阪神(★1対2☆)DeNA =リーグ戦11回戦(2024.07.05)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:ウィック(2勝1敗1S)
(セーブ:森原 康平(1勝3敗18S))
敗戦投手:石井 大智(1勝1敗0S)
  DAZN
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◆DeNAが延長戦を制した。DeNAは3回表、2死三塁から牧が適時二塁打を放ち先制する。その後同点を許すも、延長10回に佐野の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・ウィックが今季2勝目。敗れた阪神は、10回の好機であと1本が出なかった。

◆阪神は苦手のジャクソン攻略を目指す。前川右京外野手(21)大山悠輔内野手(29)佐藤輝明内野手(25)のクリーンアップはいずれも好調。6番には島田海吏外野手(28)が入った。ジャクソンに対しては今季3試合で2得点しか奪えていない。8打数3安打と比較的当たっている大山の打撃に期待がかかる。先発はジェレミー・ビーズリー投手(28)。雨天中止などの影響を受け、登板は6月15日以来になる。3勝1敗、防御率1点台の好調ぶりを再現できるか。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が観客の大きなため息を誘った。2回1死二、三塁のピンチ。井上絢登外野手(24)の三塁側ファウルゾーンへの飛球を追いかけた。カメラマン席手前でぎりぎり追いつき、手を伸ばしたが、惜しくもグラブをはじいた。佐藤輝は急ブレーキをかけてカメラマン席への落下は回避した。甲子園のカメラマン席は敷居が低い上、深く掘ってあるため、選手が深追いすると頭から落ちやすい。1カ月前にはファウルボールを追った渡辺諒内野手(29)が落ちて頭を負傷していた。

◆阪神岡田彰布監督(66)が序盤から果敢に仕掛けた。2回1死一塁。島田海吏外野手(28)がフルカウントとなると、一塁走者の佐藤輝明内野手(25)にスタートを切らせるランエンドヒットのサインを連発。3連続で島田がファウルにし、佐藤輝は何度も一、二塁間を往復した。4球目も走り、島田は二ゴロ。進塁打となり、大きな拍手が起きた。前日4日の広島戦(マツダスタジアム)では同点の8回に広島ベンチの機動力にかき回され、4点を奪われていた。

◆阪神大山悠輔内野手(29)にヒヤリとするシーンがあった。3回の守備で梶原昂希外野手(24)の三塁線への打球を処理した佐藤輝明内野手(25)がランニングスローで一塁送球。送球がやや本塁側にそれ、タッチにいった一塁手の大山は、全力疾走の打者走者にミットと手首をもっていかれるような形になった。しきりに手首を回し、痛そうにしていた大山だがそのままプレー続行した。判定はファウルだった。

◆阪神バッテリーがまたも三盗を決められた。0-0の2回1死二塁。3番オースティンへの2ボールからの3球目だった。走者梶原に先発ビーズリーの投球モーションを盗まれ、好スタートを切られた。捕手梅野の送球は間に合わず、セーフとなった。前日4日の広島戦(マツダスタジアム)でも同点の8回から代走羽月に三盗を決められており、2戦連続の三盗献上。その後、4番牧に左翼フェンス直撃の適時二塁打を浴び、先制点を許した。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が、阪神園芸に試合中としては異例の注文を行った。4回の投球練習を行っていた際、足元を気にするようなジェスチャー。阪神園芸のスタッフがスコップや土などを持って駆けつけ、プレート前の土を押し固めるなどした。軸足を置く付近の土に違和感があったとみられる。その影響で3分ほど試合再開が遅れた。

◆/トリックスターは本塁へ\今宮健太の技が光る右方向への打球は先制タイムリー?#プロ野球(2024/7/5)??ソフトバンク×楽天??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #sbhawks pic.twitter.com/WA3ZSyMemt

◆5日からのDeNA3連戦は「夏のこどもまつり」として開催される。毎日、小学生以下の入場者先着7000人に「KIDSハッピ」をプレゼント。大型ビジョンでは恒例となった選手の名前のひらがな表示を実施し、それぞれの「七夕のねがいごと」を紹介。大山は「タイガースの全員が無事にシーズンを終えることができますように」など実際に全選手が書いた短冊は、球場一塁側外周のササに飾られた。

◆阪神近本光司外野手(29)が絶好の同点機で「事」を起こせなかった。5回1死三塁。三塁走者は俊足の小幡竜平内野手。なんとか前に打球を飛ばしたいところだったが、高めのボール球に手を出して空振り三振に倒れた。続く中野拓夢内野手(28)も中飛。4回に続いて三塁に走者を進めながらホームベースを踏めなかった。

◆お笑い芸人のサンシャイン池崎(42)が試合中のイベントに登場し、球場を盛り上げた。観客にムチャぶりでお題を振る「ムチャぶりアクション王決定戦」などに登場。虎党らとともに、「イェーイ!」や「ジャスティス!」と代名詞の絶叫ネタを披露した。初めて訪れたという甲子園。出番後に感想を問われると、「最高!!」と舞台裏でも惜しみない爆音で振り返った。絶叫ネタのひとつに貯金残高に関するギャグを持つ池崎。「阪神の貯金を増やす方法は?」と問われると「堅実なことです。はい。堅実な野球をやるのが1番かな。貯金は堅実ですね。無駄遣いしない」と冷静だった。

