広島(★0対3☆)阪神 =リーグ戦11回戦(2024.07.02)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 12345678910
阪神
00000000033810
広島
00000000000510
勝利投手:岩崎 優(3勝3敗10S)
(セーブ:ゲラ(0勝3敗9S))
敗戦投手:島内 颯太郎(5勝5敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 広島戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆阪神は0-0で迎えた延長10回表、島田の安打に相手失策が絡み、試合の均衡を破る。なおも続く好機で近本と中野の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、4番手・岩崎が今季3勝目。敗れた広島は、先発・森下が力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、2試合ぶりにスタメン復帰した。1番近本光司外野手(29)から始まる阪神の「通常オーダー」に戻った。先発は才木浩人投手(25)。キャリアハイの9勝目はなるか。

◆阪神才木浩人投手(25)がまさかの悪送球から踏ん張った。両チーム無得点の2回、先頭4番小園の投ゴロを一塁へ悪送球。右翼森下もクッションボールの処理にもたつく間に、一気に三塁を陥れられた。それでも無死三塁から5番坂倉を三邪飛、6番菊池を投ゴロ、7番矢野を二塁へのハーフライナーに仕留め、無失点で切り抜けた。

◆阪神打線がレア記録を献上してしまった。0-0の5回。相手先発森下の前に、7番梅野、8番小幡、9番才木が続いて3球で空振り三振。3者連続3球三振の「イマキュレート・イニング」達成を許した。阪神打線が同記録を達成されるのは、2リーグ制導入後で初めてとなった。

◆広島森下暢仁投手(26)が、5回に史上20人目となる3者連続3球三振の「イマキュレートイニング」を達成した。4回まで無失点投球の森下は5回、下位打線を相手に攻めの投球を見せた。梅野には緩急で追い込むと、カットボールで空振り三振。続く小幡もチェンジアップと直球で追い込み、最後はカットボールで空を切らせた。最後は投手才木に直球を3球続けて3者連続で空振り三振に切った。1イニング3者連続3球三振=森下(広島)2日の阪神11回戦(マツダスタジアム)の5回に梅野、小幡、才木を3球三振に仕留めて達成。今年の6月1日森浦(広島)以来、プロ野球20人、22度目。広島では78年池谷、前記森浦に次いで3人目。

◆阪神岡田彰布監督(66)が抗議に出た。6回の守備。無死一塁で広島森下が投手前へバントを転ばすと、才木は迷わず二塁へ送球。一塁走者会沢をフォースアウトとした。これに広島新井監督はリクエストを要求。ただ、結果は覆ることがなかった。すると、その後、岡田監督も三塁側ベンチを飛び出した。会沢がスライディングをした際、二塁ベースのカバーに入り才木の送球を捕球した小幡と軽く接触していたとみられ、小幡はダブルプレーを狙う一塁への送球ができていなかった。岡田監督は、この一連の流れについて聞いたとみられ、しばらく山本貴球審と話し込んだ後、ベンチへ戻った。

◆阪神才木浩人投手(25)の無安打無失点投球が5回で止まった。両チーム無得点の6回表、先頭の8番会沢に右前打を許した。2回無死から自らの投ゴロ悪送球で走者を出したが、この無死三塁のピンチで後続の3人をピシャリ。5回までこの1人しか走者を出していなかった。

◆阪神打線が絶好機を逃し、先発才木へ白星を届けることはできなかった。0-0の8回。先頭小幡が左前打で出塁すると、先発才木に代打島田を投入。犠打野選で無死一、二塁と好機を広げたが、1番近本、2番中野、3番森下が凡退。相手先発森下の前に倒れ、先制はならなかった。7回1安打無失点と快投を見せた才木だったが、今季9勝目はお預けとなった。

◆阪神が接戦をなんとかものにした。これで再びの貯金生活。首位広島とも3ゲーム差に縮まった。連敗も「2」でストップとなった。岡田彰布監督(66)は、阪神の監督通算勝利数が513勝。藤本定義監督が持つ球団記録の514勝まで、1勝となった。0-0で迎えた延長11回1死一塁。島田海吏外野手(28)が右前打。スタートを切っていた一塁走者小幡は一気に三塁へ。右翼野間の送球が高く浮くと、カバーに入った投手島内がこれを捕球できず。これがカメラマン席に入り、小幡の本塁生還が認められた。まさかの形で待望の得点に成功した。さらに近本光司外野手(29)も適時打で続いた。先発才木浩人投手(25)は7回1安打無失点の好投。5回まで無安打に封じるピッチングだった。雨あがりで湿度が高い中、大汗をかいて113球を投げきった。この日、球宴のファン投票最終結果が発表され、セ・リーグ先発投手部門で1位。球宴初選出が決まった右腕が、ファンへ御礼の勝利を届けた。

◆阪神島田海吏外野手(28)が好守でサヨナラ機を救った。0-0の9回1死一塁。6番菊池の打球は右翼前に上がった。落ちればピンチ拡大、抜ければサヨナラも考えられる打球。チャージをかけ、最後は飛び込みながらつかみ取った。代打から途中出場した島田だったが、ここぞのプレーでピンチを救った。

