日本ハム(9対9)楽天 =リーグ戦8回戦(2024.06.21)・エスコンフィールド北海道=
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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
楽天
1 2 0 0 0 0 0 5 1 0 0 0 9 13 1 3
日本ハム
0 0 2 0 0 0 6 0 1 0 0 0 9 9 0 1
勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【楽天】浅村 栄斗(6号・2回表ソロ),フランコ(3号・8回表満塁),阿部 寿樹(2号・8回表ソロ)
【日本ハム】レイエス(3号・7回裏満塁)

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◆楽天は3-8で迎えた8回に2本塁打で追いつくと、続く9回には辰己の適時三塁打でリードを奪う。対する日本ハムはその裏、2死二塁から水谷の適時三塁打が飛び出し、土壇場で同点とした。延長10回以降は両軍の救援陣が踏ん張り、4時間22分の熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆交流戦で初優勝した楽天は、リーグ戦再開初戦は日本ハム戦。交流戦優勝は8球団目で、過去の初V球団の初戦は05年ロッテ●、07年日本ハム●、08年ソフトバンク○、10年オリックス●、12年巨人●、18年ヤクルト●、23年DeNA○で2勝5敗。楽天はどうか。

◆「さちゆし」バッテリーでリーグ戦再開初戦に臨む。日本ハムのスタメンが発表され、注目された先発山崎福也投手(31)とコンビを組むのは「9番捕手」でスタメンの清水優心捕手(28)だった。オリックス時代からバッテリーを組み、今季も開幕からずっとコンビを組んできた伏見寅威捕手(34)が現在は出場選手登録抹消中。「さちとら」コンビは28日ソフトバンク戦(エスコンフィールド)で再復活予定だが、この日は暫定コンビ「さちゆ○」がどうなるか注目されていた。攻守で大ブレーク中の田宮裕涼(ゆあ)捕手(23)との「さちゆあ」、ルーキー進藤勇也(ゆうや)捕手(22)との「さちゆや」の可能性もあったが、新庄剛志監督(52)が送り出したのは清水優心(ゆうし)との「さちゆし」。実戦でバッテリーを組むのは初めてとなるコンビでリーグ戦再開初戦の白星を目指す。

◆昨年3月に開業したエスコンフィールドを核としたボールパーク「Fビレッジ」の累計来場者が500万人を突破した。試合開始前に500万人目となった成田さん一家がグラウンドに登場。記念ボードセレモニーが実施された。日本ハム新庄剛志監督(52)からは目録を贈呈され、一緒に記念撮影を行った。

◆交流戦が終わっても、日本ハム水谷瞬外野手(23)の勢いは止まらない。3回1死二、三塁。左前へ2点適時打。「なんとかランナーをかえす思いで、打席に入りました」。1点差に迫る貴重な一打となった。試合前には交流戦MVP受賞会見に臨んだ。「交流戦だけだったって言われたくない」。前年まで1軍未出場の選手が交流戦最高打率で首位打者になった。前例のない大ブレーク劇は、あくまで通過点。リーグ戦再開と同時に入れ直した気合が打球にも乗った。新庄監督にはMVP受賞を「誰のおかげ?」と冗談交じりに聞かれたという。水谷は「なんて言おうかなと思ったんですけど...」と考えて「こう小さく」と自分の胸を指さしたという。賞金200万円は母に贈ると決めた、推定年俸560万円の現役ドラフト2期生。交流戦の大活躍がフロックではないことを証明する日々が、始まった。

◆日本ハムが奇跡の同点劇で延長戦に持ち込んだ。1点を追う9回2死から清宮が高いバウンドの投ゴロ。万事休すかと思われたが、楽天の守護神則本が一塁へまさかの悪送球(記録は失策)。2死二塁となり、交流戦首位打者の水谷が中越えに同点適時三塁打を放った。さらに途中出場で7回に満塁本塁打を放っていたレイエスに打順が回ったが、投前へのゴロ。今度は則本がしっかり一塁へ送球した。試合は二転三転の展開となった。レイエスの満塁弾などで一時は5点のリードを奪っていた日本ハムだったが、楽天が8回に反撃。フランコが満弾返しとなるグランドスラムで1点差に迫り、代打の代打阿部が同点ソロ。9回には辰己の勝ち越し適時三塁打で1点リードしたが、その裏に日本ハム水谷の適時三塁打返しとなる一打が飛び出た。

