広島(★1対2☆)阪神 =リーグ戦10回戦(2024.05.23)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
1000001002910
広島
0000000101810
勝利投手:西 勇輝(2勝1敗0S)
(セーブ:ゲラ(0勝2敗7S))
敗戦投手:ハッチ(0勝3敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 広島戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆阪神が接戦を制した。阪神は初回、大山の適時打で先制する。そのまま迎えた7回表には、森下の犠飛で貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・西勇が6回3安打無失点の好投で今季2勝目。敗れた広島は9回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆阪神が、この日の広島戦でセ・リーグ通算1万試合に到達する。今季、パ・リーグでは西武、ロッテ、ソフトバンクがリーグ通算1万試合をクリアしているが、セ・リーグでは阪神が最速になる(1リーグ時代からの通算1万試合には15年に到達しているが、これも最速だった)。そう聞いて、疑問を抱く方もいるかもしれない。なぜ阪神がリーグ最速で到達なのか。なぜパ・リーグではすでに3チームも到達しているのか。各球団の試合数を合わせることは記録面の公平さなどを考慮すると当然だし、なぜ試合数に差があるのか?それは、かつてセとパで試合数が違ったり、シーズン途中の打ち切り、引き分け再試合が存在した時代があったからだ。たとえば、2リーグ制になって2年目の1951年(昭26)はシーズン後に日米野球が予定されていた。同年9月にコミッショナー裁定がくだされ「ペナントレースは10月9日を最終日とする」と公式戦の日程打ち切りが決められた。その影響もあり、セで最も多く試合を消化したのは116試合の大阪(現阪神)で、最少99試合の広島と17試合も差が出た。パでも最多は毎日(現ロッテ)の110試合、最少は阪急(現オリックス)の96試合で14試合差となった。また、セは90~00年に引き分け再試合を採用(62、66~68年は両リーグで採用)しており、これによっても消化試合数に差が生まれた。阪神と巨人を例に取れば、90~00年の11年間で、阪神は巨人より計4試合多く戦っている。そもそもセとパで開催試合数が違うシーズンもあった。1963年(昭38)をみると、セは4月13日開幕で各球団140試合。だが、パは1週間早い4月6日開幕で、150試合だった。64年も同様だ。現在は両リーグで足並みをそろえるが、以前はセもパも独自路線だったためだ。逆に04~06年にはパが行っていたプレーオフのため、パの公式戦数はセより5~10試合少なかった。セ・パでクライマックス・シリーズが開催されるようになった07年からは、両リーグの試合数は同数に落ち着いた。なお、69年以降引き分け再試合を採用していないパは同年から、セは01年からリーグ内の試合数は各球団同数になっている。試合数がリーグ内でバラバラだったシーズンは多くないが、2リーグ制初期などの積み重ねが各球団の1万試合到達の差になって表れている。日本プロ野球の歴史を示す数字の差、ともいえそうだ。ちなみに、阪神だけでなく、05年創設の楽天を除く残り7球団も、交流戦が終わるまでにはリーグ1万試合に到達する予定だ。【遊軍・高垣誠】

◆阪神のセ・リーグ1万試合目のスタメンが発表された。1番近本光司外野手(29)、4番大山悠輔内野手(29)ら昨季リーグ優勝、日本一に輝いた不動のメンバーが上位打線に並んだ。先発は西勇輝投手(33)広島はセのカード別ではダントツの通算15勝を挙げている相手。今季2度目の対戦で、前回は勝ち負けつかずも8回5安打無失点と好投しており、再び広島打線を抑え込んで今季2勝目を狙う。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が2試合連続で初回に先制打を放った。2死二塁から広島右腕ハッチに追い込まれたが、内角の直球に詰まらされながら右翼前にしぶとく落とした。阪神のこの試合がセ・リーグ1万試合目の節目。最初の得点は4番を任される大山のバットから生まれた。大山は前日の同試合でチーム全得点となる2打点。通算501打点とし、2-1勝利に貢献していた。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が死球でヒヤリとさせた。3回無死二塁で広島ハッチの内角に食い込こむ球を右手甲付近に受けた。ビジター席の阪神ファンから大きな声が上がったが、幸いにも当たったのはガードの上から。間をおかず一塁に歩く中野の姿に、拍手が送られた。

◆阪神が3回無死満塁の大チャンスで無得点に終わった。先頭の近本光司外野手(29)が二塁打で出塁。四死球で3つの塁を埋めたが、先制打を放っている4番の大山悠輔内野手(29)が一飛。5番のシェルドン・ノイジー外野手(29)は三ゴロ併殺に倒れた。X(旧ツイッター)ではすぐに「ノーアウト満塁」がトレンドワード入り。両軍ファンからの意見が飛び交った。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆阪神が好守連発で失点を防いだ。1-0の4回2死一、二塁では右翼への大飛球に森下翔太外野手(23)が全力で背走し、最後はジャンプしてつかんだ。フェンスぎりぎりでの好捕だった。5回2死一、二塁では二塁の中野拓夢内野手(27)が一、二塁間への打球に追いつき、回転しながら一塁に転送した。最終バウンドが不規則にはねたが、冷静にしっかりグラブに収めた。3回には近本光司外野手(29)のスライディングキャッチもあった。力投する西勇輝投手(33)をバックが支えた。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆広島坂倉将吾捕手(25)の手痛いミスから追加点を許した。1点ビハインドの7回。1死一塁から中野の弱いゴロは一塁と投手の間に転がった。捕球した坂倉は誰もカバーに入っていない無人の一塁へトス。白球がファウルゾーンに転がる間に、それぞれ走者が進塁した。1死一、二塁が、1死二、三塁となり、代わった矢崎が森下を打ち取った中飛は犠飛となった。捕手登録ながら、前日に続き一塁での先発となった坂倉のミスでリードを広げられた。