◆阪神才木浩人投手(25)は大粒の汗を流しながらゼロを並べた。広島森下と7回まで緊迫した投手戦の中、1歩も引かなかった。7回1安打無失点、6奪三振の粘投。キャリアハイの9勝目はお預けも、113球を投げ抜いてチームの連敗は2でストップさせた。今季6度目の「連敗ストッパー」だ。「正直1点覚悟しましたけど、ファウルフライに取れたのが一番大きかった。そこからちょっといけるかもという感じだったので、結果的にゼロでいけてよかったです」ピンチは自らの失策からだった。2回、広島先頭小園の投ゴロを一塁へ悪送球。ボールが右翼へ転々としている間に三塁まで進まれた。無死三塁でも冷静だった。5番坂倉を150キロの直球で三邪飛に差し込み、菊池の投ゴロで三塁走者を挟んで2アウト。最後は矢野をスライダーで二直に仕留めて、安堵(あんど)の表情でうなずいた。6回先頭の会沢に右前打を浴びるまで無安打無失点投球。さらに6回秋山から奪った空振り三振で、今季85奪三振。巨人戸郷の83奪三振を抜き、再びリーグトップに立った。御礼快投だ。この日、ファン投票の最終結果が発表された。今季8勝の右腕はセ・リーグ先発部門で選出され、プロ8年目で初の球宴出場が決まった。「選んでいただいて、すごくありがたいし、ファンの方が喜んでくれるようなパフォーマンスをできれば」と喜び、ファンに感謝だ。どんな投球を見せたいか問われると「最初はカーブばっかり投げようかなと思ったんですけど、さすがに違うなと思って(笑い)。思い切り真っすぐ勝負でいきたい」と、ちゃめっ気たっぷりに意気込んだ。この日も140キロ後半の直球に、フォークやスライダーを操り、広島打線を手玉に取った。「粘っていたら、今日みたいに最後に点が入ることがある。こういうピッチングが続けてできたらいいかなと思います」。「新・火曜日の男」が気迫の投球で勝利を呼び込んだ。【村松万里子】

◆阪神が接戦をなんとかものにした。これで再びの貯金生活。首位広島とも3ゲーム差に縮まった。連敗も「2」でストップとなった。岡田彰布監督(66)は、阪神の監督通算勝利数が513勝。藤本定義監督が持つ球団記録の514勝まで、1勝となった。以下、岡田監督の主な一問一答。-10回はエンドランから試合が一気に動いた「なあ。島田がうまいことなあ。残しといてよかったよなあ」-その前もいい守備あった「うん」-エンドランはカウント1ー1から。想定して「いやいやそら、ヒットが続けへんねんから」-近本もいい形で「いやいやな、その前にな、やっといい感じで打っとったからな」-8回に近本に声掛け。考えを整理するために「違うやん。打てやん。そんなもん。ゲッツーなってもええから、バントないから、打てやんか。ありがとうございます、言うとったわ。そういうことやろ。本人はバントと思ってるかもわからんけど、中途半端に打たすんやったら、なあ。そういうことやん」-才木もピンチ切り抜けた「まあなあ、それまで1点でもとったらよかったけど、火曜日なんかこういう展開なるよ。しゃあないけどな、勝ちつかなかったのは。球数多かったからな、しゃあない」-火曜日をとった、大きいか「そら大きいのは大きいよ。変な負け方した後の週はじめやから」-才木のバント処理は審判に「え? だから守備妨害やんか。手出とった、左手。足はらってたわ」-球審は違うと「セカンドやろ、(球審の)山本じゃない。判断したって。判断する前にリクエストあるのに、何で判断できるねん、ようわからんわ、そんなの」-島田は数少ないところで、出たところでしっかり仕事してる「少ないところでって。先発でもな、やったんやから、そりゃお前こんな仕事しとったら先発で使うよ。森下の内容見てみ。いつまでもいつまでもなホームランばっかり狙うて。そんなんお前、バッティング教える以前の問題や」

◆両軍先発による投手戦となった一戦は、延長10回に失点を重ねた広島がカード初戦を落とした。3番手島内が1死から四球を与えると、続く島田の右前打を野間が三塁へ悪送球。ミスから均衡を破られ、さらに失点を重ねた。打線も好投の森下を援護できず、今季13度目のゼロ封負けを喫した。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-延長10回に島内投手が3失点(自責ゼロ)新井監督 球自体はいい球を投げているので、また明日に備えてもらいたいなと思います。-制球面では四球を与える登板が目立つ新井監督 本人が一番分かっていると思う。こちらから見ていて球自体はいい球が行っていると思うので、自分自身を疑わずどんどん(ストライク)ゾーンに攻めていってもらえたらいいと思います。昨年のようにね。球(の質)が落ちているようにはみえないから、メンタル的なところだと思うんだけど、メカニック的なところとメンタル的なところを修正して、また備えてもらいたいなと思います。-失点の場面は右翼野間も必死に刺しに行った結果だと思うが...新井監督 野間も本人がしっかり分かっていると思うので、そういうのも付き物なので。また明日に備えてもらいたいなと思います。-今季初対戦となった阪神才木投手の印象新井監督 やっぱりいい投手。こちらも(先発が森下と)いい投手なので、ロースコアになるとは思っていたんですけどね。いいピッチャーにいいピッチングをされたなという感じですかね。森下も120球以上投げて、本当に頑張っていたので、なんとか勝ちをつけてあげたいと思っていたんですけど、次、彼が投げるときは勝ちを付けてあげられるように、こちらもやっていきたいと思います。-島内投手の配置転換は考えないか新井監督 まったく考えてない。(今後も8回?)もちろん。まったく考えてない。

◆今季最多125球、8回無失点の熱投も、広島森下暢仁投手(26)の7勝目はお預けとなった。5回には阪神下位打線を相手に3者連続3球三振。史上20人目となる「イマキュレートイニング」を達成した。球数が106球を超えた8回も続投し、無死一、二塁のピンチを招いたが、上位打線を切って得点を与えなかった。「自分が考えていた投球ができたと思います」。前回の「マダックス」から17イニング連続無失点で、防御率を1・41とした。1イニング3者連続3球三振=森下(広島)2日の阪神11回戦(マツダスタジアム)の5回に梅野、小幡、才木を3球三振に仕留めて達成。今年の6月1日森浦(広島)以来、プロ野球20人、22度目。広島では78年池谷、前記森浦に次いで3人目。

