阪神(☆4対1★)西武 =交流戦2回戦(2024.06.08)・阪神甲子園球場=
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西武
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阪神
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勝利投手:ビーズリー(3勝0敗0S)
敗戦投手:髙橋 光成(0勝6敗0S)
  DAZN
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◆阪神は3回裏、中野と森下の適時打で3点を先制する。そのまま迎えた5回には、森下の適時打で1点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・ビーズリーが9回4安打1失点の快投。来日初完投で今季3勝目を挙げた。敗れた西武は、投打ともに振るわなかった。

◆ファーストピッチ・セレモニーにお笑いコンビ「オードリー」が登場。真剣勝負で盛り上げた。阪神ファンの若林正恭(45)がマウンドに立ち、対する西武ファン春日俊彰(45)は打席でホームラン予告。その初球、甘いストライクを強振し、若林の足元を抜く痛烈なセンター前安打。悔しがる相方に見せつけるように、春日は誇らしげに分厚い胸板を張った。試合前の「代理対決」は西武に軍配が上がった。2人はこの試合で、NHKラジオの生放送のゲストを務めた。

◆阪神ファンがめずらしくリプレー映像に"困惑"した。初回先頭の中野拓夢内野手(27)の一塁へのゴロは、タイミングはアウトだったが、ベースカバーに入った投手高橋光成(27)がベースを踏みそこねていたとして1度はセーフの判定が出た。西武渡辺久信監督代行(58)がすぐさまリクエスト。リプレー検証の間、場内のビジョンには、さまざまな角度からの映像が流された。通常なら、判定を後押し? するように阪神ファンが映像のたびに拍手をするが、今回の映像はどれもセーフとは言い切れない微妙なものばかり。拍手や歓声はほとんど起きなかった。虎党の反応の通り、判定はアウトに覆ったが、落胆の声も響かなかった。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が西武先発の高橋光成投手(27)から先制の右適時二塁打を決めた。3回の第2打席。1死一、二塁から6球目、152キロ直球を右翼ライン際にはじき返し、先制点を奪った。なお2死二、三塁から3番森下翔太外野手(23)の左前適時打で生還した。2試合連続で3得点以上は5月10日と、11日以来となった。高橋と中野は前橋育英と日大山形2年時の13年夏の甲子園準決勝で対戦。11年の時をへて聖地・甲子園で再び安打を放った。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が西武先発の高橋光成投手(27)から先制の右適時二塁打を決めた。3回の第2打席。1死一、二塁から6球目、152キロ直球をはじき返した。痛烈な打球で一塁線を抜け、先制点を奪った。なお2死二、三塁から3番森下翔太外野手(23)の左前適時打で生還した。「(先発の)ビーズリーが頑張ってくれていたので、なんとか先制点を取ってあげたいという気持ちでした。とらえた当たりではなかったですが、いいところに飛んでくれてよかったです」高橋と中野は前橋育英と日大山形2年時の13年夏の甲子園準決勝で対戦。中野は安打を放つも、チームは敗れた。11年の時をへて聖地・甲子園で再び対決。5回にも中前打を放った。

◆22年まで阪神に在籍した西武陽川尚将内野手(32)に大きな拍手が送られた。この試合から出場選手登録され、6回無死一塁で代打で登場。名前がコールされると阪神ファンからも温かいリアクションがあった。22年12月の現役ドラフトで西武に移籍。昨年の交流戦・阪神戦にも出場したが本拠地だった。甲子園は移籍後初めて。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が怒りの? フルスイングで拍手喝采を浴びた。快投を続ける右腕は6回も打席へ。その初球、豆田泰志投手(21)の直球が内角高めを襲い、たくわえたあごひげのわずか先を通過。ビーズリーはリンボーダンスのように、大きくのけぞって避けた。興奮した様子で打席に戻ったビーズリーはそこからフルスイングを3連発。最後は直球を当てて、右飛に倒れた。投手が振るたびに場内が沸くという珍しいシーンだった。

◆阪神が交流戦初の連勝で5カードぶりのカード勝ち越しを決め、交流戦の最下位を脱出した。阪神先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季最多の援護を受けて好投し、5月中旬の今季初先発から無傷の3勝目を挙げた。打線は5月31日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来の2ケタ安打を放った。3回、先頭の梅野、木浪の連打から1死一、二塁。迎えた1番中野拓夢内野手(27)が西武高橋の152キロ直球を捉え、右翼線へ先制の適時二塁打を放った。さらに5回1死から中野、前川、森下の3連打で1点を追加。甲子園のデーゲームに集まった虎党を盛り上げた。先発のビーズリーは走者を出しながらもテンポのいい投球で、アウトの山を積み重ねた。4-0の6回には内野安打と四球から1死二、三塁のピンチを招くも、山野辺、栗山を連続三振。ピンチを切り抜けた。阪神は前日7日に15試合ぶりの5得点を挙げ、連敗を3でストップ。打線に復調の気配が見え始めた。

◆阪神が交流戦初の連勝で5カードぶりのカード勝ち越しを決め、交流戦の最下位を脱出した。阪神先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季最多の援護を受けて好投し、5月中旬の今季初先発から無傷の3勝目を挙げた。岡田監督の一問一答は以下の通り-5カードぶりの連勝、カード勝ち越し「もう、やっぱりビーズリーですね。ずっとね、ほんといいピッチングで。才木と2人で一番最後、週末で。前回勝ちがつかなかったんでね、今日はほんとにビーズリーに尽きますね」-最後はヒヤッとしたが最後まで行かせる決断は「いやいや、完封したいって自分から。代えようと思ったんだけどね」-失点しても投げ切る「あそこまでいけばね。2アウトだったんでね」-来日初完投、最長イニング、球数も119球。本人にとっても大きな試合「今年はちょっと出遅れたんですけどね。キャンプで故障とかあったけど、2軍でも本当にいい投球をして、1軍でも見ての通りの投球なので、このままずっとこういう姿を続けてほしいと思いますね」-3勝目。ビーズリーの先発陣の中での存在について「そうですね、今は才木と2人が一番安定したピッチングをしているので、それを続けていってほしいですね」-7試合ぶりに2桁安打。打線について「昨日ぐらいからね、いろんな球にすごく反応も良くなったし、今日もミーティングで『いい感じになってきたから、続けていけば自ずとヒットが出るようなる』という話をしたんだけど、だいぶ打つ方はね、数見ても分かるように、良くなってきてると思いますね。ヒットの数がね」-1イニングで2本のタイムリーも久々に出た「ねえ、ちょっと覚えてないですね。ホント久しぶりだと思うんですけどね、いつ以来とかは(笑い)」-1、2、3番に複数安打が出た。いい兆しか「いやいや、まあ、今ちょっと大山いないんでね。打順のやりくりというか、この形が一番しっくりしてね、なんかつなぎの野球というかね、うまく点取れてるんで、変える必要もないし。一番はやっぱり2番の前川がうまくつないだバッティングしてくれるんで。これはホントね、後ろの者も打ちやすいと思いますね」-明日は今シーズン2度目の同一カード3連勝がかかる「いやいやもう、まずはね、才木が明日は最後、週を締めてくれると思うんで、打つ方もね、今日みたいな早い回でね、得点というか楽にしてあげたらね、才木が頑張ってくれると思いますね」

