1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 5 | 10 | 1 | 1 |
阪神 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 3 | 1 |
勝利投手:東 克樹(6勝0敗0S) (セーブ:森原 康平(1勝2敗16S)) 敗戦投手:伊藤 将司(3勝3敗0S) 本塁打 |
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◆DeNAは1点を追う3回表、オースティンの3ランで逆転に成功する。その後は6回に佐野の適時打、7回にはオースティンの適時打が飛び出し、着実に得点を重ねた。投げては、先発・東が8回5安打2失点の力投で今季6勝目。敗れた阪神は、攻守に精彩を欠いた。
◆ブレーク中の阪神前川右京はデーゲームに強い。今季13試合に出場し40打数14安打で打率3割5分。ナイターの2割3分から、大きく跳ね上がる。さらに土曜日のデーゲームは6試合で17打数7安打、打率4割1分2厘までアップする。22試合連続QS(6回以上自責3以内)中のDeNA先発、東撃ちはなるか。
◆4連勝を狙う阪神が、打線を変更した。佐藤輝明内野手(25)と森下翔太外野手(23)がスタメンを外れた。森下は交流戦明けから岡田彰布監督(66)に打撃フォームの修正指導を受けており、試合前のフリー打撃でも監督の指示でティー打撃を追加した。右翼には豊田寛外野手(27)が6番で今季3度目のスタメン入り。三塁は渡辺諒内野手(29)。3番にシェルドン・ノイジー外野手(29)、1軍復帰した大山悠輔内野手(29)は2日連続で4番に入った。先発は伊藤将司投手(28)。1軍復帰後の2試合はともに安定感のある投球を見せており、4勝目を目指す。
◆阪神大山悠輔内野手(29)に5月3日以来の4号弾が飛び出した。2回の先頭で、東克樹投手(28)の得意球チェンジアップをとらえて、左翼席に運んだ。不動の4番は今季、不振を極めて4日に出場選手登録を抹消。セ・リーグが再会した前日21日から1軍に復帰し、さっそく2安打と復調の兆しを示していた。悩める4番の一撃に、ファンのどよめきがいつまでも収まらなかった。
◆ラッパーの呂布カルマ(41)が試合前から球場を盛り上げた。この日は音楽と野球観戦を同時に楽しむ「トラフェス」として開催。大観衆の前で自身の楽曲「不惑」を歌い、スタメン呼び込みなども行った。「気持ちよかったですね。球場来ること自体が初めてだったので。こんな初体験なかなかないです。ぜいたくな思いをさせてもらいました」と充実感をにじませた。兵庫・西宮市で生まれ、1歳頃までは甲子園球場の目の前に住んでいたという。「『故郷に錦』感がすごくあったので、うれしかったですね。もしかしたら今日のお客さんの中に、僕のその小学生の時の同級生がいるかもしれない。そう思うと、うれしかったです」と振り返った。
◆阪神渡辺諒内野手(29)が珍しくエラーを連発、球場のファンから厳しいヤジが飛んだ。初回1死から度会隆輝外野手(21)の三遊間寄りへの打球がグラブの下を通過。今季3個目の失策だった。3回1死からは投手の東克樹(28)の正面への打球にバウンドが合わずトンネルした。この日は左腕の東に合わせて佐藤輝明内野手(25)に代わって三塁で先発。攻守に精彩を欠いた佐藤輝が2軍調整中は、堅実な守備とバットで貢献していた。守備力には定評があったが、エラー連発にスタンドのファンからは激しいヤジが飛んだ。トンネルをきっかけにこの回3失点で逆転された。
◆阪神が雨雲との勝負に入った。今にも降り出しそうな空模様でプレーボールがかかり、1-3と逆転された3回表の途中からついに雨粒が落ち始めた。スタンドには観戦用の雨がっぱで一気に黄色が広がった。予報では試合途中から雨。ペース的に試合成立の可能性は高かったため、阪神は一刻も早く追いつく必要があった。状況を分かっているかのように4回に反撃開始。この日復活の先制4号ソロを放っていた大山悠輔内野手(29)が無死一、三塁から左翼前に適時打を放って1点差とした。
◆阪神の二塁手、中野拓夢(27)が驚異のボディーバランスで沸かせた。5回1死、度会隆輝外野手(21)の打球は一、二塁間へのヒットコース。中野は俊足を飛ばして、ぎりぎりグラブの先でつかむと、1回転しながら一塁にストライク送球して、度会をしとめた。観衆からはどよめきが起こった。