◆広島が延長10回に自滅から3点を失った。3番手島内颯太郎投手(27)が1死から四球を与えると、続く島田の右前打を野間峻祥外野手(31)が三塁へ悪送球。ミスから均衡が破れた。さらに失点を重ね、島内はシーズン自己ワーストを更新する5敗目となった。新井監督は「また明日に備えてもらいたいなと思います」と変わらぬ信頼を口にした。打線も好投した先発森下を援護できず、今季13度目のゼロ封負けを喫した。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、抗議内容を明かした。6回の守備。無死一塁で広島森下が投手前へバントを転ばすと、才木は迷わず二塁へ送球。一塁走者会沢をフォースアウトとした。これに広島新井監督はリクエストを要求。ただ、結果は覆ることがなかった。すると、その後、岡田監督も三塁側ベンチを飛び出した。会沢がスライディングをした際、二塁ベースのカバーに入り才木の送球を捕球した小幡と軽く接触していたとみられ、小幡はダブルプレーを狙う一塁への送球ができていなかった。岡田監督は、この一連の流れについて聞いたとみられ、しばらく山本貴球審と話し込んだ後、ベンチへ戻った。試合後、「守備妨害やんか。手出とった、左手。足はらってたわ」と意見を出したと説明。「判断したって。判断する前にリクエストあるのに、何で判断できるねん、ようわからんわ、そんなの」とあきれた様子だった。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、4打数3三振に倒れた森下翔太外野手(23)に厳しい言葉を投げた。試合後、決勝点を導いた島田海吏外野手(28)について問われると「そりゃお前こんな仕事しとったら先発で使うよ」。一方で「森下の内容見てみ。いつまでもいつまでもな、ホームランばっかり狙ろて。そんなんお前、バッティング教える以前の問題や」と自ら森下の名前を出した。

◆阪神が土壇場で首位カープを寄り切った。0-0で迎えた延長10回1死一塁。島田海吏外野手(28)が右前打を放つと、敵失も絡んで待望の1点をつかみ取った。岡田彰布監督(66)は、阪神の監督通算勝利数が513勝。藤本定義監督が持つ球団記録の514勝まで、1勝となった。これで再びの貯金生活。首位広島とも3ゲーム差に縮まった。連敗も「2」でストップとなった。阪神が今季5度目の延長戦勝利。これで今季延長戦では5勝5敗5分けとなった。阪神が延長10回に3得点。延長戦での複数得点は今季初めてで、23年8月9日巨人戦(東京ドーム)の延長11回に3得点奪って以来。阪神が広島島内に黒星をつけたのは初めて。19年に初対戦してから阪神戦通算38試合目の登板で初めて土をつけた。

◆阪神が土壇場で首位カープを寄り切った。0-0で迎えた延長10回1死一塁。島田海吏外野手(28)が右前打を放つと、敵失も絡んで待望の1点をつかみ取った。岡田彰布監督(66)は、阪神の監督通算勝利数が513勝。藤本定義監督が持つ球団記録の514勝まで、1勝となった。これで再びの貯金生活。首位広島とも3ゲーム差に縮まった。連敗も「2」でストップとなった。男たちのシャウトがこだまする。試合後のベンチ裏は熱狂に包まれていた。延長10回をしのぎ、ゲームセット。アドレナリンあふれるナインが感情を爆発させた。「うおおお!」「しゃあー!」。野手も投手も、同じように声を響かせた。岡田監督は一瞬の勝機を逃さなかった。延長10回1死一塁。打者島田、走者小幡にエンドランのサインを送った。島田が一、二塁間を鋭く破る右前打で応える。小幡は二塁ベースを蹴って三塁へ激走。ここで広島右翼野間の送球が高く浮く。三塁手小園がジャンプしても捕れない。さらにファウルゾーンでカバーに入った投手島内も捕れない。そのままボールはカメラマン席へ。まさかの相手悪送球で待望の1点が入った。これが熟練のタクトだ。一挙3得点。「島田がうまいことなあ。残しておいてよかったなあ」。岡田監督は途中出場の伏兵をたたえた。勝負のエンドランは「いやいや、そらヒットが続けへんねから」。自ら流れを持ってくるしかなかった。島田は「エンドランだったので、真っすぐに負けないように、というところはイメージしていた」。9回には菊池の飛球をダイビングキャッチ。攻守で躍動し「こんな仕事しとったら先発で使うよ」と指揮官は3日広島戦のスタメン起用も示唆した。岡田監督にとって、これが阪神監督通算513勝。藤本定義監督が持つ球団記録の514勝まで、1勝となった。3日にも、虎の監督史に残る記録に到達する。6月最後の試合はヤクルトに8回の4点差をひっくり返され、逆転負け。7月最初のゲーム。週頭の火曜日をとり「そら大きいのは大きいよ。変な負け方した後の週はじめやから」と力を込めた。この日は6回の守りで球審に抗議する場面も。勝利への執念は誰よりも持っている。借金の危機をまたも耐え、これで再びの貯金生活。2連敗で止め、首位広島とも3ゲーム差に縮まった。午後に降った雨は、試合前にはやんでいた。高い湿度の敵地で、大粒の汗をかいた熱戦から波に乗る。【中野椋】

