阪神(☆2対1★)DeNA =リーグ戦12回戦(2024.07.06)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:伊藤 将司(4勝4敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝3敗12S))
敗戦投手:森 唯斗(1勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(9号・4回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点を追う5回裏、小幡の適時打で同点とする。続く6回には、2死一三塁から佐藤輝が適時打を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、先発・伊藤将が7回5安打1失点の力投で今季4勝目。敗れたDeNAは、最終回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆阪神岡田彰布監督(66)が厳しい断を下した。チームトップの30打点を挙げている森下翔太外野手(23)の出場選手登録抹消を決めた。甲子園で行われた試合前の練習には参加したが、試合メンバーには入らない。22年ドラフト1位で中大から入団。昨年途中から主軸に定着して日本一に大きく貢献。今年も開幕から勝負強い打撃を売りに3番など主軸を務めたが、5月に大きく成績を落とすなど、安定感を欠いていた。ここ3試合はスタメンを外れていた。岡田監督からは交流戦明けの練習で打撃フォームの抜本的修正を求められ、取り組んでいた。今季成績は打率2割3分2厘、6本塁打、30打

◆チームトップの30打点を挙げている阪神森下翔太外野手(23)が6日、出場選手登録を抹消された。この日の試合前練習に参加し、「チャンスがあれば結果を残せるように頑張ります」と力を込めた。森下は、今季73試合に出場し、打率2割3分2厘、6本塁打、30打点。5月に大きく調子を落とし、7月は無安打。6月19日には岡田彰布監督(66)から直接指導を受けた。直近3試合はスタメンを外れ、前日5日の広島戦(甲子園)では延長の守備から出場も、その裏の打席では空振り三振に倒れていた。また、島本浩也投手(31)も出場選手登録を抹消。代わって西純矢投手(22)と及川雅貴投手(23)が登録された。

◆阪神岡田彰布監督(66)が初回から不満顔を見せた。初回先頭の梶原昂希外野手(24)に中前打を許すと、伊藤将司投手(28)は次打者の初球にいきなりスタートを切られ、ゆうゆうと二盗を許した。けん制も全くしなかった。ベンチの指揮官は険しい顔でグラウンドを見つめた。4日の広島戦(マツダスタジアム)では足でかき回されて決勝点を奪われ、無警戒のバッテリーを岡田監督はとがめていた。ただ直後、伊藤将が二塁に鋭いけん制。判定はセーフだったが、岡田監督は笑顔でベンチをすぐに出てリクエストを要求。リプレー検証で判定がアウトに覆り、うれしそうに拍手した。

◆/華麗なピックオフ\伊藤将司の牽制が炸裂リプレイ検証の結果アウトに???プロ野球(2024/7/6)??阪神×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/heQjF4Ahv4

◆DeNAが、試合開始から連続ファインプレーで、先発の森唯斗投手(32)を救った。1回、先頭の阪神近本の右中間への飛球を中堅の梶原昂希外野手がスライディングキャッチ。次打者中野が放った一、二塁間のゴロは二塁手の牧秀悟内野手がダイビングキャッチした。3番前川は捕邪飛に抑え込み、初回を3者凡退に抑えた。森唯はベンチ前で牧、梶原とタッチし、感謝の思いを伝えた。

◆ドラゴンボール芸人が甲子園を盛り上げた。同作キャラクターなどのモノマネで知られる、お笑いコンビ「アイデンティティ」の田島直弥と見浦彰彦、「BANBANBAN」の山本正剛、R藤本が試合前から登場。それぞれが作中のキャラクターなどに変装し、おなじみの声マネでスタメン呼び込みなどを行った。ベジータに扮(ふん)したR藤本は甲子園初来場。「俺は初めて来たからな。天下一武道会より人多いな」と大観衆を振り返った。フリーザになりきる山本も「(観衆は)多いでしょうね。私の部下よりいましたね」と、ニヤリと笑った。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が「サトテルシフト」にしてやられた。1点を追う4回2死一塁で、変化球をうまく拾い、投手の頭上にライナーを飛ばした。完全なヒットコースと思われたが、引っ張り傾向の強い佐藤輝のために二塁ベースのすぐ後ろに守備位置を動かしていた遊撃手の森敬斗内野手(22)の正面をついた。甲子園のファンは「ええ~」と驚いたような声をあげた。

◆阪神伊藤将司投手(28)が4回1死、DeNAのオースティンに先制の9号ソロを浴びた。2ボール2ストライクからの7球目の変化球をバックスクリーンの右まで運ばれた。DeNA戦の登板は今季5試合目で、オースティンにはこれで3発目。前日5日には「佐野さんに結構、自分の中で打たれているので、そこがキーかな」と佐野への警戒感を明かしていたが、オースティンに痛恨の被弾となった。

◆阪神小幡竜平内野手(23)が自身最長の6試合連続安打を放った。1点を追う5回。先頭の島田海吏外野手(28)が投手のグラブを弾く内野安打で出塁し、続く坂本の3球目にスタートを切り、二盗に成功した。1死三塁でDeNA先発森唯斗投手(32)の2ボールからの3球目、143キロ内角低めの直球を振り抜き、痛烈な打球で一、二塁間を抜けた。右前適時打で試合を振り出しに戻し、ガッツポーズを決めた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が勝ち越し打を決めた。1-1の6回、2死一、三塁。甲子園の大声援の中、打席に入った。代わったDeNA2番手ディアスの初球、132キロ変化球を右前にはじき返した。一塁上で大きく手をたたき、右手を突き上げた。2回にも左前打を放ち、前日5日に続いて2日連続のマルチ安打となった。2試合連続マルチは6月7日の1軍昇格後初めて。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が珍しいイレギュラーバウンドに対応する好プレーを演じた。8回1死から森敬斗内野手(22)の打球は一、二塁間へ。二塁手の中野は快足を飛ばして打球のラインに入ったが、手前で大きく中堅方向にイレギュラー。中野は体の向きを変えて、通常ならあり得ない逆シングルでつかみ、転がるように一塁に送球した。微妙なタイミングになったがアウト。甲子園ではあまりないバウンドに、驚いたような表情で苦笑いした。DeNAはリクエストを求めたが覆らなかった。

◆元早大監督の石山建一氏(81)が、大学時代の教え子の岡田監督がマークした虎将単独最多の515勝を祝福した。勝利数を超えた藤本定義氏も早大OB。「藤本さんもすごく、投手のローテーションを大事にされていた方だと聞いたことがあります」。岡田監督もローテを大切にする戦い方とあって、継承されていた共通点に感慨深げだった。思い出に残るのは1球への執念だったと振り返る。三塁へのコンバートを見据え、1年秋から練習を開始したが、三塁線へのノックに飛び込んだ際に膝を打って負傷した。打撃に影響があっては困ると、石山氏は「三塁線へ飛び込むな!」と指令したが、岡田青年はうなずかなかった。「ケガをしないので飛び込ませてください。ダイビングキャッチを許してください」。野球ノートに力強く記し、提出してきたという。おとこ気に石山氏も応えた。キャンプでは1年時から「主将部屋」に入れて英才教育。「ちゃんとしたリーダーにしよう」と毎年主将部屋に入れた選手は、後にも先にも岡田監督1人だった。「親分肌です。上下関係や言葉遣い、先輩を立てることを後輩にもしっかり指導していました」。忘れられない言葉がある。毎年12月に早大同期と行う親睦ゴルフ。旧友に話す岡田監督の声が聞こえてきた。「俺は高校時代、大した選手じゃなかった。石山さんにイチから野球を教わった。足を向けて寝られない」。教えてきたことは間違いではなかった。称賛するのは「野球の偏差値」だ。「普通にやればいい、という普通のレベルが高いんです」。もっともっと勝ち続ける姿を、楽しみにしている。【磯綾乃】石山建一(いしやま・けんいち)1942年(昭17)9月6日、静岡県生まれ。静岡高では春夏連続で甲子園に出場。早大に進み、64年春に7季ぶり優勝に貢献。入社した日本石油では助監督も務め、73年に現役引退。74年から早大監督に就任してリーグ優勝、大学日本一に輝き、大学日本代表監督も務めた。79年からはプリンスホテルで助監督、監督を務め、95年には巨人編成本部長補佐兼2軍統括ディレクターに就任。現在は高校球児の指導などを行う。

