阪神(★0対1☆)中日 =リーグ戦10回戦(2024.06.25)・倉敷マスカットスタジアム=
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中日
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阪神
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勝利投手:小笠原 慎之介(3勝6敗0S)
(セーブ:マルティネス(0勝2敗23S))
敗戦投手:才木 浩人(8勝2敗0S)
  DAZN
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◆中日が投手戦を制した。中日は両軍無得点で迎えた8回表、2死三塁から板山の適時打が飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・小笠原が7回無失点の好投。その後は松山、マルティネスとつないで逃げ切り、小笠原は今季3勝目を挙げた。敗れた阪神は、先発・才木が力投するも、打線が援護できなかった。

◆阪神のスタメンが発表された。阪神先発の才木浩人投手(25)は今季初めて日曜日以外の登板。両リーグ単独トップの8勝を挙げており、自己最多の9勝目を狙う。森下翔太外野手(23)は東海大相模の先輩で、中日先発の小笠原慎之介投手(26)に対する。チームは倉敷では昨年に続く連勝を目指す。

◆年に1度の倉敷でのゲームで虎党のため息が漏れた。4回の阪神の攻撃は、1イニングに3安打集まるも無得点。先頭森下翔太外野手(23)が中前打で出塁も、大山悠輔内野手(29)が併殺打。2死から前川右京外野手(21)が内野安打、佐藤輝明内野手(25)が右前打で一、二塁としたが、最後は梅野隆太郎捕手(33)が遊ゴロに倒れた。ここまで4イニングで無得点。5安打出ているが、得点にはいたっていない。

◆倉敷の夜空に花火が打ち上がった。5回終了後、バックスクリーン後方の上空に打ち上げられた。びっしりと埋まったスタンドのファンを魅了。試合は5回終わって0-0。今度はグラウンドに、ドデカい"花火"が打ち上がるか。

◆阪神大山悠輔内野手(29)のダイビングキャッチに倉敷の阪神ファンが沸いた。0-0の8回。先頭の代打大島が一塁ファウルグラウンドへ小フライを放った。一塁手の大山はフェンス方向へダッシュし、ダイビングキャッチ。飛球をつかんで先頭を抑えた。このプレーに倉敷マスカットスタジアムに集まった阪神ファンからは大歓声。阪神先発の才木も両手を上げてたたえた。

◆阪神が倉敷での一戦を落として、またしても火曜日に勝利を挙げることはできなかった。先発の才木浩人投手(25)は好投だった。中日先発の小笠原と投手戦を演じた。4回は2死満塁を招いたが、加藤匠を空振り三振に仕留めてほえた。ただ、0-0の8回2死から田中に右翼線へに三塁打を許すと、続く3番板山に先制の右前適時打を浴びた。一方で好投の才木に打線が報いることができなかった。4回は先頭の森下が出塁したが、4番大山が併殺打。続く前川、佐藤輝と連打でチャンスを迎えたが、梅野が遊ゴロとつながりを欠いた。倉敷には05年の実数発表以降で最多の3万417人が詰めかけたが、今季10度目の完封負け。今季火曜日に初めて才木が登板したが、チームの勝ち頭でも勝てず。3勝7敗2分けと鬼門の曜日は変わらなかった。

◆阪神の才木浩人投手(25)が奪三振数でリーグトップに立ち、勝利数と合わせてリーグ2冠となった。試合前時点では1位だった巨人戸郷と7差の71個につけていた。6回までに6奪三振。7回2死から龍空を空振り三振に仕留めて、戸郷と並んでリーグトップタイの71奪三振となった。さらに8回には細川から空振り三振を奪ってリーグ単独トップに立った。すでに勝利数でもリーグトップに立っており、リーグ2冠となった。

◆阪神が倉敷で今季10度目の完封負けを喫し、またしても火曜日に勝利を挙げることはできなかった。先発の才木浩人投手(25)は8回6安打1失点と好投するも、打線が中日先発の小笠原を前に苦戦。計6安打で援護することができなかった。0封負けにも、阪神岡田彰布監督(66)は「今までの0とはちょっと違うよな、おーん。それが野手の方がな、どう明日からな、どういう感じでできるかやろな」と、復調の兆しを感じたようで前を向いていた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。-才木はよく投げたよう投げたよな。-板山だけタイミングが合っていたいやいや、まっすぐいくと思ったけどな。インコース構えたからな。-4回は四球があったが、そこをしのいでおお、あそこは別に、な。フォアボールが2つ絡んだけど、ちょっと警戒しすぎたみたいなな。あれやったからな。-粘り強く粘り強くって、普通どおりよ。-7回はチャンスでもそのままだったかいやいや、一、三塁とか、二、三塁なったら、用意しとったけどな。あそこでは、一塁では変えれんよ。-これからも週頭を託せるそら、そういうことやん。-勝たせてあげたかったそら点取らんと勝てへんからなあ。-中盤以降捉えた打球が増えたかいやいや今日はあれや、内容的には最近ではまだ良かったよ、今日は。-試合前のフリーバッティングも。良かった。久しぶりになあ。-これまでの0とはそらなあ、相手のピッチャーも良かったからなあ。小笠原もなあ。チャンス作ってもそこで1本出るかどうかや、そういうことや。-9回も塁出たらチャンスあると思ってたけどなあ。1点やしなあ。-4回も2死からチャンス作ったうん。まあな、あんまりそんなな、悪い打球じゃなかったけどな、大山のもな、うーん。-結果論だが正面に飛んだのは痛かったそれはしょうがない。そんなのは。まあそれは正面行くということはやっぱりな、向こうのボールが良かったんやろな。-良かった感覚を持って明日もだからちょっと今までの0とはちょっと違うよな、おーん。それが野手の方がな、どう明日からな、どういう感じでできるかやろな。-また野手ミーティングで改めて言ってない言ってないそんなん。

