ロッテ(★0対1☆)阪神 =交流戦3回戦(2024.06.02)・ZOZOマリンスタジアム=
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阪神
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ロッテ
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勝利投手:才木 浩人(6勝1敗0S)
敗戦投手:メルセデス(1勝2敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(6号・1回表ソロ)

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◆阪神が投手戦を制して連敗を止めた。阪神は1回表、森下の先頭打者本塁打が飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・才木が9回無失点の快投。今季3度目の完封で6勝目を挙げた。敗れたロッテは、先発・メルセデスが力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆連敗ストップへ、阪神のスタメンが発表された。相手左腕メルセデスに対し、今季初めて渡辺諒内野手(29)が「3番三塁」で出場。「7番左翼」ではヨハン・ミエセス外野手(28)が今季初先発する。前日に引き続き4番は近本光司外野手(29)。1番の打順には森下翔太外野手(23)が入った。右打者を6人並べたオーダーで、今季初の同一カード3連敗阻止に向かう。

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◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)が、今季初スタメンで痛恨の失策を喫した。初回2死、3番高部のライナー性の当たりが左翼へ飛んだ。これに前進したが、ノーバウンドでの捕球はできず、ボールに触れることなく後ろへそらした。記録はシングルヒットに失策で、打者走者は三塁へ。2死三塁のピンチをつくってしまったが、先発才木が4番ソトを空振り三振に仕留め、事なきをえた。ベンチに帰ると、糸原から肩をたたかれ"おしかり"を入れられた。この様子に球場の虎党からは笑いももれていた。ミエセスは直後、2回の第1打席で初球を打って投ゴロに倒れた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、豪快に先頭打者本塁打を決めた。今季4度目となる1番でスタメン。その期待に第1打席で応えた。ロッテの左腕メルセデスから左翼越えの1発。4月26日ヤクルト戦以来、自身106打席ぶりの6号アーチで先制だ。6本塁打は近本と並び、チームトップ。5連敗中と苦しむチームに勇気を与える一撃となった。

◆阪神才木浩人投手(25)にヒヤリとするシーンがあった。7回1死、ソトの打球が右膝付近に直撃。ボールは小幡が処理しアウトに仕留めた。すぐさま安藤1軍投手コーチとトレーナーが駆け寄るも、右手で制止し大丈夫のアピール。力強い投球を再開し、心配を一掃した。

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)の左飛捕球に虎党からざわつきが起こった。1点リードの6回1死。1番岡の打球はほぼ定位置の左翼ミエセスのもとに飛んだ。平凡なフライにも見えたが、飛球が上がった瞬間に三塁席、左翼席の虎党からは大きなざわつきが発生。捕球した瞬間には大歓声に変わった。ミエセスは初回に左前打を後逸。先発才木が踏ん張り無失点で切り抜けたが、2死三塁のピンチを招いていた。

◆ロッテの連勝が11でストップした。先発のC・C・メルセデス投手(30)が初回の先頭打者阪神の森下に先頭打者本塁打を浴びたが、その後は安定感抜群の投球で8回1失点。だが、打線が阪神才木を打ち崩せず。前日まで4日連続で9回に追いつく粘りを見せており、この日も9回に先頭打者が出塁したが、ホームが遠かった。勝てば日本一を達成した05年に並ぶ12連勝となったが、スミ1による惜敗で連勝ストップとなった。

◆阪神が先発才木浩人投手(25)が今季2度目の1-0完封勝利を挙げ、チームの今季ワーストだった連敗を5で止めた。引き分けを挟んで11連勝中だったロッテに、16試合ぶりに土をつけた。前日に続き、この日も大幅に打順を変更。4番は前日と同じく近本光司外野手(29)が座り、1番には森下翔太外野手(23)。「7番左翼」ではヨハン・ミエセス外野手(28)が今季初先発となった。今季4度目となった「1番森下」が早速成功。ロッテ左腕、メルセデスの4球目の変化球をレフトスタンドへ運び先制6号ソロ。4月26日ヤクルト戦以来、自身106打席ぶりのアーチは、近本に並ぶチームトップとなった。その後打線がなかなか追加点を奪えない中で、才木が連敗ストッパーとなった。森下の先頭打者本塁打で先制した直後の1回裏、2死から高部に左前打を浴びると、左翼ミエセスが後逸し三塁まで進まれるピンチ。それでも右腕は落ち着いていた。続く4番外をフォークで空振り三振に仕留めると、2回から3イニング連続で3者凡退。危なげない投球で0を積み重ねた。チームにとって6試合ぶりの白星。苦境から救った才木は、リーグトップに並ぶ6勝目を挙げた。

◆阪神才木浩人投手(25)が、苦境のチームを救う投球を見せた。今季自身3度目の完封勝利で、リーグトップタイの6勝目。1点リードを最後まで守り切った。5月12日のDeNA戦(横浜)に続く、今季2度目の「1-0」での完封劇だ。シーズンに2度の「1-0完封」は、球団では14年のメッセンジャー以来、10年ぶり。日本人に限ると74年古沢憲司以来、50年ぶりのことだ。敵地で2度は69年江夏豊以来、55年ぶり。チームは貧打に苦しみ5連敗中だった。2日連続でサヨナラ負けを喫しており、なんとしても勝ちたい一戦で仕事を果たした。才木は今季、3月31日巨人戦では2連敗で、4月14日中日戦では3連敗で、5月5日巨人戦では2連敗で、それぞれチームの連敗を止めてきた。まさしく連敗ストッパーだ。初回に1番森下翔太外野手(23)のプロ初となる6号先頭打者本塁打で先制。初回の1点、"スミ1"を守り切った。8回2死三塁のピンチも1番岡を空振り三振。9回無死一、二塁のピンチでソトを遊撃への併殺打、最後は2死三塁でポランコを二ゴロ。"魔の9回"を乗り切った。4日連続で9回に1点差を追いつき、引き分けを挟んで11連勝中だったロッテを止めた。

