阪神(1対1)中日 =リーグ戦11回戦(2024.06.26)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【中日】細川 成也(9号・6回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神の先発・大竹は7回を投げ、ソロ本塁打の1失点のみに抑える好投。対する中日の先発・涌井も、6回を1失点に抑える投球を見せた。両先発の降板後は阪神の5投手、中日の6投手が互いに無失点リレーを展開。息詰まる投手戦は1-1のまま、規定により引き分けに終わった。

◆中日涌井秀章が阪神戦に今季初登板する。このカードの涌井は昨季0勝3敗で、通算では5勝7敗。白星は西武時代の10年6月9日が最後で、現在シーズンをまたいで7連敗中だ。今日勝てば14年ぶりの勝利となるが、阪神戦のブランク勝利記録を調べると、最長は03年→18年岩瀬(中日)の15年で、2番目は07年→21年和田(ソフトバンク)の14年。涌井が和田に並ぶ阪神戦のブランク勝利となるか。

◆阪神先発の大竹耕太郎投手(28)が出場選手登録された。登板間隔が空くために一度登録を抹消されており、6回4失点で今季4敗目を喫した12日オリックス戦(京セラドーム大阪)以来の先発。中13日でのマウンドに上がる。代わって西純矢投手(22)が出場選手登録を抹消された。

◆2連敗中の阪神は中日涌井秀章投手(28)攻略を目指す。クリーンアップは森下翔太外野手(23)、大山悠輔内野手(29)、前川右京外野手(21)。6番に前日2安打の佐藤輝明内野手(25)が控える。前日25日は0封負け。相変わらず打線が元気がないが、積極的に浮上の手を打ってきた岡田彰布監督(66)は「内容的には最近ではまだ良かったよ。今までの0とはちょっと違う。それを明日からどういう感じでできるか」と語っていた。先発は2週間、登板機会がなかった大竹耕太郎投手(28)。4登板ぶりの5勝目を目指す。

◆ハローキティの生誕50周年と甲子園球場の開業100周年を記念して行われる「みんななかよくナイター」のこの日、ハローキティがファーストピッチセレモニーに登場した。スタメン発表ののち、背番号50のタテジマのユニホームに身をつつんで現れたハローキティは、黒土を丁寧に踏みながらマウンドへ。「甲子園球場にお越しの皆さーん! こんにちは、ハローキティです! 阪神甲子園球場100周年おめでとうございます! 今日はそのお祝いをしたくて駆けつけました! 『ハローキティ50周年みんななかよくナイター』みんな楽しんでいきましょう! 私も頑張ります」とコメントした。ハローキティはセットポジションから投じた球は、数回バウンドしながら捕手のミットへ。ノーバウンド投球とはいかなかったが、明るい声と振る舞いで、試合前の聖地を盛り上げた。

◆阪神大山悠輔内野手(29)の激走は実らなかった。2回2死一、二塁。小幡竜平内野手(23)の右前打で、二塁走者の大山がノンストップで本塁に向かった。だが右翼の板山祐太郎(30)がチャージしてノーバウンドでストライク返球。惜しくも先制ホームインはかなわなかった。板山は昨季限りで阪神を戦力外になり、前日25日の試合では移籍後初の決勝打を放っていた。またも昨年までのチームメートが阪神の前に立ちはだかった。

◆/最強のバイプレイヤー\これがスーパーユーティリティー板山祐太郎のビッグプレー?プロ野球(2024/6/26)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #dragons pic.twitter.com/OZuk3Q2SzQ

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◆阪神佐藤輝明内野手(25)が今季初の三塁打で、先制の1点をたたき出した。4回2死一塁で、涌井秀章投手(38)の初球カーブをすくい上げ、右翼フェンスを直撃。一気に三塁まで走った。完全に右翼スタンドに届いたと思われた大飛球だが、甲子園の浜風に戻されて本塁打とはならず。佐藤輝も三塁塁上で先制点を喜びながらも、苦笑いを浮かべた。

◆「魔曲」効果? 阪神前川右京外野手(21)が、登場曲に「ジョックロック」を採用した。すると、0-0の4回2死、涌井の2球目をはじき返し、右前打で出塁。さらに佐藤輝明内野手(25)の右翼フェンス直撃の先制適時三塁打で生還した。前夜は0-1で敗れた阪神が主導権を握った。佐藤輝の適時打は5月11日のDeNA戦以来、51打席ぶり。もう少しで本塁打の大きな当たりだった。1軍復帰後、44打席目で初打点だ。ジョックロックは、前川の母校・智弁学園(奈良)の名物チャンステーマ。勢いあるリズムで相手をのみこむ「魔曲」と呼ばれる。魔曲が阪神に流れを持ってきた。

◆/弾丸あるいは槍\ライトポール際に突き刺さった細川成也が同点ソロホームラン?プロ野球(2024/6/26)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #dragons pic.twitter.com/cVSfUtu4Pf

◆阪神ハビー・ゲラ投手(28)が、1軍復帰登板を果たした。9回表の登板がアナウンスで告げられると、甲子園がどよめいた。4日の楽天戦(甲子園)の延長10回に登板し、2失点で負け投手となって以来、約3週間ぶりの1軍登板。それも1-1の同点、競っている場面での登場だ。2軍調整をはさみ、21日に出場選手登録をされてからは登板機会がなかった。久々のマウンドでも落ち着いていた。先頭で、この日本塁打を放っている細川を三ゴロ。石川昂に中前打を許し、その後は2死二塁のピンチをつくるも後続を断った。1イニング無失点で岡田彰布監督(66)の起用に応えてみせた。