◆「新・火曜日の男」、合格だ。今季初めて火曜日に先発した阪神才木浩人投手(25)が、8回1失点と力投した。0-0の8回2死三塁。元虎戦士の板山に右前への適時打を浴び、これが決勝点。援護なく0-1で敗れ、2敗目を喫した。「勝負にいった結果なので」と前置きした上で「あそこ打たれたのは悔しい」と唇をかんだ。それでも12球団最多の8勝を挙げている実力を発揮した。4回2死満塁では粘る加藤匠を152キロ直球で空振り三振。「あそこで三振はすごく良い」と手応え十分だった。「SNSでも『岡山が地元なんで、やっと見に行けます』とかメッセージをもらった。勝ちたかったですけど、いいピッチングを見せられたんじゃないかな」。05年の実数発表開始後、倉敷での最多観衆となる3万417人のファンの声援を力に変えた。7回を終えた時点で球数100球を超えていたが、直後の攻撃では2死一塁の場面で打席に立った。続投を選んだ岡田監督は「一、三塁とか二、三塁なったら、(代打を)用意しとったけどな。(走者)一塁では変えれんよ」。122球の熱投を「よう投げたよな」と認め、今後も週頭の火曜日での先発について「そら、そういうことやん」と託すつもりだ。8個の三振を奪い、今季79奪三振は巨人戸郷を抜いてリーグトップに浮上。今季13試合目で自身初のナイターゲームに「朝起きて、寝坊したと思った」と笑った。今季火曜日は3勝7敗2分け、勝率3割とチームの曜日別でワーストの成績だが、これから才木が挽回してみせる。【中野椋】

◆中日板山祐太郎外野手(30)が古巣相手に移籍後初の決勝打を決めた。0-0の8回に2死から田中が三塁打でチャンスメーク。阪神先発才木のスライダーを右前に運んだ。「忘れられない1日になった」。才木の前に3安打1打点。阪神戦は2試合7打数5安打、打率7割1分4厘と、ひときわ輝く。昨オフに8年間在籍した阪神を戦力外になり、育成契約で中日に移籍した。5月に支配下選手登録され、1軍昇格。17試合で打率3割5分6厘と好調だ。「タイガースで結果を残せなくて、申し訳ない気持ちはあった。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」。聞き慣れた虎党の声援を力に変えた。立浪監督も「ああいうところで打てる打者は本当に貴重。素晴らしい働きをしてくれた」と、内外野を守るユーティリティーを手放しで称賛した。連勝で2カード連続の勝ち越しにも王手。「明日も勝ちます」。板山が移籍後初の甲子園凱旋(がいせん)での活躍を誓った。

◆試行錯誤を続ける森下翔太外野手(23)が、東海大相模の先輩からヒットを放った。同校の3学年上にあたる中日小笠原との第2打席。4回先頭で3球目、外角低めの変化球を振り抜いた。打球はジャンピングキャッチを試みた二塁手の頭上を越え、中前打。18日の日本ハム戦(甲子園)以来、8打席ぶりの安打で、今季小笠原から初安打となった。「変化球をセンター方向にはじけたのはよかった」とうなずいた。この日も特訓が行われた。試合前の打撃練習では水口打撃コーチがトスを上げ、練習を終えると2人で話し込んだ。「バッティング練習のことで、良い打球が飛んでたりしたのでそのことを言われました」。良い感覚で迎えた中での1本に「ヒットは出たので次に向けてやりたい」と前向き。先輩撃ちを契機に、ここから調子を上げていく。

◆中日小笠原慎之介投手(26)が約1カ月ぶりの白星を手にした。出場選手登録抹消から中12日の先発。阪神打線に三塁を踏ませることなく7回5安打無失点で封じ込めた。8回表に味方打線が1点を先制。「自分の仕事はできました」と胸を張った。昨季からの自身の阪神戦の連敗も「3」でストップ。立浪監督は「左の柱になってもらわないといけない投手。勝ちがついたのは本人にもチームにも大きかった」と、笑みをこぼした。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が9回2死から望みをつないだ。中日の守護神マルティネスに追い込まれたが、4球目を左前にはじき返した。「なんとか塁に出たいところで出られたのでよかったかな」と敗戦あと1球から粘りの一打を放った。4回にも右前打を放っており今季8度目のマルチ安打。打席内容も良く「少し手応えを感じた。勝っているところを見せられるように頑張ります」と前を向いた。

