西武(★1対6☆)日本ハム =リーグ戦11回戦(2024.07.10)・ベルーナドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
日本ハム
0000001326901
西武
1000000001610
勝利投手:金村 尚真(3勝4敗0S)
敗戦投手:本田 圭佑(0勝4敗0S)

本塁打
【日本ハム】マルティネス(9号・8回表3ラン)

  DAZN
チケットぴあ 西武戦チケット予約 日本ハム戦チケット予約
◆日本ハムは1点を追う7回表、代打・郡司の犠飛で同点とする。続く8回には、マルティネスの3ランが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・金村が7回5安打1失点の力投で今季3勝目。敗れた西武は、先発・青山が好投するも、救援陣が振るわなかった。

◆巨人や西武でプレーした清水隆行氏(50)がDAZNの解説に登場。9日の同戦で、一塁ベースの空過で移籍後初安打が取り消しとなった野村大樹内野手(23)の打撃を解説した。清水氏は野村大が日本ハム山崎から右中間を破った打席の映像を解説。「良い形で良い方向に打ちましたよね。強引さを出さずに確率の高い方向に打ったなと。こういった形で打っていければ率も上がっていくと思います」と話した。さらに野村大の打撃の特徴にも言及し、「全体的に始動が早いところがいいかなと思いますね。少し早めに動き出して、足を上げて待ってる時間を作れる選手だなと。どうしても結果が出てないときは力んでレフト方向に強引にいったりだとか、そういう形になりがちなんですが。ああいった形で打てていれば結果もついてくる」と期待を込めた。野村大は9日に続いて、「7番一塁」でスタメン出場している。

◆西武栗山巧外野手(40)の激走も得点には結びつかなかった。栗山は「6番DH」でスタメン出場。2回1死で日本ハム金村に対し、中堅フェンス直撃の打球を放った。白球はフェンスに跳ね返り、外野を転々としている間に三塁に滑り込んだ。三塁打は18年5月24日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来。その後2死三塁となり、打者松原への4球目がワンバウンド。この投球を捕手田宮が一塁側ファウルグラウンドへ弾いた。栗山は一瞬自重してからスタート。本塁にヘッドスライディングを見せたが、間一髪タッチアウトとなった。大ベテランの気迫走塁も得点には結びつかなかった。栗山は悔しさのあまりしばらく本塁に突っ伏した。「X」では「栗山さん」がトレンド入り。「ケガなくて良かった」「今日見に来た甲斐があった」「感激です」など盛り上がりを見せた。

◆西武野村大樹内野手(23)が、"打ち直し"の移籍後初安打を放った。「7番一塁」で先発出場。日本ハム金村に対し、4回2死一、二塁で中前打を放った。左足でベースを踏んでオーバーランすると、今度は右足で一塁ベースを大きく踏み込んで喜びを表現した。5日にソフトバンクからトレードで加入。7日ロッテ戦(ベルーナドーム)は犠飛で初打点を挙げ、9日の日本ハム戦(同)では、山崎から右中間を破る打球を放ち二塁へ進塁するも、一塁ベースを踏んでいないとしてアピールプレーの末にアウト。記録は投ゴロとして移籍後初安打が取り消しとなっていた。

◆西武野村大樹内野手(23)の移籍後初安打"打ち直し"に、SNS上が盛り上がりを見せた。野村大は「7番一塁」で先発出場。日本ハム金村に対し、4回2死一、二塁で中前打を放った。左足でベースを踏んでオーバーランすると、今度は右足で一塁ベースを大きく踏み込んで喜びを表現した。「X」では「移籍後初安打」がトレンド入り。「ちゃんと踏んでます!」「文句なし!」「おめでとう(2度目)」などの投稿が見られた。

◆/今日は大丈夫\綺麗なセンター前野村大樹が移籍後初安打?プロ野球(2024/7/10)??西武×日本ハム??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #seibulions pic.twitter.com/Ska13ZJvH4