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◆阪神先発才木浩人投手(25)が今季2度目の1-0完封勝利を挙げ、チームの今季ワーストだった連敗を5で止めた。引き分けを挟んで11連勝中だったロッテに、16試合ぶりに土をつけた。阪神岡田彰布監督(66)は試合後、自ら「才木に聞いたれ(笑い)。俺はもうええやろ」と口にし「何回目やこれ。あいつが(連敗)止めたのは」とねぎらった。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り(自ら)才木に聞いたれ(笑い)。俺はもうええやろ。-才木は立派だったそやそや。何回目やこれ。あいつが(連敗)止めたのは。-9回も相当なプレッシャーそらなあ、ランナー2人出たわけやからなあ。もうあいつに任すしかあれへんやんけ。去年な、佐々木朗希に完封したしな。アイツもな。甲子園やったけどな。-無四球も立派おお、コントロールもよかったしな。球数も、全然大丈夫やったからな。もう今日は才木に任すしかあれへん。-投げる度に頼もしさがファン投票1位の選手やからな。一応は。-9回は前の2試合がよぎったかそんなんよぎるもクソも、毎日見てるんやから。何を、よぎるて。よぎんのはあんまり見てないことや。毎日見てんねんから、昨日も今日も。腹くくるしかないやん。才木にたくすしかないやん。-森下の先頭弾はホームランは打つな言うたのに。その代わり全部塁に出ろいうたんやけど。-ベンチ帰ってきたときもそのことを言ったおう、なんでホームラン打つんや、って。-結果的にあの1点がその時点では分からへんけどな。終わってみればやけど。-近本は4番が板についてきたかそんなん板につかへんやろ、2試合くらいで。-ホームランを打つなというのは最近のバッティング内容を見て打順を1番にしたからの。それよりも塁に出ろってな。(自ら)しんどいわ。雨降るなあ。-早稲田が優勝おう。

◆阪神は接戦を制し、6試合ぶりの白星となった。先発の才木浩人投手(25)は今季2度目の1-0完封勝利を挙げ、チームの今季ワーストだった連敗も5でストップ。これでリーグトップに並ぶ6勝目を挙げた。才木のヒーローインタビューは以下の通り。-見事な完封でした。「ありがとうございます」-最後は力強くガッツポーズ。「最後は気合なんで。本当に良かったです」-9回のロッテも粘りもあった。「1点差だったので、何があってもおかしくないと思っていた。先頭打たれてオーマイガーッと思ったけど、何とか、良かったです」-ソトには内角攻めを選択。「梅野さんが思い切って来いというサインだったので、思い切っていきました」-最後はスタンドも熱かった。「最終回のピンチですごい拍手をもらえたので、ウェーイと思いながら投げました」-その声援は。「すごい力になりました」-6安打無失点、良かったのは。「やっぱりまっすぐじゃないですか。まっすぐがすごく良かったので抑えられた」-フォークも多かった。「クスッ(と笑う)。そうですね。フォークも良かったと思います」-チームも交流戦初勝利。「そうですね。連敗で回ってきたので、絶対オレで止めたると思っていたんで、良かったです」-ファンにメッセージを。「次は甲子園なんできょうみたいなピッチングができるように頑張ります。また応援よろしくお願いします」

◆ロッテの快進撃がついに止まった。阪神にスミ1での完封負け。5月12日の日本ハム戦以来16試合ぶりの黒星で、05年の記録に並ぶ12連勝はならなかった。先発メルセデスが初回、阪神森下に先頭打者本塁打を浴びたが、その後は安定感抜群の投球を見せた。8回4安打1失点と好投し、打線の援護を待った。前日まで4日連続で9回に追いつく粘りを見せていた打線は、この日も9回に先頭打者が出塁すると、無死一、二塁の好機をつくった。だがソトが遊併殺打、ポランコも二ゴロに倒れ、ホームが遠かった。昨年の交流戦に続いて才木には2年連続完封負けを喫し、リベンジもならず。吉井監督は「去年もやられたんですけど、良いピッチャーなのでなかなか打てなかった。変化球が多かったのでうまくかわされたように思います」と、無得点に抑えられた要因を振り返った。勝てば日本一を達成した05年に並ぶ12連勝となったが、惜敗で連勝街道は小休止。1日休んで、また6連戦と戦いは続く。指揮官は「いつも切り替えてます。連勝は全然気にしていなかったです」ときっぱり。いつも通り、これからも全力で戦うのみだ。【星夏穂】

◆指揮官の命令を豪快に"無視"した。阪神森下翔太外野手(23)が「自分の思う限りは初めて」という先頭打者本塁打で試合を決めた。初回第1打席、メルセデスから弾丸ライナーで左翼へぶち込んだ。試合前の打撃練習を終えたタイミングだった。岡田監督に声をかけられた。「『ホームランは打つな』言うたのに。『その代わり全部塁に出ろ』言うたんやけど」と指揮官が明かす。それに対し「全打席出塁します、みたいなことを言いました」。リードオフマンの仕事を全うする気概にあふれていた。「してこい」と全打席出塁を託されたが、結果はいきなりの1発だ。ダイヤモンドを1周し、岡田監督とハイタッチすると「なんでホームラン打つんや」と"叱り"を受けた。「聞こえてないですけど『ホームラン狙わずに出塁してこい』って言われて打ったので、何か言われてるのかなと思いました」と持ち前の天然ぶりを発揮。「打順を1番にしたからの。それ(本塁打)より塁に出ろってな」という指揮官の意図は見事に裏切られたが、結果的には虎の子の1点となった。「その時点では分からへんけどな、終わってみればやけど」。岡田節でたたえられた。「ホームラン打つな指令」は森下にとって金言だった。長打への欲を捨てることができた。「大振りなところが練習でも出ていたのでコンパクトにいこう、と」。4月26日ヤクルト戦以来、106打席ぶりのアーチ。6号は近本と並びチームトップ。初回「表」先頭打者本塁打の1-0勝利は球団初のレア弾となった。試合前には平田ヘッドコーチから「チームの顔が1番」と送り出され「自分が(1番で)立つことでプレッシャーを与えられる」と気合が入った。第2打席で左前打を放ちマルチ安打。「交流戦も2カード消化しただけ。巻き返せると思うので、引き締めてやっていきたい」。勢いに乗って甲子園に帰る。【中野椋】

