広島(★1対2☆)阪神 =リーグ戦9回戦(2024.05.22)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:大竹 耕太郎(4勝2敗0S)
(セーブ:岩崎 優(2勝1敗8S))
敗戦投手:森下 暢仁(3勝2敗0S)
  DAZN
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◆阪神が投手戦を制した。阪神は初回、大山の適時打で幸先良く先制する。そのまま迎えた3回表には、大山の犠飛で1点を加え、リードを広げた。投げては、先発・大竹が7回無失点の力投で今季4勝目。敗れた広島は、9回に一打サヨナラの好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆両軍のスタメンが発表された。阪神森下翔太外野手(23)は「3番右翼」で5戦連続の先発。糸原健斗内野手(31)は17日ヤクルト戦(甲子園)以来の「5番三塁」で、前川右京外野手(21)は18日の同戦以来の「6番左翼」で先発する。先発マウンドに上がるのは、大竹耕太郎投手(28)。広島戦は通算8試合で6勝負けなしで防御率は0・68とお得意さまだ。阪神のセ・リーグ1万試合は予定通りに日程を消化すれば、23日の広島戦(マツダスタジアム)で到達する。勝って首位キープで節目の試合を迎えたい。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が通算500打点を達成した。初回2死二塁で左翼線に先制打を放った。プロ8年目、通算891試合目での到達。球団13人目で、ドラフト会議を経ての阪神入団選手としては10人目。16年ドラフト1位で入団し、1年目は38打点。最多は22年の87打点を挙げた。入団8年目での到達は、田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布と並ぶ球団最速。試合数では田淵797、掛布840に続く同3位。現監督の岡田は910試合目での到達だった。大山が1回の適時打でプロ通算500打点に到達した。プロ8年目での達成は、阪神生え抜きでは田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布と並び最速だ。阪神在籍中に500打点は16人目で、生え抜きでは13人目。ドラフト入団では10人目で、通算891試合目での到達は、10人中3位の速さだ。なおドラフト導入以前の生え抜き入団選手の500打点以上は、藤村富美男1126(球団最多)遠井吾郎688(同10位)金田正泰568(同12位)の3人。

◆阪神岡田彰布監督(66)のリクエスト成功が貴重な2点目を導いた。3回無死一塁から中野拓夢内野手(27)が捕手前にセーフティーバント気味に転がした。一塁は微妙なタイミングながらアウト。間髪入れず、同監督は三塁側ベンチを出てリクエストを要求。セーフに覆った。このバント安打でチャンスが広がり、大山悠輔内野手(29)の犠飛で2点目をゲットした。

◆阪神が隙のない走塁を披露した。3回無死一、二塁で一塁走者は中野拓夢内野手(27)、二塁走者は近本光司外野手(29)の俊足コンビ。ここで3番森下翔太外野手(23)が放った左中間深めの中犠飛に、それぞれタッチアップを成功させ、1死二、三塁とした。続く4番大山悠輔内野手(29)は右中間最深部への右犠飛。無駄のない攻撃で追加点を挙げた。大山はこれでプロ通算501打点目をあげた。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が、この日13人目の打者に初安打初出塁を許した。5回先頭で小園に右前打を浴びた。4回まで打者12人をパーフェクトに抑えていた。この日も遅球がさえている。初回、3番菊池には82キロのスローボールを投じた。相手を観察しながら、随所に見せる抜き球で広島打線を翻弄(ほんろう)。前日に本塁打を放っている5番末包からは、2回に三振を奪っている。広島は好相性の相手だ。同戦は試合前時点で通算8試合で6勝負けなし。防御率も0・68とお得意さまだ。マツダスタジアムでも防御率は0点台。「マウンドの傾斜の感じとかは好きな方」と語っていた。

◆阪神の守備中にハプニングがあった。7回先頭、広島菊池の飛球は一塁ベンチ方向へ。これを坂本誠志郎捕手(30)が追った。結果的にはファウルとなったが、迫る坂本を避けた一塁ベンチ側のボールボーイが、ボールケースの中にあるボールを大量にこぼしてしまった。慌てた様子でスタッフ数人が回収。そこには広島藤井ヘッドコーチ、小窪内野守備走塁コーチの姿も。坂本も心配そうに見つめていた。球場に一瞬、和やかな空気が流れた。

◆阪神が"広島キラー"大竹耕太郎投手(28)の好投で、敵地で連敗を阻止した。これで再び2位広島と1・5ゲーム差。阪神のセ・リーグ1万試合は、23日の広島戦(マツダスタジアム)で到達予定で、首位キープで節目を迎えることになりそうだ。初回に幸先よく先制に成功。1番近本光司外野手(29)が右翼へ二塁打を放つと、2死二塁で4番大山悠輔内野手(29)が左翼線へ先制適時打を放った。大山にとってこれがプロ通算500打点目。入団8年目での到達は、田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布と並ぶ球団最速となった。3回は再び近本の四球から1死二、三塁の好機をつくると、大山が右翼への犠飛を放ち、三塁走者の近本は悠々生還。2点目が入った。先発マウンドに上がった大竹は、4回まで完全投球。5回と7回に先頭から連打を浴びたものの、後続3人をピシャリと抑えてピンチを切り抜けた。これで広島には通算9試合で7勝負けなし。好相性ぶりを存分に発揮した。