◆阪神にとっては幸運な珍プレーが起きた。7回1死一塁。中野拓夢内野手(27)が打ったボテボテの打球は一、二塁間へ。勢いがなかったため一塁手の坂倉将吾(25)がつかみにいった。だが、振り向きざま、誰もカバーに入っていない一塁ベースにトスしてしまい、ボールがファウルグラウンドを転々。その間に一塁走者も打者走者も進塁。1死二、三塁とチャンスを広げた。続く森下翔太外野手(23)が中堅に犠飛を打ち上げ、ほしかった2点目を手にした。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が痛すぎる失策を犯した。2-0の8回2死一塁から菊池涼介内野手(34)が左翼正面への安打。捕球体勢に入ったノイジーだったが、ボールを後ろにそらし、一塁走者が一気に生還。打者走者も二塁に進んだ。その後、中野拓夢内野手(27)の好守が飛び出し、かろうじてリードを保ったが、展開を左右しかねない凡ミスだった。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆首位阪神が1点差の薄氷勝利で、セ・リーグ通算1万試合目を白星で飾った。2連勝で4カード連続のカード勝ち越し。2位広島との直接対決を制し、ゲーム差は2・5に開いた。阪神は初回に先制に成功。2死二塁で4番大山悠輔内野手(29)が広島ハッチのツーシームを捉え、右翼へ先制適時打を放った。そして1点リードのまま迎えた7回、岡田彰布監督(66)は先発西勇輝投手(33)に代わり代打前川右京外野手(21)を送ったが、広島は左腕の塹江を投入。ここで岡田監督は「代打の代打」ヨハン・ミエセス外野手(28)を送った。ミエセスが四球で出塁すると、代走に植田。続く近本は三ゴロ併殺崩れとなったが、1死一塁から中野が一塁前方へ内野安打を放った。すると捕球した一塁手の坂倉が、誰もカバーに入っていない一塁へ悪送球。敵失で好機が1死二、三塁と広がり、森下の中犠飛で大きな1点を追加した。先発の西勇は3回まで無安打に抑える好投で、6回3安打無失点で今季2勝目となった。中継ぎ陣は7回に登板した石井が8回先頭の二俣までを抑え、秋山を迎える場面で左腕桐敷にスイッチ。2死一塁からノイジーの失策もからんで1点差に迫られるも、なんとか踏ん張った。9回は守護神ゲラがマウンドへ。1死一、三塁のピンチを招くも、最後は二ゴロ併殺で白星を守り抜いた。。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆広島が首位阪神に競り負けて連敗し、5カードぶり負け越しとなった。1回にハッチが先制を許し、7回には捕手ながら2戦連続で一塁で出場の坂倉が、投手寄りのゴロを無人の一塁へトスする悪送球からピンチを広げて追加点を許した。新井監督は「慣れていないポジションで起用しているのは自分なので」とかばったが手痛いミスとなった。8回に1点を返し、9回は1発出ればサヨナラの状況も、代打松山が併殺打。あと1歩及ばなかった。▽広島ハッチ(中27日での先発で5回1失点も3敗目)「全体的によく投げられた。初回の1点もいいところに落とされた」