◆西武外崎修汰内野手(31)が、史上532人目の1000試合出場を達成した。この日は「3番二塁」でスタメン出場。5回が終了し、試合が成立すると三塁ベンチ前で花束とパネルを受け取った。試合前には節目の数字を迎えるにあたり、「こんなにやれるとは思ってなかったので、本当にうれしいですね。(感謝を伝えたいのは)第一にやっぱり家族じゃないですかね。あとは野球で携わってくれた皆さんに感謝を伝えたい」と話した。入団から西武一筋で、22年オフには同年に獲得した国内FA権を行使するも残留。4年契約を結んでいる。球団への思いを「入団から今まで、FAとってすごく必要としてくれる気持ちが伝わってくるし。僕もその気持ちを結果で恩返しできたらと思ってます。ありがたいですね」と語った。外崎は弘前実(青森)から富士大を経て14年ドラフト3位で西武に入団。1年目から43試合に出場した。20、22年には二塁でゴールデン・グラブを獲得した。19年にはプレミア12日本代表に選出された。通算1000試合出場=外崎(西武) 10日の日本ハム11回戦(ベルーナドーム)に先発出場して達成。プロ野球532人目。初出場は15年7月8日のオリックス13回戦(西武プリンス)。

◆拙攻続きで先発の青山美夏人投手(23)にプロ初勝利をもたらすことができなかった。今季3度目の先発となった青山は、日本ハム打線を6回まで2安打無失点に抑える好投。プロ初勝利を目指し、丁寧な投球を見せた。だが打線が援護できなかった。1回、1番源田と西川の連打であっさり先制するも、無死一塁で3番外崎が二ゴロ併殺。2回は1死から栗山が三塁打を放つも無得点。3回には先頭松原が二塁打で出塁するも、古賀のスリーバント失敗などで、得点には至らなかった。3回までに3本の長打が飛び出したが、決定打を欠いた。4回も2死満塁の好機を逃した。1点リードのまま踏ん張っていた青山は、7回にレイエスの内野安打に、代走五十幡の二盗、田宮の犠打で1死三塁としたところで降板。ヤンが代打郡司に中犠飛を許して同点に追いつかれ、青山の勝利投手の権利が消滅した。

◆日本ハム新庄監督が1億円の価値を見いだす「五十幡の足」が再び輝いた。1点を追う7回。遊安で出塁したレイエスの代走で登場。二盗と犠打で三塁へ進み、代打郡司の犠飛で同点のホームを踏んだ。前夜も延長10回に代走で出場して勝利に貢献。指揮官にSNSで「僕が五十幡君の足を持ってたら足に1億円の保険をかけるな!!」と投稿させた神足が、この日もダイヤモンドを駆け巡った。

◆西武が1発に沈み、5連敗を喫した。先発の青山は丁寧な投球で日本ハム打線を6回まで2安打無失点に封じる好投。プロ初勝利に向けて力投を続けた。だが打線は1回に源田と西川の連打で先制して以降、決定打を欠いた。3回までに3本の長打を含む4安打を集めるも、犠打失敗や走塁死などで好機を逸した。1点リードのまま粘投を続けていた青山は、7回に1死三塁とされたところで降板。2番手ヤンが代打郡司に同点の中犠飛を許した。さらに8回から登板した本田が安打と四球でピンチを招くと、4番マルティネスに痛恨の勝ち越し3ラン。田村も9回に2失点(自責1)で突き放された。これで5連敗となり、借金は29に膨らんだ。

◆日本ハム郡司裕也捕手が7回に貴重な同点犠飛を放った。1点を追う7回1死三塁で、6月16日巨人戦以来の代打で登場。カウント2-1から、ヤンが投じた低めのスライダーを中堅に持っていった。「久しぶりの代打でド緊張しました。何を打ったか覚えていません」。重圧を背負いながらも仕事をやり遂げ、8回の勝ち越し劇を呼び込んだ。