◆阪神の足のスペシャリスト植田海内野手(28)が同点機をつくった。1点ビハインドの9回2死から左前打で出塁した佐藤輝の代走で出番が回った。次打者の2球目でスタートを切ると、タッチよりもわずかに速く二塁に到達。今季初盗塁に「普通にいいスタートが切れた。イメージ通りにスタートが切れたので良かった」と手応え十分だった。同点のホームは踏めなかったが、勇気ある二盗で好機を演出した。

◆打線上向きの兆しが見えた!? 阪神が今季10度目のゼロ封負けを喫した。打線は6安打もホームが遠くため息の連発。首位広島と3ゲーム差に広がった。史上20人目となる監督通算700勝もお預けとなった岡田彰布監督(66)だが、「今までとは違う」と打線の復調を強調。スカッ爽やかとはいかなかった倉敷マスカットスタジアムだが、甲子園に帰ってモヤモヤを吹き飛ばす。5回終了後、バックスクリーン後方に色鮮やかな花火が打ち上げられた倉敷マスカットスタジアム。05年の実数発表開始後、12球団最多の3万417人が詰めかけたが、熱気に応えることはできなかった。今季10度目の完封負け。岡田監督は「そら点取らんと勝てへんからなあ」と話しながらも、表情は暗くない。怒ってもいない。中日先発小笠原を前に、あと1本が出なかった。4回先頭の森下が中前打で出塁するも、続く大山が遊ゴロ併殺に倒れた。再び前川、佐藤輝の連打で2死一、二塁としたが、最後は梅野が初球で遊ゴロに打ち取られた。「あんまりそんなな、悪い打球じゃなかったけどな、大山のもな、うーん」。ゼロ封という結果を受け止めながらも、打線の内容に兆しを感じとった。「いやいや今日はあれや、内容的には最近ではまだ良かったよ、今日は」。気配は試合前練習のフリー打撃からあった。「良かった。久しぶりになあ」。しっかりと捉えた打球が、倉敷の空にいくつも飛んだ。今月中旬のソフトバンク戦では、詰まって内野スタンドへ入る当たりが続出し、注意喚起の笛の「ピーピー」鳴り響いていた。「ピーピーやけど外野のスタンド(に飛んで)のピーピーちゃうぞ、詰まった反対方向の内野のピーピーやで言うて」と話していた指揮官。そんな叱咤(しった)に応えたのか、ナインはこれまでと違う姿を見せた。この日の敗戦で首位広島とは3ゲーム差に広がり、巨人と同率2位。4位DeNAは0・5ゲーム差に迫ってきた。それでも9回に中日の守護神マルティネスを攻めたて、逆転可能な2死一、二塁まで持ち込んだ。「今までの0とはちょっと違うよな、おーん。それを野手の方がな、どう明日からな、どういう感じでできるかやろな」。復調気配を次こそ結果につなげて、本拠地甲子園ではスカッと勝ちたい。【磯綾乃】阪神の完封負けは今季10度目。0-1負けは、4月11日広島戦、5月24日巨人戦に続き3度目だ。なお地方球場での0-1敗戦は、今回と同じ倉敷での02年8月6日広島戦以来、22年ぶりとなった。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が強肩を発動した。0-0の7回。無死走者一塁で中日加藤匠への初球をすかさず二塁へ高速送球し、盗塁を阻止した。「自分ができることはしっかりできた」と納得。また、8回1失点と才木を粘り強くリード。「しんどい中よく抑えてくれたのが正直なところ。チームは負けてしまったけど、こういう(内容を)続けていくことの方が大事」と右腕をねぎらった。

◆阪神前川右京外野手(21)がしぶとく地方球場初安打を放った。4回、2死から左腕小笠原の内角直球を、打球は三塁手のグラブをはじき、内野安打。これが倉敷での初安打で、地方球場でも初。1点を追う9回には1死から中日マルティネスを前に左飛に倒れ、「なんとか塁に出られるように次は頑張ります」と前を向いた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は才木浩人投手(25)が先発する。23日のDeNA戦(甲子園)が中止になり、今季初めての日曜日以外のマウンドとなる。交流戦では優秀選手賞を獲得するなどここまで両リーグトップの8勝を挙げる勢いそのままに、キャリアハイを更新する9勝目を目指す。岡田彰布監督(66)はここまで監督通算699勝。史上20人目となる監督通算700勝を達成できるか。森下翔太外野手(23)は「3番・右翼」で2戦ぶりにスタメンに復帰した。両軍のオーダーは以下の通り。

◆先発の阪神・才木浩人投手(25)が一回を三者凡退で抑えた。先頭のカリステを遊ゴロ、田中を右飛に仕留めると、昨季まで阪神に在籍した板山も右飛に仕留めて完璧な立ち上がり。才木が投球するたびに、試合開始からスタンドを埋めつくした倉敷の阪神ファンから大歓声が沸き起こった。

◆阪神・近本光司外野手(29)が三回の第2打席で右前打を放った。中日先発・小笠原の128キロ変化球をうまく右前に運んだ。近本は18日の日本ハム戦(甲子園)の第3打席で中前打を放ってから無安打。これが3試合&12打席ぶりのヒットだった。4番を任されることもあった近本だが、6月はこの試合の前の時点で月間打率.176と苦しんでいる。

