1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロッテ | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 2 | 0 |
西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 | 0 |
勝利投手:種市 篤暉(3勝3敗0S) 敗戦投手:隅田 知一郎(2勝4敗0S) |
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◆接戦を制したロッテが5連勝。ロッテは2回表、佐藤の犠飛で先制に成功する。そのまま迎えた6回には、中村奨が適時打を放ち、貴重な追加点を奪った。投げては、先発・種市が9回1失点8奪三振の快投。自身4年ぶりの完投で今季3勝目を挙げた。敗れた西武は、打線が振るわなかった。
◆西武はロッテ種市に抑え込まれ、今季2度目の7連敗となった。今季のロッテ戦はこれで8戦8敗。試合中も主導権を握れずにいる。松井稼頭央監督は「チャンスは多く作れているのですが」としつつ「苦手意識を作らないようにと思う中で8敗しているので。これ以上は、という思いを持って次は戦っていきたいと思います」。借金は今季最多の16となり、なかなか打開の気配が見えてこない。▽西武隅田(初回から奪三振で絶叫するなど気持ちが入ったが負け投手に)「7回、最後まで投げることができなかったのはすごく悔しいです。しっかりと信頼を得られるように頑張っていきたいです」
◆ピンチで三振を奪うと雄たけびを上げた。ロッテ種市篤暉投手(25)は6回、失策が絡んで1点差と詰め寄られて迎えた1死満塁。「真っすぐがすごい良かった分、インコース真っすぐでいこうと思った」。4番中村剛から153キロ直球で空振り三振を奪うと右手を強く握りしめ、ほえた。後続の蛭間も中飛とし、最少失点で切り抜けた。4安打8奪三振1失点(自責0)で4年ぶりの完投勝利。「5回ぐらいから(完投を)意識した。たくさん迷惑掛けていたので、9回投げきることができて良かった」と振り返った。この日もグラブはメッツ千賀からもらった赤いグラブ。「(連絡を)取りたいんですけど雲の上の存在すぎて、千賀さんも忙しいと思うのであまりできていない」としつつも「飾る用と使う用でグラブ2個くらいほしい。おばけがついているやつ」とおねだりした。19年にともに自主トレを行った千賀のグラブを使ってから負けなし。「使っている以上は負けられない気持ちがすごい強くなっているので、その部分に関してはすごくいい」と験担ぎにもなっている。引き分けを挟み、チームを今季最多の5連勝に導いた。「気持ちは毎試合完投したいと思っている」と力を込めた。心強い相棒を手に、全力で腕を振り続ける。【星夏穂】
◆西武の自力優勝の可能性はすでに消滅し、この日は今季2度目の7連敗を喫した。5月にして13勝29敗の借金16。苦境が続く。この日も4安打。課題が打にあることは明確で、打者の新戦力1人の補強で劇的に改善できる状況ではない。今の西武に限らず、この状況でチームの雰囲気が良いはずはない。せめてその部分だけでも打開策はないのだろうか。前日21日、午後6時15分。ベルーナドームに隣接する室内練習場。初回から5失点した様子をタブレットでじっと見ている選手がいた。背番号122の是沢(これさわ)涼輔捕手(24)だ。立ち上がりマシン打撃を始めた。珍しいことではない。寮生の是沢は朝も夕方もピッチングマシンと向き合う。21日は午後の指名練習後、ウエートルームで鍛え、またピッチングマシンの前にやって来た。1軍の試合が始まった後も打っていたのは是沢だけだった。健大高崎(群馬)でも法大でも、控え捕手だった。主に強肩と練習に真摯(しんし)な姿勢を見初められ、プロ野球に飛び込んだ。2年目の今季、イースタン・リーグで11試合に出場し盗塁阻止率は4割前後。