◆阪神が逆転勝ちで連敗をストップした。この試合前まで先制された試合は14連敗中だったが、反発力を見せて不名誉な連敗を止めた。岡田彰布監督(66)はこれで球団指揮官単独最多となる515勝に到達した。前夜に続き、この日も先制はDeNAだった。4回1死で、阪神先発の伊藤将司投手(28)がDeNAオースティンに中堅スタンドに届く先制ソロを浴びた。これで伊藤将がオースティンに許した本塁打は今季3本目。高めに入ったカーブを見逃してくれなかった。阪神打線はDeNA先発森唯を前に4回まで、佐藤輝明内野手(25)の1安打のみで無得点。それでも5回、先頭の島田が投手強襲安打で出塁すると、二盗に成功。そして2死三塁から、小幡が一、二塁間を抜く右前適時打を放ち同点に追いついた。続く6回も1死から中野が左前打を放つと、2死から大山が左前打でつなぎ一、三塁。ここで代わったDeNAディアスから、佐藤輝が初球をはじき返し、勝ち越しの右前適時打を放った。伊藤将は6月7日西武戦(甲子園)以来、約1カ月ぶりの4勝目。岡田監督が球団の指揮官最多タイとなる514勝を決めた3日広島戦(マツダスタジアム)では、佐藤輝は2本塁打をマーク。この日も主砲が記念の白星へ導いた。

◆DeNAが、天敵の阪神伊藤将を攻略できず、連勝が2で止まった。4回1死から、オースティンが先制の9号ソロを放ったが、7回を散発の5安打1得点に抑えられた。6回は先頭の梶原が右前打で出塁したが、1死一塁でオースティンが併殺打に倒れ、6回は先頭の牧が左前打で出塁したが、宮崎が併殺打に終わった。投手陣は先発森唯が、6回途中2失点と粘投。リリーフ陣は無失点でリレーしたが、1点が重かった。今季2敗目を喫した森唯は「やりたいことはできましたが...。やはり6回を粘って投げ切ることができなかったことは悔しいです」と悔しさをにじませた。首位広島が中日に敗れ、勝てばゲーム差なしに迫るチャンスだったが、1ゲーム差は変わらず、阪神に1ゲーム差に迫られた。

◆阪神が逆転勝ちで連敗をストップした。この試合前まで先制された試合は14連敗中だったが、反発力を見せて白星をもぎとった。5回に小幡の右前適時打で同点に追いつき、迎えた6回2死一、三塁で、佐藤輝明内野手(25)が決勝の右前適時打。岡田彰布監督(66)はこれで球団指揮官単独最多となる515勝に到達した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-初回はいやな流れになりかけたところから始まったいやいや、それは大きかったですね。初回ね。最低1点はやっぱり覚悟しないといけない展開だったですけど。-バッテリーも走られた後、昨日の三盗も頭にあったいやいや、昨日じゃなしに、おとといからでしょ。よくアウトにしましたね。-同点は小幡のタイムリーもうね、なんとか坂本もサードに送ろうとする、そういうバッティングも光ったし、まあね、昨日もね、あそこで、同じ5回かな。あれもな。おーん。(走者を)かえせなかったので、早いイニングにかえせたのでね。後半勝負かなというような感じでいきましたね。-佐藤輝の勝ち越し打左(投手)来るね、左一枚だったんだけどね、多分左くるだろうな、と。5、6(番)のところでね。まあ、初球からミスショットしないでね。良かったと思いますよ。次も惜しかったですけどね。島田の当たりもね。-佐藤の最近の打撃結果も出てるしね。ホームランじゃなしにね、軽打というかヒットの積み重ねが最終的にホームランになるんじゃないですか。-先制されて逆転は久々先制言うてもね、1点がほんとの先制かなと思うけど。まあ、反発力というかね、そういうゲームが少ないんでそういう展開になるんだけど。いつもこういう展開で勝つか負けるか、そんなんばっかりですけど。-伊藤将が1カ月ぶり勝利いやいや、初回乗り切って、2回以降は低めに集まったし。まあ、オースティンには失投と思うけど。球数も少なかったんだけど、チャンスも来たしあそこまで投げればね。きょうは2人(ゲラ、岩崎)で済んだんで。何とか明日はね、2人休ますようにしたいですけどね。-得点した後の守り。先頭を出しながらも併殺が2つあったそうですね、また初球ね、いきなりヒット打たれたけど、まあ、しのいでしのいでじゃないですか、それはね。-阪神の監督として歴代最多の通算515勝まあね、数字が出るとね、毎日がすごく長く感じるんでね、あんまり気にしないようにしてたんですけど。今日はボールもらいましたね、みんな覚えてて。-どの選手からもらったいや、坂本でしょ、最後。坂本やったと思いますけどね。-監督の中でもこのボールは特別なものになるかいやいや、当然家に持って帰りますけどね、それはね。-明日に向けていやいや、いつも5割なって、本当苦しいね、そういう勝ち方っていうか、そこでまた今回も食い止めたんで、もうちょっとゆっくりね、明日は野球したいと思いますね。それだけですね。

◆阪神は逆転勝ちで、岡田彰布監督(66)の球団指揮官単独最多となる515勝を飾った。1点を追う5回2死三塁から、8番小幡竜平内野手(23)が一、二塁間を抜く右前適時打で試合を振り出しに戻した。さらに1-1の6回には佐藤輝明内野手(25)が勝ち越しの右前適時打。先発の伊藤将司投手(28)も7回5安打1失点と力投し、6月7日西武戦(甲子園)以来、約1カ月ぶりの4勝目を挙げた。ヒーローインタビューの一問一答は以下の通り伊藤将-強力打線、登板前はどんな意識低めに丁寧に投げようと思ってました。-勝利を手にし、振り返って良かったところ変化球もストレートもコースに投げられたのでそこがよかったかなと思います。-一番大きなポイントは本塁打を打たれた後に2点目をあげなかったことだと思います-6月7日以来の勝利、重みほっとしてます。-監督に515勝目プレゼント、ウイニングボールは監督が持ってます。-良いプレゼントそうですね(笑い)。よかったです-明日は七夕、願い事は「ファンの皆さんが野球を楽しんでくれますように」とファンの方も楽しんでもらって、子どもたちももっと野球を深く知ってほしいなと思って書きました。-次戦に向けて次の登板も勝てるように頑張ります。小幡-同点打、1死三塁で打席に入る思いは先輩がチャンスをつくってくれたので、早く点取りたいなと思って入りました。-前の坂本は粘って走者進めた。ネクストで見てその前もファウルで粘ったりとか進めようという打撃をしてくれていて、つないでくれたというのは思い切っていけました。-ボール2球、狙いは打てる球を積極的にいった結果、良かったと思います。-6試合連続安打、状態は全打席ヒットを打てるように頑張ります-14試合連続スタメン、大切にしていること相手の先発投手など準備を怠らないようにすることが大切だと思っているので、準備をしっかりしています。-明日以降またチーム一丸で勝てるようにひとつひとつ丁寧にやっていくので、応援よろしくお願いします。佐藤輝-勝ち越し適時打。チャンスで打席に向かう思いはしっかり決めてやるという気持ちでいきました-相手投手は初対決、練習は見てた初対戦で見ていてもしょうがないと思って、積極的に行こうと思って、結果初球を打てたので良かったです。-情報も整理してスコアラーさんと話しながら、整理しながら打席に向かいました-初球からいこうと決めていた積極的にいこうと思ってました。-打球抜けた瞬間めちゃめちゃうれしかったです-ガッツポーズも無意識うれしかったので出ました。-交流戦明け打率3割9分、状態はすごい良い状態だと思います-打席での心がけしっかり積極的に振ることを意識してます。-明日は七夕個人的にはサヨナラ本塁打と書いたので、そういう場面で回ってきたら決められるように頑張ります。-最後に一言今日はミズノデーだったので、ミズノのバットがパワーをくれたと思います。今日の接戦をものにできたので、明日以降も勝っていけるように頑張りますので、声援よろしくお願いします。

