲子園で投手陣の残留練習を取材した虎番・邨田直人に聞くと「13日にTUBEのライブが行われていた関係で、グラウンドでは撤去作業を行っていたり、バタバタしていましたよ」と言っていた。球音が近くで聞こえない3連休はやっぱり寂しい(実際カンカンカンカンと音は聞こえないんだけど、電車の中でユニホームを着たファンの姿を見られないのは寂しい)。東京ドームは〝ダブルヘッダー〟だった。午後2時から巨人-阪神があり、試合後には両軍のOB戦。公式戦のチケットがあれば両方見ることができる。ファンからすればお得感満載のイベント。岡田監督は練習中から「ご飯を食べたら、OB戦に顔を出そうかなぁ」と飛び入りでの参加に意欲を示していた。心身ともにすり減らす現役監督がシーズン中の行事に協力しようとすること自体が珍しいが、朝から悶々としていたようだ。指揮官が東京ドームに隣接するチーム宿舎でテレビをぼんやり眺めていると、CS放送、日テレジータスの番組で阪神と巨人でデッドヒートを繰り広げていた1973年の伝統の一戦が特集されていた。

◆終わってみれば巨人を大山悠輔の2点二塁打の一振りで沈めた試合だったのだ。岡田監督の口調だと「そりゃそーよ! 昨年日本一になったチームの4番に全て座った男やんか! お~ん、まだまだやってもらわんとなぁ」ということになるのだろう。そこで、今季力を出し切っていない大山に俺から提案で~す!! 「人生山あり谷あり」と世間では言うじゃないですか? どっちもありなら、思い切って登録名を『山』から『谷』の『大谷』にするのはどうでしょう? どーせなら大谷悠平くらいいっちゃいまっかー!! これでテンションも打撃もメジャー級で急上昇間違いなし!!一発が怖い怖い東京ドームでビーズリーから石井、桐敷、ゲラの4投手の完封リレーはお見事!! まさに『阪神投手王国』ここにありを見せつけた試合だったのだ。変化球を有効に使った梅野の『神リード』にはうなったのだ。圧巻は七回2死一塁。2安打の丸に対し、桐敷に3球インコースに放らせ、最後は外角の直球で見逃し三振。最高やったでー!!

◆こういう勝ち方が増えると、本来の戦い方も取り戻せる。阪神だ。前日14日(中日戦)に延長戦を制したことより、価値ある白星ではないかな。四回の攻撃が、雄弁に物語る。先頭の近本が中前打。中野と野口の2、3番の内野ゴロの間に三塁まで進むと、佐藤輝は四球。粘ってピッチャーに球数を使わせ、その疲労が顔をのぞかせて変化球が高めに抜けたところを、大山がすかさず左翼線へ2点二塁打。去年、よく見た攻撃だよね。そして少ない得点を、盤石の継投で守り切る。日本一の勝ちパターンも復元。これが戻るかどうかが一番の問題だけに、大きな意味がある。一気に上に立てるかというと、まだまだ時間はかかるだろう。当然、混戦も続くはずだ。それでも、両軍OBによるレジェンズマッチの前で、復活へのきっかけをつかんだとしたら、どこか象徴的。阪神OBのエモトもきょうばかりは、虎に思いをはせるよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
42375 0.532
(↓0.006)
-
(-)
59247
(-)
219
(+2)
48
(-)
39
(-)
0.238
(↓0.001)
2.440
(↑0.01)
2
(1↑)
DeNA
44391 0.530
(↑0.006)
0
(↓1)
59289
(+6)
277
(+1)
55
(+1)
45
(-)
0.251
(↑0.002)
2.880
(↑0.04)
3
(1↓)
広島
40364 0.526
(↓0.007)
0.5
(-)
63226
(+1)
193
(+6)
33
(-)
44
(-)
0.230
(↓0.001)
2.130
(↓0.04)
4
(-)
阪神
42385 0.525
(↑0.006)
0.5
(↓1)
58246
(+2)
233
(-)
32
(-)
27
(-)
0.224
(-)
2.270
(↑0.03)
5
(-)
中日
37436 0.463
(↓0.005)
5.5
(-)
57203
(+1)
272
(+4)
35
(-)
26
(-)
0.234
(↓0.001)
2.680
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
33464 0.418
(↑0.008)
9
(↑1)
60282
(+4)
293
(+1)
54
(-)
40
(+1)
0.233
(-)
3.330
(↑0.03)