西武(★1対4☆)日本ハム =リーグ戦10回戦(2024.07.09)・ベルーナドーム=
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日本ハム
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西武
00000100001800
勝利投手:杉浦 稔大(2勝0敗2S)
(セーブ:田中 正義(2勝2敗12S))
敗戦投手:松本 航(1勝4敗0S)

本塁打
【日本ハム】清宮 幸太郎(1号・10回表2ラン)

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◆日本ハムが延長戦を制した。日本ハムは4回表、1死一三塁から伏見の内野ゴロの間に1点を先制する。その後1-1で迎えた延長10回には清宮の2ランなどで3点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・杉浦が今季2勝目。敗れた西武は、打線がつながりを欠いた。

◆昨オフに現役ドラフトで広島から加入した西武中村祐太投手(28)が、ブルペン陣に欠かせない存在となっている。今季は試合前時点で17試合に登板。ピンチの場面での火消しや、回またぎなどフル回転している。試合序盤からブルペンで繰り返し投球練習を行うシーンも見られる。「3回4回(肩を)作っていくっていうのは難しいところではあるんですけど。心の準備だけしておけば、あとは気持ちで投げるしかないと思ってるので」。回またぎについては「しんどいですよ、やっぱり。次の日に体が動かないところが多い」と明かす。西武の中継ぎ陣は水上、本田らが不調。若い投手も多く、7日のロッテ戦(ベルーナドーム)では、21歳の左腕菅井と豆田が失点し、敗戦が決定的となった。自身は6回途中から登板し、1回1/3を無失点に封じた。プロ11年目の右腕は若い2人をおもんぱかり、「打たれても抑えてもまだまだ若いので。そこは経験だと思う。自分の足りないところが分かってきたと思うので、どう乗り越えるかだと思う。でも1軍で投げられて僕からしたらうらやましいの一言です」と言葉を並べた。この日は4連敗を阻止する一戦で、変わらずブルペン待機する。「だんだん今(体が)しんどくなってきているんですけど、踏ん張りどきかな」。試合前練習で調整すると、治療のためにロッカールームへ引き揚げた。【黒須亮】

◆スポーツ選手のデータ解析などを行う企業のネクストベース取締役で、多くのプロ野球選手のピッチデザインに携わる神事努氏が始球式に登場した。胸に「NEXT BASE」と書かれたユニホームで登場。投球はノーバウンドで内角低めに決まった。神事氏は「投球動作のバイオメカニクス的分析」が主な研究テーマ。ボールの回転軸の方向や回転速度が空気力に与える影響について明らかにした論文で、日本バイオメカニクス学会優秀論文賞を受賞。近代の日本野球において欠かせないデータ分析の先頭に立ってきた。NHKBSで放送されている「球辞苑」など、多数のテレビ出演経験がある。この日の始球式に備え、前日8日には千葉・市川にある同社施設で練習を重ねた様子を自身の「X」で投稿。ラプソードでデータを採集しながら「いろんなところが痛い。ガチで投げて112キロ。スピードガンは30キロ増しでお願いした」とつづっていた。最速を記録したこの投球のスピン量は1561回転、回転効率は91%だった。

◆西武源田壮亮内野手(31)の美技にSNS上で盛り上がりを見せた。「1番遊撃」で先発出場。1回の第1打席で日本ハム山崎から、プロ通算994本目となる安打を放った直後の守備だった。先頭の松本剛のゴロを処理。続く上川畑は二塁ベース左を抜けるかと思われたゴロを放ったが、回り込んで阻止した。2死からは伏見の高いバウンドのゴロを捕球すると、ランニングスローでアウトにした。この回全てのアウトを源田1人で仕留めた。この守備にDAZNで実況を務めた谷口広明氏は「源田の守備をご覧頂きました~」とイニングを総括。この実況がSNSで話題に。「実況おもろい」「源田の守備練」「通常営業」などの投稿が見られた

