西武(☆1対0★)日本ハム =リーグ戦8回戦(2024.06.25)・ベルーナドーム=
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日本ハム
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西武
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勝利投手:渡邉 勇太朗(1勝2敗0S)
(セーブ:アブレイユ(1勝4敗13S))
敗戦投手:金村 尚真(1勝4敗0S)
  DAZN
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◆西武が接戦を制した。西武は1回裏、2死二塁の好機で岸が適時二塁打を放ち、先制に成功する。投げては、先発・渡邉が6回途中無失点。その後は4人の継投でリードを守り抜き、渡邉は今季初勝利を挙げた。敗れた日本ハムは、打線が中盤の好機を生かせなかった。

◆日本ハム福島蓮投手(21)が26日西武戦で2勝目を狙う。舞台となる大宮で投げるのは「初めてです」。未知の球場に加えて最高気温も30度超え予報だが、青森出身右腕は「どっちかっていうと寒い方が苦手です。体は動くと思う」と自信あり。「(こまめに)水をいっぱい飲みます」と暑さ対策も講じながら不慣れなマウンドに順応して、チームを勝利に導く熱投を誓った。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が試合後、26日に松本剛外野手(30)の出場選手登録を抹消することを明言した。この日、ベンチ入りメンバーから外れて欠場した理由について「なんか胃が、おかしくて。なんか体調不良」と説明。今後について「まあでも彼本人も悩んでたし、1回ちょっと疲れている体を休んでもらって。で、ファームの方で打席の感覚を10日間だけ行かして、また戻そうかなと」と26日に抹消してリフレッシュさせる考えを明かした。今季の松本剛は61試合に出場し、打率2割4分9厘、1本塁打、11打点。堅実な中堅守備に加えて、14盗塁はチームトップの数字を残すなど、選手会長としてチームを引っ張ってきた。その松本剛の代わりに昇格させる選手についても「浅間君。今日、完璧なホームラン打ったし」と明言。開幕前に右手首を負傷して出遅れた浅間大基外野手(28)だが、故障も癒えて、イースタン・リーグでは22試合出場で打率2割5分7厘、2本塁打、7打点をマーク。この日の同リーグ巨人戦(鎌ケ谷)では5回に2号ソロを放っていた。

◆西武牧野翔矢捕手(23)が泣いた。支配下登録に復帰した日、いきなりスタメンマスクで出場。背番号は117のまま。最初から最後までマスクをかぶり、1-0の勝利を演出した。右肘のトミー・ジョン手術をして2年。支配下選手に戻れないかも-。そんな思いも「正直、ありましたね」と明かす。不安や焦りをやわらげてくれたのが先輩捕手の岡田と、球団スタッフの武隈氏だった。「救いになりました」。試合前に報告した。岡田からは「くじけんで良かったな。頑張れよ」と言われた。だから復帰戦は、岡田の「それが大事」など2人の登場曲を選んだ。お立ち台でそれを問われ、泣いた。同期入団でこの日先発白星の渡辺は「泣きそうになったけど、泣きはしなかったです」と笑った。投手に多い右肘のトミー・ジョン手術。牧野は「手術しなきゃ治らない」と診断され、ごまかさずにメスを入れる決断をした。「本当にいちかばちか、でした」。手術の半年後に、ようやく山なりで40メートル。徐々に距離を伸ばし、この日は2年ぶりに1軍で盗塁も刺した。遊学館(石川)から未来の正捕手候補と期待されプロ入りした。渡辺監督代行も18年秋、編成職として金沢市まで視察に出向いた。「あの時からバッティング、良かったよね」と懐かしむ。古賀が調子を落とし、正捕手は固まらない。「打てる」牧野が守り切り、ひと晩で名を上げた。能登半島地震で被災した地元穴水も「少しずつ戻ってきていると聞いてます」と言う。自身も苦難の末、ここまで来た。西武も、きっと。そう信じて戦う。【金子真仁】牧野翔矢(まきの・しょうや)2001年(平13)3月4日、石川県穴水町生まれ。遊学館では1年春からベンチ入り。高校通算15本塁打。18年ドラフト5位で西武入団。4年目の22年、4月6日楽天戦でプロ初出場し、初打席初安打。同年6月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、同年オフに育成契約。今季推定年俸660万円。178センチ、80キロ。右投げ左打ち。