◆阪神が"広島キラー"大竹耕太郎投手(28)の好投で、敵地で連敗を阻止した。これで再び2位広島と1・5ゲーム差。阪神のセ・リーグ1万試合は、23日の広島戦(マツダスタジアム)で到達予定で、首位キープで節目を迎えることになりそうだ。大竹のヒーローインタビューは以下の通り。-どんな投球をしようとマウンド上がった「やはり、昨日初戦を負けてしまったので、相手に流れをやらないように。勢いのあるチームですけど、自分らしい投球を心がけました」-マウンドに上がる前に打線が1点を取った「もちろん、0対0でずっと投げるよりは点が入ってリードをしている投球の方が楽に投げられるので、本当に感謝しています」-4回までパーフェクト「カープもかなり対戦しているチームなので、向こうも研究してきているなと感じるんですけど、それ以上に自分もしっかり入念に準備をしてゲームに臨んだので、自信を持って投げられました」-7回のピンチは3者連続フライアウト「球場的にもイレギュラーしたり、そういうゴロでの難しい当たりを打たせるよりはフライを打たせたかったので、狙い通りフライを打たせられて良かったです」-前回本塁打を打たれた中村健との対戦は燃えるものがあった「カウントを悪くしてしまったんですけど、そのなかでも大胆にど真ん中でもいいと思って、腕だけ振ろうと思って、その結果内野フライになったので良かったです」-17イニング連続無失点。状態は「やっぱり、シーズン開幕当初はあまり、失点するケースが多くて今年はダメだろうとかいろいろ言われることも多かったですけど、1週1週自分の状態も上がっていますし、7回までとは言わずに完投できるように頑張っていきたいと思います」-明日はカード勝ち越しがかかる。チームを代表して「明日も頼もしい西さんが投げるので、接戦をものにして勝ち越して甲子園に帰りたいと思います」

◆阪神が"広島キラー"大竹耕太郎投手(28)の好投で、敵地で連敗を阻止した。これで再び2位広島と1・5ゲーム差。阪神のセ・リーグ1万試合は、23日の広島戦(マツダスタジアム)で到達予定で、首位キープで節目を迎えることになりそうだ。試合後の岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。-岩崎はよく抑えた「ほんまにもう...。2点なあ、ここの球場はな、わからんもんな。やっぱりな」-あそこでゆるい球を投げられるのは余裕が「いや(笑い)。わからん。それは」-大竹は変わらず「いやいや、今日良かったよ。コントロールも良かったし。ピンチあったけど、あそこまではな。あの回な、まあ、そやなあ、点取られてたら桐敷いってたかもわからんけど。よう踏ん張ったよな7回な」-一、二塁になったところでも、まだいけると「あそこでは代えれんよ、そんなもん」-8回は桐敷「いやいや、向こう残ってるの左ばっかりやから。左な、出さす必要ないやん」-石井、桐敷がいる「ゲラがちょっとな、広島この間もやられたからな、今日はもうあと2回やから左、左でな、ちょうど代打の出る打順やったからな」-大山は「うん、まあなあ。もう1個大きいチャンスあったけど、あそこでな、1本出よったからな、もうちょっと楽になってたけどなあ」-近本は1番で打つと流れが良くなる「おーん、やっぱり1番のほうがええ感じやなあ」-上位で点入れば流れも「でもおんなじような繰り返しやで、でも。勝ったり負けたりで」-近本、大山が点に絡み、先発がゲームメーク。いい試合だったのでは「まあそうやなあ。4番が打点挙げてリードオフマンが出て、展開的にはな。打順の巡りも良かったしな。うまいこと1番からばっかりになったしな。あのへんは9番まで回したりは大きいわな」

◆広島は好調だった打線が、阪神大竹耕太郎投手(28)の前に沈黙した。4回まで1人の走者も出せず、5回に無死一、二塁とするも無得点。7回に再び無死一、二塁としたが、またも後続が倒れた。9回に岩崎から1点を返して、なお2死満塁と追いすがるも、連勝がストップ。大竹には昨季から9度の対戦で7連敗。昨年7月以来の首位浮上を逃した新井監督は「いいところまでつくることができているので、また私が考えたいと思います」と前を向いた。▽広島森下(7回2失点も2敗目)「立ち上がりすべてだと思います。前半はずっとだめでした。苦しい展開をずっとつくっていたので、試合をつくれなかったという感じです」