◆阪神・才木浩人投手(25)が満塁のピンチをしのいだ。0-0の四回1死から板山に中前打を許した右腕は突如、制球に苦しみ始める。続く細川に四球を与えると、ディカーソンは捕邪飛も福永にも四球で2死満塁のピンチ。7番・加藤匠を打席に迎えた。カウント0-2から3球目、フォークはベースから大きく手前でワンバウンド。梅野が体を張って投球を止め、ホーム生還を許さなかった。フルカウントとした才木は、最後は152キロ直球で空振り三振に仕留めてガッツポーズ。バッテリーで危機を乗り切った。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が四回の第2打席、先頭で東海大相模高の先輩・小笠原から中前打を放った。左腕に対しては昨季、打率.625(8打数5安打)をマークしたが、今季は前回の対戦で4打数無安打に抑えられていた。先輩からの今季初安打で出塁したが、続く大山が遊ゴロ併殺。前川、佐藤輝の連打で2死一、二塁のチャンスをつくったが、梅野は遊ゴロに倒れて先制できなかった。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(33)が強肩で才木を再び救った。七回、先頭の福永に中前打を浴びると、加藤匠はバントの構え。その初球、一走・福永がスタートを切った。すかさず梅野が矢のようなストライク送球。中日がリクエストを要求も判定は変わらずアウトに仕留めた。梅野は四回のピンチでもブロッキングで才木を援護。女房役が力投する右腕を支えている。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が守備で魅せた。八回、先頭の代打・大島の打球はふらふらっと一塁ファウルゾーンへ。一塁手・大山は猛ダッシュで追いかけると、最後は頭から飛び込んでキャッチ。打撃では第3打席までに2併殺を喫していたが、守備で存在感を発揮した。

◆阪神・才木浩人投手(25)が痛恨の先制点を献上した。球数が100球を超えてもなお向かった八回のマウンド。2死から田中に三塁打を浴びると、2安打を許している板山を迎えた。3球目、この日118球目を弾き返されると打球は無情にも一、二塁間を抜けた。痛恨の一球にマウンドで悔しさをにじませた右腕。打線の援護なく孤軍奮闘する才木だったが8回6安打1失点。122球の力投もむなしく、降板。九回は漆原がマウンドに上がった。

◆阪神は打線が沈黙し敗戦した。中日先発・小笠原の攻略できず、6安打無得点。近本が12打席ぶりの安打を放つなどしたが、つながらなかった。先発の才木は8回6安打1失点。八回2死から田中に三塁打を浴びると、昨季まで阪神に在籍していた板山に右前打を許した。打線の援護なく、122球の力投もむなしく今季2敗目。自身の連勝も8でストップした。阪神は連敗で貯金は再び1。岡田監督の監督通算700勝はまたもお預けとなった。

◆中日が投手戦を制した。先発の小笠原は7回を5安打無失点で3勝目。0―0の八回に板山が先制打を放ち、終盤2イニングは松山、マルティネスが抑えた。阪神は才木が8回1失点と力投したが、打線が6安打無得点に終わった。

◆八回、中日・大島洋平の打球を好捕する阪神・大山悠輔=倉敷マスカットスタジアム(撮影・水島啓輔)

◆阪神が10度目の零敗。日曜日登板で8連勝中の才木浩人投手(25)が火曜日に回り、4月7日ヤクルト戦(神宮)以来の黒星で2敗目(8勝)を喫した。八回2死から田中幹也内野手(23)に右翼線三塁打、昨季まで阪神に所属していた板山祐太郎外野手(30)に右前打を許した。打線は九回2死から左前打の佐藤輝明内野手(25)への代走・植田海内野手(28)が二盗を決めるなど一、二塁の好機を迎えたが、代打・糸原健斗内野手(31)が空振り三振に倒れた。「0ー1敗戦」は今季3度目。佐藤輝は2安打ながらも1軍復帰後打点ゼロで、自己ワーストのノーアーチが100打席に到達した。火曜日の勝敗は3勝7敗2分。2連敗で首位広島とは3差に広がった岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=33勝32敗4分、観衆=3万417人)。ーー才木はよく投げた「よう投げたよな」ーー板山だけタイミングが合っていた「いやいや、真っすぐ行くと思ったけどな。インコース構えたからな」ーー四回は四球があったが、そこをしのいで「おお、あそこは別にな。フォアボールが2つ絡んだけど、ちょっと警戒し過ぎたみたいやな。アレやったからな」ーー粘り強く「粘り強くって、普通通りよ」ーー七回はチャンスでもそのまま(七回2死一塁で才木が空振り三振)「一、三塁とか、二、三塁なったら、用意しとったけどな。あそこでは、一塁では代えられんよ」ーーこらからも週頭を託せる「そら、そういうことやん」ーー勝たせたかった「そら点取らんと勝てへんからなあ」ーー中盤以降捉えた打球が増えたか「いやいや今日はアレや、内容的には最近ではまだ良かったよ、今日は」ーー試合前のフリーバッティングも「良かった。久しぶりになあ」ーーこれまでの零敗とは「相手のピッチャーも良かったからなあ。小笠原もなあ。チャンス作ってもそこで一本出るかどうかや、そういうことや」ーー九回も「塁出たらチャンスあると思ってたけどなあ。1点やしなあ」ーー四回も2死からチャンス作った(2死一、二塁で梅野が遊ゴロ)「あんまそんなな、悪い打球じゃなかったけどな。大山のもな、うーん」ーー結果論だが正面に飛んだのは痛かった「それはしょうがない。そんなのは。まあそれは正面行くということは向こうのボールが良かったんやろな」ーー良かった感覚を持って明日も「だから、今までの0とはちょっと違うよな、それが野手の方がな、どう明日からな、どういう感じで出来るかやろな」ーーまた野手ミーティングで改めて「言ってない。言ってない。そんなん」