◆阪神が交流戦初の連勝で5カードぶりのカード勝ち越しを決め、交流戦の最下位を脱出した。阪神先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季最多の援護を受けて好投し、5月中旬の今季初先発から無傷の3勝目。打線は5月31日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来の2ケタ安打を放った。3回、先頭の梅野、木浪の連打から1死一、二塁。迎えた1番中野拓夢内野手(27)が西武高橋の152キロ直球を捉え、右翼線へ先制の適時二塁打を放った。さらに5回1死から中野、前川、森下翔太外野手(23)の3連打で1点を追加。甲子園のデーゲームに集まった虎党を盛り上げた。試合後のビーズリー、中野、森下のヒーローインタビューは以下の通り。-まずはビーズリー投手、来日初完投ですねビーズリー センキュー、ソーマッチ。-投げ終えてからはビーズリー 阪神タイガースファンは12球団いちのファンだと思っているので、その観衆の前でいいピッチングできたことはよかったと思っています。-どこが良かったのかビーズリー 自分の今日のボールの感覚が良かった。投げたいボールを投げたい場所にコントロールすることができた。三塁に走者を背負った時も、そういうボールが投げられた。-最後まで投げ抜いた瞬間はビーズリー ちょっと今日は子供が来ていなかったので、子供に見せられたらよかったなと思いました。-ウィニングボールはビーズリー 自分に取っておこうかと思います。-先制打の中野選手。3回、どんな思い中野 ありがとうございます。最近、個人としてふがいない打席が続いていた。何とかチャンスで打ちたいと思っていた。ビーズリーが、頑張って抑えてくれていたので、先に先制点取りたい気持ちがありました。-手応えは中野 あんまり手応えはなかったですけど、甲子園球場が後押ししてくれたかなと思います。-高橋と夏の甲子園以来の対決中野 高校時代は準決勝で負けているので、今日は何としても勝ちたい気持ちで臨みました。-森下のタイムリーは中野 森下ならチャンスで絶対打ってくれると思って見ていましたし、打ってくれて感謝しています。-森下選手、3回の適時打は森下 右京が前で倒れたんで、自分が先輩としてかえしてやろうと思って挑みました。-初球を打った森下 常にタイミングと準備はしていたので、初球からいく準備はできています。-5回に再びチャンスで回ってきた森下 次の1点が大きな1点だと思っていた。あの打席も初球からいこうと準備していた。いい結果につながって良かったと思います。-6戦連続安打を放った森下 いや、まだまだ上げて。チームとしてもこれからだと思うので、ここから踏ん張って3タテして終わりたいと思います。-ビーズリーさん、締めて下さいビーズリー タイガースファーンズ、明日も勝つバイ。

◆阪神が交流戦初の連勝で5カードぶりのカード勝ち越しを決め、交流戦の最下位を脱出した。阪神先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季最多の援護を受けて好投し、5月中旬の今季初先発から無傷の3勝目を挙げた。阪神岡田彰布監督(66)は、ビーズリーが完封したいと直訴してきたことを明かし「悔しがっとったもんな、1点(とられた)の時なあ。そんなんしゃあないわ、あんなんバックホーム体制できるか思っとったわ」と話して笑いを誘った。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-ビーズリーに話をしたのは8回の攻撃のところいや回ってくるしなあ、どうする言うたら、完封したかったんやろうな(笑い)。悔しがっとったもんな、1点(とられた)の時なあ、そんなんしゃあないわ、あんなんバックホーム体制できるか思っとったわ。-それまでは安心して見てられたバッターの振り見ると、スライダーというか、カットも含めて全然タイミング合ってないからなあ。だから、別に球数次第やけどな、ある程度球数いくまでは、代える必要ないわな、相手が打ちづらそうにしてるんやからなあ。-右バッターにはほとんどヒットを打たれないそうやなあ、あれ、うまいことねえ、あれが、ストライクに見えるんやろうなあ、外のボールなあ、おーん。-昨年先発転向させて板に付いてきたタイプ的にどっちがええとかそんな俺らも分からへんけど、やっぱり、これはまったというかな、本人もこういう感覚でね、中6(日)とかでずっとローテーション守るようなな、そういう自分のペースをいければ、これからもずーっとな、そういう感じでいってくれそうな感じはするよな、おーん。-打線も直球を打った。岡田監督のメッセージが浸透しているまあちょっとは良くなってきていると思うけどな。やっぱりなあ、中野の一塁線なんて久しぶりに見たよ。初めてかも分からんし。みんな右バッターは三塁線にファウルを打てるようにやっとなってきたし。そういうことやろな。木浪にしても一、二塁間に強い打球いくしな。-森下も初球から積極的に昨日のあれも中村にうまく捕られたけどな、おーん、あの打席が昨日で一番価値ある打席と思うし。今日もやっぱりスライダーが三遊間にいったら次センターに打つっていうかな。そういうので相手のバッテリーがな、どこ投げても打たれるみたいな感覚を持てばいい。ここ投げたら大丈夫やからね、ここ以外は大丈夫とかそういうのはなしに、ああいうバッティングしとけばまた相手も迷ってくると思うからな。-2戦連続で先発に白星が。リズムになっていく。それはやっぱりね、4点、5点と点が入っているからやで。今までみたいに1点、2点じゃそら、やっぱりチャンスになったら代打いかなあかんし。後ろのピッチャーにもな、1点、2点でいつも毎試合そういう展開になるとそらきついと思うしな、精神的にもな。そのへんが全然違う。-打線が良くなったのは日々の積み重ね、意識付けの積み重ねまあそうやろなあ。-交流戦の一番下から脱出知らんわ。