◆阪神がDeNAに敗れ、交流戦からの連勝は「3」で止まった。これで3位DeNAには0・5ゲーム差に迫られた。岡田彰布監督(66)の監督通算700勝はお預けとなった。4番大山悠輔内野手(29)の快音は、勝利に結びつかなかった。2回先頭、DeNA東から左翼への先制ソロ。5月3日以来となる4号弾で甲子園を沸かせた。不振を極めて4日に出場選手登録を抹消され、21日から1軍に復帰。前日の2安打に続き、今度は豪快な一撃をくらわせた。大山は2点ビハインドの4回にも、一時1点差に迫る左前適時打。複数安打&複数打点で存在感を示した。先発の伊藤将司投手(28)は、3回にオースティンに逆転の3ランを浴びた。1点差に迫った6回には佐野に右前適時打を浴び、2点差に広げられた。6回4失点で降板し、3敗目を喫した。7回に3点差をつけられ、打線はその後も、今試合前まで22連続クオリティー・スタート(6回以上自責3以内)をマークしていた東を打ち崩すことができなかった。
◆DeNAが前夜のサヨナラ負けショックを払拭(ふっしょく)した。東克樹投手(28)が8回5安打2失点(自責1)と粘投。昨年8月4日阪神戦から続くクオリティースタート(6回以上自責3以内)の連続試合記録を23に伸ばした。さらに13試合目の先発でいまだ黒星がなく、球団では99年福盛和男以来、25年ぶりとなる開幕6連勝を達成した。ルーキーイヤーの18年以来6年ぶりの甲子園のマウンド。2回先頭、阪神大山に左翼席に先制ソロを浴びるも、打線の援護を受けて粘った。4回に一塁・オースティンの失策が絡んで1点を失うも、5回以降は真っすぐ変化球問わずゾーンにまとめて、安定感抜群の投球を披露した。9回は守護神・森原が1回無失点で締めくくった。前日の同戦で無得点に終わった打線が東の粘投に応えた。1点を先制された直後の3回、東が敵失、関根の右前打でチャンスメークし、2死一、二塁。甲子園に雨が降り始めるのとほぼ同じタイミングで、オースティンが弾丸ライナーで左翼席に運んだ。伊藤将から8号3ランで試合をひっくり返した。これで14試合連続安打と好調をキープしており「甘いボールがきたら積極的にいこうと決めていました。捉えた感触は良かったですが、スタンドまで届くとは思いませんでした」と振り返った。6回には牧の左翼線二塁打から1死三塁とし、佐野が右前適時打で追加点。7回にも度会が1軍再昇格後8試合連続安打となる左中間への二塁打で出塁すると、オースティンが中前適時打でこの試合4打点目をマークし、今季甲子園初白星をつかんだ。
◆阪神がDeNAに敗れ、交流戦からの連勝は「3」で止まった。これで3位DeNAには0・5ゲーム差に迫られ、首位広島とは2・5ゲーム差に広がった。岡田彰布監督(66)の監督通算700勝はお預けとなった。試合後の岡田監督の一問一答は以下の通り。-失点はエラーからだったが、1発は厳しい「なあ、3ランは大きいなあ」-伊藤将はインコースに投げ切れなかった「だから、全部初球やんか。点入ってんの。この間の桐敷から。なんで注意せえへんのやろな。毎回や。なんぼいうても一緒や。(7回の)浜地、なあ」-早打ちなど、相手が仕掛けを変えてきているわけでもない「別に相手は変えてないやろ」-結果的に伊藤将は先週に続いて1発に沈んだ「おお、まあな。3ランはちょっとのお。久しぶりに先に点をとった後やったしのお」-エラーは語るまでもないか「ゴロ飛んだら、全部エラーやな。ええ? 記録員も」-大山は打撃は結果の通り良くなっているか「なあ。最初の打席な。だいぶ前でさばいてな。あんだけ前で打ってるの、他の選手見たら分かると思うけどな。打ってるやつと打ってないやつの違いがな」-昨日も差し込まれてもヒットゾーンにいっている「ヒットゾーンいうか、ちゃんとスイングできるかどうかやろ。結局は。なあ。今日でもそうやんか。引っ張ってまともなファウルしてんの、大山と渡辺2人だけやんか。右バッター三塁線、左バッター一塁線。ボテボテやないで。ボテボテはあかんけどな。そういうことやん。今は打った結果の映像が出るからな。他の選手の見たらええねん。ずっと選手見てても誰も見てないな、人の打席をな。そらベンチにおっても一緒や。打つか打たんだけや。どないして打ってるとかな、ずっと1年間勉強したらええねん。積み重ねなわけやから。そんなん簡単なことと思うよ。プロ野球選手やからな、プロやからな。なんか人のを見て、自分と違うとかな。打ってる人は、やっぱええポイントで打ってるなとか」-岩崎がベンチを外れた。