◆日本ハム金村尚真投手(23)が7回5安打1失点で3勝目を挙げた。初回にわずか3球で先制点を献上したが、2回以降は無失点に抑えた。「初回から連打を許し、失点してしまったことが反省点です。それでも、粘り強く要所を抑えることができてよかったです」。8回に決勝3ランを放ったマルティネスには「野手が必ず打ってくれると信じていました。グワチョ(マルティネス)ありがとう」と感謝した。

◆観客動員数は1万3105人と発表され、今季同球場におけるワースト2位となった。前日9日は1万1765人で同ワーストを記録。この日も空席が目立ち、8回に3点を勝ち越されると、最寄りの西武球場前駅から発車する電車の時刻に合わせて席を立つ西武ファンの姿が散見した。9日にも試合終了後にブーイングが響いたが、この日はさらに大きなブーイングがこだました。

◆西武は終盤に突き放されて5連敗となった。先発青山美夏人投手(23)が7回途中を1失点と好投も、打線が再三の好機を逃し続け、1得点と援護できず。同点の8回に本田圭佑投手(31)がマルティネスに3ランを浴び、9回に田村伊知郎投手(29)が2失点で突き放された。渡辺GM兼監督代行は「序盤にあれだけチャンスがありながら、追加点が取れなかった。いつ流れが変わってもわからないような攻撃になってしまった」と話した。

◆日本ハムが、攻撃時の三塁コーチの担当を一時的に変更した。9日西武戦(ベルーナドーム)まで三塁コーチを務めてきた森本稀哲外野守備走塁コーチ(43)から、谷内亮太内野守備走塁コーチ(33)が役割を引き継いだ。新庄剛志監督(52)は三塁コーチ変更について、試合後に「いや、分かるでしょ。昨日(9日西武戦)の森本コーチの3回に渡っての(判断)。近くで見ていると分からないというのがあるじゃないですか。だから遠くに離れて(ベンチから状況を見てもらう)。そういうことを今年はしていなかったら」と説明した。今後は数試合、この態勢で臨むつもり。「何試合かは(森本コーチに)遠くで見させて、感覚を取り戻させる。ちょっとリラックスするところでベンチにいなさいよと伝えてます」と話した。

◆日本ハムが逆転勝利で約1カ月ぶりとなる2連勝を飾った。打線が終盤に6点を奪い、7回1失点と好投した先発金村に3勝目をもたらした。新庄剛志監督は「野手が点を取って勝ちをつけるというところでは、金村君も乗っていける試合でしたね」と投打がかみ合った展開を評した。1点を追う7回に代打郡司の中犠飛で同点に追いつき、8回にはマルティネスが決勝3ラン。9回にもさらに2点を奪い突き放した。前夜は延長10回に清宮の今季初アーチとなる2ランなどで3点を勝ち越し、連敗を4でストップ。その勢いは一夜明けても継続していた。新庄監督は「日替わりでヒーローが変わっていけば、良い流れが出てくると思う。同時に3人ぐらいそういう活躍をしてくれたら大勝で勝つ。本当に昨日の試合で流れが向いてきた」とノリノリだった。マルティネス(8回に決勝3ラン)「本当に良い感触でした。良いバッティングができずフラストレーションがたまっていたけど、冷静に自分に何ができるかと考えて取り組んでいた。打ててよかった」

◆西武渡辺久信GM兼監督代行(58)が、連日のバントミスについて改善を促した。場面は1点をリードした3回無死二塁、9番古賀の打席。バットを寝かせて犠打を試みるも3度ファウルで三振。序盤は長打が3本出る展開で、4回まで毎回得点圏に走者を置いたが、最後まで追加点が奪えなかった。前日9日も同点の8回無死一塁で源田が犠打を失敗していた。対する日本ハムは0-1の7回、先頭レイエスが内野安打で出塁すると、代走五十幡が二盗。無死二塁から田宮がきっちり犠打を決め、郡司の犠飛で追いついた。渡辺GM兼監督代行は「いつ流れが変わってもわからないような、そういう攻撃になってしまった」と拙攻を悔いた。連日のバントミスについては「そういうことをきっちりやってかないと、なかなかリズムも良くないし。(バントが)できるできないで、だいぶ流れも変わってくると思うしね。まあ練習するしかないかな。でもね、練習はしてるんだけどね。やっぱり気持ちの部分も、送りバントととかね、気持ちの部分もあると思いますよ。ちょっと弱いのかなと、そういう部分では」と改善を促した。

