広島(★3対5☆)巨人 =リーグ戦13回戦(2024.07.09)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
巨人
0003000205911
広島
0010011003500
勝利投手:高梨 雄平(3勝1敗0S)
(セーブ:大勢(0勝1敗10S))
敗戦投手:島内 颯太郎(6勝6敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(15号・4回表3ラン)

  DAZN
チケットぴあ 広島戦チケット予約 巨人戦チケット予約
◆巨人が連勝を5に伸ばした。巨人は1点を追う4回表、岡本和が3ランを放ち逆転する。その後同点を許すも、8回に岡本和の犠飛と門脇の適時打で2点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・高梨が今季3勝目。敗れた広島は、2番手・島内が誤算だった。

◆鬼門を巨人岡本和真内野手(28)が破りにかかった。1点を追う4回1死一、三塁。21年から7連敗中の広島森下の136キロカットボールを仕留めた。ややコンパクトに捉え、打球を逆方向の右翼席前列に運んだ。2戦ぶりの15号3ランで試合をひっくり返した。「点を取られた後すぐに取り返せて良かったです」と引き締まった表情で話した。敵地マツダスタジアムでは今季はここまで6戦4敗2引き分け。1勝もできずに臨んだ一戦だった。阿部監督が今季中のある試合後に「点を取られなければ負けない。でも点を取らないと勝てない」と言った。勝利への大原則は得点だった。ここまでの6戦は8得点21失点。うち、本塁打での得点は0。ノーアーチの呪縛を頼れる主砲が打ち破った。助走をつけて勢いそのままに乗り込んだ。前カードのヤクルト3連戦は4月12日広島3連戦以来となる同一カード3連勝を飾った。貯金を4まで積み上げ、広島との首位攻防の舞台を整えた。阿部監督は「苦手とかはないんだけど、アウェーのチームが勝てないのは、それだけ広島のファンがそういう雰囲気をつくっているという証拠」としながらも「勝てるよ。暑さとの戦いもある」と言い聞かせるように言った。先発の山崎伊はイニングが進むごとにユニホームが様変わりしていった。グレーのビジターユニホームは汗が染みて、袖の部分以外は色濃くなっていった。バックを固める野手も同様だった。巨人が文字通り汗をにじませて今季マツダスタジアム初勝利と6月6日以来の首位を奪いにいった。【為田聡史】岡本和が8回に決勝点となる勝ち越し犠飛。岡本和の勝利打点(V打)は3試合連続の今季12度目で、12V打はここまで両リーグトップ(2位はロッテ・ソトの10度)と勝負強さを見せている。3試合続けてV打は昨季の6月11~14日以来、自身2度目。巨人で3試合連続V打を複数回マークしたのは松井以来。松井は96年8月、97年8月、02年7月の計3度記録した。○...岡本和が右肩付近に打球を受けた。6回の守備から一塁に入り、先頭矢野のワンバウンドの打球が直撃。打球はそのままスタンドに入り、ボールデッドで打者走者は二塁に進塁した。三塁側ベンチから慌ててトレーナーがかけつけるも岡本和は一瞬だけ顔をゆがめたが、ほぼ無表情のままプレーを続けた。

◆巨人山崎伊織投手(25)が7勝目を逃した。1点リードの7回先頭の大盛に安打を許し、1死二塁の場面で降板。後続のケラーが打たれ追いつかれた。6回1/3を4安打3失点(自責2)で勝敗はつかず。山崎伊は「先頭を出しちゃったんで、最後も。でもチームが勝ったので、次修正できることはしっかりして、また頑張りたいと思います」と切り替えた。

◆抑えに返り咲いた巨人大勢投手(25)が、3年連続となる10セーブを挙げた。2点リードの9回、広島打線を3者凡退に封じた。6日の復帰後は3試合連続で無失点どころか無安打投球を継続しており「こういうシチュエーションで回ってくるだろうと感じていたので、しっかり準備していたのがよかった」。鬼門と呼ばれるマツダで今季初登板も「なんとも思っていなかったです」と頼もしく言い切った。

◆途中出場の巨人門脇誠内野手(23)が追い打ちを掛けた。6回の守備から出場し、8回に岡本和の犠飛で勝ち越してなおも2死三塁の場面。カウント2-1から広島島内の153キロ直球を捉え、右前適時打を放った。5月7日中日戦以来約2カ月ぶりの打点が、2点差に突き放す貴重な追加点となった。