◆阪神は4番に座って7試合目の近本光司外野手(29)が最終打席で1本出した。高橋に対して3打席凡退で迎えた7回2死一塁。左腕ヤンの直球に詰まりながらも左翼前に落とした。3試合連続ノーヒットのあとに2試合連続安打。この日の4打席について「いいところを見ればいいですし、悪いところを見れば悪いし。結果ではなくて、見るところだけだと思うので」と詳細は伏せた。

◆阪神梅野隆太郎捕手(32)が二人三脚でビーズリーの快投を導いた。全4登板でコンビを組み、意思疎通も深まっている。2回、5回と狙い通りに2併殺も決め「今は互いの思いを伝えながら三振を取る、併殺を取るという意識がある。そういう喜びはいつも以上。ゲーム展開的にも投げ切ってくれたのが本当に大きかった」と、たたえた。自らも3回先頭で先制の3点につながる中前打を放ってアシストした。

◆甲子園でリベンジしましたよ、若林さん! 阪神中野拓夢内野手(27)が3回1死一、二塁で決勝点となる先制の二塁打を放った。西武高橋の内角への152キロを力強くとらえて一塁線を抜いた。「まさか、また甲子園で対戦できるとは。高橋選手はどうか分からないけど、自分は記憶がすごく残っている。高校の時はチームが負けた。プロではチームが勝てればいいかな、という気持ちでした」。13年夏。日大山形の二塁手中野は甲子園準決勝で、前橋育英のエース高橋と2年生同士で対戦。4打数1安打で、試合は1-4で敗れた。プロでも対戦はあったが甲子園では初。5回にも4点目につながる中前打。そして勝利を挙げ、11年前のお返しを果たした。その姿に感激する男がいた。中野推しを公言するオードリーの若林正恭だ。ラジオ中継のゲストで来場し、中野のレプリカユニを着て始球式も行っていた。背番号51ははそんな試合でお立ち台に立つ活躍という神ファンサで応えた。前日に球団関係者を通じて来場を知らされていた中野は「(今回)自分のファンと初めて分かりました。目の前で活躍できてよかったです。投手にいつも助けられてばかりなので、打者陣が投手を助ける試合を作っていかないと」と力強く言った。オードリーの漫才のように、相反して見えても、深いところでつながり、投打で支え合えるのが強い猛虎。まだまだ打って、勝ちたい。【柏原誠】

◆ヒゲの救世主や! 阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が4安打1失点の好投で、来日初完投勝利を挙げた。2年目の今年は右肩のコンディション不良で開幕こそ出遅れるも、5月中旬から無傷の3連勝。完投を直訴した助っ人を、岡田彰布監督(66)も大絶賛だ。チームも5カードぶりの勝ち越しで「日本生命セ・パ交流戦」の最下位から脱出。復調の兆しが見えてきた。トラッキー人形を大事に抱えお立ち台に立ったビーズリーは、笑顔でファンへ呼びかけた。「タイガースファンズ、明日も勝つバイ!」。女房役の梅野の決めぜりふを、ちゃっかり拝借。「ゲーム前はうどんを食べたよ」とすっかり日本に溶け込むヒゲの助っ人が、虎の救世主になった。併殺も三振もスイスイ奪った。5回先頭の長谷川に左前打を許すも、続く西川を初球で二ゴロ併殺。6回1死二、三塁のピンチでは山野辺、栗山から連続三振を奪った。「制球も良かったけど、走者が出てから集中して自分のボールを制球できたのが良かったよ」。自身も納得の投球だった。打順が巡ってくる8回の攻撃。岡田監督から「どうする?」とたずねられると「完封したい」と直訴した。「代えようと思ったんだけどね」という指揮官を翻意させる熱量で続投。9回先頭の源田に中前打を浴び、四球と暴投で1死二、三塁。二ゴロの間に1点を失うと、心底悔しそうな表情を浮かべた。それでも、大学時代以来の完投勝利は譲らなかった。岡田監督は素直すぎる姿に表情を緩めた。「完封したかったんやろうな。悔しがっとったもんな、1点の時なあ。そんなんしゃあないわ、あんなんバックホーム体制できるか、思っとったわ」。そんな舞台裏で笑わせられるのも、快投があってこそ。「もう、やっぱりビーズリー。今日は本当に、ビーズリーに尽きる」と絶賛した。開幕こそ右肩のコンディション不良で出遅れたが、来日最多の119球を投げて無傷の3連勝。昨シーズン途中に先発転向した策が功を奏している。岡田監督は「はまったというかな。自分のペースで行ければ、これからもずーっと、行ってくれそうな感じはするよな、おーん」と信頼を寄せる。ビーズリーも、前日の指揮官の言葉を胸に戦っていた。「『5割になってここから開幕だ』と。昨日、今日と違うチームになったように生き生きとしている。このまま乗って勝っていけるんじゃないかな」。5カードぶりの勝ち越しを決めて、交流戦最下位からも脱出。頼もしい助っ人とともに、ここから再び波に乗っていく。【磯綾乃】▽阪神安藤投手コーチ(ビーズリーについて)「もうずっと安定していますしね。今日も素晴らしかったと思います。最後はちょっと力んでいましたけど、完封を意識したのかなと。でも本当に1人で投げてくれたので、ナイスピッチングでしたね」ビーズリーが来日初完投勝利を挙げた。阪神の外国人投手では、22年6月12日にガンケルがオリックス戦で記録して以来、2年ぶり。これで阪神の今季の完投数は、才木3、村上1と合わせ5となった。日本ハム、ロッテと並び12球団最多タイだ。○...2番前川がつなぎ役を担った。5回1死一塁の場面で右前打を放ち、一、三塁の好機を演出。続く3番森下のタイムリーにつなげた。7回には左腕ヤンの変化球を中前に運んでマルチ安打をマーク。それでも「今日一番大事だったのは2打席目だったので。あそこで結果残せるようにしないといけないなというのが一番」。3回1死二、三塁の好機で左飛に倒れた打席を悔やんだ。○...6番渡辺が今季初のマルチ安打を記録した。6回に右前打、8回には左越え二塁打をマーク。5試合連続安打と波に乗っているが「ファームからやってきたことを上でもしっかりやることだけ。特に変わったことはしてない」と冷静だ。連勝について「(7日に)『今日から開幕』とミーティングで言われたし、みんなで一丸となって頑張りたい」と意気込んだ。

