日本ハム(★2対7☆)巨人 =交流戦1回戦(2024.06.14)・エスコンフィールド北海道=
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巨人
0120301007902
日本ハム
0001001002412
勝利投手:戸郷 翔征(6勝3敗0S)
敗戦投手:山﨑 福也(6勝2敗0S)

本塁打
【巨人】坂本 勇人(4号・2回表ソロ),吉川 尚輝(2号・5回表3ラン)
【日本ハム】水谷 瞬(3号・4回裏ソロ),松本 剛(1号・7回裏ソロ)

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◆巨人は2回表、坂本のソロで先制に成功する。その後は3回に萩尾の適時打などで2点を加えると、5回には吉川が3ランを放ち、リードを広げた。投げては、先発・戸郷が9回4安打2失点の完投で今季6勝目。敗れた日本ハムは、先発・山崎福也が試合をつくれなかった。

◆日本ハム-巨人戦では万波中正に注目したい。このカードの万波は通算6試合で20打数11安打、2打点の打率5割5分。出場した試合すべてで安打を打っており、特に昨年の巨人3連戦では3→2→3安打で12打数8安打、打率6割6分7厘の猛打をマーク。今年も巨人を相手に安打ラッシュを見せるか。

◆秋元康プロデュース「乃木坂46」公式ライバルの「僕が見たかった青空」(僕青)が来場し、ファーストピッチセレモニーを行った。"僕青"から北海道出身のメンバー工藤唯愛(14)をはじめ、早崎すずき(19)、吉本此那(18)が登場。ファーストピッチには最年少の工藤が登板した。打席には田宮裕涼捕手(24)が立ち、名前が同じ「ゆあゆあ対決」が実現した。投球は大きく一塁側にそれたが田宮はスイングしてストライク。工藤は「ソフトボールをやっていたお母さんから、ボールを後ろで離しすぎないようにとアドバイスをもらったのですが、もう緊張しすぎて全部わかんなくなっちゃいました」と苦笑いだった。早崎は「投げないのに広すぎて緊張して、ゆあちゃんが投げるところを見て、わが子を見るような気持ちで泣きそうになってしまいました」。吉本も「私も一緒でゆあちゃんを親目線で見てしまいました」と、そろって"お母さん"になった心境で見守っていた。背番号は工藤が「僕が見たかった青空のメンバーが23人なので」と23番、早崎は「誕生日が3月13日というのと、昔住んでいたマンションの部屋番号が303。3が好きなので」と3番。吉本は「2005年生まれで2足す5で7というのと、誕生日が12月5日で、12引く5したら7。ちょうど良かったので」と7番を背負っていた。

◆日本ハムの公式チア「ファイターズガール」と巨人の公式マスコットガール「ヴィーナス」が、エスコンフィールドで初コラボした。マスコットのフレップ、ポリーと巨人のマスコットジャビットも交流。3回表終了後には、そろって、きつねダンスをきゃっきゃきゃっきゃと舞い、球場全体を盛り上げた。

◆日本ハム水谷瞬外野手(23)が"ノーノー右腕"から3号ソロを放ち、連続試合安打を15に伸ばした。3点を追う4回1死、日本ハム1軍キャンプ地の沖縄・名護市にある「ナゴパイナップルパーク」のテーマソング「パッパパイナップル!」を登場曲にして打席に入り、巨人先発戸郷の初球、149キロストレートを捉え、右翼ブルペンに放り込んだ。「登場曲のパイナップルパワーです。ビハインドだったので、出塁しようと思い打席に入りました。まずは1点、ここから反撃です」とコメント。ちなみに水谷自身も、パイナップルのような個性的なヘアスタイルをしている。前日13日は「ウマ娘」の「うまぴょい伝説」に乗って"♪ずきゅんどきゅん"と14試合連続安打。これで史上初の交流戦全試合安打まで残り3試合となった。

◆巨人増田大輝内野手(30)が負傷交代した。7回先頭、左前打を放った後だった。一塁ベースに到達する前に顔をゆがめ、スピードを緩めた。一塁上でベースに膝をついた。何らかのアクシデントが発生した模様で門脇と交代。そのままベンチに退いた。