◆日本ハム清水優心捕手(28)との「さちゆし」バッテリーで臨んだ山崎福也投手(31)は、7回6安打3失点だった。浅村に1発を浴びるなど2回までに3点を失ったが、中盤から立て直した。「1回、2回は反省ばかりの内容でしたが、3回以降は(清水)優心が引っ張ってくれました」。勝利投手の権利を持って降板したが、救援陣が打たれ、リーグ単独トップの7勝目はならなかった。

◆途中出場の日本ハムのフランミル・レイエス外野手(28)が、1点リードの7回2死満塁の好機に右翼へグランドスラムを放った。4月19日ロッテ戦以来、約2カ月ぶりの3号アーチ。「チームのために自分の仕事ができてうれしかった。よかたっと思います」。ダイヤモンドを1周してベンチに戻ると、新庄監督と抱き合った。エスコンフィールド開業2年目で、日本ハム選手の初の満塁弾となった。日本ハム-楽天戦は7回にレイエス、8回にフランコが満塁弾。両チーム満塁本塁打の応酬は、23年7月4日楽天-オリックス戦で頓宮(オリックス)と浅村(楽天)が記録して以来17度目(パ7度目、セ9度、交流戦1度)。外国人同士の応酬は今回が初めて。

◆楽天は壮絶な点の取り合いを制することはできなかった。1点リードの9回2死走者無し、守護神則本が日本ハム清宮に投ゴロを打たせたが一塁悪送球。二塁まで進まれ、水谷に土壇場で同点の適時三塁打を打たれた。結局、延長12回引き分け。あと1死から勝ちを逃した。が、今江監督は前向きだった。「よく追いつきましたよ。よく粘りました。うん、引き分けで本当に粘った」。7回にレイエスに満塁本塁打を打たれ逆転された。その差5点。だが、諦めない。直後の8回、フランコが満塁本塁打をお返し。阿部が同点ソロで続き、9回に1点を勝ち越した。ド派手な終盤だったが、初回は無死二塁から2番村林が二ゴロで走者を進め、辰己の先制打につなげた。今江監督は「そのシチュエーションでやるべきことをやってくれた」。交流戦優勝の強さは、パ相手でも変わらない。日本ハム-楽天戦は7回にレイエス、8回にフランコが満塁弾。両チーム満塁本塁打の応酬は、23年7月4日楽天-オリックス戦で頓宮(オリックス)と浅村(楽天)が記録して以来17度目(パ7度目、セ9度、交流戦1度)。外国人同士の応酬は今回が初めて。

◆日本ハム新庄監督も、さすがに想定外の展開だった。「何じゃ今日の試合は(笑い)」。一時は5点リードの快勝ムード。1点を追う7回に水野が同点適時二塁打。さらに清宮が一時勝ち越しとなる適時二塁打を放ち、2死満塁からはレイエスの3号満塁本塁打が飛び出したが、8回に勝利へのシナリオが暗転。再逆転を許して9回2死まで追い込まれ、さすがの指揮官も万事休す...だった。清宮は投ゴロ。これでゲームセット...と思った瞬間に、楽天則本が一塁へ悪送球(記録は失策)。2死二塁となって交流戦MVPの水谷が同点適時三塁打を放ち、3試合連続の延長戦へ。「則本君、清宮君に思い切って投げた後のスローイング。あれ、難しいんですよね」。相手守護神の心情をおもんぱかりつつ、最後は引き分け。「野球はもう何が起こるか分からないですよね。最後の最後まで」と振り返った。

◆日本ハム水野達稀内野手(23)が21日、楽天8回戦(エスコンフィールド)で右足首を負傷した。二塁走者だった7回の走塁中、三塁をまわって急停止した際に、同部をひねった。代走が送られ、試合中に札幌市内の病院へ向かった。新庄剛志監督(52)は試合後「心配ですね。靱帯(じんたい)がどうかな...。夜中に報告があると思う」。22日には1軍登録を抹消される見込み。ここまで60試合に出場している内野の要が、離脱する事態となる。

◆楽天早川隆久投手(25)は粘り腰で6回4安打2失点にまとめ、勝利投手の権利を持って交代した。1週間前に117球を投げたことを考慮され、91球で代わった。「もう1イニング投げればベストでしたが、ある程度ゲームメークはできました」と振り返った。一番警戒していた日本ハム郡司裕也捕手には、初回先頭で変化球だけで3球三振。「お互い読み合い。キャッチャーと話してやっていければ」と次戦を見据えた。