◆広島が同点の8回に島内が2点を失い、今季3度目の4連敗で6月7日から守り続けた首位から陥落した。1点を先制した直後の4回に森下が岡本に逆転3ランを浴びた。それでも打線は6回に内野ゴロで1点差とし、7回には代打上本の適時打で追いついた。だが、8回に島内が連打から1死二、三塁とし岡本の犠飛、門脇の右前打で2点を失った。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-島内投手が8回に2失点して6敗目新井監督 今終わったばかりなので。ちょっと考えたいなと思っています。-球質は悪くないと言われていたが、負けが続いている新井監督 球自体は悪いようにはみえないんだけど、本人もちょっとしんどいと思うので。これから話をして、考えていきたいなと思います。-8回1死二、三塁で敬遠の選択はなかった新井監督 もちろん。あそこは埋められないでしょう。-打線は同点に追いついた新井監督 粘り強くね。犠牲フライ、内野ゴロ、(上本)崇司のタイムリーか。粘り強く攻撃してくれたと思います。森下も岡本の1球だけだったね。あれを逆方向にホームランにするという岡本君がいいスイングだったと思うし、森下もあの1球以外はいつも通りいいピッチングをして、試合をつくってくれたと思います。-大盛選手が今季初スタメン新井監督 打つ方もいいスイングだったし、また守備の方も犠牲フライを刺したのもそうだし、飛び込んで取ったのもそうだし、大盛はいいものをみせてくれたと思います。-同点に追いついた一打は苦しんでいた上本選手新井監督 あそこはよく打ったよね。ネクストにまっちゃん(松山)を立たせていたけど、まっちゃんだったら高梨が来ること分かっていたので、あそこは崇司にいってもらった。崇司らしい、食らいついたいいタイムリーだったと思います。-順位は気にしていないと言っているが...新井監督 まったく気にしていない。あと何試合ある? 今何月ですか? まったく気にしていません。そんなにトントンとうまくいくとは、はなから思っていないので、まったく気にしていません。

◆巨人の主砲が鬼門を打ち破った。岡本和真内野手(28)が1点を追う4回に15号3ランで試合をひっくり返した。同点に追いつかれた直後の8回には右犠飛で勝ち越し、3試合連続となる今季12度目のV打。本塁打、打点でリーグトップの主将が打線を引っ張って5連勝。今季ここまで6戦0勝4敗2分けだった敵地マツダスタジアムでの首位攻防・広島戦で白星をもぎとり、6月6日以来の首位に浮上。大混セ・真夏のペナントレースが熱い。半信半疑でベースを回った。岡本和が打球を目で追いながらバットを手放した。1点を追う4回1死一、三塁。広島森下のやや甘く入った136キロカットボールを捉えた。コンパクトなスイングで逆方向、右翼席最前列まで運び「犠牲フライには十分かなと思って。走ってって、あれ抜けるんちゃう? って思って、(スタンドに)入ったんでびっくりしました」とリアル感満載で2戦ぶりの15号3ランを振り返った。ノーアーチは似合わない。昨季を含む過去3度の本塁打王の本能だった。「まあ、あんまり意識はしていない。意識はしてないというか、あっちに入ってくれて良かったです。ホームランになってくれてよかったなと」と全方位の打球方向でアーチを量産。ヤクルト村上に並びリーグトップタイに躍り出た。勝負どころで凡打も似合わない。一時同点に追いつかれた直後の8回1死二、三塁。島内の外角高めの155キロを右翼まで軽々とはじき返した。「いつも島内選手には捉えてもゴロですし、強引にいって浅いフライっていうのが多かったので、あの場面はもう何とか、外野フライ打てたらいいなと」と今季15度目の決勝打でリーグ単独トップの50打点に乗せた。負けてばかりもいられない。敵地マツダスタジアムで今季7戦目で初勝利。阿部監督は試合前のミーティングで「鬼門だって言われるからいいかげん、勝とう」と呼びかけ、首位攻防2連戦の初戦を制し、約1カ月ぶりに首位に浮上した。チームは今季2度目の5連勝。鬼門を打ち破った岡本和は「今季初勝利っすか? そうなんすか。明日も勝ちたいなと思います」とにんまり。こんな感じが岡本和にはよく似合う。【為田聡史】岡本和が8回に決勝点となる勝ち越し犠飛。岡本和の勝利打点(V打)は3試合連続の今季12度目で、12V打はここまで両リーグトップ(2位はロッテ・ソトの10度)と勝負強さを見せている。3試合続けてV打は昨季の6月11~14日以来、自身2度目。巨人で3試合連続V打を複数回マークしたのは松井以来。松井は96年8月、97年8月、02年7月の計3度記録した。▽巨人阿部監督(逆転3ランを含む4打点の岡本和に)「反対方向にああやって、すっ飛んでいくんだから、それを思い出したかなと思いながら見てました。今は打席での集中力が素晴らしい。その後の四球もしっかり選べたというのがもっと大きい」