◆日本ハム山崎福也投手(31)が、22年6月10日阪神戦(京セラドーム大阪)以来2年ぶりの交流戦黒星を喫した。3回に巨人坂本に先制ソロを浴びると、0-2の3回2死一、二塁で萩尾の適時打、5回2死二、三塁で吉川に3ランを許し、この回でマウンドを降りた。移籍後最短の5回8安打(2本塁打)6失点(自責4)で降板し「ゲームメークできず、早い回で降板してしまい悔しいです」とコメントした。交流戦は23年オリックス時代が3連勝。今季も4月30日阪神戦で勝利し5連勝がかかっていたが、途切れた。

◆巨人戸郷翔征投手(24)が9回2失点の完投で6勝目を挙げた。2被弾も4安打に封じ込め、今季最多の134球を投げ抜いた。「チームが6連敗していたのでなんとか止めようと思って投げた」と貫禄の投球だった。自身初のエスコンフィールドでのマウンドで好投し「きれいな球場で、初めて登板して完投できてすごいいい思い出になりました」と満足そうだった。

◆日本ハムが2カード連続で初戦を落とした。序盤で大量リードを許し新庄監督は「戸郷君相手に5回6点はキビシー!」と第一声。0-1の3回2死二塁で、ヘルナンデスの二塁後方への打球を上川畑、万波が追い、最後は万波が落球し、2点目を献上した。そこから徐々に点差を広げられた。指揮官は「あれ、プロなら捕らないといけないっすね。ただそれだけのことでしょ」と話した。▽日本ハム山崎(5回6失点。移籍後最短降板で2敗目)「1年間長いですし、こういう時もあると思うんで、なるべく勝てる試合っていうのは心がけて今後もやっていきます」

◆日本ハムが3連勝を逃した。序盤に大量リードされたことが響いた。新庄剛志監督(52)の一問一答は以下の通り。新庄監督 戸郷くん相手に5回に6点はキビシーー!。厳しいよ。ちょっと(日本ハム先発)山崎君の変化球が入らなかったかな。今日。-3回2死二塁の(落球で2点目を献上した)万波の守備はセカンドが追いすぎた新庄監督 いや、あれ、プロなら捕らないといけないっすね。ただそれだけのことでしょ。-9回に水谷選手と万波選手を、左翼と右翼入れ替えましたが新庄監督 競ってる場面で、左バッターの時に、ワンナウト、ノーアウトサードの場面で、万波君がレフトに行って、景色だけでも、ちょっと感覚だけでもつかんでもらって。-先を見据えて新庄監督 そうそうそう。シートノックでもね、レフトでも守らせてるんで。はい。左バッターじゃなかったら、また変えるみたいの感じの、この点差じゃないとできないから。-今後に向けての新庄監督 そうそう、常に今後に向けてね。こういう試合の時は清宮君と郡司君を変えたように、常に先を見据えた起用...ぐらいしかない。今日は(笑い)-そうですね、戸郷君がね新庄監督 ジャイアンツが(連敗が)長かったんじゃないですか...うん。長く感じるんですよ。これまた。ああ。これでまたこっちも引き締めて、気合入れていかないと乗っていかれるんでね-水谷選手は逆方向に本塁打新庄監督 ね。なんなんでしょうね(笑い)あそこのホームランが増えたら、もう守るポジションが難しくなってくるんじゃないですかね。ね、最後も(三塁線)抜けたと思いましたけどね、うまく取るんだって。-バースみたいな打球。逆方向に高い弾道新庄監督 ごめんなさい。その時あんまり野球興味なくて(笑い)バースの弾道はちょっと分からないですね。-水谷の成長スピード早い新庄監督 ね、乗ってますね。だからこういう時にフリーバッティングで余裕がありすぎて、自分じゃない打ち方とかをするとすぐ崩れるんで。しっかりフリーバッティングしてもらって。今日のマルティネスがね、最後変えたのは、1打席でちょっと今日全然合ってなかったので。感覚がおかしくなられたら困るんで。ちょっと五十幡君で。いいビッチャーの軌道っていうのをね見せとかないとっていうところで、変えました。以上。オーケー?