◆広島打線がまたも阪神大竹を打ち崩せず、連勝が4で止まった。4回まで1人の走者も出せず、5、7回は無死一、二塁とするも後続が凡退した。9回に抑え岩崎から1点を返し、なおも一打サヨナラの好機をつくったが、代打松山が倒れた。7回2失点と粘った先発森下が2敗目を喫した。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-最後はあと1歩まで新井監督 あとちょっとのところまで、ね。みんな絶対にあきらめないという、いい攻撃ができたと思います。マティ(二俣、粘って四球)もいいものを見せてくれたと思います。-阪神大竹投手に苦戦新井監督 いいところまでつくることができているので、また私が考えたいと思います。-打者が苦しむ要因は新井監督 (球種は)縦横あるんですけど、一番は緩急かなと思う。フォームもちょっとずつ変え、間合いを変えたり、タイミングを変えたりとか(してくる)。-森下投手は序盤に失点しながら7回2失点新井監督 今日もしっかり試合をつくってくれて。今日もナイスピッチングだった。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が通算500打点を達成した。初回2死二塁で左翼線に先制打を放った。プロ8年目、通算891試合目での到達。球団13人目で、ドラフト会議を経ての阪神入団選手としては10人目の達成者となった。阪神大山はなぜ4番なのか。昨年2月1日。6年ぶりに阪神に復帰した今岡打撃コーチは「ヨーイドンで見て、びっくりした」と言った。新人だった17年に1年間見て以来だったが、打席内での意識が変わっていた。予感は的中。大山は初タイトルの最高出塁率賞で、チームを優勝に導いた。「いい凡打」こそが大山を大黒柱たらしめる。「彼は打線を背負っているから。凡退の仕方さえもコントロールしている。いろいろなことを打席で考えているから、たとえ凡打しても『いい凡打』になる」。打線が淡泊で相手投手ペースになっていれば、球数を投げさせる。味方に相手の球をじっくりと見せる。その上で自らの結果も求める。コンディション不良もあり、ここまでは苦しいシーズン。「日本一チームの4番として、今までよりはるかに重い責任を背負っている」と胸中をくみ取る。そうして積み上げた501打点には数字以上の重みがある。【阪神担当=柏原誠】

◆これが4番だ! 阪神大山悠輔内野手(29)が通算500打点を決勝打で飾り、チームの首位を守った。負ければ1週間ぶりにセ界トップから陥落した広島との首位攻防戦。初回に先発森下から先制タイムリーを放って大台に乗せると、3回にも犠飛で501打点目を挙げ、全2得点をたたき出した。入団8年目での500打点は田淵、掛布、岡田と並ぶ球団最速。虎のレジェンドに並んだ背番号3が首位戦線を引っ張る。薄氷を踏むような試合を勝ち切った。大山は少し笑みをたたえながら仲間からの祝福の嵐に応えた。「もう勝ったことが一番なので、本当に」と息をついた。通算500打点の区切りがV打になった。初回2死二塁。2ボールから厳しい内角140キロをさばいて、左翼線に運んだ。「打者有利のカウントで、浮いた球を1球で仕留めることができました」。前日21日は主導権を握れず完敗。0・5差で対決し、負けれれば1週間ぶりに首位を陥落する一戦だった。4連勝中だったコイの勢いを食い止めるべく、3回1死二、三塁では右中間フェンス手前まで飛ばす犠飛で、貴重なもう1点を大竹にプレゼントした。田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布。球団最速、歴代スラッガーと肩を並べる入団8年目での大台到達だ。「打点は勝敗に直結するので、1つ1つ積み重ねていきたい。なんとかチームに貢献できるようにと1試合1試合やっていきたい。通過点とかじゃなくて、目の前の試合なので」岡田監督が再び監督になった昨年、4番に指名され全試合務め上げた。開幕から不振に陥っている今年は1試合5番、1試合スタメン落ちがあったが、岡田監督が描く「V打線」は大山あって形成される。岡田監督は「4番が打点挙げて、リードオフマンが出て。展開的にはな」と、序盤の効果的な2得点をたたえた。ここ一番で打てるのは、研究のたまものだ。ネクスト・バッタースボックスで最善を探る。「タイミングがすべてだと思っています」。投手との間合いをはかるために研究の日々だ。4月の中日戦では突然、すり足打法にしたこともある。「柳投手やマルティネス投手。そういう(クラスの)投手が頭を使ってタイミングをずらしてくる。いつも通りやっていては絶対に打てない」。警戒網を上回る努力は惜しまない。「これはもう引退するまで続くでしょうね」と言い切った。目下の敵・広島を再び1・5差に引き離し、首位の牙城を守った。今日23日の同戦は、阪神がセ・リーグ最速で1万試合目を迎える節目になる。「今日は今日で終わった。明日どうするかの準備はもう始まっている。時間を大事にしてやっていきたい」。伝統球団の4番は、変わらず勝利のためにバットを握る。【柏原誠】大山が1回の適時打でプロ通算500打点に到達した。プロ8年目での達成は、阪神生え抜きでは田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布と並び最速だ。阪神在籍中に500打点は16人目で、生え抜きでは13人目。ドラフト入団では10人目で、通算891試合目での到達は、10人中3位の速さだ。なおドラフト導入以前の生え抜き入団選手の500打点以上は、藤村富美男1126(球団最多)遠井吾郎688(同10位)金田正泰568(同12位)の3人。