◆交流戦優勝の楽天のリーグ戦再開初戦は、ルーズベルトゲーム(8-7)を超える壮絶な引き分けに終わった。今江敏晃監督(40)も「今日は、もうね、何が起こるか分からないよね。だって、6点差? 1イニングで追い付いたのが。あれ? 5点差か。点差も、なんかよくわからない」と勘違いするほどの激戦だった。中盤までは、楽天早川、日本ハム山崎の両左腕による粘り腰の投げ合い。だが、楽天は3-2と1点リードの7回裏、レイエスの満塁本塁打などで6点を奪われ逆転される。ところが、直後の8回表、フランコが満塁本塁打をお返し。さらに、代打阿部が同点ソロで続いた。9回に1点を勝ち越し、さあ、あとは守護神則本が締めるだけとなった。それで終わらなかった。2死走者無し。清宮に投ゴロを打たせたが、則本が一塁悪送球。二塁へと進まれ、続く水谷に土壇場で同点の適時三塁打を打たれてしまう。そのまま延長に入り、結局12回引き分けとなった。12回表には、1死から田中和が右翼線二塁打で出塁。浅村が左前打で続いた。だが、日本ハムの左翼五十幡からの返球に中継プレーが乱れ、その間、田中和は果敢にホームを狙う。しかし、日本ハム側もすぐにバックアップして本塁へ返球。タッチの差でアウトとなった。リプレー検証でもひっくり返らなかった。中盤までの投手戦が一転、終盤はノーガードの打ち合い。そして、延長はお互い0行進。いろいろなことが、ありすぎた。それでも、今江監督の声は明るかった。「よく追いつきましたよ。よく粘りました。うん、引き分けで本当に粘った」。交流戦は突出した選手の力ではなく、チーム全体で粘り強く点を取り、粘り強くつなぎ、勝った試合が多かった。勝てなくても、負けなかった。初回は、先頭小郷が安打のあと、二盗を決め、2番村林が追い込まれながら進塁打の二ゴロで3番辰己の先制打につながった。指揮官は「交流戦から、いい形でね。本当に各選手が、その状況に応じたバッティングもしてくれている。なので、こうやって粘り強く戦えるんだと思います」と評価した。

◆ここから真価を発揮する。交流戦でMVPに輝いた日本ハム水谷瞬外野手(23)が、リーグ戦再開初戦から2安打3打点と大爆発した。まずは3点を追う3回に左前へ2点適時打。そして、1点を追う土壇場の9回2死二塁で起死回生の同点中越え適時三塁打を放った。セ界相手に史上最高打率で首位打者に輝いた交流戦の勢いそのままに、リーグ戦でもっと大暴れする。チームは3試合連続の延長戦を戦った末に引き分けた。感情を爆発させた。1点を追う9回2死二塁。相手失策で回った好機に、水谷は思った。「野球は怖いなって、あらためて思わされました」。清宮の投ゴロを見て、ネクストバッターズサークルから、最初はベンチへ引き返そうと思った。「一応、見届けてと思って」と足を止めると、則本が暴投(記録は失策)。気を引き締め直して、集中力MAXで打席へ向かった。そして、初球をたたいた。「一打で同点だとか考えすぎずにいけたから、素直に初球からアプローチできた」。同点中越え適時三塁打。塁上で雄たけびを上げた。自らにプレッシャーをかけて臨んだ試合だった。試合前の交流戦MVP受賞会見で「交流戦だけだったって言われたくない」と言った。前年まで1軍未出場の選手が交流戦最高打率で首位打者に輝いた。前例のない大ブレーク劇はあくまで通過点。リーグ戦再開と同時に入れ直した気合は、3回の打球にも乗っていた。3点を追う3回にも左前へ2点適時打。「なんとかランナーをかえす思いで打席に入りました」と反撃の起点にもなった。新庄監督にはMVP受賞を「誰のおかげ?」と冗談交じりに聞かれたという。水谷は「なんて言おうかなと思ったんですけど...」と考えて「こう小さく」と自分の胸を指さしたという。交流戦の大活躍がフロックではないことを証明する日々はここからだ。賞金200万円は母に贈ると決めた、推定年俸560万円の現役ドラフト2期生は「いきなり3三振したら、明日(球場に)来れんすからね」と幸先よくリスタートを切った。【木下大輔】日本ハム-楽天戦は7回にレイエス、8回にフランコが満塁弾。両チーム満塁本塁打の応酬は、23年7月4日楽天-オリックス戦で頓宮(オリックス)と浅村(楽天)が記録して以来17度目(パ7度目、セ9度、交流戦1度)。外国人同士の応酬は今回が初めて。