◆西武野村大樹内野手(23)がまさかの形で移籍後初ヒットが取り消された。5回2死、日本ハム山崎から右中間に「二塁打」を放った。記念すべき初安打を記録したかと思いきや、山崎が一塁手マルティネスへボールを転送し、ベースを踏んだ。すると一塁塁審の牧田が、ベースを踏んでいないとしてアウトを宣告した。これには野村大も困惑した表情で、渡辺久信GM兼監督代行(58)もリクエスト。映像の確認を行ったが判定は変わらず。移籍後初安打は取り消しとなった。

◆まさかの移籍後初安打取り消しがSNS上で話題となった。ソフトバンクからトレードで加入した西武野村大樹内野手(23)が、日本ハム山崎から右中間へ快打を放った。記念すべき"移籍後初安打"にベルーナドームは沸いたが、山崎が一塁へ転送した。一塁マルティネスがベースを踏むと、一塁審牧田はアウトを宣告。西武側のリクエストもあり、映像で確認したところ、野村大が一塁ベースを踏み損ねていた。これで移籍後初安打は取り消し。記録は投ゴロになった。SNS上でも話題となり、「X」では「移籍後初ヒット」「ピッチャーゴロ」がトレンド入り。珍しいシーンにネット上でも盛り上がりを見せていた。

◆どんな状況でも、やるべきことを怠らずにやる。日本ハムの一塁手、アリエル・マルティネス捕手(28)はしっかりと見ていた。5回2死。凝視したのは、中越えの打球を放った野村大の足。二塁へ向かうために一塁ベースを蹴る瞬間だ。右足で一塁ベースの角ギリギリを攻めていた野村大の右足は、ベースを踏んでいなかった。最初の記録は二塁打。野村大にとってはソフトバンクからの移籍後初安打。大きく沸く敵地の中で、マルティネスは必死にボール転送を要求した。アピールプレーが成立するには、次のプレーが始まってから投手が次打者へ初球を投げる前に行う必要があるからだ。その必死さは仲間にも伝わった。球審がプレーを宣告後、捕手伏見が立ち上がった。先発山崎に一塁への転送を指示。ボールを受け取ったマルティネスが一塁ベースを踏むとアウトのジャッジでアピールプレーが成立。西武側のリクエストでリプレー検証も行われたが、判定は覆らない。二塁打だった記録も投ゴロに訂正。ピンチを未然に防ぐ、ファインプレーとなった。直近11戦で1勝のみという苦境で5位まで転落した日本ハム。この日は、打線が4回までに6安打も1点のみ。うまくつながらなかったが、リフレッシュ抹消明けの先発山崎が7回途中まで1失点と好投。7回のピンチは2番手の池田が無失点に封じた。難しい展開でも、やるべきことをやっていれば勝利への近道となり、上昇気流へ乗るきっかけにもなるはずだ。【木下大輔】

◆西武アルバート・アブレイユ投手(28)の反則投球に、ネット上で疑問の声があがった。アブレイユは1-1の9回に登板。テンポ良く2死とし、7番上川畑へ1-2から4球目を投じると、球審長川がタイムをかけた。長川は場内アナウンスで状況を説明。反則投球の理由に言及はなく、「アブレイユ投手、ただ今の投球、反則投球のため2ボール2ストライクとします」と話したのみだった。アブレイユはややいらだった様子も見せたが、上川畑を投ゴロに打ち取った。SNS上でも話題となり、「X」では「反則投球」がトレンド入り。「何が反則?」「説明が欲しかった」などの投稿が相次いだ。

◆清宮幸太郎内野手(25)が待望の今季初アーチを放った。1点を勝ち越し、なお2死二塁とチャンスで迎えた延長10回。カウント1-2から、松本の4球目のカーブをバックスクリーンに運ぶ1号2ランで西武を突き放した。昨年8月27日以来の1発で、通算50本塁打に乗せた。お立ち台に上がると「やっと出ました」と破顔。打席に「本当にイソ(五十幡)さんがナイスランをしてくれて、本当に楽な気持ちで打席に立てました」と振り返り、「全然入ると思わなくて、センターだけ下がったんで、変なところに打っちゃったなと思っていたんですけど、超えてびっくりしました。ファンの皆さんの声援が最後一押し、僕のを押してくれた」と感謝した。連敗ストップに貢献し「前半戦は全然力になれなかったので、ここから波に乗りたい。まだまだ僕たちに貪欲に戦っているんで、勝って、勝って、勝ちまくりたいです」と話した。