◆広島が今季3度目の4連敗で、6月7日から守り続けた首位から陥落した。2点差を追いつきながら、8回にセットアッパー島内が打たれた。1死から吉川、ヘルナンデスの連打で二、三塁。岡本和には右翼への犠飛を打ち上げられ、勝ち越しを許した。続く門脇にも右前適時打を浴びてリードを広げられた。昨季のセ最優秀中継ぎ投手は今季、早くも6敗目。「ストライク先行で行けていないですし、チェンジアップもコントロールし切れていないところがある。そういうところの積み重ねだと思います」。6月以降4つの黒星を重ねた右腕は唇をかんだ。1勝6敗で滑り出した7月の7試合はすべて3点差以内。得意とした接戦で勝ちきれない試合が目立つ。新井監督は島内の今後について「球自体は悪くないんだけど、本人もしんどいと思うので」と2軍での再調整を明言した。得点力不足を補っていた投手陣のほころびるを埋めるためにも、今月1試合平均1・9得点の攻撃陣の奮起が欠かせない。▽広島森下(7回3失点も勝ち負けつかず)「1発はもったいなかったので、打たれても粘り強く最少失点で抑えられたらなと思います」

◆巨人は9日、威力業務妨害の疑いで東京都世田谷区、天野里美容疑者(27)が逮捕されたことを受け、コメントを発表した。「執拗なネット上の投稿により、対象とされた選手はプレーに専念することが妨げられました。重大かつ深刻な事案であり、球団としてもプロ野球界全体としても、このようなことが二度と起きないよう全力で取り組まなければならないと考えております」天野容疑者は4~6月、インターネット掲示板に、巨人の選手の個人情報が記載された写真と共に「惨殺し死刑にします」などと投稿し、球団の業務を妨害した。天野容疑者と選手に面識はない。警視庁捜査1課によると、投稿されたのは天野容疑者が勤めていた生命保険会社の顧客情報画面の写真で、契約していた選手の名前や自宅住所などが記されていた。勤務当時に撮影したとみられる。「いっぱいやりすぎて覚えていない」と供述している。5月に球団が警視庁に「選手に対する殺害予告がある」と相談していた。

◆広島・栗林良吏投手が28歳の誕生日を迎えた。報道陣から1年の抱負を問われると「自分のことより家族やファンの皆さんのために頑張りたい。そうすることで自分も達成感を得ることができる」とほほ笑んだ。家族愛、カープ愛あふれる守護神はここまで35試合に登板し、0勝3敗、8ホールド、22セーブ、防御率0・86とフル回転の活躍を続けている。ちなみに昨年の誕生日は「無事故無違反」を抱負に掲げ、「無事故無違反でゴールド免許です。今年も無事故無違反と健康を継続できればいい」と安全運転と健康の両立を誓った。

◆広島・九里亜蓮投手(32)が試合前練習に参加し、先発する10日の巨人戦に向け、キャッチボールなどで調整した。G打線に対しては今季3試合で1勝1敗、対戦防御率5・82の右腕は「長打の打てる打者が多い。しっかり勝負できるように投げたい」と意気込んだ。前回登板の3日の阪神戦(マツダ)は6回8安打2失点と粘ったが敗戦投手となった。ここまで13試合に先発し4勝5敗、防御率2・41と1つ黒星が先行しているが、2試合ぶりに白星をつかみ、勝敗を五分に戻す。

◆巨人・岡本和真内野手(28)が逆転15号3ランを放ち、リーグトップのヤクルト・村上に並んだ。0-1の四回1死一、三塁から広島・森下の浮いたフォークボールを捉え、右越え3ラン。逆方向への本塁打は今季初となった。