コンディションか「そういうことやろ」-2軍に落とすほどではない「いや、違う違う。昨日も投げへんかったやん。昨日も投げられへんかったやん」-森下の状態は良くない「良うないんちゃう。今日のフリーバッティング見たら分かるやんか。ひどいなあ。(報道陣も練習中に)ベンチまで来たら、そういうとこ見とったらええんやで。そんなん、俺に聞くくらいなら。自分らも、ベンチまで入れるようになったんやから、バッティングケージ見とったらええやん。みんなどんなことやってるかとか。ほな勉強できるやん」-貯金もあるし3連勝の後の1敗だが、負けが込んでいるような重い雰囲気が「内容が悪いからやろ、やっぱり。内容がの、おーん。今日でも1点とかな、俺もお前、伊藤には『ここで踏ん張っとけよ』て6回な、言うたけど、あそこの1点が痛いよな。1点差とかお前、絶対分からへんやん」-4回も1点取った後もう1点くらいはほしかった「まあなあ、そのために出してるやつやからのう、左用にな。先に1本でも出てたらな、渡辺でも」-序盤は打ち合いも想像したが「ならんよ。毎試合、5本とか6本やのに、それは打ち合い言えへんやん」-会見の場所を普段と変えた「向こう暑いからや、あんな狭いとこでおまえ、こっちの方が涼しいてええやんか。ゆっくりできるしの、座ったら。大丈夫やで、時間早いから1時間くらい」-初球を打たれることはミーティングでも言っている「そんなんずっと言うてる、いまさらの話ちゃうやんか。前の試合でも桐敷が清宮に、前の前かなんか、そんなん見とったらわかるやんか、びっくりしたわ。2ストライクからな、打たれるし。何回バットの届かんところいけって、そんなん去年からの話や。もうそんなん忘れてもうてるんやろな、あないして高めに外すっていうのはな。去年も何回かあったやん。バットの届かんところに投げたらええ話やん。リードに酔うてしまうんやろな。あわよくば、高めで空振りとかな。で、一番あかんリードになってしまうんやろな」(自ら)「もうええの? 近本のこととか聞けへんの?」
◆阪神守護神の岩崎優投手(33)がベンチ登録を外れた。岡田監督はコンディションの問題かと問われて「そういうことやろ」と説明。出場選手登録抹消の可能性は否定し「昨日も投げへんかったやん」と前日も登板を回避する方針だったことを明かした。今日23日は体調を見ながらになりそうだ。岩崎は5月以降、不安定な投球が続き、29試合登板で防御率2・86。ここ3試合は無失点で2セーブ、1ホールドだった。開幕からダブル守護神を担ったゲラが1軍に戻ったが、好調の石井がこの試合では抑えを任される予定だったとみられる。
◆阪神森下翔太外野手(23)が欠場した。5月16日の中日戦以来、約1カ月ぶり。交流戦後に岡田監督から打撃フォームの指導を受け、練習で自身の感覚とすり合わせている。この日もフリー打撃後に岡田監督が見守る中、ティー打撃を追加した。3番で出場した前日21日は3打数無安打。指揮官は「今日のフリー打撃見たら分かるやんか。ひどいなあ」と現状について説明した。
◆聖なるお守り効果で勝利の女神を振り向かせた。DeNA東克樹投手(28)が粘った。阪神大山の適時打で1点差に迫られた直後の4回無死一、二塁。6年ぶりの甲子園で虎党の熱い声援が押し寄せる中でも、冷静に相手打者の狙いを見極めた。渡辺を三ゴロに打ち取り1死一、三塁。豊田に対して「チェンジアップのマークが強いな」と内角スライダーを投げきった。狙い通り詰まらせてゴロに。運良く二塁正面を突き、併殺で最少失点に抑えた。雨でぬかるんだマウンドにも乱されずに8回5安打2失点(自責1)。完封負けした前夜から一転、打線の援護にも恵まれ「あそこ(4回)でさらに失点をしなかったことが今日の投球につながった。野球といえば聖地・甲子園なので、勝利することができてうれしい」とルーキーイヤーの18年5月16日以来の聖地での白星をかみしめた。勝ち運を引き寄せるために身につける物がある。「天珠(てんじゅ)」と呼ばれるパワーストーンで、古代チベット時代から伝わる聖なるお守りだ。魔よけや運を呼び寄せると言われ、球場入りでも家でも、肌身離さずブレスレットのように両手につけている。天眼天珠と呼ばれる1つ目は3年前、トミー・ジョン手術のリハビリ中から身につけ始めた。今季の開幕前には種類の異なる龍眼天珠を約30万円で買い足した。「気持ちですよね。両手からパワーをもらってる。調子悪くても抑えてたり、(打線が)追いついてくれたりするので、今のところ運が良いなと思います」と効果を実感する。「天珠」に力をもらいながら、23試合連続でクオリティースタート(6回以上で自責3以内)と抜群の安定感を誇る。球団では99年福盛和男以来、25年ぶりとなる無傷の開幕6連勝となった。「僕だけの力じゃない。追いついてくれた試合もありますし、支えてもらってる人に感謝したい」。集めたパワーで連勝街道をひた走る。【小早川宗一郎】