「延長戦での三振ゲッツーもやっているので、いいところでは刺せていますね」と話す。羽田慎之介投手(20)菅井信也投手(20)青山美夏人投手(23)らとバッテリーを組むことが多く、ディフェンス面は評価されている。課題の打撃はここまで打率2割前後をさまようが、スイングは強くなり確実に上達した。「でも1軍の方々が2軍で調整登板するともう、手のひらで転がされますね...。この前も鈴木健矢さんに。去年はバウアーに」。少なくとも今の1軍打線の救世主にはなりえない。ただ、是沢には大きな個性がある。控え選手がプロになれたのには訳がある。入団時、担当の竹下潤スカウトが言った。「野球に対する姿勢ですね。いつ(練習を見に)来てもグラウンドでバットを振っている。捕手はいろんな投手の球を捕る。一番大事なものを持っています」今春センバツで初優勝した健大高崎の青柳博文監督(51)も「あんな練習する子、なかなかいません。不器用なところもあるけれど」と回想する。加えて「1浪すれば東大も狙えた」と言われるほどの頭脳明晰(めいせき)な面も当時からあった。そして学生時代も今も、大声×ガムシャラさ×いじられキャラで、ベンチの空気を変えられる存在だ。今の西武が底抜けに明るいはずがない。どのチームも負ければ焦る。沈む。是沢も野球人生で何度もそんな様子を見てきた。ベンチにる時間が長かったからこそ、やってきたこと。「そういう時に暗くなるのは当たり前なので、そこでカラ元気でも声出せるようにしてきました。相手のこととか、マイナスなことは言わないように。マイナスなこと言うと、勝手にマイナスな部分が自分やチームの中で働いちゃうので。僕も打席で空振りしても『大丈夫、大丈夫』って声かけてくれるだけで前向きになれますし」22日現在、支配下選手の枠は6人分、空いている。最優先の補強ポイントは「打てる選手」ながら、育成選手では3年目左腕の菅井信也投手(20)が奪三振を重ねてアピールを続け、支配下への可能性を高めている。ただ、いろいろな役割が集まってこそのチームでもある。王道じゃないアプローチ、他と明らかに違うピースがいてもいい。首脳陣が「ベスト」と判断する布陣でもこれだけ勝てていない、厳しい現状だってある。是沢は入団会見で「火縄銃」「北極星」とキャッチーなフレーズを言い、中村や源田に1発で存在を覚えられたムードメーカーだ。野球への貪欲な姿勢に大ベテランの栗山は「こんなルーキー、本当に初めてですよ」と驚いた。数字を残してこそのプロ野球だが、そもそも是沢がプロ野球選手として見初められたのは「数字以外」のウエートが他の選手より大きい。1軍が試合をやっていようとなかろうと、是沢はいつも、日が暮れてからも1人で黙々と快音を響かせている。たとえ誰も見ていなくても。【金子真仁】
◆高部瑛斗外野手(26)が走攻守で活躍した。3安打を放ち、今季初の盗塁も決めた。8回には中前安打になりそうな打球をスライディングキャッチするファインプレーも見せた。「タイミングであったりとか、ピッチャーに対してどういう方向に打ちに行くのかとか、どういう球を待っていくのかとかをちゃんと整理をして打席に立てたことの結果」と振り返った。吉井理人監督(59)は「彼は固め打ちの名人みたいなところがあるので、良かった。足速いので、クリーンヒットだけじゃなくて打ち損じもヒットになる可能性がある子なので、そういった意味では相手にプレッシャーがかかっていると思う」と話した。