◆阪神森下翔太外野手(23)にヒヤリとするシーンがあった。9回先頭、松山から左手付近に死球を受けた。顔面近くのボールだったため、体勢を大きく崩された。場内はざわついたが、森下は無事な様子で立ち上がり、一塁へ向かった。4回にも死球を受けており、この日2個目となった。

◆阪神森下翔太外野手(23)が死球の痛みを必死でこらえた。4回の先頭。中日涌井秀章投手(38)に対し、ファウルで粘っての9球目。シュート系の投球が右肘の内側を襲った。森下は、腕をぐるぐる回したりしながら激痛に耐え、一塁へ。観客からはそのガッツに拍手が送られた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)に痛いミスが生まれた。1-1の延長12回。先頭福永の打球は自身の三塁に飛んだ。捕球を試みた中でグラブをはじき、一塁に送球できなかった。7日西武戦(甲子園)で1軍昇格して以降、出場11試合目で初の失策となった。

◆阪神は延長12回にもつれこむ接戦で最後まで好機をつくるも、引き分け決着となった。NPB史上20人目となる岡田彰布監督(66)の通算700勝はまたも次戦へ持ち越しとなった。先制は阪神だった。4回、先頭の森下が死球で出塁するも走塁死。続く4番大山も空振り三振に倒れ、2死からだった。前川右京外野手(21)が右前打を放つと、佐藤輝明内野手(25)が右翼フェンス直撃の適時三塁打。もう少しでスタンドインという大きな当たりで、先制に成功した。阪神先発の大竹耕太郎投手(28)は5回まで4安打無失点と好投。しかし、6回2死から細川に同点ソロを献上。1球に泣き、7回7安打1失点で降板となった。終盤には再三の好機をつくったが、あと1本が出なかった。9回先頭の森下が死球で出塁すると、1死一塁から前川が右中間へ二塁打を放ち、1死二、三塁。佐藤輝は申告敬遠で1死満塁となったが、代打渡辺、小幡が決めきれなかった。さらに延長10回は2死から中野が右翼へ二塁打、代打豊田が内野安打でつないで2死一、三塁とするも、大山が三ゴロ。岡田監督の節目の白星はまたも次戦へ持ち越しとなった。

◆両軍が最後まで「仲良く」チャンスをつぶし合った。この試合はハローキティの生誕50周年と甲子園球場の開業100周年を記念して行われる「みんななかよくナイター」として行われ、ハローキティーがファーストピッチセレモニーにも登場した。ともに決め手を欠いた。1-1の9回、阪神は1死満塁のサヨナラ機で、2人が凡退。延長10回も2死一、三塁もつぶした。中日は9回の1死二塁で無得点だったほか、延長111回も1死一塁を生かせず。きわめつけは延長12回表。三塁手・佐藤輝明(25)の失策から1死満塁としたが、カリステが遊-二-一の併殺で無得点だった。

◆阪神は延長12回にもつれこむ接戦で最後まで好機をつくるも、引き分け決着となった。NPB史上20人目となる岡田彰布監督(66)の通算700勝はまたも次戦へ持ち越しとなった。岡田監督は「(打線が)戻ってしもたなあ。フライアウトばっかりやろ。きょうは」とため息だった。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-あと1本なあ。-昨日は打つ内容はよくなってきたと戻ってしもたなあ。フライアウトばっかりやろ。きょうは。-佐藤輝の当たりももうひと伸びそんなんいうてもしゃあない。-初球から積極的に。集中力があるいやあ、集中力というか、そら、集中力は絶対持たなあかんやろ。そんなの。今ごろ集中力出てきましたじゃアカンやんか。それは。-真っすぐへの反応そういうことやろ。ポップフライやん。足のあるもんがな。足を生かせばええのにな。-1、2番で12打数1安打では(得点は)入るわけないやん。-9回は前川は打った罰金やん。待てやん。-ゲラ、岩崎は久しぶりだったがよかったゲラも、だからお前、楽なところがないから、もうしゃあないやん。なあ1回楽なところでって、楽な展開になれへんねんからそらお前。-最後漆原まで粘っておーん、なあ。-ゲッツー捕りにいったそらゲッツーやろ。そんなの。前来たらどんだけバッター打ちやすいんよ。逆やったらそらバックホーム体制と思うけど、なんでそんな消極的な守りにするんよ。ゴロ飛んだらお前、ゲッツー捕ればええやん。ゴロ打たせて。-大竹は初回を切り抜けたおお、まあ久しぶりやったからな。ヒットヒットでリズムつくれんかったよな。でもよう0点に抑えてな。それからけっこうしのいどったけどな、7回まで。まあ、あんなホームランはしゃあないわ。向こうの4番やから。-以前「遊べ」と助言。走者を背負ってもそれができている緩急のピッチャーやからな。まっすぐでどんどん押す投手ちゃうから、そういうことやろ。(笑いながら)俺のコメントあんまりいらんやろ、聞かなあかん人おるやろ。(歩きながら)-前川の待てのサインについて佐藤(輝)を打たさなあかんのに。ああやってチャンス広がったら絶対敬遠やろ。フォアボールとかが一番ええんや。

◆阪神森下翔太外野手(23)にヒヤリとするシーンがあった。1-1の9回先頭。松山から左手付近に死球を受けた。顔面近くのボールだったため、体勢を大きく崩された。場内はざわついたが、森下は無事な様子で立ち上がり、一塁へ向かった。4回にも死球を受けており、この日2個目。試合後は「大丈夫です」と問題なしを強調した。