◆阪神に信じがたい守備のミスが出た。1-1の9回1死一塁。岩崎優投手(33)が代打宮崎敏郎内野手(35)を平凡なフライに打ち取ったかに思われたが、中堅手前まで追った遊撃小幡竜平内野手(23)が落球した。あわてて二塁に送球したが間に合わなかった。深追い気味ではあったが、すでに落下点に入って正面を向いており、完全なイージーミス。何とか失点はまぬがれたが、ベンチの岡田彰布監督(66)も険しい表情だった。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)がアクシデントに見舞われた。1-1の延長10回無死一塁。石井大智投手(26)のフォークが手前でバウンド。体を入れながら、右手も添えてブロックにいくと、右手のひらの付け根あたりにボールが当たった。いったんベンチに戻って治療を受けたが、プレーを続行。文字通り体を張って、一塁走者の進塁を食い止めた。ただ、プレー再開直後に再びワンバウンド。必死に止めたが、今度は進塁を許してしまった。記録は石井の暴投だった。

◆阪神が今季16度目の延長戦の末に力尽き、連敗を喫した。岡田彰布監督(66)の阪神指揮官として球団単独最多となる515勝目は、またも次戦に持ち越しとなった。3回にDeNA牧の適時二塁打で先制を許すと、阪神打線はDeNA先発のジャクソンを前に苦戦を続けた。6回まで散発3安打に抑え込まれ無得点。2回1死から佐藤輝が中前打を放ち2死一、二塁、4回1死から大山が左翼へ二塁打を放ち2死一、三塁の好機をつくるも、あと1本が出ず。5回は先頭の小幡が左中間へ二塁打を放ち、ビーズリーの犠打で1死三塁とするも、近本が空振り三振、中野が中飛に倒れた。しかし0-1のまま迎えた7回だった。先頭の梅野が敵失で出塁すると、小幡の犠打、代打渡辺の中前打で1死一、三塁。再び好機で打席に立った近本が、今度は中犠飛を放ち同点に追いついた。阪神先発のビーズリーは、6月15日ソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)以来の先発で、6回8安打1失点と力投。7回からは桐敷、ゲラ、岩崎ら盤石なリリーフ陣が粘投した。しかし延長10回、5番手石井が先頭オースティンに左前打を許すと暴投がからんで無死二塁。牧を二ゴロに打ち取り1死三塁となると、佐野に勝ち越しの中前適時打を浴びた。敵地での2カードを終え、本拠地甲子園に戻っての一戦。終盤に1度は追いつくも、あと1点が遠かった。

◆/勝ちへの執念\皆で繋いでもぎ取った佐野恵太の勝ち越しタイムリー?#プロ野球(2024/7/5)??阪神×DeNA??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #baystars pic.twitter.com/FW4TsdtX1p

◆阪神ハビアー・ゲラ投手(28)の復活が近そうだ。8回に3番手で登板。牧を右飛、佐野を三ゴロ、戸柱を空振り三振と3人で退けた。1軍復帰して4試合目で3者凡退は初めて。最速158キロの直球で力強く押し込んだ。桐敷、ゲラ、岩崎とつなぐ「KGI」リレーも決まった。「悔しいね。自分の感じは悪くなかったんだけど、勝てなかったのが悔しいよ」と、惜敗を振り返った。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が体を張った執念のブロッキングを見せた。1-1の延長10回無死一塁、石井のフォークが手前でバウンド。右手も添えてブロックにいくと、右手のひらの付け根あたりにボールが当たった。いったんベンチに戻って治療を受けたが、プレーを続行。試合後に「手は大丈夫。感覚がなかったので、時間をもらって治療を受けました」と問題なしを強調した。

◆キャプテンが、離脱した筒香の思いもバットに込めた。DeNA牧秀悟内野手(26)が、3回2死三塁から先制の適時二塁打をマーク。阪神ビーズリーの初球のスライダーを強振し、左翼フェンス上部に直撃させた。「チャンスだったので、積極的にいきました。ジャクソンがいいピッチングで頑張っていたので、打てて良かったです」とコメントした。前夜のヤクルト戦後、チームの大黒柱的な存在の筒香が左肋骨(ろっこつ)の疲労骨折で離脱することが決まった。コンディション不良もあり、最近7試合はベンチスタートだったが、シーズン途中加入で6本塁打を放った長打力と勝負強さはもちろん、経験も豊富。頼りになる存在を欠く中、牧が豪快なスイングで勇気づけた。延長10回に決勝打を放ったのは、筒香からキャプテンを引き継ぎ、昨年まで務めた佐野恵太外野手(29)だった。延長10回1死三塁、カウント1-1から中前適時打を放った。先頭のオースティンが左前打で出塁。暴投で二塁に進み、牧の進塁打で1死三塁と作ったチャンスで勝負強さを発揮した。チームは貯金を今季最多タイの4とし、首位広島との差を1に縮めた。【久保賢吾】

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が最終回に意地の一打を放った。1点を追う10回2死一塁、右腕森原の148キロ直球をミートして左前打。得点にはつながらなかったが、粘りを見せた。2回にも先発ジャクソンから中前打を放ち、今季12度目のマルチ安打。「自分の中では、引きずるとかはないので。また寝て、新しい1日を迎えたいと思います」と前を向いた。