◆西武が今季3度目の6連敗で借金が最多の「20」に膨れ上がった。打線は相手右腕ビーズリーの前に、8回までわずか3安打。9回に1死二、三塁から4番元山の二ゴロの間に1点を返したが、反撃もここまでだった。打線の組み替えをして臨んだ渡辺GM兼監督代行は「走者を出すんですけど、なかなかその後がうまくつながらなかった。いろいろ対策は練ります」と次なる一手を模索していく。高橋光成が開幕6連敗を喫し、交流戦では21年6月4日ヤクルト戦から10連敗。交流戦10連敗は、11~19年青山(楽天)の9連敗を上回るワースト記録となった。また、西武で開幕6連敗は16年ポーリーノ以来10人目で、日本人投手では97年横田以来27年ぶり。▽西武高橋(5回7安打4失点で今季6敗目)「今日の調子的には良かったと思います。ただ3回と5回、連打からの失点というところは反省です」

◆5試合連続で3番に座った阪神森下翔太外野手(23)が2打席連続タイムリーの3打点と大暴れだ。3回だ。1点を先制し、なお2死二、三塁の場面。初球を狙い打ちした。西武先発高橋の152キロの直球をややコンパクトに振り切ると、打球は三遊間を破り、左前に抜けた。「初球からしっかり自分のスイングができたと思います」。初対戦となった初回は変化球で遊ゴロに倒れたが、見事に修正した。さらに3-0の5回だ。1死一、三塁の好機で直球を中前にはじき返し、4点目をたたき出した。これで直近5試合20打数7安打、打率3割5分と調子を上げてきた。岡田監督も復調の気配を感じ取っていた。前日7日の6回1死満塁では、相手の好守に阻まれるも、一塁線へ痛烈な打球を放っていた。指揮官は「あの打席が昨日で一番価値ある打席と思う」と説明。さらにこの日も凡打を含めて打撃内容を評価。「(初回に)スライダーを三遊間(遊ゴロ)にいったら、次(直球を)センターに打つっていうかな。そういうので相手のバッテリーがどこ投げても打たれるみたいな感覚を持てばいい」と解説した。あれほど湿っていた打線も7戦ぶり2ケタ安打と上昇気配だ。森下は前日7日の練習前に行われたミーティングでの指揮官の言葉が頭にあった。「監督が言っていた通り、真っすぐのタイミングで変化球打ち。変化球は泳がないと打てないよと言われたので、真っすぐでタイミングを合わしていました」。真っすぐに合わせてポイントを前に置いたことで、152キロ直球打ちに成功。それでもまだ満足はしていない。「もっとチャンスを逃さない打撃を自分も含めてチーム全体が意識できれば、すごくまとまりのあるチームになると思う。そういうところを意識してやっていきたい」。好調森下が打線をさらに勢いづける。【村松万里子】

◆ヒゲの救世主や! 阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が4安打1失点の好投で、来日初完投勝利を挙げた。2年目の今年は右肩のコンディション不良で開幕こそ出遅れるも、5月中旬から無傷の3連勝。完投を直訴した助っ人を、岡田彰布監督(66)も大絶賛だ。チームも5カードぶりの勝ち越しで「日本生命セ・パ交流戦」の最下位から脱出。復調の兆しが見えてきた。中学時代、ビーズリーはアメリカンフットボールもプレーしていた。ポジションは花形のQB(クオーターバック)。「いい腕持ってるんで」と鼻高々だ。最近の練習ではアメフトボールを使って、キャッチボールする姿があった。「腕のタイミングがズレてる感じがする。特にフォークとか投げるんだったら、ちゃんと合ってないといいボールがいかないからね」。体と腕の連動させるため、肩に負担がかかりにくい大きなボールを握った。疲れている時に少し体を動かすために使ったり、オフにはブルック夫人相手に投げ込むこともある。経験は野球に生きている? 「ノー! ボール持って走ってる時に、相手のヘルメットに手の甲が当たって骨折しちゃった。だから、どちらかと言うと野球に悪影響があるよ」。楽しそうに笑ったおちゃめな助っ人。慣れ親しんだボールも好投の助けになった。【阪神担当 波部俊之介】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】ファーストピッチに登場したオードリー若林と春日の勝負は、春日が中前打を放ち勝利。春日は勝ち誇るも若林は中野拓夢推し。西武高橋光成との甲子園での対戦は、13年夏の高校野球の前橋育英対日大山形戦以来。当時は日大山形・中野が前橋育英・高橋光成から安打を放つもチームは敗戦。今回は中野が2安打1打点2得点、チームも勝利と11年の時を経た対戦は中野の勝利。推しの大活躍で大満足の1日となりました。

◆2022年まで阪神に在籍し、同年の現役ドラフトで西武へ加入した陽川尚将外野手(32)が1軍に合流。久しぶりの甲子園で、かつてのチームメートたちと談笑した。阪神の打撃練習中にグラウンドに現れると、同級生の梅野隆太郎捕手(32)や原口文仁内野手(32)と笑顔で言葉を交わした。さらに近くにいた熊谷、植田に続いてミエセスとも話をするシーンも。陽川はグラウンドを1周し、久しぶりの再会となった選手やスタッフにあいさつに回っていた。

◆阪神・才木浩人投手(25)が9日の西武戦(甲子園)での先発登板に向けてキャッチボールなどで調整した。「完封の後の試合がすごい大事かなと思うので。初回の立ち上がりとか、先頭(打者)の入り方をしっかりやっていければ」。前回2日のロッテ戦(ZOZOマリン)は今季2度目の1-0完封でチームの連敗を5で止める救世主となった。今季は10試合に登板してハーラートップタイの6勝(1敗)。防御率1・34はリーグ3位、53奪三振は同2位タイと抜群の数字を残している。それでも右腕は「真っすぐがもうちょっとよくなってほしいな、というのは今年ずっとある。もっと三振もたぶん増えてくる」と満足していなかった。

