広島(☆4対3★)ヤクルト =リーグ戦9回戦(2024.06.27)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:矢崎 拓也(1勝1敗0S)
敗戦投手:田口 麗斗(1勝1敗6S)

本塁打
【広島】菊池 涼介(5号・5回裏ソロ)

  DAZN
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◆広島がサヨナラ勝利。広島は1-1で迎えた5回裏、菊池のソロで勝ち越しに成功する。その後逆転を許して迎えた9回には、2死一二塁から坂倉が適時二塁打を放ち、試合を決めた。投げては、4番手・矢崎が今季初勝利。敗れたヤクルトは、5番手・田口が誤算だった。

◆ヤクルトが痛恨のサヨナラ負けで、広島に同一カード3連敗を喫した。1点リードの9回2死一、二塁、坂倉の打球に左翼手山崎がダイビングキャッチを試みるも及ばず。ボールが転々とする間に逆転の走者の生還も許した。決勝打を浴びた田口は「アウトを取りきれなかった。きょうは全部僕の責任」と猛省し、山崎も「飛び込む方を選んだ。あそこまでいったなら捕らないといけない」と戒めた。▽ヤクルト高津監督(サヨナラ負けに)「(山崎が)捕っていれば勝ちですからね。思い切って突っ込んだと思います。しょうがない」▽ヤクルト石川(6回2失点と好投)「いろんなボールを投げるのが自分のピッチング。ゾーンに投げることができた。(サヨナラ負けで勝ちが消えたが)チームでやっていることですからね。目の前の1試合を頑張っていくだけです」

◆広島が今季初のサヨナラ勝利で今季3度目の同一カード3連勝。貯金を今季最多の9とした。1点を追う9回2死一、二塁から坂倉の左翼への2点適時打で逆転サヨナラを決めた。先発アドゥワは7回途中まで3失点も、いずれも失策が絡んだもので自責はゼロ。1点ビハインドの8回以降は中継ぎ陣が無失点で切り抜け、9回を無失点に抑えた矢崎に今季初勝利が付いた。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-劇的な幕切れとなった新井監督 最終回の攻撃は、みんなの執念を感じました。-石原選手の粘りが大きかった新井監督 すごく気持ちが伝わって来ました。形じゃないんだ、と。何とかするんだという、彼の気迫が伝わってきた素晴らしい打席だった。サク(坂倉)も、本当よく打ちましたね。粘っている間、サクの表情を見ていたんだけど、ものすごく気合入っている顔をしていたので、やってくれるぞと期待してました。素晴らしいです。-坂倉選手は石原選手が台頭し、刺激もあった新井監督 サクもサクで、もがきながら頑張っているし。コイシ(石原)がいいもの見せてくれて、だんだんとマスクをかぶる機会も増えて来ていますよね。これは彼ががんばってつかんでいるチャンスだと思うので、2人で切磋琢磨(せっさたくま)してやってもらいたいと思います。-劣勢の中でも黒原投手、矢崎投手が無失点投球新井監督 ブルペンのピッチャーがしっかりと頑張ってくれたおかげだと思います。黒原にしても、矢崎も久しぶりだったけどね。彼らが踏ん張ってくれたので、最後こういうふうな試合になったんだと思います。-先発アドゥワ投手も粘った新井監督 こういうコンディションの中、よく頑張って投げて試合をつくってくれたと思います。また、(相手が)ヤクルト強力打線なのでね。ナイスピッチングだったと思います。

◆苦しんできた広島坂倉将吾捕手(26)が、今季初のサヨナラ勝利をもたらした。1点を追う土壇場9回2死一、二塁。ヤクルト田口の高め直球に詰まりながらも左翼方向に打ち返すと、ダイビングキャッチを試みた山崎の手前で落ちた。後方に転がる間に二走上本に続き、一走の代走大盛も本塁を駆け抜けた。「つないでくれたおかげ。みんなで勝った試合だと思います」。二塁ベース付近でチームメートにもみくちゃにされた殊勲者は、とびきりの笑顔を見せた。今季は打撃が振るわず、出場機会も減った。それでも新井監督から「この経験が先につながる」と1軍に同行しながらはい上がることを求められた。打率を2割1厘まで下げて迎えた最終打席で勝利に導き「昨日から打席内容は悪くないので、今できていることがいいことなのかな」と手応えを口にした。前日26日の1発に続く、決勝打。上昇気流に乗りつつある坂倉とともに、チームも今季最多の貯金9で首位がっちりだ。【前原淳】▽広島石原(坂倉のサヨナラ打直前、田口に13球投げさせて四球出塁)「後ろがサク(坂倉)とキク(菊池)さんなので、つなげば何とかなると思っていました」▽広島新井監督(今季初のサヨナラ勝利)「みんなの執念を感じました。石原が粘っている時に、ネクストのサク(坂倉)の表情を見ていたんですけど、すごく気合入っていた。やってくれると思っていました」