◆阪神4番近本光司外野手(29)が2試合連続でHランプをともした。初回2死で迎えた第1打席にロッテ・メルセデスから中越え二塁打を放つと、4回先頭の第2打席でも右前打をマーク。「メルセデスは対戦があったので、真っスラとスライダーで、インコースも結構投げてきましたけど。反応はできていました」と納得顔。プロ初だった前日に続いて任された打順には「4番はもう4番で楽しんでますし、今しか経験できないので、僕は楽しんで頑張ってます」と前向きに捉えていた。

◆阪神の梅野隆太郎捕手(32)が才木浩人投手の完封勝ちを好リードした。9回無死一、二塁のピンチでは、ソトを内角高め直球で遊ゴロ併殺。「浩人(才木)の気持ちを受け取って、本当に呼吸があったというか、ひとつになった感じ」と息を合わせて最大のピンチを切り抜けた。「簡単に終わらないとは思って挑んでいた。本当に最後まで行かせたい気持ちというか。才木にあっぱれじゃないですけど、たたえてほしい」と相棒をねぎらった。

◆「7番左翼」で今季初先発となったヨハン・ミエセス外野手(28)は、3打数無安打に終わった。初回2死の守備では、ロッテ高部のライナー性の当たりに前進するも、打球に触れることができず後逸。一気に三塁まで進まれた。「行けると思ったので、ダイビングも考えながらも、できなかった。試合で起こりえることだとは思うけど、チームにも迷惑かけた」と反省。「僕は言い訳できない。みんながこうやって応援してくれてる以上、しっかり応えられるようにしたい」と続けた。

◆6試合ぶりの勝利に阪神岡田彰布監督(66)は、ふうっと吐き出すようにつぶやいた。「しんどいわ...」。森下の先頭打者本塁打、才木の完封勝利で"スミ1"の辛勝。11連勝中だったロッテをなんとか振り切り、連敗は5でストップ。第2次政権ワースト更新は阻止した。初戦、第2戦と9回に追いつかれて悪夢のサヨナラ負け。この日も9回に才木が初めて連打を浴び、無死一、二塁のピンチを招いた。連日のシーンがよぎったかと問われると、岡田監督はすぐさま否定した。「そんなんよぎるもクソも、毎日見てるんやから。よぎるというのはあんまり見てないことや。毎日見てんねんから、昨日も今日も。腹くくるしかないやん。才木に託すしかないやん」。指揮官の覚悟を感じたかのように、1人で投げきった右腕。「才木に聞いたれ(笑い)。俺はもうええやろ」と最大級の賛辞を送った。低空飛行を続ける打線をテコ入れするため、前日に続き大幅に打順を変更。2戦連続で近本を4番に据え、1番には森下、ミエセスも今季初先発させた。近本には「そんなん板につかへんやろ、2試合くらいで」と話したが、突破口を模索してもぎとった白星だった。偶然にも、この日は岡田監督の母校、早大の7季ぶりのリーグ優勝が決定。この1勝から、常勝モードに戻る。【磯綾乃】先頭打者本塁打だけの1-0勝利は、23年9月16日中日(打者岡林)以来21度目。初回裏の先頭打者弾は13度(セ7度、パ6度)で、今回のような初回表は8度目(セ4度目、パ4度)になる。そのうち投手が1人で投げきったのは、14年6月11日ヤクルトの石川(打者山田)以来10年ぶり。前回の石川も交流戦での達成だった。

◆才木さまさまよ! 「日本生命セ・パ交流戦」で阪神才木浩人投手(25)が今季2度目の「1-0」完封勝利で、チームの連敗を止めた。9回6安打無四球無失点の快投で、両リーグトップタイの今季6勝目。1年に2度の敵地「1-0」完封は69年江夏豊以来、55年ぶりとなった。5連敗中だったチームを救い、今季4度目の連敗ストップ。「日曜日の男」が、またも流れを変える力投を見せた。才木の1-0完封勝ちは、5月12日DeNA戦(横浜)に続き今季2度目。阪神の投手が年に2度の1-0完封勝利は、14年メッセンジャーの4月29日広島戦、5月11日巨人戦(ともに甲子園)以来10年ぶり。日本人では、74年古沢憲司の5月12日ヤクルト戦(神宮)6月22日巨人戦(甲子園)以来50年ぶり。敵地で2度となると、69年に江夏豊が8月16日中日戦(中日)9月13日広島戦(広島)で成し遂げて以来、55年ぶりの快挙だ。才木の好投で阪神は連敗を5で止めた。才木が先発した試合でチームの連敗が止まったのは、3月31日巨人戦(2連敗=才木は勝ち星つかず)、4月14日中日戦(3連敗)5月5日巨人戦(2連敗)に続き4度目だ。