◆阪神伊藤将司投手(28)が痛い1発で逆転を許し、今季3敗目を喫した。1点リードの3回に1死から東が味方の失策で出塁。その後は関根に右前打でつながれ2死一、二塁。3番オースティンに初球131キロ変化球を捉えられ、逆転の左翼3ランを浴びた。1点ビハインドの6回1死三塁には、佐野にフルカウントから右前適時打を浴びて追加点を献上。97球を投げ、6回7安打4失点(自責点1)で降板を喫した。「あの回(3回)を粘れなかったというだけです。次やられないようにしていくだけです」と必死に前を向いた。
◆阪神渡辺諒内野手(29)が痛恨のミスを悔やんだ。初回に半身で受けようとした度会の三ゴロが、グラブの下を通過。3回には東の三ゴロをトンネルしてしまい2失策目。この出塁から好機を広げられ、オースティンの逆転3ランにつながった。「チームにも迷惑をかけたし、将司にも本当に迷惑をかけた。試合でしか取り返すところはないんで、取り返せるように頑張りたい」。打撃では7回に中前打を放ち、2戦連続の安打となった。
◆阪神近本光司外野手(25)が今季最多タイの3三振を喫した。全打席で先発東と対戦し、3打席目までは空振り三振。8回の4打席目も投ゴロに倒れ、2試合連続の無安打となった。3三振を喫したのは4月10日広島戦(甲子園)以来、今季2度目。「選択ミスという感じ。いいボールが来ているから、それをすぐにどうするのも難しいので」と打席を振り返った。
◆阪神中野拓夢内野手(27)が17打席ぶりの安打を放った。4回の先頭で、先発東の外角143キロ直球をミートし、三遊間を抜く左前打。15日ソフトバンク戦以来の安打だ。5回には度会の一、二塁間への安打性の二ゴロを回転しながら送球する好守も披露。「まず確実に守るということが前提。打てない分守りで貢献しないといけないと思っているので。足を使っていけば打撃にも生きると思うので、守備はおろそかにしないようにやっていきたい」と引き締めた。
◆4番の1発が希望だ。阪神大山悠輔内野手(29)が、1軍復帰後初本塁打を放った。2回にDeNA東から左越えの先制4号ソロ。不振で2軍落ちし、前日21日に出場選手登録された主砲の待望アーチ。4回には一時1点差に迫る適時打を放ち2打点の活躍も、チームは逆転負けで連勝は「3」でストップした。首位広島とは2・5ゲーム差に広がり、3位DeNAと0・5ゲーム差。岡田彰布監督(66)は攻守両面で苦言を呈した。とても復活弾を決めた試合後の表情とは思えない。ロッカールームに続く通路。大山は日焼けした顔に悔しさをにじませ、群がる報道陣の中心を大股で進んだ。「チームが勝つか負けるか、なので」3点を追う9回裏2死走者なし。DeNA森原の149キロ直球を打ち上げ、遊飛で最後の打者となった。敗戦の責任を背負う姿はある意味、4番が帰ってきた証しにも映った。1軍復帰2戦目。完全復調を印象づけた。2回無死、1ボール2ストライク。DeNA東の甘く浮いたチェンジアップを見逃さなかった。前さばきから大きなフォロースルーを決め、大飛球を左翼席まで運んだ。 5月3日巨人戦以来、自身101打席ぶりの1発は先制4号ソロ。待ちに待った主砲のアーチに、甲子園の四方八方から割れんばかりの大歓声が注がれた。2点を追う4回無死一、三塁ではフルカウントから再びチェンジアップを強振。「しっかり後ろにつないでいく意識」で痛烈なライナー適時打を左前にはずませた。この日のチーム全得点をたたき出し、敗戦の中で希望の光となった。打率が1割9分9厘まで沈んでいた6月5日、出場選手登録を抹消された。当日から鳴尾浜球場で2軍の残留練習に参加。若虎に囲まれ、背番号3は努めて明るく振る舞った。「こういう時こそ人に見られる。立ち振る舞いに気をつけないといけない」特打に特守、走り込み...。一瞬たりとも手を抜かなかった。不動の4番が戦列を離れる影響の大きさは、誰よりも本人が一番理解している。離脱期間を挽回するためには結果を出し続けるしかない。そして、大山にとって「結果」はチームの勝利に他ならない。この日の1発は阪神打線にとって甲子園12試合ぶりの本塁打。12戦連続ノーアーチとなれば、2リーグ制後のワースト記録に並ぶところだった。負の数字を阻止した形だが、データはあくまでデータに過ぎない。「明日勝てるように頑張ります」静かに言葉を紡いだ大山。次戦は打って笑いたい。【佐井陽介】