◆阪神近本光司外野手(29)が全2得点を稼ぎ、リードオフマンの仕事を果たした。初回先頭で広島森下から右翼への二塁打で出塁。4番大山の適時打を呼び込み、先制のホームを踏んだ。「結果的に勝った、点が入ったというのは大きかったんじゃないですか」。3回先頭でも四球で出塁。ここも大山の犠飛で生還し2点目の生還だ。5回先頭でも中前打で出塁した。19日のヤクルト戦で7試合ぶりに3番から1番に戻ってから3試合連続安打。マルチ安打も2試合連続と当たりが戻ってきた。岡田監督も「おーん、やっぱり1番の方がええ感じやなあ」と認める。この日は全4打席で回の先頭で打席に入った背番号5は「打ってたら楽だし、打ってなかったらしんどいですよ。先頭とかあんまり関係ない」と自然体で、やるべきことをやる。1番が一番似合う男が攻撃の起点になり続ける。

◆阪神桐敷拓馬投手(24)が大事な8回を3者凡退で片付けた。2点リードで登板し、会沢、石原、秋山を凡打に仕留めた。わずか10球で料理して今季10ホールド目。「先頭を切れたのはよかった。接戦で勝てたので、明日にもつながると思います」と胸を張った。一時は体調不良で戦線を離脱していたが、これで3試合連続無失点。安定感が戻ってきた。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が絶妙なセーフティーバントと走塁でチャンスを広げた。3回無死一塁で、三塁側へ転がし内野安打。その後、無死一、二塁で森下の中飛に反応し、二塁走者近本とともにタッチアップを決め、1死二、三塁とした。「打球の深さ的にもいけると思いました後は一塁の筒井コーチがいける! いける! と言ってくれていたので」。4番大山の犠飛を呼び込む、隠れたファインプレーだった。

◆虎の守護神、岩崎優投手(32)がヒヤヒヤながらリードを守り抜き、今季8セーブ目を挙げた。「まあまあ、勝てたのはよかったですけど...。このままのピッチングじゃちょっとダメなので、もうちょっと頑張ります」。自身の仕事ぶりには不満げだったが、勝ち切ることがリリーフで一番大事な要素。サヨナラ負けならチームも首位から陥落していただけに、天国か地獄かの分かれ道で、大きな仕事を果たした。2点リードの最終回、3番手でマウンドへ。1死から菊池に遊撃へ内野安打を浴び、小園に四球を与え1死一、二塁。末包は空振り三振に斬ったが、坂倉に初球を中前に運ばれて1点差に迫られた。さらに、続く二俣に6球ファウルで粘られた末の四球で2死満塁。大盛り上がりの赤いスタンドが揺れる中、最後は松山を直球で二ゴロに斬った。ため息が充満する敵地でホッとした笑みを浮かべた。「ほんまにもう...」。岡田監督も思わずこぼしたが、表情はにこやかだった。「2点なあ、ここの球場はな、分からんもんな。やっぱりな」。迫られても追いつかれないのが、経験豊富なプロ11年目の左腕。指揮官の"本音"も信頼の証しだ。これでプロ通算74セーブとし、中西清起氏(62=日刊スポーツ評論家)が挙げた球団歴代5位の75セーブまであと1。積み上げた数字が増えるほど、頼もしさは増していく。【磯綾乃】

◆阪神前川右京外野手(21)が3試合ぶりのスタメンで安打を放った。6番左翼で出場し、2回に森下から中前打。これが16日の中日戦以来、自身8打席ぶりの安打となった。ただ、追加点のチャンスだった5回2死満塁では一ゴロで凡退。「満塁のところで打てなかったので頑張ります」と、反省の言葉が口をついた。8回は代打を送られて交代となり、悔しさをバネに仕切り直す。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)がまたも鯉キラーぶりを発揮した。負ければ首位陥落の大ピンチで7回を4安打無失点。広島戦は通算9試合で7勝0敗とし、会心の今季4勝目を挙げた。ピンチを背負っても落ち着いていた。2-0で迎えた7回2死一、二塁。前回8日の対戦でソロを浴びた代打中村健にも、冷静に対峙(たいじ)した。「最悪フォアボールでもいいかなぐらいで。1点OK、ワンヒットOK、フォアボールOKとなったら気持ち的に楽なので」2ボールからの3球目。「速い方が多分(打者の)タイミングが合うから」と、少し抜いたツーシームで詰まらせた。三邪飛で打ち取ってヤマ場をしのぐと、グッと左拳を握った。ハプニングにも負けなかった。同イニング先頭、菊池の飛球が一塁側ベンチ方向に上がった。追う捕手坂本を急いで避けたボールボーイが、ケース内のボールを大量にこぼしてしまった。結果的にファウルとなったがスタンドもどよめいてリズムが狂ったのか、そこから連打を浴びて無死一、二塁とされた。それでも落ち着いて末包、坂倉、中村健をフライアウトで料理。しっかり0を並べた。チームは首位を走るが、広島には2勝5敗1分けでこの日を迎え、連敗で陥落すれば苦手意識も芽生えかねなかった。だが左腕は好相性を存分に発揮。岡田監督も「今日良かったよ。よう踏ん張ったよな、7回な」と文句なしでたたえた。緩急を使い、打者の手元で詰まらせる投球が持ち味だ。その秘密の一端はキャッチボールにある。練習中、上空に向けてポーンと高く投げる投球動作を取り入れている。「胸椎と骨盤を別個に使う練習。一緒に回ってしまうと、肩が開くんです」。2年前の自主トレで、師匠的存在のソフトバンク和田から教わった練習法だ。骨盤を先に回すことで肩の開きをギリギリまで抑え、球の出どころが見にくいフォームにつながっている。この日もこだわりの投法で凡打の山を築いた。球団のリーグ通算9999試合目。負ければ今日23日のリーグ最速の通算1万試合を、首位から落ちて迎えなければならなかった。節目の一戦の舞台を整える、大仕事でもあった。【波部俊之介】