◆阪神が逆転勝ちで連敗をストップした。この試合前まで先制された試合は14連敗中だったが、反発力を見せて白星をもぎとった。5回に小幡の右前適時打で同点に追いつき、迎えた6回2死一、三塁で、佐藤輝明内野手(25)が決勝の右前適時打。岡田彰布監督(66)はこれで球団指揮官単独最多となる515勝に到達した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-佐藤輝は初対戦の投手だったがいやいや、来た球というか、ストレート狙ってて、あれもな変化球高めにぽっと来たら、そんなのホームランとか狙わずにね、普通にバットが出ればいいんよ。-初球をミスせずに仕留めてくれたいや、それはだから、いつもいつも甘い球来るわけじゃないからな、でもそれは打席の中での集中力やろ。甘いボールがね、バットを振りに行くというかね、反応よ、やっぱりな。-いい状態はずっと続いていると見ているかまあ、いい状態というか、これからずーっとやでそれは、ずーっとやらなあかんことやで、積み重ねやからな、おーん。ほんとにいい状態やったらもっとホームランボンボン出とるやろ。そんなのは、本人の中では、今までは悪すぎたから、おーん、そういう感じで打ってやけど、まだまだこれからやんか。やっとこうヒットがな、出だしてな、そこにホームランがついてくるとかな。-初回はベンチから見ててもアウトだといや、アウトだと思った、おーん。-伊藤将も低めにいくと併殺がとれるそうよ、それが持ち味のピッチャーやからな、結局は、高めに行く時は、ちょっとそって投げるもんな、うーん。前回の初回もそうよ。今日も言うたけどな、投げ終わってからな。やっぱ、そってる時が高めいってるからな。-攻撃は次の塁を狙う姿勢が出ていた坂本のとこもなあ、そらなあ、何としてもサードに送るという、そういうバッティングやろ、やっぱり。空振りとかすると何も起きんからな。-貯金維持は大きいかいや、分からん。(いい形で)シーズン終わったら大きかったなって言えるやろ。いまは分からん、今はまた減らさんように増やすことしか考えてないから。-これまで球団指揮官の最多勝記録だった藤本定義さんは幼少期に見ていた監督おお。そんなあんな小さい時に監督なんか見てるかいな(笑い)。見るわけない、監督目当てに来てるんちゃうんやから。-そんな方を超えたいやいや、それは、そんなあんまり気にせんな、おーん。-2軍落ちの森下には教えたことをやって欲しいちゃんとやればな。それだけよ。

◆阪神岡田彰布監督(66)が試合後、2軍降格を命じた森下翔太外野手(23)について言及した。交流戦明けの練習では打撃フォームの抜本的修正を求め、直接指導も敢行。「ちゃんとやればな。それだけよ」と語った。昨年途中から主軸に定着し、日本一に大きく貢献した大卒2年目外野手。今年も開幕から勝負強い打撃を売りに3番など主軸を務めたが、5月に大きく成績を落とすなど安定感を欠いていた。今季成績は打率2割3分2厘、6本塁打、30打点だった。

◆阪神岡田彰布監督(66)は、坂本から手渡されたウイニングボールをしげしげと見つめた。「数字が出ると、毎日がすごく長く感じるんでね、あんまり気にしないようにしてたんですけど。今日はボールもらいましたね、みんな覚えてて」。虎の指揮官として藤本定義監督を抜いて、単独トップの515勝をマーク。記念の白球は、すっとお尻のポケットにしまった。15年ぶりにタテジマを着た昨季は、リーグ優勝、日本一へと一気に駆け上がった。だが今季は、順風満帆とはいかない。制球の乱れが続く開幕投手の青柳には3度の2軍調整を命じた。守備にほころびを見せた佐藤輝も、5月中旬に2軍に落とした。4番大山ですら不振が続いた6月上旬、連続試合出場を227で止めて2軍での出直しを命じた。日本一を成し遂げた主力を尊重しながら、シビアな目で見続ける。懸命なやりくりで5割ラインをキープしている背景に、聖域なき決断力がある。この日は不振が続く森下に2軍行きを命じた。出場73試合で打率2割3分2厘、6本塁打。30打点はチーム最多だが、6月以降は不振で7月は無安打だった。交流戦明けの練習では、自ら約1時間の打撃指導を行い、フォームの修正を求めてきたが、苦悩が続いていた。「ちゃんとやればな。それだけよ」。長いシーズンを戦う上で、必ず戦力として必要な存在。短い言葉に伝えたい意図を込めた。藤本監督が率いていたタテジマを、岡田少年も甲子園のスタンドから見つめていた。「そんなあんな小さい時に監督なんか見てるかいな(笑い)」。幼い記憶をそう振り返ったが、猛虎の魂は受け継がれている。借金生活危機で迎えた試合は5連勝中。しぶとさを発揮し、4位ながら首位広島に2ゲーム差で踏みとどまっている。「シーズン終わったら大きかったなって言えるやろ。いまは分からん、今はまた(貯金を)減らさんように増やすことしか考えてないから」。見つめるのはただ目の前の1試合だけ。「いつも5割なって、本当苦しい、そういう勝ち方というか、そこでまた今回も食い止めたんで。もうちょっとゆっくりね、明日は野球したいと思います」。少し本音をもらしつつ、まずは516勝目をつかみにいく。【磯綾乃】<今季2軍落ちした主な昨年の日本一戦士>大山 打率1割9分9厘と不振を極め、6月5日出場選手登録を抹消。不振による2軍落ちは、18年6月以来。岡田監督は「キレを戻さんと」と注文を付けた。21日に再昇格を果たし、12試合で打率2割9分8厘、3本塁打と復調気配。佐藤輝 2割台前半の低打率に加えて守備も安定感を欠き、5月15日に降格した。岡田監督は「ファームの選手や。ヒットの数だけエラーしてるやん」と突き放した。6月7日に1軍復帰。7月3日広島戦で今季初の2本塁打を放つなど上昇カーブを描いている。青柳 制球の乱れが続き、5月18日に2度目の2軍落ち。同31日に昇格したがロッテ戦で4回KOされて2軍へ逆戻り。試合もサヨナラ負けで岡田監督は「もうええわ」と会見を拒否した。2軍では7月3日中日戦で6回無失点に抑えるなど猛アピールしている。伊藤将 5月11日DeNA戦で4回2/3を7失点の大乱調。岡田監督は「ボール高いって、初回から言うてんのに」と怒り、12日に再調整を命じた。再昇格後は6月7日西武戦で7回1失点で3勝目を挙げ、ローテに復帰。6日、岡田監督に阪神指揮官として単独最多の515勝を贈った。ノイジー 5月27日に降格。6月14日に1軍昇格した後も15打数2安打と苦しみ、同28日に今季2度目の再調整を命じた。その後ウエスタン3試合で9打数3安打、うち二塁打2本と上昇の兆しを見せている。阪神島田(5回に内野安打後二盗を決め、小幡の適時打で同点の生還)「自分が出て、盗塁しても点が入らなければ意味がない。点につながったことが、うれしかった」阪神ゲラ(8回2死二塁のピンチで梶原を空振り三振に斬り16ホールド)「投手陣もそうだけど、野手のみんなも守ってくれた。本当にみんなで勝ち取ったいいゲームだったと思います」