◆阪神が今季16度目の延長戦の末に力尽き、連敗を喫した。岡田彰布監督(66)の阪神指揮官として球団単独最多となる515勝目は、またも次戦に持ち越しとなった。阪神岡田監督一問一答は以下の通り-延長戦も多い。リリーフ陣には酷かそら酷よ。1点では。お前。-延長戦16回目。セ・リーグで一番多いああそう。点とれへんからやろ。それは。-ジャクソンは以前から差されると一緒やなあ。きょうも。-タイミングというより単純に真っすぐ真っすぐにあれやろ。-いつも口酸っぱく言っているそら、毎回言うてるやんか。ストレート言うて。-7回、ビハインドで桐敷を投入。ここは絶対に勝たないといけないとそうや。なあ。まあ、もう1回な、早いところで同点に追いついとったら、だいぶちごたけどな。小幡のとこでな。-苦しい展開というか苦しいてお前、そんなんずっとやんか。-昨年から牧のことはずっと言ってるなあ、2球とも初球やろ? 石井も最後オースティンに簡単にな。もうちょっとお前慎重に行けって思うけどな。ワンストライクの後。初球ばっかりな。-ミーティングもしっかり言っているふふっ。そんなもん毎回言うてるやん。-なかなかうまくいかないうまくいかないて、だってボールからでもええわけやんか。別に初球な、絶対ストライク取らなあかんあれもないんやし。もうちょっと慎重にのお、初球をお前、投げたらいいだけの話やけど。-昨日と今日と続いたいやいや、そらもうなあ、勝てるゲームかも分からんで、2つともな。そういうことやんか。チャンスで誰かが1本ポンと打ってたらな、そら全然違うわけやからな。-攻撃面で悔いが残るのは5回の1死三塁で近本だから言うてるやん、そこで追いついとったら全然違うっていう。追い越せんもんな、やっぱりなあ。うーん。-どうしても先制されると反発する力がないああ、そらないない、そらお前。-先制点が重いいやいや重いっていうか、1点は普通はそんな重ないんやで、そんな先制点言うても。そんな、昨日のゲームにしても、最少点でお前、1点でしのいでるわけやからなあ。そんな普通やったら、そんな重ないよ。結果的に重なってしまうんやろ、結局は。1点が重なってしまうんやからなあ。-1点勝ち越されたらああと思ってしまうそら重いからや、反発力ないし、それはずーっとやんか。(自ら)おんなじことばっかり言ってるな。-森下も変わらないか同じやん。守りがあるからな。-延長戦は守りも必要だから総合的に森下を起用そうやん。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が10試合連続安打をマークした。同点に追いつきなおも7回2死一塁、DeNA坂本の外の直球をはじき返し、中前打を放った。「自分が塁に出ないと点が入らない。ヒットだけじゃなくて四球とか粘る打席も増やさないといけない」。6月22日DeNA戦(甲子園)からHランプをともし続けているが、反省ばかりが口をついた。

◆阪神のセットアッパー阪神桐敷拓馬投手(25)がビハインドで登板した。ビーズリーに代わり7回に登板。1番から3人切りで流れを作り、その裏の同点劇を導いた。岡田監督は勝ちにいく継投かと聞かれ「そうや。まあ、もう1回な」と説明した。6月30日のヤクルト戦で3失点するなど、やや調子を落としていたが3試合連続無失点。要所を担う左腕も本来の投球を取り戻しつつある。

◆DeNAが、故障で離脱した主砲の筒香不在で迎えたカード初戦を歴代キャプテンたちのバットで制した。3回に今季からキャプテンを務める牧秀悟内野手(26)が先制の適時二塁打。同点の延長10回には筒香からキャプテンを引き継ぎ、昨季まで務めた佐野恵太外野手(29)が決勝打を放った。チームは貯金を今季最多タイの4とし、首位広島との差を1ゲームに縮めた。同点の延長10回1死三塁、佐野はチームメートが必死の思いで作ったチャンスに心が震えた。先頭のオースティンが左前打を放ち、暴投の間に好走塁で進塁。牧が追い込まれながら、5球ファウルで粘った末に進塁打となる二ゴロで三塁へ進める姿を次打者席から目にし、打席に向かった。「オースティンの出塁、好走塁。それから牧のしぶとい進塁打。本当に打席に立つ前に震えながら、『絶対自分が決めるんだ、決めてやる』という強い気持ちで打席に立った」打席から佐野の目に映ったのは、前進守備を敷いた阪神の内野陣だった。「牧の気迫がものすごい伝わりましたし、前進守備に牧がしてくれたので楽に打席に立つことができた」。1-1からの3球目、石井のナックルカーブを強くたたいたゴロは、仲間の執念が乗り移ったように中前へ抜けた。先制打を放ったのは牧だった。3回2死三塁、ビーズリーのスライダーを強振し、左翼フェンス直撃の適時二塁打。「初球からしっかり振りに行けたので良かった。本当に何とかするしかないっていう気持ちだけです」。打率5割7分1厘と好相性の甲子園でマルチ安打&2得点に絡んだ。左肋骨(ろっこつ)の疲労骨折で離脱した筒香不在の中、牧、佐野と歴代のキャプテンが勝負強さを発揮し、チームを勝利に導いた。牧は前夜のヤクルト戦後、筒香から「すぐ治してくるからっていうことと、試合を見とくからっていうことは言われた」と託された思いに結果で応えた。投手陣も必死の継投で最少失点に抑え、接戦を制した。チームは貯金を今季最多タイの4とし、首位広島に1ゲーム差に接近。佐野は「上に上に行けるように。(筒香が)帰ってきてもらった時にいい位置にいられるようにやっていきたいなと思います」と力強く誓った。【久保賢吾】▽DeNA三浦監督(延長10回の佐野の決勝打に)「オースティンが出て、走って、牧が食らいつきながらランナーを進めて、佐野に回しましたからね。みんながつないで、佐野がチームの期待に応えてくれた」