◆阪神は打線が沈黙し、今季10度目の零封負けを喫した。先発の才木浩人投手(25)は8回6安打1失点で122球の力投も今季2敗目。自身の連勝が8でストップした。主な選手のコメントは以下の通り(成績=33勝32敗4分、観衆=3万417人)。8回1失点で2敗目の才木 「全然悪くないと思いますし、四回のピンチもしっかり粘れたので。ああいうピンチでしっかり三振に斬って取れるというのは、すごいいいと思います」才木について梅野 「別に打たれるというか、抑えにいっているからね。結果的に打たれてしまったけど、そこだけをとらえるんじゃなくて、よう粘ってくれていたし、8回1失点で」2安打の佐藤輝 「最後(九回)とかはね、なんとか塁に出たいところで出られたのでそれはよかったかなと思います」東海大相模高の先輩・小笠原から1安打の森下 「カーブの入りは多いなっていうのは前の試合から思っていたので、そこは甘いところきたらいこうと思っていたんですけど、いいところにすごい決まっていたので、そういうところを読み合いも含めながら打席には入ったかなと思います」

◆阪神・漆原大晟投手(27)が0-1の九回のマウンドで無失点の好投をみせた。1死から福永に遊撃内野安打を許すと、犠打で2死二塁とされたが龍空を左飛に仕留めた。これで7試合連続無失点。DeNA戦が雨天中止となった23日には岡田監督も「オールマイティーでいつでも使えるんじゃない? 漆原は」と語っていたが、期待通りの奮投を続けている。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が気迫のこもった美技で倉敷の虎党をわかせた。八回、先頭の代打・大島が一塁ファウルゾーンへ小フライを放つと、全力疾走で追いかけて硬い人工芝に飛び込みながら見事にダイビングキャッチ。昨季ゴールデングラブ賞を獲得した好守で、好投を続けていた才木をもり立てた。しかし、打撃では2つの併殺打など再昇格3戦目で初の無安打に終わり、試合後は無言で球場を後にした。

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(80)は今季10度目の零敗を喫した打線に言及。「個で戦う野球」からの脱却を求めた。今の阪神打線では、中日・小笠原のように好投手はなかなか打ち崩せない。普通なら1試合に3回はチャンスがあるものだが、今はワンチャンスをものにできるかどうか。2死からの連打で一、二塁とした四回の好機を逃したのが、最後まで響いた。打線全体にしぶとさを感じなかった。あっさりし過ぎている。自分が安打を打てばいい、という打撃をそれぞれがしていた。打てればいいが、打てないから負けている。個で戦ってしまっている印象を受けた。小笠原に対しては、安打を打てなくても、一打席で10球投げさせれば、1安打と同じだけの価値がある。打てなくても何とかしてやろう、マウンドから引きずりおろしてやろう、みんなで潰しにいこうという姿勢が必要なのだ。しつこさがないから5回まで61球、7回を97球で投げ切られてしまった。好投手を攻略するには球数を投げさせることだ。アウトになってもしぶとく食らいつく。がっぷり四つに組めばワンチャンスしかなかったところが、ツーチャンス、スリーチャンスになっていく。そうすれば、相手も打てる球を投げてくる。ワンチャンスしかないから、向こうの術中にはまるし、肩に力が入った打撃になってしまう。昨年の阪神打線には、しぶとさがあった。相手が嫌がる野球を意図的にできていた。今年はそれができていないから、今の成績につながっている。打順がコロコロ変わって固定されないことも一因だと思うが、みんなで戦う姿勢をもう一度思い出す必要がある。まだ取り返し可能な時期だ。

◆阪神・近本光司外野手(29)が久しぶりの快音を響かせた。三回1死の第2打席、1ストライクから小笠原の2球目の変化球を仕留め、ライナーで右前へ運んだ。これが近本にとって3試合&12打席ぶりの安打。22日のDeNA戦(甲子園)では4打数3三振に倒れていたものの、一回にも二直、五回は遊直を放ち、とらえた打球を連発した。試合後は「特にないです」と足早にチームバスへ乗り込んだ。

