広島(★1対2☆)阪神 =リーグ戦12回戦(2024.07.03)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:大竹 耕太郎(5勝4敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝3敗11S))
敗戦投手:九里 亜蓮(4勝5敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(4号・2回表ソロ),佐藤 輝明(5号・6回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は2回表、佐藤輝のソロで先制する。その後同点とされるも、6回には再び佐藤輝がソロを放ち、勝ち越しに成功した。投げては、先発・大竹が7回2安打1失点の好投で今季5勝目。敗れた広島は先発・九里が粘投を見せるも、打線が沈黙した。

◆阪神島田海吏外野手(28)が「6番右翼」でスタメンに名を連ねた。6月30日ヤクルト戦(神宮)以来、2試合ぶり今季5度目の先発出場となる。前日2日には途中出場から躍動。右翼の守備ではダイビングキャッチでピンチを救い、延長10回には決勝点をもたらす右前打も決めた。連日の活躍で、首位広島からの連勝を狙う。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)がに久々の1発が飛び出した。2回1死、広島九里から右翼への4号ソロ。141キロ直球を捉えた。これが4月21日中日戦以来、123打席ぶりの本塁打となった。122打席連続ノーアーチは自己ワースト。長いトンネルを抜けた。「いいスイングができました。久しぶりすぎて。まずは先制できたのでここからも頑張ります」とコメント。阪神が1点を先制。岡田監督の阪神監督通算勝利数、歴代トップタイとなる514勝目がかかった試合で、幸先良く得点を入れた。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が、珍しい形で凡退に倒れた。4回1死一塁で九里の129キロチェンジアップを強振したが、打ち損なった。打球は捕手石原の前でピタリとストップ。打球は一切弾まないレアな打球となった。結果は捕ゴロで凡退となった。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が、今季初となる1試合2本塁打を放った。1-1で同点の6回2死。広島九里から、この日2本目となる左翼への5号ソロ。これで1点を勝ち越した。佐藤輝の1試合複数本塁打は23年5月14日のDeNA戦(甲子園)以来、自身6度目。マツダスタジアムでは初めて。5回には自身の悪送球から同点に追いつかれていた。ミスを取り返す1発。「逆方向へいい形で捉えることができました。自分のミスで追いつかれてしまった後だったのでなんとか取り返したい気持ちでした。勝ち越すことができてよかったです」とコメントした。長いトンネルを抜けだし、勢いに乗った。2回1死では広島九里から右翼への先制4号ソロ。141キロ直球を捉えた。これが4月21日中日戦以来、123打席ぶりの本塁打となった。122打席連続ノーアーチは自己ワースト。復活の1発となった。岡田監督の阪神監督通算勝利数、歴代トップタイとなる514勝目がかかった試合で、佐藤輝が2本塁打の活躍を見せている。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が悔しそうに何ごとかをつぶやきながら、天を仰いだ。5回の守備。2死から広島菊池涼介内野手(34)の三塁線寄りの打球を好捕。素早く振り向いて一塁に送球したが、大きくそれて二塁進塁を許した。直後、矢野雅哉内野手(25)に同点三塁打を打たれた。佐藤輝は2回に4月21日以来、123打席ぶりとなる4号先制ソロを放っていたが、自らの失策から振り出しに戻してしまった。

◆阪神大竹耕太郎投手(29)が味方失策から同点打を浴びた。5回2死まで完全投球。2死から三塁・佐藤輝の三ゴロ悪送球で二塁に走者を置くと、8番矢野にこの日初被安打となる右翼線適時三塁打を許した。完璧な投球を続けていたが、痛恨の失点となった。

◆阪神が佐藤輝明内野手(25)の2発で接戦をものにした。首位広島に2連勝でゲーム差を2に詰めた。佐藤輝がついに目覚めた。2回に右越えに4号ソロ。4月21日以来、123打席ぶりの復活アーチだった。自らの失策から追いつかれた直後の6回には、左翼に6号ソロで再び勝ち越した。バットで守備のミスを帳消しにした。結局これが決勝点になった。先発の大竹耕太郎投手(29)は過去無敗の広島キラーらしく試合を作った。7回1失点(自責なし)で5勝目。8回からは継投で逃げ切った。岡田彰布監督(66)は、阪神の監督として通算勝利数が514勝。球団最多の藤本定義監督に並んだ。

◆阪神岡田彰布監督(66)が監督として藤本定義に並んで球団最多タイ514勝目をつかんだ。最多に並ばれた藤本定義は、球界でも監督として名を残す人物だった。藤本定義(ふじもと・さだよし) 1904年(明37)12月20日生まれ、愛媛県出身。松山商から早大に進み投手として活躍。東京鉄道管理局では監督を務め、プロの選手経験なく1935年(昭10)の巨人創立の際に初代監督に就任。9季で7度優勝し、第1期黄金時代を築いた。戦後はパシフィック、太陽、金星、大映、阪急監督を歴任。61年6月7日からは休養した阪神金田正泰監督に代わって指揮官に就任し、62年に球団15年ぶりの優勝に導いた。64年に2度目のV。巨人と阪神の両チームで監督を務めた唯一の人物で、投手のローテーション制を初めて導入した。監督年数29年は歴代最長。通算1657勝(1450敗93分け)は歴代3位。9度の優勝を経験した。1981年2月18日、76歳で死去。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、阪神監督通算勝利数で歴代トップに並んだ。この日の勝利が、藤本定義監督が持つ514勝目となった。阪神監督通算936試合目での到達。阪神で2度のリーグ制覇を果たした指揮官が、虎の監督史に名前を残した。監督としての1勝目は、20年前。04年の開幕ゲーム。4月2日巨人戦(東京ドーム)で8-3の勝利。当時、「1番二塁」で起用した今岡(現1軍打撃コーチ)の逆転タイムリーなどで勝った。「選手に感謝したい」というコメントを残した1勝目から、20年。この日も期待をかけてきた選手が躍動した。先発大竹耕太郎投手(29)は5回途中まで無安打投球。22年オフに現役ドラフトの第1回で阪神に加入した、指揮官の早大の後輩が試合をつくった。さらに2回、6回と佐藤輝明内野手(25)がソロ本塁打。今季は2軍落ちも味わった大砲が、完全復活を予感させるスイングを披露した。首位広島に連勝。ゲーム差を2に縮めた。この3連戦、仮に3連敗なら広島とのゲーム差は7になっていたところ。虎が息を吹き返し、岡田監督にメモリアル星を運んだ。岡田監督は、4日の試合で一気に藤本監督の記録を抜き去る。岡田彰布(おかだ・あきのぶ)1957年(昭32)11月25日生まれ、大阪府出身。北陽を経て進んだ早大では3年秋のシーズンに3冠王となる。通算打率3割7分9厘と81打点は現在も東京6大学リーグ記録。79年ドラフト1位で6球団競合し、阪神入り。80年に新人王を受賞。85年にはバース、掛布雅之と打線をけん引し日本一となる。94年オリックスへ移り95年引退。現役通算1639試合、1520安打、247本塁打、836打点、打率2割7分7厘。現役時代は175センチ、77キロ。右投げ右打ち。オリックスと阪神でコーチや2軍監督を歴任した後、04年に阪神監督に就任。05年にはセ・リーグ優勝へと導いた。08年に退任。10~12年オリックス監督。23年には阪神監督に復帰し、日本一を成し遂げた。阪神監督通算勝利5傑<1>藤本定義 514勝<1>岡田彰布 514勝<3>吉田義男 484勝<4>松木謙治郎 460勝<5>若林忠志 334勝