◆阪神近本光司外野手(29)が意地で1点をもぎ取った。1点を追う7回。1死一、三塁の好機だ。左腕坂本の145キロ直球を中堅に運ぶと満員の虎党の大歓声に包まれた。延長に持ち込む中犠飛。「タイムリーでかえすことはできませんでしたが、追いつけたことはよかったです。ヒット打ってチャンスは広げたかったですけどね」。打った近本は悔しい表情を浮かべたが、執念だった。最初のチャンスは三振に倒れていた。5回、先頭小幡の左二塁打と犠打で1死三塁。なんとか前に打球を飛ばしたいところだったが、先発ジャクソンの139キロ高めのボール球に手を出して空振り三振。表情をゆがめた。岡田監督も「だから言うてるやん、そこで追いついとったら全然違うっていう。追い越せんもんな、やっぱりなあ。うーん」と首をかしげた。近本自身も、あの場面で1本出ていれば展開が変わったか、問われると「そうですね」と口元を引き締め、球場を後にした。前日4日の敵地広島戦では2回に中犠飛、9回には3戦連続安打となる三塁打を決め、復調の気配を漂わせていた。甲子園に戻り、この日からのDeNA3連戦は「夏のこどもまつり」として開催。大型ビジョンでは選手の名前のひらがなが表示され、それぞれの「七夕のねがいごと」が紹介された。近本は「みんなが笑って過ごせますように」。自らだけでなく、ファンも一緒に笑顔になれるよう、子どもたちの思いを背に戦った。今日こそ背番号5がクリーンヒットで打線を勢いづける。【村松万里子】

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が、交流戦明け初登板で勝敗つかずも6回1失点と試合を作った。3回2死三塁でDeNA牧に適時二塁打を浴び先制を許すも4回以降は追加点を許さず。来日最多9奪三振で投げ終え「9つ三振取れたのはすごくよかったですし、ヒットは(8本と)打たれましたけど強い当たりは少なかったので。あとはチームの勝ちにつながる投球をもう少ししたかった」と振り返った。前回登板は6月15日のソフトバンク戦。5回途中6失点(自責4)で今季初黒星を喫した。雨天中止などで、リベンジの機会はなかなか巡ってこなかった。その間、2軍戦の調整登板やブルペンの工夫で実戦勘を養った。「毎イニング毎イニング落ち着いて投げようと自分に言い聞かせながら投げていました」と平常心を保った。冷静さを違う面でも発揮。4回の投球練習の際、マウンド修復をリクエストした。普段とは違う掘れ方をしたのが原因で「下のゴムが見えた状態だったので、それでは他の投手も投げられないと思ったので直してもらいました」と阪神園芸の作業を見守った。甲子園では4試合で3勝0敗、防御率0・69だ。5回無死二塁で犠打も決めた。4勝目を手に出来なかったが、安定の投球で先発の役割を果たした。【堀まどか】

◆阪神が今季16度目の延長戦の末に力尽き、連敗を喫した。1点を追う7回、近本光司外野手(29)の中犠飛で同点に追いつくも、延長10回に勝ち越しを許した。先制された試合は14連敗と反発力のなさが目立つ虎は4位転落で貯金ゼロ。2位DeNAとは2ゲーム差となった。岡田彰布監督(66)の阪神指揮官として球団単独最多となる515勝目も、またお預けだ。最少失点のはずの「1点」が、重くのしかかってしまう。岡田監督はそんな現状に、苦い表情で話し始めた。「1点は普通はそんな重ないんやで、そんな先制点言うても。昨日のゲームにしても最少点で、1点でしのいでるわけやからなあ。結果的に重なってしまうんやろ、結局は。1点が重なってしまうんやからなあ」延長戦は12球団最多の16試合目。疲労困憊(こんぱい)の連敗となった。3回にDeNA牧の適時二塁打で先制点を献上すると、反撃に時間を要した。4回2死一、三塁の好機をつくるも梅野が三ゴロ。5回は先頭の小幡が左翼へ二塁打を放ち、1死三塁まで進めるもあと1本が出ず。7回に近本の中犠飛でやっと追いついた。先発ジャクソンにはこの日も好投を許し、4度目の対戦で防御率0・38と苦戦。「一緒やなあ。今日も。毎回言うてるやんか。ストレートいうて」。直球に差し込まれる同じ光景だった。これで先制を許した試合では14連敗。なぜか1点が重くのしかかる。打線の反発力を問われた指揮官は「ああ、そらない、ない、そらお前」と即答した。前日4日の広島戦は、初回に先制された直後に3点を奪うも、少しずつ追いつかれて敗れた。「勝てるゲームかも分からんで、2つともな。そういうことやんか。チャンスで誰かが1本ポンと打ってたらな、そら全然違うわけやから」。思うようにいかない展開に、指揮官も歯がゆさを隠さない。牧に許した2本の安打はいずれも初球。「2球とも初球やろ? 石井も最後オースティンに簡単にな。もうちょっと慎重に行けって思うけどな」。バッテリーにも注文を忘れなかった。敵地での2カードを終え、戻ってきた本拠地甲子園で初戦黒星となった。阪神指揮官として球団単独最多となる515勝目はまたも持ち越しだ。選手の願い事がビジョンに映し出される七夕シリーズ。次こそは虎党の願いをかなえる夜にしたい。【磯綾乃】