◆阪神・森下翔太外野手(23)は「3番・右翼」で2試合ぶりにスタメンに復帰。四回先頭の第2打席に中前打を放ち、東海大相模高の先輩・小笠原から今季6打席目で初安打を放った。「読み合いも含めながら打席に入った。変化球をセンター方向にはじけたのはよかった」。交流戦明けの練習から岡田監督に指導を受けており、試合前の打撃練習後には水口打撃コーチから話しかけられる姿も。「練習でいい打球が飛んでいたのでそのことを言われた。ヒットは出たので次に向けてやりたい」と試行錯誤を続けていく。

◆阪神・植田海内野手(28)が緊迫の場面で自慢の快足を見せつけた。九回2死一塁から代走で起用されると、渡辺への2球目でスタートを切った。タッチをかいくぐって二盗を決め、今季初盗塁をマーク。中日サイドからはリクエストが要求されたが判定は覆らず、最後の好機を演出した。今季2度目の企図での成功に「イメージ通りにスタートが切れたのでよかった」とうなずいた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(33)は開口一番、才木をねぎらった。「結果的に打たれてしまったけど、よく粘ってくれていた。また次回に生かして前向きにやるしかない」。慣れない地方球場のマウンドでも必死にリードした。ワンバウンドの変化球を何度も体でストップし、先頭に出塁を許した七回には素早い送球で二盗を阻止。「浩人を助けられてよかった」と振り返った。

◆痛い! でも夜明けは近い...!? 阪神は中日に0-1で敗戦。8連勝中だった才木浩人投手(25)を先発させたゲームを痛恨の今季10度目零封負けで落としたが、岡田彰布監督(66)は「今までの『0』とはちょっと違うよな」と悲観しなかった。2連敗で首位広島とは3ゲーム差。それでも打撃練習でもゲームでも捉えた良い打球は多かったと、虎将は兆しを感じ取った。3万417人が詰めかけた倉敷に、見慣れたゼロとため息が充満した。重い足取りでチームバスへ引き揚げるナインに、今度は岡田監督がどんな厳しい言葉を浴びせるのか-。会見場の空気はピンと張り詰めたが、虎将の口から出てきたのは真逆の〝評価〟だった。「今までの『0』とはちょっと違うよな」両リーグトップ8勝を挙げてきた今季のエース格、才木を先発ローテーションの再編で日曜から週頭・火曜の登板に動かした。25歳の右腕は期待通りにゼロを並べたが、打線が今季10度目の零封負けで見殺しにした。痛恨の一戦に違いなかったが、それでも将は誰も責めなかった。むしろ、この先どうにか攻められる糸口を見つけたかのようだった。「いやいや、きょうはアレや、内容的には最近ではまだ良かったよ」とうなずいた。0-0の四回には先頭の森下が右前打で出塁したが、続く大山が痛い遊ゴロ併殺打に終わった。この凡打も「うん。まあな、あんまそんなな、悪い打球じゃなかったけどな、大山のもな」と受け止めた。大山はこの日2併殺。この四回は3安打を集めても1点も奪えなかったが、結果だけを見てこき下ろすことはしなかった。前日に見せていた厳しさからも一変した。試合前練習から打撃投手のボールに差し込まれ、まともに捉えられない野手陣に対し、岡山への移動日となった24日には「ピーピー笛吹いてるけど、うちの打球はみんな反対方向の内野席の打球やないか」と独特の言い回しで苦言を呈していた。球場スタッフが警告音を鳴らさなくてはならないような、内野スタンドへのファウルばかり打つなという意味だったが、この日の練習について問われると「良かった。久しぶりになぁ」と改善が見られたことを明かした。

◆阪神・才木浩人投手(25)がついに負けた。0-0の八回2死三塁。元同僚の板山の右前に転がった打球を目で追うと、スコアボードをみつめて顔をゆがめた。野球人生初の倉敷で、8回1失点の好投も報われず4月7日のヤクルト戦(神宮)以来、11戦ぶりの黒星。同14日の中日戦(バンテリンドーム)からの連勝が8で止まった。「勝負にいった結果なんで。あそこで打たれたのは悔しいけど。もうひと踏ん張りで投げ切れたかなというところで打たれたのは、自分の実力不足かなと思う」開幕から日曜の先発を任されてきたが、23日のDeNA戦(甲子園)が雨天中止となりローテが再編された。この日は順番通りなら村上が先発だったが、岡田監督から「ええピッチャーから6連戦(の頭)。そら普通やろ」と大きな期待を寄せられ、今季初めて火曜のマウンドに立った。0-0の五回、安打と2四球で2死満塁とされたが、加藤匠を152キロ直球で空振り三振に。マウンド上で右拳を突き上げた。「自分のやることは火曜だろうが、日曜だろうが変わらない」。その言葉通りの奮闘だったが、0-0の八回2死で田中に右翼線三塁打を浴びたところから、落とし穴にはまった。「なかなか点が入らない場面(試合)は粘ってゼロで抑えるのが大事。先制点を与えてしまったのは悔しい」これでチームは火曜に3勝7敗2分けで、平均得点は1・67だ。数字上は完封に近い結果を残せなければ勝てないことになる。岡田監督は「よう投げたよな」とねぎらった。才木は今後も週の頭かと問われると「そら、そういうことやん」とうなずき、火曜の男に指名した。今季12試合目で初のナイターでの登板だった。「僕は暑いのが苦手。夏バテするんで。そろそろ涼しい中で投げてみたい」と語ってきたが、実際に投げて手応えもあった。「朝起きて、寝坊したと思ったんですけど(笑)。すごい涼しいんで投げやすいなと思いました。これからナイターが増えると思うんで、体の時間とかを調整しながら、やっていけたら」連勝は止まったが、勢いは止めない。他球団がエースをぶつけてきても、虎の火曜には才木がいる。(三木建次)