◆また輝だ! 阪神佐藤輝明内野手(25)が、岡田彰布監督(66)に歴代虎将単独1位の通算515勝を届けた。1-1の6回2死一、三塁で右前に勝ち越し打を放って渾身(こんしん)のガッツポーズ。3日の広島戦で2発を放ち、藤本定義監督に並ぶ514勝を運んだ男が、新記録も決勝打で運んだ。負ければ4月17日以来80日ぶりの借金生活だったが5度目も回避。4位ながら首位広島に2ゲーム差に再接近し、背番号8が再奪首を導く勢いだ。心は熱く、頭は冷静に。同点の6回2死一、三塁。佐藤輝は初対戦の左腕ディアスのスライダーをバットの先で引っかけるように右前に運んだ。「めちゃくちゃうれしかった」。これまでにないほど、強くこぶしを握った。「(伊藤)将司さんも頑張っていた。自分もつなぐつもりだった。初対戦なので、積極的にいこうと思っていた。結果、初球を打てたのでよかったです」直球待ちで、変化球をさばいた。そのスタイルを推奨してきた岡田監督も及第点だ。「直球を狙っていて、変化球が高めにぽっと来たら、そんなのホームランとか狙わずにね。普通にバットが出ればいいんよ」。その指揮官に、藤本定義監督を超え、阪神歴代監督で単独1位に立つ515勝目をプレゼントした。岡田監督との出会いは7年前。近大に入学間もない頃だった。早大が関西に遠征し、野球評論家だった監督は母校と近大との練習試合を観戦。フリー打撃で背番号67をつけてアーチを描く新入生に目を奪われた。当時の近大監督、田中秀昌さんに「あの67番は使い続けた方がいいですよ」と伝えた。「そうですよね」と応じた田中さんも分かっていた。「絶対にプロに行くと。こんな選手を育成できるなんて指導者冥利(みょうり)」と大事に育て上げた。本人も努力を重ねて岡田監督の見立て通りのドラフト1位、しかも縁あって阪神に入団。3年目の昨季に"再会"して指導を受け、一緒に日本一を味わった。プロ生活は順風満帆ではなく、今季も壁にぶち当たった。打撃の波が大きく、守備でも怒られた。5月には突き放されるような2軍行き。だが、荒療治に結果で応え、1軍復帰後は打率を3分以上も上げている。3日の広島戦では今季初の2発で藤本監督に並ぶ514勝目を届け、この日の新記録もバットで届けた。導かれたような2戦連続のメモリアルV打に「結果は出ているので、いいんじゃないですか」とほほ笑んだ。土俵際のチームを救った。負ければ4月17日以来、80日ぶりの借金生活だったが、5度目の危機もしのいで貯金1。先制されれば14連敗のジンクスにも終止符を打った。「いい波に乗れているので、頑張っていきたいですね」。4位ながら首位広島と2ゲーム差。再奪首は、この男の活躍なしであり得ない。【柏原誠】

◆DeNAは、阪神に1点差で惜敗した中、再三の好守が光った。1回は、先頭の近本の右中間への飛球を中堅の梶原がスライディングキャッチ。次打者中野が放った一、二塁間のゴロは、二塁手の牧がダイビングキャッチした。6回には1点を勝ち越された後、なおも2死一、三塁から島田の三塁線へのライナーを宮崎がダイビングキャッチし、追加点を阻止した。データを駆使するDeNAらしく、「シフト」でも安打を阻止する場面がみられた。4回は三遊間寄りに守った宮崎が前川のゴロを処理。佐藤輝が二塁ベース付近に放ったライナーは遊撃の森敬が捕球した。三浦大輔監督(50)は敗戦に悔しさをにじませながらも、好守を連発した守備については「みんなが1球の重みを感じながら、接戦の中、連日よく戦ってくれています」と評価した。

◆阪神岡田彰布監督(66)が厳しい断を下した。チームトップの30打点を挙げている森下翔太外野手(23)の出場選手登録抹消を決めた。<今季2軍落ちした主な昨年の日本一戦士>大山 打率1割9分9厘と不振を極め、6月5日出場選手登録を抹消。不振による2軍落ちは、18年6月以来。岡田監督は「キレを戻さんと」と注文を付けた。21日に再昇格を果たし、12試合で打率2割9分8厘、3本塁打と復調気配。佐藤輝 2割台前半の低打率に加えて守備も安定感を欠き、5月15日に降格した。岡田監督は「ファームの選手や。ヒットの数だけエラーしてるやん」と突き放した。6月7日に1軍復帰。7月3日広島戦で今季初の2本塁打を放つなど上昇カーブを描いている。青柳 制球の乱れが続き、5月18日に2度目の2軍落ち。同31日に昇格したがロッテ戦で4回KOされて2軍へ逆戻り。試合もサヨナラ負けで岡田監督は「もうええわ」と会見を拒否した。2軍では7月3日中日戦で6回無失点に抑えるなど猛アピールしている。伊藤将 5月11日DeNA戦で4回2/3を7失点の大乱調。岡田監督は「ボール高いって、初回から言うてんのに」と怒り、12日に再調整を命じた。再昇格後は6月7日西武戦で7回1失点で3勝目を挙げ、ローテに復帰。6日、岡田監督に阪神指揮官として単独最多の515勝を贈った。ノイジー 5月27日に降格。6月14日に1軍昇格した後も15打数2安打と苦しみ、同28日に今季2度目の再調整を命じた。その後ウエスタン3試合で9打数3安打、うち二塁打2本と上昇の兆しを見せている。

◆DeNAは天敵の阪神伊藤将を攻略できず、連勝が2で止まった。4回にオースティンが先制の9号ソロを放ったが、7回まで投げられ散発の5安打1得点。6、7回は無死から安打で出塁したが、2イニング連続の併殺打で無得点に終わった。先発森唯が6回途中2失点と粘りながら、1点が重く、三浦監督は「変化球も両コーナーに丁寧に投げられて、うまく攻められた」と悔しさをにじませた。初回のけん制死で攻撃の流れが止まった。1回、先頭の梶原が中前打を放ち、度会の初球に二盗を成功。無死二塁の好機だったが、直後にけん制で刺された。三浦監督は「一気に流れがパタっと止まってしまった。しっかりしないといけないですし、隙を見せないようにしないと」と苦言。首位広島が敗れ、勝てばゲーム差なしに迫るチャンスだった。1ゲーム差は変わらず、3位に後退した。DeNA森唯(6回途中2失点の粘投も、今季2敗目)「(2軍で)やってきたことはできましたけど、負けたので反省しないといけないですし、6回を投げきることができなかったことは悔しいです」