◆4番の1発が希望だ。阪神大山悠輔内野手(29)が、1軍復帰後初本塁打を放った。2回にDeNA東から左越えの先制4号ソロ。不振で2軍落ちし、前日21日に出場選手登録された主砲の待望アーチ。4回には一時1点差に迫る適時打を放ち2打点の活躍も、チームは逆転負けで連勝は「3」でストップした。首位広島とは2・5ゲーム差に広がり、3位DeNAと0・5ゲーム差。岡田彰布監督(66)は攻守両面で苦言を呈した。DeNAのエース左腕を相手に、5点を失えば厳しい。東は今季負けなし。この試合で、昨年から23試合連続クオリティースタート(6回以上、自責3以下)を記録した。阪神の連勝が「3」で止まり、岡田監督は反発力のない打線を嘆いた。「引っ張って、まともなファウルしてんの大山と渡辺2人だけやんか」と右打者2人を挙げ「今は打った結果の映像が出るからな。他の選手の見たらええねん。人の打席をな」と指摘。ナインに"勉強不足"を訴えた。「(他の打者が)どないして打ってるとかな、ずっと1年間、勉強したらええねん。積み重ねなわけやから。そんなん簡単なことと思うよ。プロ野球選手やからな、プロやからな。なんか人のを見て、自分と違うとかな。打ってる人はやっぱ、ええポイントで打ってるな、とか」3連勝の後の1敗だが、重苦しい空気が漂う。「内容が悪いからやろ」。森下、佐藤輝、前川はそろって欠場。3~7番に右打者を並べたが実らなかった。火種はバッテリーにも飛んだ。「3ランはちょっとのお...」と3回に伊藤将がオースティンに浴びた1発が痛い。7回に浜地が浴びた適時打も含め、初球を痛打された。ミーティングでは繰り返し伝えてきたことだ。「全部初球やんか。点入ってんの。なんで注意せえへんのやろな。毎回や。なんぼいうても一緒や」。試合中、雨もぱらつく中で逆転負け。攻守に嘆きが止まらなかった。岡田監督の監督通算700勝もお預け。首位広島とは2・5ゲーム差。3位DeNAは0・5ゲーム差と背後に来た。長い梅雨は避けたい。【中野椋】阪神は先発から外れた佐藤輝、森下、前川の3選手が最後まで出番がなかった。3選手は今季、開幕1軍入りしており、3人そろって出番がなかったのはチーム36試合目にあたる5月12日DeNA戦(横浜)以来、今季2度目。同試合は糸原が三塁、ノイジーと井上が外野で先発。才木がDeNA打線を4安打完封し1-0で勝った。交代選手なしの9人野球で出番はなかった。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は豊田寛外野手(27)が「6番・右翼」で14日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来、今季3度目のスタメン出場する。ここまで打率・375と好調を維持。相手先発が左腕の東ということで、期待の若虎が先発を任された。また「3番・左翼」にノイジー、「5番・三塁」には渡辺を起用し、東対策として3番から7番まで右打者を並べるオーダー。森下と佐藤輝はスタメンを外れた。
◆ラッパーの呂布カルマ(41)が試合前に場内パフォーマンスライブ、シート紹介で球場を沸かせた。初めての甲子園球場に「こんな初体験なかなかないです。贅沢な思いをさせてもらいました」と笑顔。場内ライブで『不惑』を選曲したついて「決意表明の曲。こういう戦いの場に合う」と説明した。
◆阪神・伊藤将司投手(28)が痛恨の一発を浴びた。大山の4号ソロで先制した直後の三回だった。1死から投手・東の打球を三塁手・渡辺が後逸。渡辺のこの日2つめの失策で1死一塁とされると、関根に右前打でつながれて、一、二塁のピンチを背負った。度会は左飛に仕留め2死。予報通り、甲子園に雨が降り始める。3番・オースティンに投じた初球だった。131キロカットボールを痛打されると、打球は無情にも左翼スタンドへ。逆転の3ランに甲子園は悲鳴に包まれた。
◆阪神は1―3の四回、大山悠輔内野手(29)の適時打で1点を返した。中野が左前打で出塁し、ノイジーの当たりを一塁手がはじく失策で無死一、三塁。ここで大山がこの日2度目の打席を迎えた。フルカウントから東の6球目を捉え、左前へ。中野が生還して1点差に迫った。大山は第1打席で本塁打を放っており、この日2打点目。本領を発揮する4番に続きたかったが、渡辺が三ゴロ、豊田が二ゴロ併殺に倒れてさらなる得点を奪うことはできなかった。