◆7回1失点で5勝目を挙げた阪神大竹耕太郎投手(29)が試合後、思わぬ事態に肝を冷やした。この日の勝利で岡田彰布監督(66)が阪神の監督として史上最多に並ぶ通算514勝目。実はウイニングボールを自らが保持しており、監督の記念星だと報道陣から伝えられた左腕は「やばい、俺、持っているわ。え、やばいすか?」と戸惑った。ただ、すぐに思い直し「明日でしょう、どっちかと言ったら。更新の方が大事じゃないですか」と4日先発の村上頌樹(25)にあとを託した。

◆阪神が佐藤輝明内野手(25)の2発で接戦をものにした。首位広島に2連勝でゲーム差を2に詰めた。先発の大竹耕太郎投手(29)は7回1失点(自責なし)で5勝目。岡田彰布監督(66)は、阪神の監督として通算勝利数が514勝。球団最多の藤本定義監督に並んだ。岡田監督の一問一答は以下の通り。-佐藤輝が久しぶりに「久しぶりやろ」-神宮でそろそろ本塁打が出ると話していた「まあな。その2点やからな」-相手バッテリーも佐藤輝を嫌がっていた「まあ、最初のな、1打席目やったからな。2打席目か。フォアボールも選んどったし。2打席目も」-守備のミスもあったが「いや、いつもワンバン放れいうてんのに」-大竹は持ち味を「そうやなあ。まあ、まだちょっと余力残してたけどな。今日はな。まあ、2イニングやったらな。何とか継投いけるしな」-相変わらず広島との相性もいい「いやまあ、あの緩い球を放れるいうことは、自信持っとるんやろな。タイミング外すというかな、緩急を。言うても相手が嫌がってるもんな」-スコアは2-1だが勝ち方が「いや、ファインプレーもあったけどな。どこかで1本出てたら楽やったけどな。まだまだそんな楽には勝てんわ。でもこないしてしのいでいったら、もうちょい楽な勝ち方ができるようになるんちゃうかな」-潮目は変わった感じはするか「それはヒットも出るようになったし、チャンスをつくれているからな、そこで回ってきた者がな、そこで1本タイムリーでも出たらな、だいぶ楽になるよな、やっぱこういう勝ちな、逃げ切るというかな」-514勝「そんなん関係ないやん、関係ないってもう(笑い)」-1つずつ積み重ね「うん、それをなあ、おーん、だから7月入って、オールスターまでの区切りやな、そこでどんだけな、貯金積み重ねられるかやろなあ、やっぱり」-明日の試合が持つ意味は大きい「いやいや、大きいけど、村上も分かっとるよ、そんなもん。昨日もな、ブルペン見たけど、だいぶ調子もな、いい時に戻っとるよ」-ここ数日イニングにこだわらない継投。オールスターまでの貯金を「そうやなあ。まずオールスターまでやからな、おーん。まあだから連投になるけどな、なるべく球数少なく、あんまり負担かからんような球数でな。オールスターまでちょうどひと区切りやから、そこはひと踏ん張りやな。もうちょっと点取ったらもうちょっと楽にいけるんやけどな。こういうゲーム展開やからしゃあないけど」-ウイニングボールは「そんなん、誰も覚えてないやろ。いらんよ」

◆阪神中野拓夢内野手(28)が8戦連続安打をマークした。1点リードの4回、先頭で中前に運んだ。ただ、1回無死一塁ではランエンドヒットで遊ゴロ併殺打。5回2死一、三塁では遊直、7回2死一、二塁では空振り三振に倒れた。「ヒットは続いているけど、チャンスで打てれば(チームが)もっと楽な展開になる。そういうところでのバッティングをもう少し考えていかないといけない」と満足していない。

◆阪神近本光司外野手(29)が出場10試合ぶりのマルチ安打を放った。初回から先発九里の133キロ変化球を捉え、右前打で出塁。5回2死二塁では投ゴロで快足を飛ばし、内野安打をもぎとった。6月14日ソフトバンク戦以来の複数安打だ。前日2日の広島戦では18打席ぶりに安打を放ち、長いトンネルを脱出。一夜明け、この日も快音を響かせた。「ヒットになって良かったなと思います」と振り返った。