◆首位阪神が1点差の薄氷勝利で、セ・リーグ通算1万試合目を白星で飾った。2連勝で4カード連続のカード勝ち越し。2位広島との直接対決を制し、ゲーム差は2・5に開いた。阪神は2リーグ分立後の総試合数が1万試合となった。セ・リーグ球団では初で、パの西武、ロッテ、ソフトバンクに続いて4チーム目。なお1リーグ時代も含めると通算1万1235試合で、5633勝5254敗348分けで勝率5割1分7厘。2リーグ分立後の球団初戦は50年3月10日中日戦。金田正泰、後藤次男、藤村富美男といった好打者をスタメンにそろえたが、0-5の完封負けだった。なお59年6月25日の巨人との天覧試合は、1207試合目。伝説のバックスクリーン3連発、85年4月17日巨人戦は4587試合目。昨年の優勝決定9月14日巨人戦は9940試合目だった。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆阪神大山悠輔内野手(29)が2日連続で勝利打点を挙げた。前日に続いて、また初回のチャンスをモノにした。2死二塁から右腕ハッチに追い込まれたが、内角の直球に詰まらされながら右翼前にしぶとく落とした。「追い込まれていましたが、しっかり振り切ることができました。先制点を取ることができてよかったです」と先制点奪取を振り返った。阪神にとってセ・リーグ1万試合目の節目。最初の得点は4番のバットから生まれた。結果的に勝利に導く一打となったが、笑顔はなかった。「追加点を取れるチャンスはいっぱいあった。反省しないといけない。粘ってもらったチームメートに感謝しかないです」。表情を引き締めながら大粒の汗をぬぐった。ことごとく得点機で回ってきた。象徴的なのは3回。無死満塁で一飛に倒れた。一気呵成(かせい)にハッチを攻め落としたい場面。続くノイジーも併殺で好機を逸した。大山は5回、7回も得点圏に走者を置きながら凡飛。そして9回2死満塁、最後のチャンスも遊ゴロに倒れた。必死の全力疾走もかなわなかった。ビジター席の阪神ファンに何度もため息をつかせてしまった。重い責任を痛感しながら、切り替えに努めた。【柏原誠】なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆首位阪神が1点差の薄氷勝利で、セ・リーグ通算1万試合目を白星で飾った。2連勝で4カード連続のカード勝ち越し、貯金は今季最多の7。直接対決を制し、2位広島とのゲーム差は2・5に開いた。先発の西勇輝投手(33)は、3回まで無安打に抑える好投で6回3安打無失点で今季2勝目を挙げた。西勇のヒーローインタビューは以下の通り。-9回裏の最後の守りはどう見ていたか「腹くくるしかない場面だったので、チームの頑張りを信じて応援しました」-今日の投球を振り返って「朝から(捕手の)梅野と話して、こういうリードがしたいと。野手の守りもよかったですし、リズムよくいけました」-4、5回に一、二塁のピンチがあった「前回の登板が打たれてからテンポが速かったので、間を置くように意識して投げていました」-8回には二塁の中野の好守があった「このチームでいいリズムで、みんながいい表情でどんどん野球ができるように頑張っていきたいと思います」-今季の好投の要因は「あまり理由はないんですけど、自分のペースで自分の間で、キャッチャーとの呼吸もよくてリズムよく今後の試合も投げていければいいなと思います」-首位攻防3連戦勝ち越した「このカードが非常に大事でしたし、初戦で村上が苦しく投げていましたけど今までのあいつの頑張りを見たら、なんとか大竹と僕がリズムよく行って中継ぎに渡せば勝てると思っていたので。そのリズムができたので、甲子園に帰ってからまだまだ試合があるんで、早く帰って甲子園の試合に備えたいと思います」なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆阪神森下翔太外野手(23)が攻守で勝利に貢献した。まずは1-0で迎えた4回の守備だ。2死一、三塁、広島坂倉の右翼後方への大飛球にフェンス手前でジャンピングキャッチ。「ボールとフェンスの両方を見ながら追えたので、大丈夫でした。守備でああいうところで、僅差のところで貢献できた」。フェンスギリギリでの好捕に、マウンド上の西勇も笑顔でねぎらった。バットでは1-0のまま迎えた7回1死二、三塁、フォークを捉えて中犠飛。三塁走者の近本を悠々とホームにかえした。「大山さんに基本的に全部つなぐという意識で、ここ最近のゲームはずっとやってます」。少ない好機をしっかり生かした。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆阪神中野拓夢内野手が決勝点へつないだ。7回1死一塁で内野安打を放つと、捕球した一塁手の坂倉が誰もカバーに入っていない一塁にトス。敵失から1死二、三塁となり、森下の中犠飛で大きな1点が追加された。守備でも5回2死一、二塁で秋山の痛烈な一、二塁間ゴロに追いつき、1回転して一塁送球。1点差に迫られた8回2死一、二塁では坂倉の後方への飛球をジャンピングキャッチ。1点差の9回1死一、三塁でも二ゴロ併殺を完璧にさばいた。9回の守備は「ショートが投げやすい送球もできたので、あそこはすごく集中力を持ってできた」と自身も納得のプレー。「いつも監督がおっしゃっている守りの野球というのが一番。守ればこういう接戦もものにできる試合がどんどん増えてくる」と胸を張った。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆阪神ハビー・ゲラ投手(28)が冷や汗ものの7セーブ目だ。1点リードの9回に登板。だが連打を食らって1死一、三塁と絶体絶命のピンチ。ここで代打松山を詰まらせ、二塁中野の好守で二-遊-一の併殺でゲームを終わらせた。自身の2敗はともに広島戦だった。「チームが勝ったことが一番大きい。中野選手、木浪選手の素晴らしいプレーだった。いつも彼らには助けてもらっているよ」と感謝しきりだった。▽阪神桐敷(8回1死から登板し2安打1失点)「野間選手のところがもったいなかった。あそこでちゃんと切っておけば、と。反省点なので、次回に生かしたい」なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆首位阪神が1点差の薄氷勝利で、セ・リーグ通算1万試合目を白星で飾った。2連勝で4カード連続のカード勝ち越し。2位広島との直接対決を制し、ゲーム差を2・5に広げた。阪神岡田彰布監督(66)は節目の勝利にも「あーそう、そんなん知らんわ。いつも後から聞くだけやで」といつもと変わらず。4カード連続勝ち越しにも「4カード連続初戦負けやん。そやろ」と話した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-最後もよく守ったまあ、やられるパターンやけどな。普通やったらな。あんだけチャンスつぶしたからの。-中野は大きなプレーがうーん。まあ、松山やったからな。ゲッツー態勢、あれや。外野フライで同点はしゃあない。こんなの。同点まではオッケーと思ってたからな。-ノイジーはエラーもあったが、他もよく守ったおう、守ったけどな。まあ、あんなん、追加点取れとったら、もっと楽な展開になっとるんやけど。チャンスなったら、ほんっとアカンよな。-7回は失策と内野安打で1点取れたのが大きいいやいやいや、先頭な、ミエセスがフォアボール選んだからな。あれはやっぱり大きかったよ。1-0やったら全然分からん。この展開的にな。チャンスをつぶしてるわけやから。-代打の代打入れてそこに代走を差し込んで1点でも取りにいかんと。そんな1-0で逃げ切るなんか無理よ。-追加点取るなら7回だとそらな、打順が上位にくるからな。-動いたイニングでまあな、エンドランでもかまさんとなかなかな。左ええからな、あの2人。左バッターはしんどいよな。なんとかバット当ててくれと思ったけど、それでうまいことな、二塁進めとったらピッチャー代わると思っとったからな。-石井がイニングをまたいだりいや、だから、あそこで普通は左くるけどな、おーん。自分らがやったから嫌やったんやろな。あれはやっぱり俺は良かったと思うよ。-右打者の二俣だったいやいや、それは読み過ぎやろ。それは俺も分かっとったけどな、左な。だから糸原残しとくんで前川やったから、おーん。あれはもう、左代打こられて、桐敷代えとった方が嫌やった。桐敷と二俣の方が嫌やった。昨日の岩崎の件があるからな。でもそれを読んで先に二俣きたから良かった。もう石井には、右やったら1人いくって言うてあったからな。こっちのもうなあ、予定通りやったよ。-4カード連続勝ち越しあー、でも4カード連続初戦負けやん。そやろ。そのへんちょっとお前、もうちょっと楽になあ、やっぱりのう。ゲームせんと、1点差ばっかりやんか。-セ・リーグ通算1万試合あーそう、そんなん知らんわ。いつも後から聞くだけやで。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆阪神近本光司外野手が今季初の3安打でチャンスメーク役を全うした。3回の左中間二塁打にはじまり、5回に左前、9回に右前へと打ち分けた。得点にはつながらなかったが1番に復帰後4試合で8安打。打率2割8分8厘まで上げてきた。「自分のやりたいことができているかどうかなので、結果は別に。積極的というより、打てるボールをしっかり打ちにいっているだけ」とクールに振り返った。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆広島が首位阪神に競り負け、5カードぶりの負け越しとなった。1回に先制点を許したハッチは、5回1失点と粘投も3敗目。0-1の7回、捕手ながら2戦連続で一塁で出場の坂倉が投手寄りのゴロを無人の一塁へトスする悪送球からピンチを広げ、追加点を許した。打線は8回に相手のミスから1点を返し、9回は1死一、三塁の好機をつくるも、代打松山が併殺に倒れた。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-最後はあと1歩まで粘った新井監督 そうよね。負けはしたけど、本当になんていうかみんな頑張ってくれて、紙一重のところまでいっているので、相手は去年の日本一のチームなので自信にしていい、いい内容だったと思います。-打線は阪神先発の西投手の両サイドに投げ分ける投球に苦しんだ新井監督 でもサク(坂倉)にしても各バッターは紙一重だった。今年何回目の対戦だったかな。2回目。内容、すごくよかったと思います、各打者のアプローチの仕方。紙一重のところが多かったので-先発のハッチは5回1失点新井監督 雨で中止で流れて結構多かったんで、ゲームはつくってくれたと思います。-7回は一塁手の失策から失点。不慣れなポジションだが新井監督 使っているのは私なので。-敗戦も、終盤の粘りは今後につながる新井監督 何というのか、悔しいけど紙一重のゲームだったなと思います。-矢野選手が粘りながら3安打猛打賞新井監督 本当にね、試合に出るたびに成長してくれているなと思う。相手が嫌がるようなバッターになりつつあるなと思います。-坂倉選手の失策の場面は声掛けが欠けていたのか新井監督 慣れていないというだけ。あの方向であの打球。ノールックで(一塁ベースカバーに)入っているものだと思って。慣れていないポジションだからだと思います。慣れていないポジションで起用しているのは自分なので。