◆阪神岩崎が2試合ぶりの12セーブを挙げた。1点リードの9回に3番手で登板。オースティンと宮崎に四球を与え、2死一、二塁のピンチを招いたが動じず、最後は佐野を一塁ゴロに料理。通算登板は478試合を数え、中西清起を抜いて球団単独9位となった。厳しい場面の登板が続くが「仕事なので」と言い切った。

◆阪神中野が11試合連続安打で勝ち越しに貢献した。同点の6回1死からDeNA先発森唯に2球で追い込まれたが、外角低めの変化球を左前へ。「追い込まれて、逆方向に強い打球を打てたのはよかった」。その後、佐藤輝の適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。守っては8回にイレギュラーした一、二塁間の打球を逆シングルでつかみ、転がるように一塁に送球。「守り勝つ試合がすごく大事だと思う」と攻守で貢献した。

◆阪神4番大山が岡田監督のメモリアル勝利を演出した。1-1の6回2死一塁。DeNA先発森唯の1ボールからの2球目、内角高めの143キロ変化球を左前に運んだ。バットを折りながらも、技ありの一打。一塁走者の中野は一気に三塁まで進み、5番佐藤輝のV打を呼び込んだ。これで3試合連続安打。主砲も状態を上げている。

◆阪神小幡が自己最長を更新する6試合連続安打を同点打で飾った。1点を追う5回、先頭島田が内野安打で出塁し二盗に成功。続く坂本の三ゴロで1死三塁となった。DeNA先発森唯の2ボールからの3球目、143キロ内角低めの直球を振り抜き、一、二塁間を破る適時打とすると、ガッツポーズだ。「小さくならずに、どんどん思い切ってやることが一番今はいいかな」と話した。

◆阪神伊藤将司投手(28)が粘りの投球で4試合ぶりの4勝目を手にした。3者凡退は1度だけ。6回、7回は先頭打者に安打を浴びたが、ともに併殺でピンチを脱した。再三走者を背負ったが要所でギアをアップ。「ランナーを背負ってもゲッツーとかで抑えられた。よかったと思います」と胸を張った。4回は3番オースティンに先制ソロを浴びたが、失点はこの1点のみ。7回5安打1失点。6月7日西武戦以来、約1カ月ぶりの白星には「ホッとしています」と笑みがこぼれた。初回から冷静だった。先頭梶原に中前打を許し、初球から二盗を決められて無死二塁。いきなり先制のピンチとなった直後だった。セットポジションからクルリと体を180度反転させ、二塁へけん制。際どい判定はリプレー検証で覆り、アウトに仕留めた。「あそこでアウトを取れたのは非常に自分の中でも大きかった」。自らピンチをしのぎ、流れに乗った。直近2戦連続で4点以上を献上していたがしっかり修正。岡田監督も「初回乗り切って、2回以降は低めに集まった」と尻上がりの内容を評価した。久々の白星で弾みをつけ、次戦で連勝を目指す。【波部俊之介】

◆阪神の西純矢投手(22)、及川雅貴投手(23)が6日、甲子園での試合前練習に合流した。西純は今季1軍では3試合に登板して0勝1敗、防御率1・93。6月26日に抹消されていたが、午後4時の公示で登録されれば最短での昇格となる。及川は今季1軍では2試合に登板して0勝1敗、防御率1・42だった。5月24日の巨人戦(甲子園)で先発した際に左指のマメを潰して抹消。今月3日のウエスタン・リーグ、中日戦(鳴尾浜)で実戦復帰し、1回1失点だった。阪神は2戦連続で延長戦を落としており、リリーフ強化のための合流とみられる。

◆阪神は伊藤将司投手(28)が先発する。前回DeNAと対戦した6月22日には6回4失点(自責1)で負け投手。ここまで3勝4敗、防御率3・76の左腕は自身3連敗中だが、リベンジの勝利で連敗をストップさせる。野手は捕手を除いて3日連続で同じスタメンとなったが、森下翔太外野手(23)を抹消し、野手1減で臨む。貯金0の阪神がこの試合に敗戦すれば4月17日以来となる負け越しとなる。借金生活突入を阻止できるか。

◆開始直後からめまぐるしくゲームが動いた。一回、阪神先発の伊藤将が先頭の梶原にヒットを許す。続く度会の初球で梶原が二盗に成功。無死二塁といきなり先制のピンチを招いた。それでも、2球目を投じる前に伊藤将が二塁へけん制。セーフの判定も遊撃手・小幡のアピールもあって岡田監督はリプレー検証を要求した。長い審議を経て、帰ってきた審判団。判定は覆ってアウト。5日の同戦で三盗を決められている梶原に、2度目は許さないとバッテリーがみせた。度会を二ゴロに仕留めた伊藤将は、続くオースティンを三振で無失点で切り抜けた。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(28)が先制点を献上した。四回1死、カウント2-2からオースティンに投じた7球目だった。高めに浮いた113キロカーブを痛打されると、打球はバックスクリーン右へ。伊藤将は6月22日のDeNA戦(甲子園)でもオースティンに逆転3ランを浴びており、またも助っ人にやられた。

◆夏のこどもまつりとして行われる阪神―DeNAの2日目に、ドラゴンボール芸人が甲子園に登場。野沢雅子、人造人間(アイデンティティ)、ベジータ(R藤本)、フリーザ(BANBANBAN山本)がかけつけ、阪神の選手が一回の守備に就く際に名前を呼びあげて、球場を沸かせた。超満員の虎党を前にベジータは「俺は初めて来たからな。天下一武闘会より人多いな」と漏らし、フリーザも「多いでしょうね。私の部下よりいましたね」と熱狂的なファンの多さに驚いていた。フリーザ以外の3人が関東圏の豪雨の影響で来阪が遅れたこともあり、試合前には外周ステージでフリーザが一人で30分間ネタを披露。阪神ファンからは「頑張れー!」とフリーザ様の背中を押す声が飛んでいた。試合中のイベントにも登場し、夏のこどもまつりを盛り上げる。

◆阪神が小幡竜平内野手(23)の適時打で同点に追いついた。0-1と1点を追う五回。先頭の島田が投手のグラブをはじく内野安打で出塁すると、坂本への4球目に二盗を決める。さらに坂本の三ゴロでも素早くスタートを切って三塁を陥れ、1死三塁と絶好のチャンスに打席には小幡。2ボールから森唯の3球目を振りぬき、鋭い打球で前進守備の一、二塁間を抜いた。小幡は大きくガッツポーズをしながら一塁へ。3連敗を避けるべく、若虎のバットで試合を振り出しに戻した。

◆阪神が佐藤輝明内野手(25)の適時打で勝ち越しに成功した。1―1と同点の六回。1死から中野が左前打で出塁すると、2死となって大山も左前打。この間に中野は一気に三塁に進み、2死一、三塁と好機を広げた。佐藤輝が打席に入るところでDeNAはここで助っ人左腕・ディアスにスイッチ。しかし佐藤輝は初球をひと振りで仕留め、白球は右翼の芝生に弾んだ。頼れる背番号8の一打で中野が生還して2-1となり、1点リードを奪った。