◆広島九里亜蓮投手(32)が痛恨の2被弾に沈んだ。2回1死から阪神佐藤輝に141キロを右翼席に運ばれ、先制を許した。味方打線が初めて得た好機で同点に追いついた直後の6回は、無死一塁から併殺で2死としながら再び佐藤輝に外角スライダーをうまく左翼席へ運ばれた。「球どうこうより、打たれてしまっているので。映像を見ながら反省するところは反省したい」。試合の流れを手放す1球に唇をかんだ。チームは3連敗となった。広島新井監督(阪神大竹に昨季から8連敗)「いろいろ考えながらやっているんだけど、これだけ何回も同じ投手にやられるというのは、すべて私の足りなさだと思います」

◆広島がまたも阪神大竹に抑え込まれ、昨季から8連敗を喫した。5回まで1人の走者も出せなかった打線は、1点ビハインドの6回。2死から相手のミスで得点圏に走者を進めると、矢野の一塁線を破る適時三塁打で追いついた。だが直後、先発九里が2回に先制弾を浴びた佐藤輝に再び左翼席へ勝ち越し弾を被弾した。チームも3連敗となり、2位阪神に2ゲーム差に迫られた。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-先発九里投手が援護点と、併殺の直後に決勝弾を浴びた2本目は特にフォロー(の風)が吹いていたからね。でも、しっかりゲームはつくってくれた。気合も入っていたし、しっかりとゲームはつくってくれたと思います。-打線は大竹投手に対してまたも苦戦。こちらもいろいろ考えながらやっているんだけど、これだけ何回も同じ投手にやられるというのは、すべては私の足りなさだと思います。反省して、しっかり私が考えたいと思います。-70キロ台の遅球も交えた投球に惑わされたかそこは今日に限ったことではないのでね。すべては私の足らなさだと思います。またしっかり試合を見直して、また対戦する相手だと思うので、あとは私がしっかり考えたいと思います。-3番起用の上本選手の無安打が続く上がって来てから出ずっぱりなので、体力的にも疲労はあると思う。そこも含めてまた考えたいと思います。-阪神戦は前カードから1点差が続くタイガース戦に限らず、ほとんどの試合がロースコア。ピッチャーが頑張ってくれている。ピッチャーが頑張って、今日も矢野にいいプレーがあったし、コイシ(石原)もいいプレーがあった。しっかりロースコアを勝っていくという、そこは今年のスタイル。タイガース戦に限らずね。あとはどのようにして点を取っていけばいいのか、というのは私が考えるところ。

◆阪神ハビアー・ゲラ投手(28)は相性が良くない広島打線を相手に2戦連続無失点だ。1点リードの8回に登板し、6番菊池を遊ゴロ、7番矢野を右飛に仕留めた。代打坂倉に右前打を許したところでマウンドを降り、2/3回を無失点。前日2日広島戦は9回に1死満塁とされながら無失点。この日はイニング途中の降板となったが「昨日は昨日。切り替えが大事。イニングを終わらせたかったけど、仲間を信頼しているので」と冷静だった。

◆阪神岩崎優投手(33)が3人斬りで今季11セーブ目を挙げた。上位打線から始まる1点リードの9回に登板。1番秋山を中飛、2番野間を左飛、3番上本を遊ゴロと危なげなく打ち取った。前日2日から連投となった中、6月16日ソフトバンク戦以来のセーブ。7試合連続の無失点となった。「(これからも)頑張ります」と語り、球場を後にした。

◆阪神大竹耕太郎投手(29)が、早大の先輩岡田監督に記念星をプレゼントした。7回1失点(自責なし)で5勝目。7回は主軸3人にすべて緩い球から入る、いつも以上の大胆投球。「今日は『ギア低め』というキャラ設定でした。もう1試合くらい投げられる。完投させたいと思わせる何かが僕には足りない。信頼を勝ち取りたい」。大竹ワールドの97球だったが、満足はしなかった。29歳になったばかり。中堅の域に入っても進化に貪欲だ。ソフトバンク時代の先輩で今も自主トレをともにする43歳和田が手本。「40歳超えてMAX更新する人を見ているんで(笑い)。あの年齢でもあんなに伸びしろがある。僕も衰退するイメージは全くない」。現役ドラフトで指名し、花咲かせてくれた監督の節目。だがウイニングボールをうっかりもらってしまった。「やばいですかね? でも明日でしょ。更新の方が大事じゃないですか」と笑った。阪神島田(6番右翼で先発し、5回に一塁内野安打)「1本出て少しホッとした部分はあります。きれいなヒットではなかったけど、Hランプをつけられたのは良かったかな」阪神桐敷(1点リードの8回2死一塁に登板。代打松山を空振り三振)「塁は空いていたので(ゾーンは)広く。長打で帰ってくることもあるので、そこを一番気をつけていました」