◆日本ハムが逆転勝利で約1カ月ぶりとなる2連勝を飾った。1点を追う7回。遊安で出塁したレイエスの代走に五十幡が入り、二盗と犠打で三塁へ進み、代打郡司の中犠飛で同点のホームを踏んだ。8回には4番マルティネスが9号3ランで勝ち越すと、さらに9回に2点を奪って突き放した。終盤の逆転劇で、7回1失点と好投した先発金村に3勝目をもたらした。試合後の新庄剛志監督(52)の主な一問一答は以下の通り。新庄監督 五十幡君に代えてなかったら、ヒヤッ~とした。-「ゾっ」ではなく新庄監督 今日はヒヤッです。よく走ってくれたね。(田宮が)いいバントを決めてくれて。(三走の五十幡にはサインが)いつもギャンブルスタートで、(郡司の中飛も)タッチアップが難しい距離で。スタート切って、戻って、タッチアップするのは結構難しい走塁になっているんで。いつも五十幡君には助けられますね。-あれだけ警戒される中だと走るのはすごく難しい新庄監督 俺、もう嫌だとサイン無視する。それぐらいプレッシャーですよ。アウトになったら、グダグダ、あーだこーだ言われる。大変な役目ですよね。でもこうやって勝利を持ってきてくれる1億円の足。-レイエスも内野安打で全力疾走新庄監督 今までで一番速かったんじゃないの。彼は凡打を打っても、フライを打ってもオーバーランをものすごくする。うちのチームはみんなするんですけど、本当に一生懸命にやってくれる。使いたくなりますよね、あーいう姿勢というのは。-マルティネスも良いところで1発新庄監督 昨日清宮君が打って、きょうグワチョ(=マルティネス)が打って、日替わりでヒーローが変わっていけば良い流れが出てきてくると思う。同時に3人ぐらいそういう活躍をしてくれたら、大勝で勝つ。本当に昨日の試合で流れが向いてきた。この2試合で。-金村のピッチングについて新庄監督 カウントを取りに行く変化球がちょっと今日は入っていなかった。で、甘く取りにいったストレートを打たれるというね。でも、ああやって打たれてランナーがたまったら、ゼロが続くじゃないですか。こういう時に野手が点を取って勝ちをつけるというところでは金村君も乗っていける試合でしたね。-きょう谷内コーチが三塁コーチに入っていた新庄監督 いや、分かるでしょ。昨日(9日西武戦)の森本コーチの3回にわたっての(判断を見て決めた)。近くで見ていると分からないというのがあるじゃないですか。だから遠くに離れて(ベンチから状況を見てもらう)。そういうことを今年はしていなかったら。何試合かは(森本コーチに)遠くで見させて、感覚を取り戻させる。ちょっとリラックスするところでベンチにいなさいよと伝えてます。