◆コースに逆らうことなく、フルスイングで捉えた。巨人・岡本和の打球が右翼席へ飛び込む。逆転の15号3ランにも、主砲は涼しい顔でダイヤモンドを一周した。「点を取られた後すぐに取り返せてよかった」短いコメントにも4番のプライドがにじむ。失策が絡んで先制を許した直後、0-1の四回1死一、三塁、広島・森下から放った一発で流れを変えた。試合前の時点で0勝4敗2分けと〝鬼門〟とするマツダスタジアムで、今季7試合目にしてチーム初の本塁打を、岡本和がマークした。打棒爆発の予感だ。右方向への一発は今季初めて。30本中8本が右方向だった2022年のように、かつては右方向への本塁打も珍しくなかったが、昨季は41本中3本のみ。今季もここまで14本は全て中堅から左方向に引っ張ったものだった。主砲は打球方向について「去年は強引ではなく、勝手に左方向に飛んでいる感じだった。反対方向に打てているときの良さもあるので、去年みたいにこっち(左方向)に打てるし、今までみたいに右(方向)にも本塁打が打てる。それが理想ですね」と説明する。右方向にも一発が出たのは「理想」の打撃に近づいてきている証しといえるかもしれない。15号3ランが出た時点でヤクルト・村上に並んで本塁打数リーグトップに立った。昨季3度目の本塁打王に輝いた男が、調子を上げてきた。

◆巨人・井上が10日の広島戦の先発に向けて体を動かした。前回3日の中日戦では地元の群馬・前橋で自己最長の8回無失点で3勝目を手にしただけに「今までよりは前向きな気持ちで、いい1週間を過ごせた」と充実の表情を浮かべた。救援登板も含め、今季5度目の対戦となる広島を「盗塁が多くて、機動力を使ってつなげて点を取るイメージ」と警戒した。

◆巨人は広島との首位攻防戦を制し5連勝。セ・リーグ40勝一番乗りで、6月6日以来の単独首位に返り咲いた。巨人は3-3で迎えた八回、1死二、三塁のチャンスで岡本和真内野手(28)の右犠飛で勝ち越しに成功。さらに2死三塁で門脇誠内野手(23)が右前適時打を放ち5-3とリードを広げた。四回にリーグトップタイの15号3ランと八回に勝ち越しの犠飛と4打点の活躍を見せた岡本和は「まだまだこれからなんで、明日も勝てるように頑張りたいなと思います。もっとここから状態をしっかり上げていって、チームが勝てるバッティングをしていきたい」と意気込んだ。またファンに向け「皆さんかなり暑いですが、水分補給をしっかりて応援よろしくお願いします」と呼びかけていた。

◆巨人は同点の八回に2点を勝ち越し、5連勝で広島に代わって6月6日以来33日ぶりの首位に浮上した。阿部慎之助監督(45)は「今日ミーティングでいったんだよ。記者に『鬼門だ』っていわれるからいい加減勝とうって」とジョークを交え、今季は0勝4敗2分けだったマツダスタジアムでの勝利に笑顔を見せた。先制を許したが、岡本和が0-1の四回に逆転の15号3ラン。3-3の八回にも勝ち越しの右犠飛を放ち4番の仕事を全うした。指揮官は「打席入ったときの集中力が今、素晴らしい。反対方向にああやってすっ飛んでいくんだから、それを思い出したかな。その後の四球もしっかり選べたのが、もっと大きかったかなと僕は見てました」と賛辞の言葉を並べた。

◆巨人・大勢が2点リードの九回を三者凡退で締め、1年目から3年連続の2桁となる10セーブ目を挙げた。右肩の違和感から復帰後は4試合連続無失点。輝きを取り戻した若き守護神は「絶対にきょうは投げるだろうなと感じていた。しっかり準備していたのがよかった」と胸を張った。

◆2年目の巨人・門脇が価値ある一打を放った。遊撃での先発の座は5試合連続でD4位・泉口(NTT西日本)に譲ったが、六回の守備から三塁で出場。1点を勝ち越した直後の八回2死三塁で「意地で打ちました」と右前適時打。レギュラー再奪取を目指して途中出場で安打を続けており、「限られた中で結果を残さないと試合に出られない。一球にかける気持ちでやっています」と覚悟をにじませた。