◆6月25日は何の日? きのうのきょうという話なら、『サザンの日』だろう。国民的バンド、サザンオールスターズが、1978年6月25日に「勝手にシンドバッド」でデビューしたことにちなんだ記念日だ。夏フェスからの勇退は残念だけど、9年ぶりのアルバム発売は待ち遠しい。音楽好きなら、キング・オブ・ポップのマイケル・ジャクソンがこの世を去った日として刻まれているだろう。2009年のことだった。野球ファンなら、1959年だ。65年前のこの日、日本プロ野球初の天覧試合が行われた。読売ジャイアンツ─大阪タイガース。後楽園球場での伝統の一戦だ。両軍が点を取り合って4─4で迎えた九回、巨人・長嶋茂雄が左翼スタンドへサヨナラ本塁打を放ったのは、ミスター伝説の序章として今でも語り継がれている。そして、劇的なアーチを浴びた村山実が「あれはファウル」と言い続けていたことも、そのミスタータイガースがグラブを後ろポケットに入れてベンチへ引き揚げたことも、阪神ファンには語り草になっている。記憶にも、記録にも残る天覧試合の証人になってみたかった。だが、65年前のこと。岡田虎のことなら第1次政権時代からよく知っているベテラン虎番の三木建次でさえ、まだ生まれていないのだ。そんな話をしていると「天覧競馬の現場ならいたことがありますよ」と手を挙げたヤツがいた。運動部デスクの川端亮平だ。2023年3月までレース部で中央競馬担当を務め、12年10月28日の天皇賞・秋での天覧競馬を取材していた。

◆イタヤマ~! イタヤマ~! 悔しいけれどイタヤマ~! オメデトウ!! 桃栗3年柿8年...だけど8年間縦ジマのユニホームでスポットライトを浴びることがなかった板山祐太郎が、ハーラートップのエース才木から虎の子の1点。クソー、わが阪神が負けたのに妙にうれしいじゃねーか!! 中日に今季移って最初は背番号211番の育成選手...そこからはい上がっての本日のお立ち台! もちろん本人の努力もあっただろうけど「ホラ、俺の目に狂いはなかったやろ」と、ほほ笑みながら最高にうまい酒を飲んでるのは板山を獲得した阪神関係者なのでは...。そのお方たち「お疲れ生で~す!」。野球はこれがあるから勝ち負けでなく酔えるのだ!!8回6安打1失点の才木は黒星がついたけど、さすがや!! 八回2死から田中に三塁打を打たれた(当てられた?)外角低めいっぱいの球なんて、ドジャースの大谷だってヒットにできない完璧な投球だから何も気にすることなし!! だけど打線は相変わらず。「ピーピーはあかんよ!」と岡田監督からストレートに遅れるなという指令が出たのに、まだ詰まっているし...。180キロのマシンでも使って練習せーや!!

◆阪神はサヨナラのチャンスを生かせず、3時間59分の熱闘で今季5度目のドロー。岡田彰布監督(66)は監督通算700勝に王手をかけてから3戦連続の足踏みとなり、ヤクルトに勝利した首位広島とのゲーム差は「3・5」に広がった。四回に佐藤輝明内野手(25)が、あともうひと伸びで自身102打席ぶりのアーチかという右越え適時三塁打を放って1カ月半ぶりの打点をマーク。先発した大竹耕太郎投手(28)は1-0の六回に中日・細川成也外野手(25)に同点ソロを浴びたものの、7回を7安打1失点でまとめた。打線は終盤に訪れた再三のチャンスを生かせず、投手陣の踏ん張りに応えられなかった。主な選手のコメントは以下の通り(成績=33勝32敗5分、観衆=4万2623人)。四回にあと少しで102打席ぶりアーチかという右越え適時三塁打を放った佐藤輝 「いや~もうね。行ったと思ったんですけど、風と甲子園にやられましたね」延長十回2死二塁で二塁内野安打。ヘッドスライディングも見せた豊田 「繋ぐしかないと思って、何でもいいから繋ごうという気持ちで打席に立ちました」五回に細川に同点ソロを浴びたものの、先発で7回1失点と奮投した大竹 「1点もったいなかったですけど、別に後悔もない。できれば長打だけは避けたかったので。(細川は)足を上げて飛距離を出すタイプなんで、クイックの方が長打ないかなと思ったら、逆になんかいい感じにタイミング合っちゃった」1軍復帰登板で同点の九回を零封したゲラ 「気持ちの面でもう一度考え直せた。もう一回クリアにして、何が必要を考えて、気持ちをリフレッシュさせて上がってきた。きょうはまず投げられて良かった」延長十二回に1死満塁のピンチを背負うも、カリステを遊ゴロ併殺に打ち取った漆原 「千葉でも押し出し(でのサヨナラ負けが)ありましたけど、エラーを挟みましたけど、僕がヒットで満塁にしたランナーだった。前回の反省もありますし、逃げてても意味ない。絶対打ち取ると思って投げ込んで、最高の結果になった」