◆一足早く、甲子園に「魔曲」が降臨した。4回2死。阪神前川右京外野手(21)が2打席目に向かう際、入場曲で初めて「ジョックロック」が流れた。高校野球ではおなじみだが、プロ野球では耳慣れないメロディーに、甲子園の虎党も少しどよめいた。前川は背中を押されるように、涌井の甘く入った変化球を見逃さず、右前打を放った。「ちょっと1打席目が淡泊になった。打てる球をちゃんと打とうと思っていました」。続く佐藤輝のフェンス直撃三塁打で先制のホームイン。前日0封負けの嫌な空気を吹き飛ばす先制攻撃だった。積極的な打撃がジョックロックと連動した。球団関係者に2打席目と4打席目の指定で依頼していた。「気分転換くらいな感じですね」。高校野球の名門、智弁和歌山がオリジナル曲として作ったチャンステーマ。前川の出身の兄弟校・智弁学園(奈良)でも定番としている。ブラスバンドが奏で始めると、球場は異様なムードに包まれる。不思議と打線がつながり、猛打智弁の象徴として、相手を恐怖に陥れる「魔曲」と呼ばれるようになった。これからが高校野球のシーズン本番。21年夏の甲子園で大暴れし準優勝に輝いた21歳にとっては燃える1曲だ。9回1死一塁からはまたも魔曲に乗って、右中間二塁打。ただ、ここは「待て」のサインが出ており、岡田監督はおかんむり。さらに、延長11回先頭の三邪飛も悔やまれる。「1本目は先っぽでしたが、2本目は芯でした。でも最後の打席がもったいない。ああいうのをなくさないと」と前川は反省した。打線は相変わらず決め手を欠いた。連日の5番起用に応えた"夏男"前川のバットにかかる期待はこれから大きくなる。【柏原誠】

◆中日はリーグ最多6度目の引き分けに終わった。先発涌井が6回1失点、リリーフ陣も無失点と粘った。6回に細川の9号同点ソロが飛び出したが、延長12回1死満塁のチャンスであと1本が出ず。立浪和義監督は「勝ちたかった試合。絶好機に点を取れるようにやっていかないと。踏ん切りをつけてやってもらうしかない」とため息。今季4戦目での甲子園初白星は27日にお預けになった。

◆阪神漆原大晟投手(27)がピンチで粘った。1-1の延長12回に6番手で登板。佐藤輝の失策で先頭福永を出し、その後も山本、加藤匠に連打を浴びるなど1死満塁を招いた。さらに1番カリステにフルカウントまで粘られたが、143キロ直球で遊ゴロ併殺に斬って渾身(こんしん)のガッツポーズ。「いつも守ってもらっているので、なんとかカバーできるようにと。ゼロで終われたのは一番よかった」と胸をなで下ろした。4日楽天戦(甲子園)からの連続無失点を8試合に伸ばした。

◆中日がリーグ最多6度目の引き分けで終えた。先発涌井秀章投手(38)6回1失点、リリーフ6人も無失点と粘った。6回に細川の9号同点ソロが飛び出したが、延長12回1死満塁のチャンスでカリステが併殺打。あと1本が出なかった。今季4戦目での甲子園初白星は27日にお預けになった。試合後の立浪和義監督(54)のコメントは以下の通り。(自ら切り出し)立浪監督 ピッチャーは本当によく踏ん張ってくれた。勝ちたかったゲームで、最後は(カリステが)ゲッツーになったけど。チャンスでなかなか(打てない)。(あと)1本、1本って言われるかもしれないけど、ピッチャーが踏ん張ってる間に点が取れるようにやっていくしかない。-守備では板山の本塁返球など好守も立浪監督 いいプレーもあった。岡林もサヨナラのケース(9回1死一塁で右二塁打で一走を三塁ストップ)を止めている。守りでミスもあったが、踏ん張っている。あとはどうやって点を取っていくか。チャンスでの打撃も、我々が(いっしょに)打席に立てないので助けられない。思い切って、もう少し踏ん切りをつけて、やってもらうしかない。-松山は9回1死満塁を背負って踏ん張った立浪監督 向こうからしたら、12回のウチの攻撃と同じような状況。絶好機で点が取れるようになっていかないと。せっかくピッチャーが粘ってくれた中で最後にチャンスをつかめなかった。明日頑張ります。-細川に久々に本塁打立浪監督 いい本塁打だった。浜風で、弱かったけど、あそこしかないっていう、すごい当たりを打ってくれた。-中田が抹消立浪監督 ちょっと腰の状態がよくないということで、1回しっかりと治してから。当然チームに必要な選手なんで。それ(復帰)まで頑張っていけるようにやっていきます。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が唇をかんだ。「いや~、もうね、いったと思ったんですけど、風と甲子園にやられましたね」。0-0の4回2死一塁。中日涌井の初球120キロカーブを前さばきで捉えた。右翼フェンス直撃。特大の先制適時三塁打でチーム18イニングぶりの得点を呼び込んだ。「ホームランにならずに悔しい気持ちもある」と振り返る一撃。確かに、三塁ベース上では悔しそうな表情も垣間見えた。105打席連続ノーアーチで、自己ワーストを更新し続けてしまっている。甲子園特有の「浜風」に押され、もうひと伸びが足りなかった。それでも、ドローゲームで貴重な1点をもたらしたのも事実。タイムリーは5月11日のDeNA戦以来、実に1カ月半ぶり。2軍調整をへて、7日に1軍昇格してから44打席目での初打点をあげた。これで3試合連続安打と上昇気配。7回には左中間への大飛球。凡打でも、左腕斎藤から手応えのある当たりだった。延長11回にも祖父江から左翼ポール際への左飛。打球に角度がつき「いいかなと思います」。惜しかった。惜しいだけに、虎党のため息も漏れた。延長12回の守備では痛恨のミス。先頭福永のゴロをさばけなかった。1軍再昇格後は12試合目で初失策。それでも仲間が無失点で切り抜けた。今季はすでに23日間の2軍生活を味わった。このまま最後まで主軸として完走するのみ。背番号8のバットが打てばチームも乗っていける。【中野椋】