◆阪神は前夜2位の広島に敗れてわずか0・5ゲーム差となり、負ければ首位陥落という試合に挑む。3試合ぶりに前川右京外野手(20)が「6番・左翼」でスタメンに名を連ねた。打率・266、6打点の成績を残して1軍に定着する若虎の力で、4連勝と勢いに乗る鯉を退ける。先発の大竹耕太郎投手(28)は広島とは今季2度目の対戦。前回対戦となった8日(甲子園)では6回無失点と好投した。昨季は7戦6勝負けなし、防御率0・57と無類の相性を誇った鯉打線を料理し、4勝目を目指す。

◆阪神が大山悠輔内野手(29)の適時打で先制に成功した。一回、1番の近本が粘って広島・森下の7球目をとらえ、右翼線への二塁打で出塁する。中野、森下と倒れて2死二塁となり、4番・大山が打席へ。2ボールからの甘く入ったカットボールを一振りで仕留めた。左翼線へ弾む適時打で、近本をホームに迎え入れた。大山はこの打点で通算500打点。首位攻防戦の大事な先制点を、頼れる4番のバットが生み出した。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が自慢の快足で追加点をアシストした。1-0で迎えた三回。先頭の近本が四球で出塁すると、中野が初球をセーフティーバント。三塁線へ転がした打球に快足を飛ばして一塁を駆け抜けた。きわどいプレーに判定はアウト。それでも、阪神・岡田監督がリプレー検証を要求し、判定覆って内野安打となった。中野は続く森下の中飛で迷わず二塁へタッチアップする好走塁。1死二、三塁と好機を演出し、大山の犠飛で2-0とリードを広げた。

◆広島の新助っ人、トーマス・ハッチ投手(29)=前パイレーツ=が試合前練習に参加し、今季初勝利を懸けて先発する23日の阪神戦に向けてキャッチボールなどで調整した。「本当にワクワクしている。やっと投げられるな、という感じだよ」。登板日の雨天中止が続き、1軍先発は2回6安打6失点で敗戦投手となった4月25日のヤクルト戦(神宮)以来。今季4度目の先発では「去年のチャンピオンチームと対戦する。チームに勝ちを付けたい」と意気込んだ。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)がこの日初めてのピンチを背負うも、無失点で切り抜けた。四回まで一人も走者を出さずに迎えた2-0の五回、先頭の小園に右前打を浴び、初めての走者を背負う。末包にも中前打とされ、無死一、二塁と初めて得点圏に走者を置いた。それでも左腕は崩れなかった。坂倉を右飛に取ると、矢野は遊ゴロ併殺崩れで2死一、三塁まで持ってくる。そして会沢は4球目を打ち上げさせて中飛。近本のグラブに打球が収まるのを確認すると、大竹は右手のグラブを掲げて感情をあらわにした。5回までわずか2安打と圧巻の投球で試合を作っている。

◆阪神が2-0とリードして迎えた広島のラッキーセブンに生まれた珍事に、球場は笑いに包まれた。先頭、菊池が2球目を打った打球がフライとなり、一塁頭上へ飛んだ。阪神の捕手・坂本は追いかける。一塁ベンチの本塁側の隣に座っていたボールボーイも、それを避けようとした。しかし立って逃げる際に、ボールが入ったケースがひっくり返り、無数のボールがベンチ前に転々とした。打球はスタンドに飛び込んでファウルとなったが、これを見ていた観客からは笑い声が響いた。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)が7回無失点で降板した。序盤から持ち味の緩急を発揮し、四回までは一人の走者も許さなかった。五回は先頭の小園に安打を浴び完全投球はストップしたが、無死一、二塁のピンチも後続を切って得点を許さない。七回にも連打で無死一、二塁とされるも、タイミングをずらしながらフライアウト3つで走者を進めなかった。7回まで94球。4つの三振を奪い、4安打に抑え込んだ。これで大竹は8日の広島戦(甲子園)の四回から3登板にわたって17イニング連続無失点。鯉キラーがその相性通りに流れを作った。八回のマウンドには桐敷が上がった。

◆阪神が接戦を勝利し、2位・広島とのゲーム差を1・5に広げた。一回、近本光司外野手(29)が二塁打で出塁すると、2死となって4番の大山悠輔内野手(29)が左翼線への先制の適時打を放つ。大山はこれでプロ通算500打点となった。三回にも近本が先頭で四球で出塁し、中野拓夢内野手(27)もバントヒットでつなぐ。1死二、三塁となって再び大山が右翼への犠飛で2点目を挙げた。この2点を3人の左腕が守り切る。先発した大竹耕太郎投手(28)は7回4安打無失点で4勝目。自慢の緩急で広島打線を翻弄(ほんろう)し、四回までは一人の走者も許さなかった。八回は桐敷拓馬投手(24)が三者凡退でつなぎ、九回は岩崎優投手(32)が1点を返されなおも2死満塁まで追い込まれるも同点は許さず、今季8セーブ目。1点差ゲームの勝利は12試合目となった。