◆前夜7日に連敗を3で止め、5カードぶりの勝ち越しを目指す阪神はジェレミー・ビーズリー投手(28)が先発する。今季ここまで3登板で2勝0敗、防御率0・53と圧倒的な投球を続ける右腕。5月22日、23日の広島戦(マツダ)以来となる連勝に導けるか。打線は前夜7日、佐藤輝明内野手(25)が1軍昇格即マルチ安打、近本光司外野手(29)にも4番初適時打が飛び出すなど、15戦ぶりに5得点を挙げた。捕手を除いて7日と同じオーダーで西武の先発・高橋に挑む。

◆阪神が中野拓夢内野手(27)の適時二塁打と森下翔太外野手(23)の2点打で3点を先行した。両チーム無得点で迎えた三回。高橋の前に無安打に抑えられていた阪神は、先頭の梅野がチーム初安打となる中前打で出塁。木浪も右前打でつなぎ、ビーズリーの送りバントは三塁封殺されて1死一、二塁となって中野が打席へ。カウント1―2からの6球目を思いきり引っ張ると、鋭い打球が一塁手のグラブの下をかすめて右翼線へ転がった。「打ったのはストレート。ビーズリーが頑張ってくれていたので、なんとか先制点を取ってあげたいという気持ちでした。とらえた当たりではなかったですが、いいところに飛んでくれてよかったです」と語った中野の5月21日の広島戦(マツダ)以来の適時打となる二塁打で先制。なおも2死二、三塁から森下も初球の直球を一閃し、三遊間を破る適時打で2点を加え、3点のリードを奪った。「打ったのはストレート。(前川)右京がアウトになったので、なんとかカバーしたかったです。初球からしっかり自分のスイングができたと思います」と貴重な2点打を振り返った。

◆阪神が森下翔太外野手(23)の適時打で追加点を奪った。3-0の五回、1死から中野が中前打で出塁すると、前川も右前打で続いて1死一、三塁とチャンスを作る。打席には前の打席で2点打を放った森下。再び直球をとらえ、センターに打ち返した。打球は外野の芝生で弾み、2打席連続の適時打に。「犠牲フライでもいいくらいの気持ちで、割り切って打席に入ることができました。展開的にも次の1点が大事だったので、ランナーをかえすことができてよかったです」と笑顔。森下が1試合3打点を記録するのは、開幕3戦目で決勝の3ランを放った3月31日の巨人戦(東京ドーム)以来。勢いに乗る若虎のタイムリーでリードは4点に広がった。

◆六回無死一塁で西武・陽川尚将外野手(32)が代打で出場。古巣の阪神ファンからも大きな拍手が起こった。陽川は東京農業大から2014年ドラフト3位で阪神に入団。2022年末に行われた現役ドラフトで西武に加入し、昨季は西武の本拠地で行われた阪神との交流戦で3打数無安打だった。ビーズリーとの対戦で、一度もバットを振ることなく四球を選んだ。

◆阪神は連勝で5カードぶりとなるカード勝ち越しを決めた。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が快投を披露する。持ち前の力強い直球とキレのある変化球が冴えわたる。六回にはヒットと四球、内野ゴロで1死二、三塁のピンチを背負うも、山野辺、栗山を連続三振に仕留めてマウンドで吠えた。来日最長となる九回には無死二、三塁の窮地を迎えたが最少失点に抑え、わずか4安打で来日初の完投勝利を挙げた。打線は三回、連打で作った1死一、二塁から中野拓夢内野手(27)が右翼線への二塁打を放って先制。なおも2死二、三塁から森下翔太外野手(23)の2点打で3点を先行すると、森下は五回にも中前適時打を放って4点目。6月初めての二桁安打となる11安打を放ち、投打で西武を圧倒した。チームは5月22日、23日以来となる連勝。交流戦で初めてのカード勝ち越しを決めた。

◆阪神は連勝で5カードぶりとなるカード勝ち越しを決めた。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が快投を披露する。持ち前の力強い直球とキレのある変化球が冴えわたる。六回にはヒットと四球、内野ゴロで1死二、三塁のピンチを背負うも、山野辺、栗山を連続三振に仕留めてマウンドで吠えた。来日最長となる九回には無死二、三塁の窮地を迎えたが最少失点に抑え、わずか4安打で来日初の完投勝利を挙げた。打線は三回、連打で作った1死一、二塁から中野拓夢内野手(27)が右翼線への二塁打を放って先制。なおも2死二、三塁から森下翔太外野手(23)の2点打で3点を先行すると、森下は五回にも中前適時打を放って4点目。6月初めての二桁安打となる11安打を放ち、投打で西武を圧倒した。チームは5月22日、23日以来となる連勝。交流戦で初めてのカード勝ち越しを決めた。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は4安打完投勝利の阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)を絶賛した。ビーズリーの好投に尽きる勝利だろう。今の制球力があれば、捕手の立場でいえば、非常にリードしやすい。リードしていて楽しい投手だ。曲がりの大きなスライダーに、右打者も左打者も苦労していた。好投手の条件である一級品の決め球だ。右打者には外へ逃げる。左打者にはひざ元に食い込むスライダーで空振りが奪えるのが、好投が続く最大の要因。しかも、狙ったところに投げるから、攻略は至難の業。捕手も、ここ一番ではスライダーを要求する。試合を振り返っても、ほとんど打たれていない。カットボールの制球もいいから、カウントを整えるのも簡単だった。その結果が、少ない球球で終盤まで投げられる。この投球をみせてもらえれば、当分はローテの一角から外せない。完投してくれたことで、救援陣も休めたし、チームとしても大きい。ローテが順当なら次回登板は15日のソフトバンク戦。打線をどう抑えるか。興味を抱かせるビーズリーの完投勝利だった。