◆負の連鎖を断ち切ることができなかった。広島が4連敗で6月7日から守っていた首位から陥落。巨人戦自身8連勝を狙って先発した森下は7回6安打3失点と試合を作ったが、一球に泣いた。「ああいう場面での一発はもったいない」四回に岡本和に逆転3ランを許し、自身のマツダでの連続無失点が39回で止まった。六、七回に味方が1点ずつ奪い、自身に黒星はつかなかったが、3─3の八回に島内がつかまり、逆転負け。新井監督は「(首位陥落について)まったく気にしていません。そんなにトントンといくとは思っていない」と前を向いたが、首位から5位中日まで4・5ゲーム差の大混戦を演出している場合じゃない。シーズンはまだ半ば。ここで、止める。(柏村翔)

◆巨人は9日、広島13回戦(マツダ)に5-3で勝利し、今季2度目の5連勝。広島と入れ替わり、6月6日以来33日ぶりの首位に浮上した。岡本和真内野手(28)が四回にリーグトップに並ぶ15号3ラン、八回には勝ち越しの犠飛を放って4打点を挙げ、本塁打と打点でリーグ2冠とした。今季6戦勝ち無しで〝鬼門〟だった敵地で首位攻防戦の初戦に勝利。4位までが1ゲーム差にひしめく混セを勝ち抜く。首位攻防戦で鬼門を打破した。試合前時点で今季0勝4敗2分けと相性の悪いマツダスタジアムで、頼れる4番のバットが火を噴いた。岡本和が一時逆転の右越え3ランと決勝の右犠飛。本人も驚きの一撃で、勝利の立役者となった。「犠牲フライには十分かなと思った。走っていたら、あれ抜けるんちゃうと思って(スタンドに)入ってびっくりした」1点を先制された直後の四回1死一、三塁。森下の高めに浮いたフォークボールを右方向へ運んだ。同球場で36イニング無失点を継続し、巨人戦で2021年10月から7連勝中だった右腕から今季初の逆方向への一発。真っ赤に染まるスタンドに囲まれる中、暗雲を振り払った。追い付かれた直後の八回1死二、三塁では、島内から同じく右方向への犠飛で勝ち越し点をもたらした。

◆「首位攻防」というシチュエーションに加えて、ともに今季6勝、防御率1点台の巨人・山崎伊、広島・森下。エースクラス、一流どころの対決にふさわしく、緊張感のあるゲームだったね。2人とも実際のところ、投球のテンポが悪く、苦労していた。なにしろ広島地方特有、瀬戸内海からの風がピタリとやむ「なぎ」という気候で、蒸し暑いのなんの。どうにか少ない失点で乗り切ったあたり、さすがといえるよ。これだけ暑いと、ベンチも難しくなる。順番やタイミングなど、今の状態をみて、リリーフをやりくりしないといけない。どちらも、よかったのは最後に投げた大勢とハーンだけ。途中はもつれて、うっかりすると、勝敗が入れ替わってもおかしくなかった。エースクラスが先発したときは、それにふさわしい継投を願いたいね。まあ、巨人からすると、緊張感あるゲームのおかげで、バッターにも緊張感が生まれた。四回の岡本和の3ランは、フォークボールを右翼席へ運んだもの。完ぺきな打ち方だった。八回の右犠飛もあわせて、こういうゲームにふさわしい、主砲の存在感をみせつけた。今の広島には、そういうバッターがいない。その差も出たかな。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
40355 0.533
(↑0.006)
-
(-)
63238
(+5)
208
(+3)
45
(+1)
38
(-)
0.239
(-)
2.430
(-)
2
(1↓)
広島
38354 0.521
(↓0.007)
1
(↓1)
66220
(+3)
184
(+5)
31
(-)
44
(-)
0.230
(↓0.001)
2.110
(↓0.04)
3
(-)
阪神
39365 0.520
(↑0.006)
1
(-)
63226
(+2)
217
(+1)
32
(-)
26
(-)
0.224
(-)
2.210
(↑0.02)
4
(-)
DeNA
40371 0.519
(↑0.006)
1
(-)
65268
(+6)
265
(+5)
50
(+3)
42
(-)
0.251
(-)
2.960
(↓0.02)
5
(-)
中日
35396 0.473
(↓0.006)
4.5
(↓1)
63185
(+5)
248
(+6)
33
(+1)
25
(-)
0.235
(↑0.002)
2.670
(↓0.03)
6
(-)
ヤクルト
32434 0.427
(↓0.005)
8
(↓1)
64274
(+1)
283
(+2)
54
(-)
39
(+2)
0.236
(-)
3.370
(↑0.04)