◆阪神豊田寛外野手の執念がにじみ出ていた。1-1の延長10回2死二塁に代打で登場。二遊間のヒットコースに飛んだ打球を二塁手田中に好捕され、一塁送球されたが、頭から飛び込んでセーフをもぎ取った。走者を三塁に進め、サヨナラ機を作った。「2死だったのでなんとか事(こと)を起こそうと思っていた」。今季初昇格後は12打数4安打、打率3割3分3厘。1軍生き残りへ食らいついている。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が躍動し、ゲームメークした。初回から1死満塁の先制機を招いたが、5番石川を空振り三振、6番福永を左飛に打ち取り無失点。6回2死から4番細川に逆方向の右翼ポール際への同点弾を許したが、失点はこの1点のみ。白星には恵まれなかったが、7回7安打1失点と好投した。「立ち上がりはあんな感じでしたけど、0点で行けましたし。そこを乗り越えて7回まで行けたので」。今季登板12試合で白星はまだ4個だが、うち9度がクオリティースタート(6回以上、自責3以下)。この日も安定感を見せた。12日オリックス戦以来、中13日での登板。投げる前から「力みすぎていた」という中での好投だった。「調子良い時に抑えられるのは普通ですけど、今日みたいな日の1失点とかの方が価値が高いし、自信になると思います」。粘りの投球を次戦は白星につなげる。

◆阪神岩崎優投手が延長戦の無失点リレーをつないだ。同点の延長11回に登板。1死から3番板山に一塁内野安打で出塁を許したが、続く4番細川は空振り三振。5番石川昂は二ゴロで封じ込めた。9日西武戦(甲子園)から4試合連続の無失点投球だ。試合後は「いつも通りです。明日も頑張ります」と語り、クラブハウスへ引き上げた。

◆阪神は延長12回の果てに1-1で中日と引き分け、岡田彰布監督(66)の史上20人目となる監督700勝はまたもお預けになった。今季5度目の執念ドローで2位はキープしたが、指揮官は9回に「待てのサイン」で二塁打を放った前川は「罰金やん」と厳しく指摘するなどおかんむりだ。攻撃は5試合連続2点以下の低空飛行で、首位広島とのゲーム差は今季最大タイの3・5に拡大。今日こそスカッと大台勝利を飾りたい。すっきりしない攻撃が続いたまま、延長12回、3時間59分の激闘の果てにドローの結末を迎えた。あと1本が、という問いに岡田監督は「なあ」とだけ答えた。だが、顔をしかめたのは、意外な場面だった。1-1の9回、1死一塁の場面。迎えた前川がカウント3-1から、右中間へ二塁打を放って二、三塁に好機を拡大した。だが、指揮官の表情は渋かった。「罰金やん。待て(のサイン)やん」。次打者は4回に先制の適時三塁打を放った佐藤輝だった。中日松山は先頭森下に死球を与えるなど制球が不安定。四球の可能性もあり、背番号8に一、二塁で回すイメージだった。ところが長打で一塁が空いた分、主砲は申告敬遠。サインの見落としで打った長打を認めることはできず、代打渡辺と小幡も凡退する最悪のシナリオで、サヨナラ機がついえた。序盤からチグハグだった。2回2死一、二塁で小幡が右前打を放ち、二塁走者の大山が激走。だが本塁は悠々タッチアウトにされた。4回は死球で出塁した先頭森下が、涌井のカーブがそれた隙に果敢に二塁を狙うも走塁死。その後、佐藤輝の先制適時三塁打が生まれた。9回は1死一塁で、前川の痛烈な二塁打が出てサヨナラかと思わせたが、一塁走者の植田が三塁ストップ。2点目が遠かった。前夜は0-1負けでも「内容的には最近ではまだ良かった」と話していた打線も、一夜明けは不発。「戻ってしもたなあ。フライアウトばっかりやろ。今日は」とため息で、「ポップフライやん。足のあるもんがな。足を生かせばええのにな」と拙攻の連続に苦虫をかみつぶした。6月18日の日本ハム戦(甲子園)から、5戦連続で2得点以下。この日も好投の大竹を援護で期す、再び"2点打線"の低空飛行が続く。「チカナカ」コンビも元気がない。1番近本は6打数無安打、2番中野は延長10回に右中間へ二塁打を放つも、そこまで4打数無安打。指揮官は「(得点が)入るわけないやん」とばっさりだ。首位広島と3・5差に広がり、NPB史上20人目となる監督通算700勝は、またも次戦へ持ち越し。次こそがっちりかみ合った投打で、すっきり勝ち切りたい。【磯綾乃】