◆また1点差勝ち! 阪神がセ・リーグ最速の1万試合目を薄氷の勝利で飾り、貯金を今季最多7に増やした。2点リードの8回裏に左翼ノイジーが痛恨の適時失策。打線も再三の拙攻に苦しんだが、最後は1点リードの9回裏1死一、三塁を併殺打でしのいだ。岡田彰布監督(66)も「やられるパターンやけどな」と節目の勝利にひと安心だ。今季は1点差ゲームで13勝3敗、12球団最高の勝率8割1分3厘。2戦連続1点差勝ちで4カード連続勝ち越しを決め、2位広島に2・5ゲーム差をつけた。阪神は最短24日にも交流戦前首位が確定する。阪神が巨人戦○なら、広島の結果と無関係に決定。阪神△なら広島△または●、阪神●でも広島も●なら決まる。なお阪神は24日巨人●の場合、広島の結果次第で25~26日にも●●で巨人と同率首位となる可能性を残す。なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆節目の一戦で、阪神西勇輝投手(33)が躍動した。得意の広島を相手に6回3安打無失点で、今季2勝目を挙げた。3回までの打者一巡はパーフェクト。4回以降は毎回走者を背負ったが、要所で粘りを見せた。「先頭バッターの初球を意識しました。ヒットを打たれてからは投げ急がないように意識して。いつもより間を長くしました」1点リードの4回には1死一、二塁を招いたが、4番小園を中飛、5番坂倉を右飛に打ち取り無失点。5回には自身2試合連続安打となる中前打も放った。チームにとって、セ・リーグ通算1万試合目のメモリアルゲーム。堂々の96球で、勝利をもたらした。今季2度目の広島戦。前回対戦も勝ち星こそつかなかったが、8回5安打無失点と快投していた。対セ・リーグ球団では断トツの通算16勝目。今季も14イニング無失点と、コイキラーぶりは際立っている。「ポイントポイントでよかった。うまく(間合いなど)強弱もつけられて、結果としていいリズムで行けたと思う」と充実感をにじませた。昨オフから息子との絆を道具に刻んでいる。試合ではシンプルなキャメルカラーのグラブを使うが、練習用で使用するのはカラフルな新グラブ。白色を基調に赤、青、水色の差し色が加えられた色合いだ。「息子チョイスで作ったグラブです」。ちょうど野球を習い始めた子どもが色を選び、おそろいで作った思い入れのあるグラブ。6試合で防御率1・34と快投を重ねる今季。野球少年となった愛息に、かっこいいパパの背中を見せ続けている。この白星で通算120勝にも到達。「まだまだ勝ちたいですし。ダル(ダルビッシュ)さんが200勝いって、年齢はあまり変わらないのにこれだけ差がつくのはやっぱりすごい。1個でも多く、野球選手が終わった時に勝ちがついていたらと思います」。プロ16年目のチーム最年長右腕は、抜群の安定感でチームを支える。【波部俊之介】なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入

◆阪神は23日の広島戦(マツダ)でセ・リーグ通算1万試合に達する。1936年に1リーグでスタートしたプロ野球は50年に2リーグに分かれ、セ・リーグに属した阪神は3月10日の中日戦(下関)が初戦だった。この日の広島戦が9999試合目で、通算4902勝4782敗315分け、勝率・506。引き分け再試合の制度だったシーズンもあるため各球団で試合数に違いはあるが、他の5球団も6月上旬までにはすべて1万試合に到達する予定。パ・リーグは西武、ロッテ、ソフトバンクがすでに1万試合に到達している(すべて前身球団を含む)。

◆阪神は、セ・リーグ通算1万試合を迎えた。引き分け再試合のシーズンもあったため試合数に差はあるが、セ6球団最速となる節目の1試合に臨む。前夜は接戦をものにし、今カード成績は1勝1敗に。4カード連続となる勝ち越しを決め、今季最多の貯金「7」を狙う。先発のマウンドに上がるのは西勇輝投手(33)。前回登板となった16日の中日戦(バンテリンドーム)では6回2失点と好投し、14年連続となる白星を挙げた。勢いそのままにNPB通算120勝目を目指す。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が2試合連続の先制打を放った。「打ったのはストレート。追い込まれていましたが、しっかり振り切ることができました。まずは先制点を取ることができてよかったです。ここから追加点をとっていけるように頑張ります」一回1死から中野が広島の先発・ハッチのカットボールを右前に運ぶと、森下の打席で今季4盗塁目となる二盗に成功。森下は三振も2死二塁で4番・大山が打席に向かった。カウント1-2から4球目、149キロツーシームに詰まりながらも右前へ。22日の同戦に続き、虎の4番が先制パンチを食らわせた。