◆出た! それも1本じゃない。2本出た。阪神佐藤輝明内野手(25)が、マツダスタジアムで待ちに待った放物線を描き、岡田監督に虎勝の指揮官通算514勝のメモリアル勝利を届けた。「よかったです」。会心の笑みがこぼれた。まずは0-0の2回1死の第1打席。広島先発九里の内角141キロ直球を引っ張った。右翼席への4号ソロ。これが4月21日の中日戦以来、123打席ぶりの本塁打。自己ワーストのノーアーチも止める先制ソロだ。「久しぶりすぎて」。思わず本音が漏れた。波に乗った。同点に追いつかれた直後6回2死。今度は九里の低めのスライダーを左翼席へ。今季初の1試合2発。これで勝った。阪神が同一選手のソロ2本で勝利したのは、95年5月20日広島戦(甲子園)のグレン以来。日本人では83年10月9日中日戦(ナゴヤ)の吉竹春樹以来だった。右へ左へ、データ的にも激レアな2発。もちろん佐藤輝もプロ入り初の快感だ。「最近、いったかな? と思った当たりが入らなかったので、ちょうどどうかなと思いましたけど、入ってよかったと思います」。これが千金の勝利打点となり、久々にヒーローインタビューも受けた。リベンジの思いも強かった。5回2死の守備では菊池の三塁線へのゴロを見事にキャッチ。だが、一塁送球がそれた。自らの悪送球からピンチを招き、同点に追いつかれた。それだけに「大きかった」とミスを挽回する一撃に安堵(あんど)しながら、「もっともっとしっかり打ちたい」と前を向いた。プロ入り後は右翼と三塁、どちらも守った。三塁一本で固定してくれたのが岡田監督だ。「当たり前のことを当たり前にやる。それを求められる監督」と佐藤輝は言う。直接は言われなくても、プロ野球選手として大切なものを学んできた。これからも恩返しの1発を重ねていく。「良い状態をキープして貢献していきたい」と復調への手応えもつかんだ。一気の量産態勢に入りたい。【中野椋】阪神佐藤輝が今季初の1試合2本塁打。23年5月14日のDeNA戦(甲子園)で放った2本塁打以来の複数本塁打で、広島戦ではプロ入り初めてだ。佐藤輝の決勝打は4月21日の中日戦(甲子園)で松葉から放った決勝3ラン以来、今季5度目。勝利打点5は近本、大山と並びチームトップだ。また、佐藤輝が今季本塁打を放てば4戦全勝で、5発すべてが肩書付き。ここ一番で勝利をもたらすアーチが目立つ。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、虎の指揮官として歴代1位の藤本定義に並ぶ通算514勝をマークした。目にかけてきた佐藤輝明内野手(25)が、今季初の1試合2発のお目覚めで広島に快勝。阪神で500勝以上挙げた監督の勝率5割6分6厘は歴代1位で、2度のリーグV&日本一はただ1人と猛虎史上、最強監督の称号を得た。首位広島を連倒して2ゲーム差に接近。きょう4日、一気の3連勝で藤本超えに臨む。阪神歴代監督の最多勝利にも、岡田監督はいつも通りだった。通算514勝。藤本定義監督に並んだが、反応は素っ気なかった。「(記録は)そんなん関係ないないやん、関係ないってもう(笑い)」1962年(昭37)、2リーグ分立後の阪神初優勝は藤本監督が導いた。岡田少年は4歳。父の勇郎さんが阪神の後援者だった関係で、御堂筋での優勝パレードに藤本監督に抱かれて参加した縁がある。そして62年後、阪神を2度のリーグVに導いた名将に肩を並べた。「誰も覚えてないやろ。(記念球は)いらんよ」。500勝以上挙げた阪神監督は藤本と2人だけだが、勝率5割6分6厘は藤本より上。2度のリーグV&日本一も唯一で、猛虎史上、最強監督の称号を得た。04年4月2日巨人戦で挙げた1勝から、514個の白星を「岡田野球」で積み上げた。野球は守備から、常に次の塁を狙う姿勢...。基本を大切にしながら、時代を先取りする思考で球界に変革をもたらしてきた。05年はウィリアムス、藤川、久保田による勝利の方程式「JFK」を形成。画期的な救援陣の分業制で1度目のリーグ優勝に導いた。2度目の監督に就任した昨年は四球の査定ポイントアップを球団に提言。12球団最多494の四球を選び、05年以来のリーグVと日本一の原動力になった。年月とともに選手との接し方も変わった。負けられない試合の直前。先発投手に声をかけることもある。「今日大丈夫か? 頼むぞ」。白星がつかなければ「惜しかったな。また次やな」とフォローを入れることもある。起用に関する答えが出ていても、コーチや選手の意見を聞くこともある。16年前の第1次政権時とは異なる接し方だ。ずっと変わらないこともある。「もう1回、阪神の監督をやるぞ」。1度ユニホームを脱いでから、周囲にそう漏らしていた。心の中で燃える思いは隠せなかった。試合中に身につける腕時計は黄色と白色に虎が描かれたデザインの2本。飲みに行く回数は減り「休みの日のゴルフは年齢的にしんどいわ」と笑うが、阪神一筋の愛は変わらない。愛のムチで2軍に落とすなど、目にかけてきた佐藤輝がソロ2発でメモリアル勝利を運んでくれた。「久しぶりやろ。その2点やからな。フォアボールも選んどったし、2打席目も」と岡田節でたたえた。首位広島に連勝し、2位に浮上。ゲーム差も2に縮めた。3連勝で藤本監督超えの515勝を挙げ、まずは1ゲーム差に詰める。【磯綾乃】<阪神岡田監督の記録>勝率 阪神で通算500勝以上した監督は藤本定義と岡田彰布のみ。勝率は藤本の5割4分8厘に対して、岡田は5割6分6厘で上回っている。優勝回数 05年と23年の2回優勝に導いている。37年秋、38年春の石本秀一、44、47年の若林忠志、62、64年の藤本定義と並んで球団最多。日本一経験 リーグ優勝した23年にオリックスとの関西シリーズを制して日本一。球団では吉田義男が率いて初の日本一となった85年以来、38年ぶり2度目の美酒に導いた。2度のリーグ優勝と日本一は球団唯一。Aクラス入り 阪神監督として今季が通算7シーズン目。過去6シーズン中5度Aクラス入りし、04年の4位が最低成績。2リーグ制後、球団でAクラス5度は、7度(シーズン途中から指揮を執った66年含む)3位以上に導いた藤本定義に次いで2番目の多さ。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神佐藤輝明が広島戦で123打席ぶりの先制アーチに、勝ち越し弾と1試合2本塁打の爆発! 久しぶりのヒーローインタビューに笑顔がはじけました!

◆阪神・岡田彰布監督(66)はこの試合に勝利すれば阪神の監督として514勝目となり、球団歴代1位の藤本定義氏に並ぶ。今季はここまで35勝34敗4分けの成績で勝ち星を積み上げてきた。大竹耕太郎投手(29)は広島戦は通算9試合登板で7勝無敗。マツダスタジアムも5戦5勝と得意にしている。6月29日に誕生日を迎えた左腕が29歳の初星を目指す。野手では前川右京外野手(21)が「3番・左翼」で先発。島田海吏外野手(28)が「6番・右翼」に入り、森下がスタメンを外れた。