◆阪神近本光司外野手(29)が長いトンネルを抜けた。4打数無安打で迎えた延長10回の1死二塁。島内の直球を捉えた打球は、左翼手の頭上を大きく越えた。悠々と二塁に到達するスタンディングツーベース。先制点を奪った直後のダメ押し打。6月18日日本ハム戦以来、30打席ぶりの適時打となった。「ヒットになって良かったです」6月25日中日戦(倉敷)から続いた無安打記録は今季最長タイの17打席まで伸びていた。8回無死一、二塁の前打席では岡田監督から直接呼ばれてささやかれた。「打て」-。近本は「ありがとうございます。頑張ります」と返して打席に向かった。「プレッシャーにはなりますけどね。でも、監督の一言はすごく大きいと思いますし。あまり言われることはないですけど」結果は中飛だったが、二塁走者の三塁進塁に成功。指揮官は「本人はバントと思ってるかも分からんけど、中途半端に打たすんやったら、なあ」と意図を説明した。不振が続く中でも、信頼は変わらない。言葉に応える一打を、直後の打席で決めた。この日は球宴のファン投票最終結果が発表。89万6913票でセ・リーグ外野手部門1位を獲得し、自身5度目の選出が決まった。昨年は死球による「右肋骨(ろっこつ)骨折」で出場辞退。「去年はケガで出られなかった。今年はしっかりその舞台に立って楽しくプレーできたら」と元気な姿を誓った。虎党にも感謝を伝える"御礼打"で試合を決めた。【波部俊之介】

◆阪神岩崎が今季3勝目を挙げた。0-0の9回裏に4番手で登板し、1回1安打無失点。チームは延長10回に3得点し、白星が転がり込んだ。この日、セ・リーグ中継ぎ部門で球宴に選出され、4年連続4度目の球宴出場となった。対戦したい打者にはソフトバンク近藤を挙げ、「今年の交流戦で、すごく粘られてしまったので。対戦があったら1球で終われたらいいな」と意気込んだ。

◆先発の阪神・才木浩人投手(25)は、この日最終結果が発表された「マイナビオールスターゲーム2024」のファン投票で球宴初選出。直近の5試合連続で7回以上を1失点以内と抜群の安定感を見せており、御礼投球で自己ベストを更新する9勝目を目指す。「1番・中堅」には近本光司外野手(29)が2試合続けて入った。6月は打率・157(83打数13安打)と苦しみ、スタメン落ちも経験。13打席連続無安打中だが、夏場の復調に期待が懸かる。

◆広島・九里亜蓮投手(32)が試合前練習に参加し、自身5連勝を懸けて先発する3日の阪神戦に向けキャッチボールなどで調整した。今季初対戦する相手打線の印象について問われると「まずは自分のピッチングができるようにキャッチャーの方と話しあっていきたい」と話した。前回登板の6月26日のヤクルト戦は7回5安打1失点(自責0)で自身4連勝を飾り、ここまで12試合に先発し4勝4敗、防御率2・36と状態を上げている。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が、一塁守備でさすがの好守を見せ、9勝目を目指す先発の才木浩人投手(25)を盛り立てた。0-0の一回1死から野間が放った一、二塁間への強い当たりに飛び込むと、すぐさま体を起こして一塁へ。投手の才木も素早くベースカバーに入っており、息の合ったプレーでアウトを完成させた。才木は6月25日の中日戦(倉敷)で8回1失点の好投を見せながら、打線の援護がなくチームも0-1で敗戦。才木の連勝も8でストップし、2敗目を喫していた。主砲が、まずは守りで才木を助ける形となった。打撃でも状態を上げている大山は、直後の二回の攻撃では先頭で左前打を放ち5試合連続安打とした。

◆阪神・才木浩人投手(25)が、守りで痛いエラーを犯した。0-0の二回に先頭の小園が放った投前へのゴロを処理した際に、一塁へ悪送球。急いだために速く、ワンバウンドの送球となってしまい一塁・大山もつかむことができず。さらに、一塁内野スタンドのフェンスで跳ね返ったことでカバーに入った右翼・森下もそらす形となってしまい、小園に一気に三進を許してしまった。無死三塁となり、先制点献上が頭をよぎる大ピンチとなったが、球宴ファン投票1位に輝いた右腕はここから粘る。まずは坂倉を三邪飛に打ち取ると、菊池は投ゴロ。飛び出した三走・小園を落ち着いて挟殺プレーに持ち込んでアウトにした。2死二塁となり、続く矢野は二直に打ち取って事なきを得た。試合前時点で、阪神は先制点を献上した試合で12連敗中。打線が反発力を失った5月以降に限れば、先制を許した試合では1勝17敗と苦しんでいる。自身のミスから招いたピンチとはいえ、才木は見事な粘りで最初のピンチをしのいだ。

◆阪神・近本光司外野手(29)が15打席連続無安打となった。三回2死の第2打席。森下のカットボールをうまく逆方向へはじき返すと、打球は三遊間最深部へ。一塁を駆け抜け、セーフの判定となった。しかし、広島ベンチがリプレー検証を要求し、判定が覆ってアウトに。広島の遊撃・矢野のスーパープレーに阻まれて、ヒットは幻に消えた。近本は6月25日の中日戦(倉敷)の第2打席で右前打を放ってからこれで15打席連続無安打。同27日、29日と2試合連続で欠場し、30日のヤクルト戦(神宮)でスタメン復帰も5打数無安打に終わっていた。

◆先発の阪神・才木浩人投手(25)が五回まで広島打線を無安打に抑えた。一回1死では野間の打球を一塁・大山が好守でアウトに。二回は自身の悪送球で無死三塁のピンチを背負うも、後続を抑えて無失点で切り抜けた。三回、四回と三者凡退に抑えた右腕は五回も打者3人で終え、無安打投球。粘る広島打線に五回終了時で球数は82球を擁しているが、抜群の投球を続けている。才木は6月25日の中日戦(倉敷)で8回1失点の好投を見せながら、打線の援護がなくチームも0ー1で敗戦。才木の連勝も8でストップし、2敗目を喫していた。7回1失点で白星をつかんだ同16日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)では一回に4点の援護をもらったが、その回以来、才木の投げている間には打線の援護がなく、この日の五回終了時点で「登板19イニング連続援護なし」となってしまった。