◆阪神はジェレミー・ビーズリー投手(28)が先発する。度重なる雨のため登板日が変更となり、中19日でのマウンドへ。今季3試合で防御率0・45と、圧巻の投球を続ける得意の甲子園で4勝目を目指す。打線は4日の広島戦(マツダ)と同じラインアップ。森下翔太外野手(23)は3戦連続のベンチスタートとなった。今季対戦成績は3登板1勝0敗、防御率0・50と虎キラーのジャクソンを攻略し、1ゲーム差で追いかける2位・DeNAから先手を取る。

◆6日の12回戦に先発する阪神・伊藤将司投手(28)はキャッチボール、ダッシュなどで調整した。今季11試合目の登板で、DeNA戦は早くも5度目。これまで1勝1敗、防御率3・65。佐野に打率・500(12打数6安打)と勝負どころで痛打を浴びた。「佐野さんには結構、打たれている。低めに丁寧に投げたい」と左腕。6月7日に勝ち星を挙げて以来となる今季4勝目を目指す。

◆阪神の先発、ジェレミー・ビーズリー投手(28)が先制点献上のピンチを切り抜けた。一回は三者凡退で迎えた二回。先頭の牧、続く佐野にいずれも初球を打たれて連打を浴び、戸柱の三ゴロで走者が進んで1死二、三塁のピンチを背負う。そして井上への2球目。詰まった打球が三塁カメラマン席前へ上がった。これを佐藤輝が追いかけてスタンドへ入る前にグラブに収めたが、ポロリとこぼれてファウルに。この後井上には死球を与えて満塁となったが、ここはビーズリーが踏ん張る。森敬は変化球で空振り三振を奪い、ジャクソンには得意のスイーパーで見逃し三振。こぼれた一つのアウトにも動じなかった助っ人が、佐藤輝のミスを帳消しにした。

◆DeNA・森唯斗が6日の阪神戦に先発する。三回途中5失点で敗戦投手となった6月7日のソフトバンク戦(横浜)以来、約1カ月ぶりの登板。2軍戦で直球の割合を増やした投球に手応えをつかんだという。昨季限りでソフトバンクを戦力外となり、今季からチームに加わった右腕はキャッチボールなどで調整し「結果を出すしかない。腹をくくって投げる」と決意を込めた。

◆阪神の先発、ジェレミー・ビーズリー投手(28)が先制を許した。三回、先頭の梶原が右前打で出塁。渡会の二ゴロで二塁へ進み、続くオースティンの3球目で三盗を決められ1死三塁となった。オースティンは直球で空振り三振を奪ったが、続く4番・牧が初球の変化球を強振。左翼フェンス直撃の二塁打で先制点を奪われ、甲子園はため息に包まれた。4日の広島戦(マツダ)でも盗塁から決勝点を奪われた阪神。先制されると13連敗中なだけに、重たい1点を失った。

◆甲子園のマウンドにアクシデントが起きた。四回、阪神・ビーズリーが投球練習を始める前に審判団を呼び寄せ、声を交わすと、審判が阪神園芸をマウンドに呼んだ。マウンドは投球時に使うプレートからホーム側の土が固まって崩れてしまい、大きく掘れてしまっていた。園芸の職員はこの土を一度はがしてすべて取り出し、素手でほぐして再び同じ場所に戻す。そして霧吹きで水をかけ、重りをつかって固めなおし、マウンドの復旧は終了した。雲一つない快晴の日に整備で中断するという珍事だったが、試合が止まったのはわずかに5分ほど。ビーズリーも問題なく投球練習を済ませ、プレー再開となった。

◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)は6回1失点で降板した。粘りの投球も白星には結びつかなかった。三回、先頭の梶原が右前打で出塁。渡会の二ゴロで二塁へ進み、続くオースティンの3球目で三盗を決められ1死三塁となった。オースティンは空振り三振で抑えたが、続く牧が左翼フェンス直撃の二塁打で先制点を奪われた。二回以降は毎回走者を背負い、六回も2死二、三塁とピンチを招いたがジャクソンを二飛に打ち取りさらなる失点は防いだ。9奪三振の力投も味方の援護なく、今季3戦3勝を挙げていた甲子園で4勝目はつかめなかった。

◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)は6回1失点で降板した。粘りの投球も白星には結びつかなかった。三回、先頭の梶原が右前打で出塁。渡会の二ゴロで二塁へ進み、続くオースティンの3球目で三盗を決められ1死三塁となった。オースティンは空振り三振で抑えたが、続く牧が左翼フェンス直撃の二塁打で先制点を奪われた。二回以降は毎回走者を背負い、六回も2死二、三塁とピンチを招いたがジャクソンを二飛に打ち取りさらなる失点は防いだ。9奪三振の力投も味方の援護なく、今季3戦3勝を挙げていた甲子園で4勝目はつかめなかった。「登板間隔が空いていることもあったし、変に力まないこと、自分の投球をしようと思って臨んだよ。全体的に落ち着いて投げることができたと思う。6イニングで交代になったけど自分の仕事はできたかな」とコメントした。