◆阪神・近本光司外野手(29)が一回先頭で右前打を放った。九里の133キロカットボールを右前にはじき返した。近本が一回先頭で安打を放つのは6月15日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来。前日2日の延長十回に18打席ぶりにヒットを放ったリードオフマンが完全復活の兆しを感じさせた。近本の一打からつながりたい打線だったが、続く中野は遊ゴロ併殺。近本が再三スタートを切り、エンドランを仕掛けたが最悪の形で終わった。3番・前川も中飛に倒れ、阪神は一回を無得点で終わった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が二回の第1打席で先制の4号ソロを放った。カウント0-1から2球目、九里の141キロ直球を振り抜いた。打球は真っ赤に染まった右翼席へ着弾。佐藤輝は4月21日の中日戦(甲子園)で放って以来、自己ワーストの122打席連続ノーアーチだったが、123打席ぶりの一発となり、球団を通じて「打ったのはストレート。いいスイングができました。久しぶりすぎて。まずは先制できたのでここからも頑張ります」とコメントした。雨天中止となった6月28日のヤクルト戦(神宮)の練習後は、岡田監督も「ホームランなんて出るよ」と予言。指揮官の期待に応える一発で阪神が先手を奪った。

◆広島・アドゥワ誠投手(25)が試合前練習に参加し、先発する4日の阪神戦に向けてキャッチボールなどで調整した。4月10日の甲子園出の対戦では白星を挙げており、「何とかホームベースを踏ませないように粘り強く投げたい」と意気込んだ。前回登板6月27日のヤクルト戦(マツダ)は6回?を6安打3失点(自責0)で勝敗は付かなかったが、今季はここまで11試合に先発し、5勝2敗、防御率2・82と安定感を示している。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)が〝超遅球〟で広島打線を翻弄している。四回2死。上本に投じた2球目は72キロのスローボール。続く3球目はこの日最速の143キロ直球で投ゴロに打ち取った。緩急差は71キロ。広島打線を翻弄し四回まで一人の走者も許さない完璧な投球を続けている。

◆阪神・大竹耕太郎投手(29)が五回2死二塁のピンチで矢野に右翼線へ適時三塁打を浴びた。五回2死まで一人の走者も許さない完璧な投球を見せていた左腕だが、菊池の鋭い打球が三塁線を襲った。三塁手・佐藤輝が好捕も送球がバウンド。大きく後ろにそれて2死二塁のピンチを背負うと、矢野に同点打を浴びた。なおも2死三塁とピンチは続いたが、大竹が中村健を投ゴロに打ち取って勝ち越しは許さなかった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が六回の第3打席で勝ち越しの5号ソロを放った。カウント2-1から九里の123キロチェンジアップにバットを合わせた。左翼方向へと舞い上がった打球はそのままスタンドへ。佐藤輝は二回の第1打席に123打席ぶりとなる4号ソロを放つも、五回に同点につながる悪送球。守備のミスをバットで取り返した。「打ったのはチェンジアップ。逆方向へいい形で捉えることができました。自分のミスで追いつかれてしまったあとだったのでなんとか取り返したい気持ちでした。勝ち越すことができてよかったです」。1試合2本塁打は今季初で、2023年5月14日のDeNA戦(甲子園)以来。逆方向へのホームランも今季初で昨年9月25日の中日戦(バンテリンドーム)で放って以来だった。

◆阪神は相手のミスで得たチャンスで追加点を奪えなかった。2-1の七回、先頭の坂本が左前打で出塁。続く小幡は送りバントを試みたが、捕邪飛に倒れる。それでも、大竹のバントを三塁手・小園が二塁へ送球したが、カバーに入った遊撃手・矢野が落球。阪神はラッキーな形で1死一、二塁のチャンスをつくったが、2番手・ハーンの前に近本が左飛、中野が空振り三振に倒れた。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)は7回1失点で降板した。鯉キラーぶりを存分に発揮した。四回2死で上本に72キロのスローボールを投じるなど打者を緩急で手玉に取り、四回まで一人の走者も許さない投球。1―0の五回2死、菊池の三ゴロを佐藤輝が悪送球して初の走者を許すと、続く矢野に同点打を浴びたが、失点はこの1点のみ。97球で7回を投げ切って許したのは2安打のみ。この試合まで広島相手に9戦7勝無敗、マツダスタジアムで5戦5勝と相性のいい相手にまた好投した。

◆阪神・野口恭佑外野手(23)が2-1の八回2死一塁で島田の代打で登場。3番手・黒原に対し、2球で追い込まれながら粘ったが、最後は152キロの直球にバットが空を切った。6月29日のヤクルト戦から1軍に初昇格し、この日が3試合目の出場。5打席目でも快音ならず、初安打はまたお預けとなった。

◆2-1の九回1死一塁、阪神・森下翔太外野手(23)が4番手・森浦の2球目を打つも、遊ゴロ併殺に倒れた。虎打線は一回に中野、六回に大山がともに遊ゴロ併殺に倒れており、これで3つ目の併殺打となった。

◆阪神は佐藤輝明内野手(25)の2本塁打で首位広島に連勝を飾った。主砲が目覚めた。佐藤輝は二回1死で先発・九里の直球を捉えて右翼スタンドへ。4月21日の中日戦(甲子園)以来123打席ぶりの4号ソロで先制すると、1―1の六回に今度は左翼へ放り込む5号ソロで勝ち越しに成功した。先発の大竹耕太郎投手(29)は1―0の五回に佐藤輝の失策で許した走者を二塁に置き、矢野に適時打を許して同点に追いつかれる。それでも以降は崩れず7回1失点で5勝目。鯉キラーぶりを発揮した。この1勝で岡田彰布監督(66)は阪神の監督として通算514勝目で、球団歴代1位の藤本定義氏に並んだ。投打がかみ合い、広島とのゲーム差を2に縮めた。

◆六回、本塁打を放った阪神・佐藤輝明=マツダスタジアム(撮影・松永渉平)