◆"ナベU"こと西武渡辺勇太朗投手(23)が今季初勝利を挙げた。初回から直球が150キロ前後をマークし、カットボールの制球も抜群。1発のある日本ハム打線を、しっかりと抑え込んだ。「まっすぐがけっこう良かったんで、つかまるまではどんどん押していこうとマッキー(牧野)と話していました」。つかまらずに、6回途中まで投げた。牧野とは同学年で、同期入団になる。牧野の涙には「僕も泣きそうになったんですけど、泣きはしなかったです」と笑う。苦労はもちろん知っている。牧野はトミー・ジョン手術を選択し、自身はエース候補とされながら時に3軍調整になることさえあった。それが堂々たる投球に。「何がキッカケか分からないんですけど、自分がチームを勝たせるっていう気持ちが芽生えてきて。代役とかじゃなく、自分はローテーションピッチャーというふうに自信をもって、毎回臨んでいます」と大きな体で胸を張る。エース格に期待されていた高橋光成投手(27)が0勝8敗で2軍落ちしている苦しい現状にある。「光成さんもうまくいくシーズンばかりではないと思うので。光成さんが一番分かってると思うので」。高橋と自主トレをともにした弟子の好投で、再び勢いをつかみたいところ。"ナベQ"こと渡辺久信GM兼監督代行(58)も「ピンチでも冷静に立ち向かっていった」と一本立ちしつつある右腕をたたえていた。【金子真仁】

◆日本ハムが最下位西武に「スミ1」で敗れ、3位に再転落した。新庄剛志監督(52)は体調不良の松本剛外野手(30)の代わりに1番左翼で清宮幸太郎内野手(25)をスタメン起用したが不発。打線が機能せず、1回に失った1点が遠かった。6月だけで5度目の0封負けとなり、今季初の月間負け越しも決定。28日から本拠地で3連戦を戦う首位ソフトバンクとは今季最大の11ゲーム差となった。新庄監督は潔く、自身の采配にダメ出しした。今季6度目の0封負けだが、6月だけで5度目。また、打線が機能しなかった。新庄監督 ダメでしたね。僕のミスです。期待して、いつも(打線は)組んで、成功しなかったら僕のミスなんで。また考えます。選手会長であり、攻守の要でもある松本剛が体調不良で欠場した。代わりに1番左翼で清宮をスタメン起用も4打数無安打。打線全体でも連打はなく、最大の好機だった6回1死満塁ではレイエスが二ゴロ併殺打。初回の失点だけで粘った金村に、また先発白星をプレゼントできなかった。新庄監督 つくってくれたのにね、金村君がね、試合を。いっつも打てん...金村君の時は。あのダブルプレーが痛かったね。あれを、普通にセンターフライでアウト(犠飛)になる打ち方をしてくれたら、試合がガラッと変わったんで。「スミ1」で敗れて、6月は4試合を残し6勝11敗2分け。今季初めて月間負け越しが決まった。再びロッテに抜かれて3位に転落し、首位ソフトバンクとは今季最大の11ゲーム差。踏ん張りどころだが、新庄監督は、まだ先の長いペナントレースを見据えて松本剛の再調整を決断した。新庄監督 (松本剛は)なんか胃がね、おかしくて。体調不良。彼本人も悩んでたし、1回ちょっと疲れている体を休んでもらって、ファームの方で打席の感覚を(戻してもらう)。10日間だけ行かせて、また(1軍へ)戻そうかなと。首位猛追へ欠かせないピースを26日に抹消し、リフレッシュさせる見通し。代わりに「浅間君。今日(2軍で)完璧なホームラン打ったし」と、浅間を今季初昇格させ打線の活性化を図る。今こそ、チームの底力が試されるとき。初夏に訪れた難局を乗り越えなければ、勝負の秋は迎えられない。▽日本ハム金村(7回1失点も4敗目。今季先発で7戦未勝利)「やっぱり初回の入り。0点と1点でいくのは全然違う。0点で抑えたかったな。粘りの投球ができたのは今後にすごく生きると思います」

◆日本ハム金村尚真投手(23)が7回を最少失点に抑えたが、援護なく4敗目が付いた。初回に2死からの2連続二塁打で1点を失った。その後は3、5、7回と得点圏に走者を背負いながらもゼロを並べた。「やっぱり初回の入り。0点と1点でいくのは全然違う。粘りの投球ができたのは今後にすごく生きると思います」。今季唯一の白星は4月に中継ぎで記録したもの。先発では7戦未勝利となった。