◆一塁ベースのど真ん中を強く踏み込んだ。ソフトバンクからトレードで加入した西武野村大樹内野手(23)が、"打ち直し"の移籍後初安打を放った。前日9日の同戦では右中間を破る打球も、一塁ベースを空過したとして、記録は投ゴロでアウトとなっていた。4回2死一、二塁で、日本ハム金村の外角高め147キロ直球を中前にはじき返した。左足でベースを踏んでオーバーラン。帰塁すると一瞬の間を置き、振り上げた右足をベースへ振り下ろした。「もう1回踏んどこうと思って。ベースを踏むのをかみしめてました」と正真正銘のヒットに気持ちが高ぶった。決死の覚悟だった。2回1死三塁の第1打席では3球三振。「あそこ(第2打席)で打たないと人生終わるんじゃないか、ぐらいの気持ちでは(打席に)立ちました」とバットを振るまでは必死だった。"騒動"では、右足の側面で触れた感覚があった。一夜明けてもイジられ続けたが、笑いに変えた。試合前には「家族からも『踏んだんやろ~』って言われて。『踏んでるよ~』って。そしたら『今日がんばれ~』って。今日はしっかり踏みます!」とケロリ。ただ、前日は"触れた程度"だった右足で、がっちりとメモリアルヒットをかみしめた。ただ、若鷹から若獅子となった23歳は第1打席の三振を悔やんだ。チームは再三の好機を逃し、7回途中を1失点と好投した青山を援護できなかった。「2回(の打席で)自分が打ててれば、もう少し楽な展開で(青山)美夏人も投げられたのかなと思いますし。あそこで僕が(三塁走者を)返すっていうのが僕がライオンズに来た意味だと思う」。自身に求められる役割を感じているからこそ、凡退を悔やんだ。移籍後3試合で10打数1安打1打点にとどまっているが、徐々に手応えも感じている。第3、4打席は凡退したが、「3打席目も4打席目も芯でしたし。(打球の)角度が上がってるので、打てると思います」とうなずいた。巡ってきたチャンスで、何度もベースを踏んで加速していく。【黒須亮】

◆悩める4番が復活の号砲だ。日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(28)が、同点の8回に決勝の9号3ランを放った。先週5試合は4番を外れていた主砲が、前夜は相手のミスを見逃さない「目」で、この日は同点の終盤に待望の打棒を「開眼」させて、連夜の大活躍。チームも6月13日以来の連勝となり、借金を「1」に減らして4位に再浮上した。マルティネスは、尻に火が付いていた。「もう本当に、そろそろ打たないといけない」。同点の8回1死一、二塁。4番が試合を決められる、最高のシチュエーション。カウント1-2からの5球目。「ストレートが来ると思っていた」。1、2球目は見逃していた直球を狙い打ち。打球は左翼席へ吸い込まれた。決勝の9号3ランは出場8試合、43打席ぶりの感触だった。打った瞬間に"確信歩き"から、一塁到達前にヘルメットも投げ捨てて歓喜のダイヤモンド1周だ。「ここ最近は、いいバッティングができていなかった。もちろんフラストレーションがたまっていた」。それでも、前夜は野村大の一塁踏み忘れをしっかり目視したように常に冷静さは忘れない。「昨日の打席も踏まえて、この打席でストレートが来ると思った」と西武バッテリーを上回った。6月後半は調子を落としていた。7月最初のロッテ3連戦と前カードのオリックス2連戦は4番から外れ、欠場した試合もあった。復調を目指す中で意識したのは「ただ熱くなるんじゃなくて、冷静に自分に何ができるかと考えて取り組んだ。一番重要なことは冷静になること。あまり考えすぎずにバッターボックスに立つことが重要」。打席の中ではクールにシンプルに。最高の場面で体現した。開幕から主にマルティネスに4番を任せた新庄監督にとっても、待望の1発だった。「昨日、清宮君が(本塁打を)打って、今日はグワチョ(マルティネスの愛称)が打って。日替わりでヒーローが出てくれば、いい流れが出てくる。この2試合で流れが向いてきた」と笑顔。チームは4位に再浮上。借金も1に減らし、12日からは首位ソフトバンクと再び本拠地で3連戦。上げ潮ムードの4番マルティネスを中心に前回3連敗の借りを返す。【木下大輔】

◆日本ハム五十幡亮汰外野手(25)が逆転勝利を呼び込んだ。1点を追う7回に一塁走者の代走で登場。二盗と犠打で三塁へ進み、代打郡司の犠飛で同点のホームを踏んだ。サインはバットに当たったらゴーのギャンブルスタート。「冷静にフライやライナーだったら戻ってタッチアップできたらと思っていた」。最初は飛び出したが、素早い打球判断でベースへ戻り、きっちりと任務を遂行。新庄監督も「難しい走塁。勝利を持ってきてくれる1億円の足だね」と絶賛した。