◆才木さまさまよ! 「日本生命セ・パ交流戦」で阪神才木浩人投手(25)が今季2度目の「1-0」完封勝利で、チームの連敗を止めた。9回6安打無四球無失点の快投で、両リーグトップタイの今季6勝目。1年に2度の敵地「1-0」完封は69年江夏豊以来、55年ぶりとなった。5連敗中だったチームを救い、今季4度目の連敗ストップ。「日曜日の男」が、またも流れを変える力投を見せた。「魔の9回」でも、才木の心はブレなかった。1-0で迎えた9回。先頭小川に中前打を浴び、連打でつながれた無死一、二塁の同点機を招いた。前日までロッテには2試合連続で9回に追いつかれ、逆転負けを喫していた。「嫌な雰囲気はあった」。敵地のムードが最高潮に高まる中、4番ソトを迎えた。「最後は気持ちなので。真っすぐで、どんどん押していこうと思っていた」フルカウントからの6球目。渾身(こんしん)の直球で詰まらせ、遊ゴロ併殺。続くポランコを直球で二ゴロに打ち取ると、固かった表情がはじけた。9回6安打無四球無失点で両リーグトップタイの6勝目。昨季6月4日にも佐々木に投げ勝つ完封勝利を挙げており、2年連続でロッテ打線を封じ込めた。5連敗中とチームが苦しむ中での勝利。連敗を止めたのは今季4度目だ。「『絶対オレで止めたる』と思っていたので。良かったです」自身は8回途中無失点ながら敗戦した、5月26日巨人戦から始まった負の連鎖。自ら食い止め、5月12日DeNA戦(横浜)以来、今季2度目の「1-0」完封勝利となった。敵地で2度の達成は69年江夏豊以来、55年ぶりの快挙だ。強い芯を持つからこそ、どんな状況にも動じない。約3、4年前。同学年の現ドジャース山本由伸が行っていたジャベリックスロー(やり投げ)の練習を周囲から勧められたことがあった。当時、野球界では話題となった練習法。それでも才木は「俺には違う」とキッパリ自己流を貫いた。「あれを見てやっても、山本君にはなれない。(山本君も)裏で絶対違うことをやった上で、あのトレーニングをやっているから」才木の投球フォームは、一から自分で作り上げたもの。だからこそ大切にするのは自分の体への理解だ。ブレずにやるべき事を重ねてきたからこそ、どんな時も自信を持ってマウンドに立つことができる。チームは交流戦5試合目での初勝利。快投を重ねる「日曜日の男」が、またも流れを変えた。【波部俊之介】

◆阪神森下翔太外野手(23)が「自分の思う限りは初めて」という先頭打者本塁打で試合を決めた。初回第1打席、メルセデスから弾丸ライナーで左翼へぶち込んだ。森下の試行錯誤はシーズン中も続いている。5月17日ヤクルト戦(甲子園)。試合前の打撃練習で使用していたバットには赤色の重りがついていた。目的は「バットが体の近くから遠ざかるのを避けるため」。200グラムの重りをバットの中心部につけ、ティー打撃を行う。感覚や映像を確認し、内角の球を体に近い部分から出したいと考えたからだった。「あれでボールを打ちに行った時に重いので下がります。それを下がらないようにすれば、あれを抜いた時に自分のところでアジャストできる感じ」と説明。確率アップのために、オフの自主トレで取り組んでおり、5月10日からのDeNA3連戦(横浜)で再び使い始めた。自らの「感覚」を大事にしている森下。調子が落ちた時の対処法を増やそうとしている。「ここがちょっと悪いなと思ったら、それに対策の1つとしてどんどん引き出しをつくって、今やっています」。今季はここまで打率2割4分4厘。シーズン通して結果を出すため、2年目の挑戦は続く。【阪神担当=村松万里子】

◆才木さまさまよ! 「日本生命セ・パ交流戦」で阪神才木浩人投手(25)が今季2度目の「1-0」完封勝利で、チームの連敗を止めた。9回6安打無四球無失点の快投で、両リーグトップタイの今季6勝目。1年に2度の敵地「1-0」完封は69年江夏豊以来、55年ぶりとなった。5連敗中だったチームを救い、今季4度目の連敗ストップ。「日曜日の男」が、またも流れを変える力投を見せた。身長189センチ、最速157キロを誇る男が、自らのことを「技巧派なんで」と笑ったことがある。今季2試合目の登板となった4月7日のヤクルト戦。才木は初回に2失点を喫した後、「もともと苦手」というスライダーで攻めて立ち直った。球数の約3割がスライダーだった一戦。直球、フォークに絶対的な自信を持つ右腕は「過去イチでスライダーを投げた」と振り返る。新境地を開拓した瞬間だった。状態が良くなかったからスライダーに頼った。その結果、「有効やな」と期待以上の収穫を得た。打者の頭にイメージがなかった分、生きる。直球、フォークのコンビネーションが相手にとって、よりやっかいになる。この日の5回には、ポランコにスライダーを連投しファウルを奪い、最後はフォークで空振り三振。試合後には「(スライダーで)カウントとれるのはでかいっすね」と言った。新たな武器が絶妙なアクセントとなり、最強の"技巧派"投手が誕生した。【阪神担当 中野椋】

◆5月31日に支配下登録されたロッテ吉田がオリックスから移籍後初登板し、1回を無失点に抑えた。1点ビハインドの9回にマウンドに上がり、阪神上位打線を3者凡退に抑え「とても緊張しましたが、ゼロで抑えることができてホッとしました」と振り返った。吉井監督も「真っすぐが強くて、特長の変化球も良かったと思います」と、再出発の登板を評価した。

◆2試合連続でサヨナラ負けを喫して5連敗中の阪神は、ヨハン・ミエセス外野手(28)が「7番・左翼」で今季初めてスタメンに名を連ねた。ここまで9打数無安打だが、大砲の一発で重たい雰囲気を変える。近本光司外野手(29)は2戦連続で「4番・中堅」で出場。「5番・DH」には原口文仁内野手(32)が入った。先発はここまでチームトップの5勝(1敗)を挙げている才木浩人投手(25)。昨年の交流戦では完封勝利を収めたロッテ打線を相手に、連敗ストップを目指して腕を振る。

◆阪神は1番で起用された森下翔太外野手(23)の先頭打者本塁打で先制した。2戦連続サヨナラ負けで迎えた3回戦。一回からいきなり試合を動かした。カウント1―2からロッテの先発・メルセデスのチェンジアップを一閃。弾丸ライナーで放たれた打球は、左翼の頭を越えてホームランテラスに飛び込んだ。森下にとって4月26日のヤクルト戦(甲子園)以来、29試合106打席ぶりの一発。自身初の先頭打者アーチだった。1日の試合ではスタメン落ちし、途中出場でも併殺打に倒れていたが、第1打席からやり返した。

◆今季初めてスタメン出場となったヨハン・ミエセス外野手(28)が最初の守備機会で失策。1-0の一回2死から高部の放ったライナー性の打球へのチャージを躊躇し、バウンドが合わずに後逸。一気に三塁まで進まれ、2死三塁の危機を作ってしまった。それでも才木がソトを三振に抑えて失点は防いだ。ベンチに戻ってきた際には仲のいい糸原からパンチを受けたミエセス。虎党が陣取る三塁側からは笑いが響いた。