◆中日細川が約2カ月ぶりの本塁打を放った。1点を追う6回2死走者なしの第3打席。阪神大竹の140キロ直球を強振すると、打球は右翼ポール際に吸い込まれた。「打球が切れなくて、ホッとしました。追いつけて良かったです」。打率こそ2割9分台を維持するが、本塁打は5月5日ヤクルト戦(神宮)を最後に足踏みしていた。4番固定が始まった日以来39試合ぶりに主砲復活を告げる1発を放った。試合は延長12回で決着つかず、リーグ最多6度目の引き分けとなった。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、岡田彰布監督(66)の監督通算700勝を目の前に2連敗中の阪神は大竹耕太郎投手(28)が先発する。昨年5月13日のDeNA戦(甲子園)でも監督通算600勝をプレゼントした左腕が、2年連続で岡田監督に節目の1勝を贈るべく腕を振る。打線は25日に今季10度目の零封負けを喫したが、その中でも岡田監督は「今までの『0』とはちょっと違う」と手応えを口にしていた。捕手以外は同じメンバーをスタメンに並べ、中日・涌井秀章投手(38)の攻略を目指す。

◆先発した阪神の大竹耕太郎投手(28)が、立ち上がりから満塁のピンチを背負うも無失点で切り抜けた。一回先頭からカリステ、田中に連打を浴びると、板山の三前犠打で1死二、三塁とされる。さらに細川は四球で歩かせて満塁となったが、ここから踏ん張った。石川昂は高めのボールで空振り三振。2死満塁から福永にはカウント1―2からの4球目をはじき返されたが、左翼後方へ上がった打球を前川が背走しながらがっちりとキャッチ。大竹はグラブをポンとたたいて喜び、好守の前川をハイタッチで迎えた。チームは先制点を許した試合で11連敗中で、今季はまだ3点差以上をつけられたゲームで逆転勝利したことがない。いきなり大量失点も頭をよぎる場面だったが、しっかりと踏ん張った。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)の果敢な本塁突入が、昨季限りで阪神を戦力外となった中日・板山祐太郎外野手(30)の好返球によって阻まれてしまった。0-0の二回2死一、二塁から小幡が右前へ安打を放ったシーンだった。二走・大山は懸命な走塁を見せ三塁を蹴ったが、右翼・板山が本塁へと見事なノーバウンド送球。捕手の宇佐見ががっちりとつかみ、大山は滑り込もうとするタイミングでタッチアウトとされてしまった。板山には、25日のカード初戦(倉敷)でも0-0の八回に才木が決勝打を浴びていた。前日は一塁手として先発出場していたが、持ち前のユーティリティーさでこの日は右翼で先発出場。好返球だけでなく三回の攻撃では中前打を放ち、かつて本拠地とした甲子園で暴れ回った。

◆阪神が佐藤輝明内野手(25)の久々の適時打で先制に成功した。四回2死から前川が右前打を放って出塁すると、続く佐藤輝のバットがついに火を噴いた。涌井の初球、120キロの変化球を強振。高々と甲子園の夜空へ舞い上がった白球は、右翼・板山の懸命のジャンプも届かず、フェンス上部に直撃。ボールがグラウンドへ跳ね返る間に前川が生還し、佐藤輝も三塁を陥れた。「打ったのはカーブかな。打った感触が良かったので、ホームランにならずに悔しい気持ちもありますが、緊迫した試合展開の中で先に点を取ることができてよかったです」試合前時点で自己ワーストを更新する「100打席連続アーチなし」となっていた佐藤輝。飛距離がわずかに足らずに柵越えを逃し、三塁上でも悔しそうな表情を見せた。それでも5月11日のDeNA戦(横浜)以来、約1カ月半ぶりのタイムリーで、6月7日の1軍再昇格から44打席目でようやくの打点をマーク。チームにも貴重な先制点をもたらした。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)が痛恨の同点弾を浴びた。佐藤輝の適時打で先制した直後の五回、先頭の田中に右前打を許すも、板山を1球で併殺に打ち取り、簡単に2つのアウトを重ねた。しかし、4番・細川への2球目に投じた外角のボールを捉えられると、右翼線へライナーで上がった打球がそのままポール際のスタンド最前列へ飛び込んだ。大竹はマウンドから呆然と打球の行方を見つめるしかなかった。3戦ぶりに先制した直後だったが、2死から相手主砲のひと振りで試合を振り出しに戻されてしまった。

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)が1-1の九回に1軍再昇格後初登板に臨み、2死二塁のピンチを招いたが無事に無失点で切り抜けた。ゲラは6月4日の楽天戦(甲子園)で延長十回に2失点して3敗目を喫し、翌5日に出場選手登録を抹消されていた。2軍調整を経て、21日に出場選手登録されていたが、ついに久々の1軍での登板機会が巡ってきた。先頭の細川は三ゴロに打ち取った。1死から石川昂に中前打を浴びると、続く福永の三振の間に代走・岡林に二盗を許す。一打勝ち越しという2死二塁のピンチを背負ったが、落ち着きは失わず、代打・大島を二ゴロに打ち取って無失点で切り抜けた。降格前は5月26日の巨人戦(甲子園)から登板3戦連続で失点していたが、復帰登板でスコアボードに「0」を刻んだ。

◆阪神は九回1死満塁のサヨナラ機を逸し、1-1のまま今季14度目の延長戦に突入した。ゲラが1軍復帰登板で九回を無失点に封じた直後の攻撃で、先頭の森下が死球を受けて一塁に生きた。代走・植田が送られ、中日の4番手・松山を一気に攻める。無死一塁で大山は痛烈な当たりの中飛に倒れたが、続く前川が右中間へ二塁打を放ち、1死二、三塁となった。佐藤輝は申告敬遠で1死満塁。ここで岡田監督は捕手の坂本に代打・渡辺を送る-。だが、渡辺は松山の直球に空振り三振に倒れてしまう。続く小幡も中飛に打ち取られ、絶好のサヨナラ機は一気にしぼんでしまった。「ハローキティ50thみんななかよくナイター」として行われ、ハローキティも来場した一戦は〝なかよく〟1-1のまま延長戦に突入。阪神が延長戦を戦うのは今季14度目で、ここまで13試合では4勝5敗4分けと負け越している。十回のマウンドには桐敷が上がり、きっちりと無失点に封じた。