◆七回無死一、二塁の窮地を無失点で切り抜け、拳を握る阪神・大竹耕太郎=マツダスタジアム(撮影・渋井君夫)

◆阪神が0・5で追う2位広島を1点差で下し、首位を死守した。一回2死二塁、左翼線安打で通算500打点に到達した大山悠輔内野手(29)が三回1死二、三塁からの右犠飛で、1試合2本塁打の3日巨人戦(東京D)以来の複数打点をマークした。大竹耕太郎投手(28)は無死から連打で初走者を背負った五回、無死一、二塁の七回も無失点に抑える粘投で4勝目(2敗)。昨年からの広島戦成績を9戦7勝無敗とした。八回は桐敷拓馬投手(24)、九回は岩崎優投手(32)が1点を失った後の2死満塁の窮地を切り抜けた。広島戦連敗を「3」で止め、貯金を今季最多タイの「6」に戻した岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=23勝17敗4分、観衆=2万5271人)。ーー岩崎はよく抑えた「ホンマにもう...。2点なあ、ここの球場は、わからんもんな。やっぱりな」ーーあそこで、緩い球を投げられるのは余裕が「いや、わからん。それは」ーー大竹は変わらず「今日良かったよ。コントロールも良かったし。ピンチあったけど、あそこまではな。あの回な、まあ、そやなあ、点取られてたら桐敷行ってたかもわからんけど。よう踏ん張ったよな七回な」ーー一、二塁になったところでもまだ行けると「あそこでは代えれんよ、そんなもん」ーー八回は桐敷「向こう残ってるの左ばっかりやから。左な、出さす必要ないやん」ーー石井、桐敷がいる「ゲラがちょっとな、広島この間もやられたからな、今日はもうあと2回やから左、左でな、ちょうど代打の出る打順やったからな」ーー大山は2打点「うん、まあなあ。もう1個大きいチャンス(五回1死一、三塁で四球)あったけど、あそこでな1本出よったからな、もうちょっと楽になってたけどなあ」ーー近本は1番で打つと流れが良くなる「おーん、やっぱり1番の方がええ感じやな」ーー上位で点を取れるシーンを増やせば、チームの流れがよくなる「でもおんなじような繰り返しやで、でも。勝ったり負けたりで」ーーいい試合だったのでは「まあそうやなあ。4番が打点挙げてリードオフマンが出て、展開的にはな。打順の巡りも良かったしな。うまいこと1番からばっかりになったしな。あの辺は9番まで回したりは大きいわな」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)が九回に1点を失い、さらに2死満塁のピンチを招いた阪神・岩崎優投手(32)に言及した。九回の岩崎はヒヤヒヤだった。持ち味のスピンの効いた球が全く投げられておらず、ギリギリで踏ん張った感じ。今後に向けてちょっと心配だ。開幕から6週間から8週間が、救援投手が疲れが出てくる時期。疲労の蓄積は感じる。幸い、ゲラとのダブルストッパーなので、うまく調整して乗り切ってもらいたい。先発の大竹に関しては文句なし。七回の無死一、二塁で当たっている末包を迎えた場面では、低めへ丁寧に投げて、最後はインハイのカットボールで詰まらせた。各打者ごとにタイミングをずらす工夫をしていたのは見事。打者からすると、毎打席、違う投手と対戦している印象を抱いたのではないか。相変わらず、球速100キロを切るスローボールも効果的。一回、この球を菊池が強引に打って二ゴロに倒れた。相手が打ち損じているうちは、大竹はドンドンあの球を投げるだろう。その結果、140キロ以下の真っすぐを速く感じさせることができる。緩急自在は芸術的だ。28日からは交流戦でパ・リーグとの対戦になるが、今の大竹なら不安要素は見当たらない。

◆阪神が0・5で追う2位広島を1点差で下し、首位を死守した。一回2死二塁、左翼線安打で通算500打点に到達した大山悠輔内野手(29)が三回1死二、三塁からの右犠飛で、1試合2本塁打の3日巨人戦(東京D)以来の複数打点をマークした。大竹耕太郎投手(28)は無死から連打で初走者を背負った五回、無死一、二塁の七回も無失点に抑える粘投で4勝目(2敗)。昨年からの広島戦成績を8戦7勝無敗とした。八回は桐敷拓馬投手(24)、九回は岩崎優投手(32)が1点を失った後の2死満塁の窮地を切り抜けた。広島戦連敗を「3」で止め、貯金を今季最多タイの「6」に戻した。主な選手のコメントは以下の通り(成績=23勝17敗4分、観衆=2万5271人)。九回に1点を失った後、2死満塁の窮地を脱した岩崎優 「勝てたのは良かったですけど、このままのピッチングではダメなので、頑張ります」マツダで昨季から5戦5勝の大竹耕太郎 「マウンドも、みんなは嫌いというけど、好きです。それは大きいかもしれないです」八回を無失点に抑えた桐敷拓馬 「接戦で勝てたのは、明日にもつながると思います」4試合連続安打の森下翔太 「カード勝ち越すためにも、今日の勝ちは、めちゃくちゃデカかったなと思います」三回無死一、二塁で森下の中飛で二進した中野拓夢 「セカンドベースに誰もいなかったのが一瞬見えたので行けるかなという判断」4打席全て先頭打者で3度出塁2得点の近本光司 「打ってたら楽だし、打ってなかったらしんどいですよ。先頭とかあんまり関係ないと思います」通算500打点に大山悠輔 「通過点とかじゃなくて、目の前の試合なんで。今日は今日で終わりました」二回に中前打の前川右京 「でも満塁のところで打てなかったので(五回2死満塁で一ゴロ)」