◆巨人の連敗が止まった。エース戸郷翔征投手(24)が9回4安打2失点の完投で6勝目をマーク。「7番DH」でスタメン出場した坂本勇人内野手(35)が4月25日中日戦以来の4号先制ソロが決勝打となった。阿部慎之助監督(45)は試合後の会見で開口一番「良かったです。勝つってうれしいね」と久しぶりに笑った。オーダーは2番増田大、5番萩尾、6番吉川、7番坂本と大幅に動かした。「今日はピッチングコーチとバッテリーコーチとヘッドコーチ含めて、相手が嫌かもしれないなっていう打順でいってみようってことで。独断で僕が決めたわけじゃない」と説明した。不慣れな打順でも結果を出したベテラン坂本については「今日ちょっとだけアドバイスはしたんだけど。すぐにああやって結果出せる。それをどう継続していくかということが大事だと思います」と称賛すると同時に継続を促した。試合前の全体ミーティングでは"阿部節"でナインを鼓舞した。「とにかく、初心を忘れずにと。自己犠牲だったりとか、もう1回、みんなで徹底してやろうっていうのは言った。こういう時だからこそっていうのもね」と再確認。さらに、最後は「あとは連敗をみんなで止めて、今日はすすきのにみんなで飲みに行っちゃおう! って。それぐらいかな」と沈みがちなムードを指揮官自らの珍号令で盛り上げた。

◆6回に2番手で登板した日本ハムアニュラス・ザバラ投手(27)が、丸への2球目でエスコンフィールド最速となる162キロを記録した。2日のDeNA戦で出した自らの記録を1キロ更新した。愛称は火の玉を投げると言う意味の"ランサ・ジャマ"。「自分が思っているのは速い球を投げることではなく、無失点でつないで次の回にバッターが打ってくるように勢いづけること」と役割を強調した。

◆巨人が今季ワーストだった連敗を6で止めた。坂本勇人内野手(35)が恐怖の7番打者となり、勝機を呼び込んだ。2回2死、日本ハム山崎の真ん中チェンジアップを左翼席に運んだ。4号先制ソロは4月25日中日戦以来、約1カ月半ぶりの1発。「まずは最高の形で先制点を取ることができてよかった」と打線を活気づけた。三塁ベースを回る前にベンチに視線を向けた。白い歯を見せ、左手で「Y」のポーズを作った。4月。阿部監督がミーティングで「ワイワイ」というキーワードでチームを鼓舞した。それを受け、長野の呼びかけで浸透したワイワイポーズを決め、嫌なムードを払拭(ふっしょく)した。7番に入ったのは昨年4月29日広島戦以来で、今季初の下位打線でのスタメン出場だった。阿部監督は意図を説明した。「ピッチングコーチ、バッテリーコーチとヘッドコーチ含め、相手が嫌かもしれないなっていう打順でいってみようってことで。独断で僕が決めたわけじゃない。どこにいても嫌なんだろうけど、下位にいるっていうことが」。担当の垣根を越え、組んだ布陣。それが的中し、負の連鎖を断ち切った。苦しい時こそ、背番号6は頼りになる。6戦勝利なく、引き分け挟み3連敗を喫していた4月23日中日戦も先制の左前打を放ち、連敗を止めた。勝利を喜びつつ「たまたま本塁打になっただけで、あとの打席の内容が全然よくない」と以降3打席凡退だった反省を忘れない。「まずは勝ち越しできるように明日から頑張ります」。勝率5割復帰。また1勝ずつ積み重ねていく。【上田悠太】

◆巨人が今季ワーストだった連敗を6で止めた。坂本勇人内野手(35)が恐怖の7番打者となり、勝機を呼び込んだ。2回2死、日本ハム山崎の真ん中チェンジアップを左翼席に運んだ。4号先制ソロは4月25日中日戦以来、約1カ月半ぶりの1発。「まずは最高の形で先制点を取ることができてよかった」と打線を活気づけた。坂本がエスコンフィールドで初アーチを放ち、これで本塁打を打ったのは通算25球場目。52年のフランチャイズ制施行後、多くの球場で本塁打を打った記録には山内一弘(広島)の39球場があるが、巨人の選手では阿部慎之助の24球場を上回り最多となった。