◆阪神が0-0の五回の攻撃で、広島・森下暢仁投手(26)の前に珍しい「3者連続3球三振」に終わる場面があった。まずは先頭の梅野が、そして続く小幡も3球で三振。そして続く投手の才木も、森下の前になすすべなく3球で三振に倒れた。阪神の先発・才木も五回まで広島打線を無安打に封じる粘りの投球を見せているが、打線が森下を打ちあぐね、なかなか援護できずにいる。

◆〝マツダの鬼〟ぶりを発揮した。セ・リーグを代表する投手同士が激突。広島・森下が阪神・才木と投げ合った。「水曜日でも、火曜日でも一緒。(ローテ再編で6連戦の初戦に変わるからと言って)特に変わることはない」6月24日の投手指名練習でそう語っていた右腕は前回登板の25日のヤクルト戦(マツダ)は91球のマダックス(9回以上投げ100球以内の完封)を達成した。試合前時点で今季本拠地では5勝1敗。28イニング連続無失点中でこの日も貫禄の投球を見せた。一回は近本、中野、森下を三者凡退に抑えた。二回は先頭・大山に左前打を許したが、後続を料理。三回は三者凡退に打ち取り、阪神打線に隙を与えなかった。0─0の四回には2死から大山に四球、さらに前川には左翼線打を浴び一、三塁を招いたが、佐藤輝をカットボールで遊ゴロに仕留めた。五回には梅野、小幡、才木を三者連続で3球三振。マダックスの次は「イマキュレートイニング」(1イニング3者連続3球三振)を達成した。(柏村翔)

◆阪神・岡田彰布監督(66)が動いた。0-0の八回無死一、二塁で打席へ向かう近本光司外野手(29)の元へと歩み寄り、なにやらささやいた。近本は前の打席まで16打席連続で凡退中だった。安打にはならなかったが、近本は中堅へ強い当たりの飛球を放ち、走者を進める役割を果たした。先頭・小幡の左前打と代打・島田の犠打が野選となってできあがった、八回無死一、二塁の絶好機だった。犠打を命じることも予想される場面だっただけに、犠打はないぞと背中を押したのだろうか-。ベンチを出て悩めるリードオフマンの元へ向かった岡田監督は、数秒にわたって声をかけた。近本は必死で耳を傾け、打席へ向かった。バントの構えは見せず、ヒッティングだった。カウント1-0から近本が放った打球は中堅への強い当たりの飛球に。二走・小幡が好判断を見せ、三塁を奪った。〝オカダのささやき〟から1死一、三塁とチャンスを拡大したが、ここで中野は空振り三振...。続く森下も右飛に倒れ、またも先制のチャンスを生かすことはできなかった。

◆先発の阪神・才木浩人投手(25)は7回1安打無失点で降板した。五回まで無安打投球を続けた右腕は六回先頭の会沢に右前打を浴びた。それでも続く森下のバントを二塁へ送球し、一走・会沢をアウト。2死から四球で一、二塁としたが、最後は上本を三ゴロに仕留めた。七回は2死一塁で矢野を遊直に抑えて無失点。113球の力投でスコアボードにゼロを並べた右腕は八回の攻撃で代打を送られて降板した。防御率は1・11となった。才木の力投に応えたい打線は、八回先頭の小幡が左前打で出塁すると、才木の代打・島田が犠打。これが広島の捕手・会沢の野選を誘って無死一、二塁。近本の中飛で二走・小幡が三塁へ進塁する好走塁で好機を作った。しかし、2番・中野が三振に倒れると、3番・森下は右飛に終わり、勝ち投手の権利を届けることができなかった。

◆阪神が延長十回に勝ち越しに成功した。1死から小幡竜平内野手(23)が四球を選ぶと、ここで代打で途中出場していた島田海吏外野手(28)が右前打を放つ。一走・小幡が三塁を狙ったが、打球を処理した広島の右翼・野間峻祥外野手(31)が三塁を大きく越える悪送球。そのまま送球がカメラマン席に飛び込み、三塁に滑り込んでいた小幡に本塁が与えられて虎が先制に成功した。さらに1死二塁から近本光司外野手(29)にも18打席ぶり安打となる左越え適時二塁打が飛び出して加点。中野拓夢内野手(28)にも右前適時打が出て、得点を重ねた。

◆阪神は0-0のまま延長に突入したゲームで、延長十回に3点を奪って首位広島に競り勝った。巨人が中日に敗れたため3位に浮上。敗れれば勝率5割を切り借金生活に突入する一戦だったが踏ん張り、首位広島とは3ゲーム差となった。0-0の延長十回1死から小幡が四球を選ぶと、ここで代打で途中出場していた島田が右前打を放つ。一気に一走・小幡が三塁を狙ったが、打球を処理した右翼の野間が三塁を大きく越える悪送球。そのまま送球がカメラマン席に飛び込み、三塁に滑り込んでいた小幡に本塁が与えられ虎が先制に成功した。さらに1死二塁から、近本にも18打席ぶり安打となる左越え適時二塁打が飛び出して加点。中野にも右前適時打が出て、得点を重ねた。3-0の十回のマウンドにはゲラが上がり、四球と連打で1死満塁を背負った。代打・松山を迎え、一発出れば逆転サヨナラ負けの危機だったが、最後は二ゴロ併殺に打ち取り逃げ切った。先発した才木は7回1安打無失点の好投を見せたが、相手先発の森下の好投もあって援護に見放され、自己最多を更新する9勝目はおあずけとなった。