◆阪神・伊藤将司投手(28)は7回1失点で4勝目の権利を持って降板した。一回にはいきなりヒットと盗塁で無死二塁のピンチを背負うも、巧みな牽制でピンチの芽を摘んで走り出す。四回にオースティンに一発を浴びたものの失点はこの1点のみ。六回、七回は狙って併殺を奪い、流れを引き寄せる投球で逆転を呼び込んだ。7回を投げて83球、5安打3奪三振。七回の打席で代打が送られて交代となった。登板後は「1発は打たれてしまいましたが、低めを丁寧に意識することでゴロを打たせて7回を投げていくことができました」とコメントした。

◆失投を逃さなかった。DeNA・オースティンが伊藤将の浮いたカーブを仕留め、バックスクリーン右へ先制の9号ソロを運んだ。一塁ベースを回ったところで力強く拳を握り「打った感覚はよかったが、スタンドまで届くか分からなかった。先にスコアボードに1点を刻めてよかった」と安堵(あんど)した。変化球にタイミングが合わず、三球三振に倒れた一回の第1打席から仕切り直し、四回1死で迎えた第2打席で鮮やかな一発。2-1で阪神に競り勝った前夜は延長十回に勝ち越し点を演出する左前打を放っており、この日で22試合連続安打と好調を維持する。6月は出場20試合で打率・346、5本塁打、17打点。「ラッキーが続いている」と謙遜していたが、オースティンの奮闘なくして、13勝8敗と大きく勝ち越したチームの躍進はなかった。近年は度重なる故障に泣き、昨季は22試合の出場にとどまった。「過去2年間でブランクが結構あった。なるべく生きた球を見たい」との狙いから、今季は好球必打を徹底。「いい球が来たら振るイメージ」で快音を響かせている。来日1年目の2020年から2年連続で20本塁打以上を放った助っ人。その地力を夏場にも発揮する。

◆DeNA・ケイが自身4連勝を目指し、7日の阪神戦に先発する。阪神と初対決に臨む来日1年目の左腕はキャッチボールを行うなどして調整し「相手がどこであろうと、まずゾーンで勝負する」と表情を引き締めた。米大リーグのブルージェイズでチームメートだった来日2年目の阪神・ビーズリーから日本野球に適応するための助言をもらっているといい「アメリカの当たり前を持ってきすぎないように」などと伝えられたことを明かした。

◆甲子園がため息に包まれた。0-0の四回1死。伊藤将が投じたカーブが高めに浮いた。オースティンは見逃さなかった。打球がバックスクリーン右の観客席へ。マウンド上で左腕は悔しさをにじませ、岡田監督もベンチで苦虫をかみつぶす。「前回(対戦)はいいところで打たれていたんで。低めに丁寧に投げたい」伊藤将は登板前に熱く語っていた。忘れもしない6月22日。舞台は同じ甲子園だった。1-0で迎えた三回にオースティンに逆転3ランを被弾し、チームの連敗を3で止めた。またしても同じ過ちを繰り返したのだ。不吉なデータが頭をよぎる。先制点を許した試合は14連敗中。前日5日は先制されて七回、近本の犠飛で追いついたが、延長十回に石井が佐野に決勝打を浴びて敗れた。試合後、岡田監督は怒りを取り越してあきれるしかなかった。「(先制点が)重いっていうか、1点は普通はそんな重ないんやで、そんな先制点いうても。結果的に1点が重なってしまうんやからなあ」ボヤキながら「それはずーっとやんか。同じことばっかり言ってるな」と吐き捨てていた。この日負ければ、4月17日以来の借金生活。5月以降は勝率5割で3度踏みとどまっている。先制点は献上したが、絶対にひっくり返さなくてはならない一戦だった。不振の森下が今季初めて2軍降格となり、チーム内のムードはまたグッと引き締まった。この日の相手先発は森唯。ここまで7試合に登板して1勝1敗、防御率10・03。ここまでの数字だけをみれば、貧打の阪神打線といえども決して打ち崩せない投手ではなかったはずだった。四回までは低調な打撃が続いたが、0-1の五回1死三塁で小幡が右前同点打。やっとの思いで追いつくと、1-1の六回には佐藤輝が右前へ勝ち越し打を放ち、逆転に成功した。八回ゲラ、九回岩崎のリレーで逃げ切った。貯金を1とし、岡田監督は阪神の監督で歴代単独1位の515勝目を手にした。藤本定義監督を超え、名実ともに阪神NO・1指揮官となった。(三木建次)

◆阪神が5月19日以来となる逆転勝利を収め、先制された試合の連敗を14で止めた。先発の伊藤将司投手(28)は四回にオースティンのソロ本塁打で失点したが、以降は低めにボールを集めて7回1失点で今季4勝目を挙げた。打線は1点を追う五回、先頭の島田海吏外野手(28)が内野安打で出塁し、盗塁も決めてチャンスを作ると、小幡竜平内野手(23)の右前適時打で同点。続く六回には2死一、三塁から佐藤輝明内野手(25)が適時打を放ち、勝ち越しに成功した。この1点を八回はハビー・ゲラ投手(28)、九回は岩崎優投手(33)の無失点継投で守り切った。貯金が0の崖っぷちとなって迎えた試合はこれで4連勝。岡田彰布監督(66)はこれで阪神の監督通算勝利数が515勝となり、並んでいた藤本定義を超えて単独トップとなった。

◆DeNA・梶原昂希への牽制でリクエストする阪神・岡田彰布監督(撮影・安部光翁)