◆阪神が追加点の絶好機を逃した。1-0の三回。先頭の近本が二塁打を放つと、中野が死球、森下は四球で無死満塁とした。しかし4番の大山が一飛。ノイジーは今季9個目の併殺打となる三ゴロ併殺に倒れ、マツダンスタジアムに詰めかけた虎党からため息が漏れた。

◆阪神・森下翔太外野手(23)の好プレーで得点を許さなかった。1-0の四回、三回までパーフェクトに抑えていた西勇が1死から野間、菊池に連打を浴び、一、二塁のピンチを背負う。小園を中飛に抑えて2アウトとし、打席には坂倉。2球目を強振すると、鋭い白球は右翼の頭上を襲った。上がった瞬間はあわや逆転弾かという打球だったが、右翼・森下がダッシュで後退。最後はジャンプをしてつかみ取り、体をフェンスにぶつけながらもグラブに収めた。抜ければ逆転という一打を防ぎ、西勇を救った。

◆阪神が大きな追加点を挙げた。七回、先頭の西勇に代わって代打・前川がコールされると、広島は左腕の塹江をマウンドへ。岡田監督はすかさず代打の代打・ミエセスを打席に送った。そのミエセスが四球で出塁すると、代走・植田が送られる。近本は三ゴロで走者が入れ替わって1死一塁。中野の打席でカウント2-1として4球目、一走・近本がスタートを切った。中野はしぶとく食らいついて、打球は投手と一塁手の間に転がるボテボテのゴロ。捕球した一塁・坂倉だが、ベースカバーのいない一塁へボールを投げてしまい、結果、阪神は1死二、三塁の好機を作った(記録は中野の内野安打と一塁手の失策)。森下が代わった投手の矢崎から中犠飛を放って待望の2点目をたたき出した。森下の談話 「打ったのはフォーク。外野フライでも1点取れるケースだったので、ゾーンを上げて打ちにいきました。浮いた球をしっかり打ちにいくことができましたし、追加点が取れてよかったです」

◆先発した阪神・西勇輝投手(33)が6回無失点で降板した。抜群のテンポでコーナーに集めて三回までは一人も走者を許さない。四回1死から連打を浴びて走者を背負ったが、2死一、二塁から迎えた坂倉は、右翼・森下の好プレーもあり右飛に抑える。五回も2死一、二塁となるも秋山を二ゴロに仕留め、六回も得点を与えず。七回先頭の打席が送られて降板となった。6回96球で被安打はわずかに3本。NPB通算120勝の権利を持ってマウンドを降りた。西勇の談話 「野手のみんながいい守りをしてくれて自分も乗っていくことができました。梅野と話しながらランナーを出しても落ち着いて投げていけたと思います」

◆阪神は中野拓夢内野手(27)のスーパープレーで窮地を脱した。2-0でリードして迎えた八回。先頭の代打・二俣を石井が見逃し三振に抑え、左打者が並ぶ上位打線で桐敷にスイッチ。秋山を見逃し三振に斬ったが、2死からだった。野間に追い込みながら三塁後方に落ちるヒットで出塁されると、菊池にも左前打を浴びる。この打球を処理しようとした左翼・ノイジーが、バウンドが合わずに後逸。一塁走者は一気に生還して1点差となり、打者走者も二塁に進まれた。小園は申告敬遠で歩かせて一打同点のピンチ。坂倉が打った当たりは二塁後ろへ上がった。二塁・中野は背走し、ジャンプ一番。落ちれば確実に同点という打球をつかみ取った。昨季ゴールデングラブ賞にも輝いた名手が、土壇場でチームを救った。

◆阪神・近本光司外野手(29)が九回の第5打席で右前打を放ち、今季初の3安打猛打賞をマークした。1点差に迫られた九回1死二塁の好機。ケムナの118キロカーブを振り抜いた。鋭い打球は一、二塁間を破って右前へ。近本は三回に二塁打、五回には左前打を放ち、45試合目で今季初の猛打賞と固め打ちだ。1死一、三塁とした阪神打線は中野が四球でつないで満塁。しかし森下が三振、大山が遊ゴロに倒れて無得点。三回無死満塁では大山が一飛、ノイジーが三ゴロ併殺で無得点に終わったが、またも絶好機で得点を奪うことができなかった。

◆阪神は連夜の1点差ゲームを制し、4カード連続となるカード勝ち越しを決めた。一回、中野拓夢内野手(27)が右前打で出塁し、今季4つ目となる盗塁を決める。2死となって4番・大山悠輔内野手(29)が詰まりながらも右前にポトリと落とす適時打で、2試合連続の先制打を放った。七回には相手のミスからチャンスを広げて森下翔太内野手(23)の中犠飛で追加点を挙げた。投げては先発の西勇輝投手(33)が6回無失点の好投で2連勝。わずか3安打に抑え、自身NPB120勝を収めた。石井大智投手(26)、桐敷拓馬投手(24)とつなぎ、九回はハビー・ゲラ投手(28)が締めて7セーブ目。九回は1死一、三塁のピンチも中野が一二塁間の打球を華麗にさばいて併殺とし、守り切った。1点差勝利はこれで今季13勝目。記念すべき阪神のセ・リーグ1万試合目を勝利で飾り、貯金は今季最多の「7」とした。

◆八回2死一、二塁で、広島・坂倉将吾の飛球を背走好捕する阪神・中野拓夢=マツダスタジアム(撮影・根本成)