◆かすかな光はテル! 阪神は延長十二回の末、1-1で引き分けた。3時間59分の苦闘の中、四回に佐藤輝明内野手(24)が右越えに先制の適時三塁打を放ち、5月11日以来、1カ月半ぶりに打点を挙げた。もう少しでホームランという大きな当たり。もう貧打の試合は見飽きたよ。そろそろ打って~。何度も虎党の夢を乗せてきた放物線が甲子園に描かれる。文句なしのスタンドインかと思われた打球は、わずかにその手前でフェンスにはねかえった。打球の行方を見守りつつ走った佐藤輝は、三塁で大歓声を浴びても複雑な表情でわずかに唇をかみしめた。久々のタイムリーも、本塁打にもチームの勝利にもあと少し届かず、悔しさをにじませた。「いやー、もういったと思ったんですけど、風と甲子園にやられましたね」四回2死から前川が右前打を放って出塁し、迎えたこの日の第2打席。涌井の初球、120キロの変化球を強振した。高々と甲子園の夜空へ舞い上がったボールは、右翼・板山のジャンプを越え、フェンス上部を直撃。ボールがグラウンドへ跳ね返る間に前川が生還し、佐藤輝も三塁を陥れた。わずかに柵越えを逃したが、5月11日のDeNA戦(横浜)以来、約1カ月半ぶりのタイムリーで、6月7日の1軍再昇格から44打席目でようやくの打点をマーク。チームにも貴重な先制点をもたらしたが...。その後は延長十二回まで戦っても追加点を奪えず、自身の安打もこの1本のみだった。打撃不振に守備の乱れも重なり、5月15日に2軍降格となって約3週間、鳴尾浜を中心に汗を流した。猛練習の中でも気丈に振る舞い、後輩たちとのコミュニケーションも欠かさない。1年目からチームの中心で活躍を続けた主砲も今年が4年目。憧れの的として助言を求められることも増えた。「まだ高卒1年目なんやろ? 思い切って、どんどん振っていったほうがいいよ。そうやって覚えていくから」。肩のけがで実戦経験が少なかったD4位・百崎(東海大熊本星翔高)にはこんな言葉を送って励ました。「輝さんはなんでも気さくに話しかけてくれた。練習から勉強になりました」と百崎。今月9日、ウエスタン・リーグでチームの新人では一番乗りのプロ1号を放ち助言に応えた。今度は佐藤輝自身が、力強い打球で、満員の甲子園で力を示してみせた。連続ノーアーチは105打席に伸びるも、ようやく出た会心の一打。岡田監督は惜しくもスタンドに届かなかった佐藤輝の一打に「そんなん言うてもしゃあない」と言葉少なだった。勝った首位広島とのゲーム差は3・5に。追いかけるためにも、主砲の奮起は欠かせない。打撃の手応えを問われ、佐藤輝は自信を口にした。「そうっすね、いいかなと思います」あと少しで届かなかった放物線。それでもファンのもとまでかっ飛ばす豪快弾の兆しは、確実に濃く、はっきりと見えてきている。(邨田直人)■データBOX?...佐藤輝が四回の第2打席で右越え適時三塁打。佐藤輝が打点を挙げるのは5月11日のDeNA戦(横浜)三回に中前適時打を放って以来。6月7日に1軍再昇格してから出場12試合、44打席目で初打点を挙げた?...佐藤輝は4月21日の中日戦(甲子園)での3号3ランを最後に、1軍で105打席本塁打なし。2023年5月19日の広島戦(甲子園)での8号から6月16日のソフトバンク戦(同)での9号までの間の94打席を超えて自己ワーストを更新中?...阪神の延長戦は今季14試合目で、4勝5敗5分け

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
34274 0.557
(↑0.007)
-
(-)
78192
(+3)
152
(-)
27
(-)
38
(-)
0.238
(↑0.001)
2.100
(↑0.04)
2
(-)
阪神
33324 0.508
(↓0.008)
3
(↓1)
74190
(-)
186
(+1)
28
(-)
22
(+1)
0.218
(↓0.001)
2.170
(↑0.02)
2
(2↑)
巨人
33325 0.508
(↑0.008)
3
(-)
73194
(+3)
184
(+2)
34
(-)
36
(+1)
0.232
(-)
2.470
(-)
4
(1↓)
DeNA
33331 0.500
(↓0.008)
3.5
(↓1)
76227
(+2)
233
(+3)
38
(-)
37
(-)
0.249
(↓0.001)
3.110
(↑0.01)
5
(-)
中日
30345 0.469
(↑0.009)
5.5
(-)
74164
(+1)
214
(-)
29
(-)
23
(+1)
0.231
(-)
2.660
(↑0.04)
6
(1↓)
ヤクルト
29354 0.453
(↓0.007)
6.5
(↓1)
75241
(-)
233
(+3)
50
(-)
33
(-)
0.236
(↓0.002)
3.230
(↑0.05)