◆阪神が5月22、23日広島戦(マツダ)以来の2連勝。森下翔太外野手(23)が髙橋光成投手(27)から2打席連続適時打で3打点を挙げた。三回は中野拓夢内野手(27)の先制打に続いて、左前に2点打。五回1死一、三塁では中前に運んだ。森下の3打点は3月31日巨人戦(東京D)以来。ジェレミー・ビーズリー投手(28)が来日初完投勝利で無傷の3連勝。佐藤輝明内野手(25)は4打数無安打1三振。チームは交流戦最下位を脱出し、5カードぶりの勝ち越しを決めた。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=28勝26敗4分、観衆=4万2605人)。ーービーズリーに話をしたのは八回の攻撃の時か「回って来るしな。どうする言うたら、完封したかったんやろうな。悔しがっとったもんな、1点の時なあ、そんなんしゃあないわ。(九回無死二、三塁で)あんなんバックホーム態勢出来るかと思っとったわ」。ーーそれまでは安心して見ていられた「バッターの振り見ると、あのスライダーというか、カットも含めて全然タイミング合ってないからな。球数次第やけどな、ある程度球数行くまでは、代える必要ないわな。相手が打ちづらそうにしてるんやからな」ーー右打者に、ほとんどヒットを打たれない「アレが、ストライクに見えるんやろうな。外のボールなあ、おーん」ーー先発が板に付いてきた「そう、だから、なんて言うかなあ、タイプ的に、どっちがええとか、そんな俺らも分からへんけど、ハマったというかな、本人も中6でローテーション守るような。自分のペースを行ければ、そういう感じで行ってくれそうな感じはするよな」ーー打線も直球を打った。メッセージが浸透している「ちょっとは良くなって来ていると思うけどな。中野の一塁線(三回の適時二塁打)なんて久しぶりに見たよ。初めてかも分からん。右バッターは三塁線にファウルを打てるように、やっとなって来た。木浪にしても一、二塁間に強い打球行くしな」ーー森下も初球から積極的に「だから、なあ、ねえ、昨日のアレ(7日の1回戦の六回1死満塁で一ゴロで3点目を加点)も中村にうまく捕られたけどな、おーん。あの打席が昨日で一番価値ある打席と思う。今日もやっぱりスライダー三遊間(一回の遊ゴロ)に行ったら、次センターに打つっていうかな。そういうので相手のバッテリーが、どこ投げても打たれるみたいな感覚を持てばいい。ここ投げたら大丈夫やからね、ここ以外は大丈夫とかそういうのはなしに、ああいうバッティングしとけばまた相手も迷ってくると思うからな」ーー2戦連続で先発に白星。リズムになっていく「それはやっぱりね、4点、5点と点が入っているからやで。今までみたいに1点、2点じゃ、チャンスになったら代打行かなアカン。後ろのピッチャーにも1点、2点で毎試合そういう展開になると、きついと思うしな、精神的にもな。そのへんが全然違う」ーー交流戦で最下位脱出「知らんわ」

◆勝負をかけた119球目。打球が左翼・前川のグラブに収まると、阪神・ジェレミー・ビーズリー投手(28)は帽子を天に掲げて梅野と抱き合った。来日初完投で負けなしの3勝目。お立ち台で自慢のひげをさすった。「ランナーが出てからもしっかり集中して自分のボールをコントロールできたので、それが今日は一番良かったです」〝変化球投手〟を自認する右腕は、150キロ前後の直球と大きく曲がるスライダーで西武打線を圧倒した。二回、五回は走者を背負っても併殺打を打たせてピンチの芽を摘む。右打者の外角にスプリットやカットボールを集め続け、的を絞らせなかった。六回の打席では豆田の投球が顔面付近を通過。大きくのけぞり死球を回避した助っ人は、その打席で何度も必死にバットを振った。結果的には右飛に倒れたが、気合十分だった。打席が回った八回は岡田監督に続投を直訴し、九回のマウンドへ。1死二、三塁から内野ゴロの間に1点を失ったが、2019年のメッセンジャー以来、球団の外国人投手では甲子園で5年ぶりの完投勝利。岡田監督も「きょうはビーズリーにつきますね」とたたえた。今季、右肩のコンディション不良で出遅れたが、2軍では29イニング無失点と〝無双〟し、「力強さが違う」「ここで投げる投手じゃない」と若手投手から羨望のまなざしを浴びた。変化球の講師役もしばしば務め、D6位・津田(大経大)はカットボールの習得に向けて握り、腕の角度や振り方の動作に加え「トラックマン」を用いて軌道を確認してもらい、金言も授かった。「無理に曲げようとしない方がいい。目で曲がっていないように見えても、データでは必ず変化しているから」見た目では思い通りの変化にならず、もっとボールを曲げようとしてバランスを崩す。そんな悪循環を防ぐためのデータの活用法をルーキーに説いた。津田は「こうやってデータを使うのかと、めっちゃ勉強になりました」という。投球だけでなく、一流の〝先生〟としても若虎の手本になっている。「完封できたら良かったですけど、やっぱり勝つことが一番。そういう意味では昨日、きょうと違うチームになったようにみんな生き生きしていますし、乗って勝っていけるんじゃないかな」勝ってより強まるチームの勢いを感じ、手応えをにじませた。チームのためにさらなる〝圧投〟を目指す。(邨田直人)ビーズリーについて阪神・安藤投手コーチ 「ずっと安定しているし、きょうも素晴らしかった。本当に一人で投げてくれたので、ナイスピッチングでしたね」

◆11年前のリベンジだ。5試合連続の「1番・二塁」で出場した阪神・中野拓夢内野手(27)が先制打を含む2安打で、西武の先発・高橋を攻略するきっかけを作った。「(高橋と)まさか甲子園の舞台で対戦できるとは思っていなかった。高校生のときは負けているんで、きょうは何としても勝ちたい気持ちで臨みました」三回1死一、二塁。高橋の152キロ直球を振り抜くと、ライナー性の打球は右翼線へ。先制の適時二塁打となった。3-0の五回は1死から中前打。森下の適時打で勝利を決定づける4点目のホームを踏むと、満面の笑みを浮かべた。「高橋投手がどう思っていたかはわからないですけど。自分は、(高校時代に)甲子園で戦ったという記憶はすごく残っている」忘れもしない。2013年夏の甲子園準決勝だ。中野は日大山形高2年で、同学年だった前橋育英高のエース・高橋と対決。中野は安打を放つも1-4で敗れ、高橋は全国制覇した。それから11年。プロ野球選手として甲子園で再戦。リベンジへの熱い思いがバットに乗り移った。