◆九回、菊池涼介の打球をキャッチする阪神・島田海吏=マツダスタジアム(撮影・松永渉平)

◆阪神が延長戦を制し、連敗を「2」で止めた。十回1死一塁、途中出場の島田海吏外野手(28)の右前打で、エンドランがかかっていた一走・小幡竜平内野手(23)が三進。右翼からの三塁送球がカメラマン席に飛び込んだため、小幡に本塁進塁が与えられ、均衡を破った。近本光司外野手(29)の18打席ぶり安打が左越え適時二塁打となり、2点目を追加。中野拓夢内野手(28)も続いて加点した。才木浩人投手(25)は7回無失点。岩崎優投手(33)が3勝目。ハビー・ゲラ投手(28)が9S目。また五回の攻撃で梅野、小幡、才木が3者連続三球三振に倒れた。チームは14度目の完封勝利で延長戦は5勝5敗5分。3位に浮上した岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=35勝34敗5分、観衆=2万7151人)。ーー延長十回はエンドランから試合が一気に動いた「なあ。島田がうまいことな。残しといて良かった」ーーその前もいい守備あった(九回1死一塁で菊池の右飛を好捕)「うん」ーーカウント1ー1から。想定して「そら、ヒットが続けへんねんから」ーー近本もいい形で「その前にな、やっといい感じで打っとったからな」ーー八回無死一、二塁で近本に声掛け。考えを整理するために「違うやん。打てやん。そんなもん。ゲッツーなってもええから、バントないから、打てやんか。ありがとうございます、言うとったわ。そういうことやろ。本人はバントと思ってるかもわからんけど、中途半端に打たすんやったら、なあ。そういうことやん(結果は中飛)」ーー才木もピンチ切り抜けた「それまで1点でも取ったら良かったけど、火曜日なんか、こういう展開なるよ。しゃあないけどな、勝ちつかなかったのは。球数多かったからな(7回113球)。しゃあない」ーー火曜日を取ったのは大きい「そら大きいのは大きいよ。変な負け方した後の週初めやから」ーー才木のバント処理は審判に「え? だから守備妨害やんか。手出とった、左手。足払ってたわ」(五回の守備で二塁封殺時に一走・会沢とベースカバーに入った木浪が接触し、抗議)ーー球審は違うと「セカンドやろ、(球審の)山本じゃない。(二塁塁審が)判断したって。判断する前にリクエストあるのに、何で判断出来るねん、ようわからんわ、そんなの」ーー島田は出た場面で、仕事をしている「少ないところでって。先発でもな、やったんやから、そりゃお前、こんな仕事しとったら先発で使うよ。森下の内容見てみ。いつまでもいつまでもなホームランばっかり狙ろて。そんなんお前、バッティング教える以前の問題や」

◆広島の右翼手の野間峻祥が痛恨の悪送球。0―0の延長十回1死一塁で島田の右前打を処理し、スタートを切っていた走者を三塁で刺そうとした送球が、三塁手の頭上を大きく越えた。「すみません。ミスです。何もありません」とうつむいた。この失策をきっかけに流れは一気に阪神に傾き、さらに2点を失った。新井監督は「野間本人が分かっていると思う。また明日に備えてもらいたい」と奮起を期した。

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(76)は7回1安打無失点の阪神・才木浩人投手(25)に言及した。才木の降板後の談話にビックリした。「調子はあまり良くなかった」という。調子が良くなくても、この投球ができるとは、恐れ入る。自身で調子が良くないと感じて、それに対応することができるレベルの投手になったという受け止め方もできる。この日はカーブを有効に使っていた。緩い球を投げることで、真っすぐをより速く打者に感じさせていた。その他の変化球も、力むことなく投げていた。力を入れないことで、狙ったコースへの制球が抜群だった。10割の力で投げなくても7、8割の力で抑えることを覚えたのだろう。若い投手には難しい技術だし、才木も、もっと若い頃は調子が悪いと感じたら、余計に力を入れて投げていた。こんな投球はできていなかった。いつの間にか、すごい技術を身につけた。相手先発・森下も素晴らしかった。先発投手は相手が好投したら、それに刺激を受けていい投球ができる。最後に、才木を勝利投手にしてやれよと打線には言いたい。毎度、同じことの繰り返しだが...。

◆阪神は0-0の延長十回に3点を奪う猛攻を見せ、首位広島に競り勝った。敗れれば勝率5割を切り借金生活突入してしまう危機で、終盤までホームが遠い苦しい展開となったが、踏ん張って3位に浮上した。主な選手のコメントは以下の通り(成績=35勝34敗5分け、観衆=2万7151人)。0-0の八回無死一、二塁で打席に向かう際に岡田監督から「打て」と言葉をかけられた近本(直前の打席まで16打席無安打だった) 「呼ばれたんで『思い切って打っていいよ』と言われるやろなと思って『ありがとうございます。頑張ります』でした。(背中を押されたかと問われ)うーん、プレッシャーにはなりますけどね。でも、監督の一言はすごい大きいと思いますし、あまり言われることはないですけど。中野が言われるのはよくありますけど、こういう気持ちなんだなと思って」九回では右翼守備で好捕を見せ、延長十回には決勝点につながる右前打を放った島田 「そういう(前方の)打球をイメージしていた部分もあったので、一歩目は思い切りよく切れたかなと思います。(決勝点へつながった右前打は)エンドランだったので、真っすぐに負けないようにというところはイメージして入れた」7回1安打無失点の好投を見せるも、援護がなく9勝目を逃した才木 「なかなか点が入らない展開が火曜日だったら続くと思うので、そこでどれだけ粘れるかが大事だと思いますけど。粘っていたら今日みたいに最後に点が入ることもあると思うので、こういう投球が続けてできたらいいかなと思います」5月25日の巨人戦(甲子園)以来となる9セーブ目。最後は一発出れば逆転サヨナラという危機をしのいだゲラ 「首位のチーム相手にいい試合でしたけど、とにかく勝ったということ。最後『0』をボードに並べられたので。ああいう興奮する展開にしてしまいましたけど、結果的に勝てて良かったなという感じです」6月30日のヤクルト戦では急きょ登板して決勝打を許すも、0-0の九回をゼロで封じた岩崎 「はい、また頑張ります。またあした頑張ります」