◆ロッテは西武戦8戦全勝とした。先発の種市篤暉投手(25)が102球を投げきり、4年ぶりの完投勝利を果たした。「たくさん迷惑掛けていたので、9回投げきることができて良かった」と振り返った。4月の登板では黒星が続くこともあったが、直球の力強さも増し、本来の調子を取り戻してきた。「今は見逃し三振させられるイメージができているので、その分もうちょっと変化球を頑張りたい」と話した。吉井理人監督(59)は「初めからあのペースだったら完投だし、ゲーム展開も1点差なので、これは種市が最後まで投げた方が勝つ可能性が高いと思ったので、3回くらいから完投して欲しいと思って、見ていました」と語った。6回には1点を失った直後に1死満塁のピンチを招くも追加点を許さなかった。指揮官は「何とかしてほしいところで何とかしてくれるピッチャー。勝負ポイントのあるピッチャーなので、最近それがちょっと出てなかったですけど、やっとでてきたのでこのまま頑張って欲しい」と期待した。
◆ロッテは西武戦8戦全勝とした。先発の種市篤暉投手(25)が102球を投げきり、4年ぶりの完投勝利を果たした。「たくさん迷惑掛けていたので、9回投げきることができて良かった」と振り返った。種市は無音の世界で集中力を高めている。球場入りから、必ずイヤホンを耳につけている。この日、試合前練習でグラウンドに姿をあらわした際も白いイヤホンをつけていた。「イヤホンしてますけど、無音なんです」と明かした。「音があんまり好きではないので、ウエートトレーニングの時もテレビとかつけたくないです」とこだわりがある。「ノイズキャンセリングの機能とかがとかついてたら最高ですね」と周囲の音を遮断して、一気に集中力を高めている。試合の日は、球場までの車内でも音楽は聴かない。「サウナのラジオだけ聞いてます」と大好きなサウナ情報を聞いてリラックスしている。無音の世界から一転、試合後はファンの大歓声に包まれた。【ロッテ担当=星夏穂】
◆ロッテ・種市篤暉投手(25)が今季初の5安打1失点(自責点0)で今季初の完投勝利を果たした。完投は2020年7月25日の西武戦以来4年ぶり。20年9月にはトミー・ジョン手術を受けており、復帰後初となった。ストライク先行で投げた。一回先頭の源田を3球三振に仕留めるなど、最速153キロの直球を軸に力投。唯一のピンチとなった六回は味方の失策もあり1死二、三塁から平沼に右前適時打を浴びたが、その後1死満塁からは中村を空振り三振、蛭間を中飛に仕留めた。九回も外崎を左飛、中村を三邪飛、蛭間を左飛に抑えて試合終了。102球を投げて、3勝目を手にした。これでチームは今季初の5連勝。西武戦は8戦全勝とし、貯金も最多タイの3とした。
◆ロッテが今季初の5連勝。種市は力強い直球を精度良く投げ込み、4安打1失点で4年ぶりに完投し3勝目を挙げた。打線は二回に佐藤の犠飛で先制し、六回に中村奨の適時打で加点。西武は今季2度目の7連敗でロッテには8戦全敗。
◆西武は今季2度目の7連敗で、借金はワーストを更新する16に膨らんだ。松井稼頭央監督(48)は「(ロッテ先発が)種市君ということで、そう多くのチャンスがない中、ワンチャンスでというところだった」と、六回の攻撃を嘆いた。1点差に詰め寄ってなおも1死満塁の好機で中村剛が空振り三振。続く蛭間も中飛に倒れた。ともに、種市の153キロのストレートに押されての凡打だった。これでロッテ戦は開幕から屈辱の8戦全敗。指揮官は「8敗ですからね。でも、僅差の試合が非常に多い。終盤のところで1点を勝ち越せていないので、そういうところになってくるのかなと思います」とした上で、「何とか〝これ以上は〟という思いを持って、次は戦っていきたい」。リベンジの舞台は7月5-7日の3連戦までない。
◆けがから復帰したロッテ・高部瑛斗外野手(26)が「3番・中堅」で出場し、3安打1四球で全打席に出塁した。六回に四球で出塁した際には復帰後初の盗塁も記録した。「まだ余裕のある立場ではない。必死に毎日チャンスがもらえるように一日一日やっていかなきゃなというふうに思ってやっている。自分の中でもファームでやっていたこととか、けが中にやっていたことが、今日うまく出たかなっていう感じでした」3試合連続でスタメン出場すると、一回は中前打、三回は右前打、六回は四球、八回は中三塁打と固め打ち。昨季は1軍出場なしに終わり、9月には胸郭出口症候群で、右肩の第一肋骨(ろっこつ)切除術を受けた韋駄天が、18日の日本ハム戦で2年ぶりに1軍復帰を果たすと存在感を高めている。守備でも八回に源田の当たりをスライディングキャッチ。「本当に種市が頑張っていて、打者陣が全然点を取れていなかったので、何とか守備で助けられたらなという思いでいました」。2022年にゴールデングラブ賞を受賞した鉄壁の守りで守備でも力を発揮し、勝利に貢献した。