◆阪神・岡田彰布監督(66)が虎将7年目で514勝(394敗28分)に到達し、球団最多の藤本定義(424敗24分)に並んだ。二回に123打席ぶりのアーチを記録した佐藤輝明内野手(25)が、自身の失策を機に追いつかれた直後の六回、左越えに放った5号本塁打が決勝点となった。佐藤輝の複数本塁打は昨年5月14日DeNA戦(甲子園=3ランと満塁弾)以来6度目。7回1失点(自責0)の大竹耕太郎投手(29)は5勝目(4敗)で広島戦は10戦8勝無敗。森下翔太外野手(23)は八回の守備から右翼に就き、九回1死一塁で遊ゴロ併殺に倒れた。2位に浮上し、首位広島に2差に迫った岡田監督の主な一問一答は以下の通り(成績=36勝34敗5分、観衆=2万7349人)。ーー佐藤輝が久しぶりに「久しぶりやろ」ーー神宮(6月28日)で、本塁打が出ると話していた「まあな。その2点やからな」ーー相手バッテリーも佐藤輝を嫌がっていた「まあ、最初のな、1打席目やったからな。2打席目か。フォアボールも選んどったし。2打席目も」ーー守備もミスもあったが(五回2死からゴロを処理した佐藤輝の一塁悪送球後に、大竹が同点打を浴びる)「いや、いつもワンバン放れ言うてんのに」ーー大竹は持ち味を「まだちょっと余力残したけどな。今日はな。まあ、2イニングやったらな。何とか継投いけるしな」ーー広島との相性がいい「あの緩い球を放れるいうことは、自信持っとるんやろな。タイミング外すというかな、緩急を。言うても相手が嫌がってるもんな」ーースコアは2-1だが、勝ち方は「いや、(広島内野陣の)ファインプレーもあったけどな、どこかで1本出てたら楽やったけどな。まだまだそんな楽には勝てんわ。でもこないして、しのいで行ったら、もうちょい楽な勝ち方が出来るようになるんちゃうかな」ーー潮目は変わった感じはするか「それはヒットも出るようになったし、チャンスを作れているからな、そこで回って来た者がな、そこで1本タイムリーでも出たらな、だいぶ楽になるよな、やっぱこういう勝ちな、逃げ切るというかな」ーー514勝「そんなん関係ないないやん、関係ないって、もう」ーー積み重ね「うん、それをなあ、おーん、だから7月入って、オールスターまでの区切りやな、そこでどんだけ貯金積み重ねられるかやろなあ、やっぱり」ーー4日の試合が持つ意味は大きい「いやいや大きいけど、村上も分かっとるよ、そんなもん。昨日もブルペン見たけど、だいぶ調子も、いい時に戻っとるよ」ーーここ数日はイニングにこだわらない継投。オールスターまでの貯金を「そうやなぁ。まずオールスターまでやからなぁ、おーん。まぁだから連投になるけどな、なるべく球数少なく、あんまり負担かからんような球数でな、オールスターまで、ひと区切りやから、そこはひと踏ん張りやな。もうちょっと点取ったら、もうちょっと楽に行けるんやけどな、こういうゲーム展開やから、しゃあないけど」ーーウイニングボールは「そんなん誰も覚えてないやろ。いらんよ」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は2004年、阪神指揮官に就任した岡田彰布監督(66)をフロントとして支えただけに、514勝の重みを感じ取っていた。岡田監督が阪神の監督最多勝に並んだ。2004年の監督就任時、私が編成部長。監督1勝目から見守り、チーム作りの話し合いを重ね、後方から支え、そしてずっと応援してきたので、感慨もひとしおだ。柔軟な発想が、ここまでの大監督になれた最大の要因だろう。藤川球児が長いイニングよりもスタミナ的に短いイニングに適していると見抜き、JFKの勝利の方程式を作り上げた。この分業の成功例が現代野球の常識になっている。見る目の正確さは驚くばかり。鳥谷が入団し、能力を見抜いての遊撃固定だったが、二塁手に藤本をコンバートできたことが大きかった。岡田監督自身が現役時は二塁手で、その重要性を分かっているのだろう。昨年の中野のコンバートにも通じる。こうと決めたら、徹底的に実行する信念も持っている。試合は打線に当たりが戻ったが、つながりが悪く、岡田監督も不満はあるだろう。まさに、監督の腕の見せ所ではある。フロント、コーチ陣が支えて、白星を積み重ねていってほしい。

◆阪神・岡田彰布監督(66)が虎将として藤本定義監督に並ぶ球団最多の通算514勝目を挙げた。佐藤輝明内野手(25)が二回に自身123打席ぶりの一発となる先制の4号ソロ、同点の六回には勝ち越しのソロを放つなど、今季初の1試合2発と完全復活した。主な選手のコメントは以下の通り(成績=36勝34敗5分、観衆=2万7349人)。1試合2本塁打の佐藤輝 「グラウンドにもミンミンゼミが落ちていました。試合中に」72キロのスローボールも投げて7回1失点で5勝目の大竹 「きょうはギアを低くするキャラ設定で、三振を取らずに基本打たせる、と」六回に一塁内野安打を放った島田 「きれいなヒットじゃなかったですけど、Hランプをつけられたのは良かった」8試合連続安打の中野 「個人としてヒットが出ていることは気持ち的にはいいんですけど。チャンスで打てていないってところが悔いが残る」八回2死一塁で代打・松山を空振り三振に斬った桐敷 「ザキさん(岩崎)につなぐというところだったので、最高の形で(バトンを)渡せたので良かったですね」

◆広島の九里は、阪神・佐藤輝に屈した。2本塁打を浴び、6回2失点で自身の連勝は4で止まって5敗目。二回に内角直球を右へ、1―1とした直後の六回は変化球を左へ運ばれ「映像を見たりして反省したい。またいい投球ができるように準備する」と気持ちの切り替えを図った。阪神の大竹は、広島打線が昨季から一度も黒星を付けられていない大の苦手。投手戦が予想された中、避けたかった本塁打による失点が重なり、捕手の石原は「一番警戒しないといけないところでやられてしまった」と悔やんだ。