◆阪神が近本光司外野手(29)の犠飛で同点に追いついた。0-1の七回、代わったばかりの2番手・坂本を攻め立てる。先頭の梅野が遊ゴロを放つと、遊撃の森敬が悪送球。もらったチャンスで小幡がしっかり初球で送りバントを決めると、6月26日以来の出場となった代打・渡辺が中前打でつなぐ。1死一、三塁となって近本にこの日4度目の打席が回った。近本は2球目を一閃。ライナー性の打球は中堅へと飛び、2試合連続打点となる犠牲フライで試合を1-1の振り出しに戻した。この後中野のヒットと暴投で2死二、三塁と勝ち越しのチャンスだったが、前川は二ゴロに倒れた。

◆阪神が今季16度目の延長戦に突入した。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が三回に牧の二塁打で先制を許したが、ここから持ち直して6回100球1失点で、9つの三振を奪った。救援陣も桐敷、ゲラ、岩崎と無失点でつなぎ、DeNA打線に追加点を与えなかった。打線は先発・ジャクソン攻略に手を焼いたが、2番手・坂本に代わった七回に敵失から1死一、三塁のチャンスを作り、近本光司外野手(29)が同点犠飛で試合を振り出しに戻し、延長戦に入った。ここまでの延長戦成績は5勝5敗5分。

◆阪神が延長十回に勝ち越しを許した。1-1の息が詰まる投手戦は延長に突入し、阪神は5番手として石井がマウンドへ。先頭のオースティンに安打を浴びると暴投で二塁に進まれ、牧の二ゴロで1死三塁のピンチを迎えた。5番・佐野に対する3球目。変化球をスイングされると、ゴロになった打球が前進守備の二遊間の間を抜けていった。打球を捕ろうとジャンプした石井はそのまま膝をついて悔しがった。石井は4日の広島戦に続いて2夜連続の失点となってしまった。

◆阪神が連敗。延長戦で競り負けた。十回に登板した石井大智投手(26)が安打と暴投などで1死三塁とされ、佐野恵太外野手(29)に浴びた中前打が決勝点となった。石井は2戦連続失点。打線は七回に近本光司外野手(29)の中犠飛で追いついたが、得点は1点止まり。3戦連続スタメン落ちの森下翔太外野手(23)は十回から右翼に就き、空振り三振。その後、2死一、二塁としたが、島田海吏外野手(28)が一ゴロに倒れた。今季の延長戦成績は5勝6敗5分。チームは勝率5割に戻り、4位に転落した(成績=36勝36敗5分、観衆=4万2620人)。

◆延長十回1死三塁、DeNA・佐野恵太に中前適時打を許した阪神・石井大智=甲子園球場(撮影・根本成)

◆交代を告げるDeNA・三浦大輔監督(撮影・斉藤友也)

◆DeNAは三回に牧の二塁打で先制し、延長十回は佐野が中前へ勝ち越し適時打を放った。先発ジャクソンが6回無失点。ウィックが2勝目、森原が18セーブ目。7安打の阪神は打線がつながらず、犠飛による七回の1点に終わった。

◆阪神が連敗。延長戦で競り負けた。十回に登板した石井大智投手(26)が安打と暴投などで1死三塁とされ、佐野恵太外野手(29)に浴びた中前打が決勝点となった。石井は2戦連続失点。打線は七回に近本光司外野手(29)の中犠飛で追いついたが、得点は1点止まり。3戦連続スタメン落ちの森下翔太外野手(23)は十回から右翼に就き、空振り三振。その後、2死一、二塁としたが、島田海吏外野手(28)が一ゴロに倒れた。今季の延長戦成績は5勝6敗5分。チームは先制されれば14連敗。勝率5割に戻り、4位に転落した。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=36勝36敗5分、観衆=4万2620人)。ーー延長戦が多い。リリーフ陣には酷か「そら酷よ。1点では。お前」ーー延長戦はリーグ最多の16度目「ああそう。点取れへんからやろ。それは」ーーDeNA・ジャクソンは以前から差されると「一緒やなあ。今日も」ーータイミングというより単純に真っすぐ「真っすぐにアレやろ」ーーいつも言っている「毎回言うてるやんか。ストレートいうて」ーー七回、ビハインドで桐敷を投入。絶対に勝たないといけない「もう一回な、早いところで同点に追いついとったら、だいぶ、ちごたけどな。小幡のとこでな」ーー苦しい展開というか「苦しいてお前、そんなんずっとやんか」ーー昨年から牧のことはずっと言ってる「2球とも初球やろ? 石井も最後オースティンに簡単にな。もうちょっとお前、慎重に行けって思うけどな。ワンストライクの後。初球ばっかりな」ーーミーティングでも言ってる「毎回言ってるやん」ーーうまくいかない「うまくいかないて、だってボールからでもええわけやんか。別に初球、絶対ストライク取らなアカン、アレもないんやし。もうちょっと慎重に、初球をお前、投げたらいいだけの話やけど」ーー2日間続いた「勝てるゲームかも分からんで、2つともな。そういうことやんか。チャンスで誰かが一本ポンと打ってたらな、そら全然違うわけやからな」ーー攻撃面で悔いが残るのは五回の1死三塁で近本(空振り三振)「だから言うてるやん、そこで追いついとったら全然違うっていう。追い越せんもんな、やっぱりなあ。うーん」ーー先制されると反発する力がない「そら、ないない、そら、お前」ーー先制点が重い「重いっていうか、1点は普通はそんな重ないんやで、そんな先制点言うても。昨日のゲームにしても、最少点でお前、1点でしのいでるわけやからなあ。そんな普通やったら、そんな重ないよ。結果的に重なってしまうんやろ、結局は。1点が重なってしまうんやからなあ」ーー1点勝ち越されたら「反発力ないし、それはずっとやんか」(自ら)「おんなじことばっかり言ってるな」ーー森下も変わらないか「同じやん。守りがあるからな」ーー延長戦は守りも必要だから総合的に森下を起用「そうやん」

◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)が敗戦投手となった石井大智投手(26)に代表される中継ぎ陣の疲労増に言及すると同時に、球界全体の「投高打低」が阪神にとって救いだと力説した。点が取れない→緊迫した投手戦になる→救援陣を投入する→延長戦に突入する→救援陣の登板が増える→疲労が蓄積するー当たり前の展開で、自慢だった救援陣が調子を落としてしまっている。石井が典型例だ。中継ぎ投手は難しい。例えば、この試合で、岩崎が先頭打者を許す。すると、次に投げる予定の投手は登板機会がなくてもブルペンでは投げる。結果、負担蓄積の一因になる。幸いにして、これだけ苦しい戦いを続けながら、岡田監督は投手陣を無理使いはしていない。3連投がMAXだから、酷使には当たらない。正直言って、仕方がない投手起用だろう。もう一つ、言えるのは、今季の球界は、どのチームも得点力不足に苦しみ、投手戦になっている。ほとんどのチームが同じような状況で阪神だけではないのが救い。打開策として、分かりやすいのは勝ちパターンではない投手を、勝ちパターンに組み入れること。さらには、2軍から勝ちパターンに、はまる投手を昇格させること。そんな都合のいい投手が2軍にいるとは思えない。必然的に、ビハインドの登板をしている投手の中から、少しでも元気な投手に頑張ってもらえれば、という選択肢しか残らない。阪神の場合、この方法は十分に有効だと思う。というのも、現在、ビハインドで比較的よく登板している浜地、富田らは、力的には勝ちパターンの投手にひけをとらない。レベルは他球団に比べても高い。たとえば、漆原は開幕直後はビハインド登板が目立ったが、途中から勝ちパターンや抑えまで任せることができた。浜地らには、少しの頑張りで漆原に続けるチャンスが生まれるわけだ。今季の阪神はベンチが納得がいかない試合が続いているが、それでも、首位との差はそれほど開いていない。ラッキーな展開だ。救援陣は巡ってきたチャンスを生かしてほしい。ただ一番簡単な打開策は、攻撃陣が取ることだ。

◆阪神が連敗。延長戦で競り負けた。十回に登板した石井大智投手(26)が安打と暴投などで1死三塁とされ、佐野恵太外野手(29)に浴びた中前打が決勝点となった。石井は2戦連続失点。打線は七回に近本光司外野手(29)の中犠飛で追いついたが、得点は1点止まり。3戦連続スタメン落ちの森下翔太外野手(23)は十回から右翼に就き、空振り三振。その後、2死一、二塁としたが、島田海吏外野手(28)が一ゴロに倒れた。今季の延長戦成績は5勝6敗5分。チームは先制されれば14連敗。勝率5割に戻り、4位に転落した。主な選手のコメントは以下の通り(成績=36勝36敗5分、観衆=4万2620人)。九回1死一塁から小幡の飛球落球後の窮地を脱した岩崎優 「(七回に)エラーから(得点を)取ったので、同じ展開にしたくなかった」延長十回、石井の投球を右手で止め、ベンチで治療を受けた梅野隆太郎 「手は大丈夫。感覚がなかったので。時間をもらって治療を受けました」10戦連続安打の中野拓夢 「もうちょいヒットに限らず、フォアボールを取る打席であったりとか、粘り強さは出していければ」2安打の佐藤輝明 「自分の中では別に引きずるとかはないので。また寝て、新しい一日を迎えたいと思います」2戦連続失点の石井大智 「昨日と今日で2日、チームの足を引っ張って申し訳ない」五回に犠打を決めたジェレミー・ビーズリー 「オフシーズンもバントしなきゃって去年学んだので、練習はしていた」

◆阪神は延長十回の末、1-2でDeNAに敗れ、貯金がなくなり4位に転落した。貧打線はまたしても1得点に終わり、延長戦は早くも昨季を上回る16度目。この日も救援投手を4人つぎ込み、5番手の石井が力尽きた。疲弊気味の投手陣に、岡田彰布監督(66)も「そら、酷よ。1点では」と嘆き節。もっと点を取ってあげて~。また延長戦...。貧打に苦しむ虎を何度も救ってきた救援陣が打たれ、最後にあと一本も出なかった。「夏のこどもまつり」と銘打たれた3連戦の初戦に敗れ、4位に転落。1点があまりにも重い現状に、岡田監督も苦り切った表情だった。「そら、酷よ。1点では」先発のビーズリーは先制を許したが、打線の援護がないまま6回まで1失点でしのいだ。ビハインドにもかかわらず勝ちパターンの桐敷を投入する必死の継投。すると、その裏に近本の犠飛で同点にする。八回はゲラ、九回に岩崎とつないだが、貧打線は勝ち越すことはできず、延長十回に石井が1死三塁で佐野に痛恨の中前適時打を浴びてしまった。援護が少ない中、必死に腕を振った投手陣が心身ともに疲弊してしまうような黒星。「早いところで同点に追いついとったら、だいぶ違ったけどな」と嘆いた。0-1の五回は小幡の二塁打、ビーズリーの犠打で1死三塁とおぜん立てはしたが、近本、中野が凡退。甲子園にため息が充満した。