◆102球を投げぬき、自然と笑みがこぼれた。ロッテ・種市篤暉投手(25)が4安打1失点(自責点0)で、2020年7月25日の西武戦以来4年ぶりの完投勝利。今季3勝目を挙げ、達成感に浸った。「気持ち良かった。4年ぶりの完投で、(これまでいろんな方に)たくさん迷惑を掛けてきた。九回を投げきることができてよかった」立ち上がりから真っ向勝負だった。一回先頭の源田を3球三振。「気持ちは毎試合完投したい。課題は球数。全部3球勝負するつもりでいた」と決めていた。六回は味方の失策が絡んで1点を失うも、その後の1死満塁は中村剛を空振り三振、蛭間を中飛に仕留めた。憧れの先輩から御利益を得ている。6日の西武戦から『SENGA』と刺繍(ししゅう)が入った赤色のグラブを使用。20年オフに自主トレをともにしたメッツ・千賀から譲り受けたもの。「使っている以上は負けられない」と使い始めてから3試合、24イニング連続で自責点0だ。「雲の上の存在すぎて...」と連絡は取れていないというが「2個目がほしいです。おばけのやつで。飾る用に」とおねだり。米大リーグで千賀が使う「ゴースト(おばけ)」がデザインされた愛らしいグラブをひそかに狙っている。これで今季の西武戦は8戦全勝とし、チームは今季初の5連勝で最多タイの貯金3とした。20年9月には右肘のトミー・ジョン手術を受けた右腕が、復帰後初めて一人で投げ抜いた。(森祥太郎)
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ソフトバンク |
29 | 10 | 2 | 0.744 (↑0.007) | - (-) |
102 | 195 (+12) | 90 (-) | 31 (+2) | 34 (-) |
0.268 (↑0.002) | 1.930 (↑0.05) |
2 (-) |
日本ハム |
23 | 16 | 2 | 0.590 (↑0.011) | 6 (-) |
102 | 138 (+5) | 125 (+4) | 20 (+1) | 38 (-) |
0.240 (↑0.002) | 2.670 (-) |
3 (-) |
ロッテ |
21 | 18 | 3 | 0.538 (↑0.012) | 8 (-) |
101 | 127 (+2) | 135 (+1) | 20 (-) | 15 (+1) |
0.242 (↓0.002) | 2.920 (↑0.07) |
4 (-) |
ORIX |
17 | 23 | 2 | 0.425 (↓0.011) | 12.5 (↓1) |
101 | 119 (+4) | 128 (+5) | 15 (+1) | 17 (-) |
0.238 (↓0.001) | 2.630 (↓0.05) |
5 (-) |
楽天 |
17 | 24 | 1 | 0.415 (↓0.01) | 13 (↓1) |
101 | 135 (-) | 186 (+12) | 13 (-) | 28 (-) |
0.241 (↓0.002) | 4.130 (↓0.2) |
6 (-) |
西武 |
13 | 29 | 0 | 0.310 (↓0.007) | 17.5 (↓1) |
101 | 101 (+1) | 151 (+2) | 21 (-) | 23 (-) |
0.210 (↓0.001) | 3.220 (↑0.02) |
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