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)がピンチで何とか踏ん張り、6月21日の1軍再昇格後初となる今季9セーブ目をあげた。3-0の延長十回に登板すると1死から代打・堂林に四球。続く秋山、野間に単打を浴びて塁を埋めたが、代打・松山をスライダーで二ゴロ併殺に片付けた。「興奮する展開にしてしまいましたけど、勝てて良かった。結果的にセーブが取れて勝てたことが良かった」と声を弾ませた。

◆阪神・小幡竜平内野手(23)の選球眼が試合終盤の猛攻につながった。0-0の延長十回1死でフルカウントから、島内の内角153キロ直球を見極め、四球で出塁。続く島田の打席のエンドランで三進し、右翼・野間の悪送球の間に生還。喉から手が出るほど欲しかった先制点に貢献した。下位打線からのチャンスメークに「上位が打ってくれている。そこでしっかりと(塁に)出ること。その場その場で状況をみながらやれたら」と胸を張った。

◆阪神・前川右京外野手(21)は好投の森下から四回に左前打、七回に右前打と広角に打ち分け、チーム唯一のマルチ安打と気を吐いた。打率は・283まで上昇。複数安打は2試合連続と状態上向きの若虎だが「打撃の状態としてはまだまだいけると思うので、もう一工夫加えて、もうちょっとよくしていけたらなと思います」とさらに上を見ていた。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)が延長十回1死三塁で右前打を放ち、大きな3点目。これで7試合連続安打となった。ただ、八回1死一、三塁の好機では空振り三振に倒れており「あそこで点をとっていれば才木に勝ちがついていたかもしれない。最後打ったというより、あの打席で打点を取れなかった悔しさの方がある」と反省を忘れなかった。

◆スターの仲間入りに導いてくれたファンに向けてのお礼を、広島のマウンドで果たした。阪神・才木浩人投手(25)は鯉打線との今季初対決で7回1安打零封。森下との投手戦で実力を見せつけた。「結果は無失点でしたが、自分の感覚としてはそこまで調子は良くなかったです」自慢の直球の感触がいまひとつとみるや、スライダー、フォークと変化球中心の配球で組み立てた。二回には先頭・小園の投ゴロを一塁へ悪送球。「意味の分からないところにボールを投げてしまったので、自分でもビックリした」というミスで無死三塁のピンチを背負った。それでも続く坂倉を三邪飛に仕留めてると、菊池は投ゴロで、小園を三本間で挟殺。「正直、1点は覚悟した」窮地を脱し、その後は五回までは無安打に封じた。先頭の会沢に初安打を許した六回も2死一、二塁をしのぎ、スコアボードに7つゼロを並べた。またも援護なく、火曜日登板に転じた前回に続いて白星はつかずも、8試合連続のクオリティースタート(先発で6回以上、自責3以内)を達成。岡田監督は「1点でも取ったらよかったけど、(エース級が先発する)火曜日、何かこういう展開なるよ」と、113球の熱投をねぎらった。

◆阪神・桐敷拓馬投手(25)が好リリーフで零封リレーをつないだ。八回1死二塁で石井に代わって登板。秋山を三ゴロに打ち取った後、野間に死球を与えるも最後は上本を右飛に仕留めた。6月30日のヤクルト戦(神宮)でピンチを招き、3失点で逆転負けに絡むも即修正。「前回点を取られてしまいましたけど、ここからズルズル行かないようにするのも大事なこと。そこは良かったですし、(石井)大智さんを助けられてよかった」と胸を張った。

◆「3番・右翼」で2試合ぶりに先発復帰した阪神・森下翔太外野手(23)は4打数無安打、3三振に終わった。「結果が全てなんで。結果が出せなかったというのは悔しい」八回2死一、三塁では捉えた打球も右飛に終わり、直後の守備からベンチに退いた。一方で森下に代わって右翼に入った島田が攻守で躍動。岡田監督は「森下の内容見てみ。いつまでもホームランばっかり狙ろて。そんなんお前、バッティング教える以前の問題や」と苦言を呈した。

◆待ってたで!! 阪神は首位広島に3―0で勝ち、連敗を2で止めて3位に浮上した。延長十回に近本光司外野手(29)が、18打席ぶりの安打で貴重な2点目をたたき出した。この日発表された「マイナビオールスターゲーム2024」の外野手部門で、ルーキーイヤーから5度連続で選出されたリードオフマン。負ければ借金生活の危機で久しぶりに響かせた快音が虎の7月反攻の号砲だ。広島の夜空に確かな光が見えた。近本の打球がべたべたした梅雨の空気を切り裂き、左翼手の頭上を越える。指揮官にも背中を押され、誰もが待ち望んだHランプをようやくともした。「狙いとかないので、ヒット打つだけなので。ヒットになって良かったです」相手の失策が絡んで1点を先制した延長十回。1死二塁で島内の直球を捉えた。外角のボールに逆らわず、左翼に運んで2点目を加える適時二塁打。6月25日の中日戦(倉敷)以来、18打席ぶりの安打で勝利をグッとたぐり寄せた。快打の兆しはその前の打席にあった。八回無死一、二塁の絶好機で打席へ。守備のタイムが取られる中、打席内でルーティンを始める近本がベンチまで走って戻った。呼び声の主は岡田監督だ。直接声を掛ける珍しいワンシーン。2人の表情は柔らかかった。

