広島(☆4対3★)ヤクルト =リーグ戦10回戦(2024.07.12)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
1020000003610
広島
20101000X41001
勝利投手:床田 寛樹(8勝5敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝3敗23S))
敗戦投手:石川 雅規(1勝2敗0S)

本塁打
【広島】秋山 翔吾(3号・5回裏ソロ)

  DAZN
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◆広島は1点ビハインドの3回裏、小園の適時二塁打で同点とする。そのまま迎えた5回には、秋山のソロが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・床田が6回3失点の好投で今季8勝目。敗れたヤクルトは、最終回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆ヤクルト石川雅規がマツダスタジアムで今季2度目の先発登板。石川は広島戦で通算32勝31敗、防御率3・77だが、そのうちマツダスタジアムでは4勝11敗、防御率4・15。同球場で勝利したのは15年5月23日が最後で、同年8月13日から現在まで7連敗。セの本拠地球場の中では最も白星から遠ざかる苦手球場となっている。前回登板の今年6月27日は先発6回2失点で勝利投手の権利を得ていたが、後続が打たれ勝利投手とならず。今日は9年ぶりの白星を挙げられるか。

◆ヤクルトが今季最長7連敗を喫した。開幕以降5戦全敗のマツダスタジアムで先制点を挙げるもリードを守れず、鬼門攻略はできなかった。高津臣吾監督(55)は「これが今の全力でやっている結果なので受け止めるしかない」と険しい表情を浮かべた。立ち上がりに制球が不安定だった広島先発の床田を攻め立て、2本の安打と2四球を絡めて幸先よく1点を先制。ところが先発石川が直後に3連打を浴びるなど2点を献上。3-3と同点の5回には秋山にソロ本塁打を浴び勝ち越しを許し、これが決勝点になった。8回には宮本の安打と村上の四球で1死一、二塁とするも、オスナは捕邪飛、長岡は中飛に倒れた。9回には先頭の代打青木の中前打、松本の犠打で1死二塁を作ったが、代打山田は見逃し三振、丸山和は遊ゴロ。あと1本が出ず、競り負けたことに、高津監督は「こうやって競ったときにどうやって勝つか。競ったときに取れるような感じでいかなきゃいけない」と課題を述べた。連敗が続いている状況については「1点を防いで、1点をどうやって取るか。まあ、大丈夫ですよ。上がっていきますよ」と前を向いた。13日のカード2戦目は小沢怜史投手(26)に先発を託す。5月22日のDeNA戦(神宮)以降はリリーフに回っていたが、今回の起用はあくまで先発として考えており「ゲーム作ってくれると思っている」と期待した。▽ヤクルト石川(5回4失点で2敗目)「点をとってもらった次の回に全部、点数が入っている。何とかして連敗を止めるつもりだったけど、先発としての役割ができず申し訳ない。しっかり自分の球を投げきれなかった。本当に情けなかった」

◆ヤクルトは今季5戦全敗中のマツダスタジアムで先制点を奪ったが、逆転負けを喫した。今季最長の7連敗となったが、高津監督は「これが今の全力でやっている結果なので受け止めるしかない。1点を防いで、1点をどうやって取るか。まあ、大丈夫ですよ。上がっていきますよ」と前を向いた。13日のカード2戦目はリリーフ登板が続いていた小沢に先発を託し「ゲーム作ってくれると思っている」と期待した。▽ヤクルト石川(5回4失点で2敗目)「点をとってもらった次の回に全部、点数が入っている。何とかして連敗を止めるつもりだったけど、先発としての役割ができず申し訳ない。しっかり自分の球を投げきれなかった。本当に情けなかった」

◆広島のベテラン秋山翔吾外野手(36)のひと振りが連敗を止めた。同点の5回。球界最年長投手のヤクルト石川に追い込まれながら、内角球をコンパクトに振り抜き右翼席に運んだ。勝ち越しの3号ソロが決勝弾となった。「ああいうのも打てるんだなと久しぶりに思いました。ああいうのが出るとバッティングにもゆとりが出て来るので、いい打席が増える兆しになれば」。チームの連敗は4で止まり、2位に浮上した。

◆広島栗林良吏投手(28)が1点のリードを守り抜き、今季23セーブ目を挙げた。マツダスタジアム通算58セーブとなり、中崎に並ぶ最多セーブ数となった。先頭の代打川端の安打から1死三塁を迎えるも、代打山田を見逃し三振。丸山和を遊ゴロに打ち取った。「島内が抜けた中でも勝ちでつないでくれた。自分がやられるわけにはいかないと思って、最後は(捕手の石原)貴規を信じて全力で投げた」。4年目で球団史に名を残した。