◆阪神・岡田彰布監督(66)が球団最多の515勝(396敗28分)を挙げた。1点を追う五回1死三塁、小幡竜平内野手(23)の右前打で同点。六回2死一、三塁で佐藤輝明内野手(25)が右前に勝ち越し打を運んだ。7回1失点の伊藤将司投手(28)は6月7日西武戦(甲子園)以来の白星で、自身の連敗を「3」で止め、4勝目(4敗)を挙げた。チームは5月19日ヤクルト戦(甲子園)以来の逆転勝利で、〝被先制試合〟の連敗は「14」でストップ。不振の森下翔太外野手(23)は昨年6月以来の2軍降格。勝率5割で迎えた試合で4連勝を飾った岡田監督の主な一問一答は以下の通り(成績=37勝36敗5分、観衆=4万2609人)。★テレビインタビュー編(抜粋)ーー佐藤輝の勝ち越し打「左1枚だったんだけどね、多分左来るだろうな、と。初球からミスショットしないで、良かったと思いますよ」ーー佐藤の最近の打撃「結果も出てるしね。ホームランじゃなしにね、軽打というかヒットの積み重ねが、最終的にホームランになるんじゃないですか」ーー球団最多の監督515勝「数字が出ると毎日がすごく長く感じるんで、あんまり気にしないようにしてたんですけど。今日はボールもらいましたね、みんな覚えてて」ーーどの選手からもらった「坂本でしょ、最後。坂本やったと思いますけどね」ーーこのボールは特別なものになるか「当然家に持って帰りますけどね、それはね」★ペン囲み編ーー佐藤輝は初対戦の投手だったが「来た球というか、ストレート狙ってて、アレも変化球高めにぽっと来たら、そんなのホームランとか狙わずに、普通にバットが出ればいいんよ」ーー初球をミスせずに仕留めてくれた「それはだから、いつもいつも甘い球来るわけじゃないからな。打席の中での集中力やろ。甘いボールがね、バットを振りに行くというかね、反応よ、やっぱりな」ーーいい状態が続いていると見ているか「いい状態というか、これからずっとやで、それは。ずっとやらなアカンことやで、積み重ねやからな。ホントにいい状態やったら、もっとホームランボンボン出とるやろ。本人の中では、今までは悪過ぎたから。そういう感じで打ってやけど、まだまだこれからやんか。やっとヒットが出だして、そこにホームランがついてくるとかな」ーー一回はベンチから見ててもアウトだと(一回無死二塁で伊藤将が二盗をけん制で刺す)「アウトだと思った、おーん」ーー伊藤将も低めに行くと併殺が取れる「そうよ、それが持ち味のピッチャーやからな。高めに行く時は反って投げるもんな。前回(一回に3失点の6月29日のヤクルト戦)の初回もそうよ。今日も言うたけどな、投げ終わってからな。やっぱ反ってる時が高め行ってるからな」ーー攻撃は次の塁を狙う姿勢が出ていた「坂本のとこ(五回無死二塁での三ゴロが進塁打)もな、何としてもサードに送るバッティングやろ、空振りとかすると何も起きんからな」ーー貯金維持は大きいか「いや、分からん。(いい形で)シーズン終わったら、大きかったなって言えるやろ。今は分からん、今はまた減らさんように、増やすことしか考えてないから」ーー藤本定義さんは幼少期に見ていた監督「おお。そんなあんな小さい時に監督なんか見てるかいな(笑)。見るわけない、監督目当てに来てるんちゃうんやから」ーーそんな方を超えた「いやいや、それは、そんなあんまり気にせんな、おーん」ーー2軍落ちの森下には教えたことをやって欲しい「ちゃんとやればな。それだけよ」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)が球団最多の515勝に到達した阪神・岡田彰布監督(66)に言及した。岡田監督が球団最多の515勝。前回政権で5年。今回が2年目の途中。ペース的にすごい数字だ。独特の野球観を武器に、常に優勝争いをしてきたからこその偉業だろう。私が選手として阪神に在籍した最終年(2004年)が岡田監督だった。メジャー挑戦を決意し、「FA宣言します」と電話で伝えたら、「おう、ええよ」とあっさり快諾してくれた。予想した返事とは違ったが、気持ちよく挑戦できた。引退して阪神コーチに就任した際(11年)に、球団から提示された背番号が「80」。すぐ、「岡田監督の番号や」と思い、「付けさせてもらいます」と電話したら、再び「おう、ええよ。付けろ!」。全く同じ返事に笑ってしまった思い出がある。監督としては、レギュラーにはとにかく厳しい。成績を残せない選手は、容赦なく外す。開幕投手も結果が出なければローテから外す時期は早い。厳格。妥協はない。日米の球界で何人もの監督に接してきたが、シビアさでは群を抜く。どんなさい配で、どこまで白星を積み重ねていくのか、楽しみだ。

◆DeNA・森唯斗投手(32)が先発し、六回途中5安打2失点で2敗目(1勝)を喫した。打線の援護に恵まれず「六回を粘って投げ切ることができなかったことは悔しい」と振り返った。1軍では約1カ月ぶりの登板。2軍で精度を突き詰めてきた直球は最速147キロを計測し、緩急を織り交ぜて試合を組み立てた。1-1の六回は2死一、三塁で降板。2番手のディアスが勝ち越し打を浴びた。昨季限りでソフトバンクを戦力外となり、今季からDeNAに加わった右腕。「やってきたことは出せたけど、負けたので反省しないといけない」と唇をかんだが、三浦監督は「こっちに来て一番よかったと思う」と評価した。

◆見逃し三振のDeNA・牧秀悟(撮影・安部光翁)

◆1点リードの八回に2番手として登板したハビー・ゲラ投手(28)が踏ん張って無失点でつないだ。山本を三ゴロ、森敬を二ゴロで2死となってから代打・井上に二塁打を浴びたが、梶原を高めのつり球の158キロ直球を振らせて三振斬り。「(ストライク)ゾーンに入るとバットに当てられていた。ゾーンの外に投げる勇気も必要な場面で、空振りを取れてよかった」とうなずいた。再昇格してからこれで5試合連続無失点とした。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)がキラリと光る守備で白星を守った。2―1の八回1死から森敬のゴロが一、二塁間へ。打球がイレギュラーしたが逆シングルで捕球し、倒れこんだまま一塁へ送球してアウトにした。「うまく反応して、体勢が悪い中でもしっかり投げることができた」。バットでも六回に左前打で出塁し、佐藤輝の適時打で勝ち越しのホームイン。「フォームもある程度固定できるようになった」と、11試合連続安打で状態を上げてきている。

◆阪神・島田海吏外野手(28)が、自慢の足を使って得点をもぎ取った。1点を追う五回先頭で投手・森唯のグラブをはじく内野安打で出塁すると、すかさず今季4つ目の盗塁となる二盗を成功。坂本の詰まった三ゴロでも好判断で三塁を陥れ、小幡の適時打で同点のホームを踏んだ。「自分が出ても点が入らなかったら意味がない。得点につながったことがすごくうれしかった」。打率・281と貢献を続ける28歳が、右翼のレギュラーをつかみ取る。

◆大きな決断が虎をまた鼓舞した。先制されても、粘り強く追いつき、勝ち越す。その1点を守り切る。チームに浸透させてきた〝岡田野球〟で刻んだ球団最多の阪神監督通算515勝。記念のボールを受け取り、思わず笑みがこぼれた。誰より虎を愛する男が名実ともに名将となった。「数字が出ると毎日がすごく長く感じるんでね。あまり気にしないようにしてたんですけど。きょうは(ウイニング)ボールもらいました。みんな覚えててくれた」またも胃がキリキリと痛む展開だった。1点を先行されて迎えた五回に小幡が同点打を放つと、六回は佐藤輝が代わったばかりのディアスの初球を捉えて勝ち越し打を放つ。ゲラ、岩崎が得点圏まで走者を許しながらも逃げ切った。「いつも(勝率)5割になって。本当苦しい、そういう勝ち方っていうか、そこでまた今回も食い止めたんで。もうちょっとゆっくりね、あした(7日)は野球したい。それだけですね」岡田監督が動けば何かが変わる。振り返れば打順や先発メンバーを大幅に入れ替えたときも、佐藤輝に2軍落ちを命じたときもチームは土俵際で踏みとどまった。この日も指揮官は不振に苦しむ森下の2軍降格を決断。開幕から続く貧打線の流れを変えるべく、試行錯誤の毎日を過ごす。

◆阪神・伊藤将司投手(28)は7回5安打1失点の好投で、6月7日の西武戦(甲子園)以来、1カ月ぶりの今季4勝目(4敗)を挙げた。「ホッとした。あそこでアウトが取れたのは非常に、自分の中では大きかった」一回、先頭の梶原に中前打を許し二盗された直後のけん制アウトを〝勝因〟に挙げた。当初は審判の判定はセーフだったが、リプレー検証で判定が覆った。0-0の四回にはオースティンに被弾したが、失点はこの1点だけ。「ベイスターズは打線がいい。最少得点でいけたのはよかった」と振り返った。DeNAとは今季5度目の対戦。5月11日(横浜)は序盤の7点リードも勝利に導けず、五回途中7失点(自責5)で降板し、チームは大逆転負けを喫した。前回6月22日(甲子園)はオースティンに逆転3ランを被弾した。「(岡田)監督からもミーティングで『低く投げろ』と。(試合で)修正できたのでよかった」岡田監督は球団歴代単独1位となる監督通算515勝目。節目の試合の勝利投手となったことに「自分で、よかったんかな」とジョークで笑わせた。(三木建次)