◆西武の西川愛也外野手(25)が7回、奥村の代打に送られた。いつもの光景のようで、ちょっと違う雰囲気をまとっていた。「そうですね...まぁ、ほんと...ラストチャンス、というのはあれかもしれないですけど、ほんとにこの1打席、マジで大事だなと思って」あっさりと2球で追い込まれながら、3球の外角低め直球に腕を伸ばし、センター前に転がした。試合前、巨人から移籍してきた松原聖弥外野手(29)が全員の前であいさつした。ユーモアを交えながら。明るい西川も、呼応するように笑っていた。でも野球選手としては。「同じようなタイプの人なので。なんなら僕よりほんとに実績もありますし、今の感じで僕使うなら松原さん使うだろうし、っていうのをすごく考えて」。花咲徳栄(埼玉)で甲子園を制し、ドラフト2位で入団。しかし6年間でレギュラーをつかみきれず、明らかに勝負の年を迎えている。立場は最初から分かっている。2月のキャンプで、こう話していた。「今年ダメだったら、きっと外野手の補強もあると思うので」春になり、渡辺GMが青学大・西川を評価する報道も紙面やネットにあふれた。育成ルーキーの奥村が支配下登録され、さらに松原を獲得した。それらの事実は、今いる外野手たちにとって極めて"雄弁"だ。「周りが、っていうより僕がやっぱり結果を残していればいいだけの話だったので。自分に、なんていうんすか、腹が立って。何してんの? みたいな。そういうのをすごく。でも継続っていうか、試合後とか打ちに行ったりして、やるべきことはしっかりやってきてると思うので。それをいかに、苦しい時にも変えずにいい時のようにできるか」悩み、もがきながら1軍に食らいつく。1番センターを任された試合もあった。「うれしかったっすね、ほんと」。声色に思いがこもる。「開幕してから初めてだったので」。ずっとそこを目指している。だからこそ、松原の加入にもおびえるわけにはいかない。「よりいっそう、自分への、なんて言うんですか、ムチのように感じました」。渡辺GM兼監督代行は松原を獲得し、すぐには松原を1軍起用しなかった。そこにも"行間"を感じる。西川はそれを敏感にくみとり、重圧の中でしっかりと結果を見せた。「これからもチャンスをいただけるのであれば、必死に、やってきたことをただ出すだけです」これもまた、トレードが生み出すもの。結果を出し続けた選手が、プロ野球界で生き残る。【金子真仁】

◆3年目右腕の日本ハム・福島が26日の西武戦(大宮)に先発する。3月に支配下登録され、6月2日のDeNA戦(エスコン)でプロ初勝利をマーク。「(1軍の)雰囲気にはだいぶ慣れてきたと思います」とうなずいた。同じ青森出身の西武・外崎には前回対戦で安打を打たれており「今度はちゃんと抑えます」と声を張った。

◆リーグ戦再開となった21日のオリックス戦から4番に起用されている西武・岸潤一郎外野手(27)が一回2死二塁で左中間へ先制の適時二塁打を放った。「2アウトから(3番の)栗山さんがつないでくれたので、どうにか先取点をと思い、思い切って振った結果、しっかりと捉えることができて良かったです」これで4番に座ってからは4試合連続安打、4打点目となった。

◆西武が5投手の無失点リレーで、一回に岸の二塁打で挙げた1点を守り切った。渡辺が六回途中まで粘り今季初勝利。救援のヤン、本田、松本、アブレイユが無安打でつないだ。日本ハムは中盤の相次ぐ好機を生かせなかった。

◆お立ち台で涙がとめどなくあふれた。支配下選手契約即「7番・捕手」で先発出場した西武・牧野翔矢捕手(23)が好リードで5投手による完封リレーを演出。三回には2015年盗塁王の中島の二盗を阻止し、チームのカード頭の連敗を13、火曜日の連敗を10で止めた。「ここでしか味わえない緊張感。1軍で試合をするのはやはり楽しいな、と思いました」24日夜に編成担当から「明日、ハンコを持ってきて」と電話があり、期待に胸が高鳴った。そして、この日の朝に渡辺GM兼監督代行から支配下選手契約とスタメン起用を伝えられ、背番号53のユニホームが間に合わず、旧背番号117のままプレーした。2019年にドラフト5位で入団。強打強肩の捕手として期待されたが、1軍初昇格を果たした22年6月に右肘の内側側副靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、昨季から育成選手となっていた。1軍での出場は代走で出た22年5月5日のロッテ戦(ベルーナ)以来、782日ぶりだ。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
44193 0.698
(↑0.004)
-
(-)
77288
(+7)
164
(+2)
46
(-)
48
(+1)
0.262
(↑0.001)
2.240
(-)
2
(1↑)
ロッテ
32296 0.525
(↑0.008)
11
(-)
76217
(+10)
236
(+2)
29
(+1)
28
(-)
0.246
(↑0.002)
3.210
(↑0.04)
3
(1↓)
日本ハム
33304 0.524
(↓0.008)
11
(↓1)
76233
(-)
212
(+1)
36
(-)
51
(-)
0.248
(↓0.001)
2.820
(↑0.02)
4
(-)
楽天
32332 0.492
(↓0.008)
13
(↓1)
76227
(+2)
270
(+10)
28
(-)
48
(-)
0.242
(↓0.002)
3.710
(↓0.1)
5
(-)
ORIX
31352 0.470
(↓0.007)
14.5
(↓1)
75208
(+2)
207
(+7)
24
(-)
29
(-)
0.244
(↓0.002)
2.700
(↓0.04)
6
(-)
西武
21460 0.313
(↑0.01)
25
(-)
76149
(+1)
239
(-)
29
(-)
32
(+1)
0.202
(↑0.001
3.190
(↑0.05)