◆阪神・近本光司外野手(29)は一回先頭で右前打を放つと、五回は投前に内野安打。6月14日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来となる2安打をマークした。前日2日は延長十回に18打席ぶりの安打。この日最初の打席でも好結果を継続し「ヒットになってよかった」とうなずいた。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)は四回の先頭で中前打を放ち、今季最長に並ぶ8戦連続安打。五回2死一、三塁でも遊撃に強い当たりを放ったが、矢野のダイビングキャッチに阻まれた。近本の復調もあって好機で迎える打席が増え「チャンスで打てていないところが、悔いが残る。そういうところでのバッティングをもう少し考えていかないといけない」とさらに結果を求めていく。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が2試合ぶりに先発を外れ、八回の右翼守備から出場。九回1死一塁でこの日初めての打席を迎えたが、森浦のチェンジアップを引っかけて遊ゴロ併殺に倒れた。2日の同戦は3番で先発するも3三振を喫するなど4打数無安打。岡田監督は「いつまでもいつまでもホームランばっかり狙って」と苦言を呈されており、結果を出してアピールするしかない。

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)が連投で八回に登板。2死を奪ってから代打・坂倉に右前打を浴びたところで桐敷にバトンタッチした。2日の同戦では延長十回に登板し、1死満塁を招くも無失点。「日が変わればちゃんと切り替えることが大事だと思っている。それがきょうはできた」とうなずき「回を終わらせることはできなかったが、みんなのことも信頼しているし、結果的に抑えられてよかった」と桐敷に感謝した。

◆阪神・桐敷拓馬投手(25)は2―1の八回2死一塁でマウンドへ。代打・松山を簡単に追い込むと、最後は低めの変化球で空振り三振を奪った。「長打を一番気をつけていた。ザキさん(岩崎)に最高の形で(バトンを)渡せたのでよかった」。今季34登板はチームトップで、ホールド数は中日・松山に並びリーグトップの21個。今後も緊迫する場面で仕事をこなしていく。

◆阪神・島田海吏(28)は「6番・右翼」で2戦ぶり、今季5試合目の先発出場。六回に佐藤輝の勝ち越し弾で2―1になった直後、快足を生かして一塁への内野安打を記録し、「スタメンで出るときにヒットが出ないと不安になるので、一本出たことはホッとした。きれいなヒットじゃなかったが、Hランプをつけられてよかった」とうなずいた。打席数は少ないものの、打率・333(21打数7安打)と貴重な戦力になっている。

◆タテジマのユニホームに袖を通し、頂にたどり着いた。阪神・岡田監督(66)が巧みな采配でブルペン陣を操り、競り勝った。阪神の指揮官として藤本定義監督に並ぶ球団最多の514勝目を挙げた。「そんなん関係ないやん、関係ないってもう」〝個人記録〟についての質問に笑みを浮かべつつ、チーム一丸の勝利を強調した。2-1の八回に先発の大竹に代えて、ゲラを投入。2死一塁から代打・松山に対して桐敷にスイッチし、空振り三振に抑えて反撃ムードを断ち切ると、九回は岩崎が三者凡退で締めた。「7月入って(23、24日の)オールスターまでの区切りやな、そこでどんだけ貯金積み重ねられるかやろな。だから連投になるけどな、なるべく(投手は)球数を少なく」と虎将。シーズンを戦い抜くための術を詰め込んだ継投がハマり、1点リードを守り切った。

◆さすが、千両役者! 阪神は広島に2-1で勝ち、リーグ戦再開後初の2連勝。佐藤輝明内野手(25)が二回に自身123打席ぶりの一発となる4号ソロ、同点の六回には勝ち越しのソロを放つなど、今季初の1試合2発と完全復活した。岡田彰布監督(66)は虎将として藤本定義監督に並ぶ球団最多の514勝目。悲願の連覇へ、イチ、ニ、サン、GO!久々の手応えが佐藤輝の手に残った。岡田監督の偉業を彩るアーチがマツダの空に架かる。しかも、2本! この一発を誰もが待ち望んでいた。虎の大砲がついに輝きを取り戻した。「最近(スタンドに)いったかなというやつが入らないことが多かったので、ちょっとどうかなと思いましたけど、入ってよかったです」二回1死。九里の141キロ直球を振り抜いた。「(右翼手・野間の)追い方的にちょっと怪しかった。危なかったです。手応えはよかったですけどね」。舞い上がった白球に野間がじりじりと後退する。フェンスに背を向けた。4月21日の中日戦(甲子園)で放った3号3ランから123打席ぶりの一発となる4号ソロ。自己ワーストのノーアーチ期間に終止符を打ち、ホッとした表情でダイヤモンドを一周した。サトテル劇場は続く。五回の三塁守備では菊池の打球を好捕も悪送球。直後に同点とされた。「絶対打つ、という気持ち。取り返せてよかった」。四球をはさみ、六回には九里のチェンジアップを今度は左翼方向へ。汚名返上の決勝5号ソロ。1試合2発も逆方向への一発も今季初だ。この2点を守り切り、岡田監督は球団歴代最多に並ぶ阪神監督通算514勝目を挙げた。雨天中止となった6月28日のヤクルト戦(神宮)の練習後「ホームランなんて出るよ」と予言していた指揮官も「久しぶりやろ」と4戦目での的中に白い歯がこぼれた。

◆早大野球部で監督を務めた石山建一氏(81)が3日、教え子である阪神・岡田彰布監督(66)が虎将として球団1位タイの514勝を挙げたことを祝福した。また、巧みな戦術から「伊予の古だぬき」と呼ばれた藤本定義監督と比較し、岡田監督には〝腹芸〟の習得をすすめた。阪神の監督として歴代1位の勝利数に到達し、本当におめでとうございます。僕は早大の先輩でもある藤本定義さんとお会いしたことはありませんが、「伊予の古だぬき」というあだ名がついていて〝腹芸〟ができたと聞いています。岡田監督は正直な人だから、あんまりそういう駆け引きはしないが、もう少しとぼけてやってもいいと思います。自分の腹の内を見せないでほしい。岡田監督は負けたらこの野郎という態度になって、勝ったら喜ぶ。こういった姿勢も負けん気が強いからですが、もう少し〝腹芸〟をやってほしいですね。大学時代から野球の偏差値はものすごく高かった。明大のエースだった鹿取義隆(のちに巨人入団)はスライダーとシュートを得意としていました。僕は他の右打者にはスライダーを狙えと言いましたが、岡田監督は内角でも詰まらなかったから「インコースも強いから引っ張っていいよ」と伝えていました。打ち方がいい。他の選手への手本として打たせました。