◆阪神がセ界最速のリーグ通算1万試合を白星で飾った。一回2死二塁、大山悠輔内野手(29)が2試合連続適時打を右前に運んで先制。七回は森下翔太外野手(23)の中犠飛で加点した。6回3安打の西勇輝投手(33)は2勝目(1敗)で通算120勝(102敗)。八回は桐敷拓馬投手(24)がシェルドン・ノイジー外野手(29)の失策で1点を失ったが、後続を断った。九回もハビー・ゲラ投手(28)が1死一、三塁のピンチをしのいだ。リーグ戦成績は4903勝4782敗315分。勝利数は巨人5504勝、中日4994勝に次いで3位。連夜の1点差勝利で4カード連続勝ち越し。今季最多の貯金「7」とした岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=24勝17敗4分、観衆=2万7655人)。ーー最後もよく守った「まあ、やられるパターンやけどな。普通やったらな。あんだけチャンスつぶしたからの」ーー中野は大きなプレーが「うーん。まあ、松山やったからな。ゲッツー態勢、アレや。外野フライで同点はしゃあない。こんなの。同点まではオッケーと思ってたからな」ーーノイジーはエラーもあったが、他もよく守った「おう、守ったけどな。まあ、あんなん、追加点取れとったら、もっと楽な展開になっとるんやけど。チャンスなったら、ホント、アカンよな」ーー七回は失策と内野安打で1点取れたのが大きい「いやいやいや、先頭、(代打前川の代打の)ミエセスがフォアボール選んだからな。アレはやっぱり大きかったよ。1-0やったら全然分からん。この展開的にな。チャンスをつぶしてるわけやから」ーー代打の代打で代走「1点でも取りに行かんと。そんな1-0で逃げ切るなんか無理よ」ーー追加点取るなら七回だと「そらな、打順が上位に来るからな」ーー動いたイニングで「まあな、エンドランでもかまさんと、なかなかな。左ええからな、あの2人。左バッターはしんどいよな。なんとかバット当ててくれと思ったけど、それでうまいことな、二塁進めとったら、ピッチャー代わると思っとったからな」ーー石井がイニングをまたいだり「いやだから、あそこで普通は左来るけどな、おーん。自分らがやったから嫌やったんやろな。アレはやっぱり俺は良かったと思うよ」ーー右打者の二俣だった「いやいや、それは読み過ぎやろ。それは俺も分かっとったけどな、左な。だから糸原残しとくんで前川やったから、おーん。あれはもう、左代打こられて、桐敷代えとった方が嫌やった。桐敷と二俣の方が嫌やった。昨日の岩崎の件があるからな。でもそれを読んで先に二俣きたから良かった。もう石井には、右やったら1人いくって言うてあったからな。こっちのもうなあ、予定通りやったよ」ーー4カード連続勝ち越し「でも4カード連続初戦負けやん(実際は3カード連続)。そやろ。そのへんちょっとお前、もうちょっと楽になあ、やっぱりのう。ゲームせんと、1点差ばっかりやんか」ーーセ・リーグ通算1万試合「あーそう、そんなん知らんわ。いつも後から聞くだけやで」

◆大山と森下が打点を挙げて勝ったので、褒めてあげたいのだが、この2人の、それ以外の打席の内容が悪すぎる。全打席ヒットを打てなんて言わないが、2人合わせて、得点圏で10打席立って、ヒットは大山の適時打1本だけなのだ。森下はボール球を振り過ぎ。3つの空振り三振はすべてボール球を振ってのもの。3番打者としては雑な部分が目立ちすぎる。大山も殊勲打は出ているが、タイミングが合っておらず、調子が上がってきたとは思えない。加えて5番のノイジーも全く期待できそうな打撃ではない。おそらく岡田監督も内心では同じ思いではないか。その証拠が、五回無死一、二塁からの中野の強攻。常識的には2番に送らせてクリーンアップで点を取りに行く。それをしないのは、1、2番しか期待できないと感じているのだろう。それでも勝てたのは、西勇を筆頭にした投手陣の頑張りと、近本、中野らの好守のおかげ。ロースコアを制して貴重な白星を得たことは大きい。ただし、投手陣も必ずへばるときが来る。その時に、近本、中野以外に安定して打てる打者が出てこないと、長いシーズンは厳しくなる。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神がセ界最速のリーグ通算1万試合を白星で飾った。一回2死二塁、大山悠輔内野手(29)が2試合連続適時打を右前に運んで先制。七回は森下翔太外野手(23)の中犠飛で加点した。6回3安打の西勇輝投手(33)は2勝目(1敗)で通算120勝(102敗)。八回は桐敷拓馬投手(24)がシェルドン・ノイジー外野手(29)の失策で1点を失ったが、後続を断った。九回もハビー・ゲラ投手(28)が1死一、三塁のピンチを招いたが、逃げ切った。守備では近本光司外野手(29)、森下、中野拓夢内野手(27)の好守が光った。リーグ戦成績は4903勝4782敗315分。勝利数は巨人5504勝、中日4994勝に次いで3位。チームは連夜の1点差勝利で4カード連続勝ち越し。今季最多の貯金「7」。主な選手のコメントは以下の通り(成績=24勝17敗4分、観衆=2万7655人)。今季初の1試合3安打に近本光司 「自分のやりたいことが出来てるかどうかだと思うので。結果は別に」九回1死一、三塁の窮地をしのいだハビー・ゲラ 「攻めの気持ちだけ忘れないように、いつも通り挑んでいたつもり」四回2死一、二塁で右飛を好捕した森下翔太 「僅差のところで貢献出来た。これからも継続してやって行きたい」八回2死一、二塁での背走キャッチに中野拓夢 「打った瞬間詰まっていたのも分かりましたし、自分の中で捕れるかなと追った結果、届いた」中野の好守に藤本敦士内野守備走塁コーチ 「粘り強く守ってくれて安心して見ていた」通算120勝に西勇輝 「まだまだ勝ちたいですし、ダルさんとかは200勝まで行っているので」