◆先発の阪神・伊藤将司投手(28)は6回4失点(自責1)で降板した。流れをつかめなかった。大山の4号ソロで先制した直後の三回、1死から東の打球を三塁手・渡辺が後逸。関根の右前打で一、二塁のピンチを背負い、2死から3番・オースティンに左翼へ逆転3ランを浴びた。六回も粘るDeNA打線に捕まり、佐野に適時打を浴びて4失点。5月の前回対戦でも五回途中7失点と打ち込まれた相手にリベンジすることはできなかった。伊藤将は「全体的には低めに集めることができたと思います。ミスがあった時こそ、絶対に抑えるという気持ちで投げていましたが、カバーすることができずに悔しいです」と唇をかんだ。
◆阪神はDeNAに敗れ、連勝が3でストップした。21日に1軍昇格し、2試合続けて4番に入った大山悠輔内野手(29)が二回の第1打席にソロ本塁打を放って先制。幸先よくリードしたが、先発の伊藤将司投手(28)が直後の三回、渡辺の失策などで走者を許し、オースティンに3ランを浴びて逆転を許した。大山は四回にも適時打を放ったが、得点はこの2点だけ。小刻みに失点し、点差を広げられた。チームはこの日3失策で今季44失策。打線も前夜の1―0サヨナラ勝ちから勢いに乗れず、カード成績は1勝1敗になった。
◆DeNAは22日、阪神に5-2で快勝した。ヒーローインタビューを終えてファンに挨拶する東克樹=甲子園球場(撮影・林俊志)
◆DeNA・東克樹投手が8回を5安打2失点と好投で無傷の6勝目を挙げた。打線は三回にオースティンの8号3ランで逆転。六回は佐野、七回はオースティンの適時打で加点した。阪神は連勝が3でストップ。3失策と守りで精彩を欠いた。
◆連勝がストップして、引き揚げる阪神ナイン =甲子園球場(撮影・根本成)
◆阪神・中野拓夢内野手(27)が17打席ぶりの安打を放った。1-3の四回先頭で東の外角直球を左前にはじき返し、大山の適時打で2点目のホームを踏んだ。「逆方向にヒットが出たのは良かった」。6月の月間打率は・183(71打数13安打)と低調だが、守備では五回1死で一、二塁間への深い打球に追い付き、反転して一塁送球する好守を披露。「打てないぶん、守りでチームに貢献しないといけない」と力を込めた。
◆先発した阪神・伊藤将司投手(28)は6回7安打4失点(自責1)で3敗目(3勝)を喫した。味方の失策絡みで招いた三回2死一、二塁でオースティンに初球のカットボールを左翼席に運ばれた。「ミスがあったときこそ、絶対に抑えるという気持ちで投げていたが、カバーできずに悔しい」と唇をかんだ。岡田監督は「全部、初球やんか。点が入ってんの。3ランはちょっとのう。久しぶりに先に点をとった後やったし」と表情を曇らせた。
◆阪神・近本光司外野手(29)は4打数無安打で、今季2度目の3打席連続三振。1点を追う五回2死二塁の好機でも、先発・東の変化球にバットは空を切り「(狙い球の)選択ミスという感じ。いいボールが来ているから、それをどうすることも難しい」と相手をたたえた。18日の日本ハム戦(甲子園)の第3打席で中前打を放ったのを最後に10打席連続無安打。斬り込み隊長の奮起が待たれる。
◆阪神は逆転負けして、連勝が3でストップした。大山悠輔内野手(29)が先制アーチを含む2打点と気を吐いたが、チームは5安打と貧打ぶりは相変わらずだ。岡田彰布監督(66)は振るわない打撃陣に苦言を呈し、貪欲に学ぶ姿勢を求めた。甲子園に降り注ぐ涙雨に打たれながら、今季2度目の4連勝を期待していた虎党は帰路に就いた。ため息に包まれた試合後の甲子園のベンチ裏。岡田監督はふがいない打撃陣に生きた教材の活用を勧めた。「ちゃんとスイングできるかどうかやろ。結局は。きょうでもそうやんか。引っ張ってまともなファウルしてんの大山と渡辺、2人だけやんか。今は打った結果の映像が出るからな。他の選手の見たらええねん」二回に大山が50日ぶりのアーチを放って先制。得意の勝ちパターンに持ち込むはずが、三回にあっさり逆転されると、今の虎に逆境をはね返す力はなかった。四回に大山の適時打で1点差に迫ったが、チーム唯一の複数安打を記録した主砲以外は中野、渡辺、小幡が1安打ずつの計3安打。昨季のリーグ2冠左腕の東に開幕6連勝を許した。16日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)からの3連勝中も、4、2、1得点と迫力不足は否めなかった。さらに、現状ではこの日の東のようにエースを打ち崩すのは難題だ。だが、岡田監督には打撃陣の〝無策〟ぶりが目についた。「ずっと選手見てても、誰も見てないな。人の打席をな。そらベンチにおっても一緒や」