◆実力を出し切れるマウンドで、またしても輝きを放った。阪神・大竹耕太郎投手(28)が見事な7回零封投球で、鯉キラーぶりを発揮。通算5戦5勝としたマツダスタジアムで、仁王立ちだ。「(今カード)初戦を負けてしまったので、相手に流れをやらないように、勢いのあるチームですけど、自分らしいピッチングを心がけました」さえ渡ったのは最遅82キロを計測したスローボールなどの緩い球と、伸びのある直球の緩急。「手が出ないところに手が出ない球速を」と投球動作に変化も加えながら勝負し、四回まではパーフェクト投球だった。五回は小園、末包の連打で無死一、二塁を招くも、後続3人を斬ってピンチ脱出。七回も先頭からの連打で同じ状況を作られたが、末包と坂倉、そして前回対戦した8日(甲子園)に被弾していた代打・中村健を、いずれも内野フライに仕留めた。イレギュラーバウンドの可能性がある球場の特性も頭に入れ、飛球を打たせたのは狙い通り。高めをうまく使って上回った結果には、左拳を力強く握って喜んだ。岡田監督も「きょう良かったよ。コントロールも良かったし。点取られてたら桐敷いってたかも分からんけど、よう踏ん張ったよな、七回な」とここぞでの粘りを評価した。これで大竹は17回連続無失点。昨季からの広島戦通算成績も無傷の9戦7勝、防御率0・60と、好相性をアップデートした。3、4月は土曜日のデーゲームが登板日だったが、5月はローテ再編により平日ナイターへと日常のサイクルが変わった。昨季から取り入れたビジターでのナイター登板日のルーティーンは、午前中に散歩をし、神社に立ち寄っての参拝で、「神頼みというか、『いまからやってやるぞ』と、自分の中でスイッチを入れる意味でやっています」。東京でも横浜でも名古屋でもパワースポットを決めて手を合わせ、力を授かってマウンドに立つ。「一週一週、自分の状態も上がっていますし、7回までと言わずに完投できるように、頑張っていけるようにしたいと思います」先発として、投げ切ることへの意欲はもちろんある。これからも勝利に導く投球を続け、さらなる信頼を積み重ねていく。(須藤佳裕)

◆4番の働きで首位攻防戦を制した! 阪神は2-1で2位広島に競り勝ち、差を1・5ゲームに広げた。大山悠輔内野手(29)が一回に先制打を放ち、プロ8年目、891試合目で通算500打点に到達。阪神生え抜きでは田淵幸一、掛布雅之に次ぎ、現監督の岡田彰布を上回るスピード達成だ。三回にも犠飛で2点目をもたらし、大山サマサマです!乾いた打球音とともに白球はマツダスタジアムの左翼線で弾んだ。一回2死二塁。大山が先制の適時打を放ち、田淵、掛布、岡田のレジェンドに並ぶ球団最速のプロ8年目で通算500打点を達成。試合数では岡田監督を上回るスピードだ。「いや、勝ったことが一番なんで。本当に。勝ててよかったですし、打点はチームの勝敗に直結するので、ひとつひとつ積み重ねていきたい」個人記録よりもチームの勝利を喜んだ。一回、先頭の近本が右翼線に二塁打を放つも、続く中野、森下が凡退。またも得点圏に走者を進めながらあと一本が出ないパターンか-と思われた中での打席で集中力を発揮した。140キロのカットボールをとらえて左翼線へ。節目の通算500打点。チームにとっても一回に得点が入るのは5試合ぶりだった。前日21日は無安打に終わり、岡田監督から「中軸が打たんから」とお小言を受けた4番の意地だった。三回には先頭の近本の四球から1死二、三塁のチャンスで、飛距離十分の右犠飛。2点目をもたらし、「最低限ランナーをかえすことができてよかった」。価値ある通算501打点目に大きくうなずいた。白?大から2017年ドラフト1位で阪神に入団。3年目の19年にレギュラーに定着すると「ホームランよりもチームの勝利につながる打点にこだわりたい」と言い続けた。その言葉どおり、19年以降は5年連続で50打点以上をマーク。岡田監督が再登板した昨季からは4番を任されている。