◆阪神は九回に続いて延長十回も得点圏に走者を置いたがサヨナラのチャンスを生かせず。代打で出場した豊田寛外野手(27)が気迫あふれるヘッドスライディングで内野安打を勝ち取ったが、2死一、三塁で大山悠輔内野手(29)が三ゴロに倒れた。十回2死走者なしから中野がこの日初安打となる右中間二塁打を放ち、一気に一打サヨナラの場面を演出する。代走から右翼に入っていた植田の打順で、岡田監督は代打・豊田を告げた。豊田が放った当たりは二塁キャンバス方向へのゴロとなり、二塁・田中が懸命に処理したが、豊田はがむしゃらに頭から一塁ベースへと飛び込んでいた。2死一、三塁となって甲子園が大いに盛り上がり、打席には4番-。しかし、この場面で大山はボテボテの三ゴロに...。九回に続いて十回も、サヨナラのチャンスを逃してしまった。

◆阪神はサヨナラのチャンスを生かせず、3時間59分の熱闘で今季5度目のドロー。岡田彰布監督(66)は監督通算700勝に王手をかけてから3戦連続の足踏みとなり、ヤクルトに勝利した首位広島とのゲーム差は「3・5」に広がった。四回に佐藤輝明内野手(25)が右越え適時三塁打を放って1カ月半ぶりの打点をマークし、先制したのは阪神だった。先発した大竹耕太郎投手(28)は1-0の六回に中日・細川成也外野手(25)に同点ソロを浴びたものの、7回を7安打1失点でまとめた。打線は終盤に訪れた再三のチャンスを生かせず。九回には1死満塁で代打・渡辺諒内野手(29)が空振り三振に倒れ、続く小幡竜平内野手(23)も中飛に打ち取られてサヨナラ機を逃した。延長十回にも中野拓夢内野手(27)の二塁打と、代打・豊田寛外野手(27)の二塁内野安打で2死一、三塁としたが、4番の大山悠輔内野手(29)が三ゴロに倒れた。リーグ戦再開後の4試合の得点は「1、2、0、1」で平均1点と低調な攻撃が続いている。先発、リリーフ陣の粘りを、打線がまたも生かせなかった。

◆阪神が今季5度目のドロー。四回、佐藤輝明内野手(25)の5月11日DeNA戦(横浜)以来の適時打で先制。大竹耕太郎投手(28)が六回、細川成也外野手(25)にソロを浴びた。その後、九回1死満塁、十回2死一、三塁のサヨナラ機を逃した。十二回には佐藤輝の失策から1死満塁とされたが漆原大晟投手(27)が併殺に仕留めた。ハビー・ゲラ投手(28)が九回に復帰後初登板し、無失点に抑えた。また近本光司外野手(29)は6打数無安打だった。チームの延長戦成績は4勝5敗5分。首位広島に3・5差となった岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=33勝32敗5分、観衆=4万2623人)。ーーあと一本「なあ」ーー25日は内容は良くなって来たと「戻ってしもたなあ。フライアウトばっかりやろ。今日は」ーー佐藤輝の当たり(右翼フェンス直撃の適時三塁打)も、もうひと伸び「そんなん言うてもしゃあない」ーー初球から積極的に。集中力がある「いやあ、集中力というか、そら、集中力は絶対持たなアカンやろ。そんなの。今ごろ集中力出て来ましたじゃアカンやんか。それは」ーー真っすぐへの反応「そういうことやろ。ホップフライやん。足のあるもんがな。足を生かせばええのにな」ーー1、2番で12打数1安打「(点が)入るわけないやん」ーー九回は前川が打った(1死一塁から右中間二塁打)「罰金やん。待てやん」ーーゲラ、岩崎は久しぶりだったが「良かった、ゲラも。だからお前、楽なところがないから、もうしゃあないやん。一回楽なところでって、楽な展開になれへんねんから、そらお前」ーー最後漆原まで粘って「おーん、なあ」ーーゲッツーを取りに行った「そらゲッツーやろ。そんなの。前来たらどんだけバッター打ちやすいんよ。逆やったら、そらバックホーム態勢と思うけど、何で、そんな消極的な守りにするんよ。ゴロ飛んだらお前、ゲッツー取ればええやん。ゴロ打たせて」ーー大竹は一回1死満塁を切り抜けた「おお、まあ久しぶりやったからな。ヒットヒットでリズム作れんかったよな。でもよう0点に抑えてな。それから結構しのいどったけどな、七回まで。まあ、あんなホームランはしゃあないわ。向こうの4番やから」ーー以前「遊べ」と助言した「緩急のピッチャーやからな。真っすぐで、どんどん押す投手ちゃうから、そういうことやろ」(笑いながら)「俺のコメントあんまりいらんやろ、聞かなアカン人おるやろ」(歩きながら)ーー前川の待てのサインについて「佐藤を打たさなアカンのに。ああやってチャンス広がったら絶対敬遠やろ。フォアボールとかが一番ええんや」(前川の二塁打で1死二、三塁としたが、佐藤輝敬遠後に代打・渡辺が空振り三振、小幡は中飛)