◆同点の5回に秋山翔吾外野手(36)が右翼席へ決勝3号ソロを放ち、広島が連敗を止めた。先発床田は1回に先制すると、1点リードの3回にも2点を失い逆転を許した。それでも4回以降は立ち直り、8勝目。7回はハーン、8回は黒原と森浦のリレーでピンチを切り抜け、最後は栗林が1死三塁から後続を断った。連敗ストップで2位に浮上した。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-床田投手6回3失点。粘りの投球新井監督 今日は立ち上がりからなかなか本調子じゃなかったんですけど、よく粘って投げてくれました。球数的にはもう少し余裕があるかなというかなという感じだったんですけど、今日はご苦労さんということで代わってもらいました。あとに行った投手もナイスピッチングだったと思います。-床田投手から7回以降の継投の選択は新井監督 そのあたりは相手の打線の絡みとかいろいろ考えながら臨機応変にと思っていました。黒原も今日、ああいう場面で初めてだったので、緊張したと思うんですけど、これを経験にしてもらいたいと思います。あとに行った森浦。本当いつもいつもランナーを背負ったタフな場面で出て行くんですけど、いつもいつも抑えてくれるので本当にありがたいですね。-1回、3回と失点した直後の得点新井監督 流れが行ったり来たりしていたけど、すぐに取り返せたので相手に渡さなかったよね。小園が一、三塁での一塁ランナーで、二遊間が後ろに下がっているとき(ワンバウンドする投球)に判断良く二塁に行った、あの走塁も大きかった。バッティングも良かったけどね。あの走塁で石原もだいぶ楽になったと思う。ちょっとしたプレーですけど、大きかったと思います。-小園選手は最近タイムリーが出ていなかった新井監督 それはシーズン長いので。相手も研究してくるし、毎回毎回打てるものだと思っていない。ちょっと前からいい感じだなと。上がってきているなと、内容を見ても思っていました。-打順を入れ替える中、1番に固定する秋山への期待新井監督 本当に元気なベテランですね。若い選手が出ていく中で経験のあるベテランというのは必要。試合の流れやワンプレー、1球1球で守備位置を変えたり細かいところ。経験している選手は大事なので、本当に頼りになります。

◆広島秋山翔吾外野手(36)が同点の5回に勝ち越しの3号ソロを右翼席に運んだ。尻上がりに調子を上げた先発床田を援護する勝ち越しの1発が、チームの連敗を4で止める決勝弾となった。セットアッパー島内を欠く中継ぎ陣が最少得点差を守り抜き、2位に浮上した。ベテランの技が連敗を止めた。同点の5回だ。先頭の秋山は現役最年長投手ヤクルト石川に追い込まれながら、内角球をコンパクトに振り抜いた。「正直、(内角球は)まったく頭になかった」。本能的に、体が反応した。打球は右翼席に吸い込まれる勝ち越し3号ソロ。6月5日日本ハム戦以来の1発が、試合の流れを大きく引き寄せた。「ああいうのも打てるんだなと久しぶりに思いました。ああいうのが出るとバッティングにもゆとりが出て来るので、いい打席が増える兆しになれば」日替わり打線が続く中、秋山は4月16日DeNA戦以降1番で固定されている。新井監督は「若い選手が出ていく中で経験のあるベテランは必要。試合の流れやワンプレー、1球1球で守備位置を変えたり、細かいところ。本当に頼りになる」と認める。長く1番を務めてきた秋山にも自負がある。「1番に入っている以上、先頭を切っていくというのはある」。先制された直後の1回の1打席目は凡退も、逆転された直後の3回は中前打で同点のホームを踏んだ。この日は今季チームを引っ張ってきた床田が立ち上がりから失点するも、すぐに打線が援護。セットアッパー島内が離脱した8回は黒原が1死から走者を背負いながら、代わった森浦がピンチをしのいだ。投手と野手、そして選手間での救い合いによって、負の連鎖を断ち切った。「チームが勝っていくと、救い合いになってくる。これが増えれば増えるほど勝てるかなと思うので、また明日以降頑張りたいなと思います」。1番打者としてだけでなく、秋山がチームのけん引役となっている。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(24)が「4番・三塁」で先発し、1-2の三回無死一、二塁で右前適時打を放った。広島先発・床田のカットボールを捉え、「早いイニングで得点できてよかったです」。10日の阪神戦(甲子園)の一回にも中前適時打を放っており2試合連続の適時打。安打は4試合連続、出塁は5試合連続となった。このあと、長岡の中犠飛で3-2と逆転に成功した。