◆阪神・前川右京外野手(21)が4試合連続の「2番・左翼」でスタメン出場し、攻撃力の活発化に一役買った。2打席凡退で迎えた3-0の五回1死一塁で右前打を放って一、三塁とチャンス拡大し、続く森下の適時打につなげた。「きょう一番大事だったのは、やっぱり2打席目。あそこで結果残せるようにしないといけないなというのが一番です」1-0の三回1死二、三塁で浅い左飛に倒れた場面を反省したが、つなぎ役をこなし、七回1死では左投げのヤンに対して2ストライクから2球ファウルし、最後は5球目のスライダーを捉え、中前打を記録した。4打数2安打とバットで存在感を発揮する若虎について、岡田監督も「今ちょっと大山いないんでね、打順のやりくりというか、この形が一番しっくりしてねぇ。一番は2番の前川がうまくつないだ、そういうバッティングしてくれる。後ろの者も打ちやすい」と評価した。(新里公章)

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)はスタメン野手で唯一の無安打に終わった。1軍昇格から2試合目となったが、4-0の五回2死一、二塁では高橋のフォークに空振り三振、七回2死一、二塁ではヤンのスライダーに二ゴロに打ち取られた。チャンスで結果は出なかったが、前日7日は昇格即スタメン出場し、先制点の口火を切る中前打に加え、ヘッドスライディングで生還するなど走攻守で勝利に貢献。次戦こそ力強い放物線を描き、虎党をわかせる。

◆阪神・渡辺諒内野手(29)が3打数2安打1四球と好調な打撃をアピールし、5試合連続安打とした。「点差とカウント有利があったので、どっちもスリーツーから強引にいかずにいけたのがいい結果になったのかな」と振り返った。4-0の六回先頭では豆田のの直球を右前打、八回先頭では平井から左中間二塁打を放った。大山不在の中、一塁でも出場機会を増やし、勝利に貢献する。

◆阪神は交流戦初の連勝で5カードぶりの勝ち越しを決めた。森下翔太外野手(23)が三回と五回に2打席連続の適時打を放ち、3打点で勝利に貢献。打線は11安打で7試合ぶりの2桁安打をマークし、岡田彰布監督(66)も復調に手応えを示した。セ首位の広島とは1ゲーム差。さぁ、ここから打って打って打ちまくるで!迷いのないフルスイングで快音を響かせた。森下を、4万2605人が詰めかけた甲子園の大歓声が包む。持ち前の勝負強さで放った2本の適時打。虎に交流戦初の連勝を呼び寄せた。「初球からしっかり自分のスイングができた。(岡田)監督がミーティングで言っていた通り、真っすぐにタイミングを合わせていました」試合前に2日連続のミーティング。森下は将の指示を実践した。三回、中野の適時二塁打の後、前川が倒れて2死二、三塁で打席へ入ると、高橋の初球の直球を仕留めた。三遊間を破り、2人が生還。5月19日のヤクルト戦(甲子園)の八回以来となるチーム1イニング2本の適時打で流れをつかんだ。3-0の五回にも1死一、三塁から中前へ弾き返し、2打席連続の適時打。貴重な追加点で今季2度目の1試合3打点とし、試合を決定づけた。これで自身6試合連続安打。「構えが決まっているから、思ったところにバットが出せている」と好調の要因を語る。今、大事にしているのが打席での構えの姿勢だ。どうしても疲労などでその日によって姿勢が変わる。ただ、その変化を極力なくすために、毎日動画を見て練習から自身のフォームをチェック。「姿勢が崩れていたら、出そうと思ったところに出ないので、姿勢をしっかり正して振れれば」。日々の修正が6月の打率・375、7打点といずれもチームトップの数字につながっている。プロ2年目を迎え、主軸としての自覚が垣間見える。この日、前川が浅い左飛に倒れた直後の1本目の適時打について「自分が先輩として(走者を)かえしてやろうと思って挑んだ」と明かした。佐藤輝に続き、6月5日には4番を務めてきた大山が抹消。直後、森下は「誰かに頼りっぱなしではいい結果は生まれない。大山さんと輝さんが帰ってきたときにやりやすい環境を作らないと」と打ち明けた。1年目はシーズン中盤以降に3番に定着したが、4番・大山、5番・佐藤輝におんぶに抱っこだった。自分が打てないときに何度も先輩たちがカバーしてくれた。でも、いつまでも頼っているわけにはいかない。

◆誰や~! 『阪神貧打2点打線』とほざいたんわー!!(あ、俺も言ってました、スミマセン)西武との第1戦の5点に続き、本日も11安打4得点!! 中野の先制二塁打、ありがとう!! 森下、3打点おおきに!! 俺、分かったんです。今や阪神は球界の主役なのだ。いいですか皆さん? 主役ってのは、単に勝利をガンガン重ねりゃいいってもんじゃないのよ!例えばホラ、古くは『ウルトラマン』だって敵の怪獣に攻められ、残りのパワーがあと3分のカラータイマーが点滅してから倒すでしょう。『鬼滅の刃』の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)だって、鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)との戦いで右目と左腕を失いながらも、無惨を討伐したじゃないの! 主役はそーいう、ハラハラドキドキをファンに与え、そこからの逆転勝利でスカッとさせる役目があるんです!!つまり佐藤輝、大山、ノイジーのクリーンアップの同時2軍落ち(おそらくプロ野球史上初)の窮地も主役の務めなのだ。よってアレンパは何も心配することなーし!!来日初完投、魂の119球勝利のビーズリーも、この先の猛虎劇場を盛り上げる名役者になりそうやね!!