◆日本ハム松本剛外野手(30)が昨年6月以来となる今季1号本塁打を放った。7回2死、カウント2-1から戸郷の内角148キロ直球を、左翼側ブルペンに放り込んだ。選手会長は「良くなりそうだなっていうところで、なかなかなりきれてない時期がずっと続いてる感じはあるので、いいきっかけになれば」と振り返った。

◆日本ハム水谷瞬外野手(23)が"パイナップルパワー"でノーノー右腕も攻略した。「日本生命セ・パ交流戦」巨人戦の4回、右翼ブルペンへ放り込む3号ソロを放った。5月に無安打無得点を達成した戸郷からの1発で、15試合連続安打をマーク。史上初の交流戦全試合安打達成へ、また1歩近づいた。チームは完敗で、2カード連続初戦黒星を喫した。パッパと初球を捉えた。3点を追う4回1死。水谷が同学年の戸郷が投じた149キロ直球を捉えた。打球は逆方向へ。大きな放物線は、右翼ブルペンが終点。3号ソロとなった。「自分より全然先を走っている選手から打てたのが良かった」。交流戦初戦から続く連続試合安打を「15」に伸ばす、価値ある1発だった。前夜は「ウマ娘」の「うまぴょい伝説」を登場曲で使って2安打3打点。この日も、個性的な楽曲できっちりと結果を残した。♪パ・パ・パ・パ・パ・パ・パ パイナップル4回の打席で流れたのは、2月に春季キャンプを行った沖縄・名護にある「ナゴパイナップルパーク」のテーマソング「パッパ パイナップル!」だった。小学校の頃に行ったことがあるテーマパークのメロディー。「ホンマは昨日やろうと思ったんですけど、(ウマ娘の声優が)来ていると聞いたので、明日(14日)はパイナップルにしようと思っていた」。最近、同曲を思い出したきっかけは、自身のヘアスタイル。「髪を結んでいたらパイナップルって言われるので」。ざわついた球場を"パイナップルパワー"で大歓声に変えてみせた。1日遅れの"祝砲"にもなった。13日はファームで多くの助言を受けた佐藤2軍野手育成コーディネーター兼打撃コーチの誕生日。朝に祝福の連絡をすると「祝砲待ってる」と返ってきたが、アーチは打てず。一夜明けて右方向への本塁打を放つと、試合後に同コーチから「あっち(右方向)に、ああいう弾道で打てたらバックスクリーンはもっと簡単に感じてくると思うよ。そういうのを忘れないように、また明日からも頑張れ」とメッセージが来た。試合に敗れたことは悔しいが、パッパと「切り替えて明日からも頑張りたい」。一度、登場曲は普段のものに戻して、今度は勝利につながる安打を重ねる。【木下大輔】

◆日本ハムが2連敗し、2カードぶりのカード負け越しが決まった。先発の金村尚真投手(23)が8回まで無失点と好投していたが、9回無死一塁、巨人岡本和に左中間へ2ランを浴びた。水谷瞬外野手(23)は、9回1死一塁の場面で、二ゴロに倒れ、4打数無安打で、連続試合安打が15で止まった。新庄剛志監督(52)は「今日はなんとか金村君に勝ちをつけたかった! それだけ!」とコメント対応した。

◆巨人・坂本勇人内野手(35)が「7番・DH」で2試合ぶりに先発起用された。これまで先発時は2、3、5番で起用されており、今季初めて下位打線に並んだ。また、増田大が「2番・三塁」、13日に昇格して2安打を放った萩尾が「5番・左翼」に抜擢された。

◆「7番・DH」で出場した巨人・坂本勇人内野手(35)が先制の4号ソロを放った。0ー0の二回2死。日本ハム・山崎が投じた変化球をとらえ、左翼席にかっ飛ばした。4月25日の中日戦(東京ドーム)以来の一発。今季初の下位打線に座った大黒柱が2試合ぶりのスタメン起用に一振りで応えた。