◆阪神は4カード連続の勝ち越しで今季最多を更新する貯金7。最速でのセ・リーグ通算1万試合目を白星で飾った。この日もチャンスで一本がなかなか出ない中、岡田彰布監督(66)が必死にタクトを振るい、2試合連続の同スコアで勝利をもぎ取った。今季の虎は我慢強いで~!絶体絶命のピンチをしのぎ、9999回の歓喜と悔しさを積み上げてきた虎の歴史に、新たな1勝が加わった。岡田監督が両軍の間を行き来する流れを読み切った。ギリギリの勝負を制するためにベンチの戦力を操り続け、最速でセ・リーグ通算1万試合に到達したメモリアルな一戦を白星で飾った。「あーそう、そんなん知らんわ。いつも後から聞くだけやで」経験豊富な虎将は報道陣から節目の試合と聞かされ、白い歯をこぼした。何度もチャンスをつぶし、投手陣の力投に救われたような一戦だったが、巧みなベンチワークで新井カープに最後まで主導権は渡さなかった。2-1の九回、4番手のゲラが1死から連打を許し、一、三塁とされた。打席には代打・松山。長打もあるが、うまくいけば一気に2つのアウトが取れる-。岡田監督は内野の前進守備を選択しなかった。「まあ、松山やったからな。ゲッツー態勢、あれや。外野フライで同点はしゃあない。同点まではオッケーと思ってたからな」。結果は最高の二ゴロ併殺。この瞬間、今季4度目の挑戦で初となる虎の貯金7が決まった。攻撃では必死に1点を奪いにいった。1-0の七回、左腕・塹江に対して代打の代打でミエセスを送り出して四球をもぎ取ると、1死一塁からエンドランを仕掛け、中野の一塁側への打球を処理した坂倉の悪送球も誘って二、三塁とチャンスを拡大。スイッチした右腕の矢崎のフォークを森下が外野までかっ飛ばし、貴重な中犠飛につなげた。指揮官は僅差の試合を制するためのベンチワークに「エンドランでもかまさんとなかなかな。(広島の中継ぎは)左ええからな。左打者はしんどいよな。なんとかバット当ててくれと思ったけど。それでうまいことな、二塁進めとったらピッチャー代わると思っとったからな」と、してやったりだ。選手も裏方もチームを支える大事な戦力だからこそ、きめ細やかな気配りを欠かさない。5月中旬の横浜遠征中には、トレーナー陣とともに市内で会食。前回、阪神を率いたときと同様にチーム一丸の重みを知るからこそのチームマネジメントだ。現役時代は阪神のセ・リーグ通算4000試合、5000試合にも出場した岡田監督。虎の指揮官として502勝目を挙げ、1位の藤本定義監督の514勝まであと12勝。節目の一戦で4カード連続勝ち越しを決めたのも、タテジマと強く結ばれた宿命なのかもしれない。「もうちょっと楽になあ、やっぱりのう。ゲームせんと、1点差ばっかりやんか」2位広島とはゲーム差を2・5に広げ、24日からは甲子園で3位巨人との3連戦に臨む。1万1試合目も、その先も、岡田虎は勝ち続ける。(新里公章)

◆反省の言葉しか出てこなかった。前夜のヒーロー、大山が2試合連続の先制&決勝打を放ったが、2打席目以降、4度の得点圏で凡退。チームは4カード連続となる勝ち越しを決めたが、試合後の4番に笑顔はなかった。「追加点を取れるチャンスはいっぱいあったので。それは反省しないと」一回1死から中野が右前に運び、すかざず二盗に成功。森下は空振り三振に倒れたが、2死二塁で大山は広島の先発・ハッチの149キロツーシームを詰まりながらもパワーで右前へ。「しっかり振り切ることができた」と振り返ったが、このあとが4番としていただけない。1-0の三回無死満塁の好機では一飛。続くノイジーも三ゴロ併殺打に倒れて追加点を奪えず。大山は五回2死一、二塁の打席でも浅い左飛に打ち取られると、森下の犠飛で2点を入れた七回、なおも2死二塁では右飛。そして、1点差に迫られた九回だ。1死満塁で森下が空振り三振に倒れ、敵地の虎党が祈る思いで背番号3を見つめていた打席だったが...。フルカウントからの8球目。ケムナの148キロ直球にタイミングがあわず、ボテボテの遊ゴロ。一塁への全力疾走も及ばす、悔しそうに天を仰いだ。「粘ってもらったチームメートに感謝しかないです」再三のチャンスでタイムリーを打てなかった4番は、マウンドで奮闘した投手陣にわびを入れた。ただ、前日は球団最速タイとなる8年目で通算500打点を記録するなど、これで自身が打点を挙げればチームは11勝2敗1分け。打線のキーマンであることは間違いない。(三木建次)

◆連投となった阪神・桐敷は、左打者が並ぶ上位打線に対して2―0の八回1死から登板。秋山からは見逃し三振を奪うも、野間に左前打。菊池にも左前打を浴びると、ノイジーの後逸が重なって1点を失った(自責は0)。それでも、その後の2死一、二塁では中野の美技も生まれて坂倉を二飛に。同点を許さず連夜の1点差勝利に貢献したが、「野間選手のところがもったいなかったので反省点。次回は修正したい」と振り返った。

◆阪神・森下は1―0の七回、1死二、三塁から中堅へ貴重な犠飛を放った。「外野フライでも1点取れるケースだったので、ゾーンを上げて打ちにいった」と狙い通りに今季19打点目を挙げた。守備では四回2死一、二塁のピンチで坂倉の大飛球を好捕。フェンスに体をぶつけながらもつかみ取り「ボールとフェンスの両方を見ながら追えた。守備で僅差のところで貢献できたことは、これからも継続していきたい」とうなずいた。

◆阪神・ゲラがバックの守りに助けられ、広島打線にリベンジを果たした。1点差で登板した九回は1死一、三塁のピンチを招くも、最後は代打・松山を156キロ直球で二ゴロ併殺。「最後0点に抑えられたこと、何よりチームが勝ったことが一番大きい」。8日の広島戦(甲子園)では来日初の複数失点(2失点)と今季2敗はすべて広島相手に喫していたが、悪夢を払拭し、7セーブ目を挙げた。