◆勝ちたい気持ちがあふれ出た。西武栗山巧外野手(40)がユニホームを汚した。「6番DH」でスタメン出場すると、2回1死の第1打席で日本ハム金村から中越えに約6年ぶりの三塁打。2死三塁となり、金村のワンバウンド投球を捕手田宮が一塁方向へ弾くのを見ると、一瞬自重したがホームへ頭から飛び込んだ。間一髪でアウト。「(判断が)難しいところで。あの辺がもっと早めにね(スタートが)切れたらいいし。まあ、そこですね」と冷静に振り返ったが、悔しさのあまりホームベース上でしばらく突っ伏していた。チームは5連敗で借金29。光が見えてこない。ただチームの象徴的存在であるベテランは「次の試合はまたフレッシュな試合になるから。それはそれで1イニング目のね、1球目から集中してやれるように。ゲームごとにフレッシュな気持ちで、どれだけやれるか。それだけだと思います」と揺るがなかった。1つ上の順位も遠い。そんな状況でも、栗山の言う「フレッシュな気持ち」はベテランも若手も関係ない。まだ、シーズンは終わっていない。【黒須亮】

◆先発した西武2年目右腕・青山美夏人投手(23)は六回途中3安打1失点で降板。プロ初勝利を目前で逃し「(今季)先発した試合は3回とも途中降板となってしまったので、次回はしっかり投げ切ってチームの勝利に貢献したい」と悔しさを口にした。六回まで無失点の好投も七回に捕まった。先頭・レイエスに内野安打で出塁を許し代走・五十幡に二盗され、犠打で1死三塁とされたところで交代を告げられた。2番手・ヤンが郡司に同点犠飛を浴び青山の勝ちが消えた。

◆日本ハムが終盤に得点を重ねて逆転勝ちした。0―1の七回に代打郡司の犠飛で追い付き、八回にマルティネスが勝ち越し3ラン。九回にも清宮の適時打などで2点を加えた。金村は7回1失点で3勝目。西武は5連敗を喫した。

◆西武は四回まで毎回好機を迎えても1点止まり。逆転負けで5連敗を喫した。渡辺監督代行は「1点はリードしていても全然勝てているような感じではなかった」と、畳みかけられなかったことを悔やんだ。一回に源田、西川の連打で先制して以降は拙攻が目立った。三回は無死二塁から古賀がスリーバント失敗。不安定な序盤だった金村を攻めきれず、監督代行は「きっちりやっていかないと、リズムも良くない」と歯がゆそうだった。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
50253 0.667
(↓0.009)
-
(-)
65328
(+3)
198
(+4)
53
(+2)
54
(-)
0.257
(-)
2.310
(↓0.02)
2
(-)
ロッテ
41326 0.562
(↑0.006)
8
(↑1)
64289
(+18)
277
(+5)
40
(-)
35
(+2)
0.256
(↑0.003)
3.140
(↓0.02)
3
(-)
ORIX
38382 0.500
(↑0.007)
12.5
(↑1)
65241
(+4)
235
(+3)
30
(-)
34
(-)
0.243
(-)
2.720
(↓0.01)
4
(1↑)
日本ハム
36375 0.493
(↑0.007)
13
(↑1)
65269
(+6)
263
(+1)
43
(+1)
57
(+1)
0.245
(↑0.001
2.900
(↑0.02)
5
(1↓)
楽天
36392 0.480
(↓0.006)
14
(-)
66254
(+5)
313
(+18)
33
(-)
56
(-)
0.244
(↑0.002)
3.750
(↓0.18)
6
(-)
西武
24531 0.312
(↓0.004)
27
(-)
65176
(+1)
277
(+6)
32
(-)
45
(-)
0.205
(-)
3.160
(↓0.03)