◆/ここできました第1号?\清宮幸太郎が延長10回にツーランホームラン!ベンチで喜び爆発?プロ野球(2024/7/9)??日本ハム×西武??Live on DAZN#DAZNプロ野球#lovefighters pic.twitter.com/ZQLSq99P0X

◆西武が延長戦の末に敗れた。打線は1点をリードされた6回1死一、三塁から西川の右前適時打で同点。だが、7回に1死二、三塁の勝ち越し機を逃すと、8回はバントミスなど拙攻が続いて得点を奪うことができず。8回1失点と好投する先発渡辺を援護できなかった。試合は延長戦に突入。10回に3番手松本が先頭の代打田宮に死球を与えると、1死一、三塁から万波の内野ゴロの間に勝ち越し。さらに清宮に決定的な2ランを許した。西武はこれで4連敗。借金は28となった。

◆日本ハムが延長10回に3点を勝ち越し、連敗を4で止めた。試合後に新庄剛志監督(52)は「五十幡さんと清宮さんには足向けて寝れないです」と殊勲の2人を称賛した。1-1の延長10回1死一、三塁。ここで指揮官が一塁走者の水谷を代え、五十幡を代走へ送った。次の万波は遊ゴロに倒れたが、ここで五十幡の足が生きた。グリーンライトだった五十幡がスタートを切っており、併殺崩れの間に勝ち越し点をもぎとり「いやぁ~、五十幡くんに替えていなかったら、ゾッとしますね」と振り返る勝負の分かれ目だった。続く清宮が今季初アーチとなる2ランで突き放し、試合を決定づけた。これには新庄監督も「きょうの1打席目からタイミングを早めにとってポイントで打ってたから、ずっと期待を持てる1日だった」とたたえ、さらに「フリーバッティングもよくなってきていた。インパクトのスイングやスピード。当たってからの角度も本来の角度になってきた」と復調ぶりを実感していた。指揮官としての願いは、清宮がしばらくこの調子が持続することだ。「彼はすぐ変わるから。次の試合から。すぐ変わる。あと3、4試合は続いてくれたら」と注文をつけた。

◆ソフトバンクからトレードで加入した西武野村大樹内野手(23)の移籍後初安打が取り消しとなった。5回2死、日本ハム山崎から右中間を破ったが、一塁ベースを踏んでいないとして、相手のアピールプレーでアウトに(記録は投ゴロ)。7日ロッテ戦(ベルーナドーム)では犠飛で初打点を挙げ、初安打を待ち望んでいた。「僕的には踏んでるんですけど、審判さんの判断が全てなので」と話した。

◆西武渡辺久信GM兼監督代行(58)が、相次いだミスに厳しい姿勢を見せた。5回に野村大樹内野手(23)が移籍後初安打と思われた二塁打を放つも、一塁ベースを踏んでいないと日本ハム側からアピールがあり、アウトが宣告。記録は投ゴロでソフトバンクからトレードで移籍してからの初安打が取り消しになった。ミスは続き、1-1の8回無死一塁で、2安打の1番源田が犠打を試みるも捕邪飛。延長10回には3番手松本が先頭の田宮に死球を与え、1死一、三塁から万波のハーフライナーを遊撃源田がショートバウンドで捕球。三走田宮のスタートは遅れていたが、二塁経由での併殺を選択した。だが、一走は俊足の代走五十幡で二塁がセーフ。一瞬の難しい判断だったが勝ち越しを許した。渡辺久信GM兼監督代行(58)はまず野村大の一塁ベース空過の判定について言及。「あれはファースト審判間違えないですよね。見てるもんね、絶対」とした。さらに、野村大の走塁を含め、拙攻が続いた打線と勝ち越しを許した延長10回の守りを総括。「結局しっかりやるべきことができていなかった。終盤にかけていろんなミスが出て。勝ち越し点もそうだし、ああいうところで冷静にプレーできなかったというところが今日の負けにつながった。選手は負けようと思ってやっているわけじゃないし、当然真剣にやったプレーの中でミスは出るものなので、それはしょうがない」と話した。これで4連敗となり、借金は28に膨らんだ。