◆阪神は1番で起用された森下翔太外野手(23)の自身初の初回先頭打者本塁打で先制した。2戦連続サヨナラ負けで迎えた3回戦。一回からいきなり試合を動かした。カウント1―2からロッテの先発・メルセデスのチェンジアップを一閃。弾丸ライナーで放たれた打球は、左翼の頭を越えてホームランテラスに飛び込んだ。森下にとって4月26日のヤクルト戦(甲子園)以来、29試合106打席ぶりの一発。自身初の初回先頭打者アーチだった。1日の試合ではスタメン落ちし、途中出場でも併殺打に倒れていたが、第1打席からやり返した。「打ったのはチェンジアップ。昨日までいい形で打てていなかったのですが、しっかり切り替えて打席に立ちました。先頭打者でしたしチームに勢いをつける意味でも、最高の結果になってよかったです」とコメントした。

◆阪神は投手戦を制し、連敗が5でストップ。岡田彰布監督(66)の起用が一回から的中する。「1番・右翼」で先発した森下翔太外野手(23)がチェンジアップを捉え、自身初の初回先頭打者弾となる6号ソロで先制に成功。この1点を先発の才木浩人投手(25)が1人で守り抜いた。力のある直球とキレのあるスライダー、落差の大きなフォークでロッテ打線を翻弄(ほんろう)。一回、八回の2死三塁のピンチもいずれもフォークで空振り三振を奪いホームを踏ませず。九回にはこの日初めて先頭打者に出塁を許すと連打で無死一、二塁と最大のピンチを迎えたが、ソトを遊ゴロ併殺、ポランコを二ゴロに抑えて大きく雄叫びをあげた。才木は9回116球の力投で、完封勝利は今季3度目。チームは交流戦5戦目で初勝利となった。

◆ついに負けた。ロッテは零封負けで、連勝は11でストップ。先発のメルセデスが8回123球を投げ4安打1失点と好投したが、打線が阪神・才木に完璧に封じられた。5度目の粘りとはいかなかった。失点は一回の森下の先制ソロだけで1-0で迎えた九回。前日1日までは4試合連続で1点差の九回に同点に追いついてプロ野球新記録の4試合連続の延長戦に突入していた。この日は先頭の小川が中前打、高部は内野安打で無死一、二塁としたが、ソトは遊ゴロ併殺打に倒れ、最後はポランコが二ゴロに終わった。これで5月14日のオリックス戦(那覇)から続いていた15試合負けなしの記録も止まった。この日も最後まで接戦に持ち込んだが、1点が遠かった。

◆七回2死満塁、二飛に倒れた阪神ヨハン・ミエセス=ZOZOマリンスタジアム(撮影・松永渉平)

◆阪神が連敗を「5」で止め、交流戦初勝利。5月17日ヤクルト戦(甲子園)以来の1番に入った森下翔太外野手(23)が自身初の初回先頭打者本塁打。先発の才木浩人投手(25)が「スミ1」を死守。九回無死一、二塁の窮地をしのぎ、今季3度目の完封勝利で6勝目(1敗)を挙げた。今季2度目の「1ー0完封」を飾った才木のヒーローインタビューは以下の通り。ーー勝利の瞬間は「最後は気合なんで、本当、よかったです」ーー最終回は「1点差だったので何が起こってもおかしくなかった。先頭にヒットを打たれてオーマイガーと思っていましたけど、何とか...よかったです」ーーソトに内角を(無死一、二塁で遊ゴロ併殺)「梅野さんが思い切って来いとサインを出してくれたので思い切っていきました」ーーファンの声援は「最終回、ピンチになった時に、すごい拍手をもらえたのでウェ~イと思いながら。すごく力になりました」ーー何がよかった「真っすぐじゃないですかね。真っすぐがすごくよかったので抑えられたのではないかと思います」ーーチームは交流戦初勝利「連敗で回って来たので絶対、俺で止めたると思ったのでよかったです」ーーファンに向けて「次、甲子園なので。今日みたいな投球ができるように頑張ります」

◆ロッテは零封負けで、連勝は11でストップ。阪神・才木に6安打無失点に封じられて、2年連続で完封された。吉井理人監督(59)は「去年もやられたのですが、いい投手なのでなかなか打てなかった。変化球が多くてうまくかわされた」と悔しがった。5度目の粘りとはいかなかった。失点は一回の森下の先制ソロだけで1-0で迎えた九回。前日1日までは4試合連続で1点差の九回に同点に追いついてプロ野球タイ記録の4試合連続の延長戦に突入していた。この日は先頭の小川が中前打、高部は内野安打で無死一、二塁としたが、ソトは遊ゴロ併殺打に倒れ、最後はポランコが二ゴロに終わった。これで5月14日のオリックス戦(那覇)から続いていた15試合負けなしの記録もストップ。切り替えて4日からの巨人戦(東京ドーム)に向かう。

◆5月31日に支配下登録されたロッテ・吉田凌投手(26)が、オリックスから移籍後初登板した。0-1の九回にマウンドを託され、1回無安打無失点に抑えた。「とても緊張しましたが、ゼロで抑えることができてホッとしました」持ち味を出した。先頭の中野には決め球のスライダーで右飛、渡辺も右飛、近本は左飛に抑えて3者凡退に。吉井監督は「真っすぐが強くて、特徴のスライダーもよかった」と評価した。吉田は神奈川・東海大相模高から2016年にドラフト5位でオリックスに入団。昨年に戦力外となると、12球団合同トライアウトと入団テストを経てロッテに育成で加入した。今季はイースタン・リーグで14試合に登板し2勝1敗、防御率1・32。この日1軍昇格したばかりの右腕が、もうひと花咲かせる。

◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)が1ー0完封勝利を飾った阪神・才木浩人投手(25)を絶賛し、打線の奮起を促した。才木の野球人生の中で屈指の自信になる1-0完封ではないか。チームは連敗中、打線は湿りっぱなし、抑え投手が失敗した直後の試合、相手は勢いに乗って勝ちまくっている。登板の条件は最悪だった。しかも、援護は一回の1点だけだから、本当にきつかったはず。絶賛の言葉しか思い浮かばない。一回の投球を見て、すぐに、1人で投げ切ろうとしているのが伝わった。カットボールで効果的にカウントを稼ぎ、カーブもうまく交えて、打たせて取る配球。球数を常に頭に入れての投球だった。もちろん、150キロ超の真っすぐで押し込む時は押していた。この球場は風向きによって、高めに投げることを最も注意しなければいけないのだが、あえて高め勝負したシーンも。それだけの力があった。九回2死三塁でポランコに対しては全球真っすぐ。ここ一番は最も力のある球だけで勝負する冷静さもあった。何度もチームを救ってきた才木だが、この投球を見せられて、打者が奮起しなければウソだ。浮上のきっかけにしなければいけない1-0勝利だ。

◆阪神が連敗を「5」で止め、交流戦初勝利。5月17日ヤクルト戦(甲子園)以来の1番に入った森下翔太外野手(23)が自身初の初回先頭打者本塁打。先発の才木浩人投手(25)が「スミ1」を死守。九回無死一、二塁の窮地をしのぎ、今季3度目の完封勝利で6勝目(1敗)を挙げた。森下の本塁打は4月26日のヤクルト戦(甲子園)以来、106打席ぶり。「7番・左翼」で今季初スタメンのヨハン・ミエセス外野手(28)は3打数無安打で、昇格後は12打席ノーヒット。一回には左前打を後逸する失策もあった。ロッテの連勝は「11」で止まった。「1ー0勝利」は今季5度目で才木は2度目。主な選手のコメントは以下の通り(成績=26勝23敗4分、観衆=2万9621人)。指揮官命令に背いて? 自身初の初回先頭打者弾の森下翔太 「ホームラン打たなくていいから、ヒット打つとか出塁して来いってところで、自分も、全打席出塁します、みたいなことを言ったんですけど、そういう意識が良い結果につながったかなと思います」一回の安打後逸にヨハン・ミエセス 「チームにも迷惑かけたので。でも勝てて良かったです」今季2度目の1ー0完封に才木浩人 「そういう試合を勝てるのは、すごいデカイと思います」完封をリードした梅野隆太郎 「浩人の気持ちを受け取って、本当に呼吸が合ったというか、ひとつになった感じ」4番2試合で計3安打の近本光司 「4番で楽しんでますし、今しか経験できないので、僕は楽しんで頑張ってます」試合終了後に才木に抱きつかれた小幡竜平 「(九回無死一、二塁で)ゲッツーを取った時に『ナイスプレー!』って言われてたから、それで抱きつかれたのかな」

◆?阪神は一回表先頭打者の森下の本塁打の1点を守り切って勝利。初回先頭打者本塁打によるスコア1-0で勝利したのは、昨年9月16日の中日(裏・岡林勇希、対巨人)以来、通算21度目。一回表の先頭打者弾は2020年9月13日の西武(外崎修汰、対ソフトバンク)以来4年ぶり8度目。?阪神では1967年7月22日(裏・藤田平、対サンケイ)以来57年ぶり2度目で、一回表は初めて。?才木が5月12日のDeNA戦(○1-0、横浜)に次いで今季3度目の完封勝利。阪神の投手がスコア1-0の完封をシーズン2度記録したのは、14年のメッセンジャー以来10年ぶりで、日本投手では74年の古沢憲司以来50年ぶり。?阪神の投手が一回の1点を守り切っての無四死球完封勝利を挙げたのは、71年4月21日の権藤正利(対ヤクルト、甲子園)以来53年ぶり。

◆「7番・左翼」で今季初先発の阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)が後逸。一回2死、高部のライナー性の打球に突っ込んだが、捕球できず...。白球が外野フェンスに向かって転々とする間、打者走者は三塁に到達した。才木が踏ん張り失点には結びつかなかったが、ミエセスはベンチに戻るとき、糸原から肩をパンチされ、才木には笑顔で迎えられた。「チームにも迷惑をかけた。でも勝てて良かったです」と胸をなでおろした。

◆5月31日に支配下登録されたロッテ・吉田が九回に2番手で登板し、三者凡退に抑えた。昨季限りでオリックスを戦力外となり、12球団合同トライアウトと入団テストを経て加入。「とても緊張したが、ゼロで抑えられてホッとした」と笑みを浮かべた。吉井監督も「真っすぐが強く、特徴のスライダーもよかった」と評価した。

◆ロッテ・メルセデスは8回4安打1失点と好投したが、打線の援護がなく2敗目を喫した。一回、先頭の森下に高めに浮いたチェンジアップを被弾。その後はテンポよく打たせて取る投球で立ち直り「初回は制球ミスで失点したが、それ以降はしっかりと自分の投球ができた」とうなずいた。防御率はリーグトップの1・45。白星には恵まれず1勝しかできてないが、安定感は抜群だ。

◆阪神・近本光司外野手(29)が2戦続けて4番で出場した。一回2死で二塁打を放って7戦連続安打とし、四回は先頭で右前打。「目付けとか、タイミングをしっかり合わせられたのはよかった」と先発のメルセデスに対応した。慣れない打順でもマルチ安打と結果を残し「4番はもう4番で楽しんでますし、今しか経験できないので、僕は楽しんで頑張っています」と心境を明かした。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)は才木浩人投手(25)の完封勝利をアシスト。「才木にあっぱれじゃないですけど、そういう風にたたえてほしいと思います」と笑顔をみせた。九回は無死一、二塁のピンチを迎えるも、ソトを直球で遊ゴロ併殺に打ち取る最高の展開に持ち込み「浩人の気持ちを受け取って、本当に呼吸があったというか、一つになった感じ。ソトはセ・リーグ(DeNA)でもやっているので、そういうところを攻めきれたのは本当に大きかった」と振り返った。