◆スタメン起用に応える活躍を見せた。ヤクルト・武岡龍世内野手(23)が「2番・二塁」で6試合ぶりに先発出場。左腕の床田を前に力を発揮し、得点の起点となった。一回1死で迎えた第1打席は、カウント1-1から変化球を引っ張り右翼線へ二塁打。続く宮本の中前打で三塁へ進むと、2死満塁から長岡の押し出し四球により、先制のホームを踏んだ。1-2の三回先頭の第2打席は四球で出塁。宮本の中前打で無死一、二塁となった後、4番・村上の右前適時打で生還した。広島先発の床田は今季の試合前時点でヤクルト戦3試合に登板し、防御率0・41。ヤクルト打線は22イニングで、わずか1得点に終わっていた。その1点は、5月14日の武岡のソロによるもの。相性の良さを示し、きっちり結果で答えた。青森・八戸学院光星高から入団5年目の内野手。パンチ力のある打撃が魅力で、チームメートのサンタナが「一年間、試合に出続けたら、ホームラン20発は打てるよ」と話す潜在能力を持つ。開幕直後は打率1割台と苦しんできたが、毎試合のように早出練習をするなど試行錯誤し、現在は上向き。「頑張ってるっすもん。これだけ頑張っているのに上がらなかったら、『もういいや』ってなりますよ」と笑う。成長曲線を描く23歳がアピールを続ける。

◆広島が連敗を4で止めた。2―3の三回に小園の適時二塁打で同点。五回に秋山の3号ソロで勝ち越した。床田は粘り強く投げ、6回4安打3失点でリーグトップに並ぶ8勝目。石川が踏ん張れなかったヤクルトは7連敗。

◆ヤクルトは12日、広島に3ー4で逆転負けし7連敗。4回、広島・床田寛樹の打球を好捕したヤクルト・長岡秀樹をむかえるヤクルト・石川雅規=マツダスタジアム(撮影・渋井君夫)

◆ヤクルトは今季ワーストを更新する7連敗&借金13に。マツダスタジアムでは今季6戦6敗となった。先発した球界最年長の左腕、石川雅規投手(44)は5回8安打4失点ともうひとつ粘れず2敗目(1勝)。打っては三回に村上宗隆内野手(24)が2戦連続の適時打を右前に運ぶなど3点を奪ったが、五回に勝ち越しを許してからは追いつけず。高津臣吾監督(55)の主なコメントは以下の通り。――先発の石川は5回8安打4失点。投げる姿はどう映った「投げ方も良くなかったですし、その影響というか、そのせいかあれですけど、球も高かったですしね。芯を捉えられる打球が多かったですね」――3得点した。これまでとは違うぞという部分を見せた「フォアボールを絡めながら先に点を取ったのは非常によかったです。点を取って取られてというところがちょっとこうゲーム展開が重くなりましたけどね。三回までは良かったですけどね。先に4点目を取られてしまったんですけど、何とかもう一回勝ち越しをしたかったなという感じですね」――マツダで今季は6戦6敗。チームとしてやりにくさなどを感じている「プレー自体はそんなにやりにくそうに見えないですけどね。なんなんでしょうね。何かあるのかよくわからないですけど」――山田と中村が2戦連続でスタメンを外れた「別に体が悪いわけではないです」――今季ワースト7連敗。連敗が続いている状況に関して「これが今の全力でやっている結果なので、受け止めるしかないですね。1点を防いで、1点をどうやって取るかというところを忘れないで。まあ、大丈夫ですよ。上がっていきますよ」――起爆剤になるもの「なんでしょう。ピッチャーなら完封じゃないですか。ゼロで抑えれば絶対に負けないので。まあでもそこまで言ってもあれなので。こうやって競ったときにどうやって勝つか。起爆剤というとちょっと、競ったときに1点を取るのと、いろいろちょっと違うかもしれないけど、まあ競ったときに取れるような感じでいかなきゃいけないでしょうね」――明日は予告先発が小沢。前日11日の先発投手練習にはいなかった「ずっとリリーフに入っていたから休ませただけで、ゲーム作ってくれると思っているので、久しぶりの先発なので、頑張ってほしいなと思いますけど」――前日11日の先発投手練習に参加していた高橋はいつ投げる「そのうち投げるんじゃない? そのうち投げますよ。1軍に置いているわけですから」