◆ベルーナドームの観客動員数は、今季同球場ワーストの1万1765人だった。従来は平日で約2万人、土日や祝日には2万後半の観客動員があった。だが、この日は試合開始前から空席が目立ち、発表された観客数は1万1765人。ベルーナドームでの今季ワーストとなった。延長10回に一挙3点を勝ち越されると、席を立つ西武ファンも多く見られた。試合終了後には渡辺久信GM兼監督代行(58)と選手らが三塁側スタンドにあいさつ。借金28と低迷が続いており、一部ファンからのブーイングが響いた。今季のワースト2位は5月10日の楽天戦での1万4409人だった。

◆リフレッシュ抹消明けの日本ハム山崎福也投手(31)が、6回1/3を1失点と好投した。5月30日阪神戦以来の7勝目は逃すも「先発投手として、ゲームメークできたことはよかった」と手応えを口にした。悔やまれたのは同点に追いつかれた6回と一打逆転のピンチを招いた7回で「6、7回と連打を許してしまったことが反省点」と課題を述べた。

◆317日ぶりの清宮弾で日本ハムが連敗を4で止めた。1点を勝ち越した延長10回に清宮幸太郎内野手(25)が1号2ラン。今季83打席目での1発に「やっと出ました」。昨年8月27日に、この日と同じベルーナドームで描いて以来のアーチで勝利を決定付けた。手応えは、なかった。「うわー。変なところに打っちゃったなぁ」。打球は深めに守っていた中堅バックスクリーン方向。「全然入ると思わなくて」と諦めかけたが、天性のパワーと「ファンの皆さんの声援が最後ひと押し、僕の打球を押してくれた」。やっとフェンスを越えてくれた。春季キャンプ直前で左足首を捻挫し、大きく出遅れた7年目。1軍復帰後も打球が上がらなかったが、練習から「体重移動の仕方や、きれいにうまく使えるようなハンドワーク」など試行錯誤を続け、ついにプロ通算50号。「もっと打ちたいです」と前を向いた。清宮の1発の前には、代走五十幡がグリーンライトでスタートを切って、万波の遊ゴロ併殺打を阻止して勝ち越し点を奪った。新庄監督も「五十幡さんと清宮さんには足を向けて寝られない(笑い)」と感謝。これで7、8月に打った本塁打数は通算本塁打数の半数にあたる25本目。「暑い季節ですので、波に乗っていきたい」。日本ハムの夏男・清宮がチームを再浮上させていく。【木下大輔】

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が試合後に自身のインスタグラムでストーリーズを投稿。連敗ストップに大貢献した五十幡亮汰外野手(25)の「足」を独特の表現で大絶賛した。勝ち越し点を奪った延長10回1死一、三塁の場面の動画に「僕が五十幡君の足を持ってたら足に1億円の保険をかけるな!!」とメッセージを添えた。新庄監督は延長10回に、万波が打席に入った1死一、三塁で一塁走者の代走として五十幡を起用。五十幡へのサインは「いつでも(二盗に)行っていい」というグリーンライトだった。カウント1-1からの3球目で五十幡はスタート。その3球目を万波が打ち、痛烈な遊ゴロとなった。併殺コースかと思われたが、スタートを切っていた五十幡は源田からの送球よりも早く二塁へ到達。併殺を阻止したことで、三塁走者の田宮が決勝のホームを踏めた。試合後の取材対応で「五十幡君に代えていなかったら、ゾッとしますね」と話していた新庄監督。中学時代の逸話から「サニブラウンに勝った男」という異名もある球界屈指の神足ぶりには"保険金1億"の価値ありと発信して、類いまれな仕事ぶりをたたえた。