◆ヤクルトが痛恨のサヨナラ負けで、同一カード3連敗を喫した。球界最年長44歳の石川雅規が先発し、6回2失点と好投。終盤7回に打線が2点を奪って、1点リードで9回に突入するも、抑えを託された田口麗斗が踏ん張れなかった。分岐点だったのが、2死二塁で打席に立ったのは石原との勝負。9球ファウルで粘られた末に四球を出したことについて「石原選手の根気強さに負けてしまった」。続いて前夜にソロ本塁打を放った坂倉にはカウント2-1から高めの直球を拾われた。打球は左翼手山崎が懸命にダイビングキャッチを試みるも及ばず、ボールが転々とする間に逆転の走者の生還も許した。あと1人が遠かった。決勝打を浴びた田口は「アウトを取りきれなかった。きょうは全部僕の責任」と猛省していた。記録は二塁打とはいえ、山崎も自分を責めた。「飛び込む方を選んだ。あそこまでいったなら捕らないといけない」と戒めた。▽ヤクルト高津監督(サヨナラ負けに)「(山崎が)捕っていれば勝ちですからね。思い切って突っ込んだと思います。しょうがない」▽ヤクルト石川(6回2失点と好投)「いろんなボールを投げるのが自分のピッチング。ゾーンに投げることができた。(サヨナラ負けで勝ちが消えたが)チームでやっていることですからね。目の前の1試合を頑張っていくだけです」

◆悪コンディションにも動じなかった。球界最年長44歳のヤクルト石川雅規投手が、ぬれたマウンドで力投した。今季初勝利を挙げた2日の楽天戦以来の登板。試合開始時から小雨が降る難しい状況にも、広島打線に6回87球を投げ、3安打2失点に抑えた。コースを使い分け緩急をつけた投球で今季最長イニングを投げ、きっちり試合を作った。「いろんなボールを投げるのが自分のピッチング。ゾーンに投げることができた」と冷静に振り返った。勝ち投手の権利を得てマウンドを降りるも、試合は9回に広島に逆転を許し痛恨のサヨナラ負けとなった。勝ちが消えたことに石川は「チームでやっていることですから。良いことも悪いこともありますけども、目の前の1試合、1試合を頑張っていくだけ」と切り替えた。

◆昨季に続いて実施しているリーグ公式表彰「月間JERAセ・リーグAWARD」の5月度の月間大賞を初受賞した広島・小園海斗内野手(24)が、試合前にマツダスタジアムで授賞式に出席した。選考委員の1人である球団OBの前田智徳氏(53)から記念のパネルを贈られると笑みを浮かべた。「選んでいただいて光栄です。自分の力で取った賞ではなくチームで取った賞。なかなか取れない賞ですが数多く取れるように頑張りたい」現役時代に通算2119安打を記録し、背番号「51」の先輩である前田氏からは「いずれは(自身の背番号)1を付けてもらいたい。私に権限はありませんが、キャリアハイの数字を残してもらいたい」と〝推薦〟を受けた。レジェンドからの熱いエールに小園は「まだ1番(を継承する)にはほど遠い(立場)ですが、活躍できるように頑張りたい」と背筋を伸ばした。プロ6年目の今季はここまで66試合に出場し打率・295、1本塁打、26打点で首位のチームを引っ張る。5月は23試合に出場し、8度の勝利打点をマークするなど勝負強く、打率・368、1本塁打、15打点。5月度の「大樹生命月間MVP賞」にも輝いており、ダブル受賞は球団史上初の快挙となる。