◆ついに負けた。ロッテの神懸かり的な連勝は11で止まった(4引き分けを挟む)。昨季の交流戦に続いて阪神・才木に零封負け。16試合ぶりの黒星に吉井理人監督(59)は唇をかんだ。「なかなか打てなかった。変化球が多くてうまくかわされた」0-1で迎えた九回、本拠地のボルテージは最高潮に達した。前日まで4試合連続で九回に1点差を追いつき、プロ野球記録に並ぶ4試合連続の延長戦に突入。阪神には2試合連続でサヨナラ勝ちを収めていた。この日も先頭の小川が中前打が出ると、続く高部は遊撃への詰まった打球を一塁ヘッドスライディングでセーフとし、無死一、二塁。声援はひときわ大きくなった。しかし、ソトが遊ゴロ併殺打、ポランコは二ゴロに倒れて、5月14日のオリックス戦(那覇)から続いていたミラクル進撃はストップ。あと1本が出ず、先発メルセデスが森下の先頭打者弾で許した1点を追いつくことはできなかった。それでも交流戦の首位は変わらず、「連勝は気にしていなかった。いつも切り替えていた」と吉井監督も淡々。一戦必勝の精神で、2006年以来3度目の交流戦Vへひた走る。(森祥太郎)

◆わずか1点で再起! 阪神はロッテに1-0で交流戦5戦目で初勝利。才木浩人投手(25)が今季3度目の完封勝利でリーグトップタイの6勝目を挙げた。森下翔太外野手(23)が一回表に先頭打者弾を放ちスミ1での逃げ切りは球団史上初。今季ワーストだったチームの連敗を5で止めた。やる気、元気、サイキ! 逆襲の夏が始まりまっせ!まるで優勝したかのような騒ぎだった。才木が右拳を突き上げる。女房役の梅野から抱きつかれた。幕張のスタンドは才木コール。1-0の九回2死三塁、116球目の直球でポランコを二ゴロに打ち取った瞬間、球団初の偉業達成となった。「最後は気合なんで、本当、よかったです。1点差だったので、何が起こってもおかしくなかった。先頭にヒットを打たれて『オーマイガー』と思っていましたけど、何とか...よかったです」今季3度目の完封勝利。5月12日のDeNA戦(横浜)に続く、球団では2014年のメッセンジャー以来となる同一シーズン2度目の1-0完封も今回は重みが違う。チームは2試合連続延長サヨナラ負けで5連敗していた中で一回先頭の森下が左越えに6号ソロ。セ・リーグワーストのチーム打率・221の打線は追加点に苦しむ中、交流戦初勝利をもぎとった。一回表の先頭打者弾でのスミ1勝利は球団史上初。才木が「気合」で守り抜いた。

◆スコアボードの端に刻まれた1点が、最後まで輝いていた。まっさらなバッターボックスに立った阪神・森下翔太外野手(23)。連敗中の重たい空気を切り裂くような一打をスタンドに届けた。「チームに勢いをつける意味でも、最高の結果になってよかった。(先頭打者弾は)記憶はないので、自分の思う限りは初めてだった」2戦連続のサヨナラ負けを喫し、泥沼の5連敗。そんな中で今季4度目の1番で出場し、プレーボール直後から起用に応えた。メルセデスに追い込まれるも、5球目のチェンジアップに反応。ライナーで左翼ホームランラグーンに着弾させた。4月26日のヤクルト戦(甲子園)以来29試合、106打席ぶりの一発。今季6号ソロは近本に並んでチームトップタイで、プロ入り後初の初回先頭打者本塁打だった。オカダ指令に反発?する一撃だった。試合前の打撃練習中、岡田監督から「ホームランは打つな。その代わり、全部塁に出ろ」と言われた。貧打解消へ、つなぐ必要性をたたき込まれていた。「全打席、出塁します」森下は元気よく約束した。ところが...。

◆スコアボードに9つ目のゼロが並ぶのを見届けると、ようやくホッと一息つけた。最後までマウンドを託した才木が1点を守り切る。阪神・岡田彰布監督(66)は勝利のハイタッチで喜びを分かち合った。「しんどいわ」百戦錬磨の虎将でも、心身に疲労感の残る白星までの道のりだった。打線を大改造した1日のロッテ戦(ZOZOマリン)と同じ起用法は4番・近本、9番・梅野だけ。1番に森下、3番に渡辺など2日連続で積極的に動き、打順を入れ替え、野手もチェンジ! あの手この手で流れの活性化を目指した。不吉なデータもこの日の1勝で吹き飛ばした。交流戦で初戦から5連敗以上を喫したチームはシーズンですべて4位以下。阪神は和田政権下の2012年に5連敗を経験し、最終的には5位だった。昨季、リーグ優勝&日本一を導き、今季は2年契約最終年となる。パ・リーグとの戦いで歯車が狂いっぱなしというわけにいかなかった。球団109代目の4番打者、近本は森下とともにマルチ安打を記録し、持ち前の安定感を発揮。「そんなん板につかへんやろ、2試合くらいで」と岡田監督は笑ったが、チーム随一のヒットメーカーを中心に野手陣が束になってかかれば、〝投高打低〟のチームの状態も上向いていくはずだ。(新里公章)

◆ストレートの真っ向勝負で完封勝利の才木浩人投手、あんたこそ大スターや!! ピカピカ輝いてまぶしいよー!! えっ、当たり前? オールスターファン投票の中間発表でセ・リーグ先発部門で断然の1位だって? こりゃまた失礼いたしました。八回までスイスイと放っていた才木が九回、連続ヒットを許して無死一、二塁。打席は怖い怖い4番ソト、5番ポランコと続く...。またしてもマリーンズの九回の奇跡(前日まで4試合連続で九回に追い付く)に虎は飲み込まれてしまうのか...。しかし、才木-梅野のバッテリーは「ビクついてもやられるときはやられるんや! 真っ向勝負したろやないか!!」でソトを遊ゴロのゲッツーに、最後はポランコを二ゴロに仕留める炎の投球で6勝目。そして虎の連敗ストップに感謝感激雨あられ!! 一回先頭打者ホームランの森下、これからも頼むでェ!!ただ...平凡なフライを捕球しただけで拍手喝采を浴びるミエセス(一回に左前打を後逸)がスタメンじゃ、まだまだ虎のいばらの道は続きそうなのだ。ハ~ァ...。