◆〝鯉キラー〟がメモリアル勝利を呼び込んだ。投のヒーローは7回2安打1失点(自責0)で5勝目をつかんだ阪神・大竹耕太郎投手(29)だ。「初球を振られるのが嫌だな、と思って投げるのか、それを利用してやろう、と思うのか。自分のマインドとして、今日はポジ(ティブ)志向が全部できた」切れのある直球に、四回には最遅72キロも計測したスローボールを投じるなど、緩急を駆使。相手の積極性も打たせて取る投球に利用し、五回2死まではパーフェクトだった。この回は佐藤輝の失策から同点に追いつかれたが後続を断って逆転は許さず、直後の佐藤輝の〝おわび弾〟の1点は七回まで守った。通算10度目だった広島戦は無傷の8連勝。特にマツダでは初登板から6戦6勝。球団では能見篤史が開場した2009年から10年に記録した数字に並んだ。この日、岡田監督の球団監督勝利数は最多タイの514勝に到達。左腕にとっては早大の大先輩であり、2022年の現役ドラフトで虎に導いてくれた存在だ。将が「いらんよ」と話した記念球の所在は大竹のもとにあった。「俺持ってるわ。ヤバいですか?」と一瞬あたふたしたが、ひと呼吸置き「どちらかと言ったら明日(4日)でしょ。更新の方が大事じゃないですか?」とケロリ。単独1位に立ったときの記念球を届ける役目は次戦の村上に託した。「もっともっと投げさせてもらえるように、信頼を勝ち取っていかないと」7回97球の好投にも満足しない。指揮官への恩返し。心を揺さぶるような投球を続けていく。(須藤佳裕)

◆巨人の名将だった藤本定義が阪神にやってきて、ヘッド兼投手コーチに就任した。藤本は当時のトラ番記者によく言っていたそうだ。「プロ野球界は巨人が支えてきた」「巨人は強くなければいけない」これに対して、トラ番記者はむかっ腹が立っていた。阪神のユニホームに袖を通しながら、なんで巨人、巨人なのかと。やがて、監督に昇格して、トラ番に漏らす。「やっぱり伝統ある阪神のユニホームに、監督として袖を通したら震えた。全身にサブイボが出た」一気に親近感が増したという。やがて、監督とトラ番という立場で話をする中で、名将の真意が伝わってきた。プロ野球を支えてきたのは巨人だが、それは強烈なライバル球団があって、そのライバルと競ってこそ、意味がある。巨人が強くなるためには、ライバルはさらに強くなくてはならない...。巨人の監督が〝掟破り〟で阪神にやってきたのは、球界を今まで以上に盛り上げる使命を果たすためだった。そうと知ったトラ番たちは、一生懸命に藤本を取材した。巨人にどこか引け目を感じていたトラ番にとって、巨人の選手を見下す藤本は頼もしかった。試合前の甲子園一塁側ベンチ前。報道陣と話していた藤本が、巨人の選手が到着すると(当時のビジター球団は高校野球同様に一塁側ベンチ横から球場入りしていた)、そこに歩み寄って睨みつけた。巨人ナインに挨拶を〝強要〟したのだ。こっちが上だぞ!と言わんばかりに。ビジター球場ではベンチに座って、ノックを受けている巨人の主力に対して「あのヘナチョコは何という選手や!」。知らないはずのない大選手だ。大声だから当然、聞こえる。困惑させた。

◆万歳!! 佐藤輝が123打席ぶりの先制ホームラン!! と思ったら、ガックリ~。五回二死、大竹の完全試合を壊すテルの大エラーから同点に追いつかれた...。ところがよっしゃあ!! 六回、サトテルちゃんに本日2本目のアーチ!! 終わってみれば、これが決勝打となったのだ。なんやこれー。『サトテルのサトテルのためのサトテルの試合』やんかー!! それでも良しや! これからもガンガン打ちまくっておいしいところ持ってったれー!!だけどさぁ...5番打者が2アーチを放ったのに、相変わらず頑なな『猛虎2点打線』はどーしてなわけ? バントミス3度にゲッツー3度は普通負けるよ...。仏の顔も3度までで許してくれたのかなぁ...。情けなや。「そこで草野球をやっている若者たち、阪神のピッチャーにならへんか?」。だって7回2安打1失点(自責1)の大竹なんか、70キロ台のボールを多投してカープ打線をキリキリ舞いさせてんだから、みんなチャンスあるぜー!! と、おちゃらけながらも大竹耕太郎の頭脳と度胸と冷静なプロのマウンドさばきに、絶賛の大拍手を送らせていただくのだ!! 160キロより70キロの方が時にまぶしいプロ野球は楽しきかな!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
37314 0.544
(↓0.008)
-
(-)
71208
(+1)
168
(+2)
31
(-)
39
(-)
0.233
(↓0.002)
2.020
(-)
2
(1↑)
阪神
36345 0.514
(↑0.007)
2
(↑1)
68210
(+2)
201
(+1)
31
(+2)
23
(-)
0.222
(↑0.001
2.160
(↑0.03)
3
(1↓)
DeNA
37351 0.514
(↓0.007)
2
(-)
70251
(+3)
251
(+5)
46
(+1)
38
(-)
0.249
(↓0.002)
3.060
(↓0.02)
4
(-)
巨人
36355 0.507
(↑0.007)
2.5
(↑1)
67212
(+6)
198
(+1)
38
(+1)
37
(+1)
0.234
(-)
2.450
(↑0.02)
5
(1↑)
ヤクルト
32384 0.457
(↑0.008)
6
(↑1)
69266
(+5)
257
(+3)
52
(-)
37
(+2)
0.238
(-)
3.270
(-)
5
(-)
中日
32386 0.457
(↓0.007)
6
(-)
67174
(+1)
240
(+6)
31
(-)
25
(-)
0.232
(-)
2.710
(↓0.03)