◆阪神・岩崎優投手(33)が九回を無失点で切り抜けて勝利につなげた。1死一塁から菊池の右翼への飛球は島田の好捕もあり、最後は矢野を左飛に仕留めた。延長十回に打線が奮起して今季3勝目をつかみ「またあした頑張ります」と冷静に語った。前回登板した6月30日のヤクルト戦(神宮)では山田に勝ち越し打を浴びたが、仕事を果たして2年連続の球宴ファン選出にも応えた。

◆途中出場の男が、チームを救うダイビングキャッチに、勝利を呼び込む一打と躍動した。小幡が先制のホームを踏むと、阪神・島田海吏外野手(28)はグッと拳を握りしめた。「エンドラン(のサイン)だったので、真っすぐに振り負けないようにとイメージして入れた。結果的にその後に点が入ったのでよかった」八回、先発才木の代打で途中出場。この打席で犠打(記録は捕犠打野選)を決めると、0―0の延長十回1死一塁で打席に立った。カウント1-1から一走・小幡がスタートを切る。島内の151キロを引っ張った。痛烈な打球は右前へ。小幡が三塁へ走る。右翼からの返球は大きくそれて三塁カメラマン席へ。三塁へと到達していた小幡に本塁生還が宣告された。白熱の投手戦で、島田の〝決勝打〟が試合を決めた。

◆7月最初の試合は息詰まる投げ合いだった。恐らく、今の日本球界で見ることができる最高峰の投手戦だ。阪神に才木という投手がいることを誇りたい。7月に入って、プロ野球以上に競って報じられているのは新紙幣。誰だってお金は大好きだ。20年ぶりに登場する新しいお札に興味がない人は少ないと思う。子供の頃の1万円札は聖徳太子。歴史上の立派な人だけがお札に登場できると教わった。万札は小学生などはメッタに手にすることができない、遠い存在でもあった。1万円札の顔が福沢諭吉になると、かなり親近感を増した。友人の中に、いつも羽振りのいい社長の息子がいて、おごってもらっている女子の間では「諭吉」と呼ばれていた。俺もいつの日か「諭吉」と呼ばれたい、と思ったが、そんな日がくることはなかった。今度は渋沢栄一。大河ドラマの影響もあって、もはや〝知っている人〟感覚だ。新紙幣ブームに便乗して、名将・野村克也に将来的にお札の顔になってもらいたいという、実にバカバカしいコラムを読んだ。こういう発想は嫌いではない。とはいえ、一瞬でも「それなら関西はバース、掛布、岡田だろう」と考えてしまった自分が恥ずかしい。しばらく話題になるであろう新紙幣。でも、7月戦線の虎は当然ながら見逃せない。2日はオールスターのファン投票結果が発表された。阪神からは大エース・才木に、岩崎、近本の3人。

◆♪宮島さんの~神主がオミクジ引いて申すには~今日もタイガース勝~ち、勝~ち、勝ち~!!(ホントはカープだけど今日は許して~) 阪神の勝率5割切りの危機に中野猛虎会(松村と俺と次男・虎太郎)が広島に緊急参戦した~!! 手に汗握る才木と森下の投手戦にハラハラヒヤヒヤのまま試合は延長戦に...。だけど猛虎が俺たちを裏切らなかったァ!!(涙)阪神タイガースありがとう!! 「7回1安打無失点の才木を見殺しやろ!!」といつもなら叫ぶ俺だけど、95%赤一色のスタンドだと不思議と冷静になる俺がいて...。「カープも8回無失点の森下を見殺しだよなぁ...」。そこでハタと俺は気付いたのだ!! 12球団で3割打者5人、一方投手は防御率1点台がウヨウヨ。飛ばないボールどうたらは分からないけど、昨年までと2024年の野球は全く別だと考えたモノが頂点を極めると思うのだ!!例えば八回1死一、三塁、打者中野の場面でスクイズをするとか...。要するに『高校野球をするチームが勝つ!!』と本日ハッキリ確信したのだ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
37304 0.552
(↓0.009)
-
(-)
72207
(-)
166
(+3)
31
(-)
39
(-)
0.235
(↓0.001)
2.020
(↑0.03)
2
(-)
DeNA
37341 0.521
(↑0.007)
2
(↑1)
71248
(+6)
246
(+4)
45
(-)
38
(+1)
0.251
(↑0.001)
3.040
(↑0.01)
3
(1↑)
阪神
35345 0.507
(↑0.007)
3
(↑1)
69208
(+3)
200
(-)
29
(-)
23
(-)
0.221
(-)
2.190
(↑0.03)
4
(1↓)
巨人
35355 0.500
(↓0.007)
3.5
(-)
68206
(+1)
197
(+2)
37
(-)
36
(-)
0.234
(↓0.001)
2.470
(↑0.01)
5
(-)
中日
32376 0.464
(↑0.008)
6
(↑1)
68173
(+2)
234
(+1)
31
(+1)
25
(-)
0.232
(↑0.001)
2.680
(↑0.02)
6
(1↓)
ヤクルト
31384 0.449
(↓0.007)
7
(-)
70261
(+4)
254
(+6)
52
(-)
35
(-)
0.238
(↑0.001)
3.270
(↓0.04)