◆「エースと4番は育てられない」名将・野村克也が阪神の監督時代によ~く言っていた。最近、書店で立ち読みした、だいぶ昔に出版された、とある「野村克也著」にもノムさん名言集として載っていた。ただ、思うのだ。このフレーズは名言なんだろうか?!ノムさんの真意もよ~く聞かされた。「エースと4番は育てようとして、育つものではない。極端な言い方をすれば出会うもの。勝手に育つもの。ドラフトで『候補』を獲ってきても、時間がかかる。一生懸命に教育しても、エース、4番に順調に育つ保証はない」だから、当時の阪神フロントに「すぐに強くしたいのなら、FAか新外国人を獲れ」と言い続けていた。幾多の選手を育てあげ、「再生工場」で復活させた名将をもってしても、エースと4番はそう簡単にはいかないモノらしい。阪神の4番は、またしても近本だった。12球団を見渡しても屈指の好打者だが、やっぱり〝応急措置〟の4番だ。昨年のように順調に戦えていない原因は、まさに「4番不在」。西武の4番は、ヤクルトからトレード移籍してきた元山。阪神以上に苦しい。チームの現状を象徴している。まあ、おかげで、阪神は連勝できたようなものだ。試合前。懐かしい顔が阪神ナインの元に駆け寄り、あいさつをしていた。陽川だ。一昨年末の現役ドラフトで西武へ移籍していった。1軍登録され、旧知の首脳陣やかつてのチームメートと再会を喜び合っていた。「すごく思い入れのある選手です。何度も活躍した原稿を書きました。和歌山での自主トレにも取材に行きました。そのぐらい注目の選手でしたよ。金本監督時代は4番を任されたこともありましたよね」

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
920 0.818
(↑0.018)
-
(-)
743
(+7)
26
(+2)
6
(+1)
5
(-)
0.250
(↑0.001)
2.230
(↑0.02)
2
(-)
ソフトバンク
830 0.727
(↑0.027)
1
(-)
739
(+5)
21
(+3)
5
(+1)
8
(-)
0.255
(↑0.008)
1.700
(↓0.02)
3
(4↑)
ロッテ
542 0.556
(↑0.056)
3
(-)
732
(+3)
49
(+1)
4
(-)
4
(+1)
0.239
(↑0.001)
4.190
(↑0.41)
3
(4↑)
ヤクルト
542 0.556
(↑0.056)
3
(-)
742
(+6)
38
(+3)
10
(+2)
6
(-)
0.228
(↓0.007)
3.110
(↑0.21)
5
(2↓)
巨人
650 0.545
(↓0.055)
3
(↓1)
749
(-)
30
(+5)
4
(-)
7
(-)
0.254
(↓0.011)
2.660
(↓0.23)
5
(-)
ORIX
650 0.545
(↑0.045)
3
(-)
726
(+5)
28
(-)
2
(-)
6
(+1)
0.219
(↑0.01)
2.360
(↑0.24)
7
(3↓)
日本ハム
550 0.500
(↓0.056)
3.5
(↓1)
843
(+3)
31
(+6)
9
(+1)
2
(-)
0.296
(↓0.002)
2.900
(↓0.38)
8
(3↓)
広島
560 0.455
(↓0.045)
4
(↓1)
736
(+1)
27
(+3)
5
(-)
6
(+1)
0.222
(↓0.011)
1.840
(↑0.09)
9
(-)
DeNA
470 0.364
(↓0.036)
5
(↓1)
730
(+3)
47
(+5)
9
(+1)
3
(+1)
0.242
(↓0.006)
4.000
(↓0.1)
9
(-)
中日
470 0.364
(↓0.036)
5
(↓1)
716
(+2)
25
(+7)
4
(+1)
6
(-)
0.215
(↑0.011)
1.590
(↓0.42)
11
(1↑)
阪神
370 0.300
(↑0.078)
5.5
(-)
822
(+4)
34
(+1)
2
(-)
2
(-)
0.216
(↑0.012
2.600
(↑0.17)
12
(1↓)
西武
380 0.273
(↓0.027)
6
(↓1)
718
(+1)
40
(+4)
4
(-)
3
(-)
0.181
(↓0.003)
3.260
(↓0.12)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
27234 0.540
(↓0.011)
-
(-)
89166
(+1)
133
(+3)
25
(-)
30
(+1)
0.238
(↓0.002)
2.230
(↑0.02)
2
(-)
巨人
29264 0.527
(↓0.01)
0.5
(-)
84162
(-)
148
(+5)
25
(-)
32
(-)
0.234
(↓0.002)
2.370
(↓0.05)
3
(-)
阪神
28264 0.519
(↑0.01)
1
(↑1)
85171
(+4)
162
(+1)
25
(-)
17
(-)
0.222
(↑0.002
2.240
(↑0.02)
4
(-)
中日
24295 0.453
(↓0.009)
4.5
(-)
85142
(+2)
173
(+7)
24
(+1)
19
(-)
0.236
(↑0.002)
2.600
(↓0.06)
5
(-)
DeNA
25311 0.446
(↓0.009)
5
(-)
86178
(+3)
217
(+5)
30
(+1)
33
(+1)
0.244
(↓0.001)
3.450
(↓0.03)
6
(-)
ヤクルト
23304 0.434
(↑0.011)
5.5
(↑1)
86203
(+6)
195
(+3)
42
(+2)
26
(-)
0.235
(↓0.002)
3.230
(↑0.04)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
37162 0.698
(↑0.006)
-
(-)
88236
(+5)
123
(+3)
36
(+1)
42
(-)
0.260
(↑0.001)
1.990
(-)
2
(1↑)
ロッテ
29225 0.569
(↑0.009)
7
(-)
87171
(+3)
186
(+1)
25
(-)
20
(+1)
0.242
(-)
3.050
(↑0.05)
3
(1↓)
日本ハム
30232 0.566
(↓0.011)
7
(↓1)
88195
(+3)
171
(+6)
30
(+1)
46
(-)
0.251
(↑0.001)
2.790
(↓0.07)
4
(-)
楽天
27281 0.491
(↑0.01)
11
(-)
87184
(+7)
223
(+2)
20
(+1)
36
(-)
0.239
(-)
3.720
(↑0.03)
5
(-)
ORIX
25302 0.455
(↑0.011)
13
(-)
86170
(+5)
176
(-)
19
(-)
25
(+1)
0.239
(↑0.001)
2.740
(↑0.05)
6
(-)
西武
18380 0.321
(↓0.006)
20.5
(↓1)
87136
(+1)
207
(+4)
27
(-)
26
(-)
0.208
(↓0.001)
3.280
(↓0.02)