◆巨人・吉川尚輝内野手(29)が2号3ランを放った。3-1の五回2死二、三塁から日本ハム・山崎が投じた初球のカットボールを右翼席へ運び、貴重な追加点をたたきだした。自身5月10日のヤクルト戦(神宮)以来の一発となった。

◆これ以上負けるわけにはいかない。大黒柱が連敗ストップへ、豪快な一発でチームを鼓舞した。今季初の「7番・DH」で先発した巨人・坂本勇人内野手(35)が先制の4号ソロをたたき込んだ。「最高の形で先制点を取ることができてよかった」。0-0の二回2死。日本ハムの先発左腕、山崎が投じたチェンジアップを強振。大きな放物線を描いた打球は、左翼後方のブルペンに吸い込まれた。4月25日の中日戦(東京ドーム)以来、50日ぶりの一発は、チームのエスコン初安打&1号。2試合ぶりのスタメン起用に一振りで応えた。チームは6連敗中。負の連鎖を断ち切るべく、阿部監督は打線をテコ入れした。俊足の増田大を今季2度目の2番で起用。直近6試合で20打数1安打と不振の主砲、岡本和の後ろには萩尾を据えた。2-0の三回2死一、二塁では5番・萩尾が中前適時打。13日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で昇格即スタメンで2安打を放った2年目の右打者が、またもバットで結果を残した。阿部監督は「いろいろ工夫してね、こっちも考えているけどなかなかうまくいかない。今いるメンバーで必死にやっていくしかない」と語っていた。指揮官が試行錯誤した打線が、坂本の一発を足掛かりに、五回までに6得点を挙げるなど奮起した。連敗を6で止めた。

◆巨人・戸郷翔征投手(24)が4安打2失点で完投勝利を挙げ、自身6勝目(3敗)をマークした。初めて投げるエスコンのマウンドで今季自己最多となる134球の熱投。チームの連敗を6で止め、「連敗を止めることが一番。ピッチャーから雰囲気を良くしていくのが脱出する一番の鍵だと思うので、それは意識しながら投げました」。一方で四回、七回にそれぞれソロを浴びての2失点に「投げきったけど反省が多いゲームでした。ホームランを2本も打たれて最悪でした」と唇をかんだ。

◆巨人は打線がつながり日本ハムに快勝。連敗を6でストップ。阿部慎之助監督(45)は「勝つってうれしいね」と破顔した。この日は坂本を今季初の7番、萩尾を5番に起用するなど、打線にテコ入れた。指揮官は「今日はピッチングコーチとバッテリーコーチとヘッドコーチ含めて、相手が嫌かもしれないなっていう打順で行ってみようってことで。独断で僕が決めたわけじゃない」と異例の形だったと説明。首脳陣たちの知恵を集結させた新打線が奮起した。試合前のミーティングで指揮官は「初心を忘れずじゃないけどね。自己犠牲とかもう一回みんなで改めて徹底してやろう」と声をかけたあと、「連敗をみんなで止めてね、今日はすすきのにみんなで飲みに行っちゃおう」と訓示した。ユーモアたっぷりの〝阿部節〟でナインを鼓舞し、連敗を脱出した。

◆「2番・三塁」で先発した巨人・増田大輝内野手(30)は七回の第4打席で左前打を放った直後に代走を送られて途中交代。試合後に自身の口で軽傷を強調した。試合後、その時の状況について「両足のふくらはぎがつってしまったので動けなかった。前の回から結構きていた。伸ばしていけるかなと思ったんですけど、打った瞬間に両足にきて。とりあえず一塁まではなんとか走れましたけど」と説明。「終わってからストレッチとかをやってもらったので大丈夫です」と語った。

◆監督同士のほっこりするシーンがあった。巨人・阿部監督が日本ハムの新庄監督と試合前のメンバー表交換をする際に、深々とお辞儀をして談笑した。試合後、阿部監督は仙台からの移動を経て、エスコンに到着すると監督室に敵将からのお土産が置いてある粋なサプライズがあったことを明かした。「お土産をいただいて。粋なありがとうございますとそのお礼だけしました」と経緯を説明し、敵将に感謝した。