◆中19日の1軍マウンドを楽しんだ。ビーズリーが6回8安打1失点の粘投。来日最多となる9三振を奪った。チームの勝利に結びつかなかったが、納得の表情だった。「久しぶりで力が入るのは分かっていた。落ち着いて投げようと、自分に言い聞かせながら投げた」6月15日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来の登板になった。23日のDeNA戦(甲子園)と28日のヤクルト戦(神宮)が降雨中止となった影響で先発ローテが次々と変わり、結果的にビーズリーは中19日のブランクとなったが、その影響は感じさせなかった。「9つも三振が取れてよかった。ヒットは打たれたけど強い当たりは少なかった。ゾーンに投げ切れたから」と胸を張った。三回2死三塁。牧に高めのスライダーをジャストミートされて左越えの適時二塁打で先制点を許したが、二回1死満塁のピンチでは連続三振、六回2死二、三塁のピンチもしのいで最少失点で降板。七回から桐敷にマウンドを託した。四回の投球練習前、審判団にマウンドの土が取れて下のゴムが出ていることを指摘。阪神園芸の職員が修復作業を行った。「たぶん他の投手も投げにくいと思ったので」。心優しき助っ人らしい話だ。この日からのDeNA3連戦は夏のこどもまつりとして開催。七夕にちなんで選手直筆の願い事が書かれた短冊が展示された。ビーズリーは「息子が健やかに育ちますように」。昨年8月1日に誕生した第1子となる長男ウエスリー君への思いを込めた。「やっぱりチームの勝ちにつながる投球をしたかった」6月8日以来となる今季4勝目はならなかったが、5月上旬に1軍昇格後、先発で抜群の安定感をみせている。虎投に欠かせない存在だ。(三木建次)

◆朝から、やたら救急車に遭遇した。出勤の際には、交差点でまさかの救急車がすれ違う光景も。その何台かは熱中症の患者を搬送しているんだろう。とにかく暑い。ジトッとしてモワッ。この空気、油断したら倒れそうになる。テレビのニュースでは「三重県松阪市では39・7度。国内最高」と連呼していた。その声と内容が体温を何度か上げている気がしてきた。ビルの電光掲示には「外出は避けてください」の文字が。もう、すでに外出してしまっているんだけれど。うだるような暑さで、つぶやく声も小さくなる。甲子園に到着すると、阪神ナインが練習中。この劣悪な環境でも、屋外で練習するプロ野球選手って、偉いと思う。やがて、トラ番・邨田直人が、日焼けしたのか、顔を赤く腫らして近づいてきた。「甲子園は、一塁側ベンチだから、担当記者は直射日光を受けないので、まだマシですよ。昨日までのマツダスタジアムは三塁側ベンチ横が取材場所だったので、地獄でした」そう言いながら、選手やコーチをおもんぱかっていた。「筒井(外野守備)コーチの取材をしたくて、ベンチ裏通路で待っていたら、ぐったりして出てこられました」炎天下の練習は重労働。選手はもちろん大変だが、実はコーチの負担は意外に大きい。特に内外野の担当コーチは、選手にノックの雨を浴びせなければいけない。一番動いている人かもしれない。コーチはみなさん、大変だが、外野守備コーチは特にしんどい。

◆一番悪いのは、今日も1点しか取れなかった貧打の虎打線...。そんなもん、昨日今日に始まったことやないやろー!! となると、戦犯を追及するのではないけど、キーポイントはキャッチャーの梅野なのだ!!前日のカープ戦で、岡田監督があれほどバッテリーの繊細さの無さ(要はキャッチャー)に激怒したにもかかわらず、本日も三回、梶原に三盗を決められ先制点につなげられるわ、延長十回にワイルドピッチがらみの決勝点を許すやら...。何しとんねん...。梅野隆太郎君、まじめ過ぎるっちゅーか、自分をさらけ出してないのとちゃうか?他の投手の時になめたようなスローボールを要求して打者を翻弄するよね? でも、強打DeNA打線となると...。真剣なリードになっているし...。そんなもんあっちが上だし、抑えられるかー!!俺は若い頃にドラマで大俳優、緒形拳さんに楽屋に呼ばれてわらび餅を2人で食べながら「普段もっと自分らしくやっているだろ!! 守ったら存在感ないぞ」と言われたことがある。あの言葉を梅野に贈らせてもらうわ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
38324 0.543
(↓0.008)
-
(-)
69215
(-)
175
(+2)
31
(-)
43
(-)
0.233
(↓0.001)
2.070
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
39351 0.527
(↑0.006)
1
(↑1)
68256
(+2)
252
(+1)
46
(-)
40
(+2)
0.250
(-)
2.980
(↑0.04)
3
(-)
巨人
37355 0.514
(↑0.007)
2
(↑1)
66222
(+10)
201
(+3)
40
(+2)
37
(-)
0.237
(↑0.003)
2.460
(↓0.01)
4
(1↓)
阪神
36365 0.500
(↓0.007)
3
(-)
66216
(+1)
210
(+2)
32
(-)
24
(-)
0.222
(-)
2.210
(↑0.01)
5
(-)
中日
33386 0.465
(↑0.008)
5.5
(↑1)
66176
(+2)
240
(-)
31
(-)
25
(-)
0.234
(↑0.002)
2.680
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
32404 0.444
(↓0.007)
7
(-)
67269
(+3)
270
(+10)
53
(+1)
37
(-)
0.238
(-)
3.360
(↓0.09)