◆投手戦は趣味に合わない虎ソナも、このスミイチ、1-0完封にはしびれた。優勝もしていないのに抱き合うバッテリーにも否定的だったが、才木&梅ちゃんの抱擁シーンに「ようやった!」と声を上げていた。試合前。当番デスク・阿部祐亮が調べていた。「交流戦の開幕5連敗はいつ以来かな、と。和田監督の時でした。僕がトラ番キャップですね」何となくイラっとした。すでに敗戦を覚悟しているような口調だったから。まあ、これがデスクの大事な仕事ではあるのだが。才木は必死で投げていた。森下の一発しか援護はないが、何にもないよりマシだ。固唾をのんで見守っていたら、デスク阿部が再び調べ始めた。「シーズンで2度、1-0完封した投手って、そうはいませんよね。いま、阪神では誰以来か、調査を開始しました」今度は、こちらまでうれしくなった。シーズンに1度、実現するだけでも大変なのに、2度なんて。やがて、才木の気分爽快になるヒーローインタビュー。超一流の仲間入りだ。

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ロッテ
312 0.750
(↓0.25)
-
(-)
1219
(-)
16
(+1)
3
(-)
2
(-)
0.278
(↓0.015)
2.440
(↑0.26)
2
(1↑)
ソフトバンク
420 0.667
(↑0.067)
0
(↓1)
1216
(+5)
11
(+3)
3
(+2)
5
(+1)
0.215
(↑0.007)
1.600
(↓0.24)
2
(1↑)
巨人
420 0.667
(↑0.067)
0
(↓1)
1221
(+7)
13
(+1)
2
(-)
5
(+1)
0.245
(↑0.028)
2.060
(↑0.21)
2
(-)
楽天
420 0.667
(↓0.133)
0
(-)
1224
(-)
20
(+4)
4
(-)
5
(-)
0.246
(↓0.004)
3.450
(↓0.45)
5
(2↑)
日本ハム
320 0.600
(↑0.1)
0.5
(↓1)
1329
(+9)
12
(+2)
6
(+2)
1
(-)
0.315
(↑0.018)
2.350
(↑0.08)
6
(3↓)
DeNA
330 0.500
(↓0.1)
1
(-)
1221
(+2)
26
(+9)
6
(-)
1
(-)
0.251
(↓0.007)
4.180
(↓0.88)
6
(2↑)
中日
330 0.500
(↑0.1)
1
(↑1)
128
(+2)
8
(+1)
2
(+1)
3
(-)
0.190
(↑0.002)
1.110
(↑0.1)
6
(3↓)
西武
330 0.500
(↓0.1)
1
(-)
1210
(+1)
17
(+7)
2
(-)
1
(-)
0.185
(↓0.006)
2.550
(↓0.91)
9
(1↓)
ORIX
240 0.333
(↓0.067)
2
(-)
1213
(+1)
23
(+2)
0
(-)
5
(+4)
0.230
(↑0.001)
3.440
(↑0.54)
9
(1↓)
広島
240 0.333
(↓0.067)
2
(-)
1222
(+3)
18
(+5)
3
(+1)
3
(-)
0.244
(↓0.004)
2.390
(↓0.51)
11
(-)
ヤクルト
132 0.250
(↑0.25)
2
(↑1)
1218
(+4)
24
(-)
4
(+1)
3
(-)
0.236
(↑0.012)
3.930
(↑0.44)
12
(1↓)
阪神
140 0.200
(↑0.2)
2.5
(↑1)
139
(+1)
22
(-)
2
(+1)
2
(-)
0.205
(↓0.016)
3.230
(↑0.76)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
27234 0.540
(↑0.009)
-
(↓0.5)
89134
(+7)
131
(+1)
23
(-)
30
(+1)
0.231
(↑0.003)
2.270
(↑0.03)
2
(1↓)
広島
24214 0.533
(↓0.012)
0.5
(↑0.5)
94152
(+3)
124
(+5)
23
(+1)
27
(-)
0.242
(↓0.001)
2.330
(↓0.05)
3
(-)
阪神
26234 0.531
(↑0.01)
0.5
(↓0.5)
90158
(+1)
150
(-)
25
(+1)
17
(-)
0.221
(↓0.002)
2.270
(↑0.04)
4
(1↑)
中日
23255 0.479
(↑0.011)
3
(↑0.5)
90134
(+2)
156
(+1)
22
(+1)
16
(-)
0.235
(↓0.001)
2.630
(↑0.05)
5
(1↓)
DeNA
24271 0.471
(↓0.009)
3.5
(↓0.5)
91169
(+2)
196
(+9)
27
(-)
31
(-)
0.245
(↓0.001)
3.420
(↓0.1)
6
(-)
ヤクルト
19294 0.396
(↑0.013)
7
(↑0.5)
91179
(+4)
181
(-)
36
(+1)
23
(-)
0.237
(↑0.001)
3.330
(↑0.04)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
33152 0.688
(↑0.007)
-
(-)
93213
(+5)
113
(+3)
34
(+2)
39
(+1)
0.256
(-)
2.000
(↓0.01)
2
(-)
ロッテ
27195 0.587
(↓0.013)
5
(↓1)
92158
(-)
153
(+1)
24
(-)
18
(-)
0.247
(↓0.001)
2.720
(↑0.04)
3
(-)
日本ハム
28202 0.583
(↑0.009)
5
(-)
93181
(+9)
152
(+2)
27
(+2)
45
(-)
0.248
(↑0.003)
2.720
(↑0.02)
4
(-)
楽天
22281 0.440
(↓0.009)
12
(↓1)
92165
(-)
217
(+4)
18
(-)
36
(-)
0.237
(↓0.001)
4.000
(↓0.03)
5
(-)
ORIX
21292 0.420
(↓0.009)
13
(↓1)
91157
(+1)
171
(+2)
17
(-)
24
(+4)
0.242
(↓0.001)
2.910
(↑0.03)
6
(-)
西武
18330 0.353
(↓0.007)
16.5
(↓1)
92128
(+1)
184
(+7)
25
(-)
24
(-)
0.211
(↓0.001)
3.200
(↓0.07)