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(76)は6投手による延長十二回ドローを振り返った。得点力不足の試合が続いている。攻撃面を指摘しても全く変わらない。どうしたものか。だから、投手陣をホメることにする。世間は、才木で負けた翌日という見方をするかもしれないが、先発投手は案外気にしない。自分の投球だけを考える。大竹も、そんな投球ができていた。打線の援護がないことも、百も承知で投げていたはずだ。ただし、立ち上がりから球がやや高かった。狙ったコースよりも内に入る傾向も。誰よりも本人が一番わかること。そこでも、自分の持ち味を忘れず、緩急でタイミングをずらしていった。見事だった。六回の細川の一発は、高めに浮いた球を、一番打球が伸びるポール際に飛ばされた。「高めは命取り」という言葉がピタリ当てはまる。とはいえ、7回1失点の投球を責める気は全くない。救援陣では、ゲラがまだ本来の投球ができていないことは気になった。次回登板でどこまで戻せるか。ただ延長十二回無死から佐藤輝の失策がありながら、落ち着いて後続を断った漆原を筆頭に、全員が力を出している。早くこの投手陣に打線が報いて欲しい。そう願うばかりだ。

◆二回、小幡竜平の打球で本塁を狙うもアウトになった大山悠輔(手前)を見つめる阪神・岡田彰布監督=甲子園球場(撮影・水島啓輔)

◆昨季は相手バッテリーの脅威になり続けたが、今はその姿はない。阪神・岡田彰布監督(66)が、2人そろって12打数1安打の1番・近本、2番・中野の快足コンビにおかんむりだ。「(得点は)入るわけないやん」先頭打者と2番打者の低調な打撃について、吐き捨てるようにいった。一回、三回はともに凡退。1-0の五回2死から近本は左飛を打ち上げ、中野は1-1の六回先頭で遊ゴロに倒れ、打線の勢いを生み出せない。九回終了時点で2人にヒットはなく、1-1で迎えた延長十回2死から中野が右中間への二塁打でようやくチャンスメークしたが、時すでに遅しだった。とくに近本は6打席立ってすべて凡退という自身初の屈辱的な結果に終わった。直近5試合は打率・087(23打数2安打)とどん底状態で、6月の月間打率も・167(78打数13安打)と低調。5月の同・312(93打数29安打)から下降線をたどっている。「ポップフライやん。足のあるもんがな。足を生かせばええのにな」盗塁王4回獲得の近本が塁をにぎわし、躍動感あふれる走塁で得点につなげる姿こそが岡田阪神の大きな武器だ。中野のスピードも打線が主導権を握るためには欠かせない。虎将が求める攻撃パターンが構築できなければ、ズルズルと後退してしまう。(新里公章)?...近本は6打席立って、すべて凡退に終わった。1試合に6打席以上回ってきたのは43度目で、無安打だったのは2023年7月2日の巨人戦(4打数無安打2四死球)以来6度目だが、6打数無安打は初

◆中13日での登板となった阪神・大竹耕太郎投手(28)は今季最長タイの7回を投げ、7安打1失点。「立ち上がりを0点でいって、7回までいけたんで。1点はもったいなかったけど、後悔はない」。一回に連打と四球で1死満塁のピンチを招いたが、後続を抑え無失点。五回までゼロを並べるも、六回2死から細川に右翼ポール際へ同点ソロを浴びた。岡田監督は「7回までよくしのいどったけどな。あんなホームランはしゃあないわ」と責めなかった。

◆代打で出場した阪神・豊田寛(27)が気迫でつないだ。1―1の延長十回2死二塁で起用されると、追い込まれながらも橋本の変化球に食らいつき、詰まった打球は二遊間へ。泥臭いヘッドスライディングで内野安打をもぎ取った。「何でもいいからつなごうという気持ちで。ファウルでなんとか粘って、事を起こそうと思って打席に立った」と振り返った。1軍昇格後は打率・333(12打数4安打)と存在感を放っている。

◆強力リリーバーが八回から無失点でつないだ。延長十二回、失策を犯した佐藤輝明内野手(25)を救った6番手の漆原大晟投手(27)はマウンド上で右拳を握りしめてガッツポーズだ。1死満塁。フルカウント。カリステを143キロの内角直球で遊ゴロ併殺に封じ込めた瞬間だ。「泥臭くてもいいんで。ゼロで(ベンチに)帰ってくるっていうのを意識していたから出たガッツポーズかな」先頭の福永を三ゴロに打ち取ったか、と思われたが、佐藤輝がファンブル。1死後、山本、加藤匠に連打を浴び、満塁に。5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)。延長十回に登板し、サヨナラ押し出し四球を与えた悪夢が脳裏によぎる。「前回の反省もあって、逃げても意味ない、打たれたら仕方ないと。絶対打ち取ると思って投げ込んで、最高の結果になった」漆原が勇気をもらったのは、復調をアピールしたダブルストッパー、ゲラ&岩崎だ。まず九回に3番手で登板したのは、21日に1軍復帰してきたゲラだ。この日一発を放っていた細川を156キロツーシームで三ゴロに。石川昂には中前打を許したが、福永を156キロ直球でバットの空を切らせ、2死二塁からは代打・大島をスライダーで二ゴロに仕留めた。「素晴らしい仕事ができたと思う。(2軍では)気持ちでの面でクリアにして、なにが必要かを考えていた」4日の楽天戦(甲子園)では1回もたずにKOされるなど、3試合連続失点で岡田監督から2軍降格指令を受けたが、あのときの悲壮感はなかった。そして、延長十一回には、背中に軽い張りを訴えていた岩崎が8日ぶりにマウンドへ。1死から内野安打を許したが、4番・細川をチェンジアップで空振り三振。続く岡林を二ゴロに仕留め、「いつも通りです。明日も頑張ります」。ポーカーフェースは健在だった。岡田監督は「ゲラは一回、楽なところで(投げる)と言ってたが、楽な展開になれへんから。(でも)よかった」と安堵(あんど)の表情。これから夏本番を迎えるが、岩崎とゲラが戻ってきた。打線の援護がなくても、虎のリリーフ陣はパワーアップしてチームを支える。(三木建次)