◆終盤に点を取り合い延長十二回で引き分けた。日本ハムは2―3の七回にレイエスの満塁本塁打などで一挙6点。楽天は八回にフランコの満塁弾などで同点とし、九回に勝ち越したが、日本ハムが九回2死から水谷の三塁打で追い付いた。

◆日本ハムの水谷が2安打3打点をマークし、勝負強さを発揮した。交流戦の最優秀選手(MVP)に輝いた勢いそのまま、価値ある2本の適時打を放った。まずは0―3の三回1死二、三塁で「チャンスだったので何とか走者をかえす思いで打席に入った」と早川の浮いたチェンジアップを左前へはじき返し、2人を迎え入れた。8―9の九回2死二塁では、則本の初球の速球を中越えへ同点三塁打。土壇場で試合を振り出しに戻し、三塁上で胸をたたいて喜びを爆発させた。昨年12月の現役ドラフトでソフトバンクから加入し、プロ6年目でブレーク。交流戦では史上最高打率4割3分8厘で首位打者に輝いたが「まだ安堵できる立場ではない。一段と気を引き締めたい」と謙虚な姿勢を崩さず、中軸の務めを果たした。

◆楽天は初優勝した交流戦で発揮した粘り強さを示した。5点を追う八回にフランコの満塁本塁打と代打阿部のソロで追い付き、九回に辰己の適時三塁打でリードを奪い返した。しかしその裏に則本が抑えに失敗。2死から自らの悪送球で招いたピンチで水谷に同点三塁打を許した。今江監督は「きょうは何が起きるか分からないような。5点差を1イニングで追い付いて、引き分けで本当に粘った」とかみしめるように話した。

◆日本ハムの水野が七回の走塁の際に負傷し、交代した。右足首をひねったとみられ、球団によると札幌市内の病院で検査を受けたという。新庄監督は「試合には出られないので、誰かを呼ばないといけない」と出場選手登録を抹消する方針を示した。

◆日本ハム・レイエスが七回に、楽天・フランコが八回に満塁本塁打。同一試合で両軍の選手が満塁本塁打を放ったのは、昨年7月4日の楽天-オリックス(一回=オ・頓宮裕真、四回=楽・浅村栄斗)以来、史上17度目(パ7度目)。外国人選手による応酬は初めて。

<パ・リーグ順位表推移>

順位 チーム名 勝数 負数 引分 勝率 首位差 残試合 得点 失点 本塁打 盗塁 打率 防御率
1
(-)
ソフトバンク
42 19 2 0.689
(↑0.006)
-
(-)
80 272
(+9)
155
(+4)
44
(+2)
47
(-)
0.263
(↑0.004)
2.240
(↓0.02)
2
(1↑)
日本ハム
32 28 4 0.533
(-)
9.5
(↓0.5)
79 226
(+9)
203
(+9)
36
(+1)
51
(-)
0.248
(↓0.001)
2.800
(↓0.08)
3
(1↓)
ロッテ
31 28 5 0.525
(↓0.009)
10
(↓1)
79 200
(+4)
225
(+9)
27
(-)
27
(+1)
0.244
(-)
3.240
(↓0.1)
4
(-)
楽天
31 31 2 0.500
(-)
11.5
(↓0.5)
79 217
(+9)
253
(+9)
27
(+3)
46
(+3)
0.242
(↑0.001
3.620
(↓0.05)
5
(-)
ORIX
30 33 2 0.476
(↑0.008)
13
(-)
78 200
(+2)
195
(-)
22
(+1)
29
(-)
0.246
(↓0.001)
2.670
(↑0.04)
6
(-)
西武
19 45 0 0.297
(↓0.005)
24.5
(↓1)
79 143
(-)
233
(+2)
28
(-)
30
(-)
0.201
(↓0.001)
3.260
(↑0.01)