◆日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(28)が「目」でチームの連敗ストップに貢献した。5回2死での一塁守備。中越え二塁打と思われた西武野村大が、一塁ベースを踏み忘れて二塁へ向かったことを冷静にチェック。直後のアピールプレーでアウトにした。一塁手として毎回欠かさず行うルーティンだが、鋭い観察力と洞察力でチームを救い、1週間ぶりの勝利に貢献した。マルティネスは、見た。5回2死。凝視したのは、中越えの打球を放った野村大の足。二塁へ向かうために一塁ベースを蹴る瞬間だ。「踏んでないな」。右足で一塁ベースの角ギリギリを攻めていた野村大の右足は、ベースを踏んだように見えなかった。次にマルティネスは、一塁塁審を見た。「塁審も結構(ベースを踏んでいないことに)反応しているような感じで、何回も塁を踏んだか確認しているのが見えた」。判定を下すのは自分ではない。同じように確認しているはずの塁審の様子で手応えが膨らんだ。さらにマルティネスは、自らの経験値から注意深くなっていた。過去にアピールプレーを成立させたことが多々あるという助っ人は「打者が久しぶりに1軍に上がってヒットを打った時に、そういうことが起こりやすい。特にそういう時は確認している」という。だからマルティネスは、見逃さなかった。野村大はソフトバンクからトレード移籍したばかり。新天地での初安打も出ていない状況で「いい打球だったから打球を見つつ、たぶん直前になってベースを見たので、そういうミスが起こったんじゃないか」と見立てた。最後にマルティネスは、仲間にも後押しされた。「ベンチの選手たちもアピールしていた。だから山崎にアピールプレーをするように言ったんだ」。日頃の準備に観察力や洞察力もフル稼働。アピールプレーは無事に成立し、二塁打だった記録は投ゴロに変わった。涼しげにマルティネスは、言った。「いつもやっていることだよ」。新庄監督も「それ普通じゃない?」と言いながらもニヤリ。延長戦に持ち込まれたが、最後は勝ちきった。やるべきことを怠らずにやるのが勝利への近道。チーム1週間ぶりの勝利が、そう教えてくれた。【木下大輔】

◆感染症特例から復帰した日本ハム田中正義投手(29)が12セーブ目を挙げた。6月26日の西武戦以来となる登板で、3点を勝ち越した延長10回から登場。西武打線を3者凡退に封じた。「今こうやって投げられたのは健康であるということなんで、そんなに変化なくやれた」と振り返り、オールスターまでの残り10試合に向けて「1週間も休んだんで、戦力になれるように頑張りたい」と意気込んだ。

◆日本ハム・金村が10日の西武戦に先発する。前回2日のロッテ戦(エスコン)では6回9安打3失点で、5月の先発再転向後初勝利(今季2勝目)をマーク。「勝ったということで、すごく自分の中でも落ち着いた部分もあります」とうなずいた。西武に対しては今季3試合で0勝1敗、防御率0・75。2年目右腕は「僕で勝てるように、しっかり後ろにつなぎたい」と語った。

◆目下、3連敗中で借金27に膨らんだ西武・渡辺監督代行。チームの低迷と歩調を合わせるように、母校の群馬・前橋工高は8日の群馬大会1回戦・関東学園大付戦で2-9で敗れ、早くも甲子園への道が絶たれた。同監督代行は同高3年の夏は群馬大会決勝・太田工戦で延長十一回に押し出し四球でサヨナラ負け。「さすがに(決勝戦後)3日間は〝喪に服した〟よ。で、4日目から(自動車)教習所通い。俺、切り替え早いんだよ(笑)」。あと一歩のところで甲子園は逃したが、それもまた良い思い出。「いまだに当時の仲間に会うと、責任の押し付け合い。併殺崩れで1点取られたんだけどセカンドがちゃんと投げとけばとか、ど真ん中のボールをスクイズ失敗した2番打者のせいだとか...。笑っちゃうよね」とあの夏に思いをはせた。もはや、〝一戦必勝〟の高校球児の気持ちで戦うしかない西武ナイン。しかし、打線がこの日も援護できない。五回2死からソフトバンクからトレード移籍した野村大が〝移籍初安打〟となる中越え二塁打を放ったかに見えたが、一塁ベースを踏み忘れており、日本ハム側のアピールプレーによってアウト。記念球がベンチに戻ってきていた中で、安打は取り消された。