◆巨人の慶大出身の2年目、萩尾匡也外野手(23)が5番起用にバットで応えた。2-0の三回2死一、二塁で中前適時打を放ち、7-1の七回1死一、三塁では中犠飛をマーク。4番・岡本和に当たりが出ていない中、今季4度目の5番に座り2打点を挙げた。「(岡本)和真さんが苦しんでいる姿を見ていたので、何とかカバーできるようにという気持ちでは入った」と胸を張った。

◆7年前の北海道の夜と重なった。巨人は開場して2年目のエスコンフィールド北海道で初の公式戦を迎え、坂本勇人内野手(35)が同球場でチームの公式戦初安打となる4号先制ソロ。チームの連敗を6で止めた。「たまたま本塁打になっただけで、あとの打席の内容が全然よくないので。(久しぶりの勝利は)よかったですね」今季初めて下位の「7番・DH」で起用され、本塁打の後は3打席凡退。復調途上だが、決勝点を刻む一打を放つ勝負強さは、あの時と同じだった。2017年6月9日の日本ハム戦(〇2―1、札幌ドーム)。球団史上最悪の13連敗を止める決勝打を放ったのが背番号6だった。当時は主将としての責任感から胃痛と不眠に悩み、15日間で体重は3キロ落ちた。「この雰囲気でどう勝って、みんなで笑えるのかって常に考えていた」と、若きリーダーは1勝の重みを胸に刻んだ。時はたち、昨季から主将の座は岡本和に託したが、チームを思う気持ちに変わりはない。助言を求めてくる後輩たちのため、時間を見つけては2軍戦の中継を見る。5月には、ある選手の振る舞いが雑に映り、「1軍と2軍で態度を変えるな」と連絡した。あえて厳しく注意したのは、選手の成長と、何よりチームの和に綻(ほころ)びを出さないため。今でも強いリーダーシップでチームを支えている。阿部監督は試合前に「自己犠牲とか、もう一回、改めて徹底してやろう。みんなで連敗を止めて、今日はすすきのへ飲みに行っちゃおう!」と明るくチームを鼓舞したといい、「勝つってうれしいね」と喜びをかみしめた。投手コーチも含めた異例の首脳陣会議で決まった打順が奏功。まさにチーム一丸の勝利だった。その中心には、逆境でこそ頼れる坂本がいる。(谷川直之)