◆DeNAは打線が振るわず、接戦をものにできなかった。伊藤将に7回1失点の好投を許し、三浦大輔監督(50)は「変化球を両コーナーに丁寧に投げられた。うまく攻められた」と唇をかんだ。付け入る隙がなかったわけではない。一回は先頭の梶原が中前打を放ち、すかさず二盗を決めて先制機を演出したが、相手のピックオフプレーでけん制死。指揮官は「一気に流れが止まってしまった」と指摘した。1-1で迎えた六回は先頭の梶原が右前打で出塁したが、1死一塁からオースティンが遊ゴロ併殺打。1点を勝ち越された直後の七回も先頭の牧が左前打を放ったが、続く宮崎が三ゴロ併殺打と打線がつながらなかった。オースティンのソロによる1得点止まりだったが、三浦監督は「攻め方は悪くない。また明日です」と視線を前に向けた。(鈴木智紘)

◆七夕前に、また節目星の一打! 阪神は2-1でDeNAに競り勝った。六回に佐藤輝明内野手(25)のV打が出て、約1カ月半ぶりの逆転勝ち。先制されたゲームの連敗を14で止め、借金生活突入も阻止した。完全復活の大砲がまたも虎将に記念すべき1勝をもたらし、岡田彰布監督(66)は藤本定義監督を上回り球団最多となる通算515勝目だ。絶好調の主砲が、また百戦錬磨の将の節目を飾った。右翼手の前ではずむ打球を見届け、佐藤輝は一塁ベース上で右手を天に突き上げてガッツポーズ。チームとしても連敗を2で止め久々の逆転勝利に導く一打で、岡田監督に阪神で歴代最多となる監督通算515勝目を届けた。「積極的にいこうと思って結果、初球を打てたのでよかったです」1―1の同点で迎えた六回。中野と大山の安打で2死一、三塁と好機を広げ、佐藤輝が打席を迎えた。DeNAはここでディアスにスイッチ。初対戦の左腕に対しても、ひるむことは少しもなかった。「球も速いのでしっかり振ろうと決めていた。怖さみたいなのはなかったです」

◆阪神・小幡竜平内野手(23)が同点打で試合の流れを変えた。1点を追う五回、安打で出塁した島田が盗塁を決め、坂本も粘って進塁打となる三ゴロを放って、1死三塁で打席へ。「(坂本)誠志郎さんのあれだけ必死な姿を見たら逆に思い切ってできた」と一、二塁間を破る右前打とした。これで6試合連続安打。同学年の森下が抹消となったが「あいつもいろいろな思いをしている。次(1軍に)来るときはいい気持ちで来ると思う」と、不在の間も勝利を積み重ねていく。

◆2-1の九回に登板した阪神・岩崎優投手(33)は2四球で2死一、二塁のピンチを招いたが、佐野を一ゴロに打ち取って、力強くガッツポーズ。9試合連続無失点で、12セーブを挙げた。「高さだけは気をつけて、丁寧にいこうと思っていた」。打線の状態が上がらず、僅差での登板が続いていることには「(それが)仕事です。また頑張ります」と頼もしかった。

◆阪神・岡田彰布監督(66)が虎将として球団単独1位となる515勝目を挙げ、阪神OB(1976~81年在籍)でチームメートとしてもともに過ごした江本孟紀氏(76)=サンケイスポーツ専属評論家=が祝福メッセージを寄稿。「監督らしい監督」と賛辞を贈った。私が知るだけでも何人もの優秀(?)な阪神監督を見てきたが、ほとんどの方が結果が伴ってない。なぜか? それは、歴代指揮官が総じて短命に終わっているから。監督の時期が短ければ、必然的に白星も増えない。期待が大きすぎて、その期待に応えきれず、志半ばで退任に追い込まれる。阪神という特殊なチームならではの事情があり、仕方がないことだ。そんな中、岡田彰布という男は生まれながらに「監督」が似合うキャラクターを兼ね備えている。周囲に「岡田なら監督になっても不思議ではない」と思わせる魅力がある。

◆30歳の誕生日(7月5日)の大谷翔平(ドジャース)は5打数ノーヒット3三振。マンガの世界から飛び出してきたかようなスーパースターだから、メモリアルデーは絶対に打つだろうと予想していたので、ちょっぴり期待外れだった。まあ、見る側に「必ず打つ」と思わせるだけで、とんでもない存在なんだけれど。毎日打てるわけもない。大谷も人間味あふれる部分があったってことか。当番デスクは長友孝輔だった。「そういえば、誕生日の活躍って、意外に難しいですよね。ことしも村上や伊藤将がバースデー先発と騒がれながら、雨の影響で登板がずれてしまいましたし。先日、岡本和(巨人)がバースデータイムリーを打って珍しいなぁと思ってました。マンガのようには、うまくいかないですよね。難しいです」マンガのような活躍は、新聞記者にとって、実にありがたい。それだけで、原稿が何倍、何十倍にもドラマチックに書ける。たとえば、5日の阪神。佐藤輝はイベント企画で七夕の短冊に「サヨナラホームランが打てますように!!」と書きこんでいた。そして迎えた延長十回裏。1点を追う2死一塁で打席が巡ってくる。まさか! もし、ドカンと一発、ほうり込んだら逆転サヨナラホームランになる?! 記者席のトラ番たちはドキドキワクワク。結果は左前打だったが、七夕の願いを書いて、そんな状況で打席に入れるだけで、ドラマの主役の資格が十分だ。

◆ヒャ~ッ! 阪神も、そして俺も苦しい苦しい夜だった。岡山空港から飛行機に乗り、羽田空港に着陸したのが午後6時45分くらい。もちろん、飛行中、雲の上でもイヤホンを耳にラジオ中継を聴きながら、スコアブックを記入していました。ところが、そこからよもやの苦しい展開が始まった~。ウギャー! 四回、虎の先発、伊藤将がオースティンに先制の一発を浴びたア! アカ~ン、今季の阪神は、先制を許した試合は7勝26敗(3分け)。14連敗中なのに、なんで得点を与えとんねん(怒)ウム? て言うか、着陸した飛行機、全く動かないぞ...。そこに機長のアナウンス。豪雨や雷の影響で羽田空港はてんやわんやだったらしいのだ。結局、着陸から2時間半、缶詰め状態。小幡の同点打や佐藤輝の勝ち越し打に心の中で拍手(機内じゃ大声を出せないし)。とにかく、またもや借金のピンチをはねのけた猛虎の勝利、良かった、良かった!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
38334 0.535
(↓0.008)
-
(-)
68216
(+1)
177
(+2)
31
(-)
44
(+1)
0.232
(↓0.001)
2.070
(-)
2
(1↑)
巨人
38355 0.521
(↑0.007)
1
(↑1)
65226
(+4)
202
(+1)
42
(+2)
38
(+1)
0.238
(↑0.001)
2.440
(↑0.02)
3
(1↓)
DeNA
39361 0.520
(↓0.007)
1
(-)
67257
(+1)
254
(+2)
47
(+1)
42
(+2)
0.249
(↓0.001)
2.970
(↑0.01)
4
(-)
阪神
37365 0.507
(↑0.007)
2
(↑1)
65218
(+2)
211
(+1)
32
(-)
26
(+2)
0.222
(-)
2.190
(↑0.02)
5
(-)
中日
34386 0.472
(↑0.007)
4.5
(↑1)
65178
(+2)
241
(+1)
32
(+1)
25
(-)
0.234
(-)
2.660
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
32414 0.438
(↓0.006)
7
(-)
66270
(+1)
274
(+4)
54
(+1)
37
(-)
0.237
(↓0.001)
3.370
(↓0.01)