◆広島・床田寛樹投手(29)が試合前練習に参加し、リーグトップタイの8勝目を懸け先発する28日の巨人戦(東京ドーム)に向けキャッチボールなどで調整した。巨人戦今季初登板となる左腕は「(東京ドームは他球場と比べると)狭いので(気を付けるのは球の)高さ。(配球などは)臨機応変にしたい」と警戒した。前回登板の21日の中日戦(バンテリンドーム)は7回6安打1失点で敗戦投手となった。ここまで12試合に先発し7勝4敗、防御率1・47と安定した投球を続けている。

◆広島・坂倉将吾捕手(26)がサヨナラ打を放ちチームを3連勝に導いた。貯金は今季最多の「9」とした。板倉は1点を追う九回、2死一、二塁の場面で打席に立つと、カウント2-1から田口の真っすぐを捉えた。左翼手の山崎が必死に飛びついたが届かず、ボールが外野を転々する間に一走・大盛が生還し、劇的なサヨナラ勝ちとなった。サヨナラ打を放った板倉は「最高です。(四球を選んだ前打者の石原)貴規さんの必死にファールして粘りながらっていう打席を目の前で見てたので、(打席が)回ってきたらなんとかしようと思った。決めれたのは僕なんですけど、僕まで繋いでくれた皆さんのおかげだと思います」とチームメイトの奮闘に感謝。雨の中、最後まで声援を送ったファンに向け「とにかく早く帰ってお風呂に浸かりましょう。僕も浸かります」と呼びかけた。

◆ヤクルトは27日、広島に3-4で逆転サヨナラ負けした。九回2死一、二塁から2点二塁打を許して肩を落とす田口麗斗。これでチームは4連敗=マツダスタジアム(撮影・渋井君夫)

◆まさかの結末が待っていた。ヤクルトは1点リードの九回2死一、二塁から、田口麗斗投手(28)が坂倉に左前打を浴び、左翼手・山崎晃大朗外野手(30)が前に飛び込んだが捕球できず。ボールは後方に転々とし、サヨナラ2点打となった。先発した球界最年長の左腕、石川雅規投手(44)は6回3安打2失点と力投したが今季2勝目はならず。これで4連敗を喫し、敵地・マツダスタジアムでは今季5戦5敗。またも〝鬼門〟を突破できなかった。高津臣吾監督(55)の主なコメントは以下の通り。――九回の最後の場面は、山崎は全力を尽くして突っ込んだ「捕っていれば勝ちですからね。思い切って突っ込んだと思います」――突っ込んだプレーは仕方ない「そうですね。捕りに行ったわけですから、しようがないと思います」――先発の石川はストライク先行のいい投球だった「雨の中ね、条件悪い中、よくあそこまで行ったと思います。是非勝たせてあげたかったですけどね」――リリーフ陣も粘りよくつないだ「それぞれがよく頑張ったと思いますね」――打線も七回に敵失からオスナの中前打、松本の左中間適時二塁打と続き、山田の中犠飛と集中力は見事だった「松本はよく打ったと思いますね。向こうのエラーからのチャンスでしたけど、よくつないで、よく逆転までいったと思いますけど」――中村が本調子ではない中、松本直の攻守での働きは心強い「キャッチャーなので、一人でやるのがなかなか難しいのでね。いまは併用という形でやっていますけどね。よく頑張ってくれていると思いますね」――連敗を止めたい。神宮で仕切り直し。上位・阪神戦にどう臨む「きょうのように粘ってね、向こうの粘りもすごかったですけど、まあローゲームのゲーム展開にしないといけないんじゃないかなと思いますね。それで、1点勝ち越すか勝ち越されるのかの勝負になると思いますので。そういう展開に持って行かないといけないですね」

◆ヤクルト・石川雅規投手は多彩な球種をストライク先行で投げ込み、6回3安打2失点と好投した。七回に味方が2点を挙げて勝利投手の権利を得たが、九回に抑えの田口が踏ん張れず、今季2勝目はお預けに。44歳のベテランは「チームでやっていることだから。いいことも悪いこともある」と落胆することなく話した。雨の中、粘り強く腕を振った。二回1死一塁では菊池を遊ゴロ併殺打。三回2死一塁は上本を二飛に仕留めた。「またしっかりと準備して、こういう投球が続けられるようにしたい」と前を向いた。