◆阪神・前川右京外野手(21)が〝魔曲〟の力で今季8度目のマルチ安打を記録した。「1打席目が淡泊になったので打てる球をちゃんと打とうと思っていた」。この日から偶数打席の登場曲を、出身の智弁学園高がチャンス時の応援歌で使用する「ジョックロック」に変更。四回2死の2打席目は右前打で出塁し、佐藤輝の適時三塁打で先制のホームを踏んだ。九回1死一塁の4打席目でも二塁打でサヨナラのチャンスを演出したが、岡田監督は「罰金やん。『待て』やん。佐藤(輝)を打たさなあかんのに。チャンス広がったら絶対敬遠やろ」と苦言を呈した。

◆阪神・森下翔太外野手(23)は2打数無安打に終わったが、2度の先頭での打席でいずれも死球で出塁した。四回には涌井から粘って9球目に右腕に死球を受け、痛みをまぎらわせるように手を振り回しながら一塁へ。九回先頭でも松山のすっぽ抜けた球が左手付近に当たり、代走・植田が送られてベンチへ退いた。試合後、患部については「大丈夫です」とだけ話してクラブハウスへ引き揚げた。

◆「限定」「記念」「特別」という言葉に弱い。なんとなく欲しくなる。でも、発売と同時にネットを駆使したり、行列して買い求める執念、根気は持ち合わせていない。26日から始まった「阪神甲子園球場開場100周年貨幣セット」の通信販売。ことし8月1日に100歳の誕生日を迎える「甲子園」の限定!記念!特別!なコインの登場だ。価格は消費税、送料込みで2700円。当初は購入意欲ゼロ。ただ、「この世で唯一、甲子園レフト16号門横スタジアムショップでのみ、店頭販売する」という〝付け足し〟の記事が頭の片隅に残っていた。前を通りかかった。誰も並んでいない。衝動的に買ってしまった。『令和6年銘の未使用の500円から1円までの6種類の通常貨幣と、丹銅製年銘板(製造年を記したメダル)1枚をケースに収納。年銘板の表面に甲子園2代目スコアボードがデザインされ、裏面には100周年のロゴマーク』という造幣局発表の逸品は意外にカッコいい。「いつの日か、高値で売れるのでは?」。欲にまみれた発想が頭を駆け巡る。たまたま通りかかったトラ番キャップ・新里に尋ねた。--いくらで買う?「お断りします。その手のモノには全く興味がありません。一銭も出す気はありません」話にならない。次に通りかかったトラ番最年少・中屋友那にチラッと見せてみた。「いいですね。3000円! アッ、でも今なら自分で買いにいけば2700円ですよね」気付かれた。当たり前の話だ。中屋も去っていった。が、その中屋から連絡が。

◆ヒ~ヒ~3時間59分に及ぶ猛虎拷問ショーで、気温上昇中のこの時期、頭も身体ももう限界やー!!一回、先発の大竹が1死満塁のピンチを必死にしのぎハァハァゼイゼイ...。四回、佐藤輝の適時三塁打で先制したと思ったら、細川に一発を浴びてあっさり同点でウギャ~! 九回1死満塁の大チャンスで、拷問に耐えてきたかいがあったとほくそ笑めば、渡辺は三振、小幡は初球を当てただけの力のない中飛と虎の拷問はまだまだ続くのだった...。十回2死一、三塁、さあ4番大山がこの苦しみから解放してくれる、と期待も三ゴロ。揚げ句に十二回、佐藤輝の緩慢なエラーから始まって1死満塁、絶体絶命の崖っぷち...漆原よくぞカリステをゲッツーにしとめてくれたー!! は~まさに生き地獄...。例えば九回1死満塁の場面は、バントのうまい梅野を打席に送り、満塁だろうがスクイズしたらえーやん!! てか、この5試合で6点の貧打は大問題や!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
35274 0.565
(↑0.008)
-
(-)
77197
(+5)
153
(+1)
28
(+1)
38
(-)
0.238
(-)
2.070
(↑0.03)
2
(-)
阪神
33325 0.508
(-)
3.5
(↓0.5)
73191
(+1)
187
(+1)
28
(-)
22
(-)
0.218
(-)
2.140
(↑0.03)
2
(-)
巨人
33325 0.508
(-)
3.5
(↓0.5)
73194
(-)
184
(-)
34
(-)
36
(-)
0.232
(-)
2.470
(-)
4
(-)
DeNA
33331 0.500
(-)
4
(↓0.5)
76227
(-)
233
(-)
38
(-)
37
(-)
0.249
(-)
3.110
(-)
5
(-)
中日
30346 0.469
(-)
6
(↓0.5)
73165
(+1)
215
(+1)
30
(+1)
24
(+1)
0.232
(↑0.001
2.620
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
29364 0.446
(↓0.007)
7.5
(↓1)
74242
(+1)
238
(+5)
50
(-)
33
(-)
0.235
(↓0.001)
3.250
(↓0.02)