◆巨人・戸郷を手放しでほめておく。連敗を止めるには、何より先発が頑張ること。その責任感に加えて、完投するノウハウを身に付けているところが、頼もしいね。手探りとなる立ち上がりは、変化球で様子をみる。真っすぐが走っていると確信したら、力で押す。相手が真っすぐ狙いとみるや、変化球でかわし、変化球狙いできたら、真っすぐで釣る。力の入れどころを知っている。もちろん、コントロールも利いていた。ゲームの中でのピッチングのローテーションが、見事だった。エースが踏ん張れば、打線も好循環で応えるものだ。連敗時に必要なのは、軸だけは崩さず、ポイント、ポイントで手を打つこと。その意味でハマったのが、5番に抜擢(ばってき)された萩尾。タイムリーと犠牲フライで即、結果を出した。少々のことでは動じない、気の強さが伝わってくる。2番に入った増田大も四球、バント、安打でアクセントになり、6番に下がった吉川と、7番でDHに回った坂本が一発。随所で機能した。まあ、話を戻すと、まずは完投できるエースがいないことには、チームも持ちこたえられない。あくまでそこも強調しておくよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
1240 0.750
(↓0.05)
-
(-)
259
(-)
40
(+1)
9
(-)
10
(-)
0.254
(↓0.001)
2.140
(↑0.11)
2
(-)
ソフトバンク
1150 0.688
(↑0.021)
1
(↑1)
259
(+2)
43
(-)
8
(+1)
10
(+1)
0.261
(↓0.002)
2.560
(↑0.17)
3
(1↑)
ヤクルト
862 0.571
(↑0.033)
3
(↑1)
262
(+5)
54
(+3)
15
(+1)
8
(-)
0.232
(↑0.001)
3.120
(↑0.01)
4
(1↑)
DeNA
970 0.563
(↑0.03)
3
(↑1)
263
(+5)
57
(+1)
14
(-)
6
(-)
0.260
(↑0.002)
3.180
(↑0.14)
4
(1↓)
ORIX
970 0.563
(↓0.037)
3
(-)
241
(+3)
39
(+5)
3
(+1)
6
(-)
0.233
(↑0.008)
2.250
(↓0.12)
4
(1↑)
広島
970 0.563
(↑0.03)
3
(↑1)
248
(+1)
34
(-)
6
(-)
11
(+1)
0.229
(↓0.006)
1.690
(↑0.14)
7
(-)
日本ハム
780 0.467
(↓0.033)
4.5
(-)
361
(+2)
47
(+7)
13
(+2)
5
(-)
0.283
(↓0.009)
2.820
(↓0.16)
8
(-)
巨人
790 0.438
(↑0.038)
5
(↑1)
267
(+7)
51
(+2)
9
(+2)
10
(+2)
0.242
(↑0.002
2.990
(↑0.07)
8
(-)
中日
790 0.438
(↑0.038)
5
(↑1)
231
(+4)
45
(+3)
8
(-)
9
(+2)
0.222
(↑0.001)
2.040
(↑0.02)
10
(-)
ロッテ
592 0.357
(↓0.028)
6
(-)
240
(+3)
77
(+4)
4
(-)
6
(-)
0.230
(↑0.003)
4.500
(↑0.13)
11
(-)
阪神
5100 0.333
(↓0.024)
6.5
(-)
330
(-)
44
(+2)
3
(-)
4
(+2)
0.218
(-)
2.460
(↑0.01)
12
(-)
西武
4120 0.250
(↓0.017)
8
(-)
225
(+1)
55
(+5)
5
(-)
7
(+3)
0.170
(↑0.001)
3.130
(↓0.06)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
31244 0.564
(↑0.008)
-
(-)
84178
(+1)
140
(-)
26
(-)
35
(+1)
0.238
(↓0.002)
2.150
(↑0.05)
2
(-)
阪神
30294 0.508
(↓0.009)
3
(↓1)
80179
(-)
172
(+2)
26
(-)
19
(+2)
0.222
(-)
2.240
(-)
3
(-)
巨人
30304 0.500
(↑0.008)
3.5
(-)
79180
(+7)
169
(+2)
30
(+2)
35
(+2)
0.232
(-)
2.480
(-)
4
(-)
DeNA
30311 0.492
(↑0.009)
4
(-)
81211
(+5)
227
(+1)
35
(-)
36
(-)
0.248
(-)
3.280
(↑0.04)
5
(-)
中日
27315 0.466
(↑0.01)
5.5
(-)
80157
(+4)
193
(+3)
28
(-)
22
(+2)
0.236
(-)
2.630
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
26324 0.448
(↑0.009)
6.5
(-)
81223
(+5)
211
(+3)
47
(+1)
28
(-)
0.236
(-)
3.220
(-)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
40182 0.690
(↑0.006)
-
(-)
83256
(+2)
145
(-)
39
(+1)
44
(+1)
0.261
(↓0.001)
2.190
(↑0.04)
2
(-)
日本ハム
32262 0.552
(↓0.009)
8
(↓1)
83213
(+2)
187
(+7)
34
(+2)
49
(-)
0.251
(↓0.002)
2.780
(↓0.04)
3
(-)
ロッテ
29275 0.518
(↓0.009)
10
(↓1)
82179
(+3)
214
(+4)
25
(-)
22
(-)
0.239
(↑0.001)
3.230
(↑0.01)
4
(-)
楽天
30301 0.500
(↓0.008)
11
(↓1)
82200
(-)
237
(+1)
23
(-)
41
(-)
0.241
(-)
3.570
(↑0.06)
5
(-)
ORIX
28322 0.467
(↓0.008)
13
(↓1)
81185
(+3)
187
(+5)
20
(+1)
25
(-)
0.241
(↑0.002)
2.680
(↓0.02)
6
(-)
西武
19420 0.311
(↓0.006)
22.5
(↓1)
82143
(+1)
222
(+5)
28
(-)
30
(+3)
0.203
(-)
3.250
(↓0.01)