◆阪神はDeNAに2―5で逆転負けし、連勝が3で止まった。1軍に復帰して2戦目の大山悠輔内野手(29)が、二回に5月3日以来50日ぶりとなる4号ソロを放った。適時打を含む2打点で復調の兆しを示した4番が、湿りっぱなしの虎打線を何とかもり立てていく。虎党の誰もが待ち望むアーチが、厚い雲に覆われる甲子園にかかった。力強く振り抜いた大山がフェンスの向こうまで飛んだ打球を見届け、ゆっくりダイヤモンドを一周する。帰ってきた主砲の頼もしい姿に大歓声が降り注いだ。「チームが勝つか、負けるかなので。あす(23日)は勝てるように頑張ります」二回の先頭で迎えた第1打席。開幕から5勝無敗だった先発左腕・東に先制パンチを浴びせた。4球目のチェンジアップを捉えると、打球は左翼スタンドへ一直線だ。4号ソロ本塁打にも笑顔はほとんど見せず、チームメートとハイタッチ。「チームとして先に点を取ることができてよかった」。5月3日の巨人戦(東京ドーム)以来実に50日、101打席ぶりの一発に甲子園がわいた。
◆守乱の虎がまた顔をのぞかせた。味方であるはずの野手がまた足を引っ張った。失策数は12球団ワースト。逆転弾につながる痛恨のミスを喫した阪神・渡辺諒内野手(29)は猛省するしかなかった。「捕らなくちゃいけないバウンドでしたし、バウンドどうこうよりも、アウトにできる球だった。アウトにできなかったというのが課題ですし、本当に申し訳ないなという気持ちだけです」雨が降り始めた甲子園が悲鳴に包まれた。大山の先制弾が飛び出した直後の三回。1死から東の打球が三塁を襲った。ほぼ正面。しかし、黒土で不規則なバウンドをした打球を渡辺は後逸してしまう。場内に飛び交った虎党の怒号。不穏な空気が包む中、2死一、二塁にこぎつけた先発・伊藤将がオースティンに逆転3ランを浴びた。渡辺は一回にも後逸を喫しており、1試合2失策。三塁での先発は14日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来、甲子園での三塁守備は6日の楽天戦以来だったが、本拠地とする以上、対応するしかない。八回には一塁・大山も失策を記録し、阪神は今季44失策で12球団ワーストとなった。日本一に輝いた昨季も85失策で6年連続のリーグワースト。岡田監督も就任当初から守りの野球を掲げており、守備は虎の長年の課題だ。だからこそ、この日のような勝敗につながる守乱はいただけない。もちろん、渡辺もそのことは理解している。「試合でしか(ミスを)取り返すところはない。本当に取り返せるように頑張りたい」守乱の虎が生まれ変わる日を、ファンも今か今かと待っている。(原田遼太郎)今季2度目の1試合3失策以上を喫した阪神だが、岡田監督は大山の失策に関してはかばった。「ゴロ飛んだら、全部エラーやな。ええ? 記録員も」。八回1死で森敬が放った打球は一塁ベース付近でイレギュラーバウンドしたこともあって大山がファンブル。「H」ランプがともってもおかしくないプレーだった。
◆阪神・岩崎優投手(33)がベンチ入りメンバーから外れた。背中の張りが原因とみられる。試合前練習中、岩崎に状態を確認した岡田監督は「(コンディションの問題かと問われ)そういうことやろ。きのう(21日の試合)も投げへんかったやん」と明かした。一方、登録抹消の可能性は「いや、違う」と否定した。岩崎は今季29試合に登板し、2勝3敗、10セーブ、10ホールド、防御率2・86。21日はベンチメンバーには入っていたが、0―0で迎えた九回に登板せず、マウンドに上がった石井がその裏のサヨナラ勝ちで勝利投手になった。