◆広島の床田は6回4安打3失点で6月11日以来の白星をつかみ、リーグトップに並ぶ8勝目。打線の援護で得た勝利に「点を取ってくれたので。次は自分が頑張りたい」と満足はしていなかった。序盤は制球に苦しみ、一回は押し出し四球で先制点を献上。三回も先頭打者への四球が2失点につながった。四~六回は一人の走者も許さず完璧に抑えただけに「そういう投球が最初からできるようにしたい」と反省した。

◆球界最年長の左腕、ヤクルト・石川雅規投手(44)は今季6度目の先発登板で5回85球を投げ8安打4失点。もうひとつ粘り切れず2敗目(1勝)を喫した。「点をとってもらった次の回に全部点数が入っているので。何とかして連敗を止めるつもりでしたけど、先発としての役割ができず申し訳ないです。しっかり自分の球を投げきれなかった。もっとやりようがあると思いますし、本当に情けなかったですね」序盤から取っては取られての展開。一回に1点を先制してもらった直後には2点を返され、逆転してもらった三回には小園の右越え適時二塁打で同点とされた。そして、五回には先頭・秋山に右越え3号ソロを被弾。これが決勝点となった。「しっかりやり返したいです」と石川。通算187勝目に向け、言葉に力を込めた。

◆ヤクルトは逆転負けを喫し、今季ワーストの7連敗。鬼門のマツダスタジアムで6戦6敗となり、借金は13に膨らんだ。泥沼から抜け出せない現状に、高津臣吾監督(55)は、「これが今の全力でやっている結果。受け止めるしかない」と険しい表情を浮かべた。球界最年長44歳の左腕、石川に先発を託したが、5回8安打4失点で2敗目(1勝)。一、三回と得点した直後の攻撃ですぐに返される展開となり、石川は「本当に情けなかった。何とか連敗を止めるつもりだったけど...。もっとやりようがあった。申し訳ない」と肩を落とした。チームは5位の中日と4ゲーム差の最下位。混セの戦いから脱落しつつあるが、「1点を防いで、1点をどう取るかというところを忘れないで(やる)。大丈夫ですよ、上がっていきます」と指揮官。まずは負の連鎖を止める。(武田千怜)

◆ヤクルト打線からは、左腕・床田攻略への意図が明確に伝わってきた。特に左打者だ。バットをインサイドから出し、おっつける打撃に徹しようとしていた。ゴルフに例えると「スライス」の打ち方。宮本、長岡らがセンターから逆方向を中心に安打と犠飛を連ね、打順2巡目となった3回までに3得点。成果は表れていた。村上からも、上昇機運を感じた。バットのヘッドを立てたスイング軌道になっている。前日11日の練習から意識しているそうだ。これならバットに当たったとき、強い打球が生まれる。また打球の角度も上がってくるはず。完全復調へ、しっかりと取り組んでいる。ヤクルトがマツダで勝てない理由は、先発、リリーフとも広島投手陣の質が高いことだろう。球場独特の雰囲気も関係しているか。それでも、戦い方は決して悪くない。この日のように、下を向かず、高い意欲を持ち続けてもらいたい。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
41355 0.539
(↑0.006)
-
(-)
62241
(+3)
210
(+2)
47
(+2)
38
(-)
0.240
(↑0.001)
2.420
(↑0.01)
2
(2↑)
広島
39354 0.527
(↑0.006)
1
(-)
65224
(+4)
187
(+3)
32
(+1)
44
(-)
0.231
(↑0.001
2.120
(↓0.01)
3
(1↓)
DeNA
42381 0.525
(↓0.007)
1
(↓1)
62276
(+2)
270
(+3)
51
(-)
43
(-)
0.251
(-)
2.910
(-)
4
(1↓)
阪神
40375 0.519
(↓0.007)
1.5
(↓1)
61230
(-)
221
(+3)
32
(-)
26
(-)
0.223
(↓0.001)
2.210
(↓0.01)
5
(-)
中日
36416 0.468
(↑0.007)
5.5
(-)
60190
(+3)
254
(-)
34
(+1)
26
(-)
0.233
(-)
2.650
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
32454 0.416
(↓0.005)
9.5
(↓1)
62278
(+3)
291
(+4)
54
(-)
39
(-)
0.235
(-)
3.400
(↓0.02)