◆球界最年長の44歳左腕、ヤクルト・石川雅規投手は6回3安打2失点と力投。七回に味方が逆転し勝ち投手の権利を得ながらも、サヨナラ負けで2勝目はならなかった。ストライク先行の攻める姿勢を見せながら、緩急を使って翻弄。ただ、一回無死一塁では投ゴロを二塁に悪送球してから失点し、五回には失投を菊池にソロとされた。「自分のミスで点数が入っている。次の点は防ぎたかった」と笑顔はなかった。

◆まさかの結末が待っていた。ヤクルトは1点リードの九回2死一、二塁で、田口麗斗投手(28)が坂倉に左前打を浴び、前方に突っ込んだ左翼手・山崎晃大朗外野手(30)が飛び込むも捕球できず。ボールは後方に転々とし、サヨナラ負けを喫した。高津臣吾監督(55)は試合後、「捕っていれば勝ちですからね。思い切って突っ込んだと思う。捕りに行ったわけですから、しようがない」と山崎を責めなかった。捕球すれば勝利を告げるビッグプレー。長打警戒の中、全力を尽くした山崎は「待って後悔するより、飛び込む方を選んだ。結果、チームが負けてしまったので、ああいう打球を捕れるようにもっと練習していきたい」と唇をかんだ。先発の石川は6回3安打2失点と力投。打線も七回に敵失からオスナの中前打、松本直の左中間適時二塁打と続き、山田の中犠飛で一時は勝ち越すなど集中力を見せたが実らず。4連敗で借金は8。〝鬼門〟のマツダスタジアムでは5戦5敗となり、首位・広島とのゲーム差は8・5に開いた。28日からは神宮で阪神との3連戦。高津監督は「粘って、ローゲームのゲーム展開にしないといけない」と前を向いた。(赤尾裕希)

◆〝悩める捕手〟が決めた。広島が雨の一戦で今季初のサヨナラ勝ち。逆転の2点二塁打でチームを3連勝へ導いた坂倉はお立ち台で拳を突き上げた。「最高です。(打った瞬間は)やばい、捕られると思いました。(一走の)大盛さんの場所を見てサヨナラだ、と思いました」本職の捕手ではなく、「7番・一塁」で出場。2─3の九回2死一、二塁で防御率0点台の守護神・田口の直球を左前へ運んだ。つまり気味の打球に左翼手・山崎が飛び込み、後逸すると二走・上本、さらには代走の一走・大盛まで生還。二塁に到達するとナインから手荒い祝福を受けた。チーム一丸で勝利をつかんだ。九回に先頭・上本が右前打から2死二塁とし、石原が「後ろにサク(坂倉)、菊(池)さんがいるからつなげばなんとかなる」と13球粘り四球を選んだ。そして打率・206と苦しんでいる坂倉が自身3度目のサヨナラ打─。新井監督は「みんなの執念を感じた」とナインと一緒になって喜んだ。2位阪神とのゲーム差は3・5のままだが、今季3度目の同一カード3連勝で貯金は今季最多の9にふくらんだ。(柏村翔)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
36274 0.571
(↑0.006)
-
(-)
76201
(+4)
156
(+3)
29
(+1)
38
(-)
0.238
(-)
2.040
(↑0.03)
2
(-)
阪神
34325 0.515
(↑0.007)
3.5
(-)
72199
(+8)
188
(+1)
28
(-)
22
(-)
0.220
(↑0.002)
2.130
(↑0.01)
3
(1↑)
DeNA
34331 0.507
(↑0.007)
4
(-)
75232
(+5)
237
(+4)
41
(+3)
37
(-)
0.250
(↑0.001)
3.110
(-)
4
(2↓)
巨人
33335 0.500
(↓0.008)
4.5
(↓1)
72198
(+4)
189
(+5)
36
(+2)
36
(-)
0.233
(↑0.001)
2.500
(↓0.03)
5
(-)
中日
30356 0.462
(↓0.007)
7
(↓1)
72166
(+1)
223
(+8)
30
(-)
24
(-)
0.232
(-)
2.700
(↓0.08)
6
(-)
ヤクルト
29374 0.439
(↓0.007)
8.5
(↓1)
73245
(+3)
242
(+4)
50
(-)
33
(-)
0.235
(-)
3.250
(-)