◆な~に、藤井聡太叡王だって負けるんだから、阪神だって敗れることはあるさ~! 先発の伊藤将は味方のエラーに足を引っ張られ、オースティンに3ランを浴びる不運もあったにせよ、ボールに切れがなーい!! コントロールが甘い!! 下でミニキャンプをやれー!とまでは言わないけど、ローテを一度飛ばして調整すべし!!4番・大山に待望の復活4号が飛び出したのに、終わってみればやっぱり5安打の貧打2点打線かよ~! てか、DeNAの先発がエースの東だから、僅差の勝負になるだろう...。よって守備のいいノイジーという岡田采配は分からないでもないけど...。否! 百歩譲ってもストレートに弱い助っ人外国人の3番はないやろー!!打てないのは昨日今日始まったことじゃないけど、全国の虎党を代弁して今日は言わせてもらいますわ! 同じ打てないにしろ、せめてワクワク感、いちるの望みを与えてくれる森下、佐藤輝、そして左投手だろうが売り出し中の前川を打席に立たせてくれー!! えっ、それで打てなくても文句言わないか? いや、文句たれるわ! それが野球ファンというものです(笑)。でも、岡田さんお願いします。
◆雨雲の動き...1時間後、2時間後...。あぁ...いや、いけるか。今春入社したばかりの萩原(はぎはら)翔は鳴尾浜で2軍選手を取材しながら、スマートフォンで天気予報をチェックしていた。エライ!スポーツ新聞の記者は天気に詳しくないと駄目だ。もちろん、取材関係者から「きょうの天気はどう?」と聞かれることはよくあるし「試合できそう?」なんて、決定権がない記者に聞いてくる人もいる。そもそも試合があるかないかで取材の方向性も変わってくる。だから、朝起きると、まずテレビをつけてお天気コーナーをハシゴ。そのうち気圧配置図を見ただけで、簡単な予想はできるようになる。「いや、そうじゃないんですよ」と萩原。「実はきょう両親を甲子園に招待していまして...」。バックネット裏のTOSHIBAシートに萩原の父・隆史さん、母・雅美さんが奈良・登美ヶ丘からきているというのだ。もともと、この日のチケットを持っていた知人がいけなくなり、萩原が買い取ったことで「親孝行・ストーリーは突然に」が始まった。親御さんは「お金を払うから」と言い続けていたらしいが「いいよ、いいよ」と息子はニコニコ。「初任給で何にも買ってあげていないですし、少しでも恩返しできれば、と思って。両親とも野球が好きなんで」。とはいうものの、萩原には〝雨男〟だという自覚が少しあった。近大付高時代、甲子園で開催される阪神-オリックスの交流戦のチケットを手に入れた。初めてのライトスタンドだった。ところが、雨...。ずっと通路に潜り込んで、したたり落ちるしずくをニラんでいた。藤浪晋太郎(現米大リーグ、メッツ)が先発予定だったこともあり、ワクワク感は高まっていたが、最終的に中止となり、ガックリ。「開門したのでいけると思ったんですが」。この日のDeNA戦は途中から雨が降ってきたが、試合が成立。その心配は杞憂(きゆう)に終わった。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 |
33 | 26 | 4 | 0.559 (↑0.007) | - (-) |
80 | 188 (+3) | 150 (+1) | 27 (+1) | 38 (-) |
0.239 (-) | 2.130 (↑0.04) |
2 (-) |
阪神 |
33 | 31 | 4 | 0.516 (↓0.008) | 2.5 (↓1) |
75 | 190 (+2) | 185 (+5) | 28 (+1) | 21 (-) |
0.219 (-) | 2.190 (-) |
3 (-) |
DeNA |
33 | 32 | 1 | 0.508 (↑0.008) | 3 (-) |
77 | 225 (+5) | 230 (+2) | 38 (+1) | 37 (+1) |
0.250 (-) | 3.120 (↑0.03) |
4 (-) |
巨人 |
31 | 32 | 5 | 0.492 (↓0.008) | 4 (↓1) |
75 | 187 (-) | 179 (+3) | 33 (-) | 35 (-) |
0.231 (↓0.001) | 2.470 (↓0.01) |
5 (-) |
ヤクルト |
29 | 33 | 4 | 0.468 (↑0.009) | 5.5 (-) |
77 | 238 (+3) | 226 (-) | 49 (+1) | 33 (+1) |
0.239 (-) | 3.260 (↑0.05) |
6 (1↓) |
中日 |
28 | 34 | 5 | 0.452 (↓0.007) | 6.5 (↓1) |
76 | 161 (+1) | 213 (+3) | 29 (-) | 22 (-) |
0.231 (↓0.002) | 2.720 (-) |
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