◆阪神は〝オールサウスポー〟の継投でカープ打線の勢いを止め、接戦をものにした。岡田彰布監督(66)も相手ベンチの代打策を読み、左、左とバトンをつなぐスタイルを繰り出した。強力ブルペン陣の多彩な組み合わせが、首位攻防戦でも存分に生きた。「いやいや、向こう残ってるの左ばっかりやから。左な、出さす必要ないやん」2-0の八回。力投した先発の左腕・大竹に代わり、2番手で左腕・桐敷拓馬投手(24)が登板。この時点で、広島のベンチに残った7人の野手で捕手の石原以外はすべて左打ち。先の先を読む虎将の思惑通り、先頭の会沢を右飛に打ち取り、森浦の代打・石原は二飛とし、最後は秋山を遊ゴロに仕留め、チャンスの芽すら作らせなかった。10球でホールドの桐敷が「先頭を切れたのが本当によかった。接戦で勝てたのは、明日にもつながる」と胸を張れば、九回に抑えで登板した左腕・岩崎優投手(32)は35球を要して1点を失ったものの、2死満塁で代打・松山を直球で二ゴロに打ち取り、大ピンチをしのいだ。「勝てたのはよかったですけど、このままのピッチングではダメ。頑張ります」と厳しく自己評価したが、価値ある8セーブ目を挙げた。指揮官は左腕継投について「ゲラがちょっとな、広島にこの間もやられたからな。今日はもうあと2回やから、左、左でな、ちょうど代打の出る打順やったからな」と説明した。助っ人右腕は8日の広島戦(甲子園)で同点の八回で登板したが、小園、末包に連続適時打を食らい、2敗目を喫していた。それを踏まえての投手起用だった。岡田監督は一打逆転サヨナラのピンチだった九回を振り返り、「ほんまにもう...。(リードの)2点なあ、ここの球場はな、わからんもんな。やっぱりな」と苦笑い。ヒヤヒヤする場面もあったが、新井鯉と自軍の戦力、過去の対戦データも加味して振るったタクトがさえ、首位陥落の危機を回避する白星をつかんだ。(新里公章)

◆1点差に詰め寄られ、なお1本ヒットが出ればサヨナラ負けのピンチ。「ウソだー! ストライク入ってるやろ!!」「岩崎何しとんねん、しっかりしろー!」「大山~! カメラマン席に飛び込んで捕れー!!」「うるせー!!(怒) ガタガタ言うんじゃねーよ! 岩崎に任せたんやから、腹くくって最後まで信用しねーか!!」。その俺の声に途端に図書館で本をめくる学生のごとく、静かになる松村邦洋と俺の息子の虎太郎(とらたろう)。そー、本日は中野猛虎会のテレビ観戦だったのです。そして岩崎が代打・松山を打ち取って阪神勝利!! シーン...。2人ともここは歓喜の雄たけび上げていいからー!!(笑)相変わらず投手が踏ん張り、少ない得点を守る阪神野球だったけど...。打線の核、4番大山の全2打点は打線復活の予告...と思いましょう!! 先発の大竹と坂本は同じ球でスピードを変えたり、クイックにしたり、時にはキャッチボールのようなフワ~っとした投球を交えたり『頭脳の一勝』とたたえるのだ!!

◆阪神の五回表攻撃終了後の、サンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏との会話です。藪「あまり言いたくないんですが...」虎ソナ「どうしたん?」藪「大竹、パーフェクト」虎ソナ「それ、言ったらアカンやろ。口にしたら記録はつぶれるんやから!」直後、小園が右前打。2人が同時に「ホラッ!」。プロ野球あるある、だ。夢はついえた。藪「言わんかったらよかった」反省してください。一昨年の佐々木朗希(ロッテ)まで、完全試合達成者はプロ野球史上16人しかいない。その中に阪神の投手は一人もいない。タテジマ史上初の大偉業は持ち越しだ。それでも、阪神ファンが熱視線を送り続けたマツダスタジアムのマウンドで、首位を死守した大竹の投球は見事だった。阪神が広島へ遠征し、オリックスが北海道で戦っている〝間隙〟を縫い(?!)ソフトバンクが関西にやってきて、京セラドーム大阪でホームゲームを開催していた。「白のキセキ2024」カッコいいタイトルを前面に押し出し、南海ホークス以来のファンや、新たな関西の鷹党を集めての大阪決戦。レプリカユニホームを配布して、お客さんは大満足だ。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
23174 0.575
(↑0.011)
-
(-)
99143
(+2)
124
(+1)
22
(-)
14
(-)
0.227
(-)
2.300
(↑0.03)
2
(-)
広島
19164 0.543
(↓0.016)
1.5
(↓1)
104111
(+1)
94
(+2)
16
(-)
15
(+1)
0.234
(↓0.001)
2.300
(↑0.01)
3
(-)
巨人
21204 0.512
(↓0.013)
2.5
(↓1)
98110
(+2)
114
(+4)
20
(+1)
23
(-)
0.230
(↑0.001)
2.370
(↓0.04)
4
(-)
DeNA
20211 0.488
(↑0.013)
3.5
(-)
101133
(+2)
149
(+1)
19
(+1)
26
(-)
0.242
(-)
3.170
(↑0.05)
5
(-)
中日
18215 0.462
(↑0.015)
4.5
(-)
99118
(+4)
143
(+2)
19
(-)
10
(+1)
0.241
(↑0.001)
2.990
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
17232 0.425
(↓0.011)
6
(↓1)
101153
(+1)
144
(+2)
29
(-)
17
(-)
0.242
(↑0.001)
3.250
(↑0.03)