◆ボールに力を込め、仲間の守備にも助けられ、要所を締めて勝利への道筋を切り開いた。6回3安打無失点と好投した西勇が、広島での連勝に大貢献だ。「前回の登板が、ちょっと打たれてからテンポが速かったので、間を置くように意識して投げていました」緩急をコーナーへ正確に制球する〝らしさ〟満点の投球で、四回1死まで完全投球。中盤はピンチも迎えるも、抑えたい欲を自制し、目の前の打者に立ち向かった。バックも頼もしく、四回は連打で背負った2死一、二塁で、坂倉が放った右翼フェンス際への鋭い打球を森下が背走キャッチ。五回2死一、二塁では、一、二塁間を襲った秋山のゴロを懸命にグラブを差し出してさばいた中野の好守に助けられ、一回の1点をみんなと一緒に守り抜いた。三塁を踏ませず、先発の仕事を全うし、2勝目が届いた。これで5試合連続クオリティースタート(先発で6回以上、自責3以内)達成。規定投球回には4回?が足りないが、防御率は〝セ・リーグ隠れ2位〟の1・34と安定感は証明済みだ。

◆阪神・中野が再三の好守でチームを救った。2-1で迎えた九回1死一、三塁では代打・松山の打球を華麗に処理し二ゴロ併殺を完成。「遊撃が投げやすい送球もできたので、あそこはすごく集中力を持ってできた」と胸を張った。五回2死一、二塁では秋山の打球にバウンドを合わせて捕球。1点差の八回2死一、二塁では坂倉の放ったフライを背走してジャンピングキャッチ。打っては2安打1盗塁と躍動した。

◆阪神・近本は今季初の3安打。3試合連続の複数安打と好調だ。三回は初対戦のハッチから左中間への二塁打を放つと、五回に左前打、九回に右前打と打ち分けた。「自分のやりたいことができているかどうかだと思う。結果は別に」。打率はリーグ5位の・288まで上昇。守備でも三回にスライディングキャッチを見せるなど、頼れるリードオフマンが攻守で猛虎を引っ張る。

◆阪神・石井が今季初のイニングまたぎで役目を果たした。2-0の七回からマウンドへ。ヒットを浴びながらも無失点で終えると、八回先頭の代打・二俣を153キロ直球で見逃し三振に斬って桐敷にバトンをつないだ。岡田監督も「桐敷と二俣の方が嫌やった。昨日の岩崎の件があるからな。それを読んで先に二俣きたから良かった。石井には、『右(打者)やったら(もう)1人いく』って言うてあったからな。予定通りやったよ」としたり顔だった。

◆ヒヤヒヤ、ドキドキの終盤だったが、よくぞしのぎ切った。祝10000試合!野球の記録は、小数点以下を争う打率もあれば、通算安打数のように4桁で競う場合もある。でも、「万」の単位が記録コーナーに登場することはほぼなかった。5桁到達。途方もない、はるかな道のりを、タイガースが歩んできたことになる。セ・リーグで一番乗りってのが、さらに気分いい。「正直な感想を述べさせてもらうなら、『まだ1万?』と思ってしまって。2リーグに分立したのが1950年。そこからカウントが始まって70年以上。もっと戦ってそうな気がしていました」数字には一家言持つトラ番・須藤佳裕がマツダスタジアムの記者席で意外そうな顔をしていた。「1万回も戦って、勝率が5割をほんのちょっと超えたところというのが、阪神らしいですね。強い時代もあれば、苦労した時代もある。熱狂的な虎党のみなさんは、ほぼ同じ回数だけ、喜んで、悲しんで、タテジマとともに過ごしてきたんでしょうね。いずれにしても、おめでたい話です」と〝祝辞〟を寄せた須藤は、トラ番記者になる以前から、熱狂的虎党であり、同時に、自身が観戦した阪神戦を記録としてノートに残している、相当にマニアックなヤツである。2005年からスタートした阪神観戦日記によると、23日の試合前の段階で、567試合をナマ観戦して、291勝256敗20分(ただしポストシーズンも含む)とのこと。大きく勝ち越している。堂々たる「幸運を呼ぶ男」だ。

◆ウ~ン...。1点リードの九回1死一、三塁。これまで幾度となく阪神が苦汁をなめさせられてきたカープのアンパンマン・松山を打席に迎え、絶体絶命の大ピンチ。おまけに、好投しているのに打線の援護がなく、勝ち星に見放されている先発・西勇のここまでのマウンドも重なり、あゝこよいも悲運のマウンドとなってしまうのか...と悲痛の思いで見守った全国の虎党を、一瞬にして満面の笑みにする4-6-3のゲッツーでのゲームセット...。ふ~っ、寿命を縮めた虎同志、お疲れ様でした。てか、何で広島の先発はここまで勝ち星なしの2敗、防御率7・62のハッチなのに、打線は打てんのー!? 例えば三回、満塁からノイジーがゲッツーって...カープの助っ人外国人かァ!!(怒) いや、ノイジーだけでなく阪神打線、ハッチの投球がコーナーギリギリに決まっているとかなら話は別だけど、ほとんど甘い球だもんね~。あえて言うわ!! ソフトバンク打線ならハッチから30点とっとるでェ!!それでも勝つ阪神て...なんやー!? それは俺が思うにまだまだ発展途上のチーム!! 佐藤輝も森下も、次のドラフトでBIGな新人が入団したらとってかわられるぞー! その前に考えんかい! のヒントを、野球の神様が与えてくれているのだと思うのだ。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
24174 0.585
(↑0.01)
-
(-)
98145
(+2)
125
(+1)
22
(-)
15
(+1)
0.228
(↑0.001
2.250
(↑0.05)
2
(-)
広島
19174 0.528
(↓0.015)
2.5
(↓1)
103112
(+1)
96
(+2)
16
(-)
16
(+1)
0.234
(-)
2.270
(↑0.03)
3
(-)
巨人
21204 0.512
(-)
3
(↓0.5)
98110
(-)
114
(-)
20
(-)
23
(-)
0.230
(-)
2.370
(-)
4
(-)
DeNA
21211 0.500
(↑0.012)
3.5
(-)
100138
(+5)
152
(+3)
20
(+1)
27
(+1)
0.243
(↑0.001)
3.170
(-)
5
(-)
中日
18215 0.462
(-)
5
(↓0.5)
99118
(-)
143
(-)
19
(-)
10
(-)
0.241
(-)
2.990
(-)
6
(-)
ヤクルト
17242 0.415
(↓0.01)
7
(↓1)
100156
(+3)
149
(+5)
31
(+2)
17
(-)
0.243
(↑0.001)
3.290
(↓0.04)