◆日本ハムの先発、山崎福也投手(31)は6回?を投げ、7安打1失点。5月30日の阪神戦(甲子園)以来の白星となる今季7勝目は次回以降にお預けとなった。テンポの良い投球で前半五回までは無失点投球を披露し「先発投手として、ゲームメークできたことはよかったです」。ただ1-0の六回1死一、三塁で2番・西川に右前への同点適時打を許し「六、七回と連打を許してしまったことが反省点」と表情を引き締めた。七回に連打で1死一、三塁とされた場面で降板。2番手右腕・池田が後続を退け〝火消し〟し「いけちゃん(池田)に感謝です」と最敬礼した。

◆日本ハムが延長戦を制して連敗を4で止めた。1―1の十回1死一、三塁から万波の遊ゴロと清宮の1号2ランで3点を勝ち越した。西武は4連敗。六回に追い付いた後に畳みかけられず、七回も好機を逃したのが痛かった。

◆節目のプロ通算50本塁打目が勝利を決定付けた。日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)が2-1の延長十回2死二塁で1号2ラン。待望の一発を今季83打席目で放ち、胸をなで下ろした。「(勝ち越しの)1点が入ったので楽な気持ちで打席に立てました。やっと出ました」カウント2-1から右腕、松本の111キロのカーブを一閃。バックスクリーンへ運び「入ると思わなかった。越えてびっくりしました」と目を丸くした。試合前時点で12打席連続無安打だったが3番に抜擢(ばってき)した新庄監督は「フリー打撃で本来の彼の角度になってきていた。清宮さんには足を向けて寝られない」とたたえた。延長戦を制し、チームは連敗を4でストップ。「前半戦は全然力になれなかった。暑い季節ですのでここから波に乗っていきたい」と清宮。通算50本中25本を7、8月に放った〝夏男〟がチームを再浮上させる。(加藤次郎)

◆天国から地獄に突き落とされた。ソフトバンクからトレードで西武に移籍した野村大樹内野手(23)が五回に右中間を破る二塁打を放ったと思われたが、日本ハム側は野村の右足が一塁ベースを空過しているとのアピールプレーで山崎が一塁へ投げ、一塁球審もアウトを宣告。安打は取り消され、記録は「投ゴロ」となった。「僕的には踏んでいるんですけど、審判さんの判断が全てなので。『抜けてくれー』と打球を見過ぎた感じがあって、(一塁ベースを)踏んだのは踏んだけど甘かったというか...」移籍初安打を祝して記念球がベンチに戻ってきていただけに、何とも罰が悪かった。渡辺監督代行のリクエストによるリプレー検証の間、二塁ベース上で東京・早実高で1学年先輩の清宮から「踏んだっしょ?」と声を掛けられると、「踏んでます、さすがに」と返答。しかし、判定が覆ることはなかった。同点で迎えた次打席、七回1死一、三塁でも一邪飛。これで移籍後は7打数無安打。「完全に僕のバッティングの力量のなさ。今日のことを糧にして、切り替えてやるしかない」と自らに言い聞かせた。(東山貴実)五回の野村大の〝踏み忘れ〟判定に関して、念のためリクエストした西武・渡辺監督代行 「あれ(判定)は間違いない。一塁塁審は見ているもんね、絶対に」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
50243 0.676
(↓0.009)
-
(-)
66325
(-)
194
(+3)
51
(-)
54
(-)
0.257
(↓0.001)
2.290
(-)
2
(-)
ロッテ
40326 0.556
(↓0.007)
9
(-)
65271
(+2)
272
(+4)
40
(+1)
33
(-)
0.253
(-)
3.120
(↓0.01)
3
(-)
ORIX
37382 0.493
(↑0.007)
13.5
(↑1)
66237
(+3)
232
(-)
30
(-)
34
(+1)
0.243
(↓0.001)
2.710
(↑0.04)
4
(-)
楽天
36382 0.486
(↑0.007)
14
(↑1)
67249
(+4)
295
(+2)
33
(+2)
56
(+3)
0.242
(↑0.001)
3.570
(↑0.02)
5
(-)
日本ハム
35375 0.486
(↑0.007)
14
(↑1)
66263
(+4)
262
(+1)
42
(+1)
56
(-)
0.244
(-)
2.920
(↑0.03)
6
(-)
西武
24521 0.316
(↓0.004)
27
(-)
66175
(+1)
271
(+4)
32
(-)
45